日付インデックス
10月10日
アイリスオーヤマ・大山健太郎会長が語る
"ユーザーイン経営"のすすめ

10月3日
産業構造審議会 成長戦略部会
第4次産業革命に対応した政策課題を検討 法・環境整備を早急に完了

9月26日
中小企業庁 「国等の契約の基本方針」
消費税の適正な転嫁を確保
知的財産権の取扱いも明記

9月19日
東印工組、テレワーク事業が本格始動
木元省美堂が事例を発表

9月12日
経済産業省令和2年度概算要求
事業承継対策に倍額
AIなど最新技術導入も支援

9月5日
第45回技能五輪国際大会
日本の湯地選手は6位(敢闘賞)
「印刷職種」上位は僅差の大激戦

8月29日
Print Next 2020
「0次産業革命」で人間力再考
来年2月15日、秋田で開催

8月22日
紙不足解消の目処立たず
製紙連、J-NOAの要望書に回答

8月8日
クールジャパン、民間主導に転換
政府が戦略見直しへ

8月1日
ジャグラ主催
「2020年 子年・年賀状デザインコンテスト」
入賞作品100点を発表
会員は無償で商用利用可能

7月25日
全印工連「CMYKプロジェクト」
大喜利印刷、第2期キックオフ 全国から12チームが参加

7月18日
「SOPTECとうほく2019」
2日間で1万1300人が来場 来年は7月3日・4日に開催

7月11日
凸版印刷・麿新社長が経営方針を語る
グループ一丸で「社会的価値創造企業」へ

7月4日
フォーム工連/PODi 共催セミナー
DM普及に向け発注者と議論 印刷会社の提案力に課題

6月27日
全印工連 第2回「用紙動向調査」
8割が上昇分を価格転嫁
再生紙の代替品使用進む

6月20日
中小企業庁「はばたく中小企業・小規模事業者300社」
生産性向上、需要獲得など評価 人材活用の好事例も

6月13日
紙不足が新聞折込に打撃
J-NOAが製紙連に要望書
広告主減少拡大に危機感

6月6日
水上印刷、新本社屋を来年7月に竣工
機能集約で新たなステージへ

5月30日
〈全日本印刷工業組合連合会通常総会〉
産業の再定義で永続を
商取引自主行動計画の作成も

5月23日
〈日本の世帯数の将来推計〉
単独世帯の割合がさらに増加 65歳以上世帯主は40%超

5月16日
〈総務省「2020年に向けたICT化アクションプラン」〉
訪日客向けサービスを高度化
4K・8K映像で世界をリード

5月9日
〈日印産連・GP認定工場アンケート調査〉
従業員の意識など向上 社内での認知度に課題も

4月25日
激変する世界のビジネス環境
「持続可能性」が企業の基礎要件に
(HP社が考える「メガトレンド」より)

4月18日
「Think Smart Factory 2019」開催へ
11月11〜13日、京都・みやこめっせ

4月11日
インキ工連
「バイオファーストインキマーク制度」の運用開始
グラビアインキ向け、環境配慮型インキを認定

4月4日
全印工連、用紙問題で対応協議
解決へ向け社会に周知を

3月28日
環境省が再生紙の取扱いで柔軟対応
調達困難な場合、代替品の使用認める

3月21日
東京都板橋区
印刷業が連携し区の産業ブランド化
大村製本でワークショップ開催

3月14日
全日本DM大賞
グランプリに自動化スキームDM
購入率・反応率に顕著な成果

3月7日
佐川印刷/コアレックス
包装資材改革に共同で着手 資材のリサイクルを推進

2月28日
page2019基調講演3
「企業価値を高める工場見学を考える」
リアルな体験に大きな強み

2月21日
官公需対策協議会
知的財産権の取扱い明確に
コンテンツ版バイ・ドール契約など情報共有

2月14日
中小企業庁 「長時間労働に繋がる商慣行調査」
繁忙期・短納期とも「印刷」で高い発生割合
下請へのしわ寄せ等、課題を整理

2月7日
〈全印工連 CMYKプロジェクト〉
世の中の要望をカタチに―
全プロダクトを初公開、SNS等で若者に訴求

1月31日
アイ・シー・ラボ
「個別原価・利益算定ツール」を開発
業務の実態を反映し高い精度
経営改善ツールとしての活用を提案

1月24日
廣済堂、外資MBOを受け入れ
株式非公開化で改革推進

1月17日
全印工連/日紙商
メーカー、代理店に初の共同要望書
用紙値上げ「社会への説明責任を」

1月3日
太陽堂印刷所 米アワードで最優秀賞
複雑な税務関係書類の封入作業を大幅に改善

12月20日
【本紙が選んだ2018年十大ニュース】
社会課題への対応迫られる
働き方改革、省人化技術など進展

12月13日
大日本印刷、「情報銀行」事業に本格参入
2019年度、観光と地域サービス分野で

12月6日
関東経済産業局「VOC排出抑制セミナー」
VOC警報器の活用事例など紹介

11月29日
海洋プラスチック対策が本格化
1月に企業アライアンス設立

11月22日
第45回技能五輪国際大会
「印刷職種」日本代表(候補)が決定
トッパンコミュニケーションプロダクツの湯地さん

11月8日
政府の海賊版サイト対策会議
法制化を巡る意見取りまとめ断念

11月1日
外国人技能実習制度の概要と留意点
法令遵守と個別配慮で受入れを

10月25日
全製工連
業界一丸で取引慣行改善へ
共存共栄へ意見書作成

10月18日
日印産連〈知財公開フォーラム2018〉
中小企業の知財論説く
技術活かしニッチトップ企業へ

10月11日
東印工組〈ダイバーシティ経営セミナー〉
働き方改革関連法を解説

10月4日
福島県印工組
「ふくしまのいろ」を色鉛筆に
次世代に地域の魅力を伝える

9月27日
日本製紙/四国化工機
紙容器無菌充填システムを新開発
固形物や長繊維を可能に

9月20日
日印産連、女性活躍推進で拡大企画
将来リーダーのネットワークづくりへ

9月13日
共同印刷/NISSHA
情報コミュニケーション事業で株式譲渡契約
両社の強みを活かし事業収益の改善へ

9月6日
東京都、発注基準にGP制度を採用
グリーン購入ガイドの「水準2」に










2019年10月10日付
アイリスオーヤマ・大山健太郎会長が語る
"ユーザーイン経営"のすすめ


 「印刷業は情報伝達産業。安値で勝負するのではなく、印刷物を使う人のことを第一に考え、情報を伝える役割から発想したユーザーイン経営をしていけば、まだまだチャンスはある」。
 居並ぶ印刷会社の経営者を前にそう語ったのは、アイリスグループ会長・アイリスオーヤマ株式会社会長の大山健太郎氏。9月18日に仙台市で開催された小森コーポレーション「小森みちのく会」での講演だ。
 大山会長は、徹底してユーザー目線に立つ大切さを強調し、「すでにある技術や商品、アイデアをキャッチアップするのではなく、開発者自身が生活者の代弁者たれ」と話す。その経営哲学が、父の急死により19歳で引き継いだ小さな町工場を、グループ26社、総売上高4750億円(2018年度)のグローバル企業に育て上げた。
 同社が開発・製造・販売する生活用品は、家電・インテリア・園芸用品・ペット用品など多岐にわたるが、1年間に発売する新商品が約1000アイテム、過去3年以内に発売された商品が売上全体の6割強を占めるというから驚きだ。
 そんな同社も、バブル崩壊により一時期は倒産寸前にまで追い込まれた。大山会長は考え方を180度転換させた。
 「プロダクトアウト志向でやってきたが、世の中の環境が変われば生き残れないことを身にしみて感じた。いくら技術力や価格競争力、ブランド力があっても、業界全体がダメになれば共倒れになる。かといって、マーケットインに転じて市場参入しても、先発組との競争によって疲弊することは避けられない。企業は、『ユーザーイン』の発想で、さらに先を行くことが大事。ユーザーインとは、最終ユーザーにとっての価値を追求することで、潜在的なニーズの掘り起こしと新しい需要の創造を目指すもの。ものづくりとは目的ではなく、人々の不満を解消する手段だ」
 そこから、世界の収納文化の常識を変えた透明な「クリア収納ケース」などが生まれた。ペットブームやガーデニングブームも同社が火付け役であり、ライフスタイルにまで大きな影響を及ぼしている。
 大山会長は「革新は常に生活のシーンから始まる。業界や企業にとっての損得勘定ではなく、いかにユーザーインの発想で本当のソリューションを提供し続けていけるかが分かれ目だ」と話す。










【印刷新報2019年10月10日付掲載】
その他掲載記事
・特集・パッケージ印刷
・JAPAN PACK 2019開催
 「日本包装産業展」として内容拡充
・ニシカワ 「MG CAMP(エムジーキャンプ)」オープン
 3DCGホログラムの専用ショールーム

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2019年10月3日付
産業構造審議会 成長戦略部会
第4次産業革命に対応した政策課題を検討
法・環境整備を早急に完了


 経済産業省は9月17日、第4次産業革命時代の企業組織・経営、仕事、政府・政策のあり方について討議する「産業構造審議会成長戦略部会」の第1回会合を開催した。
 同部会は、今年6月21日に閣議決定した「成長戦略実行計画」を受けて設置されたもの。実行計画では、第4次産業革命に対応し、生産性向上や経済成長につなげるためには、「企業組織の在り方や個人の仕事の内容・仕方など、経済社会システム全体の再構築を図る必要がある」と指摘している。これを踏まえて部会では、「企業組織・経営」や「人」の変革の方向性、日本企業が提供する顧客価値の向上を通じた販売価格の引上げ、付加価値の創出による日本企業のマークアップ率(付加利益率)の向上、これらによる労働生産性の向上等に向けた政策課題を検討する。検討結果は、経済産業大臣が未来投資会議に提言する。年内に中間とりまとめ、来春にとりまとめを行う。
 背景には、AI、IoT、ロボット、ビッグデータ、分散台帳技術(ブロックチェーン)など、世界中で急激に進む第4次産業革命を日本がリードできるかどうか、「この1、2年が勝負」という認識がある。政府が、早期かつ具体的に対応策を打ち出し、民間がこれに応え具体的なアクションを起こすため、必要な法制面を含む環境整備を早急に進め、2020年の通常国会において国の基本的なインフラ整備・ルール整備を完了すべく取り組む。
 日本の労働生産性の低さに関しては、マークアップ率の低さ、すなわち製造コストに対して販売価格が低いことを原因に挙げている。2010年以降、第4次産業革命を推進してきた米国や欧州企業では急速にマークアップ率が上昇する一方、日本企業は低水準で推移している。
 第1回の成長戦略部会では、マークアップ率の向上という課題に対して、「日本企業はデジタル技術とデータを活用し、顧客視点でみた付加価値の高い新たな製品・サービスを生み出す必要がある」との論点から議論を行った。
 また、企業のイノベーション実行の担い手として、資金面・人材面で豊富なリソースを有する大企業の積極的な役割にも期待する。リスクテイクした研究開発、成果に応じた処遇・昇進、スタートアップとの協働・M&A、オープンイノベーションの推進などが挙げられ、その中には、大企業と中小企業の共存共栄の関係構築も課題として捉えられている。
 財務省の「法人企業統計」によると、業種・企業規模により売上高や粗利益の伸び率にばらつきが見られる。大企業と中小企業の1社当たり売上高・粗利益の伸び率を比較(※2010〜2012年度平均と2016〜2018年度平均を比較)すると、主要業種22業種の中で「印刷」は、売上高・粗利益ともに伸び率の格差の大きい業種の2番目に位置しており、中小企業の伸び率はマイナスとなっている。
 成長戦略実行計画では、「中小企業・小規模事業者の生産性向上」に関して、「親事業者からのコスト低下圧力が原因となって、中小企業が賃金や設備投資の水準を上げられない可能性」について指摘。対応策として、「利益や付加価値の状況、労働や資本への分配状況等を、産業・業種、企業規模ごとの分析等を行った上で、親事業者と下請事業者との格差が特に大きい産業等を中心に調査を重点的に行うなど、個別の産業に応じた取引関係の課題を明らかにし、競争法制や中小企業法制等をフル活用して、きめ細かな改善を図っていく」としている。










【印刷新報2019年10月3日付掲載】
その他掲載記事
・GP認定に新規4工場 全400工場を超える
・「水なし」弾みに SDGs企業へ ホーナンドー
・浅野健氏、安永研二氏に栄誉
 令和元年度東京都功労者表彰

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2019年9月26日付
中小企業庁 「国等の契約の基本方針」
消費税の適正な転嫁を確保
知的財産権の取扱いも明記


 「令和元年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」が9月10日に閣議決定された。働き方改革、事業継続、消費税率引き上げ等に関連した措置を追加している。印刷業界の強い働きかけで平成29年度から加えられた「知的財産権の取り扱いの明記」についても、引き続き明確に記されている。
 同基本方針は、官公需における中小企業・小規模事業者向け契約目標や、受注機会増大のための措置事項等を定め、毎年閣議決定しているもの。
 令和元年度における国等の契約のうち、官公需予算総額に占める中小企業・小規模事業者向け契約比率は55.1%、契約金額は約4兆3369億円が目標とされた(30年度実績は契約比率51.2%、契約金額4兆27億円)。
 令和元年度に新たに講じる主な措置としては次の3事項がある。
 1. 関係省庁が連携して、地方公共団体等に対して、発注時期等の平準化に必要な取組の共有や要請等を直接行う体制を強化する。
 2. 中小企業等経営強化法に基づく事業継続力強化計画の認定を受けた中小企業・小規模事業者を積極的に活用し、受注機会の増大に努める。
 3. 年度途中に消費税率が10%に変更されることを踏まえ、引上げ前後いずれの状況でも適正な転嫁を確保する。
 平成29年度に初めて盛り込まれた「知的財産権の取り扱いの明記」については、今年度も同じ表現ながら次のように明確にしている。
 「国等は、物件及び役務の発注に当たっては、発注内容に著作権等の知的財産権が含まれる場合には、当該知的財産権の取り扱いについて書面をもって明確にするよう努めるものとする。また、当該知的財産権の財産的価値について十分に留意した契約内容とするよう努めるものとする。」
 また、印刷業では用紙その他諸資材の値上げ、用紙の供給不足が経営を圧迫しているが、「適切な予定価格の作成」に触れた事項では、「国等は、役務及び工事等の発注に当たっては、需給の状況、原材料及び人件費等の最新の実勢価格等を踏まえた積算に基づき、消費税及び地方消費税の負担等を勘案し、適切に予定価格を作成するものとする。」とあり、さらに、「燃料や原材料等の市況価格の変動が激しい商品等については、特に、最新の実勢価格や需給の状況等を考慮するよう努めるものとする。」と付記している。










【印刷新報2019年9月26日付掲載】
その他掲載記事
・特集・第44回 全日本光沢化工紙全国大会
・「印刷と私」エッセイ・作文コンテスト
 小山薫堂最優秀作品賞作品紹介
・第53回 造本装幀コンクール 表彰式

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2019年9月19日付
東印工組、テレワーク事業が本格始動
木元省美堂が事例を発表


 東京都印刷工業組合(臼田真人理事長)は、東京都から受託した「業界団体連携によるテレワーク導入促進事業」のキックオフセミナーを8月30日に東京都トラック総合会館(新宿区四谷)で開催し、事業参加企業の経営者や実務担当者などが参加した。
 東京都が業界団体を通じて組合員企業のテレワーク導入を支援する同事業では、キックオフセミナーを皮切りに参加企業への個社別コンサルティングを実施。計3回の面談を通じて各社に適したテレワークシステムを洗い出し、東京都のテレワーク導入促進整備補助金「はじめてテレワーク」への申請作業までをサポートする。同補助金では、テレワーク環境の整備に必要な機器の購入費や就業規則の整備費用として、従業員数100人未満の企業には40万円、100人から299人までの企業には70万円、300人から999人までの企業には110万円が補助される。
 東印工組・ダイバーシティ推進委員会の小野綾子委員長は、東印工組が進める「幸せな働き方改革」に絡め、「これから参加80社のみなさんとともに活動していくことになる。各社の社員の幸せ、そして企業の生産性向上の両立を実現してほ しい」と述べた。
 キックオフセミナーでは事業の概要と今後の支援スケジュールについて説明が行われたほか、印刷業界におけるテレワーク導入企業として、木元省美堂(木元哲也社長、東京都文京区)の事例が同社社長室の根本優子課長から発表された。
 同社では従業員70名のうち女性社員が4割を超えている。そのため、女性社員が働きやすい環境整備の一環として育児・介護休業制度やフレックス勤務制度などを整えており、テレワーク制度も2017年に導入している。
 これまで3名がテレワーク制度を活用し、現在も夫の地方転勤によって愛知県に移住した事務職の女性社員が自宅で業務を行っている。
 企業側にとっては、出産や移住などを理由とした離職の防止に加え、リクルート面でもアピール材料になる。また、根本課長は「部署内で業務フローの見直しなどを行うことにより、今までの仕事のやり方を見直すきっかけにもなった」とメリットを語り、利用者からも「今までやっていなかった作業などを任せてもらうことで、知識も増えてレベルアップにつながる」といった声が出ているという。
 デメリットについては「ない」としながらも、「やり始めてから問題点がその都度出てくるので、社員と話し合いながら解決している」と現状の取組みを紹介した。
 最後に、環境労務委員会の惟村唯博委員長が、「この事業は無償でテレワーク導入ができ、企業にとっては大きなチャンスとなる。参加80社のみなさまにはしっかりと取り組んでいただき、各社の従業員の幸せと繁栄につなげてもらいたい」と期待を示した。



















【印刷新報2019年9月19日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連 「2019印刷文化典」に680名
・絵本で子供たちを元気に
 板橋のプロレス団体が地元印刷・製本会社の協力で
・HOPE2019 変革へのヒントを提供

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2019年9月12日付
経済産業省令和2年度概算要求
事業承継対策に倍額
AIなど最新技術導入も支援


 経済産業省は8月30日、令和2年度の地域・中小企業・小規模事業者関係の概算要求を発表した。中小企業対策として事業承継対策、生産性向上対策、地域・インバウンド対策などに重点を置き、1386億円(平成31年度当初予算1117億円)を要求した。
 事業承継対策では、平成31年度当初予算129億円の約2倍に当たる232億円を要求した。新規として「事業承継・世代交代集中支援事業」に50億円を計上。事業承継を契機とした事業者の新たな挑戦のための設備投資・販路拡大や、後継者不在の中小企業におけるトライアル雇用などを支援する。
 さらに、第三者への事業承継の促進に資する税制措置を創設する。近年、後継者が不在であることなどを背景に、黒字企業を含めた企業の休廃業・解散件数が増加傾向にある。後継者不在の中小企業の事業承継を後押しするため、株式・事業の譲渡やM&Aを通じた親族以外の第三者による事業承継を促進するための税制措置を行う。
 生産性向上対策では、平成31年度当初予算の369億円から424億円に増額要求した。
 「AI人材連携による中小企業課題解決促進事業」として15億円を新規で要求。AI・ロボット・ブロックチェーン等の最新技術の導入による新たなビジネス創出のため、中小企業の研究開発・試作品開発・人材投資を支援する。
 「共創型サービスIT連携支援事業」も新規で20億円を計上。中小サービス業等の分野で、ITベンダーと中小企業等が共同で既存のITツールの組み合わせなどを行い、当該ITツールの汎用化による業種内、他地域への横展開を目指す取組みを支援する。
 平成31年度から当初予算化した「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」は70億円(平成31年度予算50億円)の予算拡充で要求。複数の中小企業・小規模事業者等が、事業者間でデータを共有・活用することで生産性を高める高度なプロジェクトを支援する。
 単独企業が申請できる「ものづくり商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金 一般型・小規模型)」ほか、「IT導入補助金」「小規模事業持続化補助金」は、補正予算(令和元年補正)で組み込まれる見通し。
 地域・インバウンド対策では、平成31年度当初予算286億円に対し、297億円を要求した。



















【印刷新報2019年9月12日付掲載】
その他掲載記事
・18年度は0.9%増の見込み
 矢野経済研究所 パッケージ市場調査
・大賞に『No NUKES ビキニの海は忘れない』
 第22回日本自費出版文化賞
・全青協 全国6ヵ所でブロック協議会を開催
 ハイ・サービスを実践・共有

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2019年9月5日付
第45回技能五輪国際大会
日本の湯地選手は6位(敢闘賞)
「印刷職種」上位は僅差の大激戦


 ロシア・カザンで開催された第45回技能五輪国際大会(8月22〜26日)で、「印刷職種」の日本代表として参加した湯地龍也選手(トッパンコミュニケーションプロダクツ勤務、1999年生まれ、宮崎県出身)はわずかにメダルに届かず、第6位(敢闘賞)という結果となった。
 印刷職種には過去最多の15の国と地域が参加した。金メダルはオーストリアとロシア、銅メダルはスイスの選手が獲得。以下、4位中国、5位フランス、6位日本だった。

敢闘賞の湯地選手

 金メダルを分け合った両国は726点と725点で、3位のスイスは721点。4位から7位までは712点から708点まで、わずか5点の間に4人がひしめき合う激戦となった。各国の技能がレベルアップし、非常に高い得点での争いになった結果、少しのミスがメダル獲得の大きく影響したもよう。
 今回、「印刷職種」では、オフセット印刷を中心に調色(インキの調合)、デジタル印刷、印刷メンテナンス(印刷機の保守点検)、印刷シミュレーター(印刷トレーニングシミュレーターでのトラブル発見と修正)、断裁、印刷不良発見など14の課題で競技が行われた。
 技能五輪国際大会は、満22歳以下の青年技能者の技術振興と国際交流を目的に隔年で開催されており、次回第46回は2021年に中国・上海で開催される。


















【印刷新報2019年9月5日付掲載】
その他掲載記事
・特集 2019年 印刷文化典
・第18回印刷産業環境優良工場表彰 
・『平野号 平野富二生誕の地碑建立の記録』発刊
 活版印刷の普及に貢献、再評価

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2019年8月29日付
Print Next 2020
「0次産業革命」で人間力再考
来年2月15日、秋田で開催


 2020年2月15日に秋田県の秋田市文化会館で開催される「Print Next 2020」の記者会見が8月21日に都内で開かれた。東海林正豊運営委員長(東海林印刷)をはじめとするPrint Next 実行委員会のメンバーのほか、全国青年印刷人協議会の青木允議長、全国印刷緑友会の小林賢行会長、日本グラフィックサービス工業会青年部・SPACE‐21の本村豪経代表幹事が出席し、開催概要や現在の進捗状況などが紹介された。

東海林運営委員長

 Print Next は、印刷業界の青年組織の垣根を超えた合同イベントで、9回目となる今回は「Find the Future〜人間力で世界価値を創造しよう!」をテーマに秋田県で開催される。
 会見の冒頭、東海林運営委員長は秋田での開催について、「これまでは東名阪など首都圏が多かったが、今回は第3回以来の地方開催であり、しかも東北では初めてとなる。これは非常に意義があると考えており、地方の経営者の方にも今後の印刷業界がどうなるのか、いかに未来を創り出していくのかを伝えたい」と述べ、その意義を強調した。
 また、開催テーマについては、「その根底にあるのが『0次産業革命』であり、これは人間力を見直す考え方で、それを表現したい」と狙いを説明。当日は、中小企業庁の前田泰宏長官が「0次産業革命について」をテーマにセミナーを行い、その重要性について学ぶ。
 メイン企画のブロック別発表では、全国8ブロック(北海道、関東、東京、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄)が秋田≠テーマに、各地域の特徴やノウハウとの掛け合わせによって新たなイノベーションの創出を図る。発表内容は審査員が5項目で採点し、金賞・銀賞・銅賞・部門賞を決定する。
そのほか、協賛企業によるパートナーズセッションや懇親会なども企画する。
 また、今回は運営面についても新たな試みがなされ、従来は開催地が担当していた広報部会をSPACE‐21が、企画部会を全青協が、集客等は緑友会がそれぞれ担当し、人手の限られる地方での開催をバックアップする体制を築いている。
 東海林運営委員長は、「新たな体制により、オールジャパンでのPrint Next を実現できる」と述べ、今後の地方開催におけるロールモデルとしての役割にも期待を示した。
 イベントの詳細については公式ホームページ(http://www.printnext.jp/)で順次公開していく。また、参加登録についてもサイト上で9月中に開始する予定。登録料は1万5000円。目標人数は400人。

【Print Next 2020の概要】
■開催日 2020年2月15日
■会場 本会場・秋田市文化会館/懇親会・秋田キャッスルホテル
■テーマ 「Find the Future〜人間力で世界価値を創造しよう!」
■主催 Print Next 実行委員会、全国青年印刷人協議会、全国印刷緑友会、日本グラフィックサービス工業会青年部・SPACE‐21
■タイムスケジュール
・パートナーズセッション 11時〜12時
・オープニング 13時〜13時30分
・セミナー「0次産業革命について」(中小企業庁・前田泰宏長官) 13時30分〜14時
・ブロック別発表 14時10分〜17時05分
・審査員講評 17時10分〜17時30分
・懇親会 19時〜21時

















