日付インデックス
11月9日
〈JAGAT大会2017 特別講演〉
田中洋教授、ブランド戦略を語る
デジタル広告の課題も指摘

11月2日
日印産連 Pマーク審査認定事業10周年
記念シンポジウムを開催 JIS改正対応など解説

10月26日
〈第44回技能五輪国際大会〉
印刷職種・早瀬選手は敢闘賞
上位拮抗、僅差の4位に

10月19日
全印工連、取引改善の実効性確保へ
適正な積算が焦点に

10月12日
共同印刷、創業120周年を機に
新コーポレートブランド「TOMOWEL」を導入

10月5日
〈紙のエレクトロニクス応用研究会〉
次世代認識コードなど紹介
新市場の開拓へヒントを提供

9月28日
大日本印刷、太陽堂封筒など4社
赤城神社で実証実験
拝礼作法など多言語で発信

9月21日
太平紙業、エンボス加工で需要開拓
高い意匠性と偽造防止機能を提案

9月14日
〈日本展示会協会インタビュー〉
2020年に向け展示会場問題が深刻化
印刷業も経済的損失は不可避

9月7日
木戸製本所、東京に「入船製本工房」開設
少人数でも運営できるビジネスモデルを設計
小ロットPUR製本の受け皿に

8月31日
国等の契約の基本方針、
解説に「財産的価値に留意」など明記
著作権の適正な保護に言及

8月24日
日経印刷、日本創発へ経営参画
 両社のシナジーに期待大
 日本創発グループは売上高500億円規模に

8月10日
【日印産連・FAPGA&WPCF報告会】
デジタル印刷機の存在感増す 人材不足は世界共通の課題

8月3日
こだま印刷、4色革命インキ「美麗」を開発
RGBの色彩を4色で忠実に再現

7月27日
全日本製本青年会が始動
〈第1回京都大会〉 「ど真中で勝ち残ろう!」

7月20日
日印産連、「印刷と私」コンテスト実施
エッセイ・作文を一般から広く募集

7月13日
廣済堂/福島印刷
業務提携モデルを拡大 デジタル印刷・加工の強化へ

7月6日
〈東印工組セミナー〉
一歩踏み込んで挑戦を
業態変革4社が事例紹介

6月29日
全印工連・臼田会長
組合員に官公需対策の指針示す
「民間取引にも確実に影響」

6月22日
日印産連、信頼度向上へ発信力強化
地域連携事業など推進

6月15日
印刷インキの平成28年需給実績
グラビアインキが6年連続で過去最高を更新

6月1日
中小企業者との国の契約基本方針
印刷の低価格防止、著作権配慮など明記
29年度方針(7月閣議決定)を経産省が説明

5月25日
福島県印工組、創立60周年記念事業
「ふくしまの伝統色事業」を展開
豊かな色彩文化の保存・発信へ

5月18日
≪「日本製本紙工新聞」5月5日付から≫
取次協/雑協 雑誌の売上に一定の成果
12月31日特別発売を総括

5月11日
日印産連・第2回女性活躍推進セミナー開催
ドラッカー流の働き方学ぶ

4月27日
アイワード、石狩工場のスマートファクトリー化を実現
完全自動化の"未来工場"が始動

4月20日
【講演】「テレワークで人材確保を」
真興社の福田社長が自社事例を紹介

4月13日
フォーム工連・欧州視察報告会
デジタル印刷の最新動向を学ぶ

4月6日
〈日印産連・デジタル印刷調査報告会〉
高い機能性、どう活かすか
ビジネス拡大に向け活発な討論

3月30日
日本製本紙工新聞3月20日付より
タイヘイ、M&Aで拡大路線 業界再編の台風の目に

3月23日
東京製本工組
ECショップ「製本産直市場」を開設
組合員の販路開拓を支援

3月16日
日印産連 〔地域連携事業検討シンポジウム〕
地域ブランドを戦略に 印刷会社が果たす役割を探る

3月9日
東京グラフィックス「ビジコン2016」
困り事の解決にチャンス 都知事賞にゴミ分別アプリ

3月2日
ONE SAMURAI JAPAN
ご当地ヒーローで地域活性 インバウンド事業を協業展開

2月23日
〈page2017 基調講演1から〉
ジェイコブス氏が語る北米最新マーケティング動向
営業手法の見直しは必至 専用ツールの活用も不可欠

2月16日
〈全印工連・知財活用調査事業〉
知財権保護の必要を明確化
官公需、権利関係の明記が重要

2月9日
全印工連・ダイバーシティ調査
取組み本格化へ意識改革を 採用難への対応に懸念

2月2日
日印産連、VOC警報器で現場改善
光写真印刷の見学会を実施

1月26日
JPMA年始会
延長投資促進減税等を活用し投資喚起へ
アジア市場でシェア確保を
ジャパンカラーは「デジタル印刷認証」を早期に

1月19日
就業規則に副業規程を
多様性を前提に先手で

1月12日
≪「日本製本紙工新聞」1月5日付から≫
発足する全日本製本青年会・渡邊剛会長に聞く
「ど真中で勝ち残ろう!」 第1回大会、7月8日に京都で

1月5日
プロネート、WEB解析ソリューションを提供
課題の可視化で改善促す

12月22日
2016年の印刷業界十大ニュース
不安定さが増す中、新時代の戦略選ぶ

12月20日
≪「日本製本紙工新聞」12月20日付から≫
日本タウン誌・フリーペーパー大賞2016
大賞に櫻井印刷所(埼玉)、今年も印刷会社の力発揮

12月8日
紙を基本にデジタル教科書を併用
文科省検討会議が最終報告

12月1日
フュージョン、米DMA公認のマーケティング講座開始
日本向けに翻訳、eラーニングで受講可能に

11月20日
《「日本製本紙工新聞」 11月20日付から》
第20回いたばし産業見本市 地域貢献の視点育つ
区立美術館とのコラボレーションも

11月17日
東京製本工組「製本・加工技術プレゼン会」
バイヤーを招き実施 11社が自信の製品アピール

11月10日
〈ものづくり補助金/投資促進税制〉
経済産業省がJPMA会員向けに
28年度2次補正予算を説明

11月03日
全印工連、官公需対策に本腰
権利問題など前進図る

10月27日
全日本印刷文化典ふくしま大会
全印工連・臼田会長がメッセージ
新事業領域の開拓で知識産業へ

10月20日
印刷の再成長を考える
一億総活躍社会の社会の実現へ

10月13日
女性活躍でタカラ印刷(福島)が発表
日商の「若者・女性活躍推進フォーラム」で

10月06日
野毛印刷社(横浜)、オープンハウスを開催
顧客を制作現場に案内
"ひらめき"を生む提案の数々











2017年11月9日付
日印産連 Pマーク審査認定事業10周年
記念シンポジウムを開催 JIS改正対応など解説


 日本印刷技術協会が10月26日に開催したJAGAT大会2017では、中央大学ビジネススクールの田中洋教授による特別講演「成長するためのマーケティング戦略」が行われた。
 田中氏は、企業が強力なブランドを構築するための条件として次の3段階を挙げた。
・優れたブランドの「構想」を得る
・イノベーション(新しい習慣の形成)を起こし、新しい「知覚」をすばやく形成する
・ブランドを顧客にできるだけ早く浸透させる
 構想を得てイノベーションを起こすことの難しさについて田中氏は、次の事例紹介で示した。
 「ゼロックス社が1970年代にカリフォルニア州に設置したパロアルト研究所では、画期的な研究が数多く行われた。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、マウス、イーサネット、レーザープリンター、PDFなど、これらの研究成果の多くはゼロックス社ではなく他社によって事業化された。1979年に研究所を訪れたスティーブ・ジョブズは、『この会社はなぜこれを発売しない? 理解できない』と見抜き、後に15人以上の天才的な研究員がアップルに移ることになる。大量の視察団が研究所を訪問し、そこで同じデモを見たが、正しく理解する者はいなかった。イノベーションを評価し、事業性を予測することの難しさを物語っている。未来は今ここにある。しかし、その可能性にだれも気付かない」
 また田中氏は、講演の中でデジタルマーケティングの動向に触れ、デジタル広告費を削減する傾向がアメリカで出てきていると紹介した。
 「2016年の国内広告費は、テレビが1兆9657億円、インターネットが1兆3100億円。ネット広告はこれまで急成長してきたが、今後も一本調子で伸びていくかは疑問だ。ニューヨークの広告調査会社メディアレーダーの推計によると、前年比でP&Gが41%、ユニリーバが59%のデジタル広告費を削減した。P&GのCBO(最高ブランド責任者)であるマーク・プリチャードは、一貫してデジタル広告の有効性の不透明さと代理店との契約の複雑さに対する懸念を表している。企業は一時、デジタル広告へシフトしたが、マス広告に回帰する現象も見られる。
 広告を目に触れないようなサイズや位置で載せたり、いかがわしいサイトに掲載する手口が増えており、最も頻発しているのは日本だというレポートも発表されている。デジタル広告のマイナス面がここにきて目立っている。
 テレビの世界にはGRP(延べ視聴率)という長く使われてきた指標があるが、ネットの話は多くのバイヤーには理解できず、商談の場が滞っている」
 こうした課題に対して田中氏は「現在、テレビとインターネットの広告を同じモノサシで効果測定できないか、日本の広告業界でも検討を進めている。いずれ正式に発表されるだろう」と述べた。





















【印刷新報2017年11月9日付掲載】
その他掲載記事
・入札制度など4分野で要望書
 印刷4団体が都知事ヒアリングで
・印刷図書館70周年記念誌刊行を祝う
・東京アニメセンター in DNP プラザ オープン など

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2017年11月2日付
日印産連 Pマーク審査認定事業10周年
記念シンポジウムを開催 JIS改正対応など解説


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営するプライバシーマーク(以下Pマーク)制度の審査認定事業10周年記念シンポジウムを東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷で開催し、約120名が参加した。改正が予定される日本工業規格「JIS Q 15001(個人情報保護マネジメントシステム―要求事項)」(以下JIS)に関連した同制度の動向などが紹介された。
 日印産連では、2007年からPマークの指定審査機関である「日印産連プライバシーマーク審査センター」を設置し、会員からのPマーク付与に係る申請の受付・審査と付与適格決定可否などを行い、これまで延べ600社、2,500回を超える審査実績を有している。
 開会に際して神戸好夫専務理事は、同事業について「日印産連では、印刷産業の社会的責任をさらに高めることをテーマに活動を進めている。Pマーク審査認定事業は、その中核的な事業の一つである」と述べ、印刷会社が取引企業との信頼を深める手段として、同事業の意義の大きさを強調した。
 シンポジウムでは、Pマーク制度の現状とJIS改正への対応などについて、JIPDECの福井寛隆常務理事兼プライバシーマーク推進センター長から報告が行われた。
 1998年にスタートした同制度は、これまで累計2万社以上が付与を受け、新規申請数も増加傾向にある。新規取得事業者向けのセミナーも活況を呈するなど、存在感を増している。
 こうした中、本年5月30日に全面施行された改正個人情報保護法と、それに連動したJIS改正に関する問合せが増加しているという。
 改正個人情報保護法に関しては、JISは要求事項として法令遵守が盛り込まれており、全面施行後も「Pマークの有効性そのものに変わりはない」と福井氏は強調する。一方で「法改正によって新たに定められた内容については、必要な措置を講じていただく必要がある」とも述べ、問合せ窓口の設置や最新情報の適宜公開などの対応を行っていると紹介した。
 予定されるJIS改正への対応については、「現行制度において取得・維持に取り組む事業者の不安を極力軽減することを基本方針として対応していく」と述べ、具体的には、改正されたJISの公示後、速やかに新たな審査基準を公表。新基準による審査開始は、少なくとも公表後6ヵ月以降とし、基準公表時に併せて発表する。審査開始日までの申請については、現行の審査基準で行う。また、すでにPマークを付与されている事業者には、新たな審査基準による審査開始後に一定の移行期間が設けられる。
 今後は、JIS改正を主テーマとした研修会を全国10都市・13会場で11月下旬ごろからスタートする。新たな審査基準の解説書も来春に出版する予定。
 講演では、JIPDECによる制度改善への取組みも紹介。特に審査プロセスの改善に向けては、モデルスケジュールの公開と提出書類の最適化を今春から開始している。加えて、日印産連を含めた18の審査機関で、審査手続きの包括的な見直しも図っている。また、付与適格決定後に事業者が提出する書類についても、順次電子申請化を推進し、利便性を高めていくと報告した。
 講演の最後に福井氏は「サイバー攻撃の矛先が一般の事業者にもおよぶなど、情報セキュリティ全般に対して世の中の関心が高まっている。そのような時代の流れに沿った制度、あるいは審査のあり方を追求し、事業者のみなさまにご負担をかけないよう、たゆみなく改善を行い、安心安全な個人情報の取扱いを社会に提案するよう努めていく」と述べた。
 続く特別講演では、デロイトトーマツリスクサービスの丸山満彦社長が「新たなビジネス拡大、そこにはサイバーリスクが必ず…これからのサイバーセキュリティを巡る動向と対策の方向性」と題し、日々多様化・高度化するサイバー攻撃に対処するための基本的な考え方について概説した。
 講演後は、懇親会へと移り、10周年を祝うとともに、関係者間で活発な情報交換が行われた。




















【印刷新報2017年11月2日付掲載】
その他掲載記事
・JAGAT 盛大に50周年記念大会
・インタビュー IGAS2018への期待
 FFGS常務執行役員 中森真司氏
・セキ 水性フレキソ印刷加工事業を開始 など

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2017年10月26日付
〈第44回技能五輪国際大会〉
印刷職種・早瀬選手は敢闘賞
上位拮抗、僅差の4位に


 第44回技能五輪国際大会が、10月14日から19日までアラブ首長国連邦・アブダビで開催され、59の国と地域から1300人を超える選手が参加した。

競技初日、オフセット印刷の課題に取り組む早瀬選手

 19日(現地時間)に行われた閉会式では、全51競技の上位者の成績発表があった。印刷職種に出場した早瀬真夏選手(亜細亜印刷、長野市)は惜しくもメダルに届かず4位の敢闘賞だった。また、グラフィックデザイン職種に出場した青木美穂選手(図書印刷、東京都北区)は24位だった。
 印刷職種の金メダルはフランスとブラジル、銅メダルはスイス。以下、4位日本、5位ドイツ、6位オーストリア。前回銅メダルのフランスと前回金メダルのブラジルはともに非常に高い得点だったが、3位から6位までは僅差と見られる。各国の技能がレベルアップした結果、わずかなミスが順位に大きく影響するようになっている。
 印刷職種だけでなく、他の職種でも日本のメダル獲得数は減っており、従来と同じやり方、評価方法ではメダル獲得が難しくなっている状況にある。日本選手は今回、40職種の競技に参加し、「情報ネットワーク施工」、「メカトロニクス」など3職種で金メダルを獲得したほか、銀2個、銅4個、敢闘賞17個の成績だった。
 早瀬選手は、昨年12月に印刷職種日本代表に正式に決まって以降、社内、社外で数々のトレーニングを積み重ねた。本番でも大塚成二エキスパート(亜細亜印刷)とともに全力を出し切り、第4位という結果につながった。早瀬さんは、日本選手団と一緒に10月21日に日本に帰国した。
 次回の第45回技能五輪国際大会は、2019年8月にカザン(ロシア)で開催される。2021年はすでに上海(中国)に決定。2023年の大会には名古屋が正式に立候補した。
 日本印刷産業連合会では、次回大会に向けた準備を開始する。



















【印刷新報2017年10月26日付掲載】
その他掲載記事
・特集「環境経営の時代」
・全日シール 第59回年次大会・東京大会開催
 次回は「IGAS大会」に
・日本WPA セミナー&見学会 ファビオ(岡山)で など

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2017年10月19日付
全印工連、取引改善の実効性確保へ
適正な積算が焦点に


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)は、10月6日に静岡県熱海市で開催した「2017全印工連フォーラム」における理事長会で、今年7月に閣議決定した官公需法に基づく「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」の改定内容を実効性あるものにしていくため、全印工連の方針を示すとともに、併せて各地での取組みについて情報収集と意見交換を行った。
◆積算作業の肩代わりも検討事項に
 理事長会では、特に官公需取引改善の一層の推進をテーマに取り上げ、時間を割いた。「中小企業者に関する国等の契約の基本方針(以下、基本方針」の改定内容を説明した後、11月または12月に開催を希望している自由民主党中小印刷産業振興議員連盟(中曽根弘文会長)の総会に向けた全印工連としての考え方について生井専務理事が説明した。
 現在、官公需確保対策地方推進協議会が全国50ヵ所で開催され、地方公共団体等の発注者に29年度の基本方針が説明されているが、知的財産権保護を含め全体的に、資料を読み上げるだけの型通りの伝え方となっている。これでは内容の周知徹底は難しいと判断されることから、全印工連では基本方針の徹底遵守を目指し活動していく。
 次回の議員連盟総会では、さらに実効性を高めるための施策として、@最低制限価格制度の導入・実施および予定価格の適正な算出、A地元優先発注、B知的財産権の有償化の3点に関して、関係省庁の今後の取組みについて見解を聞きたい意向だ。
 生井専務理事は「とりわけ、用紙やインキなど資材の市況に連動した積算価格の設定を訴えていきたい」と説明。臼田会長も「予定価格の正しい積算ができなければ最低制限価格制度も成立しない。まずはここに焦点を絞って要求していきたい」と述べた。  昨年11月に全印工連が実施した調査結果によると、予定価格を「官公庁で積算せず」という回答が27%を占めている。
 自治体に積算ができる人材が不足している実状もあり、各都道府県印工組が積算作業を請け負う必要があること、その場合、公平性を担保するために他の工組が代わって請け負う方法が考えられるなど、今後議論が必要なテーマが示された。
 全印工連の官公需対策全国協議会(白子欽也議長)では現在、29年度の国の基本方針に則った契約条件の変化について、解りやすい説明資料を作成中であり、全組合員への配付を予定している。白子議長は「各印工組の要望に応じて、協議会の各ブロック代表の委員などが説明に出向くことも考えている」と述べた。
 その他、各地の取組みについて情報提供が行われた。
 青森県印工組の三上理事長からは「官公需確保対策地方推進協議会に出席した際、青森市の担当者と話した。『(基本契約についての)説明を聴いたが、どこまで踏み込めばいいのかわからない。説明会を県印工組で開いてくれると助かる』という話だった。これは非常なアドバンテージであり、有効に活かしたい。また、発注仕様書で著作権に関わる記述があればすぐに事務局へ連絡するよう組合員に呼びかけ、中央会とも連携している」と報告があった。
 岐阜県印工組の四橋理事長は「今年5月から組合員には、各社で判断せず、すべての発注仕様書を送るように指示している。問題があれば組合の不公正取引対策委員会で対処している」と徹底ぶりを強調した。
 発注の相談窓口として「印刷技術センター」を設けている新潟県印工組では、自治体に呼びかけ10月下旬に積算の勉強会を開催する。堀理事長は「センターの機能の一つはお客様(官公庁)への教育活動。積算作業を行うこともあり、評判はいい。ホームページを通じて一般企業からの相談が入ることもある」と話した。
 宮城県印工組の藤井理事長は「宮城県と仙台市の両方で議員連盟を作っている。県の議連には現在の村井知事も所属していたことがあり、最低制限価格について検討してもらっている。先日、新しい仙台市長を訪問した際、知的財産権について話ができた」と話した。
 臼田会長は「先進事例をどんどん寄せてほしい。それらを自治体に提示していくことは大変有効だ。全印工連と各組合が力を合わせて取り組んでいきたい」と考えを示した。



















【印刷新報2017年10月19日付掲載】
その他掲載記事
・特集 JAGAT創立50周年
・INTERVIEW IGAS2018への期待
 小森コーポレーション・藤巻陽介氏
・富士フイルム・富士ゼロックス 
 インクジェットデジタルプレス販売機能をFFDPに統合 など

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2017年10月12日付
共同印刷、創業120周年を機に
新コーポレートブランド「TOMOWEL」を導入


 共同印刷株式会社(藤森康彰社長、本社・東京都文京区)は、本年6月に創業120周年を迎えたのを機に、新しいコーポレートブランド「TOMOWEL(トモウェル)」およびコーポレートメッセージ「共にある、未来へ」の導入を決定し、2018年1月から順次使用を開始する。10月6日に東京・目白の椿山荘で開催した創業120周年記者会見の席で明らかにした。会見には藤森康彰代表取締役社長、井戸一喜取締役常務執行役員情報セキュリティ事業本部長、杉山毅コーポレートコミュニケーション本部部長が出席した。

新コーポレートブランド

 ◆理念体系、アクションも制定
記者会見の席上、藤森社長は新コーポレートブランド導入の理由について次のように説明した。
 「共同印刷は、1897年(明治30年)に書籍、雑誌の印刷から出発し、紙や布、金属、軟包装、チューブ、カードなどへと事業を拡大してきた。技術開発、そしてお客さまの課題解決に努めた結果、現在の取扱い製品・サービスはデジタル関連事業や医薬・産業資材など、印刷を超える領域にまで広がっている。
 そこで、創業120周年の節目を機に、改めて自らのアイデンティティを見直した。その結果、未来に向かって大切にしたい理念・価値観を明確にすることで、共同印刷グループの総合力を発揮し、事業領域のさらなる拡大と企業活性化を推進するため、新たなコーポレートブランドを導入することを決定した」
 新コーポレートブランド「TOMOWEL(トモウェル)」の意味については、「TOMOWELは、共同印刷の『共』、そして友、知、智でもある『トモ』に、良い、満ちる、親しみなどの意味を持つ『WEL』(Wellの古語)からなる造語。『共に良い関係を築く』―関わるすべてとともに良い関係を築き、未来を創り拓げていきたい、という想いを込めた」と述べた。
共生、友愛、知識、智恵など人間本来の良さや能力を結集し、充実した豊かな生活や文化を創り出すことに貢献していく意思を表している。
 コーポレートメッセージは、和文表記は「TOMOWEL 共にある、未来へ」、英文表記は「TOMOWEL Future creation for all」とした。
 また、ブランドロゴのデザインコンセプトは、人間・未来・意志の強さ・高品質・高精度である。
 さらに、グループ全体のあるべき姿を明文化した新ブランド理念体系「TOMOWEL WAY」と社員一人ひとりの意識を示す日々の心構えとして「TOMOWEL ACTION」も制定したと明らかにした。
 TOMOWEL WAYは、いつの時代も変わらない、グループの普遍的な正しさの原点・心構えを示す「PHILOSOPHY」、企業としての行動姿勢を示す「STANCE」、これから広げていきたい大局的な視野「FIELD」、めざすべき将来像、理想的なゴールのイメージである「VISION」から成っている。
 TOMOWEL ACTIONは次のとおり。
・望む未来に向かって挑戦する
・自ら学び、自ら考え、自ら行動する
・自由に大胆に発想し創造する
・常に先端を歩み、柔軟に変化する
・知的美的感覚を育む
・互いの成長を賞賛し合う
・対話を心がけ、異なる価値観を歓迎する
・企業や組織、立場を越えて協働する


















【印刷新報2017年10月12日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連 高知大会 来年10月、高知を舞台に
 「土佐で語ろう 印刷の未来」
・地域おこしめっせ2017 賑わう 大阪で初の試み
・東京JC印刷部会 組織改定と名称変更へ など

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2017年10月5日付
〈紙のエレクトロニクス応用研究会〉
次世代認識コードなど紹介
新市場の開拓へヒントを提供


 紙のエレクトロニクス応用研究会(江前敏晴代表幹事、事務局・茨城県つくば市)は、第12回技術研究発表&交流会を9月21日に東京・外神田の3331Arts Chiyodaで開催し、印刷会社、インキ・製紙・電機関連メーカー、広告代理店などから30名が参加した。

