
コラム「点睛」 印刷新報・2025年10月2日付
2018年に総務省が公表したレポート「2050年以降の世界」を見た時、あまりにもテクノロジー偏重で即物的な未来予測、人間の幸福の多くをテクノロジーで実現できるかのように思わせる内容に憤慨したものだ。身体性の軽視、心の問題軽視が危惧された▼社会課題解決の視点として挙げたマッピング分野が「健康・医療・介護」「働く・職場」「モビリティ」「食」「社会インフラ」「エネルギー」だったが、そこに、失業増加、限界集落、結婚難、いじめ、幼児虐待、薬物汚染、自然破壊などの言葉が一切出てこない。あれから7年、AIやロボット、バーチャル技術の急速な進化で社会はますますデジタルに傾いている▼レポートには、今月10日の全印工連70周年行事で講演する落合陽一氏の「人と機械、物質世界とバーチャル世界の間に、今までの工業化社会よりも多様な未来の形がおこりうる」との発言もあった。今回の講演では何を語るか▼個人的には、幸福は“人(生き物)の間”にしかないと考える。未来提言では、あえて自動化や効率化をしない選択や弱者の視点を忘れてほしくない。(銀河) |
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