【印刷新報2019年8月29日付掲載】
その他掲載記事
・特集 新潟県印工組65周年
・MUDガイド10年ぶりに改訂
・ポストプレスの視点でスマートファクトリー実現へ
 ホリゾン・ジャパン 宮ア進新社長に聞く など

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2019年8月22日付
紙不足解消の目処立たず
製紙連、J-NOAの要望書に回答


 一般社団法人日本新聞折込広告業協会(土橋誠志理事長、略称J-NOA)は、日本製紙連合会に提出した新聞折込広告の印刷用紙不足解消を求める要望書に対し、製紙連から文書で回答があったことを明らかにした。回答では、用紙不足改善に向けた具体的な施策や解消できる目処などについては一切触れておらず、「該当品目を生産する会員企業に周知する」との回答にとどまっている。
 製紙連からの回答文書によると、デジタル化の進展による情報伝達手段の変化や、新聞・書籍・雑誌の発行部数の減少にみられる紙離れなど印刷用紙の国内需要の減少が続いている事業環境に触れ、「(製紙連の)会員各社は需要の減少、市場の均質化に対し、最適生産体制の構築を含めた事業再構築を継続的に進めている」と主張。その上で、「ただ、昨年は、台風、豪雨、地震といった自然災害による物流網の寸断や生産設備のトラブル等により、想定外に供給が減少する事態となった」と説明し、「これにより調達に困難が生じたお取引先様もあると聞いており、ご心配をお掛けしていることに対して申し訳なく思っている」と謝意を示している。
 J-NOAは製紙連に対して、印刷用紙不足の解消を求める要望書を6月12日付で提出。製紙連からは6月28日付で回答があった。
 J-NOAによると、印刷用紙が調達できず、広告主が新聞折込広告を中止するケースが相次いでいるという。要望書では「2018年は、首都圏の新聞折込広告主件数の減少幅が4割に達するまで拡大した(2010年比)」と広告主の減少傾向を示した上で、「このような負の連鎖により、広告主の急減による市場のダウンサイジングが加速する可能性が高い」と懸念を示し、紙不足の早期解消を求めていた。










【印刷新報2019年8月22日付掲載】
その他掲載記事
・HOPE2019 9月6・7日に開催
・経産省商務情報政策局長賞に研文社 尼崎工場
 第18回印刷産業環境優良工場表彰
・大日本印刷 記者懇談会
 「第3の創業」路線で営業増益7%を達成 など

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2019年8月8日付
クールジャパン、民間主導に転換
政府が戦略見直しへ


 政府は、日本の魅力を海外に発信する「クールジャパン戦略」の見直しに向けた新たな戦略の素案をまとめた。発信力のある個人、事業者、自治体など関係者をネットワーク化する中核的な機能を担う民間組織の立ち上げを支援するなど、これまでの行政主導から民間主導への転換を掲げた。
 素案は、7月26日に開かれた知的財産戦略本部の検証・評価・企画委員会で示され、大筋で了承された。政府は8月中に新戦略を決める方針。
 クールジャパンはこれまでアニメや漫画をはじめとするポップカルチャーが中心だった。しかし近年、日本を訪れる外国人旅行客が増える中、食や文化の体験など外国人が日本に求める興味やニーズは多様化している。また、SNSなどの新たな情報メディアをいかに効果的に活用できるかが重要になってくる。
 そこで世界の人々の目線から日本の魅力を発信するため、民間組織をつくり、購買意思決定に大きな影響力を持つインフルエンサーや地域プロデューサー・アンバサダー、外国人有識者、団体、自治体など関係者のネットワークを構築。日本の魅力を深掘りし、情報発信することで、日本ファンの拡大・再生産を狙う。
 平井卓也内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略担当)は「百人いれば百通りのクールジャパンがある。クリエイティブな日本をどのように持続させていくかがポイントだ。それには国がイニシアチブをずっと取るには限界がある。基本的な戦略を持ちつつも戦術は柔軟に対応し、民間の人たちが常にチャレンジできるような環境を整えたい」と述べ、民間組織を支援していく考えを示した。










【印刷新報2019年8月8日付掲載】
その他掲載記事
・湯地龍也選手、技能五輪に向け最終調整
・共同印刷 記者懇談会
 成長分野への注力と既存事業の収益向上へ
・マーチングEXPO2019 全国大会
 SDGsと地方創生を深耕 など

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2019年8月1日付
ジャグラ主催 
「2020年 子年・年賀状デザインコンテスト」
入賞作品100点を発表
会員は無償で商用利用可能


 公益社団法人日本グラフィックサービス工業会は、経営基盤強化委員会(中村盟委員長)主催の「2020年 子年・年賀状デザインコンテスト」の入賞作品100点を発表した。
 今回は「カラー」「モノクロ」「学生」「喪中案内」の4部門で作品を募集。会員企業417点(59社)、学生280点(17校)の計697点の応募があった。最高賞のジャグラ会長賞には、長瀬印刷(カラー部門)、ながと(モノクロ部門)、日高里菜氏(学生部門)の作品が選ばれた。
 会長賞を含め、協賛企業賞(9点)、優秀賞(8点)、作品賞(78点)、喪中部門賞(2点)の各入賞作品は、コンテスト特設サイト(http://www.jagra.or.jp/nenga2020)で公開している。ジャグラ会員企業は入賞作品データを無償で商用利用が可能で、入賞作品で作製する『年賀見本帳』のデータダウンロード開始日は8月23日の予定。
【会長賞作品講評】
◆カラー部門 長瀬印刷株式会社(坂本和久社長、福島県いわき市)
 着物を着た女性の繊細な表情とは逆に、富士山を配した大胆な背景とのバランスがとても素晴らしい作品。一度見たら忘れられないインパクトあるデザインで、満場一致で決まった。
◆モノクロ部門 株式会社ながと(長渡憲次郎社長、宮崎県延岡市)
 ねずみの家族が、初日の出をみんなで眺めている様子を描いている。柔らかい筆のタッチと墨の濃淡で優しい印象の作品。もらった人が笑顔になるデザインで高評価を得た。
◆学生部門 日高里菜氏(専門学校HAL名古屋)
 お正月らしいオブジェクトをバランス良く配置した作品。シンプルで落ち着いた配色で、多くの人に使ってもらえるデザイン。
【中村盟審査委員長談】
 今年のポイントは、ねずみを軸にどこまでイメージを膨らませるか、そして、できるだけ広げたイメージを実用的なデザインに着地させるかというところが問われた。「令和」を効果的にデザインしたもの、オリンピックをイメージしたものなど、独創的で時流に合わせたデザインも多く、審査員を大いに悩ませた。選ばれた100点は幅広いニーズに応える、個性的かつ実用的なデザインが集まったと思う。
 年々SNS等に押されて、減少傾向にある年賀状だが、デザインの力で若年層を取り込んでいけるのではないかと期待している。

















【印刷新報2019年8月1日付掲載】
その他掲載記事
・図書印刷 記者懇談会
 市場変化を先取りした製造体制の実現へ
・ラベルフォーラムジャパン2019
 過去最高の5013人が来場
・全製工連 新製本産業ビジョン策定委員会
 木戸敏雄委員長に聞く など

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2019年7月25日付
全印工連「CMYKプロジェクト」
大喜利印刷、第2期キックオフ
全国から12チームが参加


 全日本印刷工業組合連合会が展開する対外広報戦略「CMYKプロジェクト」では昨年度、実験的な試みの第一弾として、ツイッター上でつぶやかれた"こんなものが欲しい"の声をお題に、それを勝手に実現する「大喜利印刷」に挑戦した。そこから誕生した9つの斬新なプロダクトは、マスコミ(テレビ、新聞、雑誌)や各種ネットメディアで広く取り上げられ、大きな宣伝効果を生み出した。
 そして、大喜利印刷の話題をさらに社会に拡散し、印刷産業に対するイメージをクリエイティブで前向きなものに変えていこうと、「大喜利印刷」第2期プロジェクトに全国から12社が参加、7月19日に東京・芝浦のリコープリンティングイノベーションセンターを会場にキックオフミーティングが行われた。

各チームがプロダクトの初期アイデアを紹介した

 当日は、プロデューサーとして関わるコネルの出村光世氏から大喜利印刷の狙いが改めて説明された後、第1期にも参加し成果を得た篠原紙工の篠原慶丞社長、三共印刷所の井上貴寛社長の両名から、取組みの苦労やポイント、参加メリット、第2期にかける思いなどが語られた。また、各チームがプロダクトの初期段階のアイデアを参加者の前で発表し、互いに大きな刺激を受けた。
 当初は、8チームほどに絞る予定だったが、第1期の取組みに触発された会社が多く、組合員の中から多くの手が上がった。そこで枠を拡大し、12チームでの取組みとなった。
 今回も第1期と同様、実際のツイートの中から、プロダクト製作につながりそうな「つぶやき」を探し、そこから発想したテーマを印刷工場から出る廃材を利用して形に仕上げることが基本となる。  コンセプトを説明した出村氏は「多くの人に役立つような便利・量産の視点ではなく、たった一人のニーズを満たせればいい。迷ったら無茶な方向へ。できるだけ尖ったものをイメージし、『印刷会社って、こんな事までやれるんだ』と思わせ、相談される業界になっていただきたい」とアドバイスした。
 この日は、12チームの社長や役員、営業・企画・制作・マーケティング等の部門長、デザイナーなど21名が参加。紹介されたプロダクトアイデアの中には、「パレットを使った家具製作」、「思わず途中下車したくなる駅のアイキャッチ」、「365日、毎日違う折り方で紙飛行機が楽しめる日めくり」、「棺に納められるよう故人の大事な品を再現した紙製クラフト」、「カレーうどんを思い切り食べられる服」等々、まだ原石ながら早くも先が楽しみなアイデアが続々と出ていた。
 第2期プロジェクトは今後、8〜9月に個別のオンラインミーティングで対象アイデアを絞り込み、10〜12月を制作期間に充てる。2020年1月に合同プロジェクト報告会とWebサイト掲載用のスチール撮影会を予定。2月以降にWebで一般公開を行う。
 参加者を前にあいさつした全印工連の滝澤光正副会長は、プロジェクトの意義に触れて、「これからの印刷会社はお客様の課題解決のお手伝いをしていく役割を担わなければいけないと組合員に発信してきた一方で、世間には相変わらず紙に印刷する従来からのイメージが定着し、私たちの変革への取組みの足かせになっているのではないかという議論もしてきた。そこで、印刷業が持つ柔軟な発想とポテンシャルを広く社会にご理解いただくために手がけたのが大喜利印刷だ。みなさんにはご負担もお掛けするが、リターンも大きいと思う。印刷の魅力をアピールすることに挑戦していただきたい」と述べた。
【大喜利印刷・第2期参加企業】※五十音順
 アインズ梶i滋賀県)、UMO(山梨県)、潟Gイエイピー(静岡県)、渇h光プリント(石川県)、鹿島印刷梶i佐賀県)、カシヨ梶i長野県)、去O共印刷所(福島県)、且O和印刷(島根県)、去ツ原紙工(東京都)、潟gータルプルーフ(福岡県)、兜ス山印刷(沖縄県)、潟}ルモ印刷(香川県)
















【印刷新報2019年7月25日付掲載】
その他掲載記事
・出版界の革新を総合的に支援
 大日本印刷 出版メディア事業部
・アングル シール業界の変化に危機感
 全日シール 田中祐会長
・コラボ製品の出展目立つ
 第30回【国際】文具・紙製品展 など

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2019年7月18日付
「SOPTECとうほく2019」
2日間で1万1300人が来場
来年は7月3日・4日に開催


 東北地区印刷協議会(青森、岩手、秋田、山形、福島、宮城県印刷工業組合)が主催する「SOPTECとうほく2019」が、7月5日・6日に仙台市の仙台卸商センター産業見本市会館「サンフェスタ」で開催され、2日間で1万1300人が来場した。今年で16回目となった同展は、東北印刷業界最大のイベントとして定着している。今回は出展63社、セミナー全25講座で行われ、顧客の課題解決、業務プロセス支援のためのさまざまなソリューション提案が光った。来年の「SOPTECとうほく2020」は7月3日(金)・4日(土)に開催される。

63社が出展し最新ソリューションを提案した

◆全印工連・対外広報プロジェクト紹介セミナーも
 オープニングセレモニーは、5日の9時30分からサンフェスタ会場入口で多くの来賓を迎えて行われた。
 主催者を代表して東北地区印刷協議会・SOPTECとうほく2019実行委員会の針生英一会長が次のようにあいさつした。
 「おかげさまで16回目を迎えることができ、ここまで育てていただいたことに厚く御礼を申し上げる。昨年はIGASがあったことで9月末の変則的な開催となったが、今年は毎年の7月に戻すことができた。来年も7月3日・4日にこの会場で開催することが決まっている。また、前日の7月2日に仙台で東北地区印刷協議会を行い、役員のみなさんにはSOPTECに足を運んでもらえる段取りをしている。よろしくお願いしたい。
 印刷産業はいくつかの大きな課題を抱えている。一つは、イノベーションへのチャレンジだ。全印工連では業態変革に取り組み、付加価値を追求してきたが、これはいつの時代も追い求めていかなければならない課題だ。もう一つは働き方改革で、社員の働きがいと働きやすさという2つの軸を考えなければいけない。二律背反の面があるが、両方を追い求めることが必要で、今の経営の難しいところでもある。
 今回のSOPTECの開催テーマは『印刷業は「TOKYO2020」後をどう生きるか?』とした。東北は人口減少や労働生産人口の減少で厳しい時代を迎えているが、いろいろな知恵を出し、対策を立てて取り組んでいかなければならない。
 イノベーションと働き方改革という2つの課題に対しても、SOPTECでさまざまなヒントをいただき、出展者、来場者のみなさんにとって実り多きに2日間になればと願う」
来賓として祝辞を述べた宮城県中小企業団体中央会の今野敦之会長は「全中の総会で選ばれた9名の副会長のうち、私を含めて3名が印刷関係となった。また、昨年の全国大会では、『中小企業』という呼び方を止め、『地域産業』『地域企業』に改めようという話が出た。規模で測るのではなく、特徴ある企業として取り上げていくのは当を得ていると思う。国の礎の気概を持って進んでいきたい。伝統あるSOPTECを盛り上げ、得た情報を自社でぜひ活用していただきたい」と述べた。
全日本印刷工業組合連合会の滝澤光正副会長からは「われわれがブランドスローガンに掲げるハッピー・インダストリー、幸せな印刷産業に向けて、このSOPTECが道標となることを期待する」とあいさつがあった。
テープカットで開幕し、さっそく午前中には主催者企画セミナーが開催され、多くの聴講者があった。
全印工連の対外広報プロジェクトに関するセミナーには、事業の推進役である滝澤副会長が自ら登壇。プロデュースした出村光世氏、プロジェクトに参加し魅力ある作品を完成させた篠原慶丞氏(東京・篠原紙工)、井上貴寛氏(福島・三共印刷所)とともに、対外広報戦略「CMYKプロジェクト」で大きな注目を集めた取組み、「大喜利印刷」について作品を紹介しながら苦労と成果について語った。
 「大喜利印刷」は、まだ世の中にない製品を形にし、印刷会社のクリエイティブな発想と能力を広くアピールする試みとして昨年発足した。ともするとネガティブな印象を持たれやすい印刷産業のイメージを払拭し、特に次世代の若者やビジネスパーソンたちに未来志向の印刷業の魅力を認知してもらうことを目指した。全国から4チームが参加し、Web動画やSNS等による拡散で話題づくりを行った。NHKはじめ多くのマスコミ、ネットメディアも取り上げ、印刷業界への注目度を高めた。
 作品の題材は、ツイッター上でつぶやかれている「こんな物があったらいいな」の声。それに応える形で企画立案を行い、印刷・製本工場から出る廃材などを再利用して、斬新なアイデアの9点のプロダクトが誕生した。
 篠原紙工が取り組んだ作品のひとつ、「HALTONE」は、「古本の匂いが好きなんだけど、わかる人いない?」のつぶやきを基に、古本の懐かしい匂いを沁み込ませた付箋のように貼って?がせる紙。芳香剤の調合メーカーと組んで匂いを再現し、残紙を使って製品化した。パソコンなどに貼り付けることで、デジタル作業の間も心地よい安らぎを得られる。
 篠原社長は「作る過程で、匂いのディレクターになった気がした。印刷加工会社のあるべき形だと思う。いろいろな業種と付き合っている印刷業界はプロデューサーに向いている」と感想を述べた。また、プロジェクトを通して、参加した同じ業界の仲間たちとのワクワクする出会いがあり、夢を持てたことを大きなメリットに挙げた。
 人材採用の面でも、同社の「大喜利印刷」への取組みを知って共感し、入社を希望してきた女性が実際に活躍しているなど、思わぬ効果も生まれた。
 すでに「大喜利印刷」第2期のプロジェクト発足も決まり、新しいチームが自由な発想と独自の技術で作品づくりに挑んでいる。来年2月の一般公開を目指す。
 63社・団体が96小間に出展した1階の展示会場では、メーカー・ベンダー、および印刷・製本加工会社による多彩なソリューション提案が行われた。
 1日2回行われた解説付きの「見どころツアー」は今年も好評で、コンダクターに続いて長い列ができていた。















【印刷新報2019年7月18日付掲載】
その他掲載記事
・2019暑中特集号
 「より、外へ。より、広く。打って出る!」
・宝印刷、12月に持ち株会社体制へ
・DM Connectの提供開始 印刷〜発送を一括受注可能
  JPメディアダイレクト など

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2019年7月11日付
凸版印刷・麿新社長が経営方針を語る
グループ一丸で「社会的価値創造企業」へ


 凸版印刷は7月3日、トッパン小石川ビルにおいて記者懇談会を開催、6月27日に就任した麿秀晴代表取締役社長が経営方針を語った。麿新社長は急速に変化する市場環境にチャンスを見出し、変革を牽引するトッパン・デジタルトランスフォーメーション(T−DX)を全社挙げた取組みと位置づけ、事業ポートフォリオの転換を急ぐ考えを述べた。

麿秀晴社長

◆3ヵ年で事業ポートフォリオを転換
 麿社長は「マーケットは大きく変化し続け市場環境は非常に厳しい」との認識を示しつつも、「しかし、ここに新しいやり方ができれば非常に大きなビジネスチャンスがあり、売上げを増やし、利益も拡大できると考えている」と述べ、デジタルトランスフォーメーションを推進し、グローバル展開を加速させる考えを示した。
 グローバル展開について麿社長は「海外売上高比率は現在、18%とまだ小さく伸びしろが大きい。海外でビジネス展開していくにあたり、技術開発力を強化し、改めて技術オリエンテッドなトッパンをつくっていくことが肝要だ」と強調。
 また、サービスの提供とモノづくりというソフト・ハード両面から顧客の課題解決に貢献できる同社の強みを活かし、永年培ってきた「印刷テクノロジー」と新たなテクノロジーを組み合わせ、他にないトータルソリューションの開発・提供を行っていく方針も述べた。
 特にビジネスモデルの変革を牽引するトッパン・デジタルトランスフォーメーション(T−DX)では、デジタルマーケティングや製造DXなどに注力し、ソフトとハードの両面からさらなる挑戦を続けていく。
 さらに、グローバルにおいては、今後の人口増大に伴い市場拡大が期待できるパッケージや建装材分野と、技術的な優位性が発揮できるセキュア関連分野において事業拡大を図っていく。いずれも、事業の方向性と技術開発テーマの整合性を図り、他にはない武器づくりを進めながら市場を攻略していく方針だ。
 麿社長は「これらの取組みを通して当社は、真のパートナーとして常に必要とされる『社会的価値創造企業』を目指し、グループ一丸となって変革と挑戦を続けていく」と述べ、グループ全体最適の視点に立ち、2019年度からの3ヵ年で事業ポートフォリオを転換していく考えを述べた。
















【印刷新報2019年7月11日付掲載】
その他掲載記事
・「情報銀行」で大規模実証実験 電通
・若手製本人が「覚悟」示す 全日本製本青年会・東京大会
・SDGsを強力に推進 E3PA など

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2019年7月4日付
フォーム工連/PODi 共催セミナー
DM普及に向け発注者と議論
印刷会社の提案力に課題


 日本フォーム印刷工業連合会(櫻井醜会長)は、一般社団法人POD@(亀井雅彦代表理事)との共催セミナー「なぜ、いまDMなのか!」を6月17日に東京・江東区のテレコムセンタービルで開催し、約100名が参加した。ブランドオーナー企業によるDM活用事例や、一層の普及拡大に向けた課題について議論が交わされた。パネリストは、ディノス・セシールの石川森生CECO、IDOMの目黒友オムニメディアマーケティングユニットリーダー、グーフの岡本幸憲社長、フュージョンの吉川景博営業2部部長の4名。POD@の亀井氏がファシリテータを務めた。

4人のパネリストが熱く議論

 ディノス・セシールとIDOMは、DMを活用した顧客アプローチで成果を上げており、ともに第33回全日本DM大賞の受賞企業でもある。
 ディノス・セシールは、同社ECサイトで商品をカートに入れてから離脱した顧客に対して、DMを最短24時間以内に印刷・発送する"カート落ちDM"の施策に加え、顧客が購入した商品の類似アイテムをAIがインスタグラムから自動抽出し、顧客別にパーソナライズした8頁の"小冊子DM"を展開している。
 中古車販売大手のガリバーを運営するIDOMでは、過去に中古車を購入した顧客に対し、提携先のローン会社のローン残額情報と自社商品の相場情報を紐づけることで乗り換え軍資金をワントゥワンで提供し、次の車への買い換えを促すDMを実施。過去のDM施策と比べて4.85倍の反応率を記録した。
 両社のように、デジタルと紙を組み合わせた事例は国内でも増えてきたが、欧米に比べて遅れていることがたびたび指摘される。
 アメリカでは郵便総量やDM通数はともに2007年頃をピークに、その後の10年間で約4分の1減少しているものの、デジタルとの組合せによって付加価値を上げることで、金額ベースではDM(カタログ含む)は市場規模を維持している。
 亀井氏は、アメリカでは印刷会社がデジタル印刷機を上手く活用して積極的にマーケターに対してDMの有効性を発信しており、「たとえば印刷のことをよく知らないWebマーケターなどに対して、Webメディアにはない閲覧性、保存性などを強調しながら提案している」と紹介。  日本でもDMへの注目度は高まってきており、多くのDM案件を手がける吉川氏は、「ここ2、3年でものすごく引き合いがある」と実情を話す。外資系の企業では、海外で展開しているDM施策の国内展開について相談もあるそうで、「DMのニーズは年々強まっている」と指摘した。
 しかし、そのニーズを汲み取るだけの提案が印刷業界から行われていない現実も浮きぼりになった。目黒氏は、「当社に対して提案などはあまりない。チラシやDMハガキは昔から文化としてあったが、改善などについてもほぼ当社発信」と内情を話す。
 また石川氏も、「今は提案いただいているが、今回の取組み以前は私に直接はなかった。聞いた話では、マーケティング部には提案いただいていたが、こちらのスキルが不足していたのでその価値が分からなかったのだと思う」と述べ、提案側と発注側の意思疎通が上手くいっていなかったことを明かした。
 さらに石川氏からは、「今回のDM施策が構想から2年を要したのは、サポートしてくれるベンダーに出会えなかったから。社内も決まったROIの中でしかコスト投下できず、普通のマーケターが突破するにはハードルが高い。今回は良い出会いがあったから助かった。一番つらかったのは、後からそういう技術は昔からあったと言われたこと。それならばもっと早く一緒に動いてほしかった。ベンダー側が取るべきスタンスはあったと思う」と苦言を呈する場面もあった。
 こうした現状に岡本氏は、「サービサー側が使い手側に正しい情報を提供できていない事実は間違いなくある。どうしても装置産業的なマインドがはびこっているのだと思う。中には今回の2人のように勇気ある決断を下す方もいるだろうが、今もデータを見ながら悩んでいるマーケターが世の中には多いのではないか」と推察する。
 さらに、自身の経験も踏まえ、「印刷業界側が良かれと思って提案しても、あくまでも印刷の既成を前提に組み立てられたものなので、相手に理解されないことが長く続いた」と述べ、発注者に理解される工夫の必要性を強調した。















【印刷新報2019年7月4日付掲載】
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・シール・ラベル特集
・第53回造本装幀コンクール 入賞作品を発表
・田中手帳で見学会 大阪印刷関連団体協議会 など

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2019年6月27日付
全印工連 第2回「用紙動向調査」
8割が上昇分を価格転嫁 再生紙の代替品使用進む


