日付インデックス
7月13日
廣済堂/福島印刷
業務提携モデルを拡大 デジタル印刷・加工の強化へ

7月6日
〈東印工組セミナー〉
一歩踏み込んで挑戦を
業態変革4社が事例紹介

6月29日
全印工連・臼田会長
組合員に官公需対策の指針示す
「民間取引にも確実に影響」

6月22日
日印産連、信頼度向上へ発信力強化
地域連携事業など推進

6月15日
印刷インキの平成28年需給実績
グラビアインキが6年連続で過去最高を更新

6月1日
中小企業者との国の契約基本方針
印刷の低価格防止、著作権配慮など明記
29年度方針(7月閣議決定)を経産省が説明

5月25日
福島県印工組、創立60周年記念事業
「ふくしまの伝統色事業」を展開
豊かな色彩文化の保存・発信へ

5月18日
≪「日本製本紙工新聞」5月5日付から≫
取次協/雑協 雑誌の売上に一定の成果
12月31日特別発売を総括

5月11日
日印産連・第2回女性活躍推進セミナー開催
ドラッカー流の働き方学ぶ

4月27日
アイワード、石狩工場のスマートファクトリー化を実現
完全自動化の"未来工場"が始動

4月20日
【講演】「テレワークで人材確保を」
真興社の福田社長が自社事例を紹介

4月13日
フォーム工連・欧州視察報告会
デジタル印刷の最新動向を学ぶ

4月6日
〈日印産連・デジタル印刷調査報告会〉
高い機能性、どう活かすか
ビジネス拡大に向け活発な討論

3月30日
日本製本紙工新聞3月20日付より
タイヘイ、M&Aで拡大路線 業界再編の台風の目に

3月23日
東京製本工組
ECショップ「製本産直市場」を開設
組合員の販路開拓を支援

3月16日
日印産連 〔地域連携事業検討シンポジウム〕
地域ブランドを戦略に 印刷会社が果たす役割を探る

3月9日
東京グラフィックス「ビジコン2016」
困り事の解決にチャンス 都知事賞にゴミ分別アプリ

3月2日
ONE SAMURAI JAPAN
ご当地ヒーローで地域活性 インバウンド事業を協業展開

2月23日
〈page2017 基調講演1から〉
ジェイコブス氏が語る北米最新マーケティング動向
営業手法の見直しは必至 専用ツールの活用も不可欠

2月16日
〈全印工連・知財活用調査事業〉
知財権保護の必要を明確化
官公需、権利関係の明記が重要

2月9日
全印工連・ダイバーシティ調査
取組み本格化へ意識改革を 採用難への対応に懸念

2月2日
日印産連、VOC警報器で現場改善
光写真印刷の見学会を実施

1月26日
JPMA年始会
延長投資促進減税等を活用し投資喚起へ
アジア市場でシェア確保を
ジャパンカラーは「デジタル印刷認証」を早期に

1月19日
就業規則に副業規程を
多様性を前提に先手で

1月12日
≪「日本製本紙工新聞」1月5日付から≫
発足する全日本製本青年会・渡邊剛会長に聞く
「ど真中で勝ち残ろう!」 第1回大会、7月8日に京都で

1月5日
プロネート、WEB解析ソリューションを提供
課題の可視化で改善促す

12月22日
2016年の印刷業界十大ニュース
不安定さが増す中、新時代の戦略選ぶ

12月20日
≪「日本製本紙工新聞」12月20日付から≫
日本タウン誌・フリーペーパー大賞2016
大賞に櫻井印刷所(埼玉)、今年も印刷会社の力発揮

12月8日
紙を基本にデジタル教科書を併用
文科省検討会議が最終報告

12月1日
フュージョン、米DMA公認のマーケティング講座開始
日本向けに翻訳、eラーニングで受講可能に

11月20日
《「日本製本紙工新聞」 11月20日付から》
第20回いたばし産業見本市 地域貢献の視点育つ
区立美術館とのコラボレーションも

11月17日
東京製本工組「製本・加工技術プレゼン会」
バイヤーを招き実施 11社が自信の製品アピール

11月10日
〈ものづくり補助金/投資促進税制〉
経済産業省がJPMA会員向けに
28年度2次補正予算を説明

11月03日
全印工連、官公需対策に本腰
権利問題など前進図る

10月27日
全日本印刷文化典ふくしま大会
全印工連・臼田会長がメッセージ
新事業領域の開拓で知識産業へ

10月20日
印刷の再成長を考える
一億総活躍社会の社会の実現へ

10月13日
女性活躍でタカラ印刷(福島)が発表
日商の「若者・女性活躍推進フォーラム」で

10月06日
野毛印刷社(横浜)、オープンハウスを開催
顧客を制作現場に案内
"ひらめき"を生む提案の数々

9月29日
GCJ会員10社で新会社を設立
サイネージの製作を全国展開へ

「日本製本紙工新聞」 9月20日付から
創業55周年の東洋化学商会
各種社内委員会が活性化 行動する企業風土に磨きを

9月15日
MUD協会が墨田区へ製品寄贈
全印工連コンペで経産大臣賞受賞の商品を42ヵ所に配備

「日本製本紙工新聞」 9月5日付から
【全製工連 書籍・雑誌専門委員会アンケート】
「協業」への志向が明らかに
取引先の知識不足に募る不満も

9月1日
トキア企画、医療イラストの技術継承を支援
川崎医療福祉大学と協力しインターンシップ

8月25日
第15回印刷産業環境優良工場表彰
経済産業大臣賞に文唱堂印刷
継続的な全社改善で成果

8月18日
〈全印工連・官公需アンケートから〉
3都県で最低制限価格制度を試行
オープンカウンター方式でも実現

8月11日
日印産連、「9月 印刷の月」のロゴを作成
『社会責任報告書』も発行

8月4日
富士経済、印刷インキの世界市場を調査
軟包装用、UVの需要が拡大

7月28日
共同印刷、BPO事業で攻めの経営
生活・産業資材は事業領域を拡大

7月21日
〈全国グラビア 業界実態アンケート〉
小ロット、過剰品質が響く 適正価格の設定も課題

7月14日
日本印刷産業連合会が「drupa2016」報告
多彩な機能を活かす企画・デザインが重要に

7月7日
「フレキソ・ジャパン2016」、10月に開催
フォーラムとテーブルトップショーで構成 最先端の水性フレキソを訴求

6月30日
全印工連・産業戦略デザイン室
広報戦略の立案・推進へ 対内外の発信について議論

〈日本製本紙工新聞 6月20日付から〉
KADOKAWAが所沢市に新拠点
最新デジタル印刷・加工機を設置
ミューラーの「アレグロ・デジタル」採用

6月16日
東京都、最低制限価格制度の本格導入へ
試行案件第一弾を実施
「実効性ある」制度設計目指す











2017年7月13日付
廣済堂/福島印刷
業務提携モデルを拡大
デジタル印刷・加工の強化へ


 廣済堂(浅野健社長、本社・東京都港区)と福島印刷(下畠学社長、本社・石川県金沢市)は2015年6月、デジタル印刷分野において共同でダイレクトメールサービス(DM)およびブックオンデマンドサービス(BOD)を推進する業務提携契約を締結した。
 2016年2月からは、福島印刷が廣済堂のさいたま工場内に最新鋭のロール式インクジェット印刷機(Truepress Jet520 HD)を設置し、福島印刷の金沢工場を補完するサテライト工場として稼動してきた。
 今回、2017年9月に廣済堂のさいたま工場に福島印刷のサテライト工場と同一のインクジェット印刷機を設置し、サービスを拡大することになった。今回の業務提携モデルの拡大により、同ビジネスにおける両社の売上高は3年後に10億円と予想している。

 ◆DM・封書・BODに柔軟に対応
 両社における業務提携は、両社の保有するリソースを効率的に活用し合う事業最適化システムである「シェアモデル・マネジメント」として、コストとリスクを低減させ競争力強化を図ってきたと同時に、個人情報を取り扱うデジタル印刷設備をシェア利用するに際しての通信系、データ処理系、生産フロア等の高度な時間分割独立管理システムとルール体系に基づく「シェアポリシー」による共同運営を実現し、デジタル印刷領域での実績を拡大してきた。
今回の導入は、業務提携モデルの拡大に向けて出版印刷や商業印刷の営業領域におけるデジタル印刷サービスの拡大や深化を目指す廣済堂の独自設備による事業展開の強化と、金沢工場とさいたまサテライト工場を稼働している福島印刷のさいたま工場内でのBCPリスク解消と金沢との3拠点によるモデルを実現することで、両社における顧客へのサービスと品質・納期保証の強化を図るもの。
 加工分野においては、福島印刷のサテライト工場内の圧着はがき加工ラインのほか、廣済堂のさいたま工場内には、従来の封入封緘ラインに加え、新たにデジタル印刷に対応した製本加工ラインを導入。「DM」「封書」「BOD」のいずれにも対応できる体制で顧客のニーズに応える。
 廣済堂は出版印刷に強みを持ち、傘下に廣済堂出版や廣済堂あかつきという出版子会社を保有。また、幅広い顧客資産とさまざまな事業領域で培った総合力を活用し、One to One型の最適なマーケティング戦略やITソリューションを併せて提供し、顧客のニーズに的確に応える「マーケティング・プラットホーム」や「リアルとネットの融合」ビジネス展開を加速していく。
 福島印刷は、2008年から消費者の嗜好に合わせたOne to Oneドキュメントの自動生成と、バリアブル印刷を組み合わせたソリューションである「パックサービス」を提供してきた。複数のDM企画をまとめて生産することによるスピード化や、開封トラブルに強く、印刷に制限のない後糊方式が高い評価を得ている。今後はビジネスプロセスアウトソーシング市場も積極的に開拓しながら、その事業を拡大していく方針。










【印刷新報2017年7月13日付掲載】
その他掲載記事
・2017年暑中特集号
・事業承継奮戦記 日本電鍍工業 伊藤麻美社長
 SOPTECとうほく2017 主催者企画セミナーより
・熊本地震から1年3ヶ月
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年7月6日付
〈東印工組セミナー〉
一歩踏み込んで挑戦を
業態変革4社が事例紹介


 『印刷道』で掲げる「ソリューション・プロバイダー」へのステップを支援する東京都印刷工業組合のセミナーが6月28日に日本印刷会館で開かれ、50名が参加した。業態変革に挑戦する4社が成功談や失敗談を交えながらイノベーション事例を紹介。顧客の困り事の解決や、地元の活動を通じて人脈を生かし、新たな印刷の仕事を創出する具体例などを学んだ。

聴講者が画用紙に考えや意見を書いて「参加・対話型」で進められた

 事例発表は、富沢印刷(荒川区)の富澤隆久社長、アダチファクトリー(墨田区)の萩部健次社長、テクスパート(江東区)の中野英一郎社長、栄正印刷(豊島区)の鶴岡丈夫社長。ファシリテーターは、弘和印刷(足立区)の瀬田章弘社長が務めた。
 富沢印刷は、商業印刷を中心に展開する創業57年の総合印刷会社。富澤社長が入社した16年前は、典型的な家族経営で実家に工場を増設した狭々した職場だったことから、「早く立派な印刷会社になること」を目標としていた。
 富澤社長は「当社でステップアップガイドを試みた結果、顧客とのコミュニケーション、心と心のつながりが当社の強みだと分かった。そこで顧客先で1ヵ月に1回配るチラシを作った」と述べ、提案型営業の強化を図った。会社・工場の見学も積極的に受け入れ、社内の雰囲気が良くなり、会社の活性化につながっている。
 アダチファクトリーの萩部社長は、内閣府食プロ6次産業化プロデューサー、経産省ふるさとプロデューサー、東京都農林水産振興財団専門家など、「7つの顔を持つ男」。2008年、旧安達印刷所から事業承継して以来、印刷、広告代理業、農業販売支援、企業コンサルタントなど幅広く展開する。
 萩部社長は「今の時代、相談され、信頼され、専門家でなければ仕事をもらうことはできない」と指摘。そのうえで、「印刷はあくまでお客さまにとって手段でしかない。われわれのゴールは顧客が何かを求めているかをつかんで支援することだ」と強調した。
 テクスパートは、中野社長がゼネコン、商社勤務を経て、起業した創業4年の会社。初めは印刷関連機材の代理店業がメインだったが、その後に立ち上げた配送業務が急伸し、売上の9割を占める。「配送業務を始めたのは、印刷会社のニーズを聞いているうちに気軽に引き受けたことがきっかけ」(中野社長)。印刷会社が配車枠を買う定期契約の形で展開し、その後、徐々に間口が広がり、創業当時の売上総利益から約5倍に成長した。
 栄正印刷の鶴岡社長は地元商店会の役員だったことから、南長崎活性化プロジェクトに参加し、漫画家、手塚治虫が住んでいた「トキワ荘」に関連する印刷物を一手に受けている。
 鶴岡社長は、30代から可能な限り地元の集まりに参加し、40代からは東印工組に入るなど、「友達(人脈)づくり」に力を注ぎ、紹介から仕事につなげている。「今年50歳になるが、横糸のお客さまと縦糸の印刷業界を組み合せて、さらに事業を発展させていきたい」と話す。
 瀬田氏は「一歩踏み込んで挑戦すると、風景が変わって見えてくる。各社それぞれの特長を生かした会社づくりに挑戦してほしい」と呼びかけた。










【印刷新報2017年7月6日付掲載】
その他掲載記事
・日本WPA 復興支援を兼ね、熊本で総会・見学会
・日展協、公式声明文で展示会問題の解決を訴える
・全青協、全青中と事業連携 ブロック協議会を共同開催
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年6月29日付
全印工連・臼田会長
組合員に官公需対策の指針示す
「民間取引にも確実に影響」


 7月に閣議決定予定の「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に、印刷物の低価格防止、知的財産権保護に配慮した内容を盛り込む方向が、経済産業省等から明らかにされている。これに関連して全日本印刷工業組合連合会の臼田真人会長は、今年度上期地区印刷協議会において、官公需取引改善に対する全印工連の姿勢と組合員への指針を改めて示した。6月21日の東北地区における話の要旨を紹介する。
(以下、あいさつ要旨)
 現状の官公需取引の中で、印刷の最低制限価格制度がそもそも存在しない地域があります。制度があったとしても、たとえば、前年度実績の八掛けであるなど、積算の根拠がまったくない予定価格が設定されていたりします。印刷物の価格自体が根拠の薄い方向にどんどん転がっていく状況がなぜ起きるのでしょうか。
 知的財産権の取扱いについては、受注した企業の社員さんが精魂込めて原稿を編集し、印刷用の生成ファイルを作るわけですが、多くの官公需取引において、また、民間の取引においても、最終的にできあがった印刷物に対して、「印刷用のファイルをください」と言われ、さらに契約書の中に、「著作権は発注者側に帰属する」という文言が入っているわけです。なぜなのでしょうか。
 答えはすべてここ(※中小企業庁『官公需契約の手引─施策の概要─平成28年版』を示して)にあります。
 官公需取引に関しては、中小企業基本法の中に官公需法という法律があり、ガイドラインがこの手引に示されていますが、記されている内容そのものが、われわれ印刷業界にとって非常に曖昧な文言で書かれています。
 今、申し上げた最低制限価格制度、もしくは制度の導入や実施、予定価格の積算に関しても曖昧ですし、知的財産権の取扱い、すなわち著作権や最終成果物の権利問題についてはまったく触れられていません。ただ一言、「契約書の中に著作権の所在を記すこと」とあるだけです。これでは、当然ながら発注者の強みで、「著作権は発注者側に帰属する」の一言で取引が成立してしまいます。
 現状の官公需取引については、国も各自治体もすべて官公需法の手引書に基づいて動くわけです。
 今から3年半ほど前に、私ども全印工連は、「中小印刷産業振興議員連盟」を立ち上げ、中小印刷産業をしっかり後押ししてくださる自由民主党の先生方120名ほどにお集まりいただいています。これまでみなさまが、そして多くの先達が官公需対策に努力されてきたことを、今改めて議員連盟の力を借りながら、経済産業省、中小企業庁に対して、法律に基づく手引書の中に、特に中小規模の印刷事業者にとって望ましい形の内容を具体的に記していただく活動を、全印工連を通じて行っている最中です。
 5月26日の議員連盟の総会で、途中経過について経済産業省と中小企業庁の課長から報告を受けたところ、まだ内容は確定していませんが、われわれにとって非常に良い方向で最終調整が行われているということです。  また、たとえば、愛知県における「県内に本店を有し、自社の印刷機を使用し県内で全工程を行うこと」を条件とした契約など、各地方自治体の印刷調達の施策に関する事例が記される予定です。
 スケジュールについては、この7月に「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」が閣議決定する予定です。8月以降は、経済産業省、ならびに中小企業庁が中心となって、改定した内容について別途マニュアルを作成し、全国の各自治体に対して、今回の中小企業に関する官公需取引の改善点、知的財産権に関する取扱いなどについて説明が行われます。  したがって、全印工連が取り組んでいるさまざまな官公需取引における改善の成果が、間もなくある程度一定のラインまで進むところに来ています。このことは、私自身、やはり印刷産業がそもそも持っている大きなポテンシャルによるものだと思っています。この国において、また、みなさまのそれぞれの地元において、印刷産業は製造業の中でも、事業所数、従業者数、出荷高、付加価値高、加工高など、ほとんどの都道府県で3位以内に入り、かなりの県で1位となっています。この国の製造業における基幹産業であるといえます。このことを、私たちは改めて共通認識として持たなければいけません。
 今まで動かなかった大きな岩も、われわれ4750社が力を一つにすることで動かすことができます。今後、組合としての存在意義をしっかりと活かすためにも、印刷産業の位置づけを今よりも向上させる運動を含めて、みなさまと共にこれからも官公需対策にしっかりと取り組んでいきたいと考えます。そして、官公需取引が変わるならば、確実に民・民の取引においても、印刷物に関する商習慣に早晩大きな影響を与えるものと私は確信しています。












【印刷新報2017年6月29日付掲載】
その他掲載記事
・第31回 北海道情報・印刷文化典特集
・シール・ラベル特集
・SPTECとうほく2017特集
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年6月22日付
日印産連、信頼度向上へ発信力強化
地域連携事業など推進


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は6月14日、第32回定時総会を東京のホテルニューオータニで開催し、平成29年度事業計画ほかすべての議案を承認した。
 28年度は、日印産連ホームページのリニューアルを行い、内部で情報掲載ができる体制を構築。新たに会員10団体の情報や地域連携情報交流基盤〈じゃぱにうむ〉の発信サイトを開設した。グリーンプリンティング認定制度の周知にあたっては、作家の小山薫堂氏を初代グリーンプリンティングPR大使に任命。また、日印産連として初の社会責任報告書を作成し、会員団体、協賛企業ほか国公立図書館、学校付属図書館、学校就職課など約2300ヵ所に配布するなど、印刷産業として社会の求める新たな価値の創出に向けた活動、印刷産業の果たしている役割と機能を広く周知していく活動を積極的に展開した。
 29年度事業計画では、基本方針に次のように謳った。
 「社会はあらゆる局面で大きく変化してきている。こうした課題に印刷産業としてしっかり取り組み、社会の持続的な発展に貢献し、事業の成長と社会からの信頼獲得のために、日印産連では2015年からグランドデザインに取り組み、平成28年度はその深耕に努めてきたが、平成29年度もこの取り組みを継続していく。具体的には、時代の変化を早期に的確に捉え、社会の発展を支えるための『新しい価値の提供』、印刷産業の各社が『公正で的確な事業活動を推進』できるための施策展開、『持続可能な地球環境への取り組み』の推進、さらに、一般社会に向けた『印刷産業の理解促進』を図り、産業としての信頼度向上に向けた活動を推進する。」
 この4本を柱として日印産連では、ステアリング・コミッティ(運営委員会)、価値創出委員会、企業行動委員会、地球環境委員会、広報委員会など、常設の委員会・部会を中心に取り組む。また、10団体との連携体制づくりを積極的に進める。  価値創出委員会の市場動向調査部会では、インバウンド事業の情報交流拡大に向けた活動として、じゃぱにうむコンテンツの拡大、28年度に引き続き地域連携セミナーの開催(9月・大阪)などを予定する。
 同技術部会が所管する国際技能五輪への選手派遣では現在、2017年10月のアブダビ大会代表選手(亜細亜印刷・早瀬真夏氏)の強化訓練を実施中。また、2019年カザン大会に向け、代表選手選考の準備を行う。
 企業行動委員会の情報セキュリティ部会では、個人情報保護の取組みのベースとなるJIS Q 15001の改正(2017年3月末に原案確定、9月発効予定)という大きな変化に対応。「印刷産業における個人情報保護ガイドライン〈解説付〉」を10月発行を目標に作成する。
 同女性活躍推進部会では、「働き方改革」に焦点を当てながら、新たな動向や会員10団体における取組み事例の情報共有、印刷産業に働く女性のネットワークづくりを目的としたシンポジウム形式のイベント実施などを予定する。
 地球環境委員会のグリーンプリンティング推進部会では、GP効果数値化検討ワーキンググループにおいて、GP認定制度による環境負荷低減効果の数値化および活用方法の検討、システム構築などを進め、定量的にもGP認定制度が有効であることを検証していく。
 広報委員会では、今年度も「JFPI社会責任報告書」を発行するほか、来年7月に開催されるIGAS2018と連携し、FAPGA(Forum of Asia Pacific Graphic Arts)2018を東京で開催する準備を進める。
 審査・認定事業では、日印産連プライバシーマーク審査センターが審査業務を開始して10周年を迎えることから、9月に「10周年記念シンポジウム」(仮称)を企画し、基調講演や各種表彰、懇親会等を行う。











【印刷新報2017年6月22日付掲載】
その他掲載記事
・ジャグラ文化典岩手大会開催
 震災6年、復興への思い共有
・全日本フレキソ製版工業組合 創立40周年記念式典開催
・全印工連・産業戦略デザイン室 対外広報の刷新へ
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年6月15日付
印刷インキの平成28年需給実績
グラビアインキが6年連続で過去最高を更新


 印刷インキ工業会は5月25日、第70回通常総会を東京の上野精養軒で開催し、その中で平成28年の印刷インキの需給実績が報告された。
 印刷インキ合計の生産量は34万6988トンで、前年に比べ1193トン減少。出荷量は40万9803トンで、前年より4413トン増加した。出荷額については、平成22年以来6年ぶりに3000億円台に乗り、3005億5100万円で前年を49億4100万円上回った。  品目別では、平版インキの生産量は10万7482トン。前年比で4086トン減少したが、出荷量は12万8332トンと1270トン増加。出荷額は817億600万円で前年に比べ1億3300万円増となった。出荷量、出荷額が前年を上回ったのは9年ぶり。
 グラビアインキは生産量12万4792トンと、前年より3030トン増加。出荷量は16万177トンで3591トン増加。出荷額も858億5800万円で4億800万円増加し、6年連続で過去最高を更新した。
 また、平成27年度UVインキ需給実績の調査報告では、同年度の生産量は1万4348トンで前年比107、出荷量は1万4320トンで同107、出荷額は278億8600万円で同109。うち、オフセット用UVインキが全体の約6割を占め、生産量が8920トンで前年比117、出荷量が8901トンで同117、出荷額は167億8000万円で同116となった。
 平成29年度の事業計画は、「印刷インキに関する自主規制(NL規制)の拡充および普及啓発」「第21回化学物質取扱量調査の実施」「インキグリーンマーク制度の普及拡大および運用」などを中心に展開。各常設委員会および各部会で積極的な活動を実施していく。また、平成30年に創立70周年を迎えることから、その準備も進めていく。  任期満了に伴う役員改選では、川村喜久氏(DIC株式会社取締役)が新会長に就任した。川村会長は就任にあたり、次のように抱負を述べた。
 「来年は創立70周年の節目を迎える。工業会と会員企業が永続的に成長していくためには、最新の情報技術を駆使した生産や販売体制の効率化やインキの技術を核に新事業に進出していくなどの取組みが必要だ。また、印刷インキの安全性をより高いレベルへ押し上げながら、環境負荷低減に資する製品開発を進め、業界として社会的責務を果たしていくことが大切となる。工業会のさらなる発展のため、心血を注いでいく」











【印刷新報2017年6月15日付掲載】
その他掲載記事
・特集 枚葉印刷2017
・日本プリンティングアカデミー
 新理事長に花井秀勝氏が就任
・日印産連 製紙連に反対声明文
 印刷・情報用紙値上げに対し
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年6月1日付
中小企業者との国の契約基本方針
印刷の低価格防止、著作権配慮など明記
29年度方針(7月閣議決定)を経産省が説明


 5月26日に自由民主党本部で開かれた中小印刷産業振興議員連盟(中曽根弘文会長)の総会で、全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)から出されていた官公需に関する複数の要望事項に対して経済産業省から回答があり、7月に閣議決定予定の「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」(改正)の中に、地方公共団体における印刷を含む役務契約についても最低制限価格制度等の対象となることが基本方針に盛り込まれることが明らかになった。また、印刷物の財産権保護に関して、基本方針に「著作権の財産的価値等への配慮が進展するよう、必要な措置を追記」すること、国や地方自治体に対して周知を図ること等、今後の対応が示された。これにより、全印工連が求めていた官公需契約における適切な予定価格の作成、地域の中小企業者の積極的活用、低価格競争防止策の導入、財産権の保護に関して、大きな前進が期待される。