12回目を数えた研究発表会

 同研究会は、印刷技術を使い、紙の上に形成した電子基板による用途開発など、新しい市場の開拓や産業の育成を目指して2014年7月に発足した。現在、法人会員8社、個人会員20名からなる。
 この日は2時間にわたり、次の3つの研究発表を行った。江前敏晴氏(筑波大学生命環境系教授、日本印刷学会会長)「紙と印刷を使ったエレクトロニクスとセンサーの開発」、岸上郁子氏(アポロジャパン社長)「目に見えない次世代コード『スクリーンコード』の可能性」、平瀬尋士氏(スタジオジン代表、デザイナー)「折紙ランプシェード『折灯華setto-ka』の商品開発」。
 紙と印刷技術による新しいデバイスの開発に取り組んでいる江前氏は、紙のエレクトロニクスに電気を供給する紙基板の音振動発電機や農工業用水に含まれる重金属である銅イオンの検出および回収を行う紙基板センサーや回収材を紹介した。
 岸上氏は、独自に開発した「スクリーンコード」の特許技術と用途展開について発表した。スクリーンコードの最大の特徴は、バーコードやQRコードと違い、データを目に見えない形で印刷できること。白地に埋め込むことも可能で、デザインの自由度が高い。スマートフォンで読み取ることもでき活用は手軽だ。電子透かしのように埋め込むためのオブジェクトは必要とせず、画像の形状認識で情報を呼び出すARのような、対象が増えると誤認識が増える弱点もない。
 すでにセキュリティ強化を目的とした複合機や中国のパスポートへの採用、音声付き教材(音声情報を特製ペンで再生)、企業の受発注処理システムなどで製品化実績がある。世界を変える可能性を持つ次世代技術に対し、参加者からの質問が相次いだ。
 なお、次回の研究発表会は11月の開催を予定している。

















【印刷新報2017年10月5日付掲載】
その他掲載記事
・東京グラフィックス
 「平成29年度団体課題別人材力支援事業」受託
・紙の電子本を共同開発
 篠原紙工×プログレス・テクノロジーズ
・東京都功労者表彰 
 山岡氏、中村氏、田中氏に栄誉 など

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2017年9月28日付
大日本印刷、太陽堂封筒など4社
赤城神社で実証実験
拝礼作法など多言語で発信


 ここ数年、インバウンド市場が大きな盛り上がりを見せている。2017年の訪日外国人旅行客数は9月15日時点で2000万人を突破した。政府の掲げる2020年に4000万人という目標も現実味を帯びてきている。その一方で、急増する外国人旅行客への対応には課題を残しており、多言語対応といったインフラ面の整備が急務となっている。
 こうした中、東京・神楽坂にある赤城神社では、多言語表示サービス「D@G QR」を活用し、神社の歴史や拝礼作法などを多言語で発信する新たな取組みを行っている。
 赤城神社の岩渕佳史権禰宜によると、この数年で神楽坂地区にも多くの外国人旅行客が訪れるようになったものの、対応には苦慮しており、「簡単なお金のやり取りはまだしも、絵馬の意味や神社の歴史を説明することは難しかった」と振り返る。
 そんな折、赤城神社に封筒などの印刷物を納めている太陽堂封筒(東京都新宿区、吉澤和江社長)から同サービスについて紹介を受けたという。
 D@G QRは、チラシやパネルに設置したQRコードをスマートフォンで読み込むだけで、多言語に対応したコンテンツを発信するサービスであり、専用のアプリは必要とせず、コンテンツもテンプレートを登録するだけで翻訳からウェブページ、QRコードまでを一括で作成できる。最大42言語に対応し、動画の埋込みや外部サイトへのリンクも可能。
 NPO法人地域創生機構(下泉和也代表理事)とウェブサイト制作などを手がけるアンダース(安藤敬太郎社長)が共同開発し、大日本印刷が窓口となりサービスの提供を行っている。そこに紹介元である太陽堂封筒を加えた4社共同による実証実験を赤城神社で4月末から約1ヵ月間実施した。
 コンテンツは、風山栄雄宮司のあいさつや同神社の歴史、拝礼作法などを紹介するもので、日本語のほか英語、中国語(繁体語、簡体語)、韓国語、仏語、露語の7言語を用意。大鳥居のすぐ横にはサービス利用案内の看板とチラシを置き、境内の各所にQRコードと説明文を掲載したパネルを設置した。結果として期間中に約2000アクセスがあり、現在も継続実施している。
 岩渕権禰宜は「多くの方が使っている姿を見る。海外の方に質問された場合でも、D@G QRの利用を勧めることで対応でき、楽になった」と効果を語る。また、「わざわざ私たちに質問するのを気兼ねする方も多いようで、実は日本の方が一番利用されている」とも明かし、従来の参拝客にも好評だという。
 同サービスは飲食店や観光施設での採用も進んでいる。今後、日本各地で多言語対応サービスが整備されていくことが予想されるが、同サービスのように日本人にもメリットのある仕組みが普及することを期待したい。













【印刷新報2017年9月28日付掲載】
その他掲載記事
・「地域おこしめっせ2017」プレイベントを開催
・CSRで永続的な成長へ 
 横浜市立大学・影山教授に聞く 
・関東特殊加工協同組合発足記念座談会 など

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2017年9月21日付
太平紙業、エンボス加工で需要開拓
高い意匠性と偽造防止機能を提案


 太平紙業(田中要三社長、東京都江戸川区臨海町)は、紙の専門商社としての顔のほか、印刷・加工事業を伸ばし、大きく業態を変化させた。中でも注目されるのが、3年前から開始したエンボス加工だ。対応できる業者の数が限られてきている中、同社は8種類の柄のシリンダーを備え、エンボス加工による高付加価値パッケージや簡易偽造防止製品などで受注実績を増やしている。さらに、UV印刷機(菊半4色機2台)、箔押し機、抜き加工機など多彩な設備を持つ強みを活かし、それらを組み合わせた製品・技術により顧客の難しい要望にも応えている。

稼働中のエンボス加工機

 ◆アイデア次第でさまざまな用途が可能に
 太平紙業は、1964年の創業以来、紙の専門商社として洋紙を中心とした販売を行ってきた。しかし、紙産業が成熟期を迎える中、いち早く新たな方向を求め、1992年には印刷機を導入。その後、DTP部門・CTP部門、製本部門、抜き・加工部門を設立し、印刷と加工の新規事業を拡大した。近年はさらに変革のスピードを速め、2014年にはエンボス事業部とアッセンブリ部門、昨年は荷札・下げ札部門も新設し、紙販売・印刷・加工の三位一体経営を充実させている。
 エンボス加工に関しては、都内のエンボス加工業者の事業を引き継ぐ形で立ち上げた。L全のエンボス加工機2台を移設し、生え抜きのオペレータが技術を習得した。
 エンボス加工分野は従来、表面加工業者が同時に手がけることが多かった。時代の流れから、表面加工だけに特化する会社が増えていき、エンボス加工を請け負う会社は全国でも数少なくなっている。一部には、紙の代理店がエンボスを施した特殊紙を販売することもあるが、効率性と自由度の高さでは印刷後にエンボス加工を行う方式が勝る。
 ニッチな分野ではあるが、現在でもエンボス加工の需要には底堅いものがある。太平紙業では、外装箱など厚紙パッケージ類の仕事が中心であり、パッケージ関連の印刷会社や表面加工会社からの受注が多い。エンボス加工の効果と幅広い用途について企画開発部の内田稔部長は次のように話す。
 「意匠性の高い製品に確かな需要がある。箱としての機能に加え、エンボス加工をすることで付加価値が生まれる。たとえば、商品の高級感をイメージさせたい靴の箱やワインの箱などで引合いが多く、他の商品との差別化が図られている。  少子化の影響でロットが減ってはいるものの、教科書の表紙にも長くエンボス加工が使われてきた。耐摩性と意匠性が高くなるうえ、表面加工をしてからエンボス加工を行うとベタつかない。地図関係でも仕事をいただいている。
 そのほか、イベント会場などで使われる入場券と金券をセットにした製品で、ミシン目加工まで含めた受注が毎年ある。本格的な偽造防止やナンバリングではコストが合わないが、代わりにエンボス加工を使うことにより手触りで区別でき、簡易な偽造防止になる。
 出版社の中には、本の表紙にエンボス加工し、海外で横行する海賊版対策としているお客様もある。表紙の柄を見ただけですぐに区別が付く。
 加工の手間と工賃が発生するため、お客様が求める付加価値を表現できる小ロットの仕事が中心となる。いろいろなアイデアの組合せにより、新しい用途開発は可能だ。市場拡大の余地はあると見ている。現物を見ないとイメージがしにくい面もあるが、当社ではエンボス加工品のサンプルも多数用意しているので、ぜひ声をかけていただきたい」

 ◆業態変革をさらに加速
 同社には、エンボス加工機を担当する3名のオペレータがいるが、同時に箔押し機やラミネート加工機なども扱い、多能工でシフトしているため、現場発の豊富な製品アイデアの提案もできる。
 2台のエンボス加工機は、シリンダー幅が860ミリ。L全のほか、K全の用紙にも対応する。抜き加工機を改造した箔押し機を使うことでスポットエンボスも可能となっている。
 シリンダーの柄目は8種類(梨地・格子・皮しぼ・みずしぼ・絹目・新布目・布目・ダイヤ)。オリジナルシリンダーの作製にも応じる。
 今後の課題は薄物エンボスへの対応。紙のカールの発生を解決するため、現在、機械メーカーの協力を得てカール矯正装置をエンボス加工機に付けており、枚葉紙での安定した加工に近づいている。
 印刷・加工でさまざまな分野を開拓してきた太平紙業は、変革のスピードをさらに速めている。
 内田部長は「卸売業が非常に厳しい状況にある中で、特にここ2、3年は製造業へのシフトを加速した。マラソンから短距離走に意識を変えるぐらいの気持ちで取り組んでいる。UV、特色、厚紙の組合せに対応できることから、印刷会社様からの依頼が増えている。合成紙や蒸着紙、フィルム、ノーカーボンなど各種素材への対応もでき、面倒な仕事もこなせる。おかげで当社のオペレータのスキルは相当なレベルに高まった。さまざまな設備を持ち、組合せが利く強みを活かして、みなさまのお役に立っていきたい」と話す。

















【印刷新報2017年9月21日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連 2017年9月 印刷の月
 印刷産業の取組みを社会に周知 
・全青協 東京ブロック協議会
 異業種間の交流促進へ 
・青森県工組 創立60周年を祝う など

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2017年9月14日付
〈日本展示会協会インタビュー〉
2020年に向け展示会場問題が深刻化
印刷業も経済的損失は不可避


 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに端を発した展示会場問題が注目を集めている。現在、国内で最大の展示面積を誇る東京ビッグサイトは、メディアセンターとして利用される関係から、2020年5月から9月までの完全閉鎖が決定している。さらに、IGASなどの大規模展示会のメイン会場として利用されている東展示場は2019年4月から2020年11月までの20ヵ月間にわたり閉鎖されるため、多くの展示会の開催が危ぶまれている。出展企業のブースを彩る印刷物などを納める支援企業として、また出展社としても印刷業界にとって大きな影響が予想される。そこで、この問題について最前線で取り組んでいる一般社団法人日本展示会協会(石積忠夫会長)国内広報委員会の堀正人委員長(トレードショーオーガナイザーズ社長)に、展示会場問題の動向と印刷業界への影響などについて話を聞いた。
           ◇
 ―はじめに展示会産業の現況について聞かせてください。
 展示会自体は伸び代のある市場ですが、この問題が起こる以前から会場が慢性的に不足していました。東京ビッグサイトは常に予約が埋まっているために開催できる展示会の数は長らく横ばいで、一見すると市場が伸びていないように見えますが、実際には会場のキャパシティ不足で伸びようがないというのが実情です。
 また、日本で最大の展示会場面積を誇る東京ビッグサイトでも世界の中では64番目に過ぎず、日本の経済規模を考えれば十分な大きさではありません。
 当協会としては、日本全体の展示会場の総面積を現在の3倍にあたる100万uにするように訴えており、安倍首相にも4年前の国会で展示会場の拡張について答弁していただきました。ようやく国が国策として重要視してきた矢先に今回の問題が起きてしまいました。
―現在までの対応状況はいかがですか。
 東京都に掛け合った結果、2万3000u規模の仮設展示場が建設されることになりました。ただし、ここもオリンピック開催期間中は封鎖されてしまいます。
 現在のままでは、オリンピック期間中は東京ビッグサイト、仮設展示場ともに利用できず、また東展示棟が閉鎖される20ヵ月間の東京ビッグサイトの全体の平均利用可能面積は現在の54%と半分程度に落ちます。つまり単純計算で半分の展示会が開催できなくなり、それだけ大きな経済効果を喪失することになります。
 また、千葉県にある幕張メッセも競技場として使用するため、同様にオリンピック開催期間中は使用できません。
 これは当協会の公式声明文にも記載していますが、海外では展示会の重要性を認識しているので、ロンドンでも北京でもオリンピック期間中に既存の展示会は1つも中止にはなっていません。日本の状況を海外の展示会関係者に話したら、「クレイジー」だと驚いていました。
 当協会では例年と同じ規模で開催できるように東京都や行政に継続して訴えています。具体的には、他の場所にメディアセンターを設けるか、あるいは8万u規模の仮設展示場を首都圏に建設することを提案しています。
 当協会の有志企業は、土地さえ貸してくれれば、建物自体は自分たちで建設しようという機運も高まっています。
―関連業界への影響はどの程度考えられますか。
 展示会が開催できないことにより、印刷会社や装飾会社、コンパニオンなどの派遣企業、電気・水道・ガスなど、展示会関連の支援企業約1000社で1134億円の売上げを失うと試算しています。
 また、展示会は印刷会社をはじめ多くの中小企業が販促・商談の場として利用しています。すばらしい技術を持ちながらも専属の営業担当者がいない企業にとって、展示会は彼らの代わりに商談相手を連れてくる有効な営業・販促・PRの場として機能していました。この問題は出展企業側にとっても大きな経済損失を生みかねません。
―印刷業界にとっても他人事ではない問題ということですね。
 とても興味深いのは、紙の印刷物が一番利用されているのは展示会業界ではないでしょうか。まず、各展示会の招待券や販促物として紙のダイレクトメールだけでも膨大な枚数が年間で配布されています。海外ですとガイドブックなどのデータを保存したCD-ROMを来場者に配布することもありますが、日本では多くがまだ紙です。さらに、主催者や出展企業に納めるポスターやパンフレットなどの印刷物もあり、これはものすごく大きな需要だと思います。もし展示会が減少すれば大きな打撃を受ける印刷会社は少なくありません。
 また、コミックマーケットに代表される同人誌を扱う展示会では商品そのものが印刷物ですから、同人誌印刷を行っている印刷会社にとってはまさに死活問題となりえるでしょう。
―展示会を企画・主催・運営する企業ではどのような対応をとっていますか。
 2020年に近づくに連れ、展示会主催企業は展示会を中止、縮小、あるいは会場変更などの判断を迫られることになります。
 その期間だけ地方で開催すればいいという意見もありますが、まず東京で行っている展示会を開催できる規模の会場が地方にはほとんどありません。また、従来のお客さまにも今回だけ地方でと案内するのは難しく、現実的ではありません。
 各産業の中小企業のビジネス成功のカギを握る商談が行われる展示会の開催が、各産業を発展させ活性化しているという事実が再認識され、展示会主催企業がなんとか例年どおり開催できるよう切望しています。 ―最後に印刷業界に対するメッセージをお願いします。
 展示会は印刷業界にとても密接な産業だと思います。みなさまにもこの問題についてご理解いただき、展示会の日本経済における重要性を声高に訴えながら、共に解決に向けて協力していきましょう。
















【印刷新報2017年9月14日付掲載】
その他掲載記事
・全国印刷緑友会60周年記念大会
 世代を超えて412名が交流
・HOPE2017 来場者、2日間で3,400人 
・プリントネット ビットコイン決済を開始 など

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2017年9月7日付
木戸製本所、東京に「入船製本工房」開設
少人数でも運営できるビジネスモデルを設計
小ロットPUR製本の受け皿に


 木戸製本所(木戸敏雄社長、新潟市東区)は8月3日、入船製本工房(同代表、東京都中央区)を開設した(本紙8月20日付既報)。オープンにあたり、木戸代表は「デジタルの印刷物の受け皿を作り、その発展に貢献し、紙は高級品になっていくという信念を持って印刷物の付加価値を高めていく」と語った。今回のビジネスモデルの着眼点と展望について改めて話を聞いた。
           ◇
 ◆製本業に新しいビジネスモデルを
 木戸氏は入船製本工房について、「考え始めたのは今年の3月ぐらい」と言う。
 これまでに、木戸製本所は、自費出版などを手がける『ミューズコーポレーション(喜怒哀楽書房)』を2004年に設立。さらに2015年には、デジタル印刷機と後加工機を活用したフォトギフトやアルバム作製システム、各種WebサービスのソリューションをBtoBtoCで提供する『GiH』を設立し、いち早く製本業から、印刷、Webへとビジネス領域を拡大し、軌道に乗せている。
 木戸氏は「製本ではもうできることはないのではないか」と考えていたが、「ミューズコーポレーションでデジタル印刷機の運用と後加工のノウハウがあり、特に小口のPUR製本の受け皿がないとの声も耳にしていた。それならば、PURとオンデマンドを組み合わせれば、面白いビジネスになるのではないかと考えた。商品の引取り納品にもニーズがある。そういった部分をWebと絡めれば新しいビジネスモデルになる」
 工房では製本だけに特化し、受注はWebで、納集品、代金回収などは外注する。少人数でも運営できるビジネスモデルを設計した。
 そのため、PUR製本機には自動化と生産性に優れたホリゾンの「BQ‐280PUR」、断裁機には油圧方式で紙質に応じた強力な断裁が行える「APC‐610」を採用した。
 木戸氏はBQ‐280PURを「刷本の厚さに応じて、のり量、ニッピング幅、ニッピング高さ、筋入れ幅調整などの最 値を自動で調整してくれる。よくできた、デジタル印刷の製本には非常にいい機械」と評価する。
 W e b 受注(http://i-seihon.com/)では、デジタル印刷に対応するため、従来型の16面8頁折りにはこだわらず、中綴じで4頁ごと、無線綴じならば2頁ごとに頁数が選べるようになっている。製本のスピードも「通常」「特急」「ゆっくり」の3種類から選べ、それぞれ料金が変わる。もちろん、1冊からの注文も可能だ。
 料金については、「他社の製本価格を参考にした。少部数だと少し当社の方が高いかもしれないが、10部を超えれば当社の方が安くなるし、デリバリーもできる」と自信を見せる。
 ターゲットとして、印刷会社はもちろん、中央区という好立地を活かし、企業内文書や官公庁の文書の製本も視界に入る。デジタル印刷の広がりを考えると、今後デザイン事務所なども、印刷の内製化へと舵を切ることも十分考えられ、そうなればさらにターゲットは拡大する。
 ◆ノウハウの提供や設備のシェアも
 木戸氏はオープニングセレモニーのあいさつで「将来的には4店舗ぐらいまで増やしたい」と述べたが、自社で展開することにはこだわらないと言う。
 「それほど大きなスペースがなくても始められ、設備投資の額もそれほど大きくはならない。他社さんで有効活用できるスペースがあれば、当社のビジネスモデルを提供したい」とフランチャイズ的な展開を構想する。
 「今はシェアリングの時代。製本会社ももっと便利にシェアできる会社があってもいい。その受け皿として当社の設備やビジネスモデルを使ってほしい。そうしたニーズに対応できるWeb受注や発送の仕組みになっている」
 小ロット時代のビジネスについて、木戸氏は「言われたことをやるのではなくて、自分たちが考えたビジネスモデルの中にお客様を引き込んでいくことが必要になる。最初は営業しなければならないが、後々は営業しなくても仕事が来るような仕組みにしていくことが重要だ。ビジネスとはお客様の問題を解決していくこと。デジタル印刷機を持つ印刷会社様の問題を解決するお手伝いもしたい」と語る。















【印刷新報2017年9月7日付掲載】
その他掲載記事
・「9月 印刷の月」特集
・第16回印刷産業環境優良工場表彰
・JAGAT、夏フェス開催 など

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2017年8月31日付
国等の契約の基本方針、
解説に「財産的価値に留意」など明記
著作権の適正な保護に言及


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)と全日本印刷産業政治連盟(森永伸博会長)の要望内容が反映された「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」(7月25日に閣議決定、以下「基本方針」)には、知的財産権に財産的価値を認めるよう盛り込まれたが、今回、「基本方針」の解説内容が明らかになった。解説には、@知的財産権の財産的価値への留意、A利用目的の明確化、Bコンテンツ版バイ・ドール契約の活用などが詳細に記載された。
 現在、経済産業省の各地方経済産業局主催による平成29年度官公需確保対策地方推進協議会が全国50ヵ所で順次開催されている。同協議会では、「基本方針」の中で、特に平成29年度、新たに講じる主な措置として、@知的財産権の取り扱いの明記、A中小企業・小規模事業者の資金繰りへの配慮、B最低賃金額の改定に伴う契約金額の見直し、について解説部分も含めて重点的に説明されている。
 印刷業界の要望に対応した部分では、知的財産権の財産的価値への留意、利用目的の明確化、コンテンツ版バイ・ドール契約の活用などが詳細に記載された。
具体的には次のような記述がある。
 「官公需の印刷発注において、@契約書等において著作権を発注者へ無償譲渡することが定められている、A契約書等において記載が無いにもかかわらず、納入時に納入物の電子化データの譲渡を求められ、そのデータを利用し無断で増刷が行われたなど、著作権等の財産的価値に係わるトラブルが散見されており、受注した中小企業の著作権を適切に保護することが求められている。
 具体的には、発注のための業者選定段階の見積依頼に際しては、著作権譲渡や使用許諾、部分譲渡や部分使用許諾の範囲、その期間等の詳細な取り扱いを書面にて明確化し、諸条件の対価を勘案した上で金額を算定してもらう必要があり、この金額を参考とし契約締結することで財産的価値に留意したものと考えられる。
 官公需の印刷発注においては、納入物に係る著作権の利用目的を明確にすること、著作権の財産的価値を認めることが必要であり、また、調達コストの適正化や著作物の二次的活用等の観点から、調達目的の達成に必要な著作権の適切な譲渡や使用許諾の範囲を検討し、不要な著作権の全部又は一部を譲り受けず受注者に帰属させるコンテンツ版バイ・ドール契約の活用推進が期待される」
 なお、印刷発注については、特別に参照資料も配布された。「著作権の権利範囲を明確化して財産的価値に留意しましょう!」とタイトルに謳っており、その中では、「納品物の電子化データ(所有権)についても、著作権と同様に、譲渡の必要性を検討の上、納品が必要な場合は仕様書へ明記し、その財産的価値に配慮する」と記載されている。
 全印工連では、今回の「基本方針」および解説の内容をもとに、本年12月までに組合員向けの分かりやすい解説資料を作成する予定だ。「基本方針」の実効性を高めるため、解説資料をもとに、今後、経済産業省や中小企業庁と連携して、あらゆる機会を捉えて組合員および官公庁等への啓発を積極的に進め、官公需取引の適正化を図っていく。















【印刷新報2017年8月31日付掲載】
その他掲載記事
・デジタルラベル機が成長 2021年度に570億円を予測
・日本WPA 「UVエコインキマーク」普及へ
 専用Webページを開設
・第43回全日本光沢化工紙全国大会
 9月8日、別府で開催 など

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2017年8月24日付
日経印刷、日本創発へ経営参画
両社のシナジーに期待大
日本創発グループは売上高500億円規模に