 全日本印刷工業組合連合会の資材対策委員会(池田幸寛委員長)はこのほど、今年2回目の実施となる「用紙動向調査」の結果をまとめ、印刷用紙問題における全国的な対応状況が明らかとなった。
 全印工連では、年初から続く印刷用紙の値上げおよび供給不足の実態を明らかにすべく、今年1月に第1回の用紙動向調査を実施。全国から約1,500件の回答が寄せられ、得られた実態データを基に、2月に開催された中小印刷産業振興議員連盟(中曽根弘文会長)の総会において窮状を訴えた。その結果、特に入手が困難になっている再生紙について、環境省はグリーン購入法基本方針における印刷用紙の取扱いについて、再生紙の調達が困難な場合は代替品の使用を認める措置を講じることを決め、その運用文書を3月22日付で各府省庁や独立行政法人、地方自治体等に発出した。
 今回、改めて用紙問題における全国的な対応状況を把握するべく、5月14日から31日にかけて第2回の調査を実施。全国4,460社の組合員を対象に、1,284社(回収率28.8%)から回答を得た。
 まず、「印刷用紙の値上げ要請に対してどう対応したか」という設問では、「すべて値上げを受け入れた」が83.5%と大多数を占め、「まだ交渉中のところがある」は14.9%、「値上げ要請はない」は1.6%に止まった。
 値上げを受け入れた時期については、「2月から」36.2%、「3月から」28.3%、「4月から」24.3 %、「その他」11.1%。値上げ幅については、「5 %未満」6.9%、「6〜10%」41.6 %、「11〜19%」39.1%、「20〜25%」11.3%、「25%以上」1.1%。どの地区も「6%〜19%」の回答が約8割を占める。
 また、「値上げを受け入れて以降、注文に対して『ない』や『揃わない』と言われたことがあるか」という設問では、「全くない」は19.4%に止まり、「大いにある」20.3%、「時々ある」27.3%、「多少ある」33.0%という結果になった。
 「用紙のコスト上昇分を印刷製品価格に反映させているか」という設問では、「一部反映できている」が61.1%と大多数で、「ほぼ反映できている」(14.6%)と合わせると約8割が上昇分を価格転嫁できていることが分かった。「交渉中だが反映できていない」は18.1%、「まだ交渉していない」は6.2%。
 また環境省による通知を受け、実際に再生紙が入手困難な場合に代替品が認められたかについては、「認められた」(43.9%)が「認められていない」(12.0%)を大きく上回る結果となった。
 調査結果を受けて、全印工連の池尻淳一専務理事は、「この結果を基に、最新の状況を踏まえながら今後の対応策を講じていきたい。ご意見ご要望があれば本部までお寄せいただきたい」と要請した。















【印刷新報2019年6月27日付掲載】
その他掲載記事
・特集 SOPTECとうほく2019
・SDGs軸に事業推進 日印産連
・SDGsを磨け 小冊子まとめる E3PA など

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2019年6月20日付
中小企業庁「はばたく中小企業・小規模事業者300社」
生産性向上、需要獲得など評価 人材活用の好事例も


 中小企業庁は、生産性向上や需要獲得、多様な人材活用など、さまざまな分野で活躍している中小企業・小規模事業者を「はばたく中小企業・小規模事業者300社」として選定し、6月4日に公表した。印刷業関連からは、ユーメディア(今野均社長、宮城県)、進和ラベル印刷(晋道純一社長、山形県)、ウエマツ(福田浩志社長、東京都)、大川印刷(大川哲郎社長、神奈川県)、ミヤギパッケージ(宮城通治社長、沖縄県)ほかが選ばれた。
 「はばたく中小企業・小規模事業者300社」は、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、日本政策金融公庫など、全国から推薦された企業の中から、外部有識者によって厳正に審査され、選定されたもの。「生産性向上」、「需要獲得」、「担い手確保」の3つの分野で推薦された。
 中小企業庁は、選定企業の取組みを収録した冊子を作成し、ホームページでも公開している。主な印刷関連企業の選定ポイントは次のとおり。

■ユーメディア(宮城県仙台市、従業員135人)
 新事業進出のため、自社主催イベントや観光事業開発、IT戦略・Web部門拡大を図るメディアプロモーション事業を展開。主催するプロモーション事業を増やすことで受託業務依存からの脱却を実現した。
 また、そのために多様な経験や知見を持つ社員が必要であったため、育児・介護等の「時間に制約のある社員」の戦力化を目標に掲げ、全社員で取り組む働き方改革の取組みを促進。「ワークイノベーション委員会」の設置やリモートワークの導入などを実施した。

■進和ラベル印刷(山形県上山市、従業員62人)
 世界が認める印刷技術とデザイン力を有するシール・ラベル印刷の特化企業。独自商品の開発も手がける。その一つが、ワインの瓶などボトル状の物に貼り付けることで立体的に商品PRができる「ボトルネッカー」。県内のワインメーカー等に採用されている。
 デザインは6名の社員で構成された「デザイン制作室」が担う。幅広い年齢層の知恵を結集。OB・OGの多い東北芸術工科大学の学生と話をする機会を設け、若い感性を取り入れている。

■ウエマツ(東京都豊島区、従業員160人)
 印刷ファンドリー(受託専門業者)として「高品質・低価格・短納期」を強みとし、最新の設備増強により高付加価値化・生産効率向上に努めてきている。生産管理体制については、独自に開発したウエマツ基幹業務システム(UMIS)で運用している。顧客管理・受注管理・生産管理・財務会計・ラック倉庫管理・就業管理まですべてを統合したもので、外販も可能なほど完成度は高い。印刷機の状態をリアルタイムで把握できるほか、正確な個別原価管理や顧客へ作業の進捗状況をいつでも知らせられる仕様となっている。

■大川印刷(神奈川県横浜市、従業員41人)
 国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)に着目、印刷業を通じた社会課題解決に注力している。自社の印刷事業で使用する電気・水道・ガス・車両燃料によって排出されるCO2を、政府のJ-クレジットを活用しゼロ化した「ゼロカーボンプリント」、FSC森林認証紙やノンVOCインキの使用など、環境負荷低減に特化した「環境印刷」を行うことで、高付加価値・適正価格のサービスを提供。ESGに関心の高い外資系企業等からの新規受注獲得を実現している。

■ミヤギパッケージ(沖縄県豊見城市、従業員98人)
 60年以上にわたって沖縄の包装・梱包資材を扱ってきたパッケージ会社。箱だけに限定せず、包装関連全般を手がけ、すべてをトータルプロデュースし、顧客の商品の個性を最大限に引き出すデザインと機能性で、段ボールやシール、ポスター等の数多くの商品を取り扱っている。
 長く培ってきたパッケージ技術と、ものづくり補助金で導入した3D加飾加工機により高付加価値商品の開発に成功。国内はもとより、海外展開にも挑戦し、「ORiGAMi SAMURAi」(鎧兜をモチーフにした甲冑型ペーパークラフト)を自社開発した。欧州を中心に美術博物館や有名百貨店など世界5ヵ国で販路を開拓した。















【印刷新報2019年6月20日付掲載】
その他掲載記事
・改正 RoHS 指令を学ぶ 東京製本工組
・Think Smart Factory 2019 IN KYOTO
 来場者登録を開始
・印刷のいろはフェスタ 印刷業の職業経験楽しむ など

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2019年6月13日付
紙不足が新聞折込に打撃
J-NOAが製紙連に要望書 広告主減少拡大に危機感


 一般社団法人日本新聞折込広告業協会(土橋誠志理事長、略称J-NOA)は6月12日、新聞折込広告の印刷用紙不足の解消を求める要望書を日本製紙連合会に提出した。新聞折込広告市場が大幅に縮小している中、印刷用紙の供給不足を背景に、電子メディア、インターネット広告へのシフトに拍車を掛けかねないとして、早期解消を訴えている。J-NOAが他業界・団体に対して要望書を出すのは今回が初めて。
 5月に開かれたJ-NOAの理事会の中で議題に上がり、日本製紙連合会会長宛てに要望書を郵送で提出することを決めた。
 要望書では、折込広告枚数の減少に加えて、広告主の減少が進んでいることに危機感を示している。
 J-NOAの首都圏新聞折込広告出稿統計・折込広告モニタリングによる2010年〜2018年のデータ結果をベースに、「2010年を基準にすると、2018年は折込総枚数が2割減に対して広告主数は4割減にまで達し、広告主の減少幅が拡大している」と指摘する。
 一方、この間、ナショナルブランドなど折込広告の配布枚数が多い上位15%の大手の広告主が市場を占める割合は87%程度と変わっていない。「地域生活情報を発信する要となっている地元の中小広告主が減少傾向にある」(飯島博専務理事兼事務局長)と分析する。
 要望書では「新聞折込広告市場全体が縮小している中で、印刷用紙が調達できず、新聞折込広告の中止を余儀なくされる広告主が後を絶たない。このような負の連鎖により、広告主の急減による市場のダウンサイジングが加速する可能性が大きい」と危惧している。
 飯島専務理事兼事務局長は「新聞折込広告費は、わが国の広告費においてテレビ、インターネット、新聞に次ぐ4番目の規模となっている。首都圏では36ヵ月連続で前年を割り込むなど、新聞折込広告市場の縮小傾向が続く中、今回の印刷用紙不足は折込広告業界各社を逼迫させている。負の連鎖を断ち切るためにも、早期解消をお願いしたい」と訴えている。
■「仕事があっても紙がない」─常態化に懸念
 印刷会社は今年1月からの印刷用紙の値上げに加えて、一部用紙の品薄状態に苦しんでいる。
 紙不足の問題では、2月頃から大手印刷通販各社でも注文に制限を設けるなど、影響が広がってきた。輸入紙の在庫を増やし、一部用紙で国産紙と輸入紙を併用する措置を採った印刷通販会社もある。
 「仕事があっても、紙がない」。折込チラシをメインとする地方のあるオフ輪会社では「紙が確保できずに、月に数百万円単位で失注している」と頭を抱える。
 一方、製紙各社はデジタル化による印刷需要の低迷を理由に、減産路線を打ち出している。
 王子ホールディングスは5月22日、新たに製造設備の停止と改造などを決め、印刷用紙の年約40万トンの生産能力削減を発表した。
 北越コーポレーションでは4月26日、停機していた新潟工場6号機抄紙機を再稼働すると発表したが、「他社で工場トラブルなどがあり、要請を受けて対応」(同社広報室)したもので、あくまで5月と6月に限定した代替の再稼働である。
 「オイルショック以来の混乱」と話す業界関係者もいる今回の紙不足問題。「秋頃には解消するのではないか」、「今年いっぱいは無理ではないか」。さまざまな憶測が行き交っているが、今のところ先行きが見通せない。最終生活者に情報を提供するという印刷・紙メディアの役割が果たせない事態に陥っており、問題が常態化することが懸念される。














【印刷新報2019年6月13日付掲載】
その他掲載記事
・特集・ジャグラ文化典栃木大会
・水性フレキソ促進協議会、発足
・兵庫県工組 60周年を祝う など

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2019年6月6日付
水上印刷、新本社屋を来年7月に竣工
機能集約で新たなステージへ


 水上印刷株式会社(河合克也社長)は、現在の東京都新宿区西新宿5丁目の本社屋を建て替え、同じ敷地内に地上4階建の新社屋を建設する。竣工は2020年7月を予定。同社は事業が順調に発展する中で、本社周辺だけでも複数の事業拠点を構える状況となっており、効率性や人材確保などの観点から建替えを決めた。

新本社完成図を前に河合社長(左)と水上会長

 ◆新本社は右脳と左脳の拠点
 水上印刷の現本社は1985年に建てられた。当時の事業規模と現在とでは格段に違い、また事業内容も、「ものづくり」中心の業態から、フルフィルメント、デザイン、ICTなど多方面に拡大している。
 より多様な人材、オフィスが必要となり、状況の変化に対応してきた結果、本社周辺だけでも5ヵ所、そのほか東京の田町などにスタッフが分散する現状となっている。また、生産拠点である多摩工場(東京都西多摩郡)のほか、ピッキング・梱包・配送などフルフィルメント関連のセンターだけでも3ヵ所を有するまでになった。
 本社屋は老朽化というには早いが、業務効率やコミュニケーションに難があることや、さらに人材確保などを考えた時、自社ブランディングの強化も必要であると判断し、オフィスを集約、外観も一新した新社屋の建設を決めた。
 建設地は、現在の新宿区西新宿5─14─3の本社所在地と同じ敷地となる。地上4階建、高さ約19.5m、敷地面積約436u、建築面積約350u、延べ面積1310u。今夏から着工し、竣工は2020年7月を予定している。設計・施工は類設計室、三和建設が担当。工費は約10億円。
 完成後は、本社の間近にある現在の水上印刷ANNEXと合わせて創造的な本社機能を発揮することとなる。
 「右脳(クリエイティブ)と左脳(ICT)と体(ものづくり)をつくる」ことを理想の業態バランスと考える河合社長は、新社屋について、「2020年に右脳と左脳の基幹となる拠点をしっかり新宿に立ち上げ、次のステージへ進んでいきたい」と抱負を述べる。
 また、水上会長は「会社は人が命であり、本社というのは、その大切な人の採用機能も担っている。若い人たちに魅力的に感じてもらえる新本社を持ち、採用にさらに力を注ぎたい」と話す。
 ◆360°フルサービス支える人材投資
 新本社屋の建設にあたり、水上印刷の水上光啓会長と河合克也社長は5月28日、会社の現状と事業展開について本社ANNEXで語った。
 同社が謳う経営ビジョン「MIC WAY」では、1946年からのMIC1.0(印刷業創成期)、その後のMIC2.0(人と品質の進化)、MIC3.0(フルサービス実現)の段階を経て、2019年にMIC4.0へと進化、飛躍しようとしている。2007年に宣言した「フルサービスカンパニー」の取組みをさらに推進し、クリエイティブ、ICTの領域を含む全方位でのサービス提供を目指す。
 大きな転機は、2007年にわずか60坪のスペースから始めたフルフィルメント事業だった。2017年4月には新拠点「るのパレット」(東京都あきる野市)が完成し、4500坪の規模に拡大した。
 同時に、2014年からはクリエイティブチーム、ICTチームの拡大を図り、100名規模でスタッフの積極的な採用を行った。
 リーマンショック後は苦戦した-時期もあったが、直近では7期連続の増収を果たし、2012年ベースで約2.5倍の売上高となっている。
 同社の成長を支えているのは、優秀な人材の採用と徹底した教育だ。2014年に就任した河合社長は、「日本で一番勉強する会社になる」と目標を掲げ、実践してきた。
 10%未来活動では、自分の未来につながる活動を「未来時間」と呼び、就業時間の10%(年間約200時間)をそのために充ててよいとしている。また、研修費用・資格取得にかかる費用はすべて会社負担だ。
 店舗コミュニケーション支援等で取引のある楽天には現在、社員20人が出向するなど、顧客からも高く評価されている。  河合社長は今後の事業展開として、「右脳と左脳と体をつくる」ことを掲げ、「印刷にプライドを持ちながらも、デジタル(ICT、クリエイティブ、コンテンツ)を強化し、フィジカル(ものづくり、オペレーション)と融合させていきたい」と話す。その右脳、左脳の拠点が来年完成する新本社だ。営業部門、管理部門を含め、ANNEXと合わせて200人強の人員でスタート、最大300人まで勤務が可能だという。
 河合社長は「オープンスペース、かつスタッフが混ざり合いイノベーションを起こす設計を考えている。学ぶ場としての機能も重視し、1階は勉強・研修のためのスペースにする」と構想を話す。
 また、同社の成長の原動力である「フルサービス」について水上会長は「お客様の仕事の周辺には、われわれがお手伝いできることがエンドレスにある。『フル』を言葉で定義することは難しく、サービスの提供には大変なエネルギーが要るが、印刷業は便利な位置にいる。それをやり遂げてきたことで、当社のビジネスモデルは3分の2が入れ替わった。何もしなければ3分の1に縮小していたはずだ」と語った。













【印刷新報2019年6月6日付掲載】
その他掲載記事
・都内初、水なしLED-UVを運用 日精ピーアール
・春の叙勲・褒章伝達式
・AIの校正サービス実用化へ 大日本印刷 など

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2019年5月30日付
〈全日本印刷工業組合連合会通常総会〉
産業の再定義で永続を
商取引自主行動計画の作成も


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)は5月23日、通常総会を東京・竹芝のホテルインターコンチネンタル東京ベイで開催した。議事に先立ってあいさつした臼田会長は、令和元年に抱く新しい期待とともに、今年が大きな節目の年であるとして、20年前の1999年に国の中小企業近代化促進法に基づく構造改善事業が終了、中小企業経営革新支援法が始まったことを指摘し、以来、全印工連が実施してきた施策を振り返った。そして、「今年はいま一度20年前の原点に立ち戻り、改めてこの先の20年、30年に向けて印刷産業を再定義する締めくくりの年としたい」と述べた。

臼田会長

 また、業界の現状について、「なんとも単価が上がってこない。需要の低下に対して相変わらず供給過多の状態にあると私自身は見ている。この時代に合った適正価格が必要だ。現状をしっかり調査し分析した上で、20年、30年と永続していくための、まさに創造的な破壊を綿密な計画を立てていよいよ執行する時期に来ていると思う。この一年、みなさんのご意見を拝聴しながら、中小・小規模印刷業が進むべき道の研究、そして、何らかのビジョンの発表への準備期間としたい」と展望を示した。
 2019年度は、Happy Industryに向けた中心事業となる「幸せな働き方改革」の仕上げとしてSTEP4(就業規則)・STEP5(人事考課・給与規程)の実行を着実に進める。
 対外広報戦略では、多くのメディアに取り上げられ反響を呼んだCMYKプロジェクト「大喜利印刷」の第2弾をはじめ斬新な情報発信を続け、産業発展の最も大切な基盤となる人材確保のプラットフォーム構築を目指していく。
 経営革新マーケティング事業では、全印工連「事業承継支援センター」の啓発と利用促進に力を入れるとともに、中小企業庁「印刷業における下請適正取引等の推進のためのガイドライン」の研究・考察に基づき、新たに中小印刷業の立場から見た商取引の自主行動計画の作成に着手する。
 2019年度収支予算は、2年連続で5億円を超える約5億6644万円。4月1日現在の組合員数は4460社。
 ◆懇親会に議連幹部も出席
 懇親会では細井俊男副会長が「批難を受けることがあるかもしれないが、遠慮することなく、改革に向けて共に力を合わせていきたい」と呼びかけた。また、水上光啓顧問は、変革にかける経営者の情熱、そして一社ではできないことを実現可能にする組合の連帯こそが何より重要であることを改めて強調した。
 中小印刷産業振興議員連盟の中曽根弘文会長はじめ、伊藤達也幹事長、宮下一郎事務局長、関芳弘事務局長代理も懇親会に加わり、それぞれあいさつ。用紙不足問題への対応など、中小印刷業の置かれた立場に寄り添い、より全印工連と一体となって対策を強く推進していく旨を述べた。












【印刷新報2019年5月30日付掲載】
その他掲載記事
・枚葉特集2019
・第62回GCJ名古屋大会
 次世代の懸け橋となる一歩に
・令和元年度スタート 各地で総会 など

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2019年5月23日付
〈日本の世帯数の将来推計〉
単独世帯の割合がさらに増加 65歳以上世帯主は40%超


 長期にわたる印刷需要の動向を考えるにあたり、人口減少および少子高齢化は、コミュニケーション手段のデジタル化と並んで最大の要因となる。
 65歳以上人口の割合が50%以上を占める市区町村数の割合は、2015年の約1%から2045年には約28%に増加する(国立社会保障・人口問題研究所の推計)。30年間の変化は劇的だ。
 人口推移とともに、世帯数および家族類型の変化も将来のマーケットを見通すうえで重要。
 国立社会保障・人口問題研究所がこのほど公表した「日本の世帯数の将来推計」によると、世帯数が減少する都道府県数は今後次第に増え、2035年までには沖縄県を除く46都道府県で世帯数が減少する。2040年の世帯数は、42道府県で2015年よりも少なくなる。
 平均世帯人員は、2015年から2040年にはすべての都道府県で減少。2015年に平均世帯人員が1.99人となった東京都に続き、2040年までに北海道や高知県で平均世帯人員が2人を下回る。
 2015年に41都道府県で最大の割合を占めていた単独世帯は、2025年にはすべての都道府県で最大の割合を占めるようになる。
 全国の家族類型別の推移予測を見ると、2040年に「単独世帯」が1994万4000(2015年比8.3%増)、「夫婦のみ」1071万5000(同0.4%減)、「夫婦と子」1182万4000(同17.6%減)、「ひとり親と子」492万4000(同3.2%増)、「その他」335万(同33.6%減)。単独世帯の割合は全体の39.3%に達する。
 世帯主の高齢化も急速に進む。65歳以上の世帯主が全世帯主に占める割合は、2030年にはすべての都道府県で30%以上となり、2040年には45道府県で40%を超える。75歳以上の世帯主が全世帯主に占める割合は、2040年には東京都を除く46道府県で20%以上となる。
 さらに、65歳以上の世帯主に占める単独世帯の割合は、2040年にはすべての都道府県で30%以上となり、15都道府県では40%を超える。また、65歳以上人口に占める単独世帯主の割合は、すべての都道府県で上昇し、特に東京都では2040年に29.2%に達すると推計されている。
 生活困難者、孤独死、詐欺行為の増加などが増えることは避けられない。ソリューション・プロバイダーとして地域の印刷会社が自治体や地元企業、学校、住民などと連携して何ができるのかが問われていくだろう。












【印刷新報2019年5月23日付掲載】
その他掲載記事
・印刷大手2019年3月期連結決算
 軟包装が堅調に推移
・令和元年 春の叙勲・褒章
・JP2019 ICTと印刷展

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2019年5月16日付
〈総務省「2020年に向けたICT化アクションプラン」〉
訪日客向けサービスを高度化
4K・8K映像で世界をリード


 総務省は5月9日、今年3月29日に開催した第9回「2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会」の配付資料を公表した。8つの分野でICT化を推進し、各分野横断的なアクションプランとして「都市サービスの高度化」と「高度な映像配信サービス」を掲げている。
 同懇談会は2014年11月に発足し、現在、通信・放送事業者、システム・機器メーカー、広告関係者、有識者、関係省庁など31名から構成される。座長は岡素之住友商事名誉顧問。2020年を目標に、社会全体の高度なICT利活用、および2020東京オリンピック・パラリンピックに向けたフォローアップ施策の提言を行っている。
 「都市サービスの高度化」については、2020年に4000万人と想定される訪日外国人が、入国時から滞在・宿泊、買物、観光、出国までストレスなく快適に過ごせるよう、ICT基盤の活用により観光サービスを高度化し、2020東京大会以降の日本の資産とすることを目指す。
 また、交通系ICカードやスマートフォン等を、クラウド上に登録する旅行者の属性情報と紐づけ、共通クラウド基盤「おもてなしクラウド」に実装することで、多様なサービス連携の実現を目指す。
 「高度な映像配信サービス」については、主に次の3つの目標を打ち出している。
◆2020年に向けて、4K・8Kの放送・通信による映画館並みの大画面パブリックビューイングが、オールジャパンの取組みとして全国各地で開催され、多くの人々が感動と興奮を共有できるようにする
◆日本の超高臨場感映像技術(4K・8Kマルチスクリーンや3Dホログラフィー等)を駆使し、世界中のどこにもない圧倒的な臨場感で、スポーツや音楽などの新しい見方、楽しみ方をショーケースとして体感できるようにする
◆2020年以降の資産として、老若男女を問わず地域住民が、文化、芸術、郷土の祭り、伝統芸能などの4K・8K・3D等のコンテンツを身近に手軽に楽しめる環境を整え、地方創生に貢献する
 これらのさまざまな次世代コンテンツの普及に向けた環境整備を、一般社団法人映像配信高度化機構を中心に推進する。
 「都市サービスの高度化」、「高度な映像配信サービス」に向けて懇談会では、8分野で個別のアクションプランと目標を次のように定めており、すでに実稼働に近い内容も含まれる。
 1. 多言語音声翻訳対応の拡充
  →2020年までに12言語について実用レベルの翻訳精度
   を実現
 ※2020東京大会では「言葉の壁」がない社会を
  ショーケースとして世界に発信
 2. デジタルサイネージの機能拡大
  →2019年までに相互接続を可能とするシステムの実現
 3. オープンデータの利活用推進
  →2018年度末までに公共交通オープンデータセンター
   を本格稼働
 4. 日本の魅力を紹介する放送コンテンツの海外展開の
  促進→2020年度までに放送コンテンツ関連海外売上高
  を500億円に増加(※2016年度393.5億円)
 5. 無料公衆無線LAN環境の整備促進
  →2019年度までに約3万箇所の整備を目指し、
   防災拠点等での整備を推進
 6. 第5世代移動通信システムの実現
  →2020年に世界に先駆けて5Gを実現
 7. 4K・8Kの推進
  →2020年をめどに4K・8K実用放送の
   普及に向け、必要な環境を整備
 8. 世界一安全なサイバー空間の実現
  →2020年に向け、サイバーセキュリティ人材の育成
   と情報共有体制の拡充・強化