全印工連役員も多数出席した議員連盟の総会

 総会には経済産業省から、印刷業を所管するメディアコンテンツ課の山田仁課長ほか、中小企業庁事業環境部取引課の担当官が出席し、印刷業界からの要望について対応状況を説明。7月に閣議決定する予定の「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」の中で、全印工連からの要望事項に関連して次の基本方針および解説を記載すること、また、財産権保護については経済産業省の対応の方向性が明らかにされた。
【要望1 最新の実勢価格等を踏まえた積算に基づいて適切に予定価格を作成すること】
▽基本方針
・国等は、役務及び工事等の発注に当たっては、需給の状況、原材料及び人件費等の最新の実勢価格等を踏まえた積算に基づき、消費税及び地方消費税の負担等を勘案し、適切に予定価格を作成するものとする。
▽解説 「具体的には、予定価格の作成に当たっては、過去の契約価格のみを参考にすることは厳に避け、『積算資料』『月刊物価資料』といった定期刊行物の最新号による積算や複数の参考見積もりに基づく予定価格の作成が期待される。」
【要望2 地域の中小企業・小規模事業者等の積極活用を要望】
▽基本方針
・国等は、地方支分部局等において消費される物件等については、極力地方支分部局等における調達を促進することにより、地域の中小企業・小規模事業者等の受注機会の増大を図るものとする。
・中小企業庁は、新規中小企業者調達推進協議会を活用して、国等の契約の基本方針に盛り込んだ中小企業・小規模事業者等の受注機会の増大のための取組みが一層効果的なものになるよう、情報提供に努めるものとする。
▽解説 ※地方公共団体における施策として、「印刷に係る少額随意契約」で愛知県、「地元企業優先発注」で山口県下関市の事例を紹介。
【要望3 低価格競争防止策の導入を、国から地方自治体へ強力に指導するよう要望】
▽基本方針
・国等は、地方公共団体における役務及び工事等の発注に際し、低入札価格調査制度、最低制限価格制度及び入札ボンド制度等の適切な活用が促進されるよう努めるものとする。
▽解説 「工事等以外について基本方針における位置付けを明確にし、役務等における低入札価格調査制度等の活用について改めて促進に努めることとした。なお、印刷について、官公需法の運用においては、全て物件と区別しているところ、地方自治法施行令第167条の10に規定する『製造その他の請負』に該当する役務については、これら制度の対象となり得る。」 【要望4 所有権・著作権の取扱いに十分配慮し、現在横行している不当な要求を改めるとともに、必要とする場合には、別契約として、その用途と対価を明確にした契約とするよう早急な見直しと改善を要望】
▽対応の方向性(※経済産業省の今後の対応)
・官公需における印刷契約において、受注者の著作権の財産的価値を認めること、発注者の著作権の利用目的を明確にすること、コンテンツ版バイ・ドール契約を推進。
・そのため、望ましい契約条項、問題となる契約条項について、実務的に契約の見直しが可能なノウハウ等を整理し、その内容を普及。
・「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」(7月閣議決定)及び関連資料において、著作権の財産的価値等への配慮が進展するよう、必要な措置を追記。これに基づき、国、独法等及び地方自治体に対して周知。
 今後のスケジュールは、6月上旬に印刷に係る請負契約の整理(経済産業省内マニュアルの作成等)、6月に関係各省との調整、7月に「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」改正、8月〜10月頃に同基本方針の全国説明会などを予定する。
 総会の席上、中間生成物の財産的価値を明確に盛り込むよう全印工連側が求めたことに対しては、経済産業省の山田課長「実際の場面を考えながら、ガイドライン作成などの検討を進めたい」と回答した。
 今回の基本方針改正の内容は、全印工連の取組みによる官公需取引改善の大きな前進だ。総会の席上で何度も言葉に挙がった「実効性の確保」が今後の課題であり、各自治体等の受け止め方と対応が注目される。また、改正を好機と捉え、各印刷会社が積極的な行動を起こすことが、取引改善を確実なものにする鍵となる。










【印刷新報2017年6月1日付掲載】
その他掲載記事
・ジャグラ文化典 岩手大会特集
・IGAS 新ロゴマーク決定
・日本印刷産業機械工業会 80周年記念式典開催
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年5月25日付
福島県印工組、創立60周年記念事業
「ふくしまの伝統色事業」を展開
豊かな色彩文化の保存・発信へ


 福島県印刷工業組合(佐久間信幸理事長)は5月19日、組合創立60周年記念事業である「ふくしまの伝統色事業」について発表した。福島県民の暮らし・文化に密着した色を調査・選定したうえで、将来に伝える色彩文化として保存し、県内外に広く発信していく。福島県のアイデンティティを色彩の観点から深く掘り下げる試みとして注目される。福島市で開催された60周年記念式典の席上、佐久間理事長から説明が行われた。
            ◇
 福島県印工組では2013年に、印刷物が福島県で製造されていることを広く社会に伝えるツールとして「Made in Fukushima」ロゴマークを作成し、復興支援の取組みを進めてきた。
 今回は、色に携わる印刷のプロとして、地域に根付いた色を再発見し、福島県が誇る豊かな色彩文化を県内外に広く伝えていく「ふくしまの伝統色事業〜ふくしまの伝統色彩調査と色彩文化の保存・発信」を展開する。
 基となる考えについて佐久間理事長は「『赤』と聞いて日本人が連想するのは、たとえば沖縄県では首里城の『守礼門』、東京であれば浅草の『雷門』などになると思われる。福島県民であれば、白河だるま、赤べこ、会津塗など、地域固有の風物や民芸品、自然、食物を連想するのではないか。色に対する嗜好性や表現はさまざまで、その土地ならではの風土や文化伝統に根ざした固有の色と、その色に彩られたモチーフが存在する」と話す。
 同組合では現在、5支部(福島・郡山・会津・県南・いわき)が、各地域を代表する色彩について、さまざまなジャンルから調査している。色の歴史や背景を調べ、選定した伝統色の中から20色程度に絞って命名し、福島県独自の伝統色として将来に伝えていく。
 8月頃までに調査・選定を終え、秋には告知用のポスターやパンフレットを完成する予定。文具の製作、講演会や展示会などを通して、福島の彩りにふれる機会の創出を図っていく。
 ■佐久間理事長の話
 何となく解ったつもりでいる福島の色彩について、個々の色が生まれた背景にあるストーリーなどを調べて整理する。選定した色を後世に残し、だれでも使えるようにしていく。色を通して子供たちに福島県の文化や歴史を知ってもらい、『これは僕の青』、『これは私の赤』と誇りを持って県外の人にも紹介できるようになればすばらしい。できれば、これから伝統となっていく新しい色も加えたい。
 福島県の大切な風土や伝統文化を伝えることにもつながる大変意義のある事業だと考える。普及、浸透に5年、10年はかかると思うが、具体的に土産物などへの採用も出てくるだろう。まずは、色鉛筆など子供たちに肌で感じてもらえる文具を作り、学校に配布したい。伝統色を使ったぬり絵コンテスト、有名人や学識経験者を招いた文化と色の講演会など、いろいろな企画が考えられる。













【印刷新報2017年5月25日付掲載】
その他掲載記事
・東京都光沢化工紙協組、「関東特殊加工協同組合」に
 名称変更へ
・東印工組 「VOC排出削減対策推進事業」受託
・全出版人大会、550人が結集 「忍耐から攻勢へ」
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年5月18日付
≪「日本製本紙工新聞」5月5日付から≫
取次協/雑協 雑誌の売上に一定の成果
12月31日特別発売を総括


 日本出版取次協会と日本雑誌協会は、初の試みとして実施した雑誌、書籍など12月31日特別発売日、年末年始キャンペーンについて総括した。年末年始の7日間(2016年12月29日〜2017年1月4日、書店4069店舗)の書籍、コミックスなどの売上総計は前年比97.5%と下回ったものの、雑誌に関しては前年比101.5%となり、大幅なマイナスが続く中で一定の成果があったとした。
 今回の試みは、出版不況が続く中で、客数の多い年末年始に、より多くの消費者を書店に呼び込むとともに、流通の空白期間を少しでも減らして売上増につなげることが狙い。12月31日特別発売日(土曜日)に全国一斉発売(沖縄除く)を行った。内訳は、雑誌が正月用に特別編集された臨時増刊号、ムック、コミックスなど約130誌、計800万部。書籍は単行本、文庫、書籍扱いコミックスなど新刊約70万部。また、書店のキャンペーンとして、雑誌の購入者に抽選で図書カードが当たる「しおり」の配布や、先着順でレトルトカレーをプレゼントする企画を展開した。
 書店に行ったアンケートでは、「客数が多いときに商品を投入するのは当たり前。継続すべき」「売り場が新鮮」「元旦以降の売上が見込める」と好意的な意見があった一方、「帰省で客が来ないので、12月29日、30日の方がいい」「商品不備等があっても連絡が取りづらい」など改善を求める意見もあった。
 両協会は、今年の発売設定について、「12月31日が日曜日に当たることや、今回のキャンペーンの結果や反省点を踏まえて、早期に発表する」としている。












【印刷新報2017年5月18日付掲載】
その他掲載記事
・JPMA80周年特集
・4Fes!活況 体験とトークで盛り上がる
・「環境」と「法規制」の動きを知る
 コンバーティングの明日を考える会
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年5月11日付
日印産連・第2回女性活躍推進セミナー開催
ドラッカー流の働き方学ぶ


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は4月26日、第2回女性活躍推進セミナーを日本印刷会館で開催した。女性だけでなく多様な人材が活躍する環境作りが求められる中で、経営学者であるピーター・ドラッカーの考えを基にした働き方改革について、ドラッカー学会の理事・事務局長を務める井坂康志氏が解説した。

 日印産連では、平成27年度に企業行動委員会の分科会として女性活躍推進部会を立ち上げ、日印産連の会員10団体が女性活躍に取り組むための風土作りや情報提供、長時間労働の是正などの働き方改革を掲げて活動している。
 同部会の金田由美部会長(大日本印刷研修部シニアエキスパート)は、残業をいとわずによく働くことを是とする誤った成果主義が長時間労働を引き起こし、それが育児や介護からの社会復帰の妨げにもなっていると現代の労働環境の問題点を指摘する。
 その上で、「女性をはじめとする社内人材の多様化を進め、働きやすい職場をつくるには、管理職が部下を正しく生産性で評価し、長時間労働はキャリアにつながらないという風土作りが求められている」とし、働き方の抜本的な改革が必要だと訴える。
 それを受けてセミナーでは、外国人編集者として最後にドラッカー本人にインタビューを行った井坂氏が「ドラッカー流『働き方改革』」と題して講演を行い、新しい働き方のヒントを語った。
 ◆「捨てること」と「書き留めること」
 オーストリアの経営学者であるドラッカーは、2005年の没後も関連書籍が出版され、現在も多くの経営者に多大な影響を与え続けている。
 その理由について井坂氏は「ブラック企業と呼ばれ、人をコストとして捉える企業もある中で、ドラッカーは人を資源としてみなし、それを活かすことを会社の責任と定義している」とし、労働者を活かすことを前提とした考え方が時代を超えて支持される要因にあると話す。
 講演では労働者に焦点を当てたドラッカーの考えが紹介され、その中では「捨てること」と「書き留めること」の重要性が強調された。
 井坂氏は「人間は学んだことを捨てることが苦手だ。パソコンでもソフトを入れ過ぎては重くなってしまう。仕事の中でも常に不必要なものを廃棄する必要がある」と説く。
 特に自身にとって不可欠だと思っているものほど実際には不必要なケースも多く、決してタブーを作らずに廃棄の対象になり得るのか、腰を据えて考えるように促した。
 また捨てることと併せて、知識社会においては思い付いたことを書き留めることの重要性も強調した。
 知識労働者にとっての価値の源泉は当然「知識」であり、その原点は考えること。つまり思考が知識を生むわけだが、「思考は空気のようなもの。少しよそ見をしている間に消えてしまう。だから思い付いたらすぐに書き留めないと活かすことができない」と井坂氏は指摘する。
 その際には期待することも併せて書き留めることで、実際の結果をフィードバックすることもできるため、「ぜひメモをする習慣を身に付けて、自分自身の成長につなげてほしい」と参加者に訴えた。
 また、ドラッカー流のコミュニケーション術も紹介し、人間は「聞いて理解するタイプ」と「読んで理解するタイプ」の2つに分かれるため、上司や自分がどちらに属するかを意識することでコミュニケーションが円滑になるとアドバイスした。











【印刷新報2017年5月11日付掲載】
その他掲載記事
・第61回GCJ東京大会特集
・Japan Color認証制度 デジタル印刷認証創設
・「紙博」に1万人 多彩な紙製品が来場者を惹きつける
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年4月27日付
アイワード、石狩工場のスマートファクトリー化を実現
完全自動化の"未来工場"が始動


 株式会社アイワード(木野口功会長、奥山敏康社長、本社・札幌市中央区)は、ハイデルベルグがdrupa2016で発表した最新鋭の「スピードマスターXL106-8-P 18K」を2016年12月、同社石狩工場(北海道石狩市)に導入した。国内第1号機となる。オフセット印刷の完全自動運転をコンセプトに開発された最新モデルの導入により、石狩工場のスマートファクトリー化を実現。出版印刷専門工場としての機能をさらに強化した。4月18日には石狩工場で記者発表会と工場見学会、札幌グランドホテルで「設立50周年記念感謝のつどい」を開催した。

石狩工場に導入されたハイデルベルグ「XL106-8-P」

 ◆出版印刷のさらなる高みへ
 アイワード石狩工場は、1998年に出版印刷を主力とする同社の拠点工場として完成した。札幌本社プリプレス部で制作された印刷用データはオンラインで石狩工場に送られ、刷版出力から印刷に回る。本社管理部では稼働データ、生産実績をリアルタイムで把握し、調整と分析を行っている。枚葉印刷機はすべてハイデルベルグ製で、菊全8色機2台、菊全7色機1台、菊全4色機2台などを備えるほか、輪転機、製本ラインがある。
 今回、アイワードでは、稼働から15年以上が経った枚葉印刷機4台を放出し、最新のハイデルベルグ・スピードマスターXL106-8-P 18K(菊全寸のび判8色両面兼用印刷機、最高印刷速度1万8000枚/時)を導入した。ハイデルベルグの「Push to Stop」コンセプトに基づいて設計された最新モデルで、アイワードが国内初導入となった。
 オフセット印刷の完全自動運転を実現する「インテリスタート2」を装備する制御コンソール「プリネクトプレスセンターXL2」により圧倒的な生産性を実現。印刷会社全体をネットワーク化し、プリプレス・印刷・製本を統合管理する「プリネクト」とスピードマスターXL106-8-Pが接続されたことで、プリネクトにより作成されたジョブチケット(電子作業指示書)に従い、印刷の順序を含めたすべての前準備が自動的に行われ、印刷機コンソール、プリネクトプレスセンターXL2にあるディスプレイに表示される。その仕事の順序に沿って印刷機は次々と自動運転を行い、特にオペレータが停止指示をしない限り自動運転を続行する。
 アイワード札幌本社のプリプレス部と石狩工場はプリプレスワークフローでつながり、造本仕様に最適な組版データのハンドリングと製造設計が行わる。ジョブデータは直接XL106-8-Pに送られ、印刷前準備時間の大幅な短縮と1万8000回転による印刷、製本ラインによるスピーディな仕上げ体制により、これまで以上の高品質と短納期を顧客に提供することが可能になった。
 4月18日の記者発表会で、アイワードの木野口会長は、導入の経緯と成果について次のように述べた。
「当社は1966年10月に設立し、昨年50周年を迎えた。最近、NHKに取材をしていただき全国放送された番組の中で "老舗"と紹介され、複雑な思いがしている。老舗はやはり、新しく創業し、再出発する気持ちでいろいろなことに取り組まないといけない。お客様の要求はますますハイグレード、短納期になり、反面、価格は低くなるという難しい時代。この50周年を期して、何をしたらいいかを考えた。
 情報を集めたところ、経済産業省の『エネルギー使用合理化等事業者支援補助金』を知り、取り組むことを決めた。電力換算で前年比20%のエネルギー使用量削減が該当の条件で、申請し採択された。工場の照明をすべてLEDに交換した。劣化していた冷暖房設備も全面的に更新し、工場内の温湿度を一定化した。コンプレッサーについても高効率の設備に更新し、電力の削減を図った。
 やはり、一番の中心は印刷機であり、昨年12月にdrupaバージョンのXL106を導入した。古い機械を4台出して1台入れ、生産性は維持しながら品質は上がり、エネルギー削減も図られた。3月のデータでは前年比70数%の電力使用量となっている。なんとか所期の計画を達成できる見通しだ。総事業費は約8億2000万円、国からの補助金が約3億5千万円だった。そのほか、XL106を含む5台の枚葉機とオフ輪に自動検査装置、折り機も8台のうち4台を更新、自動紙積機も導入した」  18日には、取引先や業界関係者を招いた石狩工場見学会も5回に分けて行われ、XL106-8-Pでの最高速度、両面刷りの実演が披露された。ハイデルベルグ・ジャパンの説明員は「印刷オペレータの役割は"良い印刷物を造る"から"いかに印刷機のパフォーマンスを維持するか"に変わってきた。その分、人にしかできないことに注力できる」と、完全自動化による変化を言い表した。
●アイワード・奥山社長の話
 導入したXL106は自ら生産性を高めていくさまざまな機能を持っている。中でも大きいのは版の交換だ。これまで8色機の版交換に約16分を要していたが、2分30秒と大幅に短縮された。印刷の立ち上りも非常に速い。すばやく1万8000回転に達し、それを安定して運転できる。品質を保証する自動見当合わせ、色管理など、周辺機器を使ってオペレータが自分で制御していたものも、すべて内蔵されている。さらに、1枚1枚の印刷の表裏にナンバリングを行い、固有の番号で検査・識別できるようになった。製本には良品しか送られず、従来にも増して工程間がスピーディになった。










【印刷新報2017年4月27日付掲載】
その他掲載記事
・東印工組 都の「VOC排出削減対策推進事業」に応募
 最大5,000万円の補助事業に
・「ダイバーシティ2.0」の競争戦略を学ぶ
 印刷工業会・トップセミナー
・シタラフェア2017開催
 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年4月20日付
【講演】「テレワークで人材確保を」
真興社の福田社長が自社事例を紹介


 真興社(本社・東京都渋谷区)の福田真太郎社長は、印刷同友会が3月17日に開催した研修会で、「真興社新生産システム〜インダストリー4.0によって何が変わるか」をテーマに講演し、女性活躍推進や働き方改革が叫ばれる中、印刷業界においても「テレワーク」(在宅勤務)を導入する必要性を訴えた。
 少子高齢化社会を迎え、各企業では人材確保が困難になってきていることに加え、家族の介護を理由とした介護離職者が年々増え続けている。
 真興社では、3年前から同社を退職したDTPオペレータの元女性社員など5名にテレワーク制度を導入し、契約社員として再雇用し人材の有効活用を図っている。
 福田社長は「妊娠・育児、介護、定年退職などで出社は難しいが在宅でならまだ働きたいという人は多い。テレワークでは時間や場所を選ばすに仕事に集中できるようになる。会社側にとっても、せっかく育った優秀な人材を活かすことができる」と会社と社員の双方にメリットがあると強調する。
 しかし、国内全体を見ても、テレワークを導入している企業はまだわずかだ。導入が進んでいない理由の一つとして、情報セキュリティの問題に加え、「本当に仕事をしているのか。サボっているのではないか」と経営者側の不安を指摘する。同社では、パソコン上で着席・退席の際にクリックすることで勤務時間を細かく管理するとともに、仕事中のパソコン画面を定期的に保存し、本社でチェックできる仕組みを導入している。
 同社によるテレワークを含めた新生産システムの基本は、第4次産業革命「インダストリー4.0」。そのコンセプトは、「サイバー・フィジカル・システム」、いわゆる「ミニスマート工場」だ。こうした思想をベースに、同社では新編集・校正システムとして「デジタルキャビネットシステム」を構築した。印刷原稿は「文字原稿」「罫表原稿」「図版原稿」「写真原稿」の4つのパーツからなるが、各データを格納する4つのキャビネット(引き出し)を作り、各作業を分業化し、「ライン生産」で行う仕組みにした。DTP作業を1人完結型の「セル方式」から「ライン生産方式」に切り替えたことが"肝"となっている。 福田社長は「本来、DTP作業はセル生産方式が理想。しかし、文字ができてもイラストが描けないなど、全部こなすには相当技術が長けていないとできない」とし、DTP作業を分業化してライン生産にすることで、レタッチ、イラストレーター、エディトリアルデザイナー、編集校正など、それぞれ専門的な能力を発揮することができるようになるという。頁物のような大量生産には作業全体を分散できるため向いていると指摘する。
 デジタルキャビネットシステムでは、文字組みや図版制作など各DTPパーツのキャビネットはネット上にリンクを張って開放し、常にデータはサーバー内に置かれている。編集者や著者との校正や連絡などはすべてオンライン上でやり取りする。製作の進捗管理が可能で、訂正などすべての操作履歴が残る。作業状況はリアルタイムでオープンになっており、出先からパソコンやiPadで確認することができる。こうした仕組みが、テレワークを実現するインフラになっている。
 福田社長は「印刷業はこれから人材を確保できない時代になってくる。テレワークシステムを有効に運用しながら、レタッチ、イラストレーターなど専門家への外注も含め優秀な人材を確保していくことを考えている」と話す。










【印刷新報2017年4月20日付掲載】
その他掲載記事
・佐川印刷(愛媛県) 「ダイバーシティ企業100選」
 「はばたく中小企業」同時受賞
・第一印刷所(新潟市)Jet Press 720S導入で
 大きな経営メリット
・村田金箔グループ 箔カラーチップ発売


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年4月13日付
フォーム工連・欧州視察報告会
デジタル印刷の最新動向を学ぶ


 日本フォーム印刷工業連合会(小谷達雄会長)は3月28日、セミナー「広く世界を見てみよう!」を日本印刷会館で開催し、約130名が参加した。2月にスイス・ルツェルンで行われたデジタル印刷・後加工の国際展示会「Hunkeler innovationdays2017」を視察した4氏から、デジタル印刷機、ポストプレス、ソフトウェアなど、グローバル市場における最新トレンドが報告された。

満員のセミナー会場

 ■エントリーモデルも充実
 初めに、一般社団法人PODiのスコット・マックコーナク・コフリン氏が「インクジェット技術は商業印刷業界を救うか?」と題して報告を行った。
 インクジェット機の普及に向けた課題としてコストや品質、生産性の向上とともに、中小規模の印刷会社でも導入しやすいエントリーモデルの充実を挙げ、この2点について同展で見られた動向を紹介した。
 コフリン氏は特に品質面について、「水系インクを盛りきれないために濃度が出ず、商業印刷物への利用が制限されている」と指摘し、この課題に対するソリューションとしてキヤノン、SCREEN、三菱製紙の展示内容を紹介。
 キヤノンが新発表したフルカラー印刷機「Canon Oce ProStream」は、ボンディングエージェントを用紙全面にコートし、新しい高顔料ポリマーインクを採用することで、従来と比べて非常に高い350%のインク濃度を実現している。これに対してコフリン氏も「歴史的に大きな一歩だ」と高く評価した。
 SCREENは「Truepress Jet520HD」に対応した、一般オフセット用紙に印刷可能な「SCインク」を発表。「商業印刷向けの品質と生産性を実現していた」と報告した。
 三菱製紙からは、ほぼすべての高速インクジェット印刷機の水性顔料・染料インクに対応したインクジェット用紙「SWORD iJet」が出展されるなど、「コスト、品質、生産性のバランスの取れたより良いソリューションが実現されていた」と、コフリン氏は各社の出展を包括した。
 また、もう一つの課題であるエントリーモデルに関しては、ゼロックスの「Xerox Trivor 2400」、HPの「HP PageWide T235HD」、ドミノ社の「Domino K630i」など各社から出揃っていたことを報告し、「インクジェット商業印刷市場への参入が以前よりも容易になる可能性が見えた」と結んだ。
 続いて、メディアテクノス代表の井上秋男氏は、新聞デジタル印刷の最新動向について講演。同展での各社の新聞デジタル印刷に関する出展内容に触れながら、普及に向けては機能面のさらなる向上に加えて、「マーケティングとビジネスモデルの徹底が必要だ」と指摘。「オフセットと比較しても品質やコスト、生産性はまだ追い付かない。それよりもデジタルのメリットを追求した方が普及のためには良いのではないか」と持論を展開した。
 その上で、日本経済新聞が今年3月から週末版として新たに開始した、横型題字や白色紙などを採用した「NIKKEI The STYLE」を取り上げ、「将来的に各新聞社が付加価値拡大や新しい形の新聞印刷を目指すようになれば、デジタル印刷の活用場所はある」と指摘した。
 そのほかの発表では、本紙・印刷出版研究所の難波利行取締役が、2月19日から25日にかけて実施した「欧州印刷事情視察ツアー」で訪問したCentro Stampa Quotidiani社とRotolito Lombarda社の取組みについて報告。共同通信社経営企画室の黒澤勇委員は、新聞デジタル印刷の海外先進事例を紹介した。