 日経印刷株式会社(本社・東京都千代田区)は8月14日開催の取締役会において、ジャスダック上場企業である株式会社日本創発グループ(本社・東京都荒川区、以下「日本創発」)のグループ企業の一員として参画することを決議した。両社の協力により多くのシナジー創出を期待する。15日に日経印刷グラフィックガーデン(東京都板橋区)で行った業界記者向けの発表では、日経印刷の林吉男代表取締役会長、吉村和敏代表取締役社長、日本創発グループの藤田一郎代表取締役社長、鈴木隆一代表取締役ほか日経印刷の役員が出席し、経営参画の経緯と今後について説明した。
            ◇
  日経印刷は、1964年10月に創業。業容の拡大を続け、現在は売上高約100億円、従業員数約400名の規模に成長した。2008年には、高度なセキュリティ管理の下で企画・デザイン・印刷・製本・梱包発送まで一貫して行う最新の工場「グラフィックガーデン」を竣工した。教育関連事業や金融事業向けの印刷物、各省庁から発行される白書などの分野において、圧倒的な受託実績を持つ。近年は、WebやAR技術との融合など、印刷物の付加価値向上にも積極的に取り組んでいる。
 同社は長期的な視点に立ち、今後の経営戦略を模索した結果、日本創発への経営参画を決めた。
 一方、日本創発も8月14日開催の取締役会において、日経印刷の完全親会社であるグラフィックグループ株式会社の株式の一部を取得することを決議した。2017年11月28日開催予定の臨時株主総会における承認決議など所定の手続きを経た上で、2017年12月31日(予定)を効力発生日として、日本創発を存続会社、グラフィックグループを消滅会社とする吸収合併を行う。これにより日経印刷は日本創発の完全子会社となる予定。
 また、11月28日開催予定の臨時株主総会では、日本創発および傘下の事業会社との連携強化を目的として、日経印刷の林吉男代表取締役会長が日本創発の代表取締役会長に、吉村和敏代表取締役社長が取締役に選任される予定である。加えて、日経印刷の所有者である創業家は、日本創発の第2位の大株主として、日本創発の経営を株主の立場で支援していく。
 日本創発は、現在27社のグループ企業を有し、多角的なクリエイティブサービスの提供に邁進している。同社が今年2月10日に公表した2017年12月期の業績予想は連結売上高350億円。また、昨年12月末現在のグループ従業員数は1610名。日経印刷がグループに加わることで、連結売上高は500億円を臨む規模、従業員数は2000名以上となる。
 記者発表の席上、日経印刷の林会長は、今回の決議に至る経緯について次のように話した。
 「業界の低迷が続く中、当社もなんとか100億円の売上を維持しているが、お客様のご要望に応えきれていない面がある。若手社員を中心に市場創造に関するプロジェクトも推進してきた。(日本創発の中核企業である)東京リスマチックの故・鈴木隆夫会長とは私も若い頃から長い付き合いがあり、互いに切磋琢磨してきた。お客様への提案内容を増やすという当社の課題を考えた時に、両社のお見合いは『これぞ』というもので、4年ほど前に隆一氏に合併の話をもちかけた。私の中では兄弟会社となる感覚であり、今後は日本創発の各グループ企業の特性をよくつかみ、新しい営業方針を考えていく。胸襟を開きながら、ともに成長していきたい」
 また、日本創発の鈴木隆一代表取締役は「実質無借金で盤石な経営をされ、優れた管理能力と経営品質を持つ日経印刷さんは、単独でも今後30年にわたり健全な経営が十分に可能だ。当社グループの中でも群を抜いている。そういう意味で、今までとは別次元の話であり、経営結合に近いものである。2015年1月に設立した日本創発グループはイノベーションが根っこにあり、日経印刷さんを迎えたことで、機能的、組織的な本格的なイノベーションがようやく可能になる。私としては極めて喜ばしい」と話した。
 引き続き、日経印刷の代表取締役社長としても指揮を執る吉村社長は「すてきなチャンスを与えていただいた。当社の営業力と日本創発さんの情報コミュニケーションにおける豊かな表現力を結び、新しい価値を生んでいきたい」と述べた。日本創発の藤田社長も「当社が得意とするセールスプロモーションと、日経印刷さんの高度な印刷品質、強い営業力との相乗効果には大変期待している」と展望した。














【印刷新報2017年8月24日付掲載】
その他掲載記事
・全国印刷緑友会60周年 記念特集
・HOPE 2017 開催迫る
・第16回環境優良工場 受賞全14工場が決定 など

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2017年8月10日付
【日印産連・FAPGA&WPCF報告会】
デジタル印刷機の存在感増す 人材不足は世界共通の課題


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は、5月にオーストラリア・メルボルンで開催されたFAPGA(Forum of Asia Pacific Graphic Arts:アジア印刷会議)、6月にデンマーク・コペンハーゲンで開催されたWPCF(World Print & Communication Forum:世界印刷会議)に日本代表として参加した。その出張報告会が7月26日に日本印刷会館で開かれ、各国の印刷業界動向に関する情報や、現地展示会の視察報告などが行われた。
            ◇
 開催国のオーストラリアのほか日本、中国、ネパール、フィリピン、ニュージーランドが参加したFAPGAは、アジア・パシフィック地域における印刷・コミュニケーション産業の発展を目指し、メンバー国間での意見・情報交換等を行っている。次回は日本がホスト国となり、IGAS2018(7月26日〜31日、東京ビッグサイト)の会期に合わせて東京で開催される。  今回の会合では各国の印刷産業の概況とともに、オーストラリア最大の印刷機材展である「PacPrint」の視察などが行われ、その概要が報告された。
 約150社が出展し、会期5日間で約1万2000人が来場したPacPrintの注目点として、視察を行った日印産連の石橋邦夫広報部部長は、オフセット印刷機の実機展示が1社に留まったことを挙げた。オーストラリアの都市部の中小印刷会社では、オフセット印刷機を廃棄して、代わりに印刷通販に委託するケースが増えているようで、石橋部長は「今後、オフセット印刷を行う企業が集約化されていくかもしれない」と推察する。
 対照的にデジタル印刷機やラージフォーマット機は多くの実機展示が行われ、ラベル用プリンターや印刷通販のブースも目立っていたという。
 一方、ワールドワイドな会合であるWPCFには日本、アメリカ、欧州(Intergraf)、中国、韓国、インドが参加した。各国の出版市場動向や印刷産業動向について意見交換が行われ、インド、アメリカ、欧州の現況については各国の代表者から次のように紹介された。
■インド 「印刷会社は25万社あり、業界は順調に成長している。書籍もまだ増加しており、パッケージ分野も順調ではあるが、業界内での価格競争は厳しい。印刷通販の普及はまだ進んでいない」
■アメリカ 「2015年から2016年にかけて米国の印刷業界は順調に成長。すべてのセグメントで成長しており、書籍で1.5%の増加となった。若者が本を読むようになり、書籍の数は電子書籍を上回っている。ワイドフォーマットやパッケージは順調に伸びており、印刷会社の提供するサービスもビデオ、広告、ウェブ、3Dプリンティングなど幅が広がっている。業界としては将来に明るい見通しを持っているが、若い人材の採用では苦戦している」
■欧州 「国ごとに状況が異なるが、独・英などを中心に順調。独ではプリント広告が3年連続で増加。3Dプリンターの印刷業界への導入はあまり進んでいないが、フランスの印刷会社ではPOP製作用に大型3Dプリンターを導入している。2016年にパッケージ印刷が商印分野を超えた。一部の国では熟練工の確保に苦心しており、多くの国では若い世代の採用に苦労している」
 また出版市場動向については日・米・欧を比較して紹介された。
 出版印刷関連市場は揃って減少傾向にあるものの、日本が雑誌・書籍ともに大幅な減少が続くのに対し、アメリカでは減少ペースが落ち着き、欧州では書籍は横ばい傾向にある。
 出版分野におけるデジタル印刷の活用に関しては、アメリカと欧州では普及が進んでおり、特に欧州では2020年にプリント枚数換算で全体の5.1%(2015年の約2倍)、出荷額ベースでは49.4%を占めると予測されている。
 電子書籍市場については、先行したアメリカでは頭打ち傾向にある。一方、日本と欧州ではようやく立ち上がり始め、日本では主にコミックの読み放題サービスが普及を後押ししている。欧州では英国で普及が進むのに対し、フランスやスペインでは未だに低調と、違いが見られた。














【印刷新報2017年8月10日付掲載】
その他掲載記事
・日本プリンティングアカデミー 花井秀勝新理事長就任
 記念講演会 印刷会社の変革を支える教育機関に
・三菱重工 印刷紙工機械など3社を統合
・大日本印刷 成長領域への取組みに本腰 など

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2017年8月3日付
こだま印刷、4色革命インキ「美麗」を開発
RGBの色彩を4色で忠実に再現


 こだま印刷(大竹恭子社長、本社・東京都新宿区)は、6月28日から30日まで東京ビッグサイトで開催された「第1回 グラフィックデザイン EXPO」に出展し、同社独自開発の新印刷システムを発表した。まさに「4色革命」ともいうべき、従来のインキ表現の概念を変えるものだ。
            ◇
 デザインや組版時にディスプレイで見ているデータは、ディスプレイのカラー出力を構成するRed(赤)、Green(緑)、Blue(青)の3色の要素で構成されている。そのため、印刷物で正確にディスプレイ上の色彩を再現するには、カラープロファイルを作成しなければならない。
 一般的に、RGBの方が色域は広く、従来のインキで再現するには6色から7色が必要とされてきた。
 今回、同社が発表したシステムは、新たに開発したCMYKインキ「美麗(みらい)」とプロファイルシステムにより、4色でありながら6色に近い色域の広さを実現するもの。これにより、5色、6色を必要とする場合でも、従来どおり4色で広色域の印刷が可能となるため、4胴の印刷機でもRGBの色彩を再現できる。
 また、色域をRGBディスプレイに近づけることで、印刷現場との関係もより接近したものになる。iPadなどの共通デバイスを営業、デザイナー、製版、印刷それぞれが持つことで、色見本をいつでも、どこでも確認することができる。顧客が現場まで足を運ぶ必要がなくなり、色見本の出力や運ぶ手間が省けるなど、今後は各セクション間のやり取りの劇的な変化も期待される。
 グラフィックデザイン EXPOでの展示では、「アニメの色を4色で再現しました」と謳い、アニメ原作の色彩を忠実に再現できることをアピール。サンプルも、普通紙だけではなく、ヴァンヌーボ、クリアファイルと多彩なサンプルを並べた。  こだま印刷はUV印刷も手がけているが、照井義行取締役副社長は「お客様に『これはUVで刷っています』『これは油性で刷っています』と説明することはない。もちろん、光沢感などで差は出るが、当社の印刷物はどちらでも色が変わらないからだ」と語る。
 今回の新システムについても、UVと油性の双方に対応している。
 照井副社長は「新しいインキでも、油性とUVの色彩に差はない。インキはこれから商品化に向けて開発を進めていくが、広色域インキに一石を投じたい」と意気込む。













【印刷新報2017年8月3日付掲載】
その他掲載記事
・知的財産権に財産的価値認める 全印工連の活動が結実
・IGAS出展募集・相談会開催 期待高まる
・page2018 出展募集開始 など

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2017年7月27日付
全日本製本青年会が始動
〈第1回京都大会〉 「ど真中で勝ち残ろう!」


 全国の若手製本人が結集した全日本製本青年会(渡邊剛会長)の第1回大会が7月8日に京都の地で盛大に開催された。当日は13地区(北海道製本工組青年部、宮城県製本工組青年部、東京製本二世連合会、神奈川県製本工組青年会、岐阜若鮎会、愛知製本みどり会、金沢製本兼六会、京都製本親双会、大阪製本若葉会、神戸製本サンの会、岡山製本烏城会、広島骨陶倶楽部、福岡製本若樹会)の会員のほか、親組合や関係諸団体、賛助会員など計150名以上が参加し、製本業界の明日を担う新たな青年組織の船出を祝った。

会旗と会員バッジを紹介する義江大会実行委員長(左端)

 ◆青年印刷人との交流も
 当日は、京都ホテルオークラを会場に、午後3時過ぎから大会が行われた。義江伸一郎実行委員長(京都製本親双会)の開会宣言に続き、渡邊会長があいさつした。
 全国製本誠友会を発展的に解消して全日本製本青年会を設立した経緯を紹介したあと、「個々の会社の力は小さくとも、一つのかたまりとして、それぞれの知恵や人脈を活用すれば大きな力になる。製本業界の未来はわれわれの双肩にかかっているという自負を持ちたい。必死に考え、必死に実践するという気概を持って、製本業界のど真中で勝負し、ともに勝ち残っていこうではないか」と述べ、「親組合のみなさまには、私たちの活躍を楽しみにしていただきたい」と力強く締めくくった。
 来賓紹介のあと、大野亮裕全日本製本工業組合連合会会長、西田昌司参議院議員・京都府製本工組顧問による祝辞、山崎喜市京都府製本工組理事長による歓迎あいさつが行われた。
 大会に続く総会では、三役と顧問の紹介、会旗と会員バッジの紹介、会則と会計報告のあと、設立にあたっての功労者8氏を表彰。東京製本二世連合会の横田大祐会長が「製本業界の『ど真中で勝ち残ろう』という意志を!」と題した大会スローガンを提案説明し、満場一致で承認された。
 2019年の次期開催地として愛知県が提起され、京都から愛知へ会旗が手渡された。
 懇親会で乾杯発声を行った全国青年印刷人協議会の惠勇人議長は「ともに青年会らしい発想と実践力で印刷・製本業界の厳しい経営環境を突破していきたい」とあいさつ。
 懇親会の後半では、全国の青年印刷人3団体が主催する「PRINT NEXT2018・大阪大会」(2月10日)の山本素之実行委員長が大会をPRした。さらに壇上で、惠全青協議長とジャグラ青年部SPACE-21の佐藤元代表幹事が、渡邊会長や大阪製本若葉会のメンバーに対して大阪大会への参加を要請するとともに、2020年の「PRINT NEXT」では全日本製本青年会も主催者団体の一つに加わってもらうよう提案する一幕もあった。
 なお、大会に先立って行われた講演会では、「コラボレーションから学ぶ製本業界の未来」と題して、地域活性プロデューサーの島田昭彦氏が講演し、内容を踏まえた分科会が開かれた。












【印刷新報2017年7月27日付掲載】
その他掲載記事
・検査装置特集 「はたらく現場を変える」
・日印産連/大印工組 「地域おこしめっせ2017」開催
・旭川で北の仲間が集結
 第31回北海道情報・印刷文化典  など

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2017年7月20日付
日印産連、「印刷と私」コンテスト実施
エッセイ・作文を一般から広く募集


 日本印刷産業連合会グリーンプリンティング認定事務局は、社会に「印刷」の良さを知ってもらうことを目的に第1回「印刷と私」コンテストを実施する。

募集案内リーフレット

 “私にとって大切な印刷製品”“記憶に残る印刷物”“印刷の思い出”など、印刷にまつわるエッセイ・作文を広く一般から募集する。一般人、印刷クライアント、クリエイターから印刷会社の従業員まで、だれでも応募できる。
 審査委員長は、グリーンプリンティングPR大使で、「くまモン」の生みの親である放送作家の小山薫堂氏が務める。
 締切は9月10日(当日必着)。表彰式は11月20日に東京の学士会館で行う。入賞作品は「印刷と私」作品集として発行し、ホームページ上でも公開する。
 応募は自作、未発表の作品に限り、郵送、Eメール、または日印産連ホームページからできる。応募用紙は自由。
【テーマ】
「印刷と私」─印刷にまつわるエッセイ・作文─
 ※タイトルは自由。必ず付けて応募のこと。
【募集内容と賞】
▽一般の部(中学生以上)
 エッセイ(800字以内)、小山薫堂賞(2編)賞金10万円、優秀賞(5編)商品券1万円分
▽小学生の部
 作文(400字以内)、小山薫堂賞(2編)図書カード3万円分、優秀賞(5編)図書カード3千円分
【応募・問合せ先】
 日本印刷産業連合会グリーンプリンティング認定事務局
 電話 03─3553─6123
 Eメール contest@jfpi.or.jp
【後援企業・団体】
 朝日新聞社、産経新聞社、日本経済新聞社、フジサンケイ ビジネスアイ、毎日新聞社、読売新聞社、日本グラフィックデザイナー協会、日本雑誌協会、日本書籍出版協会











【印刷新報2017年7月20日付掲載】
その他掲載記事
・軟包装にパーソナライズ化の波
 凸版印刷「デジタルプリントカンファレンスin福岡」開催
・SOPTECとうほく2017 2日間で1万1,200人が来場
・“モトヤコラボフェア東京”開催
 など

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2017年7月13日付
廣済堂/福島印刷
業務提携モデルを拡大
デジタル印刷・加工の強化へ


 廣済堂(浅野健社長、本社・東京都港区)と福島印刷(下畠学社長、本社・石川県金沢市)は2015年6月、デジタル印刷分野において共同でダイレクトメールサービス(DM)およびブックオンデマンドサービス(BOD)を推進する業務提携契約を締結した。
 2016年2月からは、福島印刷が廣済堂のさいたま工場内に最新鋭のロール式インクジェット印刷機(Truepress Jet520 HD)を設置し、福島印刷の金沢工場を補完するサテライト工場として稼動してきた。
 今回、2017年9月に廣済堂のさいたま工場に福島印刷のサテライト工場と同一のインクジェット印刷機を設置し、サービスを拡大することになった。今回の業務提携モデルの拡大により、同ビジネスにおける両社の売上高は3年後に10億円と予想している。

 ◆DM・封書・BODに柔軟に対応
 両社における業務提携は、両社の保有するリソースを効率的に活用し合う事業最適化システムである「シェアモデル・マネジメント」として、コストとリスクを低減させ競争力強化を図ってきたと同時に、個人情報を取り扱うデジタル印刷設備をシェア利用するに際しての通信系、データ処理系、生産フロア等の高度な時間分割独立管理システムとルール体系に基づく「シェアポリシー」による共同運営を実現し、デジタル印刷領域での実績を拡大してきた。
今回の導入は、業務提携モデルの拡大に向けて出版印刷や商業印刷の営業領域におけるデジタル印刷サービスの拡大や深化を目指す廣済堂の独自設備による事業展開の強化と、金沢工場とさいたまサテライト工場を稼働している福島印刷のさいたま工場内でのBCPリスク解消と金沢との3拠点によるモデルを実現することで、両社における顧客へのサービスと品質・納期保証の強化を図るもの。
 加工分野においては、福島印刷のサテライト工場内の圧着はがき加工ラインのほか、廣済堂のさいたま工場内には、従来の封入封緘ラインに加え、新たにデジタル印刷に対応した製本加工ラインを導入。「DM」「封書」「BOD」のいずれにも対応できる体制で顧客のニーズに応える。
 廣済堂は出版印刷に強みを持ち、傘下に廣済堂出版や廣済堂あかつきという出版子会社を保有。また、幅広い顧客資産とさまざまな事業領域で培った総合力を活用し、One to One型の最適なマーケティング戦略やITソリューションを併せて提供し、顧客のニーズに的確に応える「マーケティング・プラットホーム」や「リアルとネットの融合」ビジネス展開を加速していく。
 福島印刷は、2008年から消費者の嗜好に合わせたOne to Oneドキュメントの自動生成と、バリアブル印刷を組み合わせたソリューションである「パックサービス」を提供してきた。複数のDM企画をまとめて生産することによるスピード化や、開封トラブルに強く、印刷に制限のない後糊方式が高い評価を得ている。今後はビジネスプロセスアウトソーシング市場も積極的に開拓しながら、その事業を拡大していく方針。










【印刷新報2017年7月13日付掲載】
その他掲載記事
・2017年暑中特集号
・事業承継奮戦記 日本電鍍工業 伊藤麻美社長
 SOPTECとうほく2017 主催者企画セミナーより
・熊本地震から1年3ヶ月
 など

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2017年7月6日付
〈東印工組セミナー〉
一歩踏み込んで挑戦を
業態変革4社が事例紹介


 『印刷道』で掲げる「ソリューション・プロバイダー」へのステップを支援する東京都印刷工業組合のセミナーが6月28日に日本印刷会館で開かれ、50名が参加した。業態変革に挑戦する4社が成功談や失敗談を交えながらイノベーション事例を紹介。顧客の困り事の解決や、地元の活動を通じて人脈を生かし、新たな印刷の仕事を創出する具体例などを学んだ。

聴講者が画用紙に考えや意見を書いて「参加・対話型」で進められた

 事例発表は、富沢印刷(荒川区)の富澤隆久社長、アダチファクトリー(墨田区)の萩部健次社長、テクスパート(江東区)の中野英一郎社長、栄正印刷(豊島区)の鶴岡丈夫社長。ファシリテーターは、弘和印刷(足立区)の瀬田章弘社長が務めた。
 富沢印刷は、商業印刷を中心に展開する創業57年の総合印刷会社。富澤社長が入社した16年前は、典型的な家族経営で実家に工場を増設した狭々した職場だったことから、「早く立派な印刷会社になること」を目標としていた。
 富澤社長は「当社でステップアップガイドを試みた結果、顧客とのコミュニケーション、心と心のつながりが当社の強みだと分かった。そこで顧客先で1ヵ月に1回配るチラシを作った」と述べ、提案型営業の強化を図った。会社・工場の見学も積極的に受け入れ、社内の雰囲気が良くなり、会社の活性化につながっている。
 アダチファクトリーの萩部社長は、内閣府食プロ6次産業化プロデューサー、経産省ふるさとプロデューサー、東京都農林水産振興財団専門家など、「7つの顔を持つ男」。2008年、旧安達印刷所から事業承継して以来、印刷、広告代理業、農業販売支援、企業コンサルタントなど幅広く展開する。
 萩部社長は「今の時代、相談され、信頼され、専門家でなければ仕事をもらうことはできない」と指摘。そのうえで、「印刷はあくまでお客さまにとって手段でしかない。われわれのゴールは顧客が何かを求めているかをつかんで支援することだ」と強調した。
 テクスパートは、中野社長がゼネコン、商社勤務を経て、起業した創業4年の会社。初めは印刷関連機材の代理店業がメインだったが、その後に立ち上げた配送業務が急伸し、売上の9割を占める。「配送業務を始めたのは、印刷会社のニーズを聞いているうちに気軽に引き受けたことがきっかけ」(中野社長)。印刷会社が配車枠を買う定期契約の形で展開し、その後、徐々に間口が広がり、創業当時の売上総利益から約5倍に成長した。
 栄正印刷の鶴岡社長は地元商店会の役員だったことから、南長崎活性化プロジェクトに参加し、漫画家、手塚治虫が住んでいた「トキワ荘」に関連する印刷物を一手に受けている。
 鶴岡社長は、30代から可能な限り地元の集まりに参加し、40代からは東印工組に入るなど、「友達(人脈)づくり」に力を注ぎ、紹介から仕事につなげている。「今年50歳になるが、横糸のお客さまと縦糸の印刷業界を組み合せて、さらに事業を発展させていきたい」と話す。
 瀬田氏は「一歩踏み込んで挑戦すると、風景が変わって見えてくる。各社それぞれの特長を生かした会社づくりに挑戦してほしい」と呼びかけた。










【印刷新報2017年7月6日付掲載】
その他掲載記事
・日本WPA 復興支援を兼ね、熊本で総会・見学会
・日展協、公式声明文で展示会問題の解決を訴える
・全青協、全青中と事業連携 ブロック協議会を共同開催
 など

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2017年6月29日付
全印工連・臼田会長
組合員に官公需対策の指針示す
「民間取引にも確実に影響」


 7月に閣議決定予定の「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に、印刷物の低価格防止、知的財産権保護に配慮した内容を盛り込む方向が、経済産業省等から明らかにされている。これに関連して全日本印刷工業組合連合会の臼田真人会長は、今年度上期地区印刷協議会において、官公需取引改善に対する全印工連の姿勢と組合員への指針を改めて示した。6月21日の東北地区における話の要旨を紹介する。
(以下、あいさつ要旨)
 現状の官公需取引の中で、印刷の最低制限価格制度がそもそも存在しない地域があります。制度があったとしても、たとえば、前年度実績の八掛けであるなど、積算の根拠がまったくない予定価格が設定されていたりします。印刷物の価格自体が根拠の薄い方向にどんどん転がっていく状況がなぜ起きるのでしょうか。
 知的財産権の取扱いについては、受注した企業の社員さんが精魂込めて原稿を編集し、印刷用の生成ファイルを作るわけですが、多くの官公需取引において、また、民間の取引においても、最終的にできあがった印刷物に対して、「印刷用のファイルをください」と言われ、さらに契約書の中に、「著作権は発注者側に帰属する」という文言が入っているわけです。なぜなのでしょうか。
 答えはすべてここ(※中小企業庁『官公需契約の手引─施策の概要─平成28年版』を示して)にあります。
 官公需取引に関しては、中小企業基本法の中に官公需法という法律があり、ガイドラインがこの手引に示されていますが、記されている内容そのものが、われわれ印刷業界にとって非常に曖昧な文言で書かれています。
 今、申し上げた最低制限価格制度、もしくは制度の導入や実施、予定価格の積算に関しても曖昧ですし、知的財産権の取扱い、すなわち著作権や最終成果物の権利問題についてはまったく触れられていません。ただ一言、「契約書の中に著作権の所在を記すこと」とあるだけです。これでは、当然ながら発注者の強みで、「著作権は発注者側に帰属する」の一言で取引が成立してしまいます。
 現状の官公需取引については、国も各自治体もすべて官公需法の手引書に基づいて動くわけです。
 今から3年半ほど前に、私ども全印工連は、「中小印刷産業振興議員連盟」を立ち上げ、中小印刷産業をしっかり後押ししてくださる自由民主党の先生方120名ほどにお集まりいただいています。これまでみなさまが、そして多くの先達が官公需対策に努力されてきたことを、今改めて議員連盟の力を借りながら、経済産業省、中小企業庁に対して、法律に基づく手引書の中に、特に中小規模の印刷事業者にとって望ましい形の内容を具体的に記していただく活動を、全印工連を通じて行っている最中です。
 5月26日の議員連盟の総会で、途中経過について経済産業省と中小企業庁の課長から報告を受けたところ、まだ内容は確定していませんが、われわれにとって非常に良い方向で最終調整が行われているということです。  また、たとえば、愛知県における「県内に本店を有し、自社の印刷機を使用し県内で全工程を行うこと」を条件とした契約など、各地方自治体の印刷調達の施策に関する事例が記される予定です。
 スケジュールについては、この7月に「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」が閣議決定する予定です。8月以降は、経済産業省、ならびに中小企業庁が中心となって、改定した内容について別途マニュアルを作成し、全国の各自治体に対して、今回の中小企業に関する官公需取引の改善点、知的財産権に関する取扱いなどについて説明が行われます。  したがって、全印工連が取り組んでいるさまざまな官公需取引における改善の成果が、間もなくある程度一定のラインまで進むところに来ています。このことは、私自身、やはり印刷産業がそもそも持っている大きなポテンシャルによるものだと思っています。この国において、また、みなさまのそれぞれの地元において、印刷産業は製造業の中でも、事業所数、従業者数、出荷高、付加価値高、加工高など、ほとんどの都道府県で3位以内に入り、かなりの県で1位となっています。この国の製造業における基幹産業であるといえます。このことを、私たちは改めて共通認識として持たなければいけません。
 今まで動かなかった大きな岩も、われわれ4750社が力を一つにすることで動かすことができます。今後、組合としての存在意義をしっかりと活かすためにも、印刷産業の位置づけを今よりも向上させる運動を含めて、みなさまと共にこれからも官公需対策にしっかりと取り組んでいきたいと考えます。そして、官公需取引が変わるならば、確実に民・民の取引においても、印刷物に関する商習慣に早晩大きな影響を与えるものと私は確信しています。