【印刷新報2019年5月16日付掲載】
その他掲載記事
・第7回 コンバーティングの明日を考える会
 海洋ゴミ対策と資源循環考える
・図書印刷
 デジタル印刷を活用したコミックスの小ロット製造を開始
・印刷工業会 AI時代の経営を学ぶ

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2019年5月9日付
日印産連・GP認定工場アンケート調査〉
従業員の意識など向上 社内での認知度に課題も


 日本印刷産業連合会グリーンプリンティング認定事務局はこのほど、グリーンプリンティング(GP)認定工場に対するアンケート調査結果をまとめた。4月24日に開催した第38回GP工場交流会の中で発表した。
 GP認定工場は現在397にのぼり、オフセット印刷部門309工場(印刷関連267、製本関連38、光沢加工関連4)、グラビア印刷部門65工場、シール印刷部門20工場、スクリーン印刷部門3工場の内訳となっている。
 今回の調査は、全認定工場にアンケートを発送し、143工場から回答を得た。選択式(複数回答可)のほか一部フリー回答。実施時期は2018年10月〜11月。
 GP工場認定に申請したきっかけは、「自主的判断」が74.1%と最も高く、「団体・組合からの働きかけ」41.3%、「得意先からの要請」15.4%、「関連企業(同業者)が取得したから」6.3%と続く。
 「自主的判断」の内訳は、「社会的責務を果たすため」46.2%、「自社の特徴の一つにしたかったため」38.5%、「営業の武器としたかったから」32.9%、「他の環境認証制度と比較して適していると判断したため」21.7%、「先端の環境配慮工場を目指しているから」14.7%など。
 「得意先からの要請」の内訳は、「環境配慮された工場での印刷」、「印刷製品へのGPマーク表示」、および「その両方」など。
 GP工場認定を取得したメリットは、「工場の環境配慮が進んだ」72.7%、「従業員の意識が変わった」47.6%「得意先からの評価が上がった」21.0%など。
 このようなメリットがある一方で、課題も浮かび上がった。社内でのGP認定制度の認知度を聞いたところ、製造部門に関しては、「一部従業員がGP基準を把握しているにとどまる」51%、「GP関連担当者のみで、他の従業員は基準を知らない」14%を合わせて3分の2を占めた(「全従業員が把握し基準を遵守」は33%)。
 営業部門に関しては、「GPマーク・制度の概要は知っているが営業活動に結びついていない」72%、「ほとんどの営業マンがGPマーク・制度を知らない」7%(「GPマークを理解し営業活動をしている」は18%)。
 GP認定工場としてのアピール方法は、GPマークを「ホームページに表示」78.3%、「名刺に付けている」68.5%、「会社案内等に付けている」62.9%、「ホームページでGP認定制度あるいはGPマークの説明も行っている」45.5%など。
 印刷製品へのGPマーク表示状況で、得意先の反応は、「提案し採用されたことがある」35.0%、「提案しても反応がほとんどない」22.4%、「提案すると興味は示してくれる」21.0%、「提案しても付けたがらない」16.8%、「表示の依頼(印刷製品の発注)がある」13.3%など。
 GP認定制度への要望事項では、「環境関連法規・技術など情報の提供」と「GP制度による環境負荷低減効果の社会への発信」の2つが圧倒的。他社との比較や情報交換できるツール・仕組みへの要望も多い。
 4月24日のGP工場交流会では、サステイナブル・デザイン研究所の西原弘社長が講演し、その中で「ISOとエコアクション21が認証企業数を大幅に減らしている一方、GP認定工場は確実に増えている。世の中全体がSDGsに向かい、良い会社を選ぶ流れがある中、すぐに仕事に結びつかなくても、GP認定工場が10年後にも生き残れる可能性は高い」と指摘した。










【印刷新報2019年5月9日付掲載】
その他掲載記事
・特集 第62回GCJ名古屋大会開催へ 
 「朝まで語ろう、本音で語ろう、GCJ」
・帆風 1個からのボール作り「MyBO+」開始
・シタラフェア2019 ビエント高崎で開催

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2019年4月25日付
激変する世界のビジネス環境
「持続可能性」が企業の基礎要件に
(HP社が考える「メガトレンド」より)


 5年先はおろか、「2、3年後でさえ状況は読めない」と口にする経営者は多い。しかし、読めないことと、読む努力をしないこととはまったく意味が違う。日本語という文字の特殊性に守られてきた国内印刷業界も、グローバルな影響を避け続けることはできない。アマゾンの印刷事業への参入を懸念する声さえある。新元号「令和」の祝賀ムードとは別に、世界の現実を真正面から押さえておく必要がある。
 ここでは、今年1月に都内で行われた日本HPの事業説明会から、HP社が考える「メガトレンド」について、岡隆史社長の解説から紹介する。
             ◇
 同社では新製品開発にあたり、2年以内を見て現状の製品のブラッシュアップを図る「進化(先進的開発)」、2〜10年先を見て開発する「革新(応用研究)」、そして、予測が困難な10〜30年先までの長期トレンドを見定め、逆算してストーリーを描く「メガトレンド(創造的研究)」の3期に分けた開発アプローチを行っている。
 未来のビジネス、社会、経済、文化、人々の生活に広く影響し、変革を引き起こすメガトレンドとしてHP社が想定する主要テーマは、「急速な都市化」、「人口動態の変化」、「超グローバル化」、「イノベーションの加速」の4つだ。

■急速な都市化
 2030年に世界人口86億人、人口1000万人以上のメガシティが41都市になるなど、急速な都市化の流れを予測。2025年には、中国・天津市のGDPがスウェーデンに並ぶ。2050年には都市居住率が70%に達する。
 このトレンドからHPは、次のようなビジネスチャンスを想定する。
・大量の人の移動が起こり、それに伴う手段が大きな新市場
 を生む
・巨大都市の増殖で、省スペース化(小型で便利な製品)
 と共有(シェアリングモデル)の需要が発生する
・新しい消費者と新興市場に向けた新たなビジネスモデルが
 生まれる
・資源の枯渇が進むため、持続可能性を意識した製品開発や
 事業モデルが求められる

■人口動態の変化
 2020年にシルバー世代の購買力が15兆ドル、2030年に60歳超の人口が14億人、55歳超の就労人口が現在より30%増、Z世代(1990年代後半から2000年にかけて生まれたデジタル世代)以降が26億人になるとの予測に基づき、次の変化を読んでいる。
・さらに平均余命が伸び、就労者が高齢化
・ギグエコノミー(インターネット上で単発の仕事を受発注
 する仕事形態)が拡大し、働く人や場所が変化する(2020年にフリーランサーが労働者の40%を占める)
・シルバー購買層、就労者数の増加で医療デジタル革新が
 加速する

■超グローバル化
 新興市場における毎年のインターネット起業数が14万3000社に達しており、2025年までに本社を新興市場に置くFortune500企業の割合は46%になる。2027年までにS&P500(※アメリカの代表的な株価指数銘柄)から外れる企業の割合は75%、2030年のモバイルユーザーは64億人(世界人口の75%)になると予測し、次のような革新への対応が必要になると考えている。
・インターネットですべてが繋がる世界となるに伴い、サイ
 バーアタック防止や個人のプライバシー保護のためセキュ
 リティが最優先される
・巨大なデジタルプラットフォーム市場が誕生、継続的な
 再発明が起こる
・従来の蓄積型テクノロジーに代わりスタートアップが
 勃興。顧客(需要)を見つけ次第、すぐ事業を始め、
 チャンスを掴むビジネストレンドが拡大する。時差や
 国境を越えたコラボレーションが進み、破壊する側と
 なり共存するか、破壊されるか、二者択一の競争が
 激化する

■イノベーションの加速
 2020年にネット接続デバイス数は204億台。2050年にスマートフォンの性能は現在の10億倍になると予測。
 スマート化(より安く、より速く)、自動化(より便利に、より使いやすく)、パーソナライズ化(リアルとデジタルの融合)に向けたイノベーションが加速する。コンテンツは、デジタルメディア、紙メディアともに、パーソナル化、低コスト化がさらに進む。

 HP社では、これらのメガトレンドから、21世紀最大の課題を「持続可能性」としている。
 世界人口は2050年までに98億人になると予測され、生活を維持するためには、今の地球が2.3個必要になる計算だ。今後20年でエネルギー消費は28%増、水の需要は年間20〜30%で増加するなど、早期に有効な策を講じなければ、世界が破綻し、新たな戦争や暴動が起きかねない深刻な事態に陥る。
 日本HPの岡社長は「いまや企業としてのビジネスの取組みは『持続可能性』が基礎要件となっている」と話し、HP社のグローバル戦略として、社会・環境要件を含む販売案件の比率、販売額を大きく増加させる「HPサステイナブル・インパクト戦略」を紹介した。環境・エネルギーだけでなく、働き方改革、教育、コミュニケーションを包括するもので、サプライヤーを含むサプライチェーン全体での実現を目指している。

















【印刷新報2019年4月25日付掲載】
その他掲載記事
・改元・新元号「令和」
 印刷出版研究所 創業85周年特集号
・私の提言―2030年に向けて
 印刷産業が新たな成長を目指すには
・自社変革の気づき
 30年後も価値のある会社であるために
・欧州の先進ビジネス戦略を視る
 本紙海外視察レポート など

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2019年4月18日付
「Think Smart Factory 2019」開催へ
11月11〜13日、京都・みやこめっせ


 2019年11月11日から13日までの3日間、京都の「みやこめっせ」においてThink Smart Factory2019(主催=TSF2019実行委員会、運営=ホリゾン・インターナショナル、以下TSF2019)が開催される。イベントは市場をリードするメーカー、ユーザーが共同で企画し実施されるもので、会場内全体をワークフローで繋ぎ、実稼働を通してスマートファクトリーを体感できることをコンセプトとする。主催者では今後継続的に認知されるイベントとなることを目指している。

メインシアターによる全体紹介イメージ

 ◆展示会場がスマートファクトリーに
 TSF2019は業界をリードするメーカー・ユーザーによって構成されるTSF2019実行委員会が企画・主催するもので、会場内全体をワークフローで繋ぎ、自動搬送車やロボット等も取り入れ、実稼働を通してスマートファクトリーを体感できる計画で準備が進められている。
 IoTの普及により、いよいよ繋がる時代へと本格的に動き始め、印刷業界においてもその流れは次第に加速してきた。機械設備を提案・販売するメーカーにおいても、単なる自動化や省人化といった流れではなく、この時代背景を正しく捉えたビジネスそのもののエコシステム提案が求められている。
 そうした中、昨年のIGAS2018では市場リーダーとなる9社がホリゾンブース内に設置したスマートファクトリーゾーンに集結し、ユーザーと共にスマートファクトリーの実現に向けたセッションを繰り広げ、大きな反響を得たことは記憶に新しい。
 今回のTSF2019はその熱意を次につなげる取組みとして、新たにTSF2019実行委員会を結成し実施開催されるもの。
 4000uの会場内には、ホリゾンのポストプレス機器を中心とした、最終成果物視点で考えるワークフロー構築をキーに、入口から出口までを実稼働で確認できるエンド・トゥ・エンドのワークフロー構築へと繋げられることを表現する。また、デジタルだからできる"オートメーション"、"高画質印刷"といったテーマも注目の展示として計画中だ。
 現段階での出展社はキヤノンマーケティングジャパン、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(以下FFGS)、グーフ、日本HP、ホリゾン、JSpirits、コニカミノルタ、リコージャパン、SCREEN、RESOLOGIC、ユーザーサイドからは日本写真印刷コミュニケーションズ、ニューブックが参画を計画している。
 具体的なワークフロー連携と機器構成は今後明確にしていく予定だが、各社が個別のブースを持つ形態ではなく、展示ホール内全体でスマートファクトリーをイメージできる横の繋がりを重視した配置と内容で計画を進めていく。  また、IGAS2018と同様、会場内にスマートファクトリーゾーンを設置し、3日間で16セッションのセミナーを同時通訳付きで実施する。
 さらに、開催にあたっては国内・海外のユーザーの来場を想定し、海外から人気の高い京都を開催の地とした。開催時期が11月となるため、京都の紅葉と日本の文化に親しんでもらうことも重要な役割としており、京都の初秋を楽しめる早朝の散歩ツアーや懇親会等も計画し、会場内だけでなくロケーションをまるごと楽しんでもらえる企画で進行中だ。
 なお、主催者ではTSFを継続的に認知されるイベントとなることを目標としている。
 最新情報はホームページを参照(https://thinksmartfactory.com/)。

【Think Smart Factory 2019の概要】
■主催 TSF2019実行委員会
 ※スマートファクトリーの実現を共通テーマとした業界発展を望む団体で、キヤノンマーケティングジャパン、FFGS、グーフ、日本HP、ホリゾン、JSpirits、コニカミノルタ、リコージャパン、SCREEN、RESOLOGIC、バリューマシーンインターナショナルの11社で構成される。
■運営 ホリゾン・インターナショナル
■会場 みやこめっせ(京都市勧業館)
    京都市左京区岡崎成勝寺町9番地の1
■期間 2019年11月11日〜13日

















【印刷新報2019年4月18日付掲載】
その他掲載記事
・昭和島の新本社工場を披露 文星閣
・ファクトリーオートメーション本格稼働 ニシカワ
・出版物流で日販とトーハンが協業 など

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2019年4月11日付
インキ工連
「バイオファーストインキマーク制度」の運用開始
グラビアインキ向け、環境配慮型インキを認定


 環境省は、グリーン購入法基本方針における印刷用紙の取扱いについて、再生紙の調達が困難な場合、代替品の使用を認める措置を講ずることを決め、運用文書を3月22日付で各府省庁や独立行政法人等に発出した。また、この決定を地方公共団体にも参考送付するとともに、環境省のホームページに掲載した。

バイオファーストインキマーク

 冒頭、印刷インキ工業会技術委員会の西山広作委員長が「新しい環境調和インキ表示制度であるバイオファーストインキマークはグラビアインキを対象とし、インキのみならず印刷物にも表示できることがポイント。今回発表できることを大変喜ばしく感じている」とあいさつ。制度の内容については技術委員会環境専門委員会の山内雅文委員長が説明した。
 制定の背景は、近年のグラビアインキ市場は食品パッケージを中心に堅調に伸長しており、2014年以降は最多生産タイプとして国内インキ産業を牽引している一方、グラビアインキの組成は石化(枯渇資源)割合が高く、環境配慮型製品の普及促進が課題であったこと。インキ工連では、グラビアインキ向け環境配慮型インキ認定制度の制定を2018年度事業のひとつとして取り組み、バイオマスマークなどの既存環境マークよりも環境配慮度合を高めた制度を構築。インキ乾燥塗膜中のバイオマス成分量を指標とし、基準を満たしたインキおよび当該インキを用いた印刷物にバイオファーストインキマークが貼付できることで環境への配慮を広くアピールすることができる。
 運用対象と時期は、グラビアインキが本年4月1日から開始、グラビア印刷物は6月を目途としている。グラビアインキについては印刷インキ工業会会員が製造する製品で基準を満たし、かつ同工業会に登録したインキに限り、また印刷物への貼付は認定インキを使用したものに限られる。
 認定基準は、グラビアインキが『NL規制に準拠していること』、『トルエン、キシレンを使用しないこと』、『インキ乾燥塗膜中にバイオマスを10重量%以上含むこと』とし、グラビア印刷物においては、『当制度が認定したインキを使用すること』、『トルエンおよびキシレンをインキに添加して印刷に用いないこと』となっている。
 インキ工連では、5月中にホームページで定義や認定基準等を公開する準備を進めており、会員向け説明も予定。グラビアコンバーターはもちろん、ブランドオーナーを含めて、バイオファーストインキマーク制度の周知・普及を図っていく。
















【印刷新報2019年4月11日付掲載】
その他掲載記事
・フォーム工連・PODi・本紙 欧州印刷事情視察報告会
 展示会、企業訪問で収穫
・PrintNext2020 テーマは「人間力で世界価値を創造」
・図書印刷 オーダー・ブック・サービス「BON」開始
 無印良品銀座店内に常設コーナー など

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2019年4月4日付
全印工連、用紙問題で対応協議
解決へ向け社会に周知を


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)は、平成30年度第4回(臨時)理事会を3月26日にモトヤ東京本社で開催した。印刷用紙の値上げ・品不足を巡る緊急事態を受けて今後の対応について認識を共有したほか、各委員会の事業進捗報告が行われた。
 製紙各社による1月1日からの印刷用紙の値上げ実施に関して、全印工連が1月下旬に組合員に実施したアンケート調査では、回答1447社のうち過半数が用紙の品薄感を訴えた。その後も状況は改善されず、事態はさらに深刻さを増している。年度末、年度初めの繁忙期を迎えながら、用紙の供給不足により需要に対応できないという前代未聞の事態に陥った。その影響で、すでに上場企業の中には、通期業績予想の下方修正を余儀なくされたところも出ている。
 また、製造中止や受注生産への切替えによって慢性的な供給不足が続く再生紙に関して、全印工連ではグリーン購入法基本方針における印刷用紙の取扱いについて全日本印刷産業政治連盟を通じて特別措置を要請。それを受け環境省では、再生紙の調達が困難な場合は代替品の使用を認めることを3月22日に発表した。
 全印工連では、アンケート調査を再度実施して実態把握に努めるほか、企業と官公庁に対して理解を求める文書を組合員向けに配信した。
 製紙業界に対しては引き続き用紙の安定供給と説明責任を訴えていく方針だが、資材対策委員会の池田幸寛委員長は「ただ反対を唱えるだけでは何も変わらない。社会に対しても訴えていく必要がある」と指摘した。
 全印工連をはじめ印刷業界全体で声を挙げた結果、大手新聞やテレビ、ラジオ、ネット配信ニュースなど、各種メディアによる用紙不足問題の報道が明らかに増えてきた。印刷業界だけでなく、紙を必要とする生活者や企業が困惑しているという内容も含まれている。
 臼田会長は「各方面のマスコミに対して、紙が不足していること、その背景には値上げがあることを今後も広報していきたい」と述べ、引き続き社会的な周知に尽力していくことを強調した。
 いまだ製紙業界側から、供給不足への対応で正式なコメントはない。4月1日からは新聞用紙の一律値上げも実施された。印刷用紙に関する報道が盛り上がることで、需要家の側から需給不均衡に対する不満の声が上がり、製紙業界への圧力が増すこともありえる。















【印刷新報2019年4月4日付掲載】
その他掲載記事
・特別企画 CTP2019
・日印産連「デジタル印刷」調査報告会
 デジタル連携で顧客が変貌
・ミヤコシ 世界初の軟包装用水なしオフ機開発 など

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2019年3月28日付
環境省が再生紙の取扱いで柔軟対応
調達困難な場合、代替品の使用認める


 環境省は、グリーン購入法基本方針における印刷用紙の取扱いについて、再生紙の調達が困難な場合、代替品の使用を認める措置を講ずることを決め、運用文書を3月22日付で各府省庁や独立行政法人等に発出した。また、この決定を地方公共団体にも参考送付するとともに、環境省のホームページに掲載した。
 製紙会社各社は昨年来、再生紙の製造中止や受注生産への切替えを実施してきた。そのため、グリーン購入法の判断基準を満たす古紙パルプ高配合の印刷用紙の入手が非常に困難な状況が起きている。有力印刷通販会社の中にも、再生紙の在庫がなく、注文受付を停止したところがある。
 グリーン購入法関係省庁等連絡会議で決定した今回の文書では、「印刷用紙の調達が困難となる場合には、国等の業務・事業の継続を確保するため、当分の間、調達予定物品等の納入が難しいことを確認した上で、特定調達物品以外からの調達等、柔軟に対応することを確認する」とし、印刷用紙の購入に関して次のような仕様例を示した。
 『「環境物品の調達の推進に関する基本方針」に定める印刷用紙の「判断の基準」を満たすこと。ただし、当該「判断の基準」を満たす製品を納入することが困難な場合には、担当官の了解を得た場合に限り、代替品の納入を認める。』
 印刷用紙、再生紙の供給不足については、2月12日に開催された自由民主党中小印刷産業振興議員連盟(中曽根弘文会長)の総会で、全日本印刷工業組合連合会および全日本印刷産業政治連盟から「用紙動向調査結果」をもとに現状説明を行った。今年1月に全印工連が組合員に実施した調査では、自治体からグリーン購入法に適応した用紙を使うよう求められても、用紙が入手できず対応できないという実態が判明した。
 総会では、出席した議員の意見を受けて、環境省の担当官が「過去の運用例として、東日本大震災の後、再生紙が不足する中で、関係省庁の申し合わせとして(再生紙の購入に)柔軟に対応した例がある。そうした例に照らして、再生紙の供給の状況などについて関係省庁とも相談したうえで、早急に検討、対応したい」と発言していた。
 今回、柔軟な対応が図られることになったわけだが、再生紙を巡る状況は一時的な特別措置だけでは解決しない構造的な問題を孕んでいる。
 再生紙の原材料として大きな割合を占める新聞古紙は、国際情勢の影響などを受け、日本からの輸出量が急速に増加した。それにより、新聞古紙が国内に不足する状況が発生。価格も5割ほど急騰した。新聞発行部数の減少傾向も古紙不足に拍車をかけている。
 製紙会社が再生紙の製造で採算が取れないというのであれば、グリーン購入法の調達基準そのものを見直す必要がある。  問題は再生紙だけではない。印刷用紙全般にわたり品薄状態が続いており、需給環境の悪化が需要家に不便をもたらす事態が顕在化してきた。関連業界内にとどまらず、一つの社会問題として印刷産業を挙げて訴えていく重要なタイミングを迎えている。
















【印刷新報2019年3月28日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連シンポジウム「じゃぱにうむ2019」
 地域のハブとして貢献を 地方創生・事例紹介1
・グリーン購入法改定 新たに「水なし印刷」を追加
・FFGSグラフィックサプライ
 ザイコン社との提携を発表 など

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2019年3月21日付
東京都板橋区
印刷業が連携し区の産業ブランド化
大村製本でワークショップ開催


 東京都板橋区は、"産業都市「板橋」"のブランドを確立し、区内産業の活性化を図ることに取り組んでいる。その一環として、区の地場産業と言える印刷・製本業関連のプロジェクトを推進しており、3月27日には大村製本株式会社(齋藤和明社長、従業員53名)において、親子向けの絵本づくりワークショップを開催する。
         ◇
◆「印刷WG」の5社を中心に3つの事業プロジェクトを推進
 板橋区は2013年4月、区の産業の活性化を目的に、区内企業と区とが連携し、産業ブランド確立に向けて取り組む「板橋産業ブランド戦略会議(ブランド・コア)」を発足させた。板橋区には、産業都市としての高いポテンシャルを持ちながらもブランドイメージを確立できていないという問題意識があった。
 ブランド・コアでは、産業都市ブランド構築の具現化に向けて、区の代表的企業の経営陣が集結し、産業の活性化やネットワークの強化等について検討してきた。現在、ブランド・コアの下にワーキンググループ(WG)を設置し、区が歴史的に強みを持つ地場産業の「光学系」(光学・精密機器産業)と「印刷系」(印刷・製本産業)の2つのWGが、それぞれ具体的な施策の検討を行っている。
 印刷WGでは、区内印刷関連企業5社(田中紙工、オフセット岩村、大村製本、太陽樹脂工業、凸版印刷)が中心となり、板橋の印刷業が直面する課題を確認し共有するとともに、印刷業が有する資源や価値を再認識し、新たな活用の可能性を提起すること、そこから印刷業の今後の発展の方向と地域産業・地域社会との新たな関係構築につなげていくことを目指している。
 区が「絵本のまち板橋」を推進していることから、「印刷」と密接な関連があり、幅広い年齢層に親しまれる「絵本」をキーワードに話し合いを開始。そして、これまでのWGで出たさまざまなアイデアを基に、@絵本工場プロジェクト(絵本作り支援・印刷業界支援・活性化)、A絵本創作支援プロジェクト(ソフト・コンテンツ分野、作家支援)、B板橋絵本活用プロジェクト(福祉・教育分野との協働)を3本柱として事業を推進していくことになった。
 3月27日のワークショップは、「絵本工場プロジェクト」を実現するために企画されたもので、WG参加企業の1社である大村製本において、普段見ることのできない製本の現場を間近に見学し、さらに自分の手で実際に絵本を作る内容となっている。
 参加者は小学生(3〜6年生)を対象に募集、親子10組の定員に対し26組の応募があった。当日は、2つの班に分かれて製本工場見学、本づくり体験を行う。
 また、大村製本では3月25日から29日まで「出張!いたばしボローニャ子ども絵本館」が同時開催される。これは、イタリア・ボローニャ市から寄贈された世界約100ヵ国、2万6000冊の海外絵本を所蔵する「いたばしボローニャ子ども絵本館」や、絵本そのものを身近に感じてもらうことを目的としている。今回は外国語絵本と日本語に翻訳された絵本(大村製本にて製本)を約100冊並べて展示。読み比べることで、出版された国による表現の違いを感じることができる。