【印刷新報2017年4月13日付掲載】
その他掲載記事
・JP2017・ICTと印刷展
・日本JCメディア印刷部会・安部貴士部会長に聞く
 印刷とメディア、共存時代へ
・日本プリンティングアカデミー マーケティング分野を強化


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年4月6日付
〈日印産連・デジタル印刷調査報告会〉
高い機能性、どう活かすか
ビジネス拡大に向け活発な討論


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は3月21日、「デジタル印刷の現状と展望」に関する調査報告会を日本印刷会館で開催した。その中で、デジタル印刷を活用したビジネスに取り組む印刷会社4社によるパネルディスカッションが行われ、アナログ印刷と比較した優位点、デジタル印刷ビジネスの課題や方向性など、活発な意見が交わされた。
 パネリストは大東印刷工芸の花崎博己社長、東京文久堂の林田桂一社長、東洋美術印刷の山本久喜社長、金羊社の三井明治部長。コーディネーターは同連合会デジタルプレス推進協議会の郡司秀明座長(日本印刷技術協会専務理事)が務め、各社の事例からデジタル印刷ビジネス拡大の可能性を探った。
 大東印刷工芸の花崎社長は、優位点について「小ロットと在庫レスはオフセットが苦手とする部分であり、バリアブル印刷なども販売促進効果を高めるのに有効だ。デジタル印刷を活用した効果的なセールスプロモーションの開発が、付加価値の高い印刷物を作る一番の目的だ」と指摘。同社では顧客の課題解決に向けたマーケティングサービスを提供しているが、その点でデジタル印刷機の機能性が有益であると紹介した。
 昨年、デジタル印刷向けの製本システムを導入した東洋美術印刷の山本社長は、その狙いについて「デジタルの小ロット性を活かして、オフセットで対応しきれなかったコンテンツを掘り起こし、新市場を開拓したい」と話した。
 また、デジタル印刷機で紙器・パッケージ事業に参入している金羊社の三井部長は「オフセット印刷機は完成形に近いが、デジタルはまだ発展途上にある」と、伸びしろの高さに期待した。
 一方、デジタル印刷の課題について、東京文久堂の林田社長は「顧客から受けたさまざまなデータを、スムーズに処理しきれないケースがある」と指摘し、特にマイクロソフトオフィス系のデータ出力を難点として挙げた。
 こうした課題に対しては、林田氏自身が会長を務める富士ゼロックスのユーザー会、DSF(Document Service Forum)でも研究しており、「実際に取り組んでいるメンバー同士が正直に話し合える場であり、非常に役立っている」と紹介した。  ビジネスの方向性についても各社各様の意見が聞かれた。
 三井部長は「デジタル印刷機を活用したパッケージ事業だけで利益を出そうとはしていない」と明かし、小ロット性やバリアブル性を活かし、金羊社が現在展開している他事業へのつなぎ役として、特に同社でも伸びているというイベントの企画・運営事業での展開に期待を寄せた。
 また花崎社長は、注目しているトピックとしてマーケティングオートメーション(MA)を取り上げ、「DMで興味を引いて、メールで顧客情報を拾い、それに対してマイページでリコメンデーションする。MAによる展開がデジタル印刷機の可能性を拡げている」と話し、顧客側からも高い関心が寄せられているというMAの活用を今後のテーマとして挙げた。
 加えて、顧客が費用対効果を重要視している現状に対して花崎社長は、「印刷の値段を下げるよりも、効果を上げる方向に目を向けるべきだ」と目指すべき方向性を示し、マーケティングと上手に絡めながら印刷物の効果を高めていくことの重要性を訴えた。








【印刷新報2017年4月6日付掲載】
その他掲載記事
・本紙創刊60周年特別号 「拡」印刷の未来へ
・浦久保康裕氏特別インタビュー
 「情報保障社会を担う業界に」
・私の提言 「拡」印刷に思うこと


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



日本製本紙工新聞2017年3月20日付より
タイヘイ、M&Aで拡大路線 業界再編の台風の目に


 3月の東京製本工組理事会では、文京支部に所属する株式会社越後堂製本(文京区小石川)の脱退が報告された。理由は「M&A」である。同社はタイヘイ株式会社にグループ入りした。
 137年もの歴史を持つタイヘイグループ(本社・千葉県匝瑳市)は、醤油の醸造業で創業し、現在は、食材宅配業大手として知られる。さらに、給食、広告、印刷、物流、旅行、信販、保険、不動産など、豊富な資金力にものを言わせて次々に各地の企業を傘下に収め、事業の多角化と規模の拡大を図っている。
 印刷グループには、東洋紙業、恒陽社印刷所、報宣印刷、デジタル総合印刷、ジャパンプリント、真生印刷、新藤コーポレーションなど、名だたる企業が連なる。製本専業では、鶴亀製本(埼玉県入間郡)、そして今回の越後堂製本がある。
 負債約79億円で民事再生法の適用を申請した恒陽社印刷所、負債約100億円で民事再生法の適用を申請した真生印刷など、経営破綻企業への支援が目立つが、一方、経営上まったく問題ない企業のM&Aも多い。
 広告代理業のほか、テレビウイークリー企画、近代映画社など、広告宣伝、出版、Webにまたがるメディア全般に触手を伸ばしているのも特徴だ。
 2007年に設立した印刷事業部は、2013年初頭の時点で売上高が700億円を超えていた。その後のM&Aを勘案すると、現時点では1500億円を上回ると見られる。設備は、印刷グループ全体で印刷機84台、製本機35台(いずれも小型機等を除く)を有する。
 1980年、印刷の外注先が経営不振となり、タイヘイ印刷として子会社化したのが印刷事業の始まりだった。当初はタイヘイグループ内の印刷物が仕事の中心だったが、その後、積極的に新規の受注活動を展開し、今ではグループ外の取引先が売上げの9割を占める。新規取引先の拡大とともに、M&Aを加速。それぞれ業態や得意分野、地域の異なる企業をグループ化することでシナジー効果を生んでいる。
 強みは、工場の稼働率が非常に高く、ローコスト体質を維持できている点にある。そのため、納期や価格についても踏み込んだ提案ができる。また、機械稼働のデジタル管理システムの運用、テレビ会議による綿密な打合せ、グループの充実した物流機能を活かした効率的なトラック配送なども徹底している。
 同社のM&Aの方針は"親戚関係"の構築。吸収合併ではなく社名をそのまま残し、会社の伝統とオーナーの意思を尊重する。要請があれば役員を派遣することもあるが、基本は後方支援。タイヘイ流の仕組みで経営立て直しの改革指導を行い、売上げの面ではグループ内の仕事を回し支援する。
 一層の成長を目指すための重点戦略として、オフ輪とインクジェットシステムによるハイブリッド印刷、印刷物とスマートフォンの連携によるモバイルプロモーションなど、印刷メディアの付加価値向上がある。  どこまで印刷事業の拡大を続けるのか。売り手に対して買い手の数が限られてきたと指摘される印刷業界にあって、タイヘイはM&Aの旗手であり、業界再編の台風の目といえる。








【日本製本紙工新聞2017年4月5日付掲載】
その他掲載記事
・PUR製本、一般書に採用拡大 小ロット対応が急務
・変革を導くSTORY 星共社(東京都文京区)
 三方金・銀加工技術を武器に
・独「世界で最も美しい本コンクール2017」で
 日本の作品が栄誉賞


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年3月23日付
東京製本工組
ECショップ「製本産直市場」を開設
組合員の販路開拓を支援


 東京都製本工業組合は、ECショップ「製本産直市場」をポータルサイト「製本のひきだし」内に開設し、運営を始めた。組合員のオリジナル商品の販売を組合が代行する。第1弾としてウキマ、菁文堂、田中紙工、博勝堂、和光堂の5社、および東京製本工組(『製本用語事典』)が出品している。組合では、続けて出品企業を募集する。

5社の出店で始まった「製本産直市場」

 「製本産直市場」は、組合員の持つ製本加工技術を使ったオリジナル商品の開発と販売に挑戦する場を提供することが目的。持続的に製本加工技術の向上を目指すものであり、製本業の中期振興ビジョン2018で示された成長戦略の一つ、「商品開発・販売ストーリー」を支援するものとして運営する。また、東京製本工組が平成29年度重点事業に加えた「製本需要の創造と推進」の実践の場として、業界活性化への寄与が期待される。
 出品資格は、全日本製本工業組合連合会の各都道府県組合に所属する企業。ECサイトのコンセプトに合った、自社で創意工夫し製造したオリジナル商品を1社5点まで出品できる。売上金の15%を販売手数料として組合事務局に支払う。
 「製本産直市場」では、購入手続き画面でユーザーが必要情報を入力すると注文受付が自動で行われ、情報が組合に届く。組合を経由して商品発送依頼が出品社に送られ、出品社はユーザーからの入金確認後5営業日以内に商品を発送する仕組み。







【印刷新報2017年3月23日付掲載】
その他掲載記事
・CTP特集
・全日本DM大賞 最高賞は“手作りDM”
・欧州印刷事情視察ツアー Rotolito Rombarda
 伊・No.2の印刷会社


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年3月16日付
日印産連 〔地域連携事業検討シンポジウム〕
地域ブランドを戦略に 印刷会社が果たす役割を探る


  日本印刷産業連合会(山田雅義会長)の価値創出委員会は3月6日、地域連携事業検討シンポジウム「注目!地域ブランド戦略最前線」を日本印刷会館で開催した。基調講演では東京理科大学大学院教授の生越(おごせ)由美氏が、地域ブランド戦略と印刷産業に求められる役割について解説。地域活性化に取り組む印刷会社4社の事例発表が行われ、地域資源のブランド化をリードするためのヒントを探った。また、参加者と講演者との懇親会も企画され、生の情報を交換しあった。

講演する生越教授

 基調講演では、生越氏が社会構造の変遷を紹介しながら、現代が知識社会へと変化し、「ゆたかな時間」に価値を求める人が増えていると指摘。その上で、地域資源などの文化資本の存在が高まる中で、各地域の固有性を活かしたブランド戦略の必要性を強調する。
 続いて地域ブランド化の成功例としてイタリアと日本を比較。イタリアでは生産額が1000億円を超える地域ブランド品が複数あるのに対し、日本では上位でも数十億円規模に留まる。その理由は、海外への輸出や投資に対する消極的な姿勢に加え、誤った顧客セグメントにある。生越氏は日本の問題点として「海外で安売りしすぎている」と指摘した上で「良いものには糸目をつけない人が増えている。地域ブランドで世界に挑戦することが重要」と訴える。
 一方で、各地域にさまざまな固有資産があるものの、地元の人にとっては身近なものであるためにその本当の価値に気付いていないケースも多く、「もったいない事例が全国にたくさんある」と生越氏は話す。また、ポスターやパッケージデザイン、あるいはビジネスモデルの模倣によるトラブル例を紹介しながら、著作権等の契約管理について注意を促した。
 こうした問題点に対して生越氏は、サポート体制の不足を再三指摘。印刷会社に対しては、資源の発掘やコンテンツの活用・発信に加えて契約も含めた支援に期待を示しながら、「印刷産業の力で地域ブランドの構築をサポートして、世界に進出してほしい」と結んだ。
 続いて地域活性化に取り組む印刷会社として、第一印刷(愛媛県今治市)の西原孝太郎社長、一心社(大阪市)の浦久保康裕社長、文伸(東京都三鷹市)の川井信良社長、秋田印刷製本(秋田市)の大門一平社長が事例発表を行った。
 今治市のご当地キャラ「いまばり バリィさん」を運営する第一印刷は、キャラクタービジネスによる地域活性化に取り組んでおり、無料で情報発信が可能なSNSを活用したメディア戦略や、地域の各商店とコラボレーションした限定グッズ製作などによって今治市に観光客を呼び込む取組みなどが話された。
 一心社の浦久保社長は、自身が代表を務める一般社団法人ONE SAMURAI JAPANを紹介。同団体ではアニメや漫画など、外国人旅行客からの関心も高い日本のポップカルチャーを切り口に、地域のコンテンツをウェブサイトで発信している。全国に張り巡らされた印刷会社のネットワークを武器に、日本版DMO※として世界に挑戦する事例を紹介した。
 また、文伸は地元・三鷹市にある井の頭恩賜公園のフリーペーパー製作などで活性化を支援した結果、自社ブランドの向上につながった事例を、秋田印刷製本は地元の米農家などと連携し、食材の加工ではなくパッケージの改良や食材の組合せを工夫した高付加価値流通事業について話した。
 日印産連の価値創出委員会では、昨年から「じゃぱにうむ事務局」を設置し、全国の印刷会社が取り組む地域連携やインバウンド事業に関する情報の発信を開始した。じゃぱにうむサイトでは、今回発表を行った文伸や秋田印刷製本をはじめ、幅広い活動事例を紹介している。
※DMO=地域の観光資源に精通し、地域と協同して観光地域づくりを行う法人







【印刷新報2017年3月16日付掲載】
その他掲載記事
・小松写真印刷、軟包装水性フレキソに参入 東北初、CI型印刷機導入
・欧州印刷事情視察ツアー 企業訪問 CENTRO STAMPA QUOTIDIANI イタリアの新聞印刷会社
・検査装置が仕事を変える 企業ルポなど


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年3月9日付
東京グラフィックス「ビジコン2016」
困り事の解決にチャンス 都知事賞にゴミ分別アプリ


 東京グラフィックサービス工業会(菅野潔会長)主催の「ビジネスアイデアコンテスト2016」ファイナルプレゼン大会が2月24日に開かれ、東京都知事賞(最優秀賞)に「このゴミ、いつ捨てられるの?『成長するゴミの分別お助けアプリ』」(発案者=東京プリント・大塚ヒロ子氏)が輝いた。今回の受賞アイデアは、晩御飯のメニュー支援や靴の手入れ・レンタルサービス、初心者向け登山シミュレーションなど、スマートフォンのアプリをベースに、ちょっとした「困り事」を解決するユニークなアイデアが目立った。

白熱したファイナルプレゼン大会

 同コンテストは印刷に縛られることなく、幅広い視点からアイデアを募集し、新たなビジネスを創出することが目的。前回都知事賞を受賞した「sumimasenからはじまるおもてなしマップ」(西武写真印刷・青木智美氏)は現在、ビジネス化へ向けてプロジェクトが進行中だ。
 今回は50点のビジネスアイデアが寄せられ、第一次・二次審査(書類選考)を行い、9名10点の入選作品に絞り込んだ。プレゼン大会では、各自10分の持ち時間でビジネス内容や展望をアピールした。
 東京都知事賞に選ばれた「このゴミ、いつ捨てられるの?」は、住民と市町村とを双方向でつなぎ、分かりづらいゴミの分別方法が容易に検索できるアプリ。住民側はアプリ上に分別の仕方が分からないゴミの質問を書き込み、市町村側で回答を行う。情報を追加・更新していくことで内容が充実(成長)する。
 大塚氏の代理でプレゼンを発表した星野美由紀氏は「市町村のサイトや冊子ではとにかく分かりづらい。何とか簡単に分別できるようにならないかと、このアイデアを考えた。将来はAI等を活用して写真を撮るだけで、その場で判断し、回答ができるようになったらより便利になるだろう」と展望した。
 審査委員会では「皆の『困った』を解決する便利なアイデアで、テーマに可能性がある」と評価が高かった。 全体講評では、審査委員長の猪股康之日本プリンティングアカデミー学校長が「10作品ともすばらしかった。前回に比べ格段にパワーアップし、夢もある」、副審査委員長の高橋晋平ウサギ社長が「どの作品も面白く、レベルが高かった。ぜひ実現させてほしい」と述べた。
 そのほかの受賞アイデアは次のとおり(敬称略)。
▽東京都産業労働局長賞(第2位)=くつまる(イナミツ印刷・稲満信祐)
▽東京グラフィックス会長賞(第3位)=本当にその山登り大丈夫ですか?楽しく登ろう「登山シミュレーション」アプリ(倉敷印刷・和賀山新太郎)
▽審査員特別賞=VR退院体験(エフ・アイ・エス・朝香貴裕)、ドリームベースボール(日本プリンティングアカデミー・田中大稔)
▽入選=顔写真が入るアプリ(ポスメディア・蓬田利久)、失念ソリューション(ポスメディア・松岡誠)、飲食店向け多言語メニュー制作サービス(倉敷印刷・富澤茂)、主婦のお悩み解決、晩御飯はこれで決まり!(東京プリント・大塚ヒロ子)、ワンダフルスティック!(篠崎正之)









【印刷新報2017年3月9日付掲載】
その他掲載記事
・製本・加工特集
・innovationdays2017 デジタル印刷、欧州最前線を歩く
・JP2017 価値創造へ仕組み発見 名称と会場を一新 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年3月2日付
ONE SAMURAI JAPAN
ご当地ヒーローで地域活性 インバウンド事業を協業展開


 ポップカルチャーで印刷会社のインバウンドビジネスを支援する一般社団法人ONE SAMURAI JAPAN(浦久保康裕代表理事)は、2月8日から3日間、東京・池袋で開かれたpage2017に出展した。揃いの特製シャツを着たメンバーが、活動内容を熱心にアピールしつつ加入促進を行った。

page2017ブースでプロジェクトを演出

 大阪府印刷工業組合天親支部の若手有志により始められた「ONE SAMURAI PROJECT」の活動は、2014年12月に法人化し、全国の印刷会社のネットワークを活用した地域活性事業へと発展している。
 同プロジェクトは、海外での日本のポップカルチャー人気の高まり、訪日観光客数の増加を背景に生まれた。全国各地ゆかりの戦国武将や偉人を案内役(ローカル侍ヒーロー)としてキャラクター化し、集合型Webサイトで日本の魅力を紹介するもの。各地の祭り、イベント、食、アニメ聖地などの情報を強力に発信し、有名観光地や大都市圏以外への訪日客の動線づくりを目指す。
 とりわけ、滞在期間が比較的長い欧米の旅行者に焦点を当て、彼らが好む「サムライ」を現代風のキャラクターに仕立てることで注目度を高めた。専門サイト(onesamurai.jp)やフェイスブックで情報発信中。
 「グローカル」をテーマに掲げ2014年度・2015年度に活動した全印工連の全国青年印刷人協議会も同プロジェクトと連動し、パリで開催された日本文化の祭典「JAPAN EXPO2015」に共同出展するなど、印刷業界からインバウンド需要を創出する試みを図ってきた。
 ONE SAMURAI JAPANは今後、イベント企画、インバウンド観光ツール提供、海外展開(海外イベントへの出展支援)、キャラクタービジネス、公的資金獲得サポート(行政とのコラボレーション)などの各種サービス展開を想定している。
 さらに、ONE SAMURAI JAPANの持つリソースや事例を活用し、各地域のパートナー企業に対して、イベント実施、観光客向けグッズ販売、地域でのインバウンド対策事業など、B to CやB to B to Cの事業モデルを提供していく。
 当面、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを意識しながら、各地の協力印刷会社を募り、47都道府県すべてのキャラクターを用意する。
【一般社団法人ONE SAMURAI JAPAN構成企業】一心社(大阪市天王寺区)、日進社(同)、新聞印刷(同)、大文字美術印刷(同)、大兼印刷(同)、GWE(大阪市東成区)、大興印刷(大阪市中央区)
















【印刷新報2017年3月2日付掲載】
その他掲載記事
・2016年日本の広告費 5年連続で前年比増 モバイル広告への移行進む
・学研グループ 商材展示会を開催 印刷関連企業に商談の場
・東青協40周年特集 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年2月23日付
〈page2017 基調講演1から〉
ジェイコブス氏が語る北米最新マーケティング動向
営業手法の見直しは必至 専用ツールの活用も不可欠


 page2017(主催・日本印刷技術協会)の初日、2月8日に行われた基調講演1では、アメリカの著名なマーケティング研究家、マーケティング企業の代表で、全米の大学で教科書として採用されている『ザ・マーケティング』の著者でもあるロン・ジェイコブス氏が北米の最新動向を紹介した。現代の消費スタイルは複雑に変化しており、消費者の購買に関わる行動の変化を機敏に捉え、小規模のプロモーションを継続的に展開していく"らせん型"のマーケティングの必要性を訴えた。

講演するジェイコブス氏

 ◆「カスタマージャーニー」を捉える
 ジェイコブス氏は講演の冒頭、「顧客は私たちをある分野の専門家であってほしいと思っており、成長するには顧客の問題を解決できるツールを理解し、さまざまなマーケティング関連のソフトウェアを使える必要がある」と、マーケティングツールの活用がビジネスにおいて不可欠になりつつあることを説いた。その多くは現在、クラウド上で提供されている。選択の仕方次第で、どの企業にもチャンスが生まれる。ポイントは、使いこなせる人を雇い、いかに教育するかにある点にも触れた。
 次に、現代マーケティングが直面している大きな課題の一つとして、消費者の購買に関わる道程や思考の流れを表す「カスタマージャーニー」を紹介した。「これからは各ブランド、製品ごとにカスタマージャーニーを個別に見ていく必要がある。主役はブランドではなく、ブランドを購入するかもしれない顧客が、どんな問題を抱え、何を欲しているかを理解することだ」という。
 ジェイコブス氏は「カスタマージャーニーに正しい形はないが、共通項として挙げられるのは、出発点はすべてオンラインであり、検索して情報を比較し、購入が決まった時点で初めて営業マンと接触したくなるということだ。今や営業マンがとにかく顧客先を訪問するという時代ではなくなった。まずはターゲットが求めている情報を把握し、的確な情報を提供して、関心を持った段階で初めて購買の話に移るプロセスが大事になる。相手にも商品やサービスについて学んでもらう段階が必要だ。それは一般消費者も同様。現代の市場では、消費者とサービスを提供する企業との関係において、主役は消費者であり、企業主体で動ける時代ではなくなった」と話す。
 さらに、「21世紀の消費者は『モバイルファースト』であり、世界中の検索の70%はモバイルから行われている。特に若い世代はその傾向が強い。バリアブルデータプリントは20世紀の革新であったと捉えてほしい」と視点を提供した。

◆"小さな戦略"を走りながら繰り出す
 次にジェイコブス氏は、顧客が常に必要なソリューションを検索している現代では、従来の直線的で大規模なキャンペーンでは追い付くことができないとし、「大事なのはアジャイル(敏捷)な仕事の仕方。これは新しいマーケティングの概念であり、ビジネス哲学だ」と指摘。小規模のプロモーション(小さな戦略)を、検証と改善を繰り返しながら継続的に行うことの重要性を説いた。同様のことがWebサイトについても言える。
 また、さまざまなチャネルが連動している現代では、紙のDMにも活路が開けていると指摘し、eメールやパーソナライズなランディングページと連動させた最新のプロモーション事例などを紹介。「DMは他の多くのチャネルと融合できる点が特長であり、100年後も相応のチャネルであり続ける」と展望した。
 講演の結びには、会場の参加者へ「今後、顧客にとってどういう存在になりたいかを考えてほしい。そして変化に順応することを恐れず、可能な限りさまざまなテクノロジープラットフォームを使えるように鍛えてもらいたい」とメッセージを送った。
 ジェイコブス氏の講演に対して、モデレータを務めた中央大学ビジネススクール大学院の田中洋教授は、カスタマージャーニーをいかにして把握するか、そのポイントについて質問。ジェイコブス氏は「人々の行動をよく観察することだ。私の会社では、消費者が情報を得るためにどのようなチャネルを使っているかなど、常に行動をチェックするチームを持っている」と答えた。
 また、消費者の激しい変化に対応した営業スタイルとして、自社には営業を置いておらず、代わりに、Webサイトのブログ記事やeブック、定期レポートなどにより、見込客が求めているコンテンツを常に提供していると明かした。
 「営業マンの存在は脅かされている。どの業界の見込み客も購買を決定するまで営業マンと話をしたがらない。ブランド受難の時代だ」。ジェイコブス氏は、企業が大きな岐路に立たされている中で、「コンテンツマーケティング、コンテンツハブを真剣に考えなければいけない」と、閉塞感を打ち破るヒントを示した。















【印刷新報2017年2月23日付掲載】
その他掲載記事
・2030年に求められる経営戦略、人材、組織とは 
 記念講演 JPA 浅野理事長×花井理事
・マーチング委員会と大日本印刷が連携
 アプリにコンテンツ提供
・第29回GP工場交流会 全社的な取組みに工夫 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年2月16日付
〈全印工連・知財活用調査事業〉
知財権保護の必要を明確化
官公需、権利関係の明記が重要


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)は2月9日、経済産業省から受託した平成28年度コンテンツ産業強化対策支援事業(中小印刷産業の知財活用に関する調査事業)についての報告会を日本印刷会館で開催した。経済産業省の担当官も出席した。
 同事業では、官公需を中心とした印刷等の請負契約時に生じる知的財産権の取扱い等について調査・分析を行ってきた。当日は、調査結果についての全印工連・高橋秀明事務局次長の報告に続いて、調査委員会(上野達弘委員長=早稲田大学法学学術院教授)の委員の一人である榎本進一郎弁護士(箕山・榎本総合法律事務所)が、官公需の現状における問題点と検討課題について明らかにした。