【印刷新報2017年6月29日付掲載】
その他掲載記事
・第31回 北海道情報・印刷文化典特集
・シール・ラベル特集
・SPTECとうほく2017特集
 など

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2017年6月22日付
日印産連、信頼度向上へ発信力強化
地域連携事業など推進


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は6月14日、第32回定時総会を東京のホテルニューオータニで開催し、平成29年度事業計画ほかすべての議案を承認した。
 28年度は、日印産連ホームページのリニューアルを行い、内部で情報掲載ができる体制を構築。新たに会員10団体の情報や地域連携情報交流基盤〈じゃぱにうむ〉の発信サイトを開設した。グリーンプリンティング認定制度の周知にあたっては、作家の小山薫堂氏を初代グリーンプリンティングPR大使に任命。また、日印産連として初の社会責任報告書を作成し、会員団体、協賛企業ほか国公立図書館、学校付属図書館、学校就職課など約2300ヵ所に配布するなど、印刷産業として社会の求める新たな価値の創出に向けた活動、印刷産業の果たしている役割と機能を広く周知していく活動を積極的に展開した。
 29年度事業計画では、基本方針に次のように謳った。
 「社会はあらゆる局面で大きく変化してきている。こうした課題に印刷産業としてしっかり取り組み、社会の持続的な発展に貢献し、事業の成長と社会からの信頼獲得のために、日印産連では2015年からグランドデザインに取り組み、平成28年度はその深耕に努めてきたが、平成29年度もこの取り組みを継続していく。具体的には、時代の変化を早期に的確に捉え、社会の発展を支えるための『新しい価値の提供』、印刷産業の各社が『公正で的確な事業活動を推進』できるための施策展開、『持続可能な地球環境への取り組み』の推進、さらに、一般社会に向けた『印刷産業の理解促進』を図り、産業としての信頼度向上に向けた活動を推進する。」
 この4本を柱として日印産連では、ステアリング・コミッティ(運営委員会)、価値創出委員会、企業行動委員会、地球環境委員会、広報委員会など、常設の委員会・部会を中心に取り組む。また、10団体との連携体制づくりを積極的に進める。  価値創出委員会の市場動向調査部会では、インバウンド事業の情報交流拡大に向けた活動として、じゃぱにうむコンテンツの拡大、28年度に引き続き地域連携セミナーの開催(9月・大阪)などを予定する。
 同技術部会が所管する国際技能五輪への選手派遣では現在、2017年10月のアブダビ大会代表選手(亜細亜印刷・早瀬真夏氏)の強化訓練を実施中。また、2019年カザン大会に向け、代表選手選考の準備を行う。
 企業行動委員会の情報セキュリティ部会では、個人情報保護の取組みのベースとなるJIS Q 15001の改正(2017年3月末に原案確定、9月発効予定)という大きな変化に対応。「印刷産業における個人情報保護ガイドライン〈解説付〉」を10月発行を目標に作成する。
 同女性活躍推進部会では、「働き方改革」に焦点を当てながら、新たな動向や会員10団体における取組み事例の情報共有、印刷産業に働く女性のネットワークづくりを目的としたシンポジウム形式のイベント実施などを予定する。
 地球環境委員会のグリーンプリンティング推進部会では、GP効果数値化検討ワーキンググループにおいて、GP認定制度による環境負荷低減効果の数値化および活用方法の検討、システム構築などを進め、定量的にもGP認定制度が有効であることを検証していく。
 広報委員会では、今年度も「JFPI社会責任報告書」を発行するほか、来年7月に開催されるIGAS2018と連携し、FAPGA(Forum of Asia Pacific Graphic Arts)2018を東京で開催する準備を進める。
 審査・認定事業では、日印産連プライバシーマーク審査センターが審査業務を開始して10周年を迎えることから、9月に「10周年記念シンポジウム」(仮称)を企画し、基調講演や各種表彰、懇親会等を行う。











【印刷新報2017年6月22日付掲載】
その他掲載記事
・ジャグラ文化典岩手大会開催
 震災6年、復興への思い共有
・全日本フレキソ製版工業組合 創立40周年記念式典開催
・全印工連・産業戦略デザイン室 対外広報の刷新へ
 など

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2017年6月15日付
印刷インキの平成28年需給実績
グラビアインキが6年連続で過去最高を更新


 印刷インキ工業会は5月25日、第70回通常総会を東京の上野精養軒で開催し、その中で平成28年の印刷インキの需給実績が報告された。
 印刷インキ合計の生産量は34万6988トンで、前年に比べ1193トン減少。出荷量は40万9803トンで、前年より4413トン増加した。出荷額については、平成22年以来6年ぶりに3000億円台に乗り、3005億5100万円で前年を49億4100万円上回った。  品目別では、平版インキの生産量は10万7482トン。前年比で4086トン減少したが、出荷量は12万8332トンと1270トン増加。出荷額は817億600万円で前年に比べ1億3300万円増となった。出荷量、出荷額が前年を上回ったのは9年ぶり。
 グラビアインキは生産量12万4792トンと、前年より3030トン増加。出荷量は16万177トンで3591トン増加。出荷額も858億5800万円で4億800万円増加し、6年連続で過去最高を更新した。
 また、平成27年度UVインキ需給実績の調査報告では、同年度の生産量は1万4348トンで前年比107、出荷量は1万4320トンで同107、出荷額は278億8600万円で同109。うち、オフセット用UVインキが全体の約6割を占め、生産量が8920トンで前年比117、出荷量が8901トンで同117、出荷額は167億8000万円で同116となった。
 平成29年度の事業計画は、「印刷インキに関する自主規制(NL規制)の拡充および普及啓発」「第21回化学物質取扱量調査の実施」「インキグリーンマーク制度の普及拡大および運用」などを中心に展開。各常設委員会および各部会で積極的な活動を実施していく。また、平成30年に創立70周年を迎えることから、その準備も進めていく。  任期満了に伴う役員改選では、川村喜久氏(DIC株式会社取締役)が新会長に就任した。川村会長は就任にあたり、次のように抱負を述べた。
 「来年は創立70周年の節目を迎える。工業会と会員企業が永続的に成長していくためには、最新の情報技術を駆使した生産や販売体制の効率化やインキの技術を核に新事業に進出していくなどの取組みが必要だ。また、印刷インキの安全性をより高いレベルへ押し上げながら、環境負荷低減に資する製品開発を進め、業界として社会的責務を果たしていくことが大切となる。工業会のさらなる発展のため、心血を注いでいく」











【印刷新報2017年6月15日付掲載】
その他掲載記事
・特集 枚葉印刷2017
・日本プリンティングアカデミー
 新理事長に花井秀勝氏が就任
・日印産連 製紙連に反対声明文
 印刷・情報用紙値上げに対し
 など

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2017年6月1日付
中小企業者との国の契約基本方針
印刷の低価格防止、著作権配慮など明記
29年度方針(7月閣議決定)を経産省が説明


 5月26日に自由民主党本部で開かれた中小印刷産業振興議員連盟(中曽根弘文会長)の総会で、全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)から出されていた官公需に関する複数の要望事項に対して経済産業省から回答があり、7月に閣議決定予定の「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」(改正)の中に、地方公共団体における印刷を含む役務契約についても最低制限価格制度等の対象となることが基本方針に盛り込まれることが明らかになった。また、印刷物の財産権保護に関して、基本方針に「著作権の財産的価値等への配慮が進展するよう、必要な措置を追記」すること、国や地方自治体に対して周知を図ること等、今後の対応が示された。これにより、全印工連が求めていた官公需契約における適切な予定価格の作成、地域の中小企業者の積極的活用、低価格競争防止策の導入、財産権の保護に関して、大きな前進が期待される。

全印工連役員も多数出席した議員連盟の総会

 総会には経済産業省から、印刷業を所管するメディアコンテンツ課の山田仁課長ほか、中小企業庁事業環境部取引課の担当官が出席し、印刷業界からの要望について対応状況を説明。7月に閣議決定する予定の「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」の中で、全印工連からの要望事項に関連して次の基本方針および解説を記載すること、また、財産権保護については経済産業省の対応の方向性が明らかにされた。
【要望1 最新の実勢価格等を踏まえた積算に基づいて適切に予定価格を作成すること】
▽基本方針
・国等は、役務及び工事等の発注に当たっては、需給の状況、原材料及び人件費等の最新の実勢価格等を踏まえた積算に基づき、消費税及び地方消費税の負担等を勘案し、適切に予定価格を作成するものとする。
▽解説 「具体的には、予定価格の作成に当たっては、過去の契約価格のみを参考にすることは厳に避け、『積算資料』『月刊物価資料』といった定期刊行物の最新号による積算や複数の参考見積もりに基づく予定価格の作成が期待される。」
【要望2 地域の中小企業・小規模事業者等の積極活用を要望】
▽基本方針
・国等は、地方支分部局等において消費される物件等については、極力地方支分部局等における調達を促進することにより、地域の中小企業・小規模事業者等の受注機会の増大を図るものとする。
・中小企業庁は、新規中小企業者調達推進協議会を活用して、国等の契約の基本方針に盛り込んだ中小企業・小規模事業者等の受注機会の増大のための取組みが一層効果的なものになるよう、情報提供に努めるものとする。
▽解説 ※地方公共団体における施策として、「印刷に係る少額随意契約」で愛知県、「地元企業優先発注」で山口県下関市の事例を紹介。
【要望3 低価格競争防止策の導入を、国から地方自治体へ強力に指導するよう要望】
▽基本方針
・国等は、地方公共団体における役務及び工事等の発注に際し、低入札価格調査制度、最低制限価格制度及び入札ボンド制度等の適切な活用が促進されるよう努めるものとする。
▽解説 「工事等以外について基本方針における位置付けを明確にし、役務等における低入札価格調査制度等の活用について改めて促進に努めることとした。なお、印刷について、官公需法の運用においては、全て物件と区別しているところ、地方自治法施行令第167条の10に規定する『製造その他の請負』に該当する役務については、これら制度の対象となり得る。」 【要望4 所有権・著作権の取扱いに十分配慮し、現在横行している不当な要求を改めるとともに、必要とする場合には、別契約として、その用途と対価を明確にした契約とするよう早急な見直しと改善を要望】
▽対応の方向性(※経済産業省の今後の対応)
・官公需における印刷契約において、受注者の著作権の財産的価値を認めること、発注者の著作権の利用目的を明確にすること、コンテンツ版バイ・ドール契約を推進。
・そのため、望ましい契約条項、問題となる契約条項について、実務的に契約の見直しが可能なノウハウ等を整理し、その内容を普及。
・「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」(7月閣議決定)及び関連資料において、著作権の財産的価値等への配慮が進展するよう、必要な措置を追記。これに基づき、国、独法等及び地方自治体に対して周知。
 今後のスケジュールは、6月上旬に印刷に係る請負契約の整理(経済産業省内マニュアルの作成等)、6月に関係各省との調整、7月に「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」改正、8月〜10月頃に同基本方針の全国説明会などを予定する。
 総会の席上、中間生成物の財産的価値を明確に盛り込むよう全印工連側が求めたことに対しては、経済産業省の山田課長「実際の場面を考えながら、ガイドライン作成などの検討を進めたい」と回答した。
 今回の基本方針改正の内容は、全印工連の取組みによる官公需取引改善の大きな前進だ。総会の席上で何度も言葉に挙がった「実効性の確保」が今後の課題であり、各自治体等の受け止め方と対応が注目される。また、改正を好機と捉え、各印刷会社が積極的な行動を起こすことが、取引改善を確実なものにする鍵となる。










【印刷新報2017年6月1日付掲載】
その他掲載記事
・ジャグラ文化典 岩手大会特集
・IGAS 新ロゴマーク決定
・日本印刷産業機械工業会 80周年記念式典開催
 など

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2017年5月25日付
福島県印工組、創立60周年記念事業
「ふくしまの伝統色事業」を展開
豊かな色彩文化の保存・発信へ


 福島県印刷工業組合(佐久間信幸理事長)は5月19日、組合創立60周年記念事業である「ふくしまの伝統色事業」について発表した。福島県民の暮らし・文化に密着した色を調査・選定したうえで、将来に伝える色彩文化として保存し、県内外に広く発信していく。福島県のアイデンティティを色彩の観点から深く掘り下げる試みとして注目される。福島市で開催された60周年記念式典の席上、佐久間理事長から説明が行われた。
            ◇
 福島県印工組では2013年に、印刷物が福島県で製造されていることを広く社会に伝えるツールとして「Made in Fukushima」ロゴマークを作成し、復興支援の取組みを進めてきた。
 今回は、色に携わる印刷のプロとして、地域に根付いた色を再発見し、福島県が誇る豊かな色彩文化を県内外に広く伝えていく「ふくしまの伝統色事業〜ふくしまの伝統色彩調査と色彩文化の保存・発信」を展開する。
 基となる考えについて佐久間理事長は「『赤』と聞いて日本人が連想するのは、たとえば沖縄県では首里城の『守礼門』、東京であれば浅草の『雷門』などになると思われる。福島県民であれば、白河だるま、赤べこ、会津塗など、地域固有の風物や民芸品、自然、食物を連想するのではないか。色に対する嗜好性や表現はさまざまで、その土地ならではの風土や文化伝統に根ざした固有の色と、その色に彩られたモチーフが存在する」と話す。
 同組合では現在、5支部(福島・郡山・会津・県南・いわき)が、各地域を代表する色彩について、さまざまなジャンルから調査している。色の歴史や背景を調べ、選定した伝統色の中から20色程度に絞って命名し、福島県独自の伝統色として将来に伝えていく。
 8月頃までに調査・選定を終え、秋には告知用のポスターやパンフレットを完成する予定。文具の製作、講演会や展示会などを通して、福島の彩りにふれる機会の創出を図っていく。
 ■佐久間理事長の話
 何となく解ったつもりでいる福島の色彩について、個々の色が生まれた背景にあるストーリーなどを調べて整理する。選定した色を後世に残し、だれでも使えるようにしていく。色を通して子供たちに福島県の文化や歴史を知ってもらい、『これは僕の青』、『これは私の赤』と誇りを持って県外の人にも紹介できるようになればすばらしい。できれば、これから伝統となっていく新しい色も加えたい。
 福島県の大切な風土や伝統文化を伝えることにもつながる大変意義のある事業だと考える。普及、浸透に5年、10年はかかると思うが、具体的に土産物などへの採用も出てくるだろう。まずは、色鉛筆など子供たちに肌で感じてもらえる文具を作り、学校に配布したい。伝統色を使ったぬり絵コンテスト、有名人や学識経験者を招いた文化と色の講演会など、いろいろな企画が考えられる。













【印刷新報2017年5月25日付掲載】
その他掲載記事
・東京都光沢化工紙協組、「関東特殊加工協同組合」に
 名称変更へ
・東印工組 「VOC排出削減対策推進事業」受託
・全出版人大会、550人が結集 「忍耐から攻勢へ」
 など

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2017年5月18日付
≪「日本製本紙工新聞」5月5日付から≫
取次協/雑協 雑誌の売上に一定の成果
12月31日特別発売を総括


 日本出版取次協会と日本雑誌協会は、初の試みとして実施した雑誌、書籍など12月31日特別発売日、年末年始キャンペーンについて総括した。年末年始の7日間(2016年12月29日〜2017年1月4日、書店4069店舗)の書籍、コミックスなどの売上総計は前年比97.5%と下回ったものの、雑誌に関しては前年比101.5%となり、大幅なマイナスが続く中で一定の成果があったとした。
 今回の試みは、出版不況が続く中で、客数の多い年末年始に、より多くの消費者を書店に呼び込むとともに、流通の空白期間を少しでも減らして売上増につなげることが狙い。12月31日特別発売日(土曜日)に全国一斉発売(沖縄除く)を行った。内訳は、雑誌が正月用に特別編集された臨時増刊号、ムック、コミックスなど約130誌、計800万部。書籍は単行本、文庫、書籍扱いコミックスなど新刊約70万部。また、書店のキャンペーンとして、雑誌の購入者に抽選で図書カードが当たる「しおり」の配布や、先着順でレトルトカレーをプレゼントする企画を展開した。
 書店に行ったアンケートでは、「客数が多いときに商品を投入するのは当たり前。継続すべき」「売り場が新鮮」「元旦以降の売上が見込める」と好意的な意見があった一方、「帰省で客が来ないので、12月29日、30日の方がいい」「商品不備等があっても連絡が取りづらい」など改善を求める意見もあった。
 両協会は、今年の発売設定について、「12月31日が日曜日に当たることや、今回のキャンペーンの結果や反省点を踏まえて、早期に発表する」としている。












【印刷新報2017年5月18日付掲載】
その他掲載記事
・JPMA80周年特集
・4Fes!活況 体験とトークで盛り上がる
・「環境」と「法規制」の動きを知る
 コンバーティングの明日を考える会
 など

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2017年5月11日付
日印産連・第2回女性活躍推進セミナー開催
ドラッカー流の働き方学ぶ


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は4月26日、第2回女性活躍推進セミナーを日本印刷会館で開催した。女性だけでなく多様な人材が活躍する環境作りが求められる中で、経営学者であるピーター・ドラッカーの考えを基にした働き方改革について、ドラッカー学会の理事・事務局長を務める井坂康志氏が解説した。

 日印産連では、平成27年度に企業行動委員会の分科会として女性活躍推進部会を立ち上げ、日印産連の会員10団体が女性活躍に取り組むための風土作りや情報提供、長時間労働の是正などの働き方改革を掲げて活動している。
 同部会の金田由美部会長(大日本印刷研修部シニアエキスパート)は、残業をいとわずによく働くことを是とする誤った成果主義が長時間労働を引き起こし、それが育児や介護からの社会復帰の妨げにもなっていると現代の労働環境の問題点を指摘する。
 その上で、「女性をはじめとする社内人材の多様化を進め、働きやすい職場をつくるには、管理職が部下を正しく生産性で評価し、長時間労働はキャリアにつながらないという風土作りが求められている」とし、働き方の抜本的な改革が必要だと訴える。
 それを受けてセミナーでは、外国人編集者として最後にドラッカー本人にインタビューを行った井坂氏が「ドラッカー流『働き方改革』」と題して講演を行い、新しい働き方のヒントを語った。
 ◆「捨てること」と「書き留めること」
 オーストリアの経営学者であるドラッカーは、2005年の没後も関連書籍が出版され、現在も多くの経営者に多大な影響を与え続けている。
 その理由について井坂氏は「ブラック企業と呼ばれ、人をコストとして捉える企業もある中で、ドラッカーは人を資源としてみなし、それを活かすことを会社の責任と定義している」とし、労働者を活かすことを前提とした考え方が時代を超えて支持される要因にあると話す。
 講演では労働者に焦点を当てたドラッカーの考えが紹介され、その中では「捨てること」と「書き留めること」の重要性が強調された。
 井坂氏は「人間は学んだことを捨てることが苦手だ。パソコンでもソフトを入れ過ぎては重くなってしまう。仕事の中でも常に不必要なものを廃棄する必要がある」と説く。
 特に自身にとって不可欠だと思っているものほど実際には不必要なケースも多く、決してタブーを作らずに廃棄の対象になり得るのか、腰を据えて考えるように促した。
 また捨てることと併せて、知識社会においては思い付いたことを書き留めることの重要性も強調した。
 知識労働者にとっての価値の源泉は当然「知識」であり、その原点は考えること。つまり思考が知識を生むわけだが、「思考は空気のようなもの。少しよそ見をしている間に消えてしまう。だから思い付いたらすぐに書き留めないと活かすことができない」と井坂氏は指摘する。
 その際には期待することも併せて書き留めることで、実際の結果をフィードバックすることもできるため、「ぜひメモをする習慣を身に付けて、自分自身の成長につなげてほしい」と参加者に訴えた。
 また、ドラッカー流のコミュニケーション術も紹介し、人間は「聞いて理解するタイプ」と「読んで理解するタイプ」の2つに分かれるため、上司や自分がどちらに属するかを意識することでコミュニケーションが円滑になるとアドバイスした。











【印刷新報2017年5月11日付掲載】
その他掲載記事
・第61回GCJ東京大会特集
・Japan Color認証制度 デジタル印刷認証創設
・「紙博」に1万人 多彩な紙製品が来場者を惹きつける
 など

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2017年4月27日付
アイワード、石狩工場のスマートファクトリー化を実現
完全自動化の"未来工場"が始動


 株式会社アイワード(木野口功会長、奥山敏康社長、本社・札幌市中央区)は、ハイデルベルグがdrupa2016で発表した最新鋭の「スピードマスターXL106-8-P 18K」を2016年12月、同社石狩工場(北海道石狩市)に導入した。国内第1号機となる。オフセット印刷の完全自動運転をコンセプトに開発された最新モデルの導入により、石狩工場のスマートファクトリー化を実現。出版印刷専門工場としての機能をさらに強化した。4月18日には石狩工場で記者発表会と工場見学会、札幌グランドホテルで「設立50周年記念感謝のつどい」を開催した。