【印刷新報2019年3月21日付掲載】
その他掲載記事
・凸版印刷 新社長に麿 秀晴氏が就任
・「世界で最も美しい本コンクール」
 日本の作品に栄誉賞
・水性フレキソ促進協議会(仮称)設立へ など

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2019年3月14日付
全日本DM大賞
グランプリに自動化スキームDM
購入率・反応率に顕著な成果


 第33回全日本DM大賞(主催・日本郵便)の贈賞式が3月1日、東京・丸の内のJPタワーで開催された。グランプリは、カタログ通販大手ディノス・セシールの「最新テクノロジーで自動化へ! パーソナライズされた情報が欲しいタイミングで届くDM」が受賞した。  審査講評で恩藏直人審査委員長(早稲田大学商学学術院教授)は、戦略、テクノロジー、仕組みについて高く評価し、「まさしくデジタルとアナログを融合させた。もしDM年表があれば、2018年にはこの作品が刻まれる。そのくらい大きなターニングポイントとなる」と述べた。
■印刷用データ生成プラットフォームやAIにより
 DM制作を自動化
 グランプリ受賞DMは、通販会社の資産であるカタログやハガキなどの紙メディアを、最新デジタルテクノロジーと連携させて新たなDM施策として実現させたもの。@ECと紙をリアルタイムで連携させた「カート落ちDM」AAIを活用したコーディネート提案の「小冊子DM」─の2つの施策からなる。
 カート落ちDMでは、ECサイト「ディノスオンラインショップ」において、商品をカートに入れても購入に至らない離脱顧客に対し、顧客データや検討商品の情報を吸い上げたパーソナライズDMを最短24時間以内に印刷・発送する仕組みを実現。顧客アプローチのリードタイムを大幅に短縮できた。
 このシステムは、グーフのクラウド型全自動紙DM運用プラットフォーム「Print of Things」と連動し、日本HPのデジタル印刷機で自動出力する。ECと連携したデータを元に、パーソナライズされた印刷用データを自動生成し、すぐに出力できる形でデジタル印刷機へデータが送信される。
 一方の小冊子DMは、顧客が購入した商品に似たアイテムを着こなしている写真をインスタグラムからファッションAI「#CBKscnnr」が自動抽出し、パーソナライズした小冊子として発送。コーディネート提案のDM制作を自動化することに成功した。従来はメールで行っていたが、対象商品に限界があり、制作工程も複雑になる問題点があった。
 成果として、カート落ちDMでは、送らなかった顧客群と比べて購入率が約20%アップ。小冊子DMでは、ロイヤリティの上がりにくいWeb顧客層のレスポンスが約10%アップした。
 ディノス・セシールでは、「EC」とカタログやDM等の「紙」をリアルタイムで連携させたCRMを2018年4月から本格運用している。
 その背景には、たとえばカート離脱対策として一般的に、ユーザーごとのカートの中身に応じた内容のメール配信が行われているが、膨大なメールを受信する昨今、メール開封率が大きく下落している課題がある。
 今回の「カート落ちDM」の場合、メールと同等のスピード感で紙のDMにより顧客に対して商品レコメンド・購入促進を図ることで、新しい可能性を開拓した。
 2月28日に発表した「2018年 日本の広告費」の中で電通は、DMの最新の動向として「インターネットだけでは取り込めない顧客を、紙のDMで直接訴求することで取り込もうとするケースが顕著だった。『統合型ソリューション』が拡大している」と指摘。新しいトピックとして、特にカート離脱対策に触れた。












【印刷新報2019年3月14日付掲載】
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・製本加工特集
・新学科で人財育成強化 JPA
・Hunkeler innovationdays2019・本紙レポート など

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2019年3月7日付
佐川印刷/コアレックス
包装資材改革に共同で着手 資材のリサイクルを推進


 佐川印刷(木下宗昭会長、木下寧久社長、本社・京都府向日市)は、コアレックスグループ(黒ア暁代表)と共同で、同グループが製造・販売するトイレットペーパー製品の包装フィルムのリサイクルに着手する。同グループのSDGs(持続可能な開発目標)への取組みの一環として、パレットレス輸送ソリューションや、自然界に捨てられても微生物によって生分解される個包装フィルム、水性フレキソによるVOCレス印刷など一連の包装資材改革を2025年までに段階的に進め、海洋プラスチック汚染問題などに対応する。
■生分解性フィルムで海洋プラスチック汚染対策も
 コアレックスグループは、再生紙100%の家庭紙(トイレットペーパー、ティッシュペーパー等)を製造・販売する総合エンジニアリング企業体。包装フィルムのリサイクル計画は、同グループが2月27日に行った「SDGsレポート発表・報告会」の中で明らかにされた。
 報告会では、パートナー企業として参画した佐川印刷の宇山明彦専務取締役製造本部・品質保証部統括が、包装フィルムのリサイクルスキームや酸化分解型生分解性プラスチックについて説明した。
 佐川印刷は、2014年から軟包装事業に参入し、フィルム生成から水性フレキソ印刷、ラミネート加工まで一貫生産体制を敷いている。そうした中、コアレックスグループの包装資材改革に開発段階から深く関わり、@パレットレス輸送ソリューションの実用化A生分解包装フィルム生産の実用化B水性フレキソによるVOCレス印刷─などを共同で推進してきた。
 包装フィルムのリサイクルスキームでは、ノーパレット輸送に用いるフィルム、および家庭紙の外装フィルムを単一素材のポリエチレン(PE)にする。「単一素材にすることで、さまざまな形でリサイクルが可能になる」(宇山専務)という。
 工場から店舗等へのトラック輸送では、運搬量の増加・作業効率の向上を図るため、ノーパレット化を促進する。段ボールによる箱詰めの代わりに包装フィルム、ストレッチフィルムを使う。使用済みのフィルムは専門業者が回収し、洗浄・粉砕などの処理後、再ペレット化し、再フィルム化や再生材料による他製品としてリサイクルされる。
 個包装フィルムには、酸化分解型生分解性プラスチックを使う。天然原料(トウモロコシ等)に酸化分解を促す添加剤「P-Life(ピーライフ)」を加えて、化石原料に練り込んで製造する。熱(光)、空気のある自然環境に置くだけで酸化崩壊が進み、その後、土壌の微生物によって、水と二酸化炭素に分解される。そのため、ゴミ回収・焼却されずに捨てられても、自然に戻るため環境にやさしい。
 宇山専務は「テスト段階では、引っ張り強度、粘着性、溶着性など問題がないことを確認している」と述べ、早期実用化を目指していく考えを示した。
 黒ア代表は「本日、ようやく包装資材リサイクルのスタートラインに立った。まだ解決すべき課題はあるが、走りながら進めていき、SDGsの目標達成に少しでも貢献したい。志を同じくする仲間をできるだけ集めて、このリサイクルスキームを広げていきたい」と意欲を語った。
【2030年に向けたコアレックスのSDGs取組み目標】
・2025年までに段階的に達成
▽海洋プラ汚染問題解決に向けた包装資材改革
1. ノーパレット輸送のための包装機械の開発、包装資材の実現とリサイクルの促進を図る
2. 生分解包装フィルムの共同開発と導入により、廃棄物の大気・水・土壌への放出の削減に貢献する
3. 水性フレキソ印刷によるVOCレス包装フィルムの使用による揮発性化学物質の排出抑制と、CO2排出量の低減、作業環境の改善を行う











【印刷新報2019年3月7日付掲載】
その他掲載記事
・「ふくしまのいろ 色鉛筆」
 県のベストデザインコンペ受賞
・「タイアップファクトリー」(神奈川県川崎市)開設
 情報印刷/日本プロセス秀英堂
・第30回世界ラベルコンテスト
 日本から7社・8作品が入賞 など

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2019年2月28日付
page2019基調講演3
「企業価値を高める工場見学を考える」
リアルな体験に大きな強み


 page2019の最終日(2月8日)に行われた基調講演3「企業価値を高める工場見学を考える」では、オープンファクトリーで顧客との接点作りに取り組む企業の事例からそのリットや課題などが議論された。

三者三様のメリットと課題が語られた

 パネリストは、味の素グループ「うま味体験館」初代館長の山本恵裕氏、印刷業界から豊国印刷専務取締役の岡田秀樹氏と東洋美術印刷マーケティング部長の丸山博司氏の3名。モデレータは日本印刷技術協会研究調査部長の藤井建人氏が務めた。
 前段として印刷業界でオープンファクトリーが脚光を集めている背景について、藤井氏は「足で稼ぐ営業だけでは難しくなり、いかに工場を活用してマーケティングや営業を行っていくかを志向しているようだ」と述べ、従来の御用聞き営業から顧客に訪問いただく♂c業スタイルへとシフトしつつあることを指摘する。
 東洋美術印刷では2014年からオープンハウスを実施しており、毎年異なるテーマで自社のサービスやソリューションを披露している。昨年はデザイン制作部が中心となり「22人のデザインの現場展」を企画。クリエイターによる作品展や制作フローのパネル展示などを6日間にわたって行い、期間中には約150名が来場した。
 オープンハウスの目的を「サービスのデモンストレーションやリアルな仕事の現場を公開することで、理解を深めていただくこと」と説明する丸山氏は、活動を通じて得た気付きとして「お客様はわれわれが思っている以上に当社のことを知らない。ただ、知らないことが多ければ多いほどやる価値がある」と述べ、自社を深く知ってもらうことで既存顧客から新たな案件も生まれているという。
 B to B企業だけでなく、コンシューマ企業でも工場をメディアとして活用する事例は増えてきている。SNSの登場により、消費者は購買だけでなく情報拡散の担い手となっており、消費者に直接リーチしてファンに変える手段として見直されてきているからだ。
 味の素グループでは、うま味調味料「味の素」などの主力商品の歴史展示やオリジナルグッズの販売、大型スクリーンによる映像作品などを無料で体験できる「うま味体験館」を2015年にオープン。隣接した同社川崎工場での製造現場見学と併せて多くの親子連れに人気を博している。
 山本氏は、「SNSが普及しても、一番心を震わせるのはリアルな体験であり、その強さにバーチャルは勝てない。そして、リアルでの体験の場を提供するのが工場見学であり、非常に強いコンテンツになり得る」と強みを語る。
 その一方で、費用に対する効果測定の難しさは各社共通の課題のようだ。特にB to B企業のオープンファクトリーは母数が少なく、数値で効果を図ることが難しいため、丸山氏は「未だに効果的なKPIを決めきれていない」と課題を語る。  直接の顧客をターゲットとしている両社とは異なり、豊国印刷では印刷営業の舞台裏を描いた小説『本のエンドロール』(安藤祐介著)の取材協力等を行った縁から、版元である講談社との共同企画として読書ファン向けの見学ツアーを昨年10月に企画。初めての試みだったが、当日は約50名の読書ファンが詰めかけるなど盛況に終わった。
 岡田氏は、一般消費者と交流するメリットを「見学者は本作りの舞台裏に触れることで作り手(印刷・製本会社)への共感が生まれる一方、社員はファンとの交流を通じて仕事への誇りや自負が生まれた」と述べ、社員のモチベーションアップなどを挙げた。
 また、丸山氏からは課題を一つずつ解決しながら全社で一つの目標に取組むことから「チームビルディングに最適な題材だ」とも指摘されるなど、三者三様のメリットが語られた。
















【印刷新報2019年2月28日付掲載】
その他掲載記事
・キャッシュレス市場拡大に熱い視線
・全青協 第32回全国協議会
 「ハイ・サービス」実践の年に
・活版印刷、30年ぶりに復活
 櫻井印刷所(埼玉県川越市)で など

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2019年2月21日付
官公需対策協議会
知的財産権の取扱い明確に
コンテンツ版バイ・ドール契約など情報共有


 全日本印刷工業組合連合会の官公需対策協議会(白子欽也議長)は、第5回全国協議会を2月6日に東京・東池袋のサンシャインシティ文化会館で開催した。各県工組の官公需対策委員など20名が出席し、3時間にわたり官公需における「知的財産権」の取扱いについて情報を共有し、今後の具体的な活動について意見交換を行った。
 コンテンツ版バイ・ドール契約を中心とした依田訓彦幹事のセミナーでは、全国の官公需における契約書・仕様書で、納入する印刷物やデータに係る著作権の無償譲渡を求める例、その取扱いの目的が不明確な例が当たり前に見られる実態を改めて指摘したうえで、著作権が印刷会社の大切な財産であることを国に認識させた全印工連の過去の活動成果を紹介した。
 2017年7月に閣議決定した「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」には、知的財産権の財産的価値について十分留意するよう追記された。2018年度の基本方針にも同様の内容が継続して盛り込まれ、経済産業省では地方公共団体に対する啓発パンフレットにも明記している。
 依田幹事は「基本方針」の解説文の要点として次の3点を挙げた。
◆受注者の知的財産権の財産的価値への配慮(権利の無償譲渡・利用の適正化)
◆発注者の知的財産権の権利範囲(利用目的・媒体・数量・期間など)の明確化
◆コンテンツ版バイ・ドール契約の推進
 このうち3点目は、一律の権利譲渡の見直しと事業活動でのコンテンツの二次活用促進を目的としており、米国のバイ・ドール法が下敷きとなっている。国が委託等によって制作するコンテンツについて、制作された知的財産に係る権利(知的財産権)を、一定の条件の下で受託者に残す契約形態を指す。それにより、受託者(印刷会社)が自社で創作した著作物(デザイン、イラスト、写真等)の権利が手元に残ることになり、良いものを創ろうとするインセンティブが働くうえ、他のビジネスへと展開を図る可能性が開ける。
 経済産業省では、印刷物契約用のコンテンツバイ・ドール条項入りの契約書フォーマットをWebで公開している。しかし、膨大な中身であり、通常の印刷物取引においては実用性に欠けることから、官公需対策協議会では具体的な仕様書の例として、次のような案を提示した。
 「本業務に伴う著作権は、コンテンツバイ・ドール制度を適用し受注者に帰属することとする。
 ただし、発注者は、ホームページへの掲載と内部資料として活用する場合に制限し、成果物のPDFの提出を求めることができる。それ以外の利用(例えば、著作権の譲渡及び二次利用)については、別途協議をすることとする。」
 ※全印工連発行『大きく変わる知的財産権の取り扱い〈コンテンツバイ・ドール契約〉』より
 この提案例では、実務において生じると考えられる発注者側の要望や、印刷物制作のための利用許諾を超える範囲の利用についても考慮した内容としている。
 セミナーのまとめとして依田幹事は、出席者に次のように呼びかけた。
 「国の契約の基本方針の内容を正しく地方公共団体に伝え、発注者と受注者が考え方と情報を共有しながら、具体的な契約の中で実現していくよう互いに理解しあうことが重要だ。本日紹介した仕様書の案を持ち帰って、それぞれの地元で行動してほしい。知的財産権を受注者に残すコンテンツバイ・ドール契約を活用して、二次利用などで地域や国の経済を活性化していく好事例を早く作っていきたい」
 白子議長からは「厳密に権利処理を運用すると相当なコストと手間がかかる。受注者に権利を残した方が調達コストを削減できる。著作権フリーの画像・イラストなどの扱いで、後から高額な著作権使用料を請求される自治体のケースも全国で報告されている。フリーとは著作権放棄を意味するのではなく、著作者が認めた利用条件の範囲内で著作権料を払わなくても利用できるということだ。コスト削減とトラブル回避の両面からコンテンツバイ・ドール契約を説明すると行政は納得しやすい」と補足した。
 全国協議会では、秋田県印刷工業組合と秋田県担当者との継続的な話し合いによる成果として、2017年4月から著作物を含む印刷物の納品について、「受注した印刷物に県以外の者が権利を有する写真、イラスト等の著作物を使用した場合は、成果品の納品時に、著作物の出典、利用にあたっての禁止事項等を明示した書面を提出」するよう求め、印刷物の中にある著作物の権利を明確化する取組みが行われていることが報告された。
 また、仕様書とは別に、「本当に著作権の譲渡が必要か」、「どんな目的でいつ使うのか」等、簡易チェックリストを渡し、契約内容を見直す機会を自治体に提供している富山県の印刷会社の発表もあった。











【印刷新報2019年2月21日付掲載】
その他掲載記事
・輪転ビジネス特集
・意欲を高め、真の働き方改革へ page2019基調講演より
・「働きがいのある会社」ランキング
 水上印刷がランクイン

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2019年2月14日付
中小企業庁 「長時間労働に繋がる商慣行調査」
繁忙期・短納期とも「印刷」で高い発生割合
下請へのしわ寄せ等、課題を整理


 中小企業庁は2月1日、「長時間労働に繋がる商慣行に関するWEB調査」の結果概要を公表した。同調査は、ワーキンググループにおける議論などから、長時間労働に繋がる商慣行として「繁忙期対応」と「短納期対応」が挙がったことを受け、その背景にある実態の把握を目的に緊急実施したもの。2018年12月に中小企業7642社に対してWebによるアンケートを行い、2537社が回答した(回答率33.2%)。うち、「印刷産業」は72社、「紙・紙加工品産業」は36社。全体の約42%を製造業が占めた。
 繁忙期が発生する企業の割合は、全体平均で71%。「建設業」では93%に達し、次いで「食料品製造業」89%、「印刷産業」88%、「トラック運送業・倉庫業」88%、「紙・紙加工品産業」83%と、ここまでが8割超。
 繁忙期の主要取引先は、「印刷産業」では小売業・行政、「紙・紙加工品産業」では食料品製造業・印刷産業・小売業となっている。
 発生要因としては、「問題のある受発注方法の常態化」や「年末・年度末集中」が挙がった。
 回答企業の声として、
・親事業者の働き方改革実施により年末年始に発注が集中したため、三が日も操業した。今春の10連休の対応が心配である(印刷産業)
・国は平準化を推進していると言うが、実際は自治体等の発注は年度後半に偏り、繁忙期となる。地域での発注の平準化が必要(技術サービス産業)
などが紹介されている。
 短納期受注が発生(直近1年間)する企業の割合は、全体平均で60%。「印刷産業」89%、「紙・紙加工品産業」88%と、21の業種細分類の中でこの2業種が最上位。いずれも短納期の主要取引先は繁忙期の場合と同じである。
 発生要因としては、「納期のしわ寄せ」、「多頻度配送・在庫負担・即日納入」といった課題が挙がった。
 回答企業の声として、
・顧客満足を優先で取引先の大企業が短納期を受けるため、こちらも短納期にならざるをえない。繁忙期であっても通常期より短い納期依頼が平気である(素形材産業)
・前注文なしに必要なものを必要な時にもってこいという商習慣が蔓延しており、取引先もやられているからと、当社に強要してくる(紙・紙加工品産業)
などが紹介されている。
 また、2019年1月から実施中の下請Gメンによる働き方改革に関するヒアリング調査からも、「親事業者の残業時間の制限により、親事業者内で処理できない仕事が増え、当社に回ってくる。今後、中小企業でも時間外規制が導入された場合、このような仕事をどこが対応するのだろうか」(自動車産業)といった具体的な声が出ている。
 親事業者の働き方改革に向けた取組み(残業時間の制限、業務量削減、勤務時間管理の厳格化、業務平準化など)により、下請事業者にしわ寄せが起きている実態が浮かび上がる。

■具体的な対応策を関係省庁に要請
 中小企業庁では、働き方改革関連法の施行に向けた今後の対応について、今回の緊急調査の結果を踏まえ、繁忙期や短納期の発生要因を3つの課題(納期のしわ寄せ/受発注方法/官公需発注の特定業界への影響)として整理。各業界を所管する省庁により、速やかに自主行動計画の改定要請や企業への周知徹底等の具体的な対応策を実施する方針を打ち出している。
 各課題に対する改善策として挙げられた内容は次のとおり。
【納期のしわ寄せ】
 前工程の遅れが下請企業へのしわ寄せとなっていることを踏まえ、
・発注計画の明確化
・納期の適正な見直し対応等を行う
【受発注方法】
 川下企業からの要望がサプライチェーン全体へ及ぶことを踏まえ、
・川下企業は取引先に対して過度な対応を求めていないか再確認
・取引先との協議を通じて適切な納入期日の設定等を行う
【官公需発注の特定業界への影響】
 年末・年度末の工期設定が繁忙期発生に繋がっている実態を踏まえ、
・地方自治体レベルでの調達実態を把握
・地方自治体等へのより一層の周知の徹底等を行う
 ※官公需発注に関しては、印刷、情報処理、建設等の各業種について、「現在所管省庁と連携してヒアリングを実施中」と注記あり。










【印刷新報2019年2月14日付掲載】
その他掲載記事
・page2019 業務の自動化に注目
・今家印刷(埼玉県)、仙台工場(宮城県名取市)を新設
・ICタグ活用で実証実験 食品ロスなど課題解決へ
 大日本印刷/経産省/NEDO など

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2019年2月7日付
〈全印工連 CMYKプロジェクト〉
世の中の要望をカタチに―
全プロダクトを初公開、SNS等で若者に訴求


 (1月31日付)
 全日本印刷工業組合連合会の産業戦略デザイン室が昨年度から進めてきた新たな広報・ブランド構築活動が具体的な形を伴い、1月17日に本格的な対外広報プロジェクト「大喜利印刷」としてスタートした。"こんなものがあったらいい"という思いに応え、まだ世の中にない製品を現実にし、アピールしていく。印刷会社のクリエイティビティとホスピタリティを印象づけ、業界全体の活性化を図ることが狙いだ。
 特に、次世代の若者やビジネスパーソンたちに未来志向の印刷業の魅力を認知してもらうため、Web動画やSNS等による拡散で話題づくりを目指す。また、記事等のメディア掲載で印刷業界への注目度を高める。
 昨年、全印工連から選抜された実験的クリエイティブユニット「CMYK」が発足した。三共印刷所(福島市)、篠原紙工(東京都江東区)、nakabi(石川県金沢市)、平山印刷(沖縄県豊見城市)の4社を中心としたユニットでは、ツイッター上にある「あったらいいな」のつぶやきに着目。その声に応える形で企画立案を行い、斬新なプロダクトの制作に取り組んだ。その結果、大量に排出される印刷廃材を再利用し、ユニークなアイデアと技術を掛け合わせた計9点のプロダクトが誕生した。
 全印工連では、1月17日に全プロダクトをWeb上で公開するとともに、複数のWeb系メディアに対してリリース配信した。東京・渋谷のFabCafe MTRLでは2月5日まで作品を展示している。
 第一弾のプロダクト9作品は、早弁専用ゴーハン英和辞典/パラパラまんがマシン「P16号」/紙ナプキンメモ帳/押し鉄巻物/印刷屋さんの芳香剤/ガムテープ文字ジェネレーター/ワンプ de…/障子の星空/HALTONE。詳細は「大喜利印刷」Webサイト(https://oogiri-insatsu.com/)で公開中。また、各プロダクトともご縁≠ノかけてアイデアを5円で販売する。
 プロジェクトでは今後も、印刷業界が社会の課題解決を担う集団であることを周知していくため、ツイッター上で「お題」を募集し、新たなメンバーを含む全国の印刷会社が要望に応えて製品化していく。


斬新な9作品を世に出した
プロジェクト第一弾「大喜利印刷」

(2月7日付)
 全日本印刷工業組合連合会は、新たな対外広報戦略としてCMYKプロジェクトによる「大喜利印刷」の展開を開始した(1月31日付既報)。1月29日に日本印刷会館で記者発表を行った。
 全印工連では、感性価値創造事業の一環として、2008年12月にパリ・ルーブル宮で開かれた「感性展」に組合員6社がデザイナーと組み作品を出展した。臼田会長は「日本のクリエイティブ力、ものづくり力に大きな反響があった。一番驚いたのは、その反響を知った日本の印刷業界のメンバーだった」と振り返り、「10年経った今、われわれはブランド・スローガンとして『Happy Industry』を掲げた。印刷産業は人々のお悩みにしっかり対応し、サービスを提供する産業であり、人々の暮らしがある限り必要とされ続ける。いつの間にか、印刷はなくなるのでは、といった風潮が出ているが、誰がそうしてしまったのか? このたびのプロジェクトは、世の中の課題を解決するわれわれのノウハウを形に表したものであり、印刷業のポテンシャル、魅力を、業界の内だけでなく、外に向けて発信していく仕掛けの一つになる」と語った。
 産業戦略デザイン室の滝澤光正委員長(全印工連副会長)は「印刷業に対する世間のイメージと、われわれができることが乖離していて、ソリューション・プロバイダーに脱皮する上での足かせとなっている。CMYKのプロジェクトを通じて、印刷会社にこんな柔らかい発想があるのだと知ってもらい、業界のネガティブイメージをくつがえせたらいい」と期待を述べた。
 また、産業戦略デザイン室の瀬田章弘副委員長は「世界最古の印刷物を生み出した歴史ある日本の印刷は、戦後になって早く、安くを追い求め、自社の利益ばかりに目を奪われた。人々を幸せにし、社会に貢献するという原点回帰の取組みがCMYKだといえる。大事にしたのは、一つは話題性、もう一つは印刷廃材を利用した作品であるという社会性。特に20代、30代のビジネスパーソンに気づきを与え、印刷業への期待を持ってもらいたい」と解説した。
 プロジェクトの経緯と、ツイッター上でつぶやかれたニーズに応えた「大喜利印刷」プロダクト9作品の説明は、パートナーとして協力した潟Rネルの出村光世社長が行った。詳細はWebサイト(https://oogiri-insatsu.com/)で公開している。1月17日のリリース以降、すでに多くの反響があるという。
 全印工連では、4チームにより制作された今回の9作品を、3月8日から17日まで米国テキサス州オースティン市で開催される世界的なクリエイティブフェスティバル「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」に出品する。