(中略)

◆中間生成物は印刷会社の努力の集積
 調査結果について榎本弁護士は、「民間に比べて、官公需では印刷業者の知的財産権の保護に対する配慮が不十分」であると総括。「著作権や印刷用データ等の中間生成物の譲渡は多くの場合、無償で行われていて、発注者側で確保する必要性について説明もない。安易に価値をものにしようとしている点が問題だ。中間生成物は印刷会社の努力の集積であり、契約により譲渡するならば、独自の財産的価値に対する配慮がなされなければいけない。印刷会社側も、このことを明確に認識してほしい」とアドバイスした。
 また、印刷会社の著作者人格権への配慮がない。著作者(印刷会社)の人格的利益を保護する著作権法の目的に不適合だ」と意見を述べた。
 さらに、仕様書や契約書で明確な規定がなく、利用目的を明らかにしないまま包括的に『すべての権利は発注者に帰属する』と表現をしている問題について、「弁護士としてここまで曖昧な契約条項は見たことがない。不明瞭な権利関係が紛争リスクを増幅している。中間生成物の取扱いについて、あらかじめ書面で明確にすることが重要だ」と指摘した。
 榎本弁護士は、印刷等の請負契約における知的財産権の取扱いについて、発注時を起点とした4つのケースに分類し、ケースごとの対応を解説した。
 その中で、「著作権と印刷用データ等の中間生成物の所有権は別の財産的価値を有する物であり、それぞれの権利が発注者と受注者のいずれに帰属するかはあらかじめ取り決めておく必要がある」と述べたうえで、「過去の判例に照らして、特別な事情がない限り、制作過程で発生する権利は受注者(印刷会社)に帰属すると考える。デジタルデータについても同様だ」と考えを示した。
 コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律第25条(いわゆる「日本版コンテンツバイ・ドール」)では、国が委託等によって制作するコンテンツについて、知的財産権を受託者に残すことで、受託者の制作へのインセンティブを高め、かつコンテンツの二次利用を促進することを認めている。
 榎本弁護士はこの条文についても触れ、25条が地方公共団体も含めた努力義務である点を指摘した。 調査委員会では現在、最終報告書をまとめており、2月中に経済産業省に提出する。毎年8月頃、「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」が発表されるが、平成29年度の基本方針に、今回の報告書の内容が反映されることが期待される。
















【印刷新報2017年2月16日付掲載】
その他掲載記事
・オフ輪特集
・30回目のpage盛況
・東グラ 組織拡大プロジェクト始動 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年2月9日付
全印工連・ダイバーシティ調査
取組み本格化へ意識改革を 採用難への対応に懸念


 全日本印刷工業組合連合会・ダイバーシティ推進委員会(小野綾子委員長)はこのほど、昨年実施した「ダイバーシティアンケート調査」の結果をまとめた。多様な人材を受け入れ、個々のライフスタイルに合った職場環境の整備により能力を最大限に発揮する「ダイバーシティ経営」について、具体的な内容が「思い浮かばない」という回答が8割を占めるなど課題は多い。同委員会では、セミナー開催や「モデル就業規則」へのダイバーシティ施行規則等の組入れなどにより、周知啓発を図っていく。
 アンケート調査期間は2016年8月から10月。組合員4855社(10月1日現在)に対して行い、回答企業数は1379社、回収率は28.4%。
             ◇
 「ダイバーシティ」という言葉について、「知っている」は42.0%、「今回初めて知った」が58.0%。「ダイバーシティ経営」について、具体的な内容が「思い浮かばない」が78.9%。
 さらに、「ダイバーシティ経営」への取組みについて聞いたところ、「着手している」はわずか8.7%で、「着手していないが、今後取り組む予定」31.7%、「着手していないし、取り組む予定もない」59.6%となった。
 このようにダイバーシティに対する認識はまだ低く、取組みも遅れている。具体的に課題を把握できていないため、何にどう取り組めばいいのか、経営者の意識が焦点を結ばない状態が窺える。
 活用を広げていきたい人材は、「女性」56.2%、「フルタイムで働けないが意欲のある方」43.1%、「高齢者(65歳以上)」29.7%など。
 全従業員に占める女性の割合(※20%刻みで回答)で最も多かったのは「21〜40%」の企業で39.0%が回答。同じく、高齢者は「1〜20%」が50.8%と約半数、「障がい者」は「0%」の回答企業が76.0%を占め、「1〜20%」の22.8%と合わせてほぼ全数。
 育児休業中・復帰後の不安を取り除くための取組みは、「取り組んでいる」26.1%、「取り組んでいない」73.9%。
 男性従業員の育児休業経験者が「いる」と回答した企業はわずか5.5%にとどまる。
 従業員の介護については、実態を「把握している」37.9%、「把握していない」62.1%。
 委員会のアドバイザーでもある特定社会保険労務士の小倉絵里氏はアンケート結果について、「これから女性の活用を広げていくというが、すでに少子化などで採用が大変なはずなのに、印刷業界はまだ無理をして頑張っているのでないか。自由意見の中には『ダイバーシティの取組みと考えて人材を雇用しているわけではないが、結果としてそうなっている』とあった。人手不足がますます進み、多くの会社が同じ形にならざるをえなくなるだろう」と指摘する。
 ダイバーシティ推進委員会では、2月20日に小倉氏を講師に基礎セミナー、3月17日に影山摩子弥氏(横浜市立大学)を講師に応用セミナーを日本印刷会館で開催する。
 また、2017年度に東印工組が主体となって改訂を行う「モデル就業規則」にダイバーシティ施行規則を組み入れ、改訂内容を中心に解説するセミナーを年度中に4回開催する予定。















【印刷新報2017年2月9日付掲載】
その他掲載記事
・東印工組 都受託事業が本格始動
・2025計画「INSATSUと人類の歴史」 木村篤義全印工連常務理事の講演より
・凸版印刷 川口工場に出版生産を集約・効率化 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年2月2日付
日印産連、VOC警報器で現場改善
光写真印刷の見学会を実施


 日本印刷産業連合会は1月17日、オフセット印刷工場内で発生した高濃度VOC(揮発性有機化合物)を警報で知らせる「VOC警報器」の普及促進を図るため、業界関係者や報道機関向けに見学会を開いた。見学会は東京・大田区の光写真印刷(惟村唯博社長)で行われ、VOC警報器の設置・運用状況や化学物質管理について理解を深めた。工場見学会は2月7日にあさひ高速印刷(岡達也社長、大阪市西区)でも開催する。

設置されたVOC警報器

印刷ユニット直上の天井にVOC警報器を設置

 日印産連では、2012年に大阪市の校正印刷会社で起きた胆管がん問題を受け、オフセット印刷工場における有機溶剤管理の調査・研究を続けてきた。印刷工場内での社員の健康を守るため、パンフレット『オフセット印刷工場の有機溶剤管理〜印刷事業所が社員の健康を守るために』を発行するとともに、ガス検知警報器専門メーカーの新コスモス電機(大阪市淀川区)と「VOC警報器」を共同開発し、2016年1月末から販売を開始した。
 VOC警報器は、印刷工場内のVOC濃度が一定レベル(ノナン200ppm)を超えると警報を発して知らせる装置で、日印産連のグリーンプリンティング(GP)資機材認定製品。発売以降、全国で250台が設置されており、着実に普及が進んでいる。
 見学会では、日印産連の杉村亥一郎常務理事が「日印産連では、印刷工場の労働安全衛生は重要課題の一つととらえており、その解決策としてVOC警報器は非常に効果的なツールである。本日の見学会を通じ、今後の事業に活かしていただきたい」と述べ、VOC警報器の設置・普及を訴えた。

◆ダーティスポット把握は複数台・常時監視で
 オフセット印刷工場内のVOC濃度は、インキローラー洗浄時に最大ピークとなる。そのため、ローラー洗浄時は印刷ユニット直上に設置したVOC警報器は必ず鳴る。ただ、この場合はVOCの発生個所、発生タイミングが明らかであることから、換気をしたり、防毒マスクを着用したりなど、作業者のばく露回避対策は施しやすい。
 むしろVOC対策で問題となるのは、拡散したVOCがうまく換気されず工場内に溜まってしまうような場合だ。
印刷工場内でどのようにVOCが拡散するかは、工場の天井の高さや空調設備の配置などによってそれぞれ違ってくる。工場内の空気がうまく給・排気されないと、VOCが溜まる場所ができてしまう。また、工場内にある洗浄剤、湿し水や廃ウエスからも高濃度VOCが発生する。こうした場所を「ダーティスポット」と呼ぶ。
 光写真印刷は換気システムに「全体換気」を採用しているが、天井が低く、またエアコンなどの気流が邪魔をして給気から排気まで空気がうまく流れないことにより、「ダーティスポット」が数ヵ所で見つかっている。そのため、同社では補助ファンで換気口に送り出す空気の流れをつくることを検討するなど、できるところから徐々に改善策を進めているという。
 こうした「ダーティスポット」を把握するためには、VOC警報器を印刷ユニット直上以外にもデリバリ部、印刷機と印刷機の間などに設置することが必要だ。同社でも、オフセット枚葉機3台に対し、VOC警報器9台を設置し、常時監視を行っている。
◆次のステップは、溶剤の使用量削減
 ドクター受け皿の洗浄時にも高濃度VOCが発生する。そのため、同社では、工場内に専用のドクター洗浄ブースを設置し、洗浄場所を1箇所にまとめた。局所排気により、工場内のVOC拡散を防止している。専用のドクター洗浄場所の設置はオフセット印刷工場では初めて。
 また、残肉、廃棄ウエスなどの密封管理や、溶剤を1箇所にまとめて管理するなど、ものづくりの町・大田区で安全できれいな工場づくりに努めている。
 VOC警報器の設置効果について、惟村社長は「VOC警報器が鳴ることで、VOC対策の必要性を作業員一人ひとりが肌で感じるようになった」と"見える化"のメリットを示し、「今後はVOCをしっかりと管理するうえで、工場全体での溶剤の使用量を減らし、コスト削減にもつなげていきたい」と次のステップを視野に入れる。















【印刷新報2017年2月2日付掲載】
その他掲載記事
・page2017特集
・星共社が最優秀賞に 東京ビジネスデザインアワード
・「全印工連2025計画」の読み方使い方 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年1月26日付
JPMA年始会
延長投資促進減税等を活用し投資喚起へ
アジア市場でシェア確保を
ジャパンカラーは「デジタル印刷認証」を早期に


 日本印刷産業機械工業会(宮腰巖会長)は1月18日に平成29年年始会を政官界とユーザー団体から来賓の出席を得て開催した。宮腰会長はあいさつで、昨年の印刷産業機械の市況が先進諸国と中国の需要減により低調に推移したことを踏まえ、「成長するアジア市場におけるシェア確保が第一選択肢になる」と述べた。国内においては投資促進減税などを活用した設備投資喚起について、「本年の概算要求の中で投資促進減税の2年延長が採択された」との朗報を明らかにし、「昨年7月に施行された中小企業等経営強化法のうち、機械装置の固定資産税軽減措置の活用」も訴えた。また、Japan Color認証制度では、パッケージング業界へのプレゼン促進とデジタル印刷認証制度の仕組みの早期確立について述べた。

宮腰会長

 冒頭に宮腰会長は、昨年の印刷産業機械について「日本を含む先進諸国におけるデジタル化に伴うペーパーレス化の進展、新常態への移行を進める中国市場の大幅な需要減および秋口までの円高により総じて低調に推移した」と概括した。
 また、英国のEU離脱表明と米国の新大統領にトランプ氏選出などの海外情勢の変化により「TPPを含めさまざまな経済協定の見直しが進む情勢であり、自由貿易拡大の基調が変貌することは日本にとって厳しい局面」であるとした。
 その一方でアジア市場について、「中長期的に有望な市場であることに異論はない。また、中国は踊り場にあり、現在は厳しい状況だが、潜在的成長性は大きなものがあり、継続的なアプローチが必須」とし、「今後、国内市場はシュリンクすることが確実であり、アジア市場で大きなシェアを確保することが印刷産業機械各社にとって発展のための戦略上の第一選択肢である」と述べた。
 日印機工は平成25年度から27年度にわたり、インド、中国、インドネシア、ベトナムと海外調査研究事業を実施、昨年10月に「アジア市場戦略ガイドライン」を発表しているが、「アジア進出の手引書として活用され、アジア市場で日本企業が高シェアを確保するために継続して戦略的検討を行っていきたい」との考えを明らかにした。
 設備投資と投資減税等の証明書発行については、「平成26年1月にスタートした生産性向上設備投資減税の証明書発行件数は1万200件に達している。昨年7月1日に施行された中小企業等経営強化法のうち、機械装置の固定資産税を軽減するための証明書発行は昨年11月末時点で540件に達した。平成29年概算要求の中で設備投資減税の2年延長が採択された」と報告した。
 平成21年に開始したJapan Color認証制度は「標準印刷認証が190工場を超え順調に拡大している」とともに、「今後、パッケージング業界へのさらなるプレゼンテーションを推進し、本年に早い時期に業界から強い要望があるデジタル印刷認証制度の仕組みを確立する」と述べた。
 最後に「当工業会は総力をあげて印刷関連業界に課題解決に取り組み、みなさま方の視点に立って活動を行っていくとともに、広く社会に貢献すべく事業展開を図っていく所存である。なお、当団体は昭和12年12月に設立されてから本年で80周年を迎える。これもひとえにみなさま方のご支援の賜と深く感謝している」と締めくくった。
 来賓祝辞で経済産業省製造産業局の片岡隆一産業機械課長は「印刷産業はさまざまな課題への対応に迫られているが、他方でIoT、ロボット、ドローンなど新たな技術革新の波が生じている。これらの変化を取り込む一年としてほしい」とし、「アベノミクスでは、助成措置を活用した活発な設備投資と賃金への還元と攻めの経営を期待している」、「2025年には大阪で万博誘致が計画されている。印刷産業界は新たなビジネス、ライフスタイルの発信に取り組んでいただきたい」と述べた。
 森澤彰彦副会長が「厳しさはあるが、これを大きなチャンスと捉え、節目の80周年に飛躍を遂げていきたい」と述べ、乾杯発声を行った。














【印刷新報2017年1月26日付掲載】
その他掲載記事
・ミヤギパッケージ(沖縄) ecoUV機を導入 内製化で一貫体制を構築
・トピックス バナナペーパーで途上国を支援 日本の和紙技術が活きる取組み
・全国カレンダー展&カタログ展表彰式 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年1月19日付
就業規則に副業規程を
多様性を前提に先手で


 社員の副業を認めるか否か─。いまや、どの業界でも大きな問題として浮上してきている。
 家計の不足分を補いたい、違う可能性を追い求めたい、家庭の事情による制約から仕方なく…。個々に理由はさまざまある。それに対して、「本業を差し置いてとんでもない」と反発する経営者、「自分の世界が広がるのは良いこと」と前向きな経営者、あるいは、「やってほしくないが、頭ごなしに否定して辞められても困る」「賞与も出せていないので強く言えない」と悩む経営者もいるだろう。
 時代の趨勢からして、多様な働き方を受け容れる経営が望ましいとされていくことは間違いない。かつては、「認めない」「申請があれば許可」の2つが主な選択肢だったが、特定社会保険労務士の小倉絵里氏によると、現在はどちらも成立しない。「多様性を重視する政府は『認めよ』の基本スタンスで、法律的にも二重就労を認める方向に動いている。就業規則の中に副業規程を入れることはいまや必須だ」という。
 たとえば、午前9時から午後3時までA印刷で働き、4時から7時までBスーパーで働く社員の場合、残業代の支払いはB社の負担、移動中に起きた怪我もB社に責任がある。経営者はこうした法務も知っておかなければならない。では、仮にその社員が過労死した場合、責任はどっちにあるのか? 二重就労は極めて難しい問題を孕んでいる。いずれにせよ、A社、B社ともに社員が2つの職場を掛け持ちしていることを把握する義務がある。
 副業について、一般的に社員が自ら言い出すケースは少ないと思われるが、小倉氏は「会社側から社員に聞くことが大事。それでも言わない人は仕方がないが、経営者は管理に努めなければならない」と話す。
 少なくとも、会社として実態の把握に努めることで、過労などによる本業への悪影響に対して手を打てる。より前向きに捉えれば、社員が職場とは違った才能で休日に活躍し、収入を得たとしても、そのメリハリが会社への貢献につながる可能性もある。
 ワークライフバランスの実現とともに、企業がこれから避けて通れない「副業」の問題。社員の性善説、性悪説だけで議論し、曖昧な経営を続ける時代は過ぎ去ろうとしている。













【印刷新報2017年01月19日付掲載】
その他掲載記事
・光文堂新春機材展特集
・日印産連 新年交歓会に700名が集う
・大日本、凸版、共同印刷各社、年頭あいさつ など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



≪「日本製本紙工新聞」1月5日付から≫
発足する全日本製本青年会・渡邊剛会長に聞く
「ど真中で勝ち残ろう!」 第1回大会、7月8日に京都で


 2017年は、全国の若手製本人が一つの組織としてまとまる記念すべき年となる。4月1日、「全日本製本青年会」が正式発足し、7月8日には京都で第1回の大会が開かれる。運営体制もほぼ固まり、初代会長には渡邊剛氏(35歳、博勝堂社長、東京製本二世連合会)が就く。全日本製本青年会の船出にあたり、渡邊会長に青年会の意義や会長としての抱負を聞いた。〈文責・編集部〉

渡邊剛 全日本製本青年会会長

─まずは青年会発足までの流れについて。
 5、6年前から、全国が一緒にやっていこうという盛り上がりが出てきた。私が所属する東京製本二世連合会と全国製本誠友会との話し合いが具体的に進み、流れが加速した。基本的な下地はすでにあり、それを私が引き継いだ形だ。会の発足は必然的なものだったと思う。
 北海道、宮城、石川、神奈川、兵庫の青年部が新しく加わる予定で、全日本製本工業組合連合会(以下、全製工連)のすべての会員組織が揃うことになる。青年会のロゴマークのデザインはすでに決定した。会旗も作る。
 並行して、私が前期まで会長を務めていた東京製本二世連合会も改革した。会長の任期は今までの1年から2年に変更した。二世連合会の全員大会も、全日本製本青年会の大会がない年に隔年で開催し、連動する形に変えた。

─7月の京都大会について。
 200人以上の参加を目標にしている。来賓もお呼びしての青年会発足のお披露目、そして、会員同士の意思統一という意味合いが強い。地元京都は親双会の松ア会長を中心にすごい実行力があり、盛大な会になりそうだ。初めて参加する会員もいるので、まずはとにかくお互いに知り合うことが大事だと考えている。

─京都大会の後は。
 大会の開催は1年おきで、大会がない年は総会と常任委員会を開く。毎年7月ごろになるだろう。

─どんな青年会にしていきたいか。
 本来は若いというだけで強いはず。それをまず意識してほしい。私が考えた会のキャッチフレーズは「ど真中で勝ち残ろう」というもの。やはり自分たち若手が今後の製本業界を背負い、引っ張っていくという気持ちが大切だ。生き残っていけば、この先もなんとかやっていけるというような、小さなことを言っていてはダメ。どう進めばいいのかわからないのなら、「みんなで一緒になってやっていこう」と声をかけたい。全員が集まって、わいわい勉強しながら、元気を出していく。そういう会にしたい。
 今は、自分のところだけ儲かればいい、ほかは関係ない、という時代ではない。ど真ん中に出てきてもらって、自分はこんなことを考えていると発言して、みんなのこと、業界全体のことを考えてやってほしい。これからも残念ながら仲間の数は減っていくだろう。お互いの協力関係はもっと必要になってくる。
 全国に元気な会社はたくさんある。そうした会社の話を直に聞いてみてはどうか。実際に仕事の交流もできるだろうし、工場を見せてもらうのもいい。自分の地元では話しづらい悩みなど、いろいろ相談に乗ってもらえることもある。青年会ではそういう場を提供していきたい。

─今後の具体的な活動内容は。
 今はまだ、会を立ち上げることで精一杯の状態だ。2年間、まずは1回まわしてみて、その後に本格的に動き出すことになるだろう。継続することを第一に、焦らずに進めていく。
 そうは言っても、少しずつ意見は出てきている。大会、総会のほかに、勉強会の開催や、印刷業界の青年部など他団体との交流などを検討していく。しっかり長続きさせるためにも、青年会を担う人材を育て、引き継いでいきたい。

─全製工連からの期待も高いようだ。
 親会はとても期待してくれている。当然、会の発足にあたってはいろいろ相談し、アドバイスをいただいた。事務局も全製工連の中に置く。期待に応えられるように頑張りたい。青年会は全製工連の下部組織であり、バックアップしていただくと同時に、要請があればそれに応えて力を発揮したい。全製工連を支える人材を育てる組織でもある。

─製本業界の現状をどう見ているか。
 厳しいことを言うようだが、足下の仕事を取り切れていない会社が多い。自社の強みを磨き込んで、お客様のアドバイザーとして動けば、まだまだ仕事はある。各地域にとても良いお客様がいるのに、勉強不足と踏み込む勇気が不足しているために、他所に仕事が流れてしまっている例をよく見る。
 1社だけで全部やる必要もない。そういう意味でも、全日本製本青年会での交流を通じて知り合い、互いの人物や仕事内容が見えるようになるとおもしろい。仕事のやりとりも活発になるはずだ。












【日本製本紙工新聞2017年01月05日付掲載】
その他掲載記事
・大阪工組四役座談会 未来を見つめて
・電子書籍で紙の本を販促 
・団体・企業トップ年頭所感 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2017年1月5日付
プロネート、WEB解析ソリューションを提供
課題の可視化で改善促す


 プロネート(狩野征次社長、東京都板橋区)は、WEB解析ソリューション「Dr.3C」を開発し、サービスの提供を始めた。ビッグデータを活用して、企業のWebサイトを市場(Customer)/競合(Competitor)/自社(Company)の3つの「C」から多角的に分析し、サイトの目的達成に向けて何が最も必要であるかをレポートで提示する。問題点を明らかにしたうえで、サイトの改善提案や、印刷業界で培ってきた幅広い販促ソリューションの提案につなげていく。ものづくり力とソフト・サービス力の融合が同社の最大の強みだ。

「Dr.3C」の案内パンフレット

 ◆ビッグデータと連動し市場と競合を分析
 1973年に製版業から出発したプロネートは、現在では顧客のセールス・プロモーション全般を支援する企業として、「情報」「コミュニケーション」を核に業務の範囲を拡げている。
 大手総合スーパーの催事・キャンペーンの運営では、十数年にわたり企画・設計、全国店舗へのスタッフ派遣、売場サポートを続けている。
 昨年は、スマートフォン向け地図情報サービス「ココミセMAP」を展開した。プレミアム商品券の販売を機に、グーグルマップを利用してアプリケーションを自社開発したもので、スマートフォン画面の地図上に利用可能な店舗を簡単表示する。第一弾として、同社の地元である板橋区および商品券を発行する板橋区商店街連合会がサービスを導入し、予想を超えるアクセス件数があった。
 今回、新たにサービスを開始した「Dr.3C」は、企業のWebサイトを詳細に分析し、販促手法の見直しと最短での改善施策を提案するソリューション。
 ネット上の店舗ともいえるWebサイトだが、コンサルタント業者の提案などは「集客施策」に偏りがちで、「店舗内改善施策」があまり意識されていない。いくらお金をかけて集客をしたところで、店の中の状態が期待していたものと違えば、お客はすぐにサイトから離れてしまう。このような問題意識を抱いていた同社では、システム会社等と協力し、3年間の準備を経て「Dr.3C」を完成させた。
 営業部企画課の渡邉雅弘ディレクターは「リスティング広告やSEO対策にいくら力を入れても、サイトの中身が整理されていなければ意味はない。課題を正確に把握することは、最短距離での成果の最大化につながる。同時に、コストと労力の削減効果も大きい」と話す。
 「Dr.3C」では、検索動態ビッグデータと連動した「市場分析」、競合調査ビッグデータと連動した「競合分析」によって市場ニーズや他社の方策を把握する。また、数十種類もの検索システムを駆使した「自社分析」では、自社サイトの組成分析・アクセス解析から現状の課題を把握できる。3つの状態を指標から客観視することで、自社のポジショニングが明確になり、次に"打つべき手"が見えてくる。
 すでに業種を問わず豊富な改善実績がある。B to B向けでは、フォーム/ボタンの最適化で問合せ件数が7倍となった不動産会社、B to C向けでは、ボタン/スマートフォン/商品画像の最適化でCVR(目標達成率)が2倍、売上が1.5倍となったアパレル会社などの事例がある。
◆数値化と視覚化で問題点が一目瞭然
 「Dr.3C」のサービス内容は、
1. 市場分析
2. アクセス解析
3. 考察レポート
4. 競合分析レポート
5. ヒートマップレポート
6. 改善施策立案・ロードマップ作成
7. PPC・SEO解析
8. ユーザーテスト
の8項目からなり、これらをエントリープラン(1〜4/15万円)、スタンダードプラン(1〜6/25万円)、プレミアムプラン(1〜8/35万円)とパッケージ化している。価格は1回あたりの解析費用となる。
 顧客からの依頼を受けたプロネートでは、ヒヤリングの後、Webサイトの解析に取りかかる。レポートは約10日間で完成する。レポートの提出とともに、顧客に直接、分析結果から見えたポイントを解説する。
 解析結果はできるだけ数値指標にして示す。また、視覚的にひと目で理解できる工夫も施している。たとえば、モバイルデバイスごとのユーザー分析数値のグラフ化、サイト訪問者のクリックポイントやページスクロール量のヒートマップでの可視化など。発注者からは「理解しやすい」「勉強になった」と好評で、気付きを得た結果、Webサイトの改善など次の行動につながっていく。一定期間の後に「Dr.3C」による解析を再度実施し、どの程度の改善効果が得られたのかを確認することもできる。
 営業部企画課の川嶋生久ディレクターは「ある部品メーカーのように、意外にも家庭での作業用にパーツを探し求めている個人が多い実態が見えたことで、売り方を大きく見直された会社もある。一方で、経済産業省の統計によると、国内ECサイトはB to B向けがB to C向けの7倍近い市場規模がある。Dr.3Cの対象となる企業の裾野は広い」と話す。
 プロネートでは、「Dr.3C」を接点として幅広い顧客との関係づくりを行い、印刷物やサイン・ディスプレイなどの媒体製作、デジタルコンテンツの製作・配信、イベントやキャンペーンの実施、ブランディングやマーケティングの支援などを通じて、販促支援の長期的なビジネスパートナーとなることを目指す。
 狩野社長は「当社の企業理念は『お客様の価値創造のお手伝い』。社内に蓄えられたものづくりのノウハウがあるからこそ、ソフト・サービスの提案が活きる」と話す。
 同社ではすでに、「Dr.3C」とARを組み合わせたスマートフォン用のアプリケーション開発も予定しており、新サービスを次々と世に送り出す準備を整えている。













