
コラム「点睛」 印刷新報・2025年6月26日付
町田そのこの『52ヘルツのクジラたち』には心臓を鷲づかみにされた。全国の書店員が一番売りたい本を選ぶ「本屋大賞」の2021年受賞作品だ▼著名作家連が選考する多くの賞と違い、本屋大賞は一生活者である書店員が推すところに身に沿う感じがあり、受賞作の売行きもいい。本が売れにくい時代に、たしかに出版業界の活性化に寄与している▼全国の書店数は約1万と推計される。対して、印刷関連会社はその倍ほどもある。「印刷屋大賞」という名前ではさすがに野暮ったいが、何か世間に、一発で印刷業界の存在が伝わるような身近な賞の創設はできないか▼本屋大賞は、まず投票によるノミネートがあって成り立つ。さて、印刷物となるとあまりに雑多で広範囲。大企業の宣伝物が対象でも味気ないし、現物の評価の仕方も難しい。ジャグラ主催の日本自費出版文化賞は、市民と双方向という点でひとつの参考になる。印刷会社から独自開発商品の募集、一次選考、全国の市民サークル等への商品サンプル発送、人気投票、メディア配信、一般販売といったアイデアが浮かんだが、知恵が足りない。(銀河) |
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