【印刷新報2019年2月7日付掲載】
その他掲載記事
・2018年度出版市場 5.7%減の1兆2,921億円
・話題 地動説革命に印刷あり
・電子チラシサービス「Shufoo!」 月間4億PVを突破 など

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2019年1月31日付
アイ・シー・ラボ
「個別原価・利益算定ツール」を開発
業務の実態を反映し高い精度
経営改善ツールとしての活用を提案


 株式会社アイ・シー・ラボ(川口福太郎社長)は、開発を進めてきた「印刷個別原価・利益算定ツール」および印刷業統合管理システム「PRINOVA(プリノバ)」を完成したことから、1月18日に東京・渋谷の本社において記者発表を行った。製造固定費を「時間単価×作業時間」によって算出、原価を財務諸表の各費目単位で算定するなど、仕事の実態に合わせた個別案件ごとの正確な原価算定を特長としており、企業の経営力を強化する改善ツールとして活用できる。同製品は、2月6日から8日まで開催されるpage2019の日本フォーム印刷工業連合会ブース内に出展され、実際に体験できる。また、2月7日(15時45分〜17時45分)に行われるpageカンファレンス「見える化から始める収益改善〜見積り編」にアイ・シー・ラボが登壇する。

記者発表で開発コンセプトを語る川口社長(右)と
日本フォーム工連の山口専務理事

■印刷個別原価・利益算定ツール
 アイ・シー・ラボは、2008年に事業を開始し、印刷会社向けにコンサルティング業務を手がけている。
 現在、日本フォーム印刷工業連合会が取り組んでいる経営力向上活動(寺子屋プロジェクト)の一環として、関東フォーム印刷工業会では管理会計勉強会を3年前から継続的に実施しているが、これもアイ・シー・ラボが企画・運営してきた。「印刷個別原価・利益算定ツール」は、日本フォーム工連との取組みを通して開発された。
 案件ごとに、見積金額、主要費目の金額、作業時間の各情報を入力。加えて、会社の財務データ・労務データ・設備データなどを基に、費目別のコストを計算することができ、従来の見積ソフトに比べ原価および利益の精度が高まる。また、Excelファイルによる提供のため、導入費用を低く抑えられ、各社の実態に合わせたカスタマイズも容易に行える。
 主な特長として次の点が挙げられる。
▽製造固定費(工賃)を構成する労務費や設備費を、「枚数単価×通し枚数」の考え方ではなく、原価自体を積算する「時間単価×作業時間」によって算出している。
▽販管固定費の各費目について、実態に沿った配賦ルールを詳細に設定できる(案件按分、時間按分、売上按分)。
 同ツールを活用することで、個別案件の費目別コストインパクトを把握でき、各社が従来使用してきた見積りソフトで算出した原価・利益の実態とのギャップなども明らかとなる。
 また、信頼性の高い原価(利益)を基にした見積金額設定や、予定原価と実績原価の比較も可能になる。
 すでに、開発の過程で全国の複数の印刷会社において導入・運用されており、次のようなコメントが聞かれたという。
・根拠を持った値決めができる
・価格競争が厳しく、これまで(社内見積ソフト算出の)社内標準売価の8割の金額で薄利受注していると考えていた案件が、ツールで計算すると赤字案件であることが分かった
・現在取引している複数案件について、案件ごとの原価を分析してみた結果、利益が大きい(=コスト競争力が高い)案件ジャンルがあることに気づいた
 「印刷個別原価・利益算定ツール」は、フルパッケージの価格が100万円前後、ライトパッケージも用意している。

■印刷業統合管理システム「PRiNOVA」
 アイ・シー・ラボでは、基幹システムの設計・導入の支援も行っており、これまで蓄積したノウハウを基に印刷業統合管理システム「PRiNOVA」を開発した。一般に、業務管理を目的としたMISが多い中、「PRiNOVA」は、印刷会社の日々の業務改善と経営変革を目的とした全社的なインフラとしての機能を主眼としている。
 「時間チャージ×工程別標準作業時間」でコスト計算を自動で行い、工場での想定コスト積算と見積原価が同期しているため、製造固定費、販管固定費の算出を精緻に行うことができる。見積時点で信頼性の高い原価・利益指標が得られる点が最大の特長だ。原価を変動費(外注・仕入額)、製造固定費、販管固定費に完全に区分して積算するため、実態に合った付加価値額(限界利益)、想定営業利益を算出できる。
 また、「PRiNOVA」の運用は、「原価管理→見積・受注管理→工程管理→日報管理」のPDCAサイクルを回すことにつながり、実績値を加味した適正な標準原価の維持・管理を全面サポートする。
 印刷会社にとって、
・標準原価と実績値に乖離がある工程を抽出し、原価見直しのポイントが提示される
・機械別や工程別・個人別の能力評価により、生産性向上に向けて改善点を可視化できる
といったメリットもあり、経営力の強化に活かすことができる。
 案件進捗状況はリアルタイムで表示され、全社で最新の案件情報を共有できるため、スピード感をもって業務効率の改善を図れる。
 川口印刷における運用成果について川口福太郎社長は「採算ラインを正しく把握でき、受注判断で迷うことが減った。会社のリスクや営業のストレスの減少につながっている。失注案件データも蓄積できるため、それらを分析することで設備投資判断や生産計画判断に活かせる。利益をつくるシステムとしてご活用いただきたい」と話す。
 また、日本フォーム印刷工業連合会の山口実専務理事は「寺子屋プロジェクトでは、経営シミュレーションゲームなどを通じて社員一人ひとりが経営について学んでいる。適正価格で入札するために、個別案件の原価・利益管理が極めて重要であることが見えてきた。安売り合戦で、入札の競争には勝つが赤字であっては意味がない。なんとかしたいという思いから、このたびの製品が開発された。中小企業でも無理なく使いこなすことができる。価格決定のためのツールであると同時に、経営力強化のための改善ツールであることをご認識いただきたい」と話す。














【印刷新報2019年1月31日付掲載】
その他掲載記事
・特集 page2019
・「大喜利印刷」展開 SNSなどで次世代に訴求
 全印工連・広報プロジェクト
・2019年各地で新年会 など

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2019年1月24日付
廣済堂、外資MBOを受け入れ
株式非公開化で改革推進


 株式会社廣済堂(土井常由代表取締役社長、以下「廣済堂」)は1月17日、同日開催した取締役会において、マネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる株式会社BCJ−34(杉本勇次代表取締役)による廣済堂の東証第1部上場普通株式に対する公開買付けに関して、賛同する意見を表明すること、また、廣済堂の株主に対しては、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したと公表した。この取締役会決議は、BCJ−34が公開買付けおよびその後の一連の手続きにより廣済堂を完全子会社とすることを企図していること、ならびに廣済堂の株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたもの。公開買付け等の期間は2019年1月18日から3月1日まで。価格は普通株式1株につき金610円。
 株式会社BCJ−34は、国際的投資会社であるベインキャピタルグループが投資助言を行う投資ファンドが発行済み株式のすべてを間接的に所有する株式会社BCJ−33の完全子会社で、廣済堂株式のすべてを所有することを目的に2018年12月に設立された。
 廣済堂グループは、子会社14社、関連会社2社で構成され、印刷、IT、人材、出版、葬祭等の各事業を展開している。コア事業である印刷事業をはじめ、需要の減少や採算の悪化などが進み、早期の事業構造改革が必要な状況にあった。
 廣済堂の発表によると、2018年6月に就任した土井常由社長は、限られた経営資源のもとで多岐にわたる施策を実現することは困難であると判断。また、事業構造改革の推進にあたり、短期的に株価にマイナスの影響を及ぼす可能性は否定できないことから、上場を維持したままでの施策の実施は困難であるとの認識に至った。ベインキャピタルをスポンサーとし、資本を再構成し非公開化した上で、社外からの人材や経営ノウハウも活用し、新しい経営体制のもとで中長期的な成長を目指す。
 印刷事業においては、成長分野(フレキソ印刷、デジタルサービス)の拡大、上流工程(マーケティングソリューション等)への進出、内製化率の向上など、人材関連事業においては人材紹介・人材派遣分野へのシフト、葬祭事業においては終活ビジネスへの取組み強化などを成長戦略に挙げている。














【印刷新報2019年1月24日付掲載】
その他掲載記事
・デジタル広告がテレビ抜く
 電通・世界の広告費成長率予測
・政府支援施策に期待込め JPMA新年会
・印刷・情報用紙3.9%減
 製紙連「2019年紙・板紙内需試算」 など

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2019年1月17日付
全印工連/日紙商
メーカー、代理店に初の共同要望書
用紙値上げ「社会への説明責任を」


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)と日本洋紙板紙卸商業組合(柏原孫左衛門理事長)は、製紙メーカー各社の1月1日出荷分からの一斉値上げ表明を受け、初の連名による要望書を作成し、12月下旬に主要製紙メーカー7社、主要代理店9社に提出した。関連産業界が一致協力し、新しい経営環境の確立に向けて共通の思いと話し合いの場を持つこと、および、今回の値上げについて、印刷業界、紙流通業界、およびエンドユーザーなど社会全体に対して、十分な説明責任を果たすことを求めた。


臼田会長(右)と柏原理事長

 両団体は、昨年12月28日に日本印刷会館で共同記者発表を行った。全印工連から臼田会長、池田常務理事(資材対策委員長)、日紙商から柏原理事長、川地専務理事が出席した。
 臼田会長は、要望書の目的について次のように説明した。「売り手、買い手の関係を超えた二人三脚のパートナーとして、関係業界の安定基盤を築くために協調していくことが大事であり、日紙商と協業した。環境が整備されていない中での値上げ実施は現実的ではない。地方の印刷会社ほどダメージは大きく、地元の要望に応えられない事態も起こる。需要家、とくに官公庁、出版関係、一般消費者に、われわれの価格転嫁を認めていただく機運を醸成し、価格の適正化を図るために共同声明を出した。メーカー・代理店には環境づくりを実行に移していただき、今後は同じテーブルに着き、公明正大な話し合いを望みたい」
 また、柏原理事長は「印刷用紙の需要が減少している中での値上げは、われわれの業界のみならず、社会全体に与える影響が非常に大きい」「全印工連とは互いに良好な関係構築に努め、情報共有を図ってきた。そうしたベースがあって共同要望書が実現した」と述べた。
 続いて、全印工連の池田常務理事が要望書を読み上げ、「官公需の3分の1は毎年3月に集中する。年度契約も多く、今から紙の値上げ幅を上乗せすることは無理。印刷会社が吸収せざるをえず、エンドユーザーの理解を得られなければより厳しくなる。メーカー・代理店にはしっかり説明責任を果たしていただきたい」とコメントした。
 メーカー・代理店計16社に対しては、12月21日から27日にかけて日紙商の柏原理事長と役員が、11社に直接、5社に郵送で要望書を届けた。
 要望書では「紙の素晴らしさや不変的な価値と併せて、今回の価格修正ならびに改定幅について、印刷業界、紙流通業界、そして何よりも紙を必要としているエンドユーザーなど社会全体に対して、明確で分かりやすい説明責任を果たしてほしい」と求め、新しい時代に相応しい、新しい経営環境の確立に向けた道を切り開く『志』"について促した。
■共同要望書の提出先
【メーカー】王子製紙、北越コーポレーション、大王製紙、日本製紙、三菱製紙、中越パルプ工業、丸住製紙 【代理店】三菱製紙販売、日本紙パルプ商事、国際紙パルプ商事、新生紙パルプ商事、北越紙販売、日本紙通商、旭洋、シロキ、東京紙パルプ交易













【印刷新報2019年1月17日付掲載】
その他掲載記事
・印刷産業の変革に邁進 日印産連 新年交歓会
・「生産性革命事業」で設備投資後押し
 経産省19年度予算・18年二次補正
・日印産連 「じゃぱにうむ」事例発表会
 3月18日、大日本印刷・五反田ビルで など

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2019年1月3日付
太陽堂印刷所 米アワードで最優秀賞
複雑な税務関係書類の封入作業を大幅に改善


 高機能、多機能を加えた帳票や印刷物の開発・製造で知られる株式会社太陽堂印刷所(日暮秀一社長、本社・千葉市中央区)は昨年10月、米国PSDA(本部シカゴ:Print Services & Distribution Association)が主催する「2018 PEAK(Print Excellence and Knowledge) AWARD」で"WINNER"に選ばれた。受賞案件は、複雑な封入封緘作業を同社独自の技術で正確かつ大幅に効率化し、自治体のコスト削減に貢献したもので、その革新性が高く評価された。システムは、平成28年度補正ものづくり補助金を活用して開発・導入した。ものづくり補助事業の顕著な成功事例として注目される。
            ◇
◆10人×4日の手作業が自動化で4時間に
 太陽堂印刷所が「PEAK AWARD」を受賞したのは今回で9回目。ほぼ毎年応募を続け、最優秀賞の受賞も4度目となった。PEAK AWARDは、優れた付加価値のある製品やサービスを提供することにより顧客の課題を解決した印刷会社の仕事を称える賞であり、太陽堂印刷所では、海外で客観的な評価を受けることが自社の経営や開発の方向性を測る指標になると考えている。
 2018年は14の案件が受賞した。太陽堂印刷所の受賞案件は、「市民税・県民税特別徴収」に関する決定通知書・納入書・領収証書・給与所得明細・説明書など関係書類のデータ印字から封入点数のマッチング、封入封緘に至るまでの一連の業務の大幅な効率化と誤封入対策である。給与支払者が個人住民税を給与から天引きし、従業員の代わりに市町村に納入する特別徴収で使われるもので、所得額等の重要な個人情報が記載されていることから誤封入が許されない上、封入点数が一定でないため非常に複雑な作業となる。自治体には、以前から作業の機械化を望む声があったが、当然ながらシステム設計は複雑であり、投資額も大きい。現状では全国のほぼすべての自治体が手作業で行っている。
 太陽堂印刷所では自治体の抱える悩みを解決すべく検討を始めた。機械メーカーに相談し、業務内容を分析しながらシステム構造上の課題などを洗い出す中で、誤封入の完全防止の可能性が見えてきた。そこで開発に乗り出すことを決め、平成28年度補正ものづくり補助金の申請を行い採択され、3000万円(うちIoT特別加算2000万円)の補助を受けた。
 導入したシステムの特長について、営業部の永尾計典部長代理は次のように話す。「角2の封筒で厚さ1センチまで対応する。15桁のOCR番号をセンサーで自動的に読み取り正確なマッチングを行う仕組みのほか、計算した用紙の重量と個別封筒の重量の照合検査による二重チェックで誤封入を完全に防止する。100分の1グラムまで検知できる。履歴情報はログとして保存され、IoTで追跡できる」。
 加えて、自動化は劇的な作業改善をもたらした。高田敏夫専務取締役は「平成30年度の受託業務では、9万人規模の地方都市で、10人のスタッフが4日間かけていた作業がわずか4時間で完了した。千葉市では従来、50人で4日間かかっていたが、大幅な作業負荷軽減、コスト削減、納期短縮により高い評価を受けている」と話す。
 30年度は、千葉市ほか複数の自治体の特別徴収案件に新開発システムで対応した。31年度はさらに上積みを見込む。
 特別徴収関係の封入物には糊ブッキング、はがき圧着など複数の技術が使われており、太陽堂印刷所が長年培ってきたベースがあればこそ受託につながっている。
 高田専務は「健診関係の書類などにも特別徴収と似たような課題があり、応用が利くのではないか」と期待する。
 太陽堂印刷所は29年度補正ものづくり補助金でも採択され、すでに新しい機械を導入済みだ。同社にとって5回目の活用事例であり、ものづくり補助金が経営革新に大いに役立っている。
 これまで印刷業界の動向を見続けてきた千葉県中小企業団体中央会の福永正昭工業連携支援部長は「申請書類の作成を難しいと感じる経営者の方も多いようだが、ものづくり補助金にぜひ挑戦していただきたい。採択率は40%前後あり、採択された場合のメリットは非常に大きい。導入の目的を明確にして、余分なスペックを盛り込みすぎないこともポイントになる。できれば経営者が自分で書類を書くと、頭の整理ができ、会社の方向性もはっきりする」とアドバイスする。












【印刷新報2019年1月3日付掲載】
その他掲載記事
・2019年新年特集号
 ・山本一力氏講演「刷ればこそ」
 ・「オープンファクトリーのススメ」
  望月印刷、篠原紙工の取組み
 ・行く平成、来る新時代 印刷業再スタート
・第55回光文堂新春機材展特集 など

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2018年12月20日付
【本紙が選んだ2018年十大ニュース】
社会課題への対応迫られる
働き方改革、省人化技術など進展


「印刷新報」が選んだ2018年十大ニュース

@IGAS2018で「スマートファクトリー」化の流れ
AAI、IoT、ロボットなど印刷業界でも導入進む
B働き方改革に関する啓発活動が活発に
C物流コスト上昇が経営を圧迫
D海洋プラスチック問題への対応求められる
E「SDGs」への意識、企業や団体に広がる
F大日本印刷で39年ぶりに社長交代
G印刷通販企業が相次いで上場
H日印産連が「知財公開フォーラム2018」を開催
I「フレキソ・ジャパン2018」開催、
 フレキソ印刷の機運高まる
            ◇
 2018年の印刷業界は、労働人口の減少が本格化してきた日本社会の大きなうねりを反映し、人手不足を克服するための働き方改革への対応を迫られた。AI、IoT、ロボットを活用した省人化・省力化の試みも活発だった。海洋汚染問題に端を発した世界規模での脱プラスチック運動の影響、SDGsへの意識の高まりなど、産業界にも社会課題が密接に関わってきている。
 そうした中、3年ぶりに開催されたIGAS2018(7月26日〜31日)が「国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展」と名称も新たに、6日間で5万5863人の来場者を集めた。工程全体をスムーズに連携し、自動化・省人化を極限まで追求する「スマートファクトリー」構想が多くの出展者から具体的な形で提示され、統合ワークフローの仕組みが注目を集めた。また、デジタル印刷機メーカーと後加工機メーカーの共同プレゼンテーションなど、企業間連携の動きがさらに広がった。
 日本印刷産業連合会は、国際印刷フォーラムをはじめとするFAPGA(アジア印刷会議)の一連のイベントをIGASに合わせて開催した。
 省人化・省力化を実現するAI、IoT、ロボットの活用が印刷業界にも拡大している。2019年は、業務への具体的な応用事例が数多く出てくるものと予想される。情報収集に努めたい。
 多くの企業・団体で「働き方改革」に関する啓発イベントや勉強会などが行われた。働き方改革法案の成立で2019年4月から「有給休暇の5日取得義務化」なども始まる。特に、人材が限られる中小印刷会社にとっては、業務の効率化、ダイバーシティ経営などが必須の取組みとなる。全日本印刷工業組合連合会では、「幸せな働き方改革プロジェクトチーム」を発足し、業績拡大を最終目標に置く2年間のプロジェクトを精力的に推進している。
 ガソリンの高騰やドライバー不足による物流コスト上昇が経営を圧迫し始めた。大手印刷会社や大手取次が共同物流を進めている。8月21日に開催された東京都トラック協会の出版・印刷・製本・取次専門部会は「現実味を帯びる出版物輸送からの撤退」という刺激的なテーマで開かれた。
 脱プラスチックの動きが社会に広がり、ペットボトル飲料やストロー、レジ袋等の削減に企業や自治体が動き出した。海洋プラスチック汚染の解決に向けて、2019年1月には大日本印刷、凸版印刷ほか化学メーカー、飲料メーカーなどから成る企業連合が設立され、3Rへの取組みや代替素材の開発・導入などを進めていく。日本印刷産業連合会は、「プラスチックごみ問題研究会」を発足させ、印刷業界への影響を見極めながら、取組みを推進していく。
 同連合会は、SDGs(持続可能な開発目標)を今年度事業の柱とし、持続可能な社会の形成に向けて印刷産業の社会的責任を果たしていく姿勢を打ち出した。
 大日本印刷では、6月28日開催の取締役会で、代表取締役社長に北島義斉氏が就任した。北島義俊氏から39年ぶりの社長交代となった。北島義斉社長は「主体的に変化を生みだし、変革への挑戦を続けることで、『第三の創業』を実現したい」と抱負を述べた。
 ラクスルが5月31日にマザーズ市場、プリントネットが10月18日にジャスダック市場に上場した。有力印刷通販企業が調達した資金により、次にどのような戦略を打ち出すかが注目される。
 日本印刷産業連合会は、10月5日に「知財公開フォーラム2018〜みんなで考えようデジタル時代の知的財産」を都内で開催し、業界内外から260人が参加した。中小企業の知財戦略等について活発な議論が行われた。
 国は、閣議決定した「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」において、昨年度に続き知的財産権の価値に十分留意する方針を明記した。
 「フレキソ・ジャパン2018」が11月13日・14日に東京・有明で開催された。フレキソ印刷は大幅な技術革新により品質が向上し、大手・中堅オフセット印刷会社による参入が続いた。












【印刷新報2018年12月20日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連 用紙値上げ要請に反対表明
・フォーム工連 RPAキックオフ勉強会 
・日本タウン誌・フリーペーパー大賞
 大賞は『福楽』(エクシート・福井)など

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2018年12月13日付
大日本印刷、「情報銀行」事業に本格参入
2019年度、観光と地域サービス分野で


大日本印刷は11月29日、「情報銀行」の最新動向と同社の取組みに関するメディア向け説明会を東京都新宿区のDNP市谷左内町ビルで開催した。情報銀行の潮流と認定制度について総務省が報告した後、同省の「平成30年度予算 情報信託機能活用促進事業」における大日本印刷と中部電力およびJTBとの連携による2つの実証事業の概要を紹介した。
            ◇
■個人データ運用が市場拡大
 政府は、データの利活用が生活者を豊かにする社会モデルを世界に先駆けて構築すべく、「官民データ活用推進基本計画」に基づき、制度整備に着手している。個人の関与の下でのデータ流通・活用の仕組みの核となるのが情報銀行(情報利用信用銀行)だ。個人の指示、または、あらかじめ指定した条件に基づき、個人に代わり妥当性を判断した上で、第三者(他の事業者)に個人情報の提供を行う事業を指す。内閣官房IT総合戦略室では、事業者と政府等の連携により、情報銀行の社会実装に向けて積極的に取組みを推進する方向性を明らかにしている。
 ただし、個人情報保護法に基づく企業活動においても、消費者側には「同意した覚えがない」、「何に使われているか十分に理解していない」といった不安・不満が存在し、データの流通・活用の妨げとなっている。そこで、総務省と経済産業省は情報信託機能の認定制度に関する合同検討会を2017年11月に発足。一般社団法人日本IT団体連盟が情報銀行の認定団体となることが決定し、近く審査・認定事業を開始する。2019年春には認定事業者が生まれる予定だ。
 現在、情報銀行には多くの企業が関心を寄せている。ベンダー系、マーケティング系、金融系、旅行系、地域系(小売、地域インフラ、自治体等)に分類でき、その中に大日本印刷が含まれる。11月29日の説明会で同社の蟇田栄専務執行役員は次のように述べた。
 「ビッグデータ、AI、IoTを活用する社会となり、パーソナルデータは21世紀の石油とも言える。その一つが情報銀行であり、認知も拡大してきた。大きなビジネスチャンスだと考える。事業化に向けて多くの実験に取り組んできた。情報銀行の市場形成には官民一体で課題を乗り越えることが重要だ。さまざまな企業と協力し、より豊かな生活に寄与することで社会に貢献していきたい」
 大日本印刷は、2018年12月から2つの実証事業を開始し、課題の抽出と解決策の検討を通じてモデルケースの創出を目指す。
 一つは、中部電力と約3ヵ月間にわたり愛知県豊田市で行う「地域型情報銀行」実証事業。自治体、ショッピングビル、食品スーパー、システム会社との連携により、モニター(豊田市在住、中部電力契約者の441名)を対象に実施する。
 この実証事業では、「地域型情報銀行」がモニターから、個人の属性や生活に係るデータの預託を受け、あらかじめモニターが設定した条件の下、サービス事業者(小売店)にデータを提供する。サービス事業者が、データに基づき個人に合わせた適切なサービスをモニターに提供することで、モニターは日常の買物等で利便性向上につながるサービスを得ることができる。また、自宅の電力使用量や体組成計の測定情報など日常的な生活データを、モニターに負担をかけることなく「地域型情報銀行」に自動的に提供する仕組みも構築する。  モニターは、データ提供先のサービス事業者と提供するデータを簡単に選択できる。不要と指定すればデータが流通することはない。
 中部電力では、エネルギー事業に加え、社会課題に着目した新たな成長分野の確立を目指す。
 もう一つは、JTBとの連携による「次世代型トラベルエージェンシーサービス」実証事業。2019年2月まで、東京の上野エリアと京都の岡崎・蹴上および周辺エリアで実施する。旅行者のパーソナルデータを情報銀行で集約・活用し、旅行者がストレスなく最適なサービスを選択・利用するための支援と、地域の観光関連サービス事業者による効果的なデータ活用やサービス提供の両立を目指す。
 JTBが情報銀行サービスの運営主体として、モニターの募集やサービス事業者との調整などを実施。文化・芸術的価値のある地域資産が集積しながら、消費行動に結びつきにくい両エリアで、近隣の店舗・施設への回遊促進を図る。情報提供先事業者として、商店、文化施設など100社程度が参加する。
 JTBは、告知募集・旅行予約が中心の現状から、体験≠強化した旅行者への総合的なサービス提供ビジネスへの脱皮を目指している。
 大日本印刷の情報銀行事業の今後の展望について、VRMビジネス企画開発本部の勝島史恵部長は「生活者が感じる『安心・便利・嬉しい』がキーワード。これまでのモニター実験でも好ましい評価が多かった。情報銀行から提供されるパーソナルデータを自ら利用する能動的な生活者を増やし、質の高い事業を展開していきたい。まずは、今回実施する2つの実証分野『観光』『地域×IoT』で2019年度にサービスを開始する。また、ヘルスケアなど他の分野でも、さまざまな企業と連携して新たな実証を展開し、情報と取組みの姿勢を社会に開示していく」と述べた。