【印刷新報2017年1月5日付掲載】
その他掲載記事
・新年特集 次世代ツールで新領域へ
・GP環境大賞2年連続受賞 丸井グループに聞く 活動内容の周知が重要に
・業界団体・企業トップ年頭所感 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年12月22日付
2016年の印刷業界十大ニュース
不安定さが増す中、新時代の戦略選ぶ


 編集部が選んだ2016年の十大ニュース
1.熊本地震で被害、危機管理への意識が再び高まる
2.drupaでデジタル印刷・加工の提案が競演
3.日印産連、グリーンプリンティングPR大使を創設
4.改正労働安全衛生法が施行
5.東京都が印刷物入札で最低制限価格制度を試行実施
6.全印工連、「2025計画」を策定
7.東印工組、総額1億円の人材力支援事業を都から受託
8.軟包装印刷分野への投資・参入が相次ぐ
9.M&A関連の情報発信と取組みが前面に
10.デジタル教科書、文部科学省が最終報告まとめる

 2016年は、中国経済の減速、イギリスのEU離脱決定、アメリカ大統領選挙でのトランプ氏勝利、テロの多発など、国際的に不安定要因が増す中、国内ではアベノミクス効果に陰りが現われた。リオ五輪での日本選手の活躍もあり、2020年の東京五輪に向けて期待は高まるが、経済の面では浮上するきっかけを掴みにくい一年だった。
 印刷業界を見渡すと、4月には熊本・大分地方を激震が襲い、広範な被害が及んだ。東日本大震災から5年という時期に、BCP策定など危機管理への意識が再び高まる動きが見られた。
 6月には改正労働安全衛生法が施行され、化学物質のリスクアセスメントの実施が義務付けられた。また、日本印刷産業連合会は、グリーンプリンティング認定制度の普及と社会的認知の拡大に向けて、小山薫堂氏に初代PR大使を委嘱した。
 ドイツで開催されたdrupa2016では、B1サイズ機や軟包装用途の拡大など、デジタル印刷・加工の新提案が繰り広げられた。国内では、軟包装分野への投資・参入が相次ぎ、フレキソ印刷への注目も高まった。
 全日本印刷工業組合連合会は、「2025計画」を策定。印刷業の再定義を行い、新しい視点での成長戦略を示した。
 また、中小印刷産業振興議員連盟との連携などもあり、低価格防止や知的財産権保護など入札制度改善に向けた取組みでも大きな進展が見られた。
 事業承継問題がクローズアップされる中、印刷業界でもM&Aが真正面から語られるようになったことは時代の変化を感じさせた。












【印刷新報2016年12月22日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連 事業承継の支援事業を推進
・page2017「ビジネスを創る―市場の創出」 概要発表
・日本フレキソ技術協会40周年 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



≪「日本製本紙工新聞」12月20日付から≫
日本タウン誌・フリーペーパー大賞2016
大賞に櫻井印刷所(埼玉)、今年も印刷会社の力発揮


 日本タウン誌・フリーペーパー大賞2016(主催・日本地域情報振興協会)の授賞式が12月2日に東京・上野の国立科学博物館で開かれ、櫻井印刷所(櫻井理恵社長、埼玉県)の『kawagoe premium』が大賞に輝いた。また、最優秀賞ではグルメ部門賞で仙台マーチング委員会・孔栄社(佐藤克行社長、宮城県)の『仙台朝市通信』、ビジネスモデル部門賞で原印刷(原竜也社長、愛媛県)の『ココロエ愛媛』が選ばれるなど、今年も多くの印刷会社が名を連ねた。
 今回は、全国(海外を含む)から202誌が参加(審査対象外で公的機関が制作する媒体73誌も参加)。一次審査で「観光」「グルメ」「ライフスタイル」など計11部門別にノミネート媒体(優秀賞)を選出。二次審査で部門別に最優秀賞のほか、大賞(タウン誌とフリーぺーパー各1媒体)が選ばれた。
 大賞(フリーペーパー)に輝いた櫻井印刷所の『kawagoe premium』は、埼玉県の川越で暮らす人々に、より川越の魅力を伝えたいとの想いから年4回発行している2015年に創刊したフリーマガジン。企画からデザイン、インタビュー取材まで自社でこなし、印刷会社としてのPRやブランディングも兼ね備えている。
 総評では「しっかりとした編集コンセプトとその世界観を読者に伝えるためのデザイン、使用している写真、写真のアングル、トリミングなどどれを取っても申し分ない」と高く支持。特に媒体の世界観に合った紙質や表紙・裏表紙が折りになっている点は、『さすが印刷会社ならではの素晴らしいアイデアだ』と審査員一同が高く評価した。読者によるネット投票でも2位だった。
 受賞者、媒体名は次のとおり(印刷会社のみ)。
【大賞】櫻井印刷所『kawagoe premium』(埼玉県)
【最優秀賞】▽グルメ部門賞=仙台マーチング委員会(孔栄社)『仙台朝市通信』(宮城県)▽ビジネスモデル部門賞=原印刷『ココロエ愛媛』(愛媛県)▽まるごとにっぽん賞=総合商研『JP01』(北海道)
【優秀賞】観光部門=共栄印刷『やまとびと』(奈良県)▽グルメ部門=岩見印刷『よりみち.』(兵庫県)▽ライフスタイル部門=オージーライブデザイン『シニアナビおかやま』(岡山県)、音成印刷『おぎなう』(佐賀県)▽まるごとにっぽん賞部門=能登カルチャークラブ『Fのさかな』(石川県)、仙北印刷所『D‐PRESS』(秋田県)













【日本製本紙工新聞2016年12月20日付掲載】
その他掲載記事
・出版・取次ぎは減収、書店増収 
・凸版印刷 出版生産拠点を再構築
・紙の魅力を再発見 千住紙ものフェス など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年12月8日付
紙を基本にデジタル教科書を併用
文科省検討会議が最終報告


 文部科学省の「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議は11月30日、これまで紙のみにしか認められていなかった教科書について、一部の学習でデジタル教科書の代用を認めるとした最終報告をまとめた。次期学習指導要領がスタートする2020年度から導入される見通し。
 同検討会議では、教育の情報化、ICT化の進展を踏まえ、デジタル教科書の位置付けに関し、昨年5月から計10回の審議を重ね、今回で最終とりまとめとなった。
 今年6月の中間報告では、小・中学校は現行の紙の教科書を基本としつつ、一部の学習でデジタル教科書の併用を認めるとしたが、義務教育ではなく、デジタル教科書が受け入れやすい環境の高校においても、当面は同じ扱いにするとした。高校でも教科書が果たすべき意義や役割は同じであり、教育委員会や学校関係者等からの意見やパブリックコメントの結果においても、義務教育段階とは異なる取扱いを求める意見は少数だったため、同様の扱いとした。
 教科書検定制度との関係について、デジタル教科書は基本的に検定を受けた紙の教科書と同一内容(コンテンツ)とし、教科書発行者の責任で確保されるべきとしたうえで、当面、デジタル教科書の制作者は紙の教科書を制作する教科書発行者のみとすることが適当とした。また動画や音声は部分的な修正が非常に難しく、現行の検定で質を担保することは物理的に困難なことなどから、教科書以外の教材と位置付け、検定の対象外とした。
 一方、紙の教科書において、動画や音声等を含めて学習内容と関連のある教材にアクセスするためのURLやQRコードなどの掲載が今後増えていくことが考えられるとしたうえで、これらの検定上の扱いについては、次期学習指導要領の実施に合わせた教科書の制作に間に合うよう、教科用図書検定調査審議会等で専門的な見地から審議することが必要とした。
 デジタル教科書は、特に動画や音声のコンテンツを活用する外国語教育での学習効果が期待されている。20年度の次期学習指導要領から小学校高学年で正式教科となる英語の教科書などへの導入を視野に置いている。
 文部科学省では、デジタル教科書の啓発資料や運用するうえで必要となる関連のガイドラインを作成し、関係分野に周知を図っていく方針。












【印刷新報2016年12月8日付掲載】
その他掲載記事
・フォーム工連市場実態調査 BPO・DPSが好調維持
・東京都・最低制限価格制度 課題踏まえ本格導入へ
・東京製本高等技術専門学校 創立60周年記念式典開催 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年12月1日付
フュージョン、米DMA公認のマーケティング講座開始
日本向けに翻訳、eラーニングで受講可能に


 ダイレクトマーケティング・エージェンシーのフュージョン(佐々木卓也社長、本社・札幌市中央区)は、世界最大のダイレクトマーケティングの教育機関でもある米国DMA(Data & Marketing Association)と提携し、DMA公認の資格認証プログラムをeラーニングで提供する新事業を11月21日から開始した。日本における体系的なマーケティング教育の推進につながるもので、印刷会社からの問合せも多く寄せられている。
             ◇
 DMA公認の資格認証プログラム「ファンダメンタルマーケター」は、米国で企業のマーケティング担当者など年間3000人以上が受講する教育プログラム。DMAが培ってきたマーケティングの手法と考え方が体系的に整理され、世界トップレベルの講師が解説している。
このたびフュージョンが国内で提供を開始したサービスは、同プログラムのコンテンツを日本語でeラーニングによって学ぶことができる。DMAとの共同開発による海外初の教材であり、フュージョンが全編日本語に翻訳した。受講後の試験に合格すると、DMA公認の「ファンダメンタルマーケター」資格を取得できる。
 11月21日から受講を開始しており、随時、運営サイト(http://dcfm.fusion.co.jp/)で申込みを受け付けている。
フュージョンの佐々木社長は「消費者のニーズの多様化や販売チャネルの複雑化、テクノロジーの進展により、マーケターに求められるスキルはどんどん高度になっている。企業にとって優秀なマーケターの育成は大きな課題。DMに関わる企業と人を増やす『トップDMエージェンシー』を目指す当社として、eラーニングによる課題の解決を図る」と話す。
 「ファンダメンタルマーケター」は、マーケティングの基礎と実践的な知識を体系的に学べるDMA提供のコンテンツの中から、特に重要なコンテンツを日本向けにローカライズして提供するeラーニング・プログラム。全10項目のモジュール(各90〜150分)で構成され、受講後には全100問の修了テストが実施される。100問中80問以上の正解で合格となる。合格者に付与される「ファンダメンタルマーケター」は、DMAが日本で公認する唯一の資格となる。資格の有効期限は2年間。更新時には新たに100問のテストを受ける。
 受講はPC上で行い、期間は6ヵ月。同じモジュールを反復学習することが可能なため、より確かな知識を身に付けられる。講義の動画は細かく分割されていて、気になる部分だけを繰り返し見直すこともできる。
 モジュールごとの確認テスト、科目によって演習や動画事例もある。
 価格は全10モジュールの受講で20万円(税抜)。必要なモジュールのみ受講できるプログラムも用意している(1モジュール2万4000円)。
 フュージョンでは当初、流通小売・メーカー・通販業のマーケティング担当者、印刷会社や広告代理店、マーケティングソフトウェアベンダー等でマーケティングを体系的に学びたい人を中心にプロモーションを展開し、将来は企業単位での教育プログラムとしての採用、大学や専門学校のカリキュラムとしての提供も視野に入れている。初年度200名の受講を目指す。
 フュージョンでは今後、受講者へのフォロー講座の実施、受講者同士のコミュニティづくり、DMAの最新マーケティングデータの翻訳・紹介などを予定している。












【印刷新報2016年12月1日付掲載】
その他掲載記事
・国際印刷会議で市場動向把握 日印産連 WPCF&FAPGA報告会
・千修イラストレーションコンテスト 14作品を表彰
・文京博覧会2016 紙製品は人気の的 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年11月20日付
《「日本製本紙工新聞」 11月20日付から》
第20回いたばし産業見本市 地域貢献の視点育つ
区立美術館とのコラボレーションも


 「第20回いたばし産業見本市〜製造と加工技術展」が、11月10日・11日に板橋区立東板橋体育館で開催された。今年も印刷・製本・加工会社をはじめ特徴あるものづくり企業が多数出展し、技術力をアピールするとともに、一体となって「いたばしブランド」を発信した。

「エドコレ」とコラボレーションした和綴じノートや俳句帳が好評だった国宝社

 板橋区は、東京都内でも伝統的にものづくりが盛んな地域。有数の工業集積地として、製造品出荷額等・付加価値額は東京23区でトップとなっている(2位は大田区)。製造品出荷額等は4258億円(2014年工業統計調査)、うち、「印刷・同関連業」は全体の24.9%で第2位、1060億円と大きな位置を占める。
 見本市では、板橋区印刷関連団体協議会(田中眞文会長)が、メモ帳やカレンダーと引換えに恒例のチャリティを行った。収益金は板橋区を通じて、モンゴルで日本語を学ぶ大学生に参考書や辞書として送られる。
 初日10時からは、区内の中小企業による優れた新製品・新技術を表彰する「板橋製品技術大賞2016」の表彰式が会場内で行われた。
 寿堂紙製品工業が「バナナペーパーの製造技術」で持続可能社会貢献賞、ウキマがアイレット付きシール「halt(ハルト)」で審査委員賞を受賞した。両社とも出展ブースで具体的な製品を紹介し、関心を集めていた。
 寿堂紙製品工業のバナナペーパーは、アフリカ・ザンビアで栽培されるバナナの茎の繊維を利用し、日本の越前和紙の技術で古紙と配合して作る。製品が使われるほど、開発途上国における雇用を生み、貧困を解決する仕組みだ。
 ウキマの「halt」は、同社が得意とするアイレット綴じを応用した新しい機能付きシール。Ω型の針金綴じ加工が施され、普段使っているノートや資料、ポストカードに貼って、綴じ穴を開けずに気軽にファイリングできる。
 国宝社は、昨年の初出展から1年、板橋区立美術館の収蔵作品を画像として無償で利用できる「エドコレ」(江戸絵画コレクション)とのコラボレーション製品(ノート・俳句帳・文具など)がさらに品揃え豊富となり、ノベルティとしての幅を広げた。ブースでの即売も好評で、ファンが広がりつつある。今年は、板橋区内の牛乳パックを再生してできた「いたば紙」を使った和綴じの「和メモ」も出品した。「いたば紙」は障害者施設で生産され、自立支援にも役立っている。
 田中紙工は、ブッシュ抜き加工の技を活かしたトランプ・かるた・トレーディングカードのほか、お馴染みの「オンデマンドトランプ」を出展。1セットから注文に応じる便利さとアイデアの豊富さをアピールした。板橋区立美術館「エドコレ」を使った「エドコレトランプ」も販売した。
 星共社は、国内聖書の大半を製作し、特殊製本を数多く手がけてきた実績を基に開発した「町の製本屋がつくった開きを一番に考えたノート《kagari》」を出展した。背の糸が見える、水平開きの糸かがりノートで、小口銀、箔押などの職人技でおしゃれに仕上げた。
 中村印刷所も、特許取得(「ナカプリバイン」)の水平開きノートを出展。都内イベント用のグッズとしての採用、大手ネット通販での採用、大手ノートメーカーとの提携などで数量を伸ばしている。手作業に秘密があるだけに、72歳になる中村輝雄社長は「この歳になってこんなに忙しくなるとは思わなかった。仕事がこなしきれない。手伝いに高校時代の友人を雇った」と笑顔を見せていた。












【日本製本紙工新聞2016年11月20日付掲載】
その他掲載記事
・変革STORY ウキマ
・ミューテックが創業百年
・日印機工 「アジア市場戦略ガイドライン」取りまとめる など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年11月17日付
東京製本工組「製本・加工技術プレゼン会」
バイヤーを招き実施 11社が自信の製品アピール


 東京都製本工業組合の書籍・雑誌部会(金子誉部会長)は11月9日、板橋区の製本会館でバイヤー向けの「製本・加工技術プレゼン会」を開催した。バイヤー4社に対して、組合加盟企業など11社がプレゼンテーションを行い、商談に臨んだ。バイヤーに直接製品を売り込むイベントは同組合として初の試み。実施にあたっては大手出版社・集英社の制作部が協力した。

バイヤーとの直接商談で賑わった

 今回のイベントは、製本・加工会社の技術や製品を著名バイヤーに直接紹介する機会を創り出し、一般消費者に向けた販売チャネルを広げる目的で行われた。
 きっかけは、書籍・雑誌部会の金子部会長(共同製本社長)と日頃から付き合いのある集英社の野秀明制作部部長代理との話の中で生まれた。市場の縮小で厳しい立場にある製本・加工会社に対し、野氏は「自分たちの持つすばらしい技術を広く知ってもらってはどうか」と提案。これに応じた金子部会長が所属部会を問わず組合員に参加を呼びかけ、意欲ある出展者が集まった。参加バイヤー(そごう・西武、三越伊勢丹、松屋、東急ハンズ)も野氏の声掛けにより決まった。
 当日は、外商部門を中心に4社から40人の企画・宣伝・販売・デザインに携わる人たちが製本会館の3階会議室に集まった。製本・加工会社側から1社5分ほどのプレゼンテーションを行い、その後、自社製品を目の前にしながらの商談会に移った。
 各社ブースでは、特長ある表面加工や折り・断裁・レーザー加工などによる高付加価値製品を紹介し、活発な意見交換が行われた。出展者は「一緒に企画を考えてほしいと求められた」「見積り依頼があった」「他の展示会で会社を知ってもらえていた」など、それぞれ手応えを感じていた。
 製本・加工業界の活性化のためにも、今後の継続開催が期待される。
【出展者(50音順)】伊藤バインダリー、ウキマ、宏和樹脂工業、小林断截、篠原紙工、菁文堂、太陽堂成晃社、プリントバッグ、平和樹脂工業、ロッカ、渡邉製本











【印刷新報2016年11月17日付掲載】
その他掲載記事
・第44回技能五輪国際大会 印刷職種代表候補に早瀬真夏さん(亜細亜印刷)
・全日シール沖縄大会開催
・岩手県印刷工業組合 創立60周年記念式典開催 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年11月10日付
〈ものづくり補助金/投資促進税制〉
経済産業省がJPMA会員向けに
28年度2次補正予算を説明


 平成28年度第2次補正「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援事業」(ものづくり補助金)の募集が、早ければ11月中にも始まる。例年に増して競争倍率はかなり厳しくなる見通しだ。日本印刷産業機械工業会(宮腰巖会長)が10月31日に都内で開いた会員限定の特別講演会の中で、経済産業省製造産業局産業機械課の担当官が説明した。ものづくり補助金などで優先採択が受けられる中小企業等経営強化法の認定取得とともに、補助金申請一本だけでなく、平成30年度末までの2年間延長・拡充を予定する中小企業投資促進税制など優遇措置の活用を呼びかけた。

 ◆経営力強化の認定で優遇
特別講演会のテーマは「平成28年度経済産業省関係補正予算、平成29年度同概算要求・税制改正要望」。70名が聴講した。
 今年7月1日に施行された中小企業等経営強化法は、大企業と中小企業との格差が広がっていることなどを背景に、中小企業の生産性向上を支援し経営力強化を図ることが狙い。「経営自体にテコ入れをして支援する法律は初めて」(経産省)。
 中小企業・小規模事業者等は、関係省庁に「経営力向上計画」を提出する。計画は人材育成、コスト管理や設備投資など、事業者の経営力を向上させるための取組内容などについて実質2枚の様式に記載して提出する。認定取得には1ヵ月程度かかる。経産省によると、9月末現在、認定会社は約1600社(うち製造業は1200社弱)に上る。
認定を受けることで、税制優遇や補助金等の優先採択など各種支援措置を受けることができるようになる。
 税制優遇では、固定資産税での設備投資減税が受けられる。経営力向上計画に基づき新規に機械装置を導入した場合、固定資産税を3年間、2分の1に軽減する。機械設備は1台160万円以上、生産性1%向上(10年以内に販売開始)などが対象となる。平成30年度末までの設備投資に適用される。
 印刷関連設備の導入を後押しする「ものづくり補助金」の採択に関しても、「認定会社がどれだけ優先されるかは現段階では未定」(経産省)としながらも、審査で加点するなど一定の優先措置が取られる見通しだ。

 ◆ものづくり補助金は競争倍率激化、優遇税制と並行で計画を
 今回の「ものづくり補助金」の予算額は760億円、補助件数は6000件を見込む。前回(平成27年度補正)に比べ、採択件数は2000件近く少なくなる見通しで、競争率はかなり厳しくなる見通しだ。
 第四次産業革命に向けてIoT、ビッグデータ等を活用する事業に対し、補助上限額を3000万円とする。また一般型は1000万円、小規模型は500万円だが、雇用・賃金を増やす計画に基づく取組みは倍増、最低賃金の引上げの影響を受ける場合はさらに1.5倍になる。補助率は3分の2。事務局は全国中小企業団体中央会。「地域未来投資促進事業」(予算総額1001億3000万円)の一環として実施する。
 5年目を迎える「ものづくり補助金」は、印刷業界にとどまらず他産業界でも利用が拡大している。「前回の採択倍率は3倍。これは全国平均なので、首都圏や工場地帯などでは実質5〜6倍以上になる。この県なら取れる内容が、他の県では取れないといったような、地域によるばらつきもかなりある」と指摘したほか、「何度申請しても取れない会社がある一方で、三度、四度と採択されている会社との偏りが出ている」と示し、なるべく多くの会社に補助金を享受してもらえるよう、今回から是正を図っていく考えを明らかにした。
 そのうえで、「おそらく順当にスケジュールが進めば、補助金採択会社は3月末か4月頃には発表されるとみられるが、補助金一本だけで勝負するのはかなり厳しい。メーカーが事業者に提案するにあたり、補助金が採択されなかった場合に備え、設備投資減税、あるいは中小企業投資促進税制による税額控除か即時償却の適用を受ける証明書の発行も同時に手配を進めてほしい。補助金がもらえない場合でも、なるべく投資への負担感がないようにフォローしてほしい」と呼びかけた。
 中小企業投資促進税制は、平成29年度から30年度末までの2年間の延長と上乗せ措置等に向けて、現在、財務省と折衝中であるとした。
 上乗せ措置では、資本金3000万円以下の中小企業等が一定の設備投資を行った場合に税額控除を現行の7%から10%へ、特別償却30%から即時償却への適用を認める要望などを行っている。











【印刷新報2016年11月10日付掲載】
その他掲載記事
・特集 環境活動と経営
・錦明印刷 百周年を祝う
・第19回中央区産業文化展 紙製品の良さをアピール など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年11月03日付
全印工連、官公需対策に本腰
権利問題など前進図る