石狩工場に導入されたハイデルベルグ「XL106-8-P」

 ◆出版印刷のさらなる高みへ
 アイワード石狩工場は、1998年に出版印刷を主力とする同社の拠点工場として完成した。札幌本社プリプレス部で制作された印刷用データはオンラインで石狩工場に送られ、刷版出力から印刷に回る。本社管理部では稼働データ、生産実績をリアルタイムで把握し、調整と分析を行っている。枚葉印刷機はすべてハイデルベルグ製で、菊全8色機2台、菊全7色機1台、菊全4色機2台などを備えるほか、輪転機、製本ラインがある。
 今回、アイワードでは、稼働から15年以上が経った枚葉印刷機4台を放出し、最新のハイデルベルグ・スピードマスターXL106-8-P 18K(菊全寸のび判8色両面兼用印刷機、最高印刷速度1万8000枚/時)を導入した。ハイデルベルグの「Push to Stop」コンセプトに基づいて設計された最新モデルで、アイワードが国内初導入となった。
 オフセット印刷の完全自動運転を実現する「インテリスタート2」を装備する制御コンソール「プリネクトプレスセンターXL2」により圧倒的な生産性を実現。印刷会社全体をネットワーク化し、プリプレス・印刷・製本を統合管理する「プリネクト」とスピードマスターXL106-8-Pが接続されたことで、プリネクトにより作成されたジョブチケット(電子作業指示書)に従い、印刷の順序を含めたすべての前準備が自動的に行われ、印刷機コンソール、プリネクトプレスセンターXL2にあるディスプレイに表示される。その仕事の順序に沿って印刷機は次々と自動運転を行い、特にオペレータが停止指示をしない限り自動運転を続行する。
 アイワード札幌本社のプリプレス部と石狩工場はプリプレスワークフローでつながり、造本仕様に最適な組版データのハンドリングと製造設計が行わる。ジョブデータは直接XL106-8-Pに送られ、印刷前準備時間の大幅な短縮と1万8000回転による印刷、製本ラインによるスピーディな仕上げ体制により、これまで以上の高品質と短納期を顧客に提供することが可能になった。
 4月18日の記者発表会で、アイワードの木野口会長は、導入の経緯と成果について次のように述べた。
「当社は1966年10月に設立し、昨年50周年を迎えた。最近、NHKに取材をしていただき全国放送された番組の中で "老舗"と紹介され、複雑な思いがしている。老舗はやはり、新しく創業し、再出発する気持ちでいろいろなことに取り組まないといけない。お客様の要求はますますハイグレード、短納期になり、反面、価格は低くなるという難しい時代。この50周年を期して、何をしたらいいかを考えた。
 情報を集めたところ、経済産業省の『エネルギー使用合理化等事業者支援補助金』を知り、取り組むことを決めた。電力換算で前年比20%のエネルギー使用量削減が該当の条件で、申請し採択された。工場の照明をすべてLEDに交換した。劣化していた冷暖房設備も全面的に更新し、工場内の温湿度を一定化した。コンプレッサーについても高効率の設備に更新し、電力の削減を図った。
 やはり、一番の中心は印刷機であり、昨年12月にdrupaバージョンのXL106を導入した。古い機械を4台出して1台入れ、生産性は維持しながら品質は上がり、エネルギー削減も図られた。3月のデータでは前年比70数%の電力使用量となっている。なんとか所期の計画を達成できる見通しだ。総事業費は約8億2000万円、国からの補助金が約3億5千万円だった。そのほか、XL106を含む5台の枚葉機とオフ輪に自動検査装置、折り機も8台のうち4台を更新、自動紙積機も導入した」  18日には、取引先や業界関係者を招いた石狩工場見学会も5回に分けて行われ、XL106-8-Pでの最高速度、両面刷りの実演が披露された。ハイデルベルグ・ジャパンの説明員は「印刷オペレータの役割は"良い印刷物を造る"から"いかに印刷機のパフォーマンスを維持するか"に変わってきた。その分、人にしかできないことに注力できる」と、完全自動化による変化を言い表した。
●アイワード・奥山社長の話
 導入したXL106は自ら生産性を高めていくさまざまな機能を持っている。中でも大きいのは版の交換だ。これまで8色機の版交換に約16分を要していたが、2分30秒と大幅に短縮された。印刷の立ち上りも非常に速い。すばやく1万8000回転に達し、それを安定して運転できる。品質を保証する自動見当合わせ、色管理など、周辺機器を使ってオペレータが自分で制御していたものも、すべて内蔵されている。さらに、1枚1枚の印刷の表裏にナンバリングを行い、固有の番号で検査・識別できるようになった。製本には良品しか送られず、従来にも増して工程間がスピーディになった。










【印刷新報2017年4月27日付掲載】
その他掲載記事
・東印工組 都の「VOC排出削減対策推進事業」に応募
 最大5,000万円の補助事業に
・「ダイバーシティ2.0」の競争戦略を学ぶ
 印刷工業会・トップセミナー
・シタラフェア2017開催
 など

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2017年4月20日付
【講演】「テレワークで人材確保を」
真興社の福田社長が自社事例を紹介


 真興社(本社・東京都渋谷区)の福田真太郎社長は、印刷同友会が3月17日に開催した研修会で、「真興社新生産システム〜インダストリー4.0によって何が変わるか」をテーマに講演し、女性活躍推進や働き方改革が叫ばれる中、印刷業界においても「テレワーク」(在宅勤務)を導入する必要性を訴えた。
 少子高齢化社会を迎え、各企業では人材確保が困難になってきていることに加え、家族の介護を理由とした介護離職者が年々増え続けている。
 真興社では、3年前から同社を退職したDTPオペレータの元女性社員など5名にテレワーク制度を導入し、契約社員として再雇用し人材の有効活用を図っている。
 福田社長は「妊娠・育児、介護、定年退職などで出社は難しいが在宅でならまだ働きたいという人は多い。テレワークでは時間や場所を選ばすに仕事に集中できるようになる。会社側にとっても、せっかく育った優秀な人材を活かすことができる」と会社と社員の双方にメリットがあると強調する。
 しかし、国内全体を見ても、テレワークを導入している企業はまだわずかだ。導入が進んでいない理由の一つとして、情報セキュリティの問題に加え、「本当に仕事をしているのか。サボっているのではないか」と経営者側の不安を指摘する。同社では、パソコン上で着席・退席の際にクリックすることで勤務時間を細かく管理するとともに、仕事中のパソコン画面を定期的に保存し、本社でチェックできる仕組みを導入している。
 同社によるテレワークを含めた新生産システムの基本は、第4次産業革命「インダストリー4.0」。そのコンセプトは、「サイバー・フィジカル・システム」、いわゆる「ミニスマート工場」だ。こうした思想をベースに、同社では新編集・校正システムとして「デジタルキャビネットシステム」を構築した。印刷原稿は「文字原稿」「罫表原稿」「図版原稿」「写真原稿」の4つのパーツからなるが、各データを格納する4つのキャビネット(引き出し)を作り、各作業を分業化し、「ライン生産」で行う仕組みにした。DTP作業を1人完結型の「セル方式」から「ライン生産方式」に切り替えたことが"肝"となっている。 福田社長は「本来、DTP作業はセル生産方式が理想。しかし、文字ができてもイラストが描けないなど、全部こなすには相当技術が長けていないとできない」とし、DTP作業を分業化してライン生産にすることで、レタッチ、イラストレーター、エディトリアルデザイナー、編集校正など、それぞれ専門的な能力を発揮することができるようになるという。頁物のような大量生産には作業全体を分散できるため向いていると指摘する。
 デジタルキャビネットシステムでは、文字組みや図版制作など各DTPパーツのキャビネットはネット上にリンクを張って開放し、常にデータはサーバー内に置かれている。編集者や著者との校正や連絡などはすべてオンライン上でやり取りする。製作の進捗管理が可能で、訂正などすべての操作履歴が残る。作業状況はリアルタイムでオープンになっており、出先からパソコンやiPadで確認することができる。こうした仕組みが、テレワークを実現するインフラになっている。
 福田社長は「印刷業はこれから人材を確保できない時代になってくる。テレワークシステムを有効に運用しながら、レタッチ、イラストレーターなど専門家への外注も含め優秀な人材を確保していくことを考えている」と話す。










【印刷新報2017年4月20日付掲載】
その他掲載記事
・佐川印刷(愛媛県) 「ダイバーシティ企業100選」
 「はばたく中小企業」同時受賞
・第一印刷所(新潟市)Jet Press 720S導入で
 大きな経営メリット
・村田金箔グループ 箔カラーチップ発売


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2017年4月13日付
フォーム工連・欧州視察報告会
デジタル印刷の最新動向を学ぶ


 日本フォーム印刷工業連合会(小谷達雄会長)は3月28日、セミナー「広く世界を見てみよう!」を日本印刷会館で開催し、約130名が参加した。2月にスイス・ルツェルンで行われたデジタル印刷・後加工の国際展示会「Hunkeler innovationdays2017」を視察した4氏から、デジタル印刷機、ポストプレス、ソフトウェアなど、グローバル市場における最新トレンドが報告された。

満員のセミナー会場

 ■エントリーモデルも充実
 初めに、一般社団法人PODiのスコット・マックコーナク・コフリン氏が「インクジェット技術は商業印刷業界を救うか?」と題して報告を行った。
 インクジェット機の普及に向けた課題としてコストや品質、生産性の向上とともに、中小規模の印刷会社でも導入しやすいエントリーモデルの充実を挙げ、この2点について同展で見られた動向を紹介した。
 コフリン氏は特に品質面について、「水系インクを盛りきれないために濃度が出ず、商業印刷物への利用が制限されている」と指摘し、この課題に対するソリューションとしてキヤノン、SCREEN、三菱製紙の展示内容を紹介。
 キヤノンが新発表したフルカラー印刷機「Canon Oce ProStream」は、ボンディングエージェントを用紙全面にコートし、新しい高顔料ポリマーインクを採用することで、従来と比べて非常に高い350%のインク濃度を実現している。これに対してコフリン氏も「歴史的に大きな一歩だ」と高く評価した。
 SCREENは「Truepress Jet520HD」に対応した、一般オフセット用紙に印刷可能な「SCインク」を発表。「商業印刷向けの品質と生産性を実現していた」と報告した。
 三菱製紙からは、ほぼすべての高速インクジェット印刷機の水性顔料・染料インクに対応したインクジェット用紙「SWORD iJet」が出展されるなど、「コスト、品質、生産性のバランスの取れたより良いソリューションが実現されていた」と、コフリン氏は各社の出展を包括した。
 また、もう一つの課題であるエントリーモデルに関しては、ゼロックスの「Xerox Trivor 2400」、HPの「HP PageWide T235HD」、ドミノ社の「Domino K630i」など各社から出揃っていたことを報告し、「インクジェット商業印刷市場への参入が以前よりも容易になる可能性が見えた」と結んだ。
 続いて、メディアテクノス代表の井上秋男氏は、新聞デジタル印刷の最新動向について講演。同展での各社の新聞デジタル印刷に関する出展内容に触れながら、普及に向けては機能面のさらなる向上に加えて、「マーケティングとビジネスモデルの徹底が必要だ」と指摘。「オフセットと比較しても品質やコスト、生産性はまだ追い付かない。それよりもデジタルのメリットを追求した方が普及のためには良いのではないか」と持論を展開した。
 その上で、日本経済新聞が今年3月から週末版として新たに開始した、横型題字や白色紙などを採用した「NIKKEI The STYLE」を取り上げ、「将来的に各新聞社が付加価値拡大や新しい形の新聞印刷を目指すようになれば、デジタル印刷の活用場所はある」と指摘した。
 そのほかの発表では、本紙・印刷出版研究所の難波利行取締役が、2月19日から25日にかけて実施した「欧州印刷事情視察ツアー」で訪問したCentro Stampa Quotidiani社とRotolito Lombarda社の取組みについて報告。共同通信社経営企画室の黒澤勇委員は、新聞デジタル印刷の海外先進事例を紹介した。









【印刷新報2017年4月13日付掲載】
その他掲載記事
・JP2017・ICTと印刷展
・日本JCメディア印刷部会・安部貴士部会長に聞く
 印刷とメディア、共存時代へ
・日本プリンティングアカデミー マーケティング分野を強化


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2017年4月6日付
〈日印産連・デジタル印刷調査報告会〉
高い機能性、どう活かすか
ビジネス拡大に向け活発な討論


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は3月21日、「デジタル印刷の現状と展望」に関する調査報告会を日本印刷会館で開催した。その中で、デジタル印刷を活用したビジネスに取り組む印刷会社4社によるパネルディスカッションが行われ、アナログ印刷と比較した優位点、デジタル印刷ビジネスの課題や方向性など、活発な意見が交わされた。
 パネリストは大東印刷工芸の花崎博己社長、東京文久堂の林田桂一社長、東洋美術印刷の山本久喜社長、金羊社の三井明治部長。コーディネーターは同連合会デジタルプレス推進協議会の郡司秀明座長(日本印刷技術協会専務理事)が務め、各社の事例からデジタル印刷ビジネス拡大の可能性を探った。
 大東印刷工芸の花崎社長は、優位点について「小ロットと在庫レスはオフセットが苦手とする部分であり、バリアブル印刷なども販売促進効果を高めるのに有効だ。デジタル印刷を活用した効果的なセールスプロモーションの開発が、付加価値の高い印刷物を作る一番の目的だ」と指摘。同社では顧客の課題解決に向けたマーケティングサービスを提供しているが、その点でデジタル印刷機の機能性が有益であると紹介した。
 昨年、デジタル印刷向けの製本システムを導入した東洋美術印刷の山本社長は、その狙いについて「デジタルの小ロット性を活かして、オフセットで対応しきれなかったコンテンツを掘り起こし、新市場を開拓したい」と話した。
 また、デジタル印刷機で紙器・パッケージ事業に参入している金羊社の三井部長は「オフセット印刷機は完成形に近いが、デジタルはまだ発展途上にある」と、伸びしろの高さに期待した。
 一方、デジタル印刷の課題について、東京文久堂の林田社長は「顧客から受けたさまざまなデータを、スムーズに処理しきれないケースがある」と指摘し、特にマイクロソフトオフィス系のデータ出力を難点として挙げた。
 こうした課題に対しては、林田氏自身が会長を務める富士ゼロックスのユーザー会、DSF(Document Service Forum)でも研究しており、「実際に取り組んでいるメンバー同士が正直に話し合える場であり、非常に役立っている」と紹介した。  ビジネスの方向性についても各社各様の意見が聞かれた。
 三井部長は「デジタル印刷機を活用したパッケージ事業だけで利益を出そうとはしていない」と明かし、小ロット性やバリアブル性を活かし、金羊社が現在展開している他事業へのつなぎ役として、特に同社でも伸びているというイベントの企画・運営事業での展開に期待を寄せた。
 また花崎社長は、注目しているトピックとしてマーケティングオートメーション(MA)を取り上げ、「DMで興味を引いて、メールで顧客情報を拾い、それに対してマイページでリコメンデーションする。MAによる展開がデジタル印刷機の可能性を拡げている」と話し、顧客側からも高い関心が寄せられているというMAの活用を今後のテーマとして挙げた。
 加えて、顧客が費用対効果を重要視している現状に対して花崎社長は、「印刷の値段を下げるよりも、効果を上げる方向に目を向けるべきだ」と目指すべき方向性を示し、マーケティングと上手に絡めながら印刷物の効果を高めていくことの重要性を訴えた。








【印刷新報2017年4月6日付掲載】
その他掲載記事
・本紙創刊60周年特別号 「拡」印刷の未来へ
・浦久保康裕氏特別インタビュー
 「情報保障社会を担う業界に」
・私の提言 「拡」印刷に思うこと


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日本製本紙工新聞2017年3月20日付より
タイヘイ、M&Aで拡大路線 業界再編の台風の目に


 3月の東京製本工組理事会では、文京支部に所属する株式会社越後堂製本(文京区小石川)の脱退が報告された。理由は「M&A」である。同社はタイヘイ株式会社にグループ入りした。
 137年もの歴史を持つタイヘイグループ(本社・千葉県匝瑳市)は、醤油の醸造業で創業し、現在は、食材宅配業大手として知られる。さらに、給食、広告、印刷、物流、旅行、信販、保険、不動産など、豊富な資金力にものを言わせて次々に各地の企業を傘下に収め、事業の多角化と規模の拡大を図っている。
 印刷グループには、東洋紙業、恒陽社印刷所、報宣印刷、デジタル総合印刷、ジャパンプリント、真生印刷、新藤コーポレーションなど、名だたる企業が連なる。製本専業では、鶴亀製本(埼玉県入間郡)、そして今回の越後堂製本がある。
 負債約79億円で民事再生法の適用を申請した恒陽社印刷所、負債約100億円で民事再生法の適用を申請した真生印刷など、経営破綻企業への支援が目立つが、一方、経営上まったく問題ない企業のM&Aも多い。
 広告代理業のほか、テレビウイークリー企画、近代映画社など、広告宣伝、出版、Webにまたがるメディア全般に触手を伸ばしているのも特徴だ。
 2007年に設立した印刷事業部は、2013年初頭の時点で売上高が700億円を超えていた。その後のM&Aを勘案すると、現時点では1500億円を上回ると見られる。設備は、印刷グループ全体で印刷機84台、製本機35台(いずれも小型機等を除く)を有する。
 1980年、印刷の外注先が経営不振となり、タイヘイ印刷として子会社化したのが印刷事業の始まりだった。当初はタイヘイグループ内の印刷物が仕事の中心だったが、その後、積極的に新規の受注活動を展開し、今ではグループ外の取引先が売上げの9割を占める。新規取引先の拡大とともに、M&Aを加速。それぞれ業態や得意分野、地域の異なる企業をグループ化することでシナジー効果を生んでいる。
 強みは、工場の稼働率が非常に高く、ローコスト体質を維持できている点にある。そのため、納期や価格についても踏み込んだ提案ができる。また、機械稼働のデジタル管理システムの運用、テレビ会議による綿密な打合せ、グループの充実した物流機能を活かした効率的なトラック配送なども徹底している。
 同社のM&Aの方針は"親戚関係"の構築。吸収合併ではなく社名をそのまま残し、会社の伝統とオーナーの意思を尊重する。要請があれば役員を派遣することもあるが、基本は後方支援。タイヘイ流の仕組みで経営立て直しの改革指導を行い、売上げの面ではグループ内の仕事を回し支援する。
 一層の成長を目指すための重点戦略として、オフ輪とインクジェットシステムによるハイブリッド印刷、印刷物とスマートフォンの連携によるモバイルプロモーションなど、印刷メディアの付加価値向上がある。  どこまで印刷事業の拡大を続けるのか。売り手に対して買い手の数が限られてきたと指摘される印刷業界にあって、タイヘイはM&Aの旗手であり、業界再編の台風の目といえる。








【日本製本紙工新聞2017年4月5日付掲載】
その他掲載記事
・PUR製本、一般書に採用拡大 小ロット対応が急務
・変革を導くSTORY 星共社(東京都文京区)
 三方金・銀加工技術を武器に
・独「世界で最も美しい本コンクール2017」で
 日本の作品が栄誉賞


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2017年3月23日付
東京製本工組
ECショップ「製本産直市場」を開設
組合員の販路開拓を支援


 東京都製本工業組合は、ECショップ「製本産直市場」をポータルサイト「製本のひきだし」内に開設し、運営を始めた。組合員のオリジナル商品の販売を組合が代行する。第1弾としてウキマ、菁文堂、田中紙工、博勝堂、和光堂の5社、および東京製本工組(『製本用語事典』)が出品している。組合では、続けて出品企業を募集する。

5社の出店で始まった「製本産直市場」

 「製本産直市場」は、組合員の持つ製本加工技術を使ったオリジナル商品の開発と販売に挑戦する場を提供することが目的。持続的に製本加工技術の向上を目指すものであり、製本業の中期振興ビジョン2018で示された成長戦略の一つ、「商品開発・販売ストーリー」を支援するものとして運営する。また、東京製本工組が平成29年度重点事業に加えた「製本需要の創造と推進」の実践の場として、業界活性化への寄与が期待される。
 出品資格は、全日本製本工業組合連合会の各都道府県組合に所属する企業。ECサイトのコンセプトに合った、自社で創意工夫し製造したオリジナル商品を1社5点まで出品できる。売上金の15%を販売手数料として組合事務局に支払う。
 「製本産直市場」では、購入手続き画面でユーザーが必要情報を入力すると注文受付が自動で行われ、情報が組合に届く。組合を経由して商品発送依頼が出品社に送られ、出品社はユーザーからの入金確認後5営業日以内に商品を発送する仕組み。







【印刷新報2017年3月23日付掲載】
その他掲載記事
・CTP特集
・全日本DM大賞 最高賞は“手作りDM”
・欧州印刷事情視察ツアー Rotolito Rombarda
 伊・No.2の印刷会社


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2017年3月16日付
日印産連 〔地域連携事業検討シンポジウム〕
地域ブランドを戦略に 印刷会社が果たす役割を探る


  日本印刷産業連合会(山田雅義会長)の価値創出委員会は3月6日、地域連携事業検討シンポジウム「注目!地域ブランド戦略最前線」を日本印刷会館で開催した。基調講演では東京理科大学大学院教授の生越(おごせ)由美氏が、地域ブランド戦略と印刷産業に求められる役割について解説。地域活性化に取り組む印刷会社4社の事例発表が行われ、地域資源のブランド化をリードするためのヒントを探った。また、参加者と講演者との懇親会も企画され、生の情報を交換しあった。

講演する生越教授

 基調講演では、生越氏が社会構造の変遷を紹介しながら、現代が知識社会へと変化し、「ゆたかな時間」に価値を求める人が増えていると指摘。その上で、地域資源などの文化資本の存在が高まる中で、各地域の固有性を活かしたブランド戦略の必要性を強調する。
 続いて地域ブランド化の成功例としてイタリアと日本を比較。イタリアでは生産額が1000億円を超える地域ブランド品が複数あるのに対し、日本では上位でも数十億円規模に留まる。その理由は、海外への輸出や投資に対する消極的な姿勢に加え、誤った顧客セグメントにある。生越氏は日本の問題点として「海外で安売りしすぎている」と指摘した上で「良いものには糸目をつけない人が増えている。地域ブランドで世界に挑戦することが重要」と訴える。
 一方で、各地域にさまざまな固有資産があるものの、地元の人にとっては身近なものであるためにその本当の価値に気付いていないケースも多く、「もったいない事例が全国にたくさんある」と生越氏は話す。また、ポスターやパッケージデザイン、あるいはビジネスモデルの模倣によるトラブル例を紹介しながら、著作権等の契約管理について注意を促した。
 こうした問題点に対して生越氏は、サポート体制の不足を再三指摘。印刷会社に対しては、資源の発掘やコンテンツの活用・発信に加えて契約も含めた支援に期待を示しながら、「印刷産業の力で地域ブランドの構築をサポートして、世界に進出してほしい」と結んだ。
 続いて地域活性化に取り組む印刷会社として、第一印刷(愛媛県今治市)の西原孝太郎社長、一心社(大阪市)の浦久保康裕社長、文伸(東京都三鷹市)の川井信良社長、秋田印刷製本(秋田市)の大門一平社長が事例発表を行った。
 今治市のご当地キャラ「いまばり バリィさん」を運営する第一印刷は、キャラクタービジネスによる地域活性化に取り組んでおり、無料で情報発信が可能なSNSを活用したメディア戦略や、地域の各商店とコラボレーションした限定グッズ製作などによって今治市に観光客を呼び込む取組みなどが話された。
 一心社の浦久保社長は、自身が代表を務める一般社団法人ONE SAMURAI JAPANを紹介。同団体ではアニメや漫画など、外国人旅行客からの関心も高い日本のポップカルチャーを切り口に、地域のコンテンツをウェブサイトで発信している。全国に張り巡らされた印刷会社のネットワークを武器に、日本版DMO※として世界に挑戦する事例を紹介した。
 また、文伸は地元・三鷹市にある井の頭恩賜公園のフリーペーパー製作などで活性化を支援した結果、自社ブランドの向上につながった事例を、秋田印刷製本は地元の米農家などと連携し、食材の加工ではなくパッケージの改良や食材の組合せを工夫した高付加価値流通事業について話した。
 日印産連の価値創出委員会では、昨年から「じゃぱにうむ事務局」を設置し、全国の印刷会社が取り組む地域連携やインバウンド事業に関する情報の発信を開始した。じゃぱにうむサイトでは、今回発表を行った文伸や秋田印刷製本をはじめ、幅広い活動事例を紹介している。
※DMO=地域の観光資源に精通し、地域と協同して観光地域づくりを行う法人







【印刷新報2017年3月16日付掲載】
その他掲載記事
・小松写真印刷、軟包装水性フレキソに参入 東北初、CI型印刷機導入
・欧州印刷事情視察ツアー 企業訪問 CENTRO STAMPA QUOTIDIANI イタリアの新聞印刷会社
・検査装置が仕事を変える 企業ルポなど


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2017年3月9日付
東京グラフィックス「ビジコン2016」
困り事の解決にチャンス 都知事賞にゴミ分別アプリ


 東京グラフィックサービス工業会(菅野潔会長)主催の「ビジネスアイデアコンテスト2016」ファイナルプレゼン大会が2月24日に開かれ、東京都知事賞(最優秀賞)に「このゴミ、いつ捨てられるの?『成長するゴミの分別お助けアプリ』」(発案者=東京プリント・大塚ヒロ子氏)が輝いた。今回の受賞アイデアは、晩御飯のメニュー支援や靴の手入れ・レンタルサービス、初心者向け登山シミュレーションなど、スマートフォンのアプリをベースに、ちょっとした「困り事」を解決するユニークなアイデアが目立った。