【印刷新報2018年12月13日付掲載】
その他掲載記事
・プラルト(長野県松本市)
 全台切り替えで工場を水なし化
・デザイングランプリTOUHOKU2018
 全国に認知広がり19回目
・全印工連 知的財産に関するアンケート調査
 各地での知財権の取り扱い前進 など

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2018年12月6日付
関東経済産業局「VOC排出抑制セミナー」
VOC警報器の活用事例など紹介


 経済産業省関東経済産業局は11月28日、「VOC(揮発性有機化合物)排出抑制セミナー」を日本印刷会館で開催した。日本印刷産業連合会との共催で行われ、約100名が聴講した。VOC排出抑制の自主的取組みの状況を報告した後、あさひ高速印刷(大阪市西区)、光写真印刷(東京都大田区)の2社から、工場におけるVOC警報器の活用事例と抑制対策が紹介された。
            ◇
 自主的取組みの状況については、関東経済産業局資源エネルギー環境部の窪木健二氏が説明した。VOCの排出抑制が必要な理由を、大気汚染防止と健康障害防止の2つの観点から取り上げ、取り組む企業にとってのメリットとして、原材料費や廃棄物処理費などのコスト削減、作業環境の改善による作業員の健康保持、VOCの保管量減少による作業環境の安全、環境対策に積極的な姿勢をアピールすることによる社会的評価の向上の4つを挙げた。
 自主的取組みが進んでいる印刷業については、「大手企業の取組みはほぼ目標を達成しているが、中小企業に関してはまだこれからのところが多い。東京都とも連携しながら、地場産業である中小の印刷会社に対する自主的な取組みの啓発に努めていきたい」と述べた。
 続いて、あさひ高速印刷の岡達也社長、光写真印刷の惟村唯博社長が自社の取組みを発表した。
 あさひ高速印刷は社員約100名。オフセット印刷工場はオフィス街にあり、近隣には新しいマンションが建つなど、安全への気遣いや地域への配慮がますます必要になっている。2009年にGP認定工場となり、自社なりに環境対応を図っているつもりだった。
 しかし、2012年に大阪の印刷会社で胆管がん問題が発生すると、社員には「有機則非該当のものしか使っていないのでたぶん大丈夫」としか言えなかった。そこで日印産連発行の冊子などで勉強し、特に高濃度のVOCが発生するローラー等の洗浄時に換気などの対策を取ればよいと理解した。
 裏付けがなく不安に感じていたところへ、VOC警報器の発売を知り、2016年3月に導入。9台の警報器を工場内に設置した。すると、洗浄時以外にもランダムに警報器が鳴り、予想外の展開に困惑した。ダクトを増設して吸排気を強化したところ、鳴る頻度は半減した。また、廃ウェスの入った缶に蓋をすることを徹底。缶の場所も遠くに移動したことでさらに頻度が減少した。一層の改善を進めるため、中央労働災害防止協会の指導を仰いだ。警報器が作動しても従業員の健康に影響がないレベルであれば問題ないというアドバイスを受け、健康被害のない状態を目標に据えた。溶剤のSDS(安全データシート)見直し、個人ばく露調査の実施、湿し水に添加する代替アルコールの使用量減少などに取り組み、警報器が鳴る時間は当初から8割減となった。
 岡社長は「問題の見える化により社員の意識が高まり、今では洗浄時に防毒マスクを着用するようになった。VOC警報器の使用で発生の場所やタイミングも把握でき、従業員へ正しい注意喚起を行うことができた」と成果について話す。
 光写真印刷は社員約70名。近隣にはマンションや学校があり、VOC抑制や騒音対策は必須だ。無処理版CTPによる現像液の撤廃、廃ウェスや溶剤の缶の蓋閉め徹底、GP認定資機材の採用、VOC警報器の設置(9台)、ブランケット洗浄の自動化、局所排気装置を付けたドクター洗浄専用スペースの確保、防毒マスクとゴーグルの着用、5S活動などの対策を実施してきた。従業員は入社して1年経つと全員が作業主任者の講習を受け、資格を取得している。また、東京都のVOC対策アドバイザーに依頼し、職場の環境評価を年1回行っている。
 惟村社長は「VOC警報器により危険の可視化ができたことが大きかった」と、岡社長と同様、実態を正確に把握することの大切さを強調する。「危険を認識することで従業員の意識と行動が変わった。溶剤に対する意識改革が起きた。防衛反応を取るようになり、行動の標準化につながった」、「使用する資材の見直しとともに、工場のレイアウトの変更、社員間の十分なコミュニケーションも重要だ」と指摘した。
 セミナー会場の後方では、VOC警報器を開発・販売する新コスモス電機が製品を紹介した。多くの参加者が関心を示し、具体的な質問や相談を行う姿が見られた。オフセット印刷工場用VOC警報器のほか、作業場所で簡単にVOC濃度を測定できるリアルタイムモニタ、化学物質の個人ばく露状態を確認できる濃度計などを案内した。















【印刷新報2018年12月6日付掲載】
その他掲載記事
・page2019 155社・555コマが出展予定
・東京都の最低制限価格制度
 小池知事が4団体の要望に回答
・フォーム工連 マーケター育成へキックオフ勉強会 など

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2018年11月29日付
海洋プラスチック対策が本格化
1月に企業アライアンス設立


 海洋プラスチック汚染の解決に向け、化学メーカーや食品・飲料メーカー、印刷会社、製紙会社などが連携・協力する企業連合が来年1月に設立される。プラスチック製品の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取組み強化や紙等の代替素材の開発・導入を推進し、官民が連携してイノベーションを加速させる。11月20日に東京都内でキックオフとなるフォーラムが開催された。
 海洋プラスチックごみによる環境汚染が、地球規模で問題になっている。紫外線や波で劣化して細かく砕けた粒「マイクロプラスチック」が生態系に及ぼす影響が指摘される。企業などがプラスチック製ストローの使用を中止する動きが広がるなど、使い捨てプラスチックの廃棄をいかに減らすかが課題として急浮上してきた。
 こうした海洋プラスチックごみ問題の解決に向け、企業連合による「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(仮称)」を年明けに設立することが発表された。アライアンスでは、海洋プラスチックごみ問題に積極的に取り組むサプライチェーンを構成する容器包装等の素材製造業者、加工事業者、利用事業者など関係事業者の連携強化を図る。
 アライアンス設立に賛同を表明した企業として、大日本印刷、凸版印刷をはじめ、化学メーカー、食品・飲料メーカー、製紙会社など国内の大手15社が名を連ねた。
 事務局は一般社団法人産業環境管理協会が担当し、同日から会員(企業・団体)の募集を開始した。来年1月に設立総会を開催する。
 アライアンスの取組みとしては、
・素材の提供側と利用側企業の技術・ビジネスマッチングや先行事例の情報発信等を通じた情報の共有
・研究機関との技術交流や技術セミナー等による最新技術動向の把握
・国際機関、海外研究機関等との連携や発展途上国等への情報発信などの国際連携
・プラスチック製品全般の有効利用に関わる多様な企業間連携の促進
などについて検討し、海洋プラスチック汚染の防止を目指す。
 フォーラムでは、主催者を代表して産業環境管理協会の冨澤龍一会長が「海洋プラスチックごみを削減するためには、廃棄物の適正管理に加え、プラスチック製品の3Rの取組みの一層の強化や、生分解性に優れたプラスチック、紙等の代替素材を開発・普及させていくことが重要となる。本アライアンスが海洋プラスチックごみを巡る問題解決に貢献するとともに、わが国が持つ優れた技術やイノベーション、そして環境インフラを世界に広げる一助になるよう努めていく」と述べ、参加を呼びかけた。
 経済産業省の石川昭政経済産業大臣政務官、農林水産省の渡邊厚夫大臣官房輸出促進審議官、環境省の上田康治大臣官房審議官ら各関係省庁の代表も出席し、行政によるアライアンスへの協力を示すとともに、今後の取組みに期待を示した。














【印刷新報2018年11月29日付掲載】
その他掲載記事
・フレキソ・ジャパン2018、活況
・ジャスダック上場
 プリントネット 小田原洋一社長に聞く
・フォーム工連 現状と課題に関するアンケート調査報告 など

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2018年11月22日付
第45回技能五輪国際大会
「印刷職種」日本代表(候補)が決定
トッパンコミュニケーションプロダクツの湯地さん


 2019年8月にロシア連邦・カザンで開催される第45回技能五輪国際大会の「印刷職種」(オフセット印刷)日本代表選手に株式会社トッパンコミュニケーションプロダクツの湯地龍也(ゆじ・りゅうや)さんが選出された。日本印刷産業連合会では代表選手候補として中央職業能力開発協会に推薦し、12月に正式決定となる見通し。


湯地選手

 10月下旬に実施された最終選考会で優勝し、代表の座を勝ち取った湯地さんは、15日に日本印刷会館で開かれた記者会見で「やるからには誰にも負けたくない・金メダルを目指す」と意気込みを語った。
 技能五輪国際大会は、満22歳以下の青年技能者が参加し匠の技を競う大会で、2年ごとに開催されている。印刷職種は、2007年の第39回静岡大会から正式競技種目となった。第40回カルガリー大会ではトッパンコミュニケーションプロダクツの菊池憲明さん、第41回ロンドン大会では亜細亜印刷の伊東真規子さんが連続して金メダルを獲得している。
 今回の選考会(筆記試験・実技試験等)には7社8名の応募者が挑み、優勝した湯地さんと他の選手の成績は謹差。まれにみるハイレベルだったという。2位には株式会社丸信(福岡県久留米市)の甲斐田光さん、3位には亜細亜印刷株式会社(長野市)の湯田鈴音さんが入った。
 湯地さんは1999年3月1日生まれの19歳。宮崎県国富町の出身。現在、トッパンコミュニケーションプロダクツ川口工場の第二製造部第一課に勤務している。印刷機オペレータとしての経験は正味1年ほど。工業高校ではデザインやものづくりを学び、就職活動の中で凸版印刷のことを知り、すぐに「やってみたい」と感じたという。
 湯地さんは記者会見で、代表候補に選ばれた今の気持ちと大会本番に向けた抱負を次のように話した。「代表に選ばれて驚きを隠せない。すごい技能を持った人たちの中から選んでいただいたので、自信を持って世界で戦っていきたい。入社してから技能五輪のことを知り、挑戦してみたいと思っていた。子供の頃から負けず嫌いで、人と競うのが好きだった。相手と競うことで仕事のやりがいも感じられ、自分の知らないことを学べる。世界で戦うにはまだ実力が足りない。もっと技術面を磨き、弱点を克服できるよう特訓していきたい。やるからには誰にも負けたくない。もちろん金メダルを目指す。日本の印刷が世界トップクラスであることを証明できるよう、他の応募者の分まで頑張りたい」
 湯地選手をサポートするエキスパート候補の凸版印刷製造統括本部・佐藤晴雄氏は「年齢からいえば普通はまだ助手だが、職場では機長を務め、4色機を回している。責任感を持ち、仕事の厳しさも知っている。メンタルを鍛えて、選考会でも落ち着いて実力を発揮できた。本番まで9ヵ月。必ず良い成績を残せるようサポートしていきたい」と語った。
 また、日本印刷産業連合会の杉村専務理事は「日本選手団の金メダルの数が減ってきている。湯地さんには印刷職種の代表としてはもちろん、日本チームの一員として日本の存在感を高めてほしい」と期待した。













【印刷新報2018年11月22日付掲載】
その他掲載記事
・フォーム工連 「寺子屋プロジェクト」始動
・「印刷と私」エッセイ・作文コンテスト
 印刷物が「幸せ」届ける 
・北海道印刷工業組合 岸昌洋理事長に聞く など

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2018年11月8日付
政府の海賊版サイト対策会議
法制化を巡る意見取りまとめ断念


 インターネット上で漫画などを無料で読ませる海賊版サイト対策を話し合ってきた政府の有識者会議で共同座長を務めた慶應義塾大学教授の中村伊知哉氏と村井純氏は10月30日、検討会議の上部会合「知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会コンテンツ分野会合」に出席し、利用者に許可なく特定サイトへの接続を遮断するブロッキングの法制化を巡り委員間の意見がまとまらず、取りまとめを断念したことを報告した。著作権保護の観点からブロッキングの必要性を訴える賛成派と、憲法が定める「通信の秘密」を侵害することを懸念した反対派との溝は深く、ネット時代の知財保護の難しさが浮き彫りとなった。
 「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」(タスクフォース)は、今年4月の犯罪対策閣僚会議・知的財産戦略本部の緊急対策の決定を受け、知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会の下に設置され、海賊版サイト対策について、今年6月から10月にかけて計9回にわたって集中的な議論を行ってきた。しかし、ブロッキングの法制化で委員間の意見が対立。9名の委員から中間取りまとめをすること自体にも反対する意見書が提出されるなど、意見が集約できず中間取りまとめができない異例の事態となっている。
 会合では、今回の議論の結果について中村、村井の両氏連名による「座長メモ」の形で報告した。
 中村氏は「ブロッキングの法制化の議論は大きな話題を呼んだ。情報化社会の中で、知財とITが同調する領域をどう広げるかという問いだった。同時に漫画・アニメ大国の日本がITの落とし子の海賊版サイトにどう対抗するかを、世界にモデルが示せるかというものだった」と会議を振り返った。
 その上で、正規版流通の環境整備や、著作権を侵害する静止画(書籍)のダウンロード違法化など、ブロッキング以外の対策に関しては共通理解が得られたとしたうえで、今後、関係者が協力して対策に取り組んでいく必要性を訴えた。
 また会合では、委員から「最終手段として、ブロッキング法制化の検討を続けていくべき」など議論の継続を求める声があったほか、「報告書を出さないというのは、国の会議としてあり得ない」など検討した論点を明確にして国民に伝えるべきとの意見があった。国民への意見公募(パブリックコメント)の実施については「社会の中でブロッキングを巡る賛否の対立が固定化してしまい、混乱を長引かせてしまうだけ」など反対意見が示された。
 「座長メモ」のポイント5つは次のとおり。
・正規版流通の環境整備に加えて、海賊版サイトに対して緊急に対応することができるようにするため、著作権教育・意識啓発、海賊版対策に資する出版業界・通信業界における環境整備、海賊版サイトに対する広告出稿の自主的な抑制、フィルタリングの強化等について、関係者が民間主導で連携して直ちに取り掛かり、これを関係省庁が連携して支援する。
・さらに、関係省庁の連携も推進し、リーチサイト規制の法制化や、著作権を侵害する静止画(書籍)のダウンロードの違法化の検討を進め、加えて、さまざまな側面から必要な制度設計の検討を進める。
・わが国の重要な電子コンテンツである漫画とアニメーションの海賊版サイトの課題を迅速・適切に解決するため、本検討会議で議論された内容について、継続・発展的な議論ができる適切な環境を引き続き整備する。
・以上の措置を進め、その効果を検討すべきである。
・ブロッキングに関する法制度整備については、意見がまとまらなかった。
















【印刷新報2018年11月8日付掲載】
その他掲載記事
・所蔵資料を高精度アーカイブ
 国文学研究資料館/凸版印刷
・平成30年秋の叙勲・褒章
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2018年11月1日付
外国人技能実習制度の概要と留意点
法令遵守と個別配慮で受入れを


 全日本製本工業組合連合会の書籍・雑誌専門委員会は、平成30年度の委員会を10月27日に都内で開催した。各都府県工組の情報交換を行った後、講演会では「外国人技能実習制度の概要と受入れの留意点」と題して、公益財団法人国際研修協力機構の中村淳氏が事例を交えて制度活用のポイントについて解説した。その要旨を紹介する。
        ◇
 労働力不足は日本の産業界全体に共通する問題であり、印刷関連業でも今後の重要な課題となる。不足感が年々募る中、解決策の一つとして外国人労働者の採用が進んでいくと予想される。
 外国人労働者の受入れ拡大を目指す政府は、今年6月に閣議決定した方針で外国人労働者の新就労資格について明記し、最長5年の就労などを認めた。単純労働にも道を開く方向で2019年4月の新制度創設へ動いている。同時に、入国管理局を「入国在留管理庁」に格上げする。
 今回の中村講師は入国管理局の出身で、特に外国人技能実習制度に精通している。講演の初めに、まず制度の現状について紹介した。
 2017年末の在留外国人数は約256万人。在留資格別の内訳で、技能実習生は約27・4万人、10・7%を占める。技能実習生の新規入国者数は、2015年の約9・7万人に対して、2017年は約12・8万人と年々増加。従来は中国が入国者数の1位を占めていたが、2016年に初めてベトナムが上回り、現在はベトナム約46%、中国約27%の順。
 技能実習生の増加に伴い、不正行為件数も増加した。管理強化で直近2年はやや減少傾向だが、依然年間200件以上の不正行為が摘発されている。2017年における類型別割合では、賃金等の不払い(46%)、偽変造文章等の行使・提供(24%)で7割を占める。
 政府は2017年11月1日に「技能実習法」を施行した。技能実習の対象職種の拡大、実習期間の延長(3年から5年)、不正行為には罰則を適用など、従来の制度から変更された。対象職種は現在、77職種139作業で、印刷(オフセット印刷作業)、製本(製本作業)、紙器・段ボール箱製造(印刷箱打抜き作業等)が含まれる。実習生の受入れ方式には、団体監理型と企業単独型があるが、商工会・中小企業団体等が仲介し、実習実施者と実習生が雇用契約を結ぶ団体監理型が9割以上を占める。
 技能実習法では、技能実習計画の認定申請が必須となったほか、実習開始前(来日前)と入国後の一定期間の講習や、技能実習評価試験の実技試験等合格の義務付けなどが追加された。
 また、技能実習責任者の選任、労災保険の届出、日本人と同等以上の報酬、適切な宿泊施設の確保などが実習実施者に明確に求められている。人権侵害行為に対しては、5年間の許可・認定の取消しほか、最も厳しい場合、1年以上10年以下の懲役、または20万円以上300万円以下の罰金が科せられる。
 中村講師は技能実習生の受入れにおける留意点について紹介した。
 健康管理に関しては、「結核や肝炎などの持込病も見られるので、入国前の診断結果を確認するほか、定期健康診断の実施が必要だ。人間関係や生活習慣から来るストレスやカルチャーショック、母国でも抱えていた家族の心配や借金などの悩みへの配慮も欠かせない。地域の催しへの誘い、日本語習得の機会設定、母国での習慣をできるだけ取り込むなど、積極的に行ってほしい。日本の医療制度や保険制度もきちんと説明しないと、お金がないという理由で病院に行かない実習生がいる」と話した。
 処遇に関しては、賃金、労働時間、有給休暇、保険、年金、解雇など、原則として日本の法令に基づいて適用される。実際に相談があったトラブル報告事例として、「手取額が聞いていた金額と違う」「賃金が未払い」「賃金から強制貯金させられている」「休日労働を強いられている」「通帳や印鑑、パスポートなどを保管されている」等が挙げられた。
 中村講師は「金遣いがルーズだからと賃金の一部を実施者が貯金するのは違反。通帳やキャッシュカードを預かってほしいと実習生本人から頼まれても受けてはいけない。あくまでも原則に沿った受入れを心がけてほしい」と注意点を挙げた。















【印刷新報2018年11月1日付掲載】
その他掲載記事
・特集 フレキソ・ジャパン2018
・「デジフェス!2018」を初開催 日本創発グループ
・加藤製本 PUR保存装置を新開発 など

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2018年10月25日付
全製工連
業界一丸で取引慣行改善へ
共存共栄へ意見書作成


 全日本製本工業組合連合会(田中真文会長)は、製本業界の窮状と取引慣行改善を訴える緊急会見を10月16日に東京・板橋区の製本会館で開いた。経営環境の悪化や後継者不在などにより、全製工連の組合員数は最盛期の3割程度まで減少している。田中会長は「印刷会社や出版社に対して、まずはわれわれの業界が置かれた現状をご理解いただきたい」と述べるとともに、組合員に対しても取引慣行改善に向け意識啓発を働きかけていく考えを示した。
          ◇
 会見は田中会長と本間敏弘副会長兼専務理事が出席して行われた。冒頭、田中会長は製本業界を取り巻く現状ついて、「単価はこの30年間変わらず、むしろ下がっている状況にある」と指摘。一方、製本工程の原価において最も大きな割合を占める人件費については、東京都の最低賃金がこの30年間で525円(平成元年)から985円と9割近く上昇しており、「大変に厳しい経営環境に置かれている」と説明する。
 その上で、会見の主旨を「印刷会社や出版社に対して値上げを飲んでほしいということではない」としつつ、後継者不足や過剰な品質要求などにより、「価格面だけでなく製本業全般に係る経営環境が悪化している現状をご理解いただきたい」と訴えた。
 経営環境の悪化に伴い、全製工連の組合員数は最盛期の2,352社(昭和50年)から728社まで減少している。「印刷会社や出版社が仕事の発注先を探すのに苦慮されている現状が散見される」と指摘した田中会長は、「われわれ専業者をご活用いただいた方が印刷・出版社にとっても収益が上がると確信している。各社の存続のためにも製本専業者を生き残らせていただきたい」と切実な思いを語った。
 続いて本間副会長兼専務理事から、取引慣行改善に向けて全製工連が作成した会員11組合との連名による意見書が読み上げられた。
 「このままでは製本会社がなくなります!」と題した意見書では、旧態依然の取引慣行に起因する低価格や過剰品質、さらには短納期化、物流費の高騰、人手不足による賃金相場の上昇などにより、「個々の企業の努力だけでは到底追い付けない危機的な状況にある」と指摘。廃業などによる製本・加工会社の不足が顕在化する中で、「適正な取引関係を構築することは、私たち製本業とお客様の双方にメリットがある」と訴えている。
 続けて、「一つひとつの仕事がオーダーメイドの性格を持つ紙製品の製本・加工には、プロの専業者でなければ対応しきれない難しさがある。長年にわたりノウハウを積み上げてきた私たち専業者をご利用いただくことが、お客様の業務効率の向上と品質の担保にもつながるものと考えている。さらに、専業者の視点からのアドバイスをさせていただくことで、より正確、かつ付加価値の高い製品を生むことにもなる」と複数のメリットに言及したうえで、「窮状をどうかご理解いただき、事業の継続、製品の安定供給を可能にするため、取引慣行の改善と適正な取引条件について特段のご配慮をいただきますよう、切にお願い申し上げます」と結んでいる。
 意見書は近く複数の業界専門紙に掲載する。
 取引慣行改善に向けた取組みについて、田中会長は「製本業界だけが訴えても成果は出ない」との考えを示し、加工など周辺業界を巻き込んだ上で、「川上の業界に対して付加価値を提供することで取引慣行改善につなげたい」と話す。
 取引慣行改善は長年にわたる課題であり、全製工連では過去にもさまざまな活動を展開してきた。
 2013年4月には、「お客様とのWIN/WINの関係づくりへの挑戦」と題した『取引慣行改善ガイドブック』を刊行。さらに2016年9月には、取引慣行改善や経営改善に向けた事例等をまとめた製本経営・トラブル対策ハンドブック『製本虎の巻』を刊行した。
 いずれも組合員に実施した詳細なアンケート調査に基づいており、調査結果からは、契約書や発注書の不在、後指値(値引き)、支払の先延ばし、過剰な品質要求とやり直し費用負担、法外な損害賠償、直前での仕様変更、購入強制などが横行している実態が浮かび上がった。
 全製工連では、一連の冊子を関係団体等に配付するなど実態の周知に努めたが、田中会長は「あまり有効活用されてこなかったのではないか」と振り返る。
 今後は、取引慣行改善の意識啓発に資するセミナー等の開催を視野に入れるとともに、取引先に対して組合員各社が働きかけることができる要望書(「製本業界の窮状に対するご理解のお願い」)についても組合ホームページなどを通じて配付し、広く活用を呼びかけていく。