 全日本印刷工業組合連合会は、10月22日に開催した理事長会で官公需取引改善に関する多くの報告を行った。
 経済産業省から受託した「平成28年度コンテンツ産業強化対策支援事業(中小印刷産業の知財活用に関する調査事業)」については、官公需を中心とした印刷等の請負契約時に生じる知的財産権の取扱い等について委員会が文献調査・ヒアリング調査を行い、適切な契約のあり方について法律的な観点から整理・分析し、調査報告書を作成する。事業で得た成果について普及啓発セミナーを開催する。
 ヒアリング調査は、10月12日に1回目を岐阜県印刷会館で実施し、続けて北海道、秋田、埼玉、東京、和歌山、島根、鹿児島、11月9日の高知まで10回開催する。
 また全印工連では、最低制限価格制度を中心に、官公庁の印刷物発注に関する実態調査を11月下旬にかけて実施する。 官公需対策全国協議会は、来年2月9日午後1時から日本印刷会館で開催する。
 理事長会の席上、官公需対策協議会を代表して知的財産権調査事業の委員会に参加している白子欽也氏(和歌山工組理事長)は「印刷物の官公需について今年度は重要な案件が多い。偏った権利関係の改善に向けて少しでも前進させたい。2月の全国協議会では良い報告ができるようにしたい。アンケート調査では、最低制限価格制度を導入実施できるための法則のようなものを見つけたい」と抱負を述べた。
 同じく委員を務める谷口博則氏(島根工組理事長)は「中間生成物が(発注者と印刷会社の)どちらに帰属するか、長年問題とされてきた。そこに国が乗り出している。第1回の委員会には、経済産業省メディアコンテンツ課の課長ほか3名が出席した。国も本気だと感じた。千載一遇のチャンスだ。われわれ委員がしっかり主張すべきところは主張したい」と述べた。
 全日本印刷産業政治連盟と中小印刷産業振興議員連盟との交流会は、11月17日に東京・千代田区のホテルグランドアーク半蔵門で開催する。全印工連理事会に続き、3時50分から全印政連勉強会を開く。講師は自民党の石破茂衆議院議員、テーマは「地方から創生する我が国の未来」を予定している。4時40分から議連議員との交流会となる。











【印刷新報2016年11月03日付掲載】
その他掲載記事
・GP環境大賞など表彰 日印産連
・印刷業の“事業承継”考える 日本M&Aセンター主催セミナー
・トピックス 福島原発被災地を行く など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年10月27日付
全日本印刷文化典ふくしま大会
全印工連・臼田会長がメッセージ
新事業領域の開拓で知識産業へ


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)の「2016全日本印刷文化典ふくしま大会」が、10月21日・22日に福島県郡山市のホテルハマツで開催され、全国から700名が参加した。初日の記念式典に続いて行われた「全印工連メッセージ」では臼田会長から、今期の活動テーマである「志あふれる印刷産業へ─期待される価値を求めて」に沿った力強いメッセージが発せられた。

メッセージを発表する臼田会長

 臼田会長は、今年5月に発表した『全印工連2025計画─新しい印刷産業へのリ・デザイン』の基底にある考え方を説明したあと、同ビジョンで打ち出したソリューション・プロバイダーとしての新しい事業領域について、5つの柱(環境コラボレーション/地方創生産業クラスター/女性活躍推進/ダイバーシティ/CSR人づくり)それぞれが持つ戦略的な意味を解説した。  はじめに、印刷産業が世間一般から「衰退している産業」「紙の印刷だけ行う産業」というネガティブなイメージを持たれていることを問題に挙げ、「ポジティブに転換していかなくてはいけない。そのためには、印刷産業のリ・デザイン(再定義)が必要だ。まだ着手していない多くの印刷付帯サービスが眠っている。われわれは、そこを掘りにいく」と話した。
 また、日本の中小企業の売上高対経常利益率が平均3.2%であるのに対し、印刷業が2.1%(全印工連調査より)と低い現実を示し、「売り値が安すぎるのではないか」と問いかけた。
 人口減少による市場縮小、激しいシェア争い、安値受注競争、収益性低下という負のスパイラルを脱するために、何が必要か。臼田会長は「買い手の側に製品・サービスの選択権が移っている今、単に生産性向上を目指すだけでは再び価格競争に陥る。IoT、AIなどデジタルビジネス革命の最新技術も、あくまで道具として利用すべきものだ」と述べたうえで、「顧客とともに新しいビジネスモデルの創出を目指す。結果として新市場が生まれ、収益性が改善する」と道筋を示した。
 重要な視点は、「顧客の悩み、困り事、面倒に対応し、解決策をともに考え、提案する」こと。そこに2025計画が取り上げた5つの柱が大きく関係してくる。
 臼田会長は「みなさんの地元に根差したサービスのベストプラクティスを探り、(製造業の基盤の上に)知識産業を目指して自分たちの新しい価値を築き上げてほしい」と求めた。
 さらに、商品の「使用価値」と「交換価値」の問題にも触れ、「印刷会社ごとに強みやビジネスプロセスは異なる。顧客によってもニーズや評価ポイントが異なる。自社の価値あるサービスを過小評価せず、顧客のニーズとうまくマッチングさせ、(どこで生産しても変わらない使用価値ではなく)交換価値の向上に努めていきたい」と話した。
 5つの柱に沿い、「印刷会社がまとめ役(プロデューサー)となる地域連携と課題解決」「日本一安全・安心で働きやすい業種としての優秀な人材確保」など、具体的な可能性を紹介したうえで臼田会長は、「2025計画は、外部に発信してこそ戦略的な価値があり、活用につながる。行政、金融機関、NPO、異業種団体など、さまざまなステークホルダーに向けて印刷産業が目指すところを発信し、それぞれが地域経済活性化の担い手となってほしい」と結んだ。











【印刷新報2016年10月27日付掲載】
その他掲載記事
・全日本印刷文化典ふくしま大会 福島復興へ心ひとつに集う
・北印工組 UD製品「避難所サポートセット」を道庁危機対策室へ寄贈
・山陽印刷 会社ギャラリーで地域交流 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年10月20日付
印刷の再成長を考える
一億総活躍社会の実現へ


 日本印刷技術協会(塚田司郎会長)は10月7日、JAGAT大会2016「印刷の再成長―市場の創造」を東京・文京区の椿山荘で開催、全国から147名が参加した。
 開会のあいさつに立った花崎博己副会長は、今大会のテーマである再成長へのポイントとして「自社の事業目的の再確認」と「イノベーション」の2点を挙げ、「自社の最終製品を事業目的とするのではなく、顧客視点で定義すべき」「イノベーションが醸成する条件として、まずアイデアを否定せず、肯定的に深掘りする文化が必要である。ぜひそのような環境を整えていきたい」と話した。
 講演では、はじめに塚田会長が「印刷再成長のための新しい企業経営とは」の演題で、印刷会社が運営するウェブ・トゥ・プリントビジネスの事例を紹介。その上で塚田会長は、経済がアトム(物理)経済からビット(デジタル)経済に移行していることから、印刷業界がビット経済に対応するために、ウェブを上手く活用することの重要性を説いた。
 続いてJAGAT研究調査部長の藤井建人氏が、JAGAT最新調査から印刷業界の最新動向を解説した。
 藤井氏によると、印刷市場は下げ止まり傾向にあり、需給環境も超供給過剰とも呼ばれる状況が解消され、改善が見られる。これにより印刷価格の下落幅も過去最少だった。また、商業印刷の生産金額も下げ止まり傾向にある。
 経営者へのアンケート調査では、重要視する業態について「ワンストップサービス」や「ソリューションプロバイダー」が上位となった。満足度の高い技術・サービスでは「バリアブルデータ印刷」がトップとなり、デジタル印刷ビジネスの広まりも見て取れた。

 ◆失われた20年を解説
 特別講演には一般財団法人インターネット協会の理事長で、インターネット黎明期から第一線で活躍している藤原洋氏(ブロードバンドタワー社長/工学博士)が登壇。2014年までの20年間のGDPを比較して、欧米先進国やアジア主要国の中で日本だけが減少していることから、この20年間でどのような変化が起きたのか、今後求められる対応などについて解説を行った。
 藤原氏は、日本の成長が停滞した「失われた20年」を「変化に気付かずに過ごした20年」であると指摘する。その変化とはインターネットによる構造変化であり、この第三次産業革命に対応できたのが、国内では情報通信産業だけだったという。事実として、日本はインターネットのインフラ整備では世界でも最高水準にありながら、行政(所得税の電子申告など)、医療(電子カルテ)、教育などの分野におけるICT利活用では大きく遅れをとっている。
 そしてGDP減少の最大の要因について、インターネットによる産業構造の変化に対応できなかったことに端を発する「大企業、首都圏への一極集中」にあるとし、これからの20年ではIoTを活用した「一億総活躍社会」の実現が必須であると訴える。特に労働人口が減少する中で、IoTやビッグデータ、AIなどは労働の質を向上させるのに有効であり、不可欠な要素だと話す。
 藤原氏はアベノミクスが掲げる医療や農業、エネルギーなどの分野における「岩盤規制」の改革に向けた法制度化などの動きを紹介しながら、IoT時代に向けて、あらゆる産業の自由化(インターネット化)の重要性を指摘。誰もが「消費者」にも「生産者」にもなれるチャンスがある社会こそが「一億総活躍社会」であり、そのためには「イノベーションを起こす主体」である起業家や科学者、技術者、投資家などが、「イノベーションを推進する主体」である政治家や政府、自治体と共同で環境を整備する必要性があると結んだ。
 第2部では、藤原氏のほか井芹昌信氏(インプレスR&D社長)、花井秀勝氏(フュージョン会長)、塚田会長がスピーカーとなり、パネルディスカッションを開催。郡司秀明専務理事がモデレーターとなり、「差別化戦略と新たな市場の創出」について議論した。











【印刷新報2016年10月20日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018、出展者募集を開始
・フレキソ・ジャパン2016活況 2日間で1,200名超が来場
・ハイデルベルグ・ジャパン、90周年 350名を招き、感謝の集い など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年10月13日付
女性活躍でタカラ印刷(福島)が発表
日商の「若者・女性活躍推進フォーラム」で


 日本商工会議所・東京商工会議所(三村明夫会頭)は9月5日、「若者・女性活躍推進フォーラム」を東京・丸の内の東京商工会議所で開催した。「働く意欲のあるすべての人が能力を発揮し働ける社会に─」をテーマとした同フォーラムでは、若い人材の育成や女性の活躍を推進する企業の事例発表が行われ、タカラ印刷(福島市)の林克重社長が自社の経営理念と取組みについて語った。

◆「会社は社員の幸せのために」
 タカラ印刷は1954年に福島市で創業した。従業員数は50名。企画・編集・デザイン、印刷・製本、デジタルコンテンツ制作・Web制作、情報処理、発送業務などトータルサービスを提供するほか、コピー偽造防止用紙「守り紙」の開発販売、さらにメディカル事業部では、医薬品添付文書に特化したデータ処理、製作、梱包・発送・保管等を行う。3年前に医療機器製造業認可を取得。添付文書を医薬品・医療機器本体と同レベルに位置づけ、ISO9001に基づく徹底した品質管理の下、クリーン工場で生産している。
 平成25年6月に内閣府の男女共同参画社会「女性のチャレンジ賞特別部門賞」を受賞。従業員は6対4で女性の方が多く、女性の管理職比率は67%となっている。
 林克重社長は「当社は『社員が幸せなら、お客さまも幸せ』を理念としています。この思いを共有するために経営計画書にも『一番大切なのは社員の幸せ』と明記しています。社員の幸せのために会社は存在します」
 62年前の創業当時から、現相談役の林シゲ子氏(克重社長の母堂、91歳)をはじめ女性が活躍していたDNAが今も息づいている。
 だが、同社の根本は、男性も女性も平等に働き評価される「人間活躍企業」だ。
 「私は、特別に女性が活躍する企業にしようと思ったことは一度もありません。一所懸命に仕事をする人を一所懸命サポートしてきただけです。ただ、子どもがまだ小さいうちは会社を休まなければいけない時もありますし、病気で出てこられない時もあるでしょう。仕事の責任をきちんと果たせるように、事前に話し合って、上司や周りのサポートでうまく働ける体制を作ってきました」
 また、次のようなエピソードも披露した。
 「チャンスも責任も平等でありたいと思います。今から十数年前にパートから正社員に登用した例があります。初めから正社員にしようと思っていたわけではなく、彼女が一所懸命がんばって、職域を自分で育てようと、私たちも知らないうちにハローワークに行っていろいろな研修を受けていました。そんな姿を見て、正社員になっていただきたいなと。
 また、東京でバリバリ働いて、30代後半で福島に戻り、入社した女性がいます。その彼女が母親になりました。子育て期間は休職しましたが、『必ず戻ってきてほしい』と話し、今は営業部長です。営業の最前線ですごいパワーで社員を引っ張っています。
 高卒で面接にきたある女性は、どうしても現場をやってみたいと言い、次の面接までに毎日紙を運ぶ訓練をしていました。そんな女性を社員にしないのはもったいないと採用を決めました。普通はせいぜい30分ですが、車で毎日1時間以上かけて通勤しています。入社3年で特殊な加工部門で機械を1台任せています。品質管理も任せたいと思っています」
 入社後3ヵ月はしっかり社内研修を行い、あとは本人の希望に応じて、研修、スキルアップの機会均等を心がけている。  社員の幸せのために、まず社員とその家族を大切にしたいと考えるが、近頃、介護をしなければいけない社員が増えてきたことが心配であり、対応が今後の課題だ。
林社長は「今年、商工会議所からも地域貢献企業として賞をいただきました。賞をいただくと、社員にとって励みになります。これからも社員の笑顔があふれるタカラ印刷をつくっていきたい」と発表を締めくくった。










【印刷新報2016年10月13日付掲載】
その他掲載記事
・特集・全日本印刷文化典 ふくしま大会
・日印産連×JPA 若手育成へ、学びの場を拡充 
・東グラ 菅野潔会長に聞く など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年10月6日付
野毛印刷社(横浜)、オープンハウスを開催
顧客を制作現場に案内
"ひらめき"を生む提案の数々


 野毛印刷社(森下治社長)は、横浜市南区の営業企画本部において9月15日・16日、オープンハウス「ひらめき工房」を開催し、2日間で約30社が訪れた。社員からの説明を受けながら回ったクライアントやデザイナーは、日頃は見る機会が少ない印刷会社の制作・製造現場に触れ、新しい発見を楽しんでいた。

立体印刷物による付加価値を提案

 ◆社内スタッフ含め総合力でサービス提案
 印刷会社と顧客との接点はほとんどの場合、営業が客先に出向いて商談、打合せするスタイルで行われている。しかし、それでは会社の全体像が見えにくく、どのようなサービスやバックアップ体制があるのか伝えることが難しい。そこで近年、社員総出で企画するイベントの開催、ショールーム化した工場の案内などを通じて、顧客との新しい接点を築く印刷会社が増えている。
 野毛印刷社の「ひらめき工房」も、商品が生み出される現場で、自社が手がけた各種ソリューションの実例を案内することで、広告宣伝、広報・販促活動における潜在的な課題の発見や、解決のためのヒント、新しい事業アイデアなど、参加者それぞれの「ひらめき」を持ち帰ってもらうことをコンセプトに企画された。
 見学を前にあいさつした森下社長は「当社をより知っていただき、みなさんとの関わりを深め、新たなひらめきを得ていただく目的で開催した。今日は有意義な時間を過ごし、忌憚のない意見を聞かせていただきたい」と述べた。
 社員から会社の紹介が行われ、事業の柱に据えているワンストップサービス、クロスメディアサービス、メディアユニバーサルデザイン、および企画・デザインから効果測定までのトータルサポートなどを特徴に挙げたうえで、「みなさんの発想力を私たちに授けていただくことが、私たちの次のサービスにつながる。ともに新しいアイデアを形にしていきたい」と、パートナーとしての姿勢を伝えた。
 見学は数人のグループごとに約2時間で行われ、立体工房、print工房、digital工房、design工房と名付けられたコーナーを巡った。
 立体工房では、名刺やカレンダーなどのPOPアップ製品、ペーパークラフト、特殊加工印刷物など、付加価値を追求した実際の紙製品を展示し、印刷物の新しい可能性を提案した。
 print工房は、2階のプリントセンターで実演も交えながら紹介。富士ゼロックスの「Color 1000i Press」2台ほか3台のモノクロ機、後加工設備があり、デジタル印刷ならではの表現、小ロット対応サービスについてプレゼンテーションした。銀とクリアトナーによる特殊効果、クリアトナーの重ね刷りによる立体効果、さまざまな素材への対応、バリアブル印刷などの多機能に、しきりに感心する様子が見られた。ある音楽関連企業の参加者は「これはきれい。ぜひ使ってみたい。次のキャンペーンで検討してみます。一緒にやりましょう」と、その場でスタッフに話しかけていた。
 横浜市福浦にある印刷工場のビデオ上映と製品見本によりオフセット印刷技術の紹介も行った。ストーンペーパーを使用した製品、0.03ミリの超薄紙印刷など、現在進めている最新の取組みを伝えた。
 digital工房では、撮影スタジオ、動画収録スタジオ「Cスクエア横浜」、デジタルサイネージ、ARアプリ、電子ブックなどを紹介し、効果的な映像・画像表現を生み出す野毛印刷社の技術力と販促提案力をアピール。
 design工房では、メディアユニバーサルデザインを活かした印刷物、自動組版、クロスメディア販促サービスなど、製品実例と実演により詳細に説明した。
 昨年も同様の趣旨で顧客を自社に招いたが、今年はさらに明確な形で「ひらめき工房」として打ち出した。同社CSR担当の北澤三郎顧問は「企画制作のスタッフ自身が説明にあたることで、直接の営業だけでなく、社内のいろいろなスタッフをお客様に知っていただける。個人でご指名を受けることもある。今後も定期的に開催していきたい」と話す。











【印刷新報2016年10月06日付掲載】
その他掲載記事
・特集 フレキソ・ジャパン2016 10月13・14日 東京・有明で
・話題 埼玉県印工組青年部 グルメイベントを運営 地域交流をサポート 
・全製工連 創立60周年記念大会に330名 企業価値の向上を宣言 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年9月29日付
GCJ会員10社で新会社を設立
サイネージの製作を全国展開へ


 日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会(GCJ)の会員10社が株主となり設立した新会社「サイネージネットワーク株式会社」(小林博美社長、東京都文京区)の説明会が9月15日、東京・汐留のソフトバンク本社で開かれた。組合のネットワークを活かした新たなビジネスモデルの構築を狙う。
 説明会では、小林博美氏(二葉写真製版、新会社社長)と枠元孝夫氏(アズワン、新会社副社長)から、新会社で行う事業の概要が発表された。
 同社は長年にわたりデシタルコンテンツのプロとして全国で活躍してきた有志のGCJ会員企業が連携して設立。成長が期待されるデジタルサイネージのコンテンツ制作でソフトバンクと委託契約を結び、同社が窓口となって全国の参加企業に仕事を振り分け、企画から制作・運用・配信・再販までを行う。各社のノウハウを共有・活用することで、リーズナブルな価格で高品質なコンテンツを、全国どこでも提供できるビジネスモデルを目指している。
 枠元氏はソフトバンクと制作委託契約を結ぶことになった経緯について「ソフトバンクは日本全国のネットワークをつなぐことのできる組織を探しており、ソフトバンクが受注してきた仕事の制作と販売を請け負ってほしいという話があった」と説明。その際に、委託依頼の窓口を一つにしてほしいと要望があったことも、新会社設立の一因となった。
 また、枠元氏は「GCJの会員が減少している厳しい現状がある。このサイネージ事業によって会員増強の手助けにしたい」と考えていることも明かした。
 ターゲットはショッピングセンターやチェーン店、ホテルのようなプロモーターが不在のためにサイネージを十分に活用できていない市場に定め、クライアントに対して配信型のソリューションを提案していく。また、小規模な店舗にもポスターや展示物、インテリアのサイネージ化を訴える。
 現在は同社の株主企業10社で「営業戦略部会」と「技術部会」を立ち上げており、今年度は制作委託されたサイネージ事業のプロデュースを行いながら、並行してノウハウを蓄える試行錯誤の年と位置付ける。年度は受注量拡大へビジネスモデルの開発やシステムを構築し、現在19社の参加企業も説明会などを行いながら全国にネットワークを広げていく意向だ。
 小林氏は「まずは成功モデルを作ることが最初の目標だ。そして地方の受け皿を増やして全国展開を目指したい」と展望を語った。
【サイネージネットワーク株式会社】
▽所在地 東京都文京区大塚5―23―2 電話03―3941―8980
▽代表者 小林博美
▽設立 平成28年8月1日
▽事業内容 デジタルサイネージの企画・制作・運用
▽株主 二葉企画/アズワン/セイユー社/ひでじま/ショウエイ/RUHIA/ナガイアルテス/城北製版/秀巧堂クリエイト/ミヤプロ












【印刷新報2016年09月29日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連・東印工組 都、経産省から2新事業を受託
・生き残りへ果敢な挑戦 関西初の「水なしLED-UV機」始動 富士美術 
・日印産連 印刷の月式典に600人集う など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



「日本製本紙工新聞」 9月5日付から
創業55周年の東洋化学商会
各種社内委員会が活性化 行動する企業風土に磨きを


 印刷・製本業界ではシリコンエアゾール、各種スプレー、オイル、溶剤・洗浄剤、接着剤、テープ等でおなじみの東洋化学商会(村上愼吾社長、東京都江東区)は、村上洪平会長が1961年(昭和36年)に創業して以来、今年で55周年を迎えた。10月7日には「創業55周年感謝祭カクテルパーティー」を東武ホテルレバント東京で開催する。
 村上社長に、会社の現状と今後に向けた取組みについて聞いた。

村上社長

 ◆会社の新しい方向性を見定める機会に
 55周年について、村上社長は次のように思いを語る。
「節目の年として、改めて仕入先様への感謝、お客様への御礼の気持ちを新たにしたい。その一環として10月7日に感謝祭を開く。ホテル最上階のラウンジを借り切り、生ジャズバンドの演奏もある。ぜひくつろいで、楽しんでいただきたい。また、お客様のところへも一軒一軒足を運び、感謝を表したい。
 55周年は、当社の原点を振り返り、今後の方向性を見定めるいい機会だ。60周年を迎える5年後の2021年。そこに向けて、新・東洋化学商会を打ち出していくための準備の時期と位置づけている。できれば、もっと早く当社の新しい方向を発信したい。仕入先様からの期待も高い」
 現在は、会社の草創期のことを知る社員も少ない。創業の理念、会社の存在意義、事業の原点を知ることは、前に進む力を与えてくれる。
 同社は、さまざまな社内委員会活動を通して、社員が自主的に改革に取り組んでいる。今年も2つの委員会が立ち上がり、すでに成果を見せている。
 顧客満足度の向上を目指す「顧客満足・コミュニケーション活性化委員会」では、初めての試みとして「お客様アンケート」を実施し、生の声を知ることができた。営業の自己評価と顧客の評価に差がある項目もあり、商品提案にあたり大いに参考になった。
ちなみに、東洋グループに対するイメージとして、「ガチガチに堅そう」「すぐに対応していただける安心感」「地味な感じ」「明るく元気があり、挨拶がしっかりしている」等があがっている。
 「社内風土改革委員会」も、自ら改善提案を行い、行動する社風を培うべく取り組んでいる。
 村上社長は「会社の特徴を常に磨き、打ち出さなければ埋もれてしまう。失敗を恐れず積極的に動いてほしい。それにより自分の知識も経験も増える。社内風土改革の取組みは、社員にとっても大きなチャンスになる」と期待する。
 「新商品開発委員会」のメンバーは現在4名。幅広い視点で新商品につながる情報を収集し、アイデアを練っている。
「創業時からの定番品であるシリコンスプレーのような商品もあるが、現在は商品の寿命が短くなりサイクルが早まっている。開発に遅れは許されない」
村上社長自身が登場したテレビ番組をご覧になった読者も多いと思うが、昨年は超強力潤滑剤「ラストブリザード」がヒット。5年前には瞬間冷凍おしぼり「プシュ冷え」が話題となり、マスコミ各方面で取り上げられるなど、ユニークな開発商品も多い。
 一方、既存製品の販路拡大、新規取引先の開拓にも力を入れている。
「国内市場は非常に広い。私どもの営業が回れていない工場は全国にまだまだある。最近はDIY関連など一般市場の開拓も進めている。スポーツ専用のケミカルブランド『ヴィプロス』も浸透してきている」と村上社長。今年も東京モーターサイクルショーに出展したほか、8月25日〜27日に幕張メッセで開催された「DIY SHOW」にも初出展した。
今年7月には、東洋化学商会東日本販売、東洋化学商会西日本販売の資本金を5000万円に増資し、完全子会社とするなど、販売体制も強化した。
 「当社が提供する商品・サービスを通して社会に貢献し、係わる全ての人が幸せになること」─その企業理念を高く掲げ、次なる飛躍を期す。











【日本製本紙工新聞2016年09月20日付掲載】
その他掲載記事
・特集 第57回全日本製本工業組合連合会 全国大会・東京大会
・パネルディスカッション 製本×デジタル印刷 
・東京製本資材協力会60周年 創立の精神は今も不変 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年09月15日付
MUD協会が墨田区へ製品寄贈
全印工連コンペで経産大臣賞受賞の商品を避難所に配備


 メディア・ユニバーサル・デザイン(MUD)協会(伊藤裕道理事長)は、災害時の避難所内の情報表示をわかりやすくするためのUD配慮製品「避難所サポートセット」(企画制作・大阪シーリング印刷)を東京都墨田区防災課に42セット寄贈。その贈呈式が8月25日に山本亨区長立ち会いのもと墨田区役所区長室で行われた。