白熱したファイナルプレゼン大会

 同コンテストは印刷に縛られることなく、幅広い視点からアイデアを募集し、新たなビジネスを創出することが目的。前回都知事賞を受賞した「sumimasenからはじまるおもてなしマップ」(西武写真印刷・青木智美氏)は現在、ビジネス化へ向けてプロジェクトが進行中だ。
 今回は50点のビジネスアイデアが寄せられ、第一次・二次審査(書類選考)を行い、9名10点の入選作品に絞り込んだ。プレゼン大会では、各自10分の持ち時間でビジネス内容や展望をアピールした。
 東京都知事賞に選ばれた「このゴミ、いつ捨てられるの?」は、住民と市町村とを双方向でつなぎ、分かりづらいゴミの分別方法が容易に検索できるアプリ。住民側はアプリ上に分別の仕方が分からないゴミの質問を書き込み、市町村側で回答を行う。情報を追加・更新していくことで内容が充実(成長)する。
 大塚氏の代理でプレゼンを発表した星野美由紀氏は「市町村のサイトや冊子ではとにかく分かりづらい。何とか簡単に分別できるようにならないかと、このアイデアを考えた。将来はAI等を活用して写真を撮るだけで、その場で判断し、回答ができるようになったらより便利になるだろう」と展望した。
 審査委員会では「皆の『困った』を解決する便利なアイデアで、テーマに可能性がある」と評価が高かった。 全体講評では、審査委員長の猪股康之日本プリンティングアカデミー学校長が「10作品ともすばらしかった。前回に比べ格段にパワーアップし、夢もある」、副審査委員長の高橋晋平ウサギ社長が「どの作品も面白く、レベルが高かった。ぜひ実現させてほしい」と述べた。
 そのほかの受賞アイデアは次のとおり(敬称略)。
▽東京都産業労働局長賞(第2位)=くつまる(イナミツ印刷・稲満信祐)
▽東京グラフィックス会長賞(第3位)=本当にその山登り大丈夫ですか?楽しく登ろう「登山シミュレーション」アプリ(倉敷印刷・和賀山新太郎)
▽審査員特別賞=VR退院体験(エフ・アイ・エス・朝香貴裕)、ドリームベースボール(日本プリンティングアカデミー・田中大稔)
▽入選=顔写真が入るアプリ(ポスメディア・蓬田利久)、失念ソリューション(ポスメディア・松岡誠)、飲食店向け多言語メニュー制作サービス(倉敷印刷・富澤茂)、主婦のお悩み解決、晩御飯はこれで決まり!(東京プリント・大塚ヒロ子)、ワンダフルスティック!(篠崎正之)









【印刷新報2017年3月9日付掲載】
その他掲載記事
・製本・加工特集
・innovationdays2017 デジタル印刷、欧州最前線を歩く
・JP2017 価値創造へ仕組み発見 名称と会場を一新 など


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2017年3月2日付
ONE SAMURAI JAPAN
ご当地ヒーローで地域活性 インバウンド事業を協業展開


 ポップカルチャーで印刷会社のインバウンドビジネスを支援する一般社団法人ONE SAMURAI JAPAN(浦久保康裕代表理事)は、2月8日から3日間、東京・池袋で開かれたpage2017に出展した。揃いの特製シャツを着たメンバーが、活動内容を熱心にアピールしつつ加入促進を行った。

page2017ブースでプロジェクトを演出

 大阪府印刷工業組合天親支部の若手有志により始められた「ONE SAMURAI PROJECT」の活動は、2014年12月に法人化し、全国の印刷会社のネットワークを活用した地域活性事業へと発展している。
 同プロジェクトは、海外での日本のポップカルチャー人気の高まり、訪日観光客数の増加を背景に生まれた。全国各地ゆかりの戦国武将や偉人を案内役(ローカル侍ヒーロー)としてキャラクター化し、集合型Webサイトで日本の魅力を紹介するもの。各地の祭り、イベント、食、アニメ聖地などの情報を強力に発信し、有名観光地や大都市圏以外への訪日客の動線づくりを目指す。
 とりわけ、滞在期間が比較的長い欧米の旅行者に焦点を当て、彼らが好む「サムライ」を現代風のキャラクターに仕立てることで注目度を高めた。専門サイト(onesamurai.jp)やフェイスブックで情報発信中。
 「グローカル」をテーマに掲げ2014年度・2015年度に活動した全印工連の全国青年印刷人協議会も同プロジェクトと連動し、パリで開催された日本文化の祭典「JAPAN EXPO2015」に共同出展するなど、印刷業界からインバウンド需要を創出する試みを図ってきた。
 ONE SAMURAI JAPANは今後、イベント企画、インバウンド観光ツール提供、海外展開(海外イベントへの出展支援)、キャラクタービジネス、公的資金獲得サポート(行政とのコラボレーション)などの各種サービス展開を想定している。
 さらに、ONE SAMURAI JAPANの持つリソースや事例を活用し、各地域のパートナー企業に対して、イベント実施、観光客向けグッズ販売、地域でのインバウンド対策事業など、B to CやB to B to Cの事業モデルを提供していく。
 当面、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを意識しながら、各地の協力印刷会社を募り、47都道府県すべてのキャラクターを用意する。
【一般社団法人ONE SAMURAI JAPAN構成企業】一心社(大阪市天王寺区)、日進社(同)、新聞印刷(同)、大文字美術印刷(同)、大兼印刷(同)、GWE(大阪市東成区)、大興印刷(大阪市中央区)
















【印刷新報2017年3月2日付掲載】
その他掲載記事
・2016年日本の広告費 5年連続で前年比増 モバイル広告への移行進む
・学研グループ 商材展示会を開催 印刷関連企業に商談の場
・東青協40周年特集 など


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2017年2月23日付
〈page2017 基調講演1から〉
ジェイコブス氏が語る北米最新マーケティング動向
営業手法の見直しは必至 専用ツールの活用も不可欠


 page2017(主催・日本印刷技術協会)の初日、2月8日に行われた基調講演1では、アメリカの著名なマーケティング研究家、マーケティング企業の代表で、全米の大学で教科書として採用されている『ザ・マーケティング』の著者でもあるロン・ジェイコブス氏が北米の最新動向を紹介した。現代の消費スタイルは複雑に変化しており、消費者の購買に関わる行動の変化を機敏に捉え、小規模のプロモーションを継続的に展開していく"らせん型"のマーケティングの必要性を訴えた。

講演するジェイコブス氏

 ◆「カスタマージャーニー」を捉える
 ジェイコブス氏は講演の冒頭、「顧客は私たちをある分野の専門家であってほしいと思っており、成長するには顧客の問題を解決できるツールを理解し、さまざまなマーケティング関連のソフトウェアを使える必要がある」と、マーケティングツールの活用がビジネスにおいて不可欠になりつつあることを説いた。その多くは現在、クラウド上で提供されている。選択の仕方次第で、どの企業にもチャンスが生まれる。ポイントは、使いこなせる人を雇い、いかに教育するかにある点にも触れた。
 次に、現代マーケティングが直面している大きな課題の一つとして、消費者の購買に関わる道程や思考の流れを表す「カスタマージャーニー」を紹介した。「これからは各ブランド、製品ごとにカスタマージャーニーを個別に見ていく必要がある。主役はブランドではなく、ブランドを購入するかもしれない顧客が、どんな問題を抱え、何を欲しているかを理解することだ」という。
 ジェイコブス氏は「カスタマージャーニーに正しい形はないが、共通項として挙げられるのは、出発点はすべてオンラインであり、検索して情報を比較し、購入が決まった時点で初めて営業マンと接触したくなるということだ。今や営業マンがとにかく顧客先を訪問するという時代ではなくなった。まずはターゲットが求めている情報を把握し、的確な情報を提供して、関心を持った段階で初めて購買の話に移るプロセスが大事になる。相手にも商品やサービスについて学んでもらう段階が必要だ。それは一般消費者も同様。現代の市場では、消費者とサービスを提供する企業との関係において、主役は消費者であり、企業主体で動ける時代ではなくなった」と話す。
 さらに、「21世紀の消費者は『モバイルファースト』であり、世界中の検索の70%はモバイルから行われている。特に若い世代はその傾向が強い。バリアブルデータプリントは20世紀の革新であったと捉えてほしい」と視点を提供した。

◆"小さな戦略"を走りながら繰り出す
 次にジェイコブス氏は、顧客が常に必要なソリューションを検索している現代では、従来の直線的で大規模なキャンペーンでは追い付くことができないとし、「大事なのはアジャイル(敏捷)な仕事の仕方。これは新しいマーケティングの概念であり、ビジネス哲学だ」と指摘。小規模のプロモーション(小さな戦略)を、検証と改善を繰り返しながら継続的に行うことの重要性を説いた。同様のことがWebサイトについても言える。
 また、さまざまなチャネルが連動している現代では、紙のDMにも活路が開けていると指摘し、eメールやパーソナライズなランディングページと連動させた最新のプロモーション事例などを紹介。「DMは他の多くのチャネルと融合できる点が特長であり、100年後も相応のチャネルであり続ける」と展望した。
 講演の結びには、会場の参加者へ「今後、顧客にとってどういう存在になりたいかを考えてほしい。そして変化に順応することを恐れず、可能な限りさまざまなテクノロジープラットフォームを使えるように鍛えてもらいたい」とメッセージを送った。
 ジェイコブス氏の講演に対して、モデレータを務めた中央大学ビジネススクール大学院の田中洋教授は、カスタマージャーニーをいかにして把握するか、そのポイントについて質問。ジェイコブス氏は「人々の行動をよく観察することだ。私の会社では、消費者が情報を得るためにどのようなチャネルを使っているかなど、常に行動をチェックするチームを持っている」と答えた。
 また、消費者の激しい変化に対応した営業スタイルとして、自社には営業を置いておらず、代わりに、Webサイトのブログ記事やeブック、定期レポートなどにより、見込客が求めているコンテンツを常に提供していると明かした。
 「営業マンの存在は脅かされている。どの業界の見込み客も購買を決定するまで営業マンと話をしたがらない。ブランド受難の時代だ」。ジェイコブス氏は、企業が大きな岐路に立たされている中で、「コンテンツマーケティング、コンテンツハブを真剣に考えなければいけない」と、閉塞感を打ち破るヒントを示した。















【印刷新報2017年2月23日付掲載】
その他掲載記事
・2030年に求められる経営戦略、人材、組織とは 
 記念講演 JPA 浅野理事長×花井理事
・マーチング委員会と大日本印刷が連携
 アプリにコンテンツ提供
・第29回GP工場交流会 全社的な取組みに工夫 など


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2017年2月16日付
〈全印工連・知財活用調査事業〉
知財権保護の必要を明確化
官公需、権利関係の明記が重要


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)は2月9日、経済産業省から受託した平成28年度コンテンツ産業強化対策支援事業(中小印刷産業の知財活用に関する調査事業)についての報告会を日本印刷会館で開催した。経済産業省の担当官も出席した。
 同事業では、官公需を中心とした印刷等の請負契約時に生じる知的財産権の取扱い等について調査・分析を行ってきた。当日は、調査結果についての全印工連・高橋秀明事務局次長の報告に続いて、調査委員会(上野達弘委員長=早稲田大学法学学術院教授)の委員の一人である榎本進一郎弁護士(箕山・榎本総合法律事務所)が、官公需の現状における問題点と検討課題について明らかにした。

(中略)

◆中間生成物は印刷会社の努力の集積
 調査結果について榎本弁護士は、「民間に比べて、官公需では印刷業者の知的財産権の保護に対する配慮が不十分」であると総括。「著作権や印刷用データ等の中間生成物の譲渡は多くの場合、無償で行われていて、発注者側で確保する必要性について説明もない。安易に価値をものにしようとしている点が問題だ。中間生成物は印刷会社の努力の集積であり、契約により譲渡するならば、独自の財産的価値に対する配慮がなされなければいけない。印刷会社側も、このことを明確に認識してほしい」とアドバイスした。
 また、印刷会社の著作者人格権への配慮がない。著作者(印刷会社)の人格的利益を保護する著作権法の目的に不適合だ」と意見を述べた。
 さらに、仕様書や契約書で明確な規定がなく、利用目的を明らかにしないまま包括的に『すべての権利は発注者に帰属する』と表現をしている問題について、「弁護士としてここまで曖昧な契約条項は見たことがない。不明瞭な権利関係が紛争リスクを増幅している。中間生成物の取扱いについて、あらかじめ書面で明確にすることが重要だ」と指摘した。
 榎本弁護士は、印刷等の請負契約における知的財産権の取扱いについて、発注時を起点とした4つのケースに分類し、ケースごとの対応を解説した。
 その中で、「著作権と印刷用データ等の中間生成物の所有権は別の財産的価値を有する物であり、それぞれの権利が発注者と受注者のいずれに帰属するかはあらかじめ取り決めておく必要がある」と述べたうえで、「過去の判例に照らして、特別な事情がない限り、制作過程で発生する権利は受注者(印刷会社)に帰属すると考える。デジタルデータについても同様だ」と考えを示した。
 コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律第25条(いわゆる「日本版コンテンツバイ・ドール」)では、国が委託等によって制作するコンテンツについて、知的財産権を受託者に残すことで、受託者の制作へのインセンティブを高め、かつコンテンツの二次利用を促進することを認めている。
 榎本弁護士はこの条文についても触れ、25条が地方公共団体も含めた努力義務である点を指摘した。 調査委員会では現在、最終報告書をまとめており、2月中に経済産業省に提出する。毎年8月頃、「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」が発表されるが、平成29年度の基本方針に、今回の報告書の内容が反映されることが期待される。
















【印刷新報2017年2月16日付掲載】
その他掲載記事
・オフ輪特集
・30回目のpage盛況
・東グラ 組織拡大プロジェクト始動 など


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2017年2月9日付
全印工連・ダイバーシティ調査
取組み本格化へ意識改革を 採用難への対応に懸念


 全日本印刷工業組合連合会・ダイバーシティ推進委員会(小野綾子委員長)はこのほど、昨年実施した「ダイバーシティアンケート調査」の結果をまとめた。多様な人材を受け入れ、個々のライフスタイルに合った職場環境の整備により能力を最大限に発揮する「ダイバーシティ経営」について、具体的な内容が「思い浮かばない」という回答が8割を占めるなど課題は多い。同委員会では、セミナー開催や「モデル就業規則」へのダイバーシティ施行規則等の組入れなどにより、周知啓発を図っていく。
 アンケート調査期間は2016年8月から10月。組合員4855社(10月1日現在)に対して行い、回答企業数は1379社、回収率は28.4%。
             ◇
 「ダイバーシティ」という言葉について、「知っている」は42.0%、「今回初めて知った」が58.0%。「ダイバーシティ経営」について、具体的な内容が「思い浮かばない」が78.9%。
 さらに、「ダイバーシティ経営」への取組みについて聞いたところ、「着手している」はわずか8.7%で、「着手していないが、今後取り組む予定」31.7%、「着手していないし、取り組む予定もない」59.6%となった。
 このようにダイバーシティに対する認識はまだ低く、取組みも遅れている。具体的に課題を把握できていないため、何にどう取り組めばいいのか、経営者の意識が焦点を結ばない状態が窺える。
 活用を広げていきたい人材は、「女性」56.2%、「フルタイムで働けないが意欲のある方」43.1%、「高齢者(65歳以上)」29.7%など。
 全従業員に占める女性の割合(※20%刻みで回答)で最も多かったのは「21〜40%」の企業で39.0%が回答。同じく、高齢者は「1〜20%」が50.8%と約半数、「障がい者」は「0%」の回答企業が76.0%を占め、「1〜20%」の22.8%と合わせてほぼ全数。
 育児休業中・復帰後の不安を取り除くための取組みは、「取り組んでいる」26.1%、「取り組んでいない」73.9%。
 男性従業員の育児休業経験者が「いる」と回答した企業はわずか5.5%にとどまる。
 従業員の介護については、実態を「把握している」37.9%、「把握していない」62.1%。
 委員会のアドバイザーでもある特定社会保険労務士の小倉絵里氏はアンケート結果について、「これから女性の活用を広げていくというが、すでに少子化などで採用が大変なはずなのに、印刷業界はまだ無理をして頑張っているのでないか。自由意見の中には『ダイバーシティの取組みと考えて人材を雇用しているわけではないが、結果としてそうなっている』とあった。人手不足がますます進み、多くの会社が同じ形にならざるをえなくなるだろう」と指摘する。
 ダイバーシティ推進委員会では、2月20日に小倉氏を講師に基礎セミナー、3月17日に影山摩子弥氏(横浜市立大学)を講師に応用セミナーを日本印刷会館で開催する。
 また、2017年度に東印工組が主体となって改訂を行う「モデル就業規則」にダイバーシティ施行規則を組み入れ、改訂内容を中心に解説するセミナーを年度中に4回開催する予定。















【印刷新報2017年2月9日付掲載】
その他掲載記事
・東印工組 都受託事業が本格始動
・2025計画「INSATSUと人類の歴史」 木村篤義全印工連常務理事の講演より
・凸版印刷 川口工場に出版生産を集約・効率化 など


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2017年2月2日付
日印産連、VOC警報器で現場改善
光写真印刷の見学会を実施


 日本印刷産業連合会は1月17日、オフセット印刷工場内で発生した高濃度VOC(揮発性有機化合物)を警報で知らせる「VOC警報器」の普及促進を図るため、業界関係者や報道機関向けに見学会を開いた。見学会は東京・大田区の光写真印刷(惟村唯博社長)で行われ、VOC警報器の設置・運用状況や化学物質管理について理解を深めた。工場見学会は2月7日にあさひ高速印刷(岡達也社長、大阪市西区)でも開催する。

設置されたVOC警報器

印刷ユニット直上の天井にVOC警報器を設置

 日印産連では、2012年に大阪市の校正印刷会社で起きた胆管がん問題を受け、オフセット印刷工場における有機溶剤管理の調査・研究を続けてきた。印刷工場内での社員の健康を守るため、パンフレット『オフセット印刷工場の有機溶剤管理〜印刷事業所が社員の健康を守るために』を発行するとともに、ガス検知警報器専門メーカーの新コスモス電機(大阪市淀川区)と「VOC警報器」を共同開発し、2016年1月末から販売を開始した。
 VOC警報器は、印刷工場内のVOC濃度が一定レベル(ノナン200ppm)を超えると警報を発して知らせる装置で、日印産連のグリーンプリンティング(GP)資機材認定製品。発売以降、全国で250台が設置されており、着実に普及が進んでいる。
 見学会では、日印産連の杉村亥一郎常務理事が「日印産連では、印刷工場の労働安全衛生は重要課題の一つととらえており、その解決策としてVOC警報器は非常に効果的なツールである。本日の見学会を通じ、今後の事業に活かしていただきたい」と述べ、VOC警報器の設置・普及を訴えた。

◆ダーティスポット把握は複数台・常時監視で
 オフセット印刷工場内のVOC濃度は、インキローラー洗浄時に最大ピークとなる。そのため、ローラー洗浄時は印刷ユニット直上に設置したVOC警報器は必ず鳴る。ただ、この場合はVOCの発生個所、発生タイミングが明らかであることから、換気をしたり、防毒マスクを着用したりなど、作業者のばく露回避対策は施しやすい。
 むしろVOC対策で問題となるのは、拡散したVOCがうまく換気されず工場内に溜まってしまうような場合だ。
印刷工場内でどのようにVOCが拡散するかは、工場の天井の高さや空調設備の配置などによってそれぞれ違ってくる。工場内の空気がうまく給・排気されないと、VOCが溜まる場所ができてしまう。また、工場内にある洗浄剤、湿し水や廃ウエスからも高濃度VOCが発生する。こうした場所を「ダーティスポット」と呼ぶ。
 光写真印刷は換気システムに「全体換気」を採用しているが、天井が低く、またエアコンなどの気流が邪魔をして給気から排気まで空気がうまく流れないことにより、「ダーティスポット」が数ヵ所で見つかっている。そのため、同社では補助ファンで換気口に送り出す空気の流れをつくることを検討するなど、できるところから徐々に改善策を進めているという。
 こうした「ダーティスポット」を把握するためには、VOC警報器を印刷ユニット直上以外にもデリバリ部、印刷機と印刷機の間などに設置することが必要だ。同社でも、オフセット枚葉機3台に対し、VOC警報器9台を設置し、常時監視を行っている。
◆次のステップは、溶剤の使用量削減
 ドクター受け皿の洗浄時にも高濃度VOCが発生する。そのため、同社では、工場内に専用のドクター洗浄ブースを設置し、洗浄場所を1箇所にまとめた。局所排気により、工場内のVOC拡散を防止している。専用のドクター洗浄場所の設置はオフセット印刷工場では初めて。
 また、残肉、廃棄ウエスなどの密封管理や、溶剤を1箇所にまとめて管理するなど、ものづくりの町・大田区で安全できれいな工場づくりに努めている。
 VOC警報器の設置効果について、惟村社長は「VOC警報器が鳴ることで、VOC対策の必要性を作業員一人ひとりが肌で感じるようになった」と"見える化"のメリットを示し、「今後はVOCをしっかりと管理するうえで、工場全体での溶剤の使用量を減らし、コスト削減にもつなげていきたい」と次のステップを視野に入れる。















【印刷新報2017年2月2日付掲載】
その他掲載記事
・page2017特集
・星共社が最優秀賞に 東京ビジネスデザインアワード
・「全印工連2025計画」の読み方使い方 など


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2017年1月26日付
JPMA年始会
延長投資促進減税等を活用し投資喚起へ
アジア市場でシェア確保を
ジャパンカラーは「デジタル印刷認証」を早期に


 日本印刷産業機械工業会(宮腰巖会長)は1月18日に平成29年年始会を政官界とユーザー団体から来賓の出席を得て開催した。宮腰会長はあいさつで、昨年の印刷産業機械の市況が先進諸国と中国の需要減により低調に推移したことを踏まえ、「成長するアジア市場におけるシェア確保が第一選択肢になる」と述べた。国内においては投資促進減税などを活用した設備投資喚起について、「本年の概算要求の中で投資促進減税の2年延長が採択された」との朗報を明らかにし、「昨年7月に施行された中小企業等経営強化法のうち、機械装置の固定資産税軽減措置の活用」も訴えた。また、Japan Color認証制度では、パッケージング業界へのプレゼン促進とデジタル印刷認証制度の仕組みの早期確立について述べた。

宮腰会長

 冒頭に宮腰会長は、昨年の印刷産業機械について「日本を含む先進諸国におけるデジタル化に伴うペーパーレス化の進展、新常態への移行を進める中国市場の大幅な需要減および秋口までの円高により総じて低調に推移した」と概括した。
 また、英国のEU離脱表明と米国の新大統領にトランプ氏選出などの海外情勢の変化により「TPPを含めさまざまな経済協定の見直しが進む情勢であり、自由貿易拡大の基調が変貌することは日本にとって厳しい局面」であるとした。
 その一方でアジア市場について、「中長期的に有望な市場であることに異論はない。また、中国は踊り場にあり、現在は厳しい状況だが、潜在的成長性は大きなものがあり、継続的なアプローチが必須」とし、「今後、国内市場はシュリンクすることが確実であり、アジア市場で大きなシェアを確保することが印刷産業機械各社にとって発展のための戦略上の第一選択肢である」と述べた。
 日印機工は平成25年度から27年度にわたり、インド、中国、インドネシア、ベトナムと海外調査研究事業を実施、昨年10月に「アジア市場戦略ガイドライン」を発表しているが、「アジア進出の手引書として活用され、アジア市場で日本企業が高シェアを確保するために継続して戦略的検討を行っていきたい」との考えを明らかにした。
 設備投資と投資減税等の証明書発行については、「平成26年1月にスタートした生産性向上設備投資減税の証明書発行件数は1万200件に達している。昨年7月1日に施行された中小企業等経営強化法のうち、機械装置の固定資産税を軽減するための証明書発行は昨年11月末時点で540件に達した。平成29年概算要求の中で設備投資減税の2年延長が採択された」と報告した。
 平成21年に開始したJapan Color認証制度は「標準印刷認証が190工場を超え順調に拡大している」とともに、「今後、パッケージング業界へのさらなるプレゼンテーションを推進し、本年に早い時期に業界から強い要望があるデジタル印刷認証制度の仕組みを確立する」と述べた。
 最後に「当工業会は総力をあげて印刷関連業界に課題解決に取り組み、みなさま方の視点に立って活動を行っていくとともに、広く社会に貢献すべく事業展開を図っていく所存である。なお、当団体は昭和12年12月に設立されてから本年で80周年を迎える。これもひとえにみなさま方のご支援の賜と深く感謝している」と締めくくった。
 来賓祝辞で経済産業省製造産業局の片岡隆一産業機械課長は「印刷産業はさまざまな課題への対応に迫られているが、他方でIoT、ロボット、ドローンなど新たな技術革新の波が生じている。これらの変化を取り込む一年としてほしい」とし、「アベノミクスでは、助成措置を活用した活発な設備投資と賃金への還元と攻めの経営を期待している」、「2025年には大阪で万博誘致が計画されている。印刷産業界は新たなビジネス、ライフスタイルの発信に取り組んでいただきたい」と述べた。
 森澤彰彦副会長が「厳しさはあるが、これを大きなチャンスと捉え、節目の80周年に飛躍を遂げていきたい」と述べ、乾杯発声を行った。














【印刷新報2017年1月26日付掲載】
その他掲載記事
・ミヤギパッケージ(沖縄) ecoUV機を導入 内製化で一貫体制を構築
・トピックス バナナペーパーで途上国を支援 日本の和紙技術が活きる取組み
・全国カレンダー展&カタログ展表彰式 など