【印刷新報2018年10月25日付掲載】
その他掲載記事
・TIGAX18 プレスツアールポA
 ATMA社(東遠精技工業)
・話題 「ミウラ折り」汎用展開
・第48回JPM協会展 購買行動の変化が表出 など

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2018年10月18日付
日印産連〈知財公開フォーラム2018〉
中小企業の知財論説く
技術活かしニッチトップ企業へ


 日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)は、「知財公開フォーラム2018〜みんなで考えよう デジタル時代の知的財産」(後援・日本商工会議所、東京商工会議所)を10月5日に東京都の中央区立日本橋公会堂で開催し、印刷業界内外から約260名が参加した。専門家による講演や事例発表、パネルディスカッションが行われ、「ニッチトップ戦略」などデジタル時代における中小企業の知財戦略の一端が示された。
          ◇
 今回のフォーラムは、印刷産業に止まらず情報を媒介とするあらゆる産業を対象に、著作権や特許など知的財産の重要性を周知するとともに、中小企業の経営戦略にスポットを当てた知財戦略の構築を目的に開催された。
 開会に際して日印産連の浅野健副会長は「本日は情報産業で活躍している専門家を招き、デジタル時代をどう生き抜いていくのか、あるいは知的財産とは一体何なのか、知財戦略はどうあるべきかをみなさまにプレゼントさせていただく。本フ ォーラムが少しでも有益となることを願っている」と期待を述べた。
 フォーラムでは、はじめに東京2020大会のエンブレムのデザインを手がけたデザイナーの野老朝雄氏による特別講演が行われ、「個と群と律」をテーマに野老氏のデザイン感やエンブレムに込められた思いなどが語られた。続いて第1部は「中小企業の知財戦略」、第2部は「デジタル時代の知財戦略」を全体テーマに計6セッションが実施された。

◆技術の収益化で下請け脱却へ
 第1部では、人気小説「下町ロケット」に登場する弁護士のモデルとして知られる鮫島正洋氏(内田・鮫島法律事務所)が、「中小企業経営に知財を活かすための戦略論」について講演した。
 知財戦略の専門家である鮫島氏のもとには、自社技術の収益化によって下請け脱却を目指す全国の中小企業から多くの相談が寄せられる。しかし、鮫島氏は「自社の技術を活かして下請けから脱却するのは簡単なことではない」と指摘する。なぜならば、技術を収益化するには@マーケティング、A製品開発、B量産体制の整備、C販路開拓の4要件が必要だが、多くの下請け中小企業が行っているのは製品の量産工程のみであり、@ACは元受企業が行っているからだ。
 仮に4要件を揃えて収益化に成功しても、待っているのは後発模倣品による価格競争。そうした事態を防ぐためのツールが特許をはじめとした知財である。
 また鮫島氏は、技術の収益化においては、技術そのものよりもマーケティング、つまりどの市場で勝負するかを重視する。その上で「中小企業では身の丈に合った規模で、なおかつ先行特許が少ない市場がいい」と述べ、小さくてもライバルの少ない市場でニッチトップを目指すことを勧める。大きな市場は競争が激しく、後発では特許も取りにくい。一方、まだ目の付けられていない小さな市場は特許を取りやすく、独占できれば中小企業にとっては大きな収益源になる。
 そのためには、研究開発とともに、その成果を適切なタイミングで特許化することが必要だが、一方で、特許は一般に公開されるため、製造ノウハウや金型などは特許を取得すると他社に真似される恐れがある。こうした線引きには専門的な知識と経験が必須であり、鮫島氏のような専門家に相談することを勧める。
 また鮫島氏は、特許取得による副次的な効果として、「自分の発明が見える化されるのに加え、『あなたの発明は人類史上類がない』とお墨付きがでるようなもの。これでやる気のでない研究者はいない」とモチベーションの向上につながると指摘する。取得にはコストや労力もかかるが、これらの利点も踏まえた上で検討するよう求めた。
 第2部で行われたパネルディスカッションでは、日印産連知的財産部会の萩原恒昭部会長(凸版印刷)をモデレータに、野老氏と鮫島氏に加えて自民党の山田美樹衆議院議員、内閣府知的財産戦略推進事務局の中野岳史参事官の4氏が知財戦略を語った。
 その中で、官公需の印刷発注における知財保護の問題について話題がおよび、山田衆議院は「これは粘り強く伝えていくことが重要だと思っている。まずは国や財政力のある自治体が率先して行うべきだ」との見解を示した。一方、野老氏は、こうした知財に対する侵害行為は悪意なく行われているケースも多く、教育・啓発活動の重要性を指摘した。
 また、AIやIoTなどのIT技術を活用したビジネスモデル特許が増加傾向にあることについて、鮫島氏は「新しいものなのでかなり広く特許が取れる。仮に広く取れなくても、投資家や銀行の特許に対するリテラシーが高まっているので、取得するメリットはある」と勧める。
 一方、中野参事官はAIを活用したビジネスモデル特許の海外事例を紹介し、「一部は権利化して独占するが、残りはできるだけオープンにすることで参入者を増やし、劇的に市場が拡大したケースもある。どこまで権利を確保するのか、市場の獲得には戦略も重要だ」と主張した。
 そのほか、地方における課題や産官学連携の問題など、幅広い話題について議論が交わされた。













【印刷新報2018年10月18日付掲載】
その他掲載記事
・特集 環境優良工場に学ぶ
・MTJN COMEXI社との総代理店契約を発表
・ハイデルベルグ MBOグループを買収 など

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2018年10月11日付
東印工組〈ダイバーシティ経営セミナー〉
働き方改革関連法を解説


 東京都印刷工業組合のダイバーシティ推進委員会(小野綾子委員長)は9月26日、セミナー「今からはじめるダイバーシティマネジメント」を八丁堀のモトヤ東京本社で開催した。法改正の最新情報と働き方改革の進め方について、特定社会保険労務士の株式会社GIMS小倉絵里氏が講演した後、全印工連ダイバーシティ推進委員会から今井印刷(東京)、本田印刷(宮城)、近藤印刷(愛知)、文昌堂(宮崎)が、各社での実践や苦労話について伝えた。
 7月6日に働き方改革関連法が公布され、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の年5日取得義務、同一労働同一賃金(雇用形態に関わらない公正な待遇の確保)など、国の働き方改革の推進が本格化する。中小企業にも、より明確で計画的な取組みが求められるようになる。
 講演で小倉氏は、すぐにでも対応してほしいこととして、長時間労働の是正、年次有給休暇の取得、労働時間の状況の客観的な把握─の3つを挙げた。
 これまで法律上は残業時間の上限がなかったが(行政指導のみ)、改正後は「時間外労働の上限規制」が設けられる。上限は原則月45時間、年360時間。特別条項は年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度とする。中小企業は2020年4月から施行される(大企業は2019年4月から)。違反すると6ヵ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられる。
 小倉氏は「懲役まで踏み込んだところに国の本気度が窺える。2年後の4月からの施行は、今から取り組まないと間に合わない印象がある」と述べた。
 「年次有給休暇の年5日取得義務」は、大企業・中小企業とも2019年4月の施行。違反すると1人に付き30万円以下の罰金が科せられる。
 現在は労働者が自ら申し出なければ年休を取得できない上、申し出をしにくい状況があるが、改正後は、年10日以上の年休付与者については毎年、本人の希望を踏まえて時季を指定し、年5日は取得することが義務化される。たとえば、夏季休暇と合わせた取得や、仕事の閑散期にシフトを工夫して取得するといった計画的な付与が必要になってくる。
 「労働時間の状況把握の実効性確保」は、大企業・中小企業とも2019年4月の施行。
 現在、割増賃金を適正に支払うため、労働時間を客観的に把握することが通達で規定されているが、裁量労働制が適用される人などは対象外だった。改正後は、裁量労働制が適用される人や管理監督者も含め、すべての労働者の労働時間について、タイムカード管理など客観的な方法による把握が義務化される。
 小倉氏は「これは労働安全衛生法に基づいて決定したもの。健康管理のために、たとえば営業の社外における時間外労働なども客観的に把握することが義務付けられている」と述べた。

◆一般事業主行動計画をツールとして活用
 講演の中で小倉氏は、コンプライアンス対応だけでなく、「働き方改革は印刷業におけるダイバーシティ経営への入口であり、経営課題解決の糸口になる」と強調した。
 また、ダイバーシティ経営を推進する上での重要なツールとして、一般事業主行動計画(女性活躍推進法)の策定を推奨した。一般事業主行動計画は、事業主が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、計画期間や目標、達成するための対策内容、実施時期などを具体的に盛り込み策定するもの。各都道府県労働局に届け出をし、情報は全国に公表される。
 小倉氏は「一般事業主行動計画を策定することは、ダイバーシティ経営への対応の第一歩。自社を分析し、見える化のツールとして活用できる」と意義を示した。
 さらに、「今の若年層は、自分に合った働きやすい会社を選ぶ人が増えている。自社の取組みを公表することにより、雇用での優位性も高めることができる」と述べた。













【印刷新報2018年10月11日付掲載】
その他掲載記事
・2018全日本印刷文化典 高知大会
 幸せな働き方改革へ前進
・新たな付加価値提案目立つ SOPTEC とうほく 2018
・TIGAX18ツアールポ1 SBL社(財順機械工業)など

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2018年10月4日付
福島県印工組
「ふくしまのいろ」を色鉛筆に
次世代に地域の魅力を伝える


 福島県印刷工業組合(佐久間信幸理事長)は「ふくしまの伝統色事業」で選定した14色を使った色鉛筆を製作した。10月から販売を予定するほか、県内の小学校への寄贈など、次世代の子供たちに地域の魅力を伝えていく。
 同工組は、組合創立60周年記念事業として「ふくしまの伝統色事業〜ふくしまの伝統色彩調査と色彩文化の保存・発信」に2017年から取り組み、今年1月に「ふくしまのいろ」14色を発表した。このほど完成した色鉛筆は、「ふくしまのいろ」を使った具体的な製品化の第一弾である。


「ふくしまのいろ」色鉛筆

色に携わる印刷のプロとして企画した記念事業では、県民の暮らし・文化に根付いた福島県特有の伝統色の調査を実施。県内3地方(中通り・浜通り・会津地方)それぞれの特徴的な色について、組合員の目と感性で再発見した。その結果、500色にも及ぶ候補が集まり、検討を重ねた結果、最終的に「ふくしまのいろ」として14色を選定した。
 各色は「つるがじょう・たきざくら・もも・しらかわだるま・あんぽがき」など、由来となった建築物、食物、自然、民芸品から命名した。また、計測機器やカラーチップで対象素材の色を数値化し、DICカラーガイドで指定した。
 色彩調査と選定までが事業の前半。そこから、未来に伝える色彩文化として保存し、県内外に広く発信していく取組みが始まった。
 佐久間理事長は同事業について、「『ふくしまのいろ』を後世に残し、だれでも使えるようにしていく。色を通して子供たちに福島県の文化や歴史を知ってもらい、『これは僕の青』、『これは私の赤』と誇りを持って県外の人にも紹介できるようになればすばらしい。普及、浸透させるには時間がかかるが、文具や土産物への採用などを通じて広めていきたい」と話す。
 また、福島学院大学短期大学部の木村信綱准教授は「色に意味を付与し、地域をブランディングする取組みであり、伝統色という新たなツールを得た。小・中・高生の地域への関心を深めていく斬新な試みだ」と評価する。  組合では、ポスターやパンフレット、ホームページのほか、「ふくしまの自然や文化」の魅力を実感してもらうための具体的なツールとして、色鉛筆の製作を進めてきた。
 完成した色鉛筆は、ふくしまのいろ14色(本)セットになったもの。組合では「色を塗るたびに、素朴で温かなふくしまに触れることができ、子供たちに肌で感じてもらえる」と期待する。
 色鉛筆は、10月から福島県内の道の駅や書店などのほか、一部首都圏での販売も予定している。定価は1箱2500円(税別)。
 今後の可能性として、絵具など他の文具の製作や学校教育における活用、各種グッズ、キャラクター、商品パッケージ、イベント、公共施設などへの採用、新規商品の開発、有名人や学識経験者を招いた講演会や展示会、伝統色を使ったぬり絵コンテストなど、さまざまな展開が考えられる。
 これらの活動を通して、福島の彩りに触れる機会の創出を図ることは、郷土愛の醸成や地域活性化につながる。デジタル化が進む社会にあって、感性とコミュニケーションに携わる印刷業界ならではの意義のある事業と言えるだろう。












【印刷新報2018年10月4日付掲載】
その他掲載記事
・GP大賞3賞を決定 日印産連
・「TIGAX18」(台北国際印刷機材展)盛大に 
・第29回世界ラベルコンテスト
 日本から3社が「Best of the Best」賞 など

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2018年9月27日付
日本製紙/四国化工機
紙容器無菌充填システムを新開発
固形物や長繊維を可能に


 日本製紙と四国化工機は9月19日、常温保存可能な紙容器無菌充填システム「NSATOM(えぬえすアトム)」の開発を発表した。従来、紙容器では難しかった食感の高い野菜果汁飲料、スムージー、おかゆ、スープ等の固形物・長繊維入り・高粘度の新飲料を実現。2019年度より市場に投入する。世界的な脱プラスチックの流れの中、樹脂製容器に代わる容器として国内外で拡販を目指す。
            ◇
 新製品の記者発表は9月19日に都内で開かれた。
 日本製紙の馬城文雄社長はあいさつの中で、「本年度からの中期経営計画の中で、液体紙容器を中心とするパッケージ事業を今後の中核事業の一つと位置づけている。紙でできることは紙で、というコンセプトを掲げる当社の強みを活かせる取組みの一つに、脱プラスチックへの対応もある。今後も『紙化ソリューション』を積極的に展開していく。今回の新しい紙容器無菌充填システム『NSATOM』が、従来の樹脂製容器に代わるものとして世の中に広がることを期待している」と述べた。  製品開発の背景にある社会環境の変化としては、環境問題(脱プラスチックや省資源など環境意識の高まり)、ライフスタイルの多様性(利便性のニーズ、嗜好の多様化、健康志向)などがある。
 健康志向に関してのデータでは、2008年対2017年の市場比較で、野菜飲料は26%増、豆乳飲料は108%増と伸びており、これらの飲料はパッケージの紙化率が高い。また、スムージー飲料の販売量は過去5年で154倍に急成長していると見られ、食感を持つ飲料のニーズが伸長している。しかし従来、固形物・長繊維入り・高粘度の中身を常温保存することは難しく、ほとんどがプラスチック容器だった。
 日本製紙では、健康志向や新しい食感とともに、持ち運びやすく好きな時に好きな場所で飲みたいという消費者ニーズの高まりを好機と捉え、過去3年間、集中的に経営資源を投入し、新飲料カテゴリー用の紙容器の開発を進めてきた。
 「NSATOM」は、固形物で6ミリ角以下、繊維長で8ミリ以下に対応する。同社の既存品(野菜飲料)では固形物はなく、繊維長は1.5ミリ以下にとどまっていた。
 また、口栓の採用で再封性があり、PETボトルと同様に持ち運びができる。口栓をコーナーに配置することで、中身の出しやすさを向上させた。業界最軽量の口栓はプラスチック使用量を大幅に削減している。
 従来のレンガ型紙容器ではなく、アイキャッチ性に優れた独自のデザインも採用し、店頭での差別化を図れる。
 また、1ラインで200ml、250ml、300mlの3種の容量バリエーションを製造できる。
 充填機の開発では四国化工機(植田滋社長、本社・徳島県板野郡)と提携した。NSATOMの充填機は、キルレート6(初期菌数100万分の1以下)という薬品製造レベルの高衛生性、充填部自動洗浄機能の採用による省力化、IoTを活用したメンテナンス支援(予防保全)などの特徴を持つ。
 日本製紙の大林保仁執行役員紙パック営業本部長は「1年以内に1、2台は実機を納入したい。東京五輪が行われる2020年には1億個のテクスチャー(食感)飲料を取りたい」と目標を示した。また、「海外市場にも積極的に打って出る。今までにない飲料が出てくるという期待もある」と述べた。
 国内の飲料向け紙容器市場を巡っては、凸版印刷がカートカンの売上げを伸ばし、大日本印刷は世界大手SIG社(本社スイス)との国内合弁会社設立で、無菌充填機による小型固形物も可能な口栓付き紙容器の提供に乗り出すなど、競争が激しくなっている。













【印刷新報2018年9月27日付掲載】
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・特集・全印工連 高知大会
・兵庫県印刷工組 来年5月24日に設立60周年大会
・環境インターンに協力 ディグ など

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2018年9月20日付
日印産連、女性活躍推進で拡大企画
将来リーダーのネットワークづくりへ


 日本印刷産業連合会の企業行動委員会女性活躍推進部会は、活動方針の一つに、「印刷産業に働く女性の連携を強化する」を掲げている。2018年度はこのテーマに重点的に取り組むことから、女性活躍推進部会拡大版プログラム「WAIGAYA」を企画し、試行実施する。
 2018年11月上旬、2019年1月中旬、2月下旬(合宿形式を予定)の3回シリーズで開催。日印産連10団体の会員企業から20名前後の女性リーダー層(経営者を含む管理職相当以上)を派遣してもらう。全日程に参加できることを条件として、仕事に前向きに取り組み、同プログラムで学んだことを自社に持ち帰って活用したいと考える積極的なリーダーを募る。
 同じメンバー同士で3回にわたり意見交換する機会を最大限に活かしながら、実施にあたっては、「活躍」、「推進すべき」といった堅苦しい内容ではなく、まずは互いに知り合い、将来に向けてのネットワークとなるよう、時間をかけて女性リーダー間の交流を深められる場としてプログラムを検討している。
 自社(団体)においても、女性をはじめとして誰もが働きやすい環境を作る旗振り役として、リーダーシップを発揮してもらえるきっかけ作りを目指す。
 会場は、会員各社の会議室や展示スペース、研修所を活用し、他社の訪問から刺激を受けることで、改めて自社を理解する機会ともする。
【目的】
・印刷業界の女性リーダーのネットワークの基礎づくり
・女性リーダーの力(アイデア)で印刷業界を魅力ある業界にする
・印刷業界で女性が活躍し、女性リーダーを継続的に輩出するための環境づくり
【プログラム概要】
第1回 ロールモデル(女性役員)の講演と施設見学、ネットワーキング
第2回 ダイバーシティ推進事例、討議「女性活躍で印刷業界を輝かせよう(仮)」
第3回 ロールモデル(女性役員)の講演と討議のまとめ












【印刷新報2018年9月20日付掲載】
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・特集・SOPTECとうほく
・SDGsを軸に業界全体の信頼向上へ
 日印産連「2018年9月 印刷の月」記念式典
・第52回造本装幀コンクール表彰式 など

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2018年9月13日付
共同印刷/NISSHA
情報コミュニケーション事業で株式譲渡契約
両社の強みを活かし事業収益の改善へ


 共同印刷(藤森康彰社長、本社・東京都文京区)とNISSHA(鈴木順也社長、本社・京都市中京区)およびその子会社である日本写真印刷コミュニケーションズ(村瀬俊司社長、本社・京都市中京区)の3社は9月4日、日本写真印刷コミュニケーションズが東京地区において展開する情報コミュニケーション事業を共同印刷に譲渡することについて合意し、同事業を譲渡対象とする株式譲渡契約を締結した。
 同日午前11時から共同印刷本社において、共同印刷・藤森社長ほか役員とNISSHA・鈴木社長の出席のもと、記者会見を行った。

藤森社長(左)と鈴木社長

 共同印刷と日本写真印刷コミュニケーションズは2016年3月、資本業務提携契約および生産受委託契約の締結により、共同印刷への生産委託を旨とする協業関係を構築し、生産体制の再編や品質管理体制の確立、物流業務の合理化・効率化などに取り組んできた。今回、両社は現在に至る協業の成果に基づき、東京地区における出版印刷・商業印刷等の情報コミュニケーション事業の譲渡を実行することで一致した。
 日本写真印刷コミュニケーションズは、新たに設立する子会社に同事業を吸収分割(略式分割)し、2019年1月7日付でその株式の90%を共同印刷に譲渡し、10%を継続保有する。譲渡対象となる商圏は、日本写真印刷コミュニケーションズの東京地区における現状の売上高の約80%にあたる70億円規模であり、残りの20%は同社が継続する。譲渡対象となる事業基盤は、日本写真印刷コミュニケーションズの営業を中心とした社員約30名と有形無形の資産などから構成される。新会社の業務開始は来年1月7日を予定。
 今回の株式譲渡契約締結により、共同印刷は情報コミュニケーション部門の収益基盤を強化し、中期経営計画の達成を目指す。日本写真印刷コミュニケーションズは、東京地区の事業を縮小し、高精細で高品位な色調再現を活かせる分野を中心として関西地区に事業基盤を集約するとともに、成長分野である産業資材事業やディバイス事業等に注力していく。
 両社はそれぞれの強みを活かせる市場・事業領域に経営資源を適切に配分することにより、事業収益の改善を目指す。
 記者会見でNISSHAの鈴木社長は「生産提携により増益効果も出せた。商圏とお客様を譲る形で共同印刷さんにお願いする。未来志向の案件であり、業界にとっても意義のあるもの」と述べた。一部自社生産は行っているが、東京地区の情報コミュニケーション事業はもともと外注比率が高かったという。
 NISSHAの連結売上高における情報コミュニケーション事業の割合は約7.4%で、そのうち東京地区の売上高の80%を譲渡することから、今回譲渡する事業は連結売上高全体の約3.6%にあたる。
 東京地区では両社の取引先の重複も少ない。共同印刷の藤森社長は「当社グループ全体のプラスになる。加えて、(デジタル技術を活かした)クロスメディアの推進によりパイを大きくしていける。新会社にどう付加価値を付けていくかが重要だ」と述べた。











【印刷新報2018年9月13日付掲載】
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2018年9月6日付
東京都、発注基準にGP制度を採用
グリーン購入ガイドの「水準2」に


 一般社団法人日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)が推進するグリーンプリンティング(GP)認定制度が、「東京都グリーン購入ガイド」の水準2に採用され、2018年4月から施行された。
 「東京都グリーン購入ガイド」は、東京都グリーン購入推進方針に基づき、東京都が環境に配慮した物品および役務を調達する際の基準。都の発注において推進することにより、環境配慮型製品の市場を拡大し、製造者の環境負荷低減に向けた取り組みを支援するとともに、都民・事業者や他自治体による環境配慮型製品の購入をさらに喚起する狙いがある。
 「東京都グリーン購入ガイド」には水準1と水準2があり、水準1は必ず考慮すべき事項、水準2は必須条件ではないが配慮することが望ましい水準となっている。対象には、印刷物(紙製の報告書類、ポスター、チラシ、パンフレット等)が含まれている。
 今年4月に改訂された「東京都グリーン購入ガイド」では、印刷物の環境配慮仕様(発注基準)のうち、水準2に新たに「(一社)日本印刷産業連合会によるグリーンプリンティング認定制度による認定を受けた工場で印刷されるものであること。」という基準が追加された。
 また、印刷会社は各工程における環境配慮の措置(グリーンプリンティング認定基準では必須項目)を求められているが、その措置の証明書として、「グリーンプリンティング工場認定証」の写しでもよいことが明記された。
 これらの改訂により、今後の東京都関連の印刷物の発注は、グリーンプリンティング認定工場であることを条件とする事例が大幅に増加するとともに、消費者へのコミュニケーションとして印刷物へのGPマーク表示が増えていくと予想される。さらに、都内の市・区役所、公的機関・施設や民間企業の印刷発注の条件として波及してものと考えられる。
 ◆東京都グリーン購入ガイドの【備考】の一部
 〔印刷の各工程〕については、仕様書に表1「オフセット印刷又はデジタル印刷に関連する印刷の各工程における環境配慮項目及び基準」を添付すること。また、納品時に表3「オフセット印刷又はデジタル印刷の工程における環境配慮チェックリスト兼証明書」を提出させること。なお、(一社)日本印刷産業連合会による「グリーンプリンティング認定工場」で印刷した場合には、認定証の写しの提出をもって表3の提出に代えることができる。










【印刷新報2018年9月6日付掲載】
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