山本墨田区長(中央)に手渡された

 今回、寄贈した「避難所サポートセット」は、不便の多い避難所生活を少しでも改善してもらうことを考えて大阪シーリング印刷が制作。避難所を設営する際に必要な備品や各スペースなどを案内するためのシールやPOP、テープ類をまとめている。情報伝達に優れているだけでなく、明るくポップな色合いが避難者の気持ちを明るく元気にする効果なども評価され、昨年12月に開催された第9回メディア・ユニバーサルデザインコンペティション(主催・全日本印刷工業組合連合会)の一般の部で、最優秀賞である経済産業大臣賞をしている。
 受賞後も製品化はされていなかったが、4月に発生した熊本地震で避難所の様子が放送されたのを機に、避難所サポートセットの活用を同協会から大阪シーリング印刷に持ちかけたところ、快く了承。制作した100セットが同協会に贈られ、その内10セットが熊本の避難所で実際に使用された。
 その後、残りをどう活用するか思考する中で、同協会が事務所を置く墨田区の防災課に話を持ちかけたところ大きな反響があり、墨田区の定める避難所が42ヵ所であることから、今回42セットを寄贈する運びとなった。
 贈呈式には同協会から伊藤理事長、橋本博事務局長、伊藤壽彦理事、東京都印刷工業組合墨田支部の三宅千章理事長、大阪シーリング印刷から営業推進部の渡部良行部長と企画製版部の山本真也次長が出席。山本区長からは「無機質な学校や避難スペースに、こういったみなさんにわかりやすい工夫があると非常にありがたい」と感謝が述べられた。
 同製品は各避難所の備蓄倉庫に保管され、有事の際に使用されるほか、墨田区が9月1日と4日に開催した「墨田区防災フェア」でも展示された。
 また、同協会では製品を使用した避難所への視察も行っており、実際に使用して浮かび上がった改善点などを報告書にまとめ、大阪シーリング印刷に提供している。今後、それを基にさらなる改良が加えられることが期待される。










【印刷新報2016年09月15日付掲載】
その他掲載記事
・広島・夢メッセ「人が真ん中で」 10月14・15日 KKRホテル広島
・東京青年印刷人協議会 「東青協ゼミ」始動 強い会社作りを学び、共有
・第10回MUDコンペ 作品募集開始 11月30日締切 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



「日本製本紙工新聞」 9月5日付から
【全製工連 書籍・雑誌専門委員会アンケート】
「協業」への志向が明らかに
取引先の知識不足に募る不満も


  全日本製本工業組合連合会の書籍・雑誌専門委員会(金子誉委員長)は8月27日、名古屋国際ホテルで平成28年度の専門委員会を開催し、約40名が出席した。各工組からの近況報告、委員会社への現況アンケートの結果発表などが行われた。
 近況報告では厳しい現状が改めて浮き彫りとなり、対策についてさまざまな意見が出された。今回の出席予定34社に対して事前に実施した「現況アンケート」の結果では、品質に関するクレームについて、相手先担当者の製本に対する知識不足への不満が多く挙がった。協業や合併に関しては肯定的な意見が多く、実際に検討、協議を始めているとの回答も複数見られた。
 アンケート結果の主な内容は次のとおり(以下、記述回答は代表的な意見のみ)
■景況について
▽2016年上半期の仕事量(前年比)
「増加」8社、「減少」20社、「変化なし」6社
▽下半期の仕事量(予測)
「増加」3社、「減少」14社、「変化なし」10社
▽製本単価(前年比)
「上昇」6社、「下降」9社、「変化なし」19社、「予測不可」7社
■品質に対する相互理解について
▽不当と思われるクレーム問題は?
 「ない」18社、「あった」16社
▽あった場合、不当と思われる理由は?
・得意先でも十分に確認(検査)機会があるにもかかわらず、事故発生後に全量検査を強制させられた。
・用紙の特性や印刷の乾きによる問題が、一方的に加工時に発生したと判断され、結果、値引きさせられた。
・不適当な材料の組合せによる製本で、通常の品質や強度を求められた。
▽取引先に提案したい事、お願いしたい事は?
・不可抗力な不良品が混入した場合、予備の本で代替できるように末端のお客様に対する営業努力をしていただきたい。
・品質基準が工業製品並みの見方に偏っているため、仕事として成り立たない所まで来ている事を理解してもらいたい。
・材料をもっと上品質に変えてほしい。
・製本工程、内容についてもっと知ってほしい。
・適正価格でお願いしたい
・刷本スケジュールを守ってほしい。
・用紙決定前の打合せや相談の徹底。
・空きスペースのないトラック輸送で、合理的な運送を始めることが急務。
■価格について
▽取引価格(複数回答)
「見積価格で受注」27社、「指値価格で受注」21社、「仕掛中・納品後に相談」5社
▽代金請求において顧客とのトラブルは? あった場合、その理由は?
 「ない」29社、「あった」4社
・値引き分を今後の仕事で穴埋めすると言われたが、その後、発注がない。
・製本不良(ミス)の時、やり直しの値段が高すぎる。
・代金請求の段になって、見積価格より下げられる。
■他社との協業や提携、合併なども含め、貴社の生き残り策として具体的に検討したいことは?
〈協業やM&A肯定推進派〉
・過度な価格競争を防ぐべく、提携や合併は検討すべき。
・生産設備の共同利用や営業協力。出版社の仕事を続けていくには、こうした動きが不可避と思う。
・ラインが常に空いているため、協業や合併を考えている。
・他社の工場に入り、協業化を進めた。機械を共有することで、人員や機械の大幅な削減ができた。
〈条件付肯定派〉
・表面上だけの協業や提携では何も生まれない。真の意味で、各々の強みの共有や弱点を補い合うことが必要だ(将来は、会社ごと買ってもらえるような魅力ある企業にしたい)。
〈自助努力派〉
・組合の会合などで仲間がどんな仕事をしているかを聞き、自社のお客に紹介することで仕事の幅が広がった。
・正社員を雇わず、5年前から家族で仕事をやり出した。











【日本製本紙工新聞2016年09月05日付掲載】
その他掲載記事
・「製本虎の巻」発刊される 経営の課題解決本として期待
・全製工連 書籍・雑誌専門委員会で熱い論議 
・図書印刷 合紙上製本技術「spreak」発表 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年09月01日付
トキア企画、医療イラストの技術継承を支援
川崎医療福祉大学と協力しインターンシップ


 トキア企画(西山英徳社長、東京都千代田区)は、今年8月に川崎医療福祉大学(岡山県倉敷市)の医療福祉デザイン学科の学生を実習生として受け入れた。細密なメディカルイラストを強みとする同社は、その高度な制作技術を次世代に継承していきたいと考えている。今回、メディカルイラストに携わる学生の育成と活躍の場の拡大を目指す川崎医療福祉大学との間で目的が一致し、インターンシップの実現につながった。2016年12月には「日本メディカルイラストレーション学会」の発足も控える。医療の世界を精確な知識を伴った豊かな感性とデザインで支える試みが広がり始めた。今後の医学界、デザイン界、教育界に与える影響が強まりそうだ。

◆特化したデザイン力に強み
 1972年に手動写植機2台から出発したトキア企画は、DTP化にいち早く取り組み、出版・商印の企画・デザイン制作・印刷業務を中心に社業を伸ばしてきた。中でも、医療・医薬品関連を得意としている。他社にない特徴あるデザイン力を身に付けることが会社の成長に欠かせないと考えた西山社長は、医療分野で使われるイラストレーションに着目し、高度な技能を持つ人材を育ててきた。同社のホームページでは、その見事なイラストの一部が紹介されている。
 西山社長は「当社の一番の強みは、イラストが上手というだけでなく、ドクターや薬剤師へのヒアリングを基に、ゼロベースで描き起こせること。医療の深い知識がないとできない。それほど、日頃からコミュニケーションを大事にし、医療関係者と密接な関係を築いている」と話す。
 また、「写真では解りにくい部分も、イラストなら表現できることが多い。このすばらしい技術は絶対に継承しなければいけない」と強い使命感を抱く。
 同社は、これまでもデザイン専攻の専門学校生を実習生として受け入れてきた。今年インターンシップに参加したのは、川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療福祉デザイン学科の学生2人。まず、メディカルイラストを専攻する同学科3年生の岡部颯太さんが8月9日、10日の2日間、実習を受け、翌週にはもう1人が再び岡山から上京し、同じく2日間にわたり学んだ。
 岡部さんは、会社説明を受けたあと、トキア企画のアートディレクター、野村憲司氏に付いて実際のイラスト制作などを習った。「大学の授業とは教え方が違っていて緊張しましたが、とても刺激を受けました。これからの勉強に活かしていきたい」と話してくれた。

◆学会の設立で医療イラストに光
 実習初日には、学生たちを日頃指導している医療福祉デザイン学科の横田ヒロミツ准教授もトキア企画を訪れた。自身もメディカルイラストレーターである横田氏は、医療デザインの現状について次のように話す。
 「アメリカでは2000人ほどのメディカルイラストレーターが活躍し、医療の現場でドクターとともに活躍している。対して日本は、この分野で大きく遅れている。ドクターの論文にもイラストを活用したものは少なく、視覚的な伝達の面で課題がある。同時に、特に若いドクターの中には、MRIやCTによる撮影画像で十分と考える人がいることも事実。ただ、やはり画像では表現できない部分は多く、イラストレーションが果たす役割は大きい」
医療福祉デザイン学科の学生数は現在、定員の半分に届かない17人。高校に対して学科の内容を伝える努力を続けた結果、学校側の理解も進み、ようやく入学者が増えそうな兆しが出てきた。高校生に対しては、「イラストの力で視覚的な記憶を残すことは人や社会に直接貢献できる大事な仕事」と語りかけている。
今後は、卒業生の就職先を増やすことが課題としてあり、医療関係者や医学出版社などへの一層の働きかけが必要になる。  横田氏をはじめ関係者は、メディカルイラストレーションに光を当てようと、数年前から学会の設立を目指してきた。2015年11月に東京藝術大学で開催されたメディカルイラストレーション展の開催などをきっかけに、ようやく設立の気運が盛り上がってきた。
 すでに、「日本メディカルイラストレーション学会」の第1回学術集会・総会が今年12月4日に倉敷市の川崎医科大学現代医学教育博物館で開かれることが決定している。会長には川崎医療福祉大学のレオン佐久間特任教授が就任予定。現在、学会の発足に合わせて全国のドクターに参加を呼びかけている。
 横田氏は「まずは多くのドクターに理解していただき、併せて志のあるイラストレーターの参加を得て、充実した活動にしていきたい」と話す。

◆海外への普及を夢見て
 トキア企画の西山社長も、日本全国に、そして海外に高度なメディカルイラスト制作の技術を広めたいという夢を抱いている。実際に、アジアを中心に現地の病院などを自分の足で回り、情報収集をしてきた。
また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツ医療に注目が集まると見ている。「世界各国から関係者が集まる中で、新たなチャンスが生まれる。くすぶっていてはいけない。メディカルイラストの力で貢献できることはたくさんある。テクノロジーに偏りがちな今の社会において、生身の人間を知る人間回帰の手段にもなるのではないか」
 次の世代を担う若者たちに西山社長が期待するところは大きい。今後も川崎医療福祉大学をはじめ、学生のインターンシップを継続していきたい方針だ。
また、8月26日には、東京都文京区にある獨協高校の生徒2人を、高校の仕事体験プログラムの一環として受け入れるなど、教育支援の輪を広げている。










【印刷新報2016年09月01日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連表彰 業界の発展に寄与した31者に栄誉
・第15回(平成28年度)印刷産業環境優良工場表彰 
・錦明印刷、創業百周年迎える 塚田司郎社長インタビュー など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年08月25日付
第15回印刷産業環境優良工場表彰
経済産業大臣賞に文唱堂印刷
継続的な全社改善で成果


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は8月17日、「第15回印刷産業環境優良工場表彰」の受賞工場を発表した。経済産業大臣賞の文唱堂印刷(橋本唱市社長) の町屋総合工場(東京都荒川区)をはじめ、全18工場が選ばれた。

文唱堂印刷の町屋総合工場

 15回目を迎えた今回は、昨年に続き小規模事業所振興部門(従業員29人以下対象)を設けるなど応募の促進を図り、同部門の応募27工場を含め、52工場から応募があった。全体として、継続応募している過去の受賞工場や、グリーンプリンティング認定取得工場が総合的に評価が高い。審査委員会では「これらの工場では、幅広い分野、項目での環境配慮を着実に行っており、継続した活動が高評価につながっている。環境関連法規に則った活動に加え、掲示板の活用による活動の活性化や、PDCAサイクル推進による環境マネジメントの展開が見られ、これらの内容は業界内で水平展開できるモデル事例として、今後の活用が望まれる」と評価している。
 経済産業大臣賞を受賞した文唱堂印刷(所属団体=全印工連・印刷工業会)の町屋総合工場は、1985年6月に操業を開始した正規従業員34名の工場。準工業地域に立地しており、周辺には住宅が密集している中、製版、印刷、製本工程を持つ。 同工場は、次の点で大臣賞に推薦された。
・環境負荷削減に向けて、経営トップのもと、全員参加の小集団活動による運用対策と活動掲示板の活用による「見える化」、国や都の補助金等を利用した設備対策など継続的に環境が改善されている。
・さらに異業種交流会(年20〜30回)の参加により得られた他社の改善事例についても、継続的に導入、実施されている。その結果、エネルギー39%削減、損紙・金属缶の回収100%など大きな成果が得られている。
・認証関係については、2004年に取得したISO14001をはじめ、プライバシマーク(2006年)、FSC認証(2007年)、ISO9001(2008年)、GP工場認定(2010年)、全印工連CSR認定制度・ツースター認定(2015年)を取得している。特にEMS(環境マネジメントシステム)については、強力なトップダウンによるPDCAサイクルを機能させ、スパイラルアップによる環境管理レベルの向上が図られている。
【第15回印刷産業環境優良工場表彰の受賞企業】
(カッコ内は工場所在地、※は小規模事業所振興部門での受賞)
▽経済産業大臣賞
文唱堂印刷(東京都荒川区)
▽経済産業省商務情報政策局長賞
杉山メディアサポート(静岡県浜松市)、※岐阜文芸社(岐阜県岐阜市)
▽日本印刷産業連合会会長賞
天理時報社(奈良県天理市)、あさひ高速印刷(大阪府大阪市)、北四国グラビア印刷(香川県観音寺市)、※多漣堂(埼玉県川越市)、※日本ラベル(東京都板橋区)
▽日本印刷産業連合会特別賞
※啓文社(熊本県上益城郡)
▽日本印刷産業連合会奨励賞
日本レーベル印刷(静岡県静岡市)、足利印刷(栃木県足利市)、中央パッケージング(静岡県静岡市)、光写真印刷(東京都大田区)、光ビジネスフォーム(東京都八王子市)プリプレス・センター(北海道札幌市)三光堂製本(東京都大田区)、※清美堂(東京都板橋区)、※太美工芸(愛知県名古屋市)









【印刷新報2016年08月25日付掲載】
その他掲載記事
・HOPE2016開催 “学び”を主眼に新生
・プリネット 水なし印刷採用で人財育成
・第55回全国製本誠友会、大阪大会で有終の美 来年からは「全日本製本青年会」へ など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年08月18日付
〈全印工連・官公需アンケートから〉
3都県で最低制限価格制度を試行
オープンカウンター方式でも実現


 全日本印刷工業組合連合会の官公需対策協議会(白子欽也議長)が今年4月に実施した官公需改善運動に関するアンケートの結果がまとまった。全印工連では、調査結果を基に各都道府県工組の活動を支援していく。また、2017年2月上旬に開催予定の「第4回官公需対策全国協議会」の協議テーマについて検討を行う。
 平成28年度は、東京都、宮城県、長野県で最低制限価格制度が試行されるなど、官公需に関わる改善運動は着実に成果を上げている。一方、最低制限価格制度を「導入済み」は1道18県にとどまっており、一層の運動推進が必要だ。印刷用データの所有権・知財権の確保でも大きな課題を残している。
 東京都では、今年6月以降、一般競争入札における予定価格100万円以上1500万円以下の案件に最低制限価格制度が試行されている。また、予定価格1500万円以上の案件には総合評価方式を原則適用する。 宮城県では、今年4月1日から集中調達分の20万円以上50万円未満のオープンカウンター(公開見積競争)案件について、請負設計額の70%で最低制限価格制度が試行されている。
 長野県では、今年6月以降、県庁発注の公募型見積合わせによる印刷業務のうち、予定価格50万円以上の案件から15件程度を抽出し、最低基準価格を60%とする制度が試行されている。
 和歌山県では、これまで印刷案件は電子入札によるオープンカウンター方式であったため、業種に関係なく応札・落札が可能だったが、27年度から営業品目に「印刷」の登録が必須となり、設備の有無など、一定の差別化が図れた。印刷業者は、部門人員・保有機械設備等を記入する「業務調書」を提出する。
 権利問題に関しては、入札時の条件に「成果物の所有権や知的財産権は発注者に帰属する」、「使用した写真、イラスト、データ等すべての著作権は発注者に帰属する」等と明記されている県が多く、問題視している。
 中には、企画コンペを受託し印刷物を納品したが、直後の増刷で再び競争入札が行われ、「中間生成物一式を官公庁に納めること」の記述から、結局は見積り競争に応じざるを得なくなった(宮城県)、増刷時の入札でデータを作った業者を指名から外すことが行われた(埼玉県)といった例も挙がっている。全印工連に業界としての組織的な運動を求める声が多い。








【印刷新報2016年08月18日付掲載】
その他掲載記事
・2015年度電子出版市場29%増 2020年度は3480億円を予測
・凸版印刷 住空間を提案する 環境デザイン事業部、本格始動
・小森コーポレーション つくばで特別内覧会 「つながる印刷工場」体感 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年08月11日付
日印産連、「9月 印刷の月」のロゴを作成
『社会責任報告書』も発行


 一般社団法人日本印刷産業連合会(山田雅義会長、日印産連)は、今年の「9月 印刷の月」に合わせて、いくつもの新しい試みを行っている。
 従来のポスターに代わり、新たにロゴを作成した。業界内外で印刷の月に対する認識がまだ低いことから、広くロゴの活用を呼びかける。また、印刷の月を紹介するチラシを作り、協賛イベントで配布してもらう。

    

「印刷の月」ロゴ

 日本書籍出版協会と日印産連が主催する「造本装幀コンクール」は今年、第50回を迎えた。授賞式は東京国際ブックフェア会期中の9月24日に東京ビッグサイトで行われる。同展が今年から「読書推進・読者感謝の場」に衣替えするため、日印産連では造本装幀コンクール50回記念協賛行事として、全日本製本工業組合連合会の協力を得て、和綴じ製本の体験イベントを9月25日に会場内で開催する。
 また、日印産連は『JFPI社会責任報告書』(A4判、32頁)を作成し、9月の印刷の月に配布する。会員10団体、協賛企業および国公立図書館、大学などの付属図書館、就職課など約2300ヵ所への配布を計画している。社会の期待に応える日印産連の取組みについて具体的な事例とともに紹介する。業界版のCSR報告書とも言える内容。年次報告として毎年発行していく。日印産連ホームページでもPDFで公開する。会員団体や所属企業がダウンロードし、業界の取組みを説明するために活用することができる。








【印刷新報2016年08月11日付掲載】
その他掲載記事
・凸版印刷 新商材・サービスに積極投資 「環境デザイン事業部」新設
・日印産連ホームページ刷新 情報発信より迅速に
・ジャグラ 酉年年賀状デザインコンテスト 入賞作品が決定 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年08月04日付
富士経済、印刷インキの世界市場を調査
軟包装用、UVの需要が拡大


 富士経済(東京都中央区)は、印刷インキの世界市場を調査した報告書「2016 機能性インキ市場の全貌」をまとめた。2020年に向けて、新興国の需要増加などを背景に、軟包装用インキ、UVインキの市場が拡大する見通しだ。
 同報告書は、印刷インキ36品目の市場を調査し、印刷方式別、用途別、材料別、機能別に分類・分析し、今後の方向性を多角的にとらえた。また印刷機8品目についても調査・分析した。
 注目の市場として、軟包装用インキ世界市場は、欧米市場の経済回復や中国、ベトナム、フィリピン、インドなどの新興国の需要増加によって市場は拡大。世界で紙、缶、瓶などの硬質パッケージからソフトパッケージ(パウチなど)への移行が進み、軟包装および軟包装用インキの採用が広がっている。今後も中国、東南アジア、インド、東欧、中南米などの地域で、軟包装の需要は増加し、2020年に117万トン(2015年97万トン、20.6%増)に拡大すると予測する。
 UVインキ世界市場は、日米欧で高付加価値化への取組みとして省エネオフセットUV印刷機の導入が進み、電力消費の低いLEDなどを使用する高感度UVインキの需要が増加した。先進国では今後も堅調な需要拡大が期待されるほか、新興国では経済成長とともに購買力が増す中で、付加価値向上を目的にUVシステムを導入する印刷事業者が増加していくとみられ、2020年に11万トン(2015年9万トン、22.2%増)に拡大すると予測する。
 また、紙おむつ用インキの国内市場は、高齢化に伴い大人用紙おむつ市場が拡大しているほか、乳幼児用紙おむつも中国からのインバウンドによって需要が増加している。2016年も大幅な拡大が見込まれるが、日系紙おむつメーカーが海外現地生産にシフトしており、需要は海外市場が主体になるとみられる。
 印刷方式別のインキ市場を見ると、オフセットインキは先進国で主要用途である新聞、出版印刷の需要縮小から市場縮小を予測。また、スクリーンインキも小ロット対応からインクジェット方式への切替えが進み、市場縮小を予測する。
一方、グラビアインキ、フレキソインキは軟包装の需要拡大から市場拡大を予測。グラビアインキは2015年85万トンから2020年に102万トン、フレキソインキは60万トンから72万トンを予測する。ネット通販の普及により、段ボールの需要が増加しているため、段ボール印刷でフレキソインキの需要も拡大している。
 インクジェットインキ(※産業用印刷機を対象)もセラミックタイル、テキスタイル印刷の需要が市場を牽引するなど市場は拡大し、2015年の3万トンから2020年は5万トンに拡大すると予測する。













【印刷新報2016年08月04日付掲載】
その他掲載記事
・大日本印刷 4成長領域事業拡大 総合力と事業連携で成果
・ダイバーシティ特別対談
 小野綾子プライズコミュニケーション社長
 &田中モニック・ハイデルベルグ・ジャパン執行役員
・フレキソ印刷機の導入進む W&H社製、国内で続々と など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年07月28日付
共同印刷、BPO事業で攻めの経営
生活・産業資材は事業領域を拡大


 共同印刷(藤森康彰社長)は、業界記者団との懇談会を7月21日に東京都文京区の本社で開催し、グループの中期経営方針と事業分野別の取組みを説明した。BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業の成長などが注目された。

                   ◇
 共同印刷の2016年3月期連結決算は、売上高950億9700万円(対前期比2.8%増)、営業利益26億2500万円(同48.2%増)、当期純利益22億1200万円(同56.2%増)と好調だった。出版商印部門はわずかに減収減益となったが、ビジネスメディア部門、生活・産業資材部門が伸びた。
 特にビジネスメディア部門は売上高299億4700万円(対前期比10.5%増)、営業利益24億3300万円(同164.5%増)となり、売上高構成比は前期の29.3%から31.5%に上昇した。マイナンバー制度の開始に伴うデータプリントやBPOの需要増の取込みに向けて提案活動を推進し、受注を拡大した。官公庁や金融機関からの受注増によりビジネスフォームが増加し、乗車券の好調により証券類も増加、IC乗車券をはじめとするICカードも増加した。
 藤森社長は「個人情報を扱うBPO事業では豊富なノウハウを持つ。川島ソリューションセンターの高度なセキュリティ環境と合わせて、新領域の開拓を進めていく。特にマイナンバー制度関連では、より堅牢な体制を築く。今後も成長が見込まれるBPO事業において、セキュリティの強みと安心のサービスで市場の評価を高めていきたい」と経営戦略を示した。
 また、交通系ICカードについては、訪日外国人の増加によるインバウンド需要との関連から「来日している間に使いきる、あるいは土産として持ち帰る需要があり、回転率が高い。発行枚数は堅調に増えるだろう。当社の得意分野であり、拡大を図っていく」と話した。訪日客の増加は、購入商品として人気がある化粧品等の需要増にもつながり、パッケージ・包装分野に好影響があるものとみている。
 その生活・産業資材部門では、化粧品業界に対して同社が開発したフルプリント仕様のラミネートチューブの提案に力を入れている。医薬品や電子部品向けには吸湿フィルム「モイストキャッチ」をはじめ高機能製品の開発・提案を着実に進めている。今年3月には、酢酸ガス吸収フィルムに湿気吸収機能を持たせた新フィルム製品を発表した。海外市場でも、ベトナム新工場の立上げ、インドネシア現地企業との協業開始など、アセアン地域におけるチューブ事業の拡大を図っている。
 出版系事業については、得意とするコミックや教材などのコンテンツで、紙媒体と電子媒体を適切に使い分けるハイブリッド型の情報提供を行っていく方針だ。電子書籍関連会社のデジタルカタパルトが運営するマンガ配信サービス「ソク読み」は、「ここ数年で売上げは飛躍的に伸びている。続けて成長が見込まれる」(藤森社長)という。
 共同印刷は、グループ中期経営方針「強みを活かし事業領域を拡大して利益を創出する」を引き続き推進し、トータルソリューション提案による事業領域拡大と、新製品開発による競争力強化と市場拡大を図る。来年迎える創業120周年を機に、より確かな持続的成長を目指していく。
 2017年3月期の連結業績見通しは、売上高980億円(対前期比3.1%増)、営業利益30億円(同14.3%増)、当期純利益22億円(同0.5%減)。