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2017年1月19日付
就業規則に副業規程を
多様性を前提に先手で


 社員の副業を認めるか否か─。いまや、どの業界でも大きな問題として浮上してきている。
 家計の不足分を補いたい、違う可能性を追い求めたい、家庭の事情による制約から仕方なく…。個々に理由はさまざまある。それに対して、「本業を差し置いてとんでもない」と反発する経営者、「自分の世界が広がるのは良いこと」と前向きな経営者、あるいは、「やってほしくないが、頭ごなしに否定して辞められても困る」「賞与も出せていないので強く言えない」と悩む経営者もいるだろう。
 時代の趨勢からして、多様な働き方を受け容れる経営が望ましいとされていくことは間違いない。かつては、「認めない」「申請があれば許可」の2つが主な選択肢だったが、特定社会保険労務士の小倉絵里氏によると、現在はどちらも成立しない。「多様性を重視する政府は『認めよ』の基本スタンスで、法律的にも二重就労を認める方向に動いている。就業規則の中に副業規程を入れることはいまや必須だ」という。
 たとえば、午前9時から午後3時までA印刷で働き、4時から7時までBスーパーで働く社員の場合、残業代の支払いはB社の負担、移動中に起きた怪我もB社に責任がある。経営者はこうした法務も知っておかなければならない。では、仮にその社員が過労死した場合、責任はどっちにあるのか? 二重就労は極めて難しい問題を孕んでいる。いずれにせよ、A社、B社ともに社員が2つの職場を掛け持ちしていることを把握する義務がある。
 副業について、一般的に社員が自ら言い出すケースは少ないと思われるが、小倉氏は「会社側から社員に聞くことが大事。それでも言わない人は仕方がないが、経営者は管理に努めなければならない」と話す。
 少なくとも、会社として実態の把握に努めることで、過労などによる本業への悪影響に対して手を打てる。より前向きに捉えれば、社員が職場とは違った才能で休日に活躍し、収入を得たとしても、そのメリハリが会社への貢献につながる可能性もある。
 ワークライフバランスの実現とともに、企業がこれから避けて通れない「副業」の問題。社員の性善説、性悪説だけで議論し、曖昧な経営を続ける時代は過ぎ去ろうとしている。













【印刷新報2017年01月19日付掲載】
その他掲載記事
・光文堂新春機材展特集
・日印産連 新年交歓会に700名が集う
・大日本、凸版、共同印刷各社、年頭あいさつ など


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≪「日本製本紙工新聞」1月5日付から≫
発足する全日本製本青年会・渡邊剛会長に聞く
「ど真中で勝ち残ろう!」 第1回大会、7月8日に京都で


 2017年は、全国の若手製本人が一つの組織としてまとまる記念すべき年となる。4月1日、「全日本製本青年会」が正式発足し、7月8日には京都で第1回の大会が開かれる。運営体制もほぼ固まり、初代会長には渡邊剛氏(35歳、博勝堂社長、東京製本二世連合会)が就く。全日本製本青年会の船出にあたり、渡邊会長に青年会の意義や会長としての抱負を聞いた。〈文責・編集部〉

渡邊剛 全日本製本青年会会長

─まずは青年会発足までの流れについて。
 5、6年前から、全国が一緒にやっていこうという盛り上がりが出てきた。私が所属する東京製本二世連合会と全国製本誠友会との話し合いが具体的に進み、流れが加速した。基本的な下地はすでにあり、それを私が引き継いだ形だ。会の発足は必然的なものだったと思う。
 北海道、宮城、石川、神奈川、兵庫の青年部が新しく加わる予定で、全日本製本工業組合連合会(以下、全製工連)のすべての会員組織が揃うことになる。青年会のロゴマークのデザインはすでに決定した。会旗も作る。
 並行して、私が前期まで会長を務めていた東京製本二世連合会も改革した。会長の任期は今までの1年から2年に変更した。二世連合会の全員大会も、全日本製本青年会の大会がない年に隔年で開催し、連動する形に変えた。

─7月の京都大会について。
 200人以上の参加を目標にしている。来賓もお呼びしての青年会発足のお披露目、そして、会員同士の意思統一という意味合いが強い。地元京都は親双会の松ア会長を中心にすごい実行力があり、盛大な会になりそうだ。初めて参加する会員もいるので、まずはとにかくお互いに知り合うことが大事だと考えている。

─京都大会の後は。
 大会の開催は1年おきで、大会がない年は総会と常任委員会を開く。毎年7月ごろになるだろう。

─どんな青年会にしていきたいか。
 本来は若いというだけで強いはず。それをまず意識してほしい。私が考えた会のキャッチフレーズは「ど真中で勝ち残ろう」というもの。やはり自分たち若手が今後の製本業界を背負い、引っ張っていくという気持ちが大切だ。生き残っていけば、この先もなんとかやっていけるというような、小さなことを言っていてはダメ。どう進めばいいのかわからないのなら、「みんなで一緒になってやっていこう」と声をかけたい。全員が集まって、わいわい勉強しながら、元気を出していく。そういう会にしたい。
 今は、自分のところだけ儲かればいい、ほかは関係ない、という時代ではない。ど真ん中に出てきてもらって、自分はこんなことを考えていると発言して、みんなのこと、業界全体のことを考えてやってほしい。これからも残念ながら仲間の数は減っていくだろう。お互いの協力関係はもっと必要になってくる。
 全国に元気な会社はたくさんある。そうした会社の話を直に聞いてみてはどうか。実際に仕事の交流もできるだろうし、工場を見せてもらうのもいい。自分の地元では話しづらい悩みなど、いろいろ相談に乗ってもらえることもある。青年会ではそういう場を提供していきたい。

─今後の具体的な活動内容は。
 今はまだ、会を立ち上げることで精一杯の状態だ。2年間、まずは1回まわしてみて、その後に本格的に動き出すことになるだろう。継続することを第一に、焦らずに進めていく。
 そうは言っても、少しずつ意見は出てきている。大会、総会のほかに、勉強会の開催や、印刷業界の青年部など他団体との交流などを検討していく。しっかり長続きさせるためにも、青年会を担う人材を育て、引き継いでいきたい。

─全製工連からの期待も高いようだ。
 親会はとても期待してくれている。当然、会の発足にあたってはいろいろ相談し、アドバイスをいただいた。事務局も全製工連の中に置く。期待に応えられるように頑張りたい。青年会は全製工連の下部組織であり、バックアップしていただくと同時に、要請があればそれに応えて力を発揮したい。全製工連を支える人材を育てる組織でもある。

─製本業界の現状をどう見ているか。
 厳しいことを言うようだが、足下の仕事を取り切れていない会社が多い。自社の強みを磨き込んで、お客様のアドバイザーとして動けば、まだまだ仕事はある。各地域にとても良いお客様がいるのに、勉強不足と踏み込む勇気が不足しているために、他所に仕事が流れてしまっている例をよく見る。
 1社だけで全部やる必要もない。そういう意味でも、全日本製本青年会での交流を通じて知り合い、互いの人物や仕事内容が見えるようになるとおもしろい。仕事のやりとりも活発になるはずだ。












【日本製本紙工新聞2017年01月05日付掲載】
その他掲載記事
・大阪工組四役座談会 未来を見つめて
・電子書籍で紙の本を販促 
・団体・企業トップ年頭所感 など


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2017年1月5日付
プロネート、WEB解析ソリューションを提供
課題の可視化で改善促す


 プロネート(狩野征次社長、東京都板橋区)は、WEB解析ソリューション「Dr.3C」を開発し、サービスの提供を始めた。ビッグデータを活用して、企業のWebサイトを市場(Customer)/競合(Competitor)/自社(Company)の3つの「C」から多角的に分析し、サイトの目的達成に向けて何が最も必要であるかをレポートで提示する。問題点を明らかにしたうえで、サイトの改善提案や、印刷業界で培ってきた幅広い販促ソリューションの提案につなげていく。ものづくり力とソフト・サービス力の融合が同社の最大の強みだ。

「Dr.3C」の案内パンフレット

 ◆ビッグデータと連動し市場と競合を分析
 1973年に製版業から出発したプロネートは、現在では顧客のセールス・プロモーション全般を支援する企業として、「情報」「コミュニケーション」を核に業務の範囲を拡げている。
 大手総合スーパーの催事・キャンペーンの運営では、十数年にわたり企画・設計、全国店舗へのスタッフ派遣、売場サポートを続けている。
 昨年は、スマートフォン向け地図情報サービス「ココミセMAP」を展開した。プレミアム商品券の販売を機に、グーグルマップを利用してアプリケーションを自社開発したもので、スマートフォン画面の地図上に利用可能な店舗を簡単表示する。第一弾として、同社の地元である板橋区および商品券を発行する板橋区商店街連合会がサービスを導入し、予想を超えるアクセス件数があった。
 今回、新たにサービスを開始した「Dr.3C」は、企業のWebサイトを詳細に分析し、販促手法の見直しと最短での改善施策を提案するソリューション。
 ネット上の店舗ともいえるWebサイトだが、コンサルタント業者の提案などは「集客施策」に偏りがちで、「店舗内改善施策」があまり意識されていない。いくらお金をかけて集客をしたところで、店の中の状態が期待していたものと違えば、お客はすぐにサイトから離れてしまう。このような問題意識を抱いていた同社では、システム会社等と協力し、3年間の準備を経て「Dr.3C」を完成させた。
 営業部企画課の渡邉雅弘ディレクターは「リスティング広告やSEO対策にいくら力を入れても、サイトの中身が整理されていなければ意味はない。課題を正確に把握することは、最短距離での成果の最大化につながる。同時に、コストと労力の削減効果も大きい」と話す。
 「Dr.3C」では、検索動態ビッグデータと連動した「市場分析」、競合調査ビッグデータと連動した「競合分析」によって市場ニーズや他社の方策を把握する。また、数十種類もの検索システムを駆使した「自社分析」では、自社サイトの組成分析・アクセス解析から現状の課題を把握できる。3つの状態を指標から客観視することで、自社のポジショニングが明確になり、次に"打つべき手"が見えてくる。
 すでに業種を問わず豊富な改善実績がある。B to B向けでは、フォーム/ボタンの最適化で問合せ件数が7倍となった不動産会社、B to C向けでは、ボタン/スマートフォン/商品画像の最適化でCVR(目標達成率)が2倍、売上が1.5倍となったアパレル会社などの事例がある。
◆数値化と視覚化で問題点が一目瞭然
 「Dr.3C」のサービス内容は、
1. 市場分析
2. アクセス解析
3. 考察レポート
4. 競合分析レポート
5. ヒートマップレポート
6. 改善施策立案・ロードマップ作成
7. PPC・SEO解析
8. ユーザーテスト
の8項目からなり、これらをエントリープラン(1〜4/15万円)、スタンダードプラン(1〜6/25万円)、プレミアムプラン(1〜8/35万円)とパッケージ化している。価格は1回あたりの解析費用となる。
 顧客からの依頼を受けたプロネートでは、ヒヤリングの後、Webサイトの解析に取りかかる。レポートは約10日間で完成する。レポートの提出とともに、顧客に直接、分析結果から見えたポイントを解説する。
 解析結果はできるだけ数値指標にして示す。また、視覚的にひと目で理解できる工夫も施している。たとえば、モバイルデバイスごとのユーザー分析数値のグラフ化、サイト訪問者のクリックポイントやページスクロール量のヒートマップでの可視化など。発注者からは「理解しやすい」「勉強になった」と好評で、気付きを得た結果、Webサイトの改善など次の行動につながっていく。一定期間の後に「Dr.3C」による解析を再度実施し、どの程度の改善効果が得られたのかを確認することもできる。
 営業部企画課の川嶋生久ディレクターは「ある部品メーカーのように、意外にも家庭での作業用にパーツを探し求めている個人が多い実態が見えたことで、売り方を大きく見直された会社もある。一方で、経済産業省の統計によると、国内ECサイトはB to B向けがB to C向けの7倍近い市場規模がある。Dr.3Cの対象となる企業の裾野は広い」と話す。
 プロネートでは、「Dr.3C」を接点として幅広い顧客との関係づくりを行い、印刷物やサイン・ディスプレイなどの媒体製作、デジタルコンテンツの製作・配信、イベントやキャンペーンの実施、ブランディングやマーケティングの支援などを通じて、販促支援の長期的なビジネスパートナーとなることを目指す。
 狩野社長は「当社の企業理念は『お客様の価値創造のお手伝い』。社内に蓄えられたものづくりのノウハウがあるからこそ、ソフト・サービスの提案が活きる」と話す。
 同社ではすでに、「Dr.3C」とARを組み合わせたスマートフォン用のアプリケーション開発も予定しており、新サービスを次々と世に送り出す準備を整えている。













【印刷新報2017年1月5日付掲載】
その他掲載記事
・新年特集 次世代ツールで新領域へ
・GP環境大賞2年連続受賞 丸井グループに聞く 活動内容の周知が重要に
・業界団体・企業トップ年頭所感 など


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2016年12月22日付
2016年の印刷業界十大ニュース
不安定さが増す中、新時代の戦略選ぶ


 編集部が選んだ2016年の十大ニュース
1.熊本地震で被害、危機管理への意識が再び高まる
2.drupaでデジタル印刷・加工の提案が競演
3.日印産連、グリーンプリンティングPR大使を創設
4.改正労働安全衛生法が施行
5.東京都が印刷物入札で最低制限価格制度を試行実施
6.全印工連、「2025計画」を策定
7.東印工組、総額1億円の人材力支援事業を都から受託
8.軟包装印刷分野への投資・参入が相次ぐ
9.M&A関連の情報発信と取組みが前面に
10.デジタル教科書、文部科学省が最終報告まとめる

 2016年は、中国経済の減速、イギリスのEU離脱決定、アメリカ大統領選挙でのトランプ氏勝利、テロの多発など、国際的に不安定要因が増す中、国内ではアベノミクス効果に陰りが現われた。リオ五輪での日本選手の活躍もあり、2020年の東京五輪に向けて期待は高まるが、経済の面では浮上するきっかけを掴みにくい一年だった。
 印刷業界を見渡すと、4月には熊本・大分地方を激震が襲い、広範な被害が及んだ。東日本大震災から5年という時期に、BCP策定など危機管理への意識が再び高まる動きが見られた。
 6月には改正労働安全衛生法が施行され、化学物質のリスクアセスメントの実施が義務付けられた。また、日本印刷産業連合会は、グリーンプリンティング認定制度の普及と社会的認知の拡大に向けて、小山薫堂氏に初代PR大使を委嘱した。
 ドイツで開催されたdrupa2016では、B1サイズ機や軟包装用途の拡大など、デジタル印刷・加工の新提案が繰り広げられた。国内では、軟包装分野への投資・参入が相次ぎ、フレキソ印刷への注目も高まった。
 全日本印刷工業組合連合会は、「2025計画」を策定。印刷業の再定義を行い、新しい視点での成長戦略を示した。
 また、中小印刷産業振興議員連盟との連携などもあり、低価格防止や知的財産権保護など入札制度改善に向けた取組みでも大きな進展が見られた。
 事業承継問題がクローズアップされる中、印刷業界でもM&Aが真正面から語られるようになったことは時代の変化を感じさせた。












【印刷新報2016年12月22日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連 事業承継の支援事業を推進
・page2017「ビジネスを創る―市場の創出」 概要発表
・日本フレキソ技術協会40周年 など


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≪「日本製本紙工新聞」12月20日付から≫
日本タウン誌・フリーペーパー大賞2016
大賞に櫻井印刷所(埼玉)、今年も印刷会社の力発揮


 日本タウン誌・フリーペーパー大賞2016(主催・日本地域情報振興協会)の授賞式が12月2日に東京・上野の国立科学博物館で開かれ、櫻井印刷所(櫻井理恵社長、埼玉県)の『kawagoe premium』が大賞に輝いた。また、最優秀賞ではグルメ部門賞で仙台マーチング委員会・孔栄社(佐藤克行社長、宮城県)の『仙台朝市通信』、ビジネスモデル部門賞で原印刷(原竜也社長、愛媛県)の『ココロエ愛媛』が選ばれるなど、今年も多くの印刷会社が名を連ねた。
 今回は、全国(海外を含む)から202誌が参加(審査対象外で公的機関が制作する媒体73誌も参加)。一次審査で「観光」「グルメ」「ライフスタイル」など計11部門別にノミネート媒体(優秀賞)を選出。二次審査で部門別に最優秀賞のほか、大賞(タウン誌とフリーぺーパー各1媒体)が選ばれた。
 大賞(フリーペーパー)に輝いた櫻井印刷所の『kawagoe premium』は、埼玉県の川越で暮らす人々に、より川越の魅力を伝えたいとの想いから年4回発行している2015年に創刊したフリーマガジン。企画からデザイン、インタビュー取材まで自社でこなし、印刷会社としてのPRやブランディングも兼ね備えている。
 総評では「しっかりとした編集コンセプトとその世界観を読者に伝えるためのデザイン、使用している写真、写真のアングル、トリミングなどどれを取っても申し分ない」と高く支持。特に媒体の世界観に合った紙質や表紙・裏表紙が折りになっている点は、『さすが印刷会社ならではの素晴らしいアイデアだ』と審査員一同が高く評価した。読者によるネット投票でも2位だった。
 受賞者、媒体名は次のとおり(印刷会社のみ)。
【大賞】櫻井印刷所『kawagoe premium』(埼玉県)
【最優秀賞】▽グルメ部門賞=仙台マーチング委員会(孔栄社)『仙台朝市通信』(宮城県)▽ビジネスモデル部門賞=原印刷『ココロエ愛媛』(愛媛県)▽まるごとにっぽん賞=総合商研『JP01』(北海道)
【優秀賞】観光部門=共栄印刷『やまとびと』(奈良県)▽グルメ部門=岩見印刷『よりみち.』(兵庫県)▽ライフスタイル部門=オージーライブデザイン『シニアナビおかやま』(岡山県)、音成印刷『おぎなう』(佐賀県)▽まるごとにっぽん賞部門=能登カルチャークラブ『Fのさかな』(石川県)、仙北印刷所『D‐PRESS』(秋田県)













【日本製本紙工新聞2016年12月20日付掲載】
その他掲載記事
・出版・取次ぎは減収、書店増収 
・凸版印刷 出版生産拠点を再構築
・紙の魅力を再発見 千住紙ものフェス など


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2016年12月8日付
紙を基本にデジタル教科書を併用
文科省検討会議が最終報告


 文部科学省の「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議は11月30日、これまで紙のみにしか認められていなかった教科書について、一部の学習でデジタル教科書の代用を認めるとした最終報告をまとめた。次期学習指導要領がスタートする2020年度から導入される見通し。
 同検討会議では、教育の情報化、ICT化の進展を踏まえ、デジタル教科書の位置付けに関し、昨年5月から計10回の審議を重ね、今回で最終とりまとめとなった。
 今年6月の中間報告では、小・中学校は現行の紙の教科書を基本としつつ、一部の学習でデジタル教科書の併用を認めるとしたが、義務教育ではなく、デジタル教科書が受け入れやすい環境の高校においても、当面は同じ扱いにするとした。高校でも教科書が果たすべき意義や役割は同じであり、教育委員会や学校関係者等からの意見やパブリックコメントの結果においても、義務教育段階とは異なる取扱いを求める意見は少数だったため、同様の扱いとした。
 教科書検定制度との関係について、デジタル教科書は基本的に検定を受けた紙の教科書と同一内容(コンテンツ)とし、教科書発行者の責任で確保されるべきとしたうえで、当面、デジタル教科書の制作者は紙の教科書を制作する教科書発行者のみとすることが適当とした。また動画や音声は部分的な修正が非常に難しく、現行の検定で質を担保することは物理的に困難なことなどから、教科書以外の教材と位置付け、検定の対象外とした。
 一方、紙の教科書において、動画や音声等を含めて学習内容と関連のある教材にアクセスするためのURLやQRコードなどの掲載が今後増えていくことが考えられるとしたうえで、これらの検定上の扱いについては、次期学習指導要領の実施に合わせた教科書の制作に間に合うよう、教科用図書検定調査審議会等で専門的な見地から審議することが必要とした。
 デジタル教科書は、特に動画や音声のコンテンツを活用する外国語教育での学習効果が期待されている。20年度の次期学習指導要領から小学校高学年で正式教科となる英語の教科書などへの導入を視野に置いている。
 文部科学省では、デジタル教科書の啓発資料や運用するうえで必要となる関連のガイドラインを作成し、関係分野に周知を図っていく方針。












【印刷新報2016年12月8日付掲載】
その他掲載記事
・フォーム工連市場実態調査 BPO・DPSが好調維持
・東京都・最低制限価格制度 課題踏まえ本格導入へ
・東京製本高等技術専門学校 創立60周年記念式典開催 など


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2016年12月1日付
フュージョン、米DMA公認のマーケティング講座開始
日本向けに翻訳、eラーニングで受講可能に


 ダイレクトマーケティング・エージェンシーのフュージョン(佐々木卓也社長、本社・札幌市中央区)は、世界最大のダイレクトマーケティングの教育機関でもある米国DMA(Data & Marketing Association)と提携し、DMA公認の資格認証プログラムをeラーニングで提供する新事業を11月21日から開始した。日本における体系的なマーケティング教育の推進につながるもので、印刷会社からの問合せも多く寄せられている。
             ◇
 DMA公認の資格認証プログラム「ファンダメンタルマーケター」は、米国で企業のマーケティング担当者など年間3000人以上が受講する教育プログラム。DMAが培ってきたマーケティングの手法と考え方が体系的に整理され、世界トップレベルの講師が解説している。
このたびフュージョンが国内で提供を開始したサービスは、同プログラムのコンテンツを日本語でeラーニングによって学ぶことができる。DMAとの共同開発による海外初の教材であり、フュージョンが全編日本語に翻訳した。受講後の試験に合格すると、DMA公認の「ファンダメンタルマーケター」資格を取得できる。
 11月21日から受講を開始しており、随時、運営サイト(http://dcfm.fusion.co.jp/)で申込みを受け付けている。
フュージョンの佐々木社長は「消費者のニーズの多様化や販売チャネルの複雑化、テクノロジーの進展により、マーケターに求められるスキルはどんどん高度になっている。企業にとって優秀なマーケターの育成は大きな課題。DMに関わる企業と人を増やす『トップDMエージェンシー』を目指す当社として、eラーニングによる課題の解決を図る」と話す。
 「ファンダメンタルマーケター」は、マーケティングの基礎と実践的な知識を体系的に学べるDMA提供のコンテンツの中から、特に重要なコンテンツを日本向けにローカライズして提供するeラーニング・プログラム。全10項目のモジュール(各90〜150分)で構成され、受講後には全100問の修了テストが実施される。100問中80問以上の正解で合格となる。合格者に付与される「ファンダメンタルマーケター」は、DMAが日本で公認する唯一の資格となる。資格の有効期限は2年間。更新時には新たに100問のテストを受ける。
 受講はPC上で行い、期間は6ヵ月。同じモジュールを反復学習することが可能なため、より確かな知識を身に付けられる。講義の動画は細かく分割されていて、気になる部分だけを繰り返し見直すこともできる。
 モジュールごとの確認テスト、科目によって演習や動画事例もある。
 価格は全10モジュールの受講で20万円(税抜)。必要なモジュールのみ受講できるプログラムも用意している(1モジュール2万4000円)。
 フュージョンでは当初、流通小売・メーカー・通販業のマーケティング担当者、印刷会社や広告代理店、マーケティングソフトウェアベンダー等でマーケティングを体系的に学びたい人を中心にプロモーションを展開し、将来は企業単位での教育プログラムとしての採用、大学や専門学校のカリキュラムとしての提供も視野に入れている。初年度200名の受講を目指す。
 フュージョンでは今後、受講者へのフォロー講座の実施、受講者同士のコミュニティづくり、DMAの最新マーケティングデータの翻訳・紹介などを予定している。












【印刷新報2016年12月1日付掲載】
その他掲載記事
・国際印刷会議で市場動向把握 日印産連 WPCF&FAPGA報告会
・千修イラストレーションコンテスト 14作品を表彰
・文京博覧会2016 紙製品は人気の的 など


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2016年11月20日付
《「日本製本紙工新聞」 11月20日付から》
第20回いたばし産業見本市 地域貢献の視点育つ
区立美術館とのコラボレーションも


 「第20回いたばし産業見本市〜製造と加工技術展」が、11月10日・11日に板橋区立東板橋体育館で開催された。今年も印刷・製本・加工会社をはじめ特徴あるものづくり企業が多数出展し、技術力をアピールするとともに、一体となって「いたばしブランド」を発信した。

「エドコレ」とコラボレーションした和綴じノートや俳句帳が好評だった国宝社

 板橋区は、東京都内でも伝統的にものづくりが盛んな地域。有数の工業集積地として、製造品出荷額等・付加価値額は東京23区でトップとなっている(2位は大田区)。製造品出荷額等は4258億円(2014年工業統計調査)、うち、「印刷・同関連業」は全体の24.9%で第2位、1060億円と大きな位置を占める。
 見本市では、板橋区印刷関連団体協議会(田中眞文会長)が、メモ帳やカレンダーと引換えに恒例のチャリティを行った。収益金は板橋区を通じて、モンゴルで日本語を学ぶ大学生に参考書や辞書として送られる。
 初日10時からは、区内の中小企業による優れた新製品・新技術を表彰する「板橋製品技術大賞2016」の表彰式が会場内で行われた。
 寿堂紙製品工業が「バナナペーパーの製造技術」で持続可能社会貢献賞、ウキマがアイレット付きシール「halt(ハルト)」で審査委員賞を受賞した。両社とも出展ブースで具体的な製品を紹介し、関心を集めていた。
 寿堂紙製品工業のバナナペーパーは、アフリカ・ザンビアで栽培されるバナナの茎の繊維を利用し、日本の越前和紙の技術で古紙と配合して作る。製品が使われるほど、開発途上国における雇用を生み、貧困を解決する仕組みだ。
 ウキマの「halt」は、同社が得意とするアイレット綴じを応用した新しい機能付きシール。Ω型の針金綴じ加工が施され、普段使っているノートや資料、ポストカードに貼って、綴じ穴を開けずに気軽にファイリングできる。
 国宝社は、昨年の初出展から1年、板橋区立美術館の収蔵作品を画像として無償で利用できる「エドコレ」(江戸絵画コレクション)とのコラボレーション製品(ノート・俳句帳・文具など)がさらに品揃え豊富となり、ノベルティとしての幅を広げた。ブースでの即売も好評で、ファンが広がりつつある。今年は、板橋区内の牛乳パックを再生してできた「いたば紙」を使った和綴じの「和メモ」も出品した。「いたば紙」は障害者施設で生産され、自立支援にも役立っている。
 田中紙工は、ブッシュ抜き加工の技を活かしたトランプ・かるた・トレーディングカードのほか、お馴染みの「オンデマンドトランプ」を出展。1セットから注文に応じる便利さとアイデアの豊富さをアピールした。板橋区立美術館「エドコレ」を使った「エドコレトランプ」も販売した。
 星共社は、国内聖書の大半を製作し、特殊製本を数多く手がけてきた実績を基に開発した「町の製本屋がつくった開きを一番に考えたノート《kagari》」を出展した。背の糸が見える、水平開きの糸かがりノートで、小口銀、箔押などの職人技でおしゃれに仕上げた。
 中村印刷所も、特許取得(「ナカプリバイン」)の水平開きノートを出展。都内イベント用のグッズとしての採用、大手ネット通販での採用、大手ノートメーカーとの提携などで数量を伸ばしている。手作業に秘密があるだけに、72歳になる中村輝雄社長は「この歳になってこんなに忙しくなるとは思わなかった。仕事がこなしきれない。手伝いに高校時代の友人を雇った」と笑顔を見せていた。












【日本製本紙工新聞2016年11月20日付掲載】
その他掲載記事
・変革STORY ウキマ
・ミューテックが創業百年
・日印機工 「アジア市場戦略ガイドライン」取りまとめる など


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2016年11月17日付
東京製本工組「製本・加工技術プレゼン会」
バイヤーを招き実施 11社が自信の製品アピール


 東京都製本工業組合の書籍・雑誌部会(金子誉部会長)は11月9日、板橋区の製本会館でバイヤー向けの「製本・加工技術プレゼン会」を開催した。バイヤー4社に対して、組合加盟企業など11社がプレゼンテーションを行い、商談に臨んだ。バイヤーに直接製品を売り込むイベントは同組合として初の試み。実施にあたっては大手出版社・集英社の制作部が協力した。

バイヤーとの直接商談で賑わった

 今回のイベントは、製本・加工会社の技術や製品を著名バイヤーに直接紹介する機会を創り出し、一般消費者に向けた販売チャネルを広げる目的で行われた。
 きっかけは、書籍・雑誌部会の金子部会長(共同製本社長)と日頃から付き合いのある集英社の野秀明制作部部長代理との話の中で生まれた。市場の縮小で厳しい立場にある製本・加工会社に対し、野氏は「自分たちの持つすばらしい技術を広く知ってもらってはどうか」と提案。これに応じた金子部会長が所属部会を問わず組合員に参加を呼びかけ、意欲ある出展者が集まった。参加バイヤー(そごう・西武、三越伊勢丹、松屋、東急ハンズ)も野氏の声掛けにより決まった。
 当日は、外商部門を中心に4社から40人の企画・宣伝・販売・デザインに携わる人たちが製本会館の3階会議室に集まった。製本・加工会社側から1社5分ほどのプレゼンテーションを行い、その後、自社製品を目の前にしながらの商談会に移った。
 各社ブースでは、特長ある表面加工や折り・断裁・レーザー加工などによる高付加価値製品を紹介し、活発な意見交換が行われた。出展者は「一緒に企画を考えてほしいと求められた」「見積り依頼があった」「他の展示会で会社を知ってもらえていた」など、それぞれ手応えを感じていた。
 製本・加工業界の活性化のためにも、今後の継続開催が期待される。
【出展者(50音順)】伊藤バインダリー、ウキマ、宏和樹脂工業、小林断截、篠原紙工、菁文堂、太陽堂成晃社、プリントバッグ、平和樹脂工業、ロッカ、渡邉製本











【印刷新報2016年11月17日付掲載】
その他掲載記事
・第44回技能五輪国際大会 印刷職種代表候補に早瀬真夏さん(亜細亜印刷)
・全日シール沖縄大会開催
・岩手県印刷工業組合 創立60周年記念式典開催 など


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2016年11月10日付
〈ものづくり補助金/投資促進税制〉
経済産業省がJPMA会員向けに
28年度2次補正予算を説明


 平成28年度第2次補正「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援事業」(ものづくり補助金)の募集が、早ければ11月中にも始まる。例年に増して競争倍率はかなり厳しくなる見通しだ。日本印刷産業機械工業会(宮腰巖会長)が10月31日に都内で開いた会員限定の特別講演会の中で、経済産業省製造産業局産業機械課の担当官が説明した。ものづくり補助金などで優先採択が受けられる中小企業等経営強化法の認定取得とともに、補助金申請一本だけでなく、平成30年度末までの2年間延長・拡充を予定する中小企業投資促進税制など優遇措置の活用を呼びかけた。

 ◆経営力強化の認定で優遇
特別講演会のテーマは「平成28年度経済産業省関係補正予算、平成29年度同概算要求・税制改正要望」。70名が聴講した。
 今年7月1日に施行された中小企業等経営強化法は、大企業と中小企業との格差が広がっていることなどを背景に、中小企業の生産性向上を支援し経営力強化を図ることが狙い。「経営自体にテコ入れをして支援する法律は初めて」(経産省)。
 中小企業・小規模事業者等は、関係省庁に「経営力向上計画」を提出する。計画は人材育成、コスト管理や設備投資など、事業者の経営力を向上させるための取組内容などについて実質2枚の様式に記載して提出する。認定取得には1ヵ月程度かかる。経産省によると、9月末現在、認定会社は約1600社(うち製造業は1200社弱)に上る。
認定を受けることで、税制優遇や補助金等の優先採択など各種支援措置を受けることができるようになる。
 税制優遇では、固定資産税での設備投資減税が受けられる。経営力向上計画に基づき新規に機械装置を導入した場合、固定資産税を3年間、2分の1に軽減する。機械設備は1台160万円以上、生産性1%向上(10年以内に販売開始)などが対象となる。平成30年度末までの設備投資に適用される。
 印刷関連設備の導入を後押しする「ものづくり補助金」の採択に関しても、「認定会社がどれだけ優先されるかは現段階では未定」(経産省)としながらも、審査で加点するなど一定の優先措置が取られる見通しだ。

 ◆ものづくり補助金は競争倍率激化、優遇税制と並行で計画を
 今回の「ものづくり補助金」の予算額は760億円、補助件数は6000件を見込む。前回(平成27年度補正)に比べ、採択件数は2000件近く少なくなる見通しで、競争率はかなり厳しくなる見通しだ。
 第四次産業革命に向けてIoT、ビッグデータ等を活用する事業に対し、補助上限額を3000万円とする。また一般型は1000万円、小規模型は500万円だが、雇用・賃金を増やす計画に基づく取組みは倍増、最低賃金の引上げの影響を受ける場合はさらに1.5倍になる。補助率は3分の2。事務局は全国中小企業団体中央会。「地域未来投資促進事業」(予算総額1001億3000万円)の一環として実施する。
 5年目を迎える「ものづくり補助金」は、印刷業界にとどまらず他産業界でも利用が拡大している。「前回の採択倍率は3倍。これは全国平均なので、首都圏や工場地帯などでは実質5〜6倍以上になる。この県なら取れる内容が、他の県では取れないといったような、地域によるばらつきもかなりある」と指摘したほか、「何度申請しても取れない会社がある一方で、三度、四度と採択されている会社との偏りが出ている」と示し、なるべく多くの会社に補助金を享受してもらえるよう、今回から是正を図っていく考えを明らかにした。
 そのうえで、「おそらく順当にスケジュールが進めば、補助金採択会社は3月末か4月頃には発表されるとみられるが、補助金一本だけで勝負するのはかなり厳しい。メーカーが事業者に提案するにあたり、補助金が採択されなかった場合に備え、設備投資減税、あるいは中小企業投資促進税制による税額控除か即時償却の適用を受ける証明書の発行も同時に手配を進めてほしい。補助金がもらえない場合でも、なるべく投資への負担感がないようにフォローしてほしい」と呼びかけた。
 中小企業投資促進税制は、平成29年度から30年度末までの2年間の延長と上乗せ措置等に向けて、現在、財務省と折衝中であるとした。
 上乗せ措置では、資本金3000万円以下の中小企業等が一定の設備投資を行った場合に税額控除を現行の7%から10%へ、特別償却30%から即時償却への適用を認める要望などを行っている。











【印刷新報2016年11月10日付掲載】
その他掲載記事
・特集 環境活動と経営
・錦明印刷 百周年を祝う
・第19回中央区産業文化展 紙製品の良さをアピール など


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2016年11月03日付
全印工連、官公需対策に本腰
権利問題など前進図る


 全日本印刷工業組合連合会は、10月22日に開催した理事長会で官公需取引改善に関する多くの報告を行った。
 経済産業省から受託した「平成28年度コンテンツ産業強化対策支援事業(中小印刷産業の知財活用に関する調査事業)」については、官公需を中心とした印刷等の請負契約時に生じる知的財産権の取扱い等について委員会が文献調査・ヒアリング調査を行い、適切な契約のあり方について法律的な観点から整理・分析し、調査報告書を作成する。事業で得た成果について普及啓発セミナーを開催する。
 ヒアリング調査は、10月12日に1回目を岐阜県印刷会館で実施し、続けて北海道、秋田、埼玉、東京、和歌山、島根、鹿児島、11月9日の高知まで10回開催する。
 また全印工連では、最低制限価格制度を中心に、官公庁の印刷物発注に関する実態調査を11月下旬にかけて実施する。 官公需対策全国協議会は、来年2月9日午後1時から日本印刷会館で開催する。
 理事長会の席上、官公需対策協議会を代表して知的財産権調査事業の委員会に参加している白子欽也氏(和歌山工組理事長)は「印刷物の官公需について今年度は重要な案件が多い。偏った権利関係の改善に向けて少しでも前進させたい。2月の全国協議会では良い報告ができるようにしたい。アンケート調査では、最低制限価格制度を導入実施できるための法則のようなものを見つけたい」と抱負を述べた。
 同じく委員を務める谷口博則氏(島根工組理事長)は「中間生成物が(発注者と印刷会社の)どちらに帰属するか、長年問題とされてきた。そこに国が乗り出している。第1回の委員会には、経済産業省メディアコンテンツ課の課長ほか3名が出席した。国も本気だと感じた。千載一遇のチャンスだ。われわれ委員がしっかり主張すべきところは主張したい」と述べた。
 全日本印刷産業政治連盟と中小印刷産業振興議員連盟との交流会は、11月17日に東京・千代田区のホテルグランドアーク半蔵門で開催する。全印工連理事会に続き、3時50分から全印政連勉強会を開く。講師は自民党の石破茂衆議院議員、テーマは「地方から創生する我が国の未来」を予定している。4時40分から議連議員との交流会となる。











【印刷新報2016年11月03日付掲載】
その他掲載記事
・GP環境大賞など表彰 日印産連
・印刷業の“事業承継”考える 日本M&Aセンター主催セミナー
・トピックス 福島原発被災地を行く など


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2016年10月27日付
全日本印刷文化典ふくしま大会
全印工連・臼田会長がメッセージ
新事業領域の開拓で知識産業へ


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)の「2016全日本印刷文化典ふくしま大会」が、10月21日・22日に福島県郡山市のホテルハマツで開催され、全国から700名が参加した。初日の記念式典に続いて行われた「全印工連メッセージ」では臼田会長から、今期の活動テーマである「志あふれる印刷産業へ─期待される価値を求めて」に沿った力強いメッセージが発せられた。

メッセージを発表する臼田会長

 臼田会長は、今年5月に発表した『全印工連2025計画─新しい印刷産業へのリ・デザイン』の基底にある考え方を説明したあと、同ビジョンで打ち出したソリューション・プロバイダーとしての新しい事業領域について、5つの柱(環境コラボレーション/地方創生産業クラスター/女性活躍推進/ダイバーシティ/CSR人づくり)それぞれが持つ戦略的な意味を解説した。  はじめに、印刷産業が世間一般から「衰退している産業」「紙の印刷だけ行う産業」というネガティブなイメージを持たれていることを問題に挙げ、「ポジティブに転換していかなくてはいけない。そのためには、印刷産業のリ・デザイン(再定義)が必要だ。まだ着手していない多くの印刷付帯サービスが眠っている。われわれは、そこを掘りにいく」と話した。
 また、日本の中小企業の売上高対経常利益率が平均3.2%であるのに対し、印刷業が2.1%(全印工連調査より)と低い現実を示し、「売り値が安すぎるのではないか」と問いかけた。
 人口減少による市場縮小、激しいシェア争い、安値受注競争、収益性低下という負のスパイラルを脱するために、何が必要か。臼田会長は「買い手の側に製品・サービスの選択権が移っている今、単に生産性向上を目指すだけでは再び価格競争に陥る。IoT、AIなどデジタルビジネス革命の最新技術も、あくまで道具として利用すべきものだ」と述べたうえで、「顧客とともに新しいビジネスモデルの創出を目指す。結果として新市場が生まれ、収益性が改善する」と道筋を示した。
 重要な視点は、「顧客の悩み、困り事、面倒に対応し、解決策をともに考え、提案する」こと。そこに2025計画が取り上げた5つの柱が大きく関係してくる。
 臼田会長は「みなさんの地元に根差したサービスのベストプラクティスを探り、(製造業の基盤の上に)知識産業を目指して自分たちの新しい価値を築き上げてほしい」と求めた。
 さらに、商品の「使用価値」と「交換価値」の問題にも触れ、「印刷会社ごとに強みやビジネスプロセスは異なる。顧客によってもニーズや評価ポイントが異なる。自社の価値あるサービスを過小評価せず、顧客のニーズとうまくマッチングさせ、(どこで生産しても変わらない使用価値ではなく)交換価値の向上に努めていきたい」と話した。
 5つの柱に沿い、「印刷会社がまとめ役(プロデューサー)となる地域連携と課題解決」「日本一安全・安心で働きやすい業種としての優秀な人材確保」など、具体的な可能性を紹介したうえで臼田会長は、「2025計画は、外部に発信してこそ戦略的な価値があり、活用につながる。行政、金融機関、NPO、異業種団体など、さまざまなステークホルダーに向けて印刷産業が目指すところを発信し、それぞれが地域経済活性化の担い手となってほしい」と結んだ。











【印刷新報2016年10月27日付掲載】
その他掲載記事
・全日本印刷文化典ふくしま大会 福島復興へ心ひとつに集う
・北印工組 UD製品「避難所サポートセット」を道庁危機対策室へ寄贈
・山陽印刷 会社ギャラリーで地域交流 など


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2016年10月20日付
印刷の再成長を考える
一億総活躍社会の実現へ


 日本印刷技術協会(塚田司郎会長)は10月7日、JAGAT大会2016「印刷の再成長―市場の創造」を東京・文京区の椿山荘で開催、全国から147名が参加した。
 開会のあいさつに立った花崎博己副会長は、今大会のテーマである再成長へのポイントとして「自社の事業目的の再確認」と「イノベーション」の2点を挙げ、「自社の最終製品を事業目的とするのではなく、顧客視点で定義すべき」「イノベーションが醸成する条件として、まずアイデアを否定せず、肯定的に深掘りする文化が必要である。ぜひそのような環境を整えていきたい」と話した。
 講演では、はじめに塚田会長が「印刷再成長のための新しい企業経営とは」の演題で、印刷会社が運営するウェブ・トゥ・プリントビジネスの事例を紹介。その上で塚田会長は、経済がアトム(物理)経済からビット(デジタル)経済に移行していることから、印刷業界がビット経済に対応するために、ウェブを上手く活用することの重要性を説いた。
 続いてJAGAT研究調査部長の藤井建人氏が、JAGAT最新調査から印刷業界の最新動向を解説した。
 藤井氏によると、印刷市場は下げ止まり傾向にあり、需給環境も超供給過剰とも呼ばれる状況が解消され、改善が見られる。これにより印刷価格の下落幅も過去最少だった。また、商業印刷の生産金額も下げ止まり傾向にある。
 経営者へのアンケート調査では、重要視する業態について「ワンストップサービス」や「ソリューションプロバイダー」が上位となった。満足度の高い技術・サービスでは「バリアブルデータ印刷」がトップとなり、デジタル印刷ビジネスの広まりも見て取れた。

 ◆失われた20年を解説
 特別講演には一般財団法人インターネット協会の理事長で、インターネット黎明期から第一線で活躍している藤原洋氏(ブロードバンドタワー社長/工学博士)が登壇。2014年までの20年間のGDPを比較して、欧米先進国やアジア主要国の中で日本だけが減少していることから、この20年間でどのような変化が起きたのか、今後求められる対応などについて解説を行った。
 藤原氏は、日本の成長が停滞した「失われた20年」を「変化に気付かずに過ごした20年」であると指摘する。その変化とはインターネットによる構造変化であり、この第三次産業革命に対応できたのが、国内では情報通信産業だけだったという。事実として、日本はインターネットのインフラ整備では世界でも最高水準にありながら、行政(所得税の電子申告など)、医療(電子カルテ)、教育などの分野におけるICT利活用では大きく遅れをとっている。
 そしてGDP減少の最大の要因について、インターネットによる産業構造の変化に対応できなかったことに端を発する「大企業、首都圏への一極集中」にあるとし、これからの20年ではIoTを活用した「一億総活躍社会」の実現が必須であると訴える。特に労働人口が減少する中で、IoTやビッグデータ、AIなどは労働の質を向上させるのに有効であり、不可欠な要素だと話す。
 藤原氏はアベノミクスが掲げる医療や農業、エネルギーなどの分野における「岩盤規制」の改革に向けた法制度化などの動きを紹介しながら、IoT時代に向けて、あらゆる産業の自由化(インターネット化)の重要性を指摘。誰もが「消費者」にも「生産者」にもなれるチャンスがある社会こそが「一億総活躍社会」であり、そのためには「イノベーションを起こす主体」である起業家や科学者、技術者、投資家などが、「イノベーションを推進する主体」である政治家や政府、自治体と共同で環境を整備する必要性があると結んだ。
 第2部では、藤原氏のほか井芹昌信氏(インプレスR&D社長)、花井秀勝氏(フュージョン会長)、塚田会長がスピーカーとなり、パネルディスカッションを開催。郡司秀明専務理事がモデレーターとなり、「差別化戦略と新たな市場の創出」について議論した。











【印刷新報2016年10月20日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018、出展者募集を開始
・フレキソ・ジャパン2016活況 2日間で1,200名超が来場
・ハイデルベルグ・ジャパン、90周年 350名を招き、感謝の集い など


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2016年10月13日付
女性活躍でタカラ印刷(福島)が発表
日商の「若者・女性活躍推進フォーラム」で


 日本商工会議所・東京商工会議所(三村明夫会頭)は9月5日、「若者・女性活躍推進フォーラム」を東京・丸の内の東京商工会議所で開催した。「働く意欲のあるすべての人が能力を発揮し働ける社会に─」をテーマとした同フォーラムでは、若い人材の育成や女性の活躍を推進する企業の事例発表が行われ、タカラ印刷(福島市)の林克重社長が自社の経営理念と取組みについて語った。

◆「会社は社員の幸せのために」
 タカラ印刷は1954年に福島市で創業した。従業員数は50名。企画・編集・デザイン、印刷・製本、デジタルコンテンツ制作・Web制作、情報処理、発送業務などトータルサービスを提供するほか、コピー偽造防止用紙「守り紙」の開発販売、さらにメディカル事業部では、医薬品添付文書に特化したデータ処理、製作、梱包・発送・保管等を行う。3年前に医療機器製造業認可を取得。添付文書を医薬品・医療機器本体と同レベルに位置づけ、ISO9001に基づく徹底した品質管理の下、クリーン工場で生産している。
 平成25年6月に内閣府の男女共同参画社会「女性のチャレンジ賞特別部門賞」を受賞。従業員は6対4で女性の方が多く、女性の管理職比率は67%となっている。
 林克重社長は「当社は『社員が幸せなら、お客さまも幸せ』を理念としています。この思いを共有するために経営計画書にも『一番大切なのは社員の幸せ』と明記しています。社員の幸せのために会社は存在します」
 62年前の創業当時から、現相談役の林シゲ子氏(克重社長の母堂、91歳)をはじめ女性が活躍していたDNAが今も息づいている。
 だが、同社の根本は、男性も女性も平等に働き評価される「人間活躍企業」だ。
 「私は、特別に女性が活躍する企業にしようと思ったことは一度もありません。一所懸命に仕事をする人を一所懸命サポートしてきただけです。ただ、子どもがまだ小さいうちは会社を休まなければいけない時もありますし、病気で出てこられない時もあるでしょう。仕事の責任をきちんと果たせるように、事前に話し合って、上司や周りのサポートでうまく働ける体制を作ってきました」
 また、次のようなエピソードも披露した。
 「チャンスも責任も平等でありたいと思います。今から十数年前にパートから正社員に登用した例があります。初めから正社員にしようと思っていたわけではなく、彼女が一所懸命がんばって、職域を自分で育てようと、私たちも知らないうちにハローワークに行っていろいろな研修を受けていました。そんな姿を見て、正社員になっていただきたいなと。
 また、東京でバリバリ働いて、30代後半で福島に戻り、入社した女性がいます。その彼女が母親になりました。子育て期間は休職しましたが、『必ず戻ってきてほしい』と話し、今は営業部長です。営業の最前線ですごいパワーで社員を引っ張っています。
 高卒で面接にきたある女性は、どうしても現場をやってみたいと言い、次の面接までに毎日紙を運ぶ訓練をしていました。そんな女性を社員にしないのはもったいないと採用を決めました。普通はせいぜい30分ですが、車で毎日1時間以上かけて通勤しています。入社3年で特殊な加工部門で機械を1台任せています。品質管理も任せたいと思っています」
 入社後3ヵ月はしっかり社内研修を行い、あとは本人の希望に応じて、研修、スキルアップの機会均等を心がけている。  社員の幸せのために、まず社員とその家族を大切にしたいと考えるが、近頃、介護をしなければいけない社員が増えてきたことが心配であり、対応が今後の課題だ。
林社長は「今年、商工会議所からも地域貢献企業として賞をいただきました。賞をいただくと、社員にとって励みになります。これからも社員の笑顔があふれるタカラ印刷をつくっていきたい」と発表を締めくくった。










【印刷新報2016年10月13日付掲載】
その他掲載記事
・特集・全日本印刷文化典 ふくしま大会
・日印産連×JPA 若手育成へ、学びの場を拡充 
・東グラ 菅野潔会長に聞く など


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2016年10月6日付
野毛印刷社(横浜)、オープンハウスを開催
顧客を制作現場に案内
"ひらめき"