【印刷新報2016年07月28日付掲載】
その他掲載記事
・drupa2016報告会 コダック RMGT 
・軟包装用UVインクジェットプレス「MJP20W」、金羊社が二台目を導入、新ビジネスへ
・TOKYO PACK 2016 681社・2568小間で開催 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年07月21日付
〈全国グラビア 業界実態アンケート〉
小ロット、過剰品質が響く 適正価格の設定も課題


 全国グラビア協同組合連合会(田口薫会長)は、グラビア印刷業界の現状と課題に関する調査を目的に、緊急アンケートを今年2月に実施した。会員162社のうち104社から回答を得た(回答率65%)。同連合会では、今回の調査結果を踏まえ、グラビア印刷業界の経営基盤の安定化と持続可能な発展に向けた施策に活かしていく。また、企業規模や業態に応じた情報の発信、セミナー等の開催を検討する。

◆PB商品は要求品質がより厳しく
 取扱い製品・サービス(複数回答)は、「軟包装グラビア印刷」が95社で最も多く、以下「スリッター」79社、「製袋」67社、「ラミネート加工」62社、「巻替え検品サービス」45社、「製版」39社、「フィルム以外のグラビア印刷」30社、「デジタル印刷」13社、「フレキソ印刷」11社の順。
 売上高および経常利益の前期比については、「ほとんど変わらない(±10%未満)」の回答がそれぞれ73.1%、50.0%を占めた。
 売上・利益に影響を与えた要因で、売上にプラスに影響したものは「得意先の業績向上」、「活動量の増大」、「価格改定が順調」が上位3つ。新事業や新製品の好調など、新しい取組みが実っている企業もある。
 売上へのマイナス要因は、「小ロット化による生産性の低下」が44.2%と最も多い。続いて、他社の安値攻勢、得意先の不振、価格転嫁拒絶など、厳しい事業環境に置かれている。
 利益へのプラス要因は、「経費の削減」が41.3%と最も多かった。懸命にスリム化を図っている現状が窺える。「人件費の削減」と回答した企業も13.5%あった。「社内生産比率の増加」と「高利益商品の増加」が18.3%で同率の3位。「活動量の増加」17.3%、「高能率設備の増設・更新」9.6%と、積極的な取組みも目立つ。
 利益へのマイナス要因では、「過剰品質に伴うロスの増加」が最も多い。次いで、「売上高の減少」、「人件費の増加」、「得意先からの価格引下げ要求」で、「PB商品の増加」は3社の回答にとどまる。
 PB商品(扱っている企業のみ)に関する設問では、要求品質について「以前より厳しくなっている」が64.8%を占めた。価格について「他の商品より低く設定されている」が50.9%。さらに、PB商品の悩み(複数回答)では、「納期がない」34.2%、「ロットが小さくなっているのに単価は変わらない」30.4%で、2つを合わせると回答件数の64.6%にのぼる。
 印刷フィルムについて、自社購入原反の割合は、45.1%の企業が使用フィルムの半分以上を購入していた。すべて支給フィルムは14.4%。また、31.7%の企業が、購入原反において外国製を一部使用していると回答した。
 製版については、7割以上(「すべて外注で製版」55.8%、「一部外注で製版」16.3%)が外注に頼っており、自社製版のみは1割弱。
 製版代は、「一部サービスがある」が55.8%を占め、「すべてサービス」も2社あった。一方、「全額請求している」が31.7%あり、請求にバラツキが見られる。
 受注先の業態(複数回答)は、「商社」が67.3%を占める。「同業者」55.7%、「食品メーカー」48.0%、「問屋」39.4%と続く。
 原価計算の方式については、「自社独自のシステムで行っている」が62.5%で最も多い。次いで、「エクセル・アクセス等を使用している」19.2%、「慣例に従っている」14.4%。システムを導入していない企業への設問では、「今のままでよい」が約半数を占める。原価計算に課題が残る。
 原価計算に入れていない項目(複数回答)は、「シリンダー管理費」66.3%、「インキの残肉代」56.7%、「通しフィルム代」50.0%、「特急配送費等」40.4%となっている。













【印刷新報2016年07月21日付掲載】
その他掲載記事
・drupa2016 TOPIX 見えてきた未来/レポート 製本・加工編
・全国封筒年次大会 約170名が参加 郵便・物流総数が14年ぶりに増加
・コニカミノルタジャパン 事業戦略を発表 デジタル印刷市場の拡大目指す など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年07月14日付
日本印刷産業連合会が「drupa2016」報告
多彩な機能を活かす企画・デザインが重要に


 日本印刷産業連合会は7月7日、「drupa2016出張報告会」を日本印刷会館で開催し、広報部の石橋邦夫氏と技術推進部の北嶋信幸氏がdrupaに見る業界トレンドについて語った。

 ◆紙以外の印刷で用途に広がり
 広報部の石橋氏は、デジタルプレスの広がり、中でもパッケージ分野の製品の充実を今回の特徴に挙げ、「個人的には"パッケージdrupa"と名付けたい」と述べた。また、「druck(印刷)& papier(紙)」の意味であるdrupaが大きく変質しつつある、と全体の印象を語った。報告要旨は次のとおり。
 drupaの主催者は今回のハイライトとして、「印刷」「パッケージ製造」「マルチチャネル」「環境印刷」「3D印刷」「機能性印刷」の6つの分野を挙げている。3D印刷や機能性印刷は一般の印刷会社のビジネスではないが、デジタルプレスを扱うベンダーにとっては自社技術の延長線上にある自然な分野。今後の重要なテーマになるだろう。
 3Dプリンターはリコー、キヤノン、コダック、HPなどが出展した。等身大の大型立体POPの作製に特化したイスラエルのベンチャー、Massivit 3Dが注目を集めた。印刷会社が関与しやすい分野としては、ディスプレイやPOPの作製、プロトタイプの作製、出力サービスなど。
 VDMA(ドイツ機械工業連盟)のブースには、PETボトルなどを中心とした立体物への直接印字サンプルが、KHS、KBA、Kammann、ハイデルベルグなどから出品された。VDMAとしてこの分野に力を入れていることを窺わせる。ハイデルベルグ、キヤノン、ゼロックス、INX、Amica、ミマキなどが直接印字プリンターを出展した。
 紙への印刷以外の分野で、デジタル印刷の増加が目立った。屋外サイン、壁紙、ファブリック、各種の室内用品などの用途で広がっている。これは世界的な流れであり、印刷業界がどれだけ需要を取り込めているか、他業界に流れてしまっているのか、注意しなければいけない。
 ランダと小森からナノグラフィーデジタル印刷機がようやく披露された。印刷サンプルのレベルもかなり上がった。今年末あたりからベータ機が納入される。発表では、ランダは4.5億ユーロ(約540億円)の受注を確保した。小森もImpremia NS40の仮発注を9台確保した。新しい話題として、Nano Metallographyによる箔加工が発表された。ナノ技術で必要な部分にだけ箔を転写し、材料のムダをなくす。

◆パッケージ分野で大型デジタル印刷機が多数登場
 デジタルプレスの広がりは、情報メディア分野の印刷の主流となってきた。インクジェット機の大型化、生産性・品質がさらに向上している。月間印刷許容枚数がA4換算で1000万枚以上の大型機が増加している。印字ヘッドはより広幅化していく。こうした大型インクジェット機のプリントボリュームは今後も順調に伸びる。しかし、日本ではトランザクションとDM以外は伸び悩んでいる。
 コニカミノルタおよび小森、ランダ、HPは、高品質市場を狙うデジタル枚葉機を発表。キヤノン、ゼロックスはB3+サイズのインクジェット機を発表した。幅広い製品が出揃い、用途に応じた使い分けが進む。
 製本でもオンデマンド加工が広がっている。ホリゾン、フンケラー、デュプロ、テクナウなど主要ベンダーは、デジタルプレスと連動した製本機を用意した。バリアブル製品も実現可能になる。
 drupa2016では、パッケージ分野のデジタル製品の充実が最も印象的だった。超大型のパッケージ用インクジェット機が多数発表された。ほかにも、枚葉B1や枚葉B2のデジタルプレスの発表、段ボール/POP向けのフラットベッドデジタルプレスの新製品、デジタル裁断(レーザーカット)および紙折加工機の新製品、デジタルエンボスシステム(加飾装置)のB1対応などが見られた。
 ただ、急激に充実するデジタル製品に対して、それに見合うパッケージ市場が存在するのかという懸念がある。インフォトレンズ社の予測では、北米のパッケージ印刷市場は2019年に25億ドル(約2750億円)で、その中心はラベル。紙器・段ボールは550億円程度にすぎない。
 重要なことは、デジタル技術を活用することでパッケージが販促ツールとなるような案件をいかに生み出すことができるか。デジタル機器の特性を十分に引き出すデザインをだれが行うのか。販促ツールとしての付加価値をだれが企画提案し、高い価格で売れるのか。印刷会社にとって今後の大事なポイントになる。社内にデザイナーを取り込むなどの展開も必要になってくるだろう。
 パッケージを販促ツールにできれば、製造コストは広告宣伝コストに変わり、高額なデジタル印刷加工機を導入しても投資に見合うだけの収益を生むことが可能だ。

◆加飾は型レス・版レスの時代に
 「パッケージ製造(紙器・軟包装)におけるデジタル化」をテーマに講演した技術推進部の北嶋氏は、パッケージ製造においてデジタル化が進展している理由として、情報・コミュニケーション分野で大きな成長が見込めないこと、同時にパッケージ分野で成長予測が出ていることを挙げた。インフォトレンズ社の調査では、年平均成長率で「一般印刷」4.6%、「パッケージ」25.6%、「POP、ディスプレイ、テキスタイル等」12.7%という数字が発表されている。
 北嶋氏は、パッケージ分野ではデジタル化によって、印刷では「差別化・個別化」のニーズへの対応、表面加工では「加飾」のバリエーションの広がり、後加工では「デジタルデータ」の活用が進んでいるという。
 注目すべき動向として、型や版を使用しないことによる影響を挙げた。電子写真トナー利用の箔押機や、高速・高精度でハーフカットも可能なレーザーカッターなど、多彩なオンデマンド加飾が登場したことで、型レス、版レスが進む。
 「DTP普及時の製版レスと同じようなインパクトがある。表面加工や箔押しの会社は生き残りのための戦略が必要だ。また。新しい加飾システムを活用するには、オンデマンドを理解した企画・デザインのスタッフ育成が大事になる。段ボールでも、今後は印刷よりも打抜きの型レスが勝負の分かれ目になる」
 目立った出展者としては、ハイコン、スコディックス、クルツ、efi、セイレーザー等を挙げた。
 また、ボトルやボール、ヘルメット、ホッケーのスティックなど立体物に直接印刷できるハイデルベルグのシステムを紹介し、プレミアム品の製造販売の可能性を指摘した。
 さらに、水性インキの開発競争も注目点として挙げ、市場性に期待した。花王は軟包装用の水性インクジェットインク、東レは水なしUV印刷用の水溶性インキをそれぞれdrupaで発表した。
 パッケージ分野への投資が熱気を帯びる一方で北嶋氏は、「パッケージ製造のリスクについて、印刷業者もメーカーもどこまで理解しているのか心配だ。パッケージは印刷物というより、中身の商品を保証する容器としての機能が重要。品質を損なうことや表示ミスを起こせば莫大な補償とロスが発生してしまう」と警告した。













【印刷新報2016年07月14日付掲載】
その他掲載記事
・2016年暑中特集号 drupaを読み解け/環境を考える企業設計
・SOPTECとうほく2016盛況 来場者2割増を達成
・石田大成社 100周年を機に印刷部門を分社化 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年07月07日付
「フレキソ・ジャパン2016」、10月に開催
フォーラムとテーブルトップショーで構成
最先端の水性フレキソを訴求


 フレキソ印刷のフォーラムとテーブルトップショーからなるイベント「フレキソ・ジャパン2016」(主催・日本フレキソ技術協会、略称FTAJ)が、10月13日・14日の両日、東京・有明のTFT(東京ファッションタウン)ビル9階で開催される。今回のテーマは、世界的に進展している軟包装分野で日本の水性フレキソ印刷の品質レベルの先進性と環境保全をアピールする「『匠』にっぽんFlexo Quality―環境を支えるフレキソ印刷―』。フォーラムは製版関連、印刷機(ナロー/ワイド)、周辺機器、市場・環境関連の16講演からなる。テーブルトップショーは30社の出展を予定。来場者数は前回を上回る1500名を目標にしている。
                  ◇
 フレキソ・ジャパン2016の記者会見は、FTAJの津田邦夫会長、古田拓、広瀬高志両副会長、フレキソ・ジャパン2016実行委員会の杵渕邦夫委員長が出席して6月27日に都内で行われた。
 津田会長は日本におけるフレキソ印刷の現況について、「当協会は1976年に日本フレキソ印刷技術懇談会として創立され、本年で創立40周年を迎える。創立以降、技術研究会の開催、会報発行などの活動を続けてきた。創立当初の日本のフレキソ印刷は欧米に比べて社会からの認知度が低かったが、近年においてフレキソ印刷は着実に普及している。FTAJの会員数も増加傾向にあり、現在126社を数えている」と、40年の歩みの中でフレキソ印刷が発展、普及を遂げていると述べた。
 フレキソ・ジャパンについては、「第1回フレキソ・ジャパンを2002年に開催して以来、隔年で開催し、今回は第8回となる。フレキソ・ジャパン2016では、フォーラムで最先端技術と市場の動向を紹介するとともに、テーブルトップショーで機材、システムの内容と製品サンプルを視覚的に展示する。前回の延べ来場者数は1200名であったが、今回は前回を上回る1500名を目標としている」と明らかにした。
 続いてフレキソ・ジャパン2016の杵渕実行委員長が今回のテーマ、「『匠』にっぽんFlexo Quality―環境を支えるフレキソ印刷―」について次のように説明した。
 「世界的に軟包装用フレキソ印刷の進展が注目されているが、日本のIGASやpageのショーにおいて軟包装水性フレキソ印刷の解像度が250〜300lpiの高解像度を達成した。そしてdrupaにおいても日本の軟包装水性フレキソ印刷の品質レベルの高さが評判を呼んだ。『匠』にっぽんが持っているフレキソ印刷技術は世界で通用すると実証された。このことを日本から発信していきたいと思いメインタイトルとした。
そして環境を支えているのは軟包装水性印刷を達成しているフレキソ印刷であるとのメッセージを込めてサブタイトルとした」
 また、フォーラムにおける16講演の演題(仮題)と講演者について説明した。
 「製版関連」が4講演、「印刷機」が4講演(ナロー、ワイドが各2講演)、「周辺機器」が2講演、ブランドオーナーやプリンター、サプライヤーによる「市場・環境関連」が6講演。
 フォーラムのスケジュールは、13日が午前9時〜午後5時30分、14日が午前9時〜午後5時。参加費は2日間通しが会員1万8000円、一般2万5000円、1日のみが会員1万円、一般1万5000円(いずれもテキスト代含む、税込)。
 テーブルトップショーは、13日午前10時〜午後5時、14日が午前10時〜午後4時で開催される。入場料は無料。
 出展募集は1小間(幅1.8m×奥行1.8m)を主催者団体会員13万円、一般18万円(いずれも税込)で8月26日まで募集している。30社前後で締切りとなる予定。
 なお、フォーラムの演目と講演者、テーブルトップショーの出展者名は主催者ホームページ(http://www.ftaj.org/)で随時公開される。













【印刷新報2016年07月07日付掲載】
その他掲載記事
・ジャグラ文化典 北海道大会 特集
・花王 欧米のIJ用インク2社買収 産業印刷市場で世界展開
・デジタル印刷機世界市場予測 年率7.2%成長 矢野経済研究所調べ など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年06月30日付
全印工連・産業戦略デザイン室
広報戦略の立案・推進へ 対内外の発信について議論


 全日本印刷工業組合連合会・産業戦略デザイン室(滝澤光正委員長)は、平成28年度第1回委員会を6月16日に開催し、今年度の事業推進について議論した。広報戦略の立案と推進、「全印工連2025計画」の普及・啓発、成長戦略に関わる各種政策提言の取りまとめ、新たな仕様書と積算フォーマットの研究・啓発を柱に進める。
 副委員長には江森克治氏(神奈川)、橋本唱市氏(東京)、作道孝行氏(大阪)が就いた。

滝澤委員長

 滝澤委員長は冒頭に「今までの委員会の主なタスクは成長戦略づくりだったが、2025計画が完成したばかりであり、今期の中心テーマは『広報』としたい」と方針を示した。
 また、全印工連の臼田会長は「広報とは伝達力であり、コミュニケーション。業界の外に、そしてわれわれの仲間に、何を、どれだけ、どんな方法で、どこを対象に発信していけばいいのか、委員のみなさんの知恵を貸してほしい」と話した。
 広報戦略に関しては、年間を通した計画的な対内・対外広報を行っていくと同時に、遠隔教育システム技術の研究に取り組む。広報戦略のアドバイザーにはPRコンサルタントの武井由美子氏を迎えた。この日の委員会では武井氏から広報コンサルティング計画案が示され、案に基づき委員が活発な議論を行った。
 作道副委員長を中心に、2つのチームを編成し、対内情報流の整理・改善と、対外ブランディング(イメージアップ戦略)の手法研究を推進することが決まった。
 遠隔教育システムについては滝澤委員長から「東京で開催するセミナーをITで地方にも配信してほしいといった要望は以前からあった。すぐにでもプラットフォームを動かしたい。システム選定を詰めてほしい」と要望された。
2025計画の普及・啓発は、10月の全日本印刷文化典を機に本格化させる。計画の中で示した成長戦略5分野の目標と行動計画について、達成度、進捗度の検証も行っていく。
また、今期も引き続き経済調査会の印刷関連サービス積算体系検討委員会に2名の委員を派遣し、積算フォーマットの研究等に協力していく。
 ■「プランニング・プロデュース」の料金体系を検討
 経済調査会の印刷関連サービス積算体系検討委員会は、前期に取り組んだ「フルフィルメントサービス」(封入封緘、発送、在庫管理など)に続いて、新たに「プランニング・プロデュース」について、内容・名称の整備や料金項目の設定に向けた活動を継続していく。毎年2月に発行する『積算資料 印刷料金』の中で成果を公表する。
経済調査会では昨年の委員会で、印刷関連サービスの全体像について委員がイメージを共有し、体系を整備した。その結果、新たに印刷業務の入口部分である「プランニング・プロデュース」(販促、キャンペーン、DM、店頭販促、イベント、企画など)を取り上げることを決めた。
 同時に、フルフィルメントサービスの調査も継続実施し、料金項目の整備を進めるとともに、対象サービスを拡大する。












【印刷新報2016年06月30日付掲載】
その他掲載記事
・枚葉印刷特集
・日印産連 新会長に山田雅義氏 グランドデザイン深耕年に
・レポート 本紙・欧州グラフィックアーツ視察団 企業訪問 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



〈日本製本紙工新聞 6月20日付から〉
KADOKAWAが所沢市に新拠点
最新デジタル印刷・加工機を設置
ミューラーの「アレグロ・デジタル」採用


 KADOKAWA(本社・東京都千代田区)は、埼玉県所沢市に最新のデジタル生産設備を導入した新たな製造・物流拠点を建設する「所沢プロジェクト」を開始した。

アレグロ・デジタル

 同社は、読者の多様なニーズに応え、書籍の迅速な生産と発送を可能とする最適なシステム構築を目指している。オンデマンド対応の書籍製造ラインの稼働を2018年から順次予定。文庫、ライトノベル、新書、コミック等の本文、口絵、表紙、カバー、帯に至るまで一貫生産できるシステムとする。
 最新デジタル設備として採用が決定したのは、「HP PageWide Web Press T490M HD」「HP Indigo 50000」などHPデジタル印刷機、ミューラー・マルティニの「アレグロ・デジタル」無線とじ製本ラインなど、いずれもdrupa2016(ドイツ・デュッセルドルフ)で発表された最新鋭機。
 「HP PageWide Web Press T490M HD」は、1分間に最大305メートルの両面印刷が可能なモノクロインクジェットデジタル輪転印機、「HP Indigo 50000」はB1サイズの両面カラーに対応するデジタル印刷機。
 「アレグロ・デジタル」は、世界初のモーションコントロール技術を採用した全自動無線とじ機「アレグロ」の、デジタル印刷対応を実装した新しいモデル。
 6月3日にdrupa会場を訪れたKADOKAWAの角川歴彦取締役会長をはじめとする関係者は、ミューラー・マルティニのグループ会長、ルドルフ・ミューラー氏の歓迎を受け、KADOKAWAの目指す小ロット書籍生産や適量生産を実現するアレグロ・デジタルの新機能「タッチレスワークフロー」を視察した。
 タッチレスは、オペレータの操作を必要としないことを意味し、無人運転のバッチモードを備えた無線とじ機として進化した。
 自らローディングされたブックブロックを測定、運転しながら次々とセットし一部ごとの製本を完成させる。極小ロット出版にも有用な無線とじ機として注目が集まる。











【日本製本紙工新聞2016年06月20日付掲載】
その他掲載記事
・改正安衛法施行 化学物質のリスク管理を義務化
・デジタル教科書、20年から 文科省検討会議が中間報告
・東京製本資材協力会 60周年記念行事、10月21日に など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2016年06月16日付
東京都、最低制限価格制度の本格導入へ
試行案件第一弾を実施
「実効性ある」制度設計目指す


 東京都の印刷請負に係る最低制限価格制度の導入に向けた試行案件が5月31日に東京都財務局から発表された。これを受けて東京都印刷工業組合(臼田真人理事長)と東京都印刷産業政治連盟(森永伸博会長)は6月6日に記者発表を行い、これまでの経緯や試行案件についての説明とともに、本格導入に向けて引き続き財務局と意見交換を行いながら、印刷産業の現状を制度に反映させていく意向を示した。
 東印工組と東政連では、都の発注する印刷物の入札に対して、過度な低価格受注や不適格な企業の参入による品質の低下、コンプライアンス上の問題を招くことなどを懸念し、最低制限価格制度の導入を長年にわたり要請してきた。
 その結果、昨年11月に都議会の財政委員会において都財務局が最低制限価格制度の検討について明らかにし、今年3月には都から導入の意向が示されていた。その間、東政連ではワーキンググループを立ち上げ、東京都印刷産業議員連盟の自民党議員と連携して、財務局と実効性のある内容とするために意見交換を行ってきた。
 発表された試行案件は、財務局総務課用度担当が発注する「平成28年東京都基準地価格の印刷」で、A4版、1200冊(180頁、うちカラー4頁)、発注等級はC等級(希望申請はB等級も可)。契約方法は希望制指名競争入札で、入札書には積算内訳書を添付することが義務付けられる。積算の計算に関しては財務局が行う。
予定価格および最低制限価格算定式は事前に公表されており、予定価格は54万8640円。算定式は(「直接人件費額」×1.0)+(「直接経費額」×0.75)+(「諸経費」×0.52)。ただし、算定の結果が予定価格の7割に満たない場合は予定価格の7割となる。
 開札予定日時は6月21日午前10時から。履行は9月2日と13日の2回の納入。 なお、試行案件は契約締結後に入札参加者に対して都がアンケート調査を行い、発注に係る事務手続きや入札参加者の状況等を検討するとともに、他の印刷案件における課題を確認しながら実効性のある制度設計を目指す。
 臼田理事長は同制度について「組合に関わる企業を対象とした制度設計ではなく、東京都の印刷に携わるすべての人のための施策であり、大きな意義がある」と強調した。
 官公需取引における印刷物の最低制限価格制度の導入は全国で1道18県に留まっており、今回東京都で導入に向けて前進したことで、全国への波及が期待される。
 また、東京都で最低制限価格制度が導入されているのは工事のみであり、他の産業界も動向を注視している。
 森永会長は「各産業も最低制限価格について要望を出している。先行する業種として恥じないような形で実を結んでいきたい」と語るとともに、「東京都は製品の品質だけでなく、良い会社から受注するという広義の意味での品質で最低制限価格を広めたいと話している。東印工組が推し進めているCSRやグリーンプリンティング工場認定制度なども会社の品質の一部として、良い企業から良いものが選ばれる動きが、入札だけでなく世の中全体に広がってほしい」と話すなど、波及効果に期待を寄せた。















【印刷新報2016年06月16日付掲載】
その他掲載記事
・全日本光沢化工紙協同組合・鶴田和也新会長に聞く “後加工”の専門団体へ
・drupa2016レポート デジタル印刷編
・JP特集 など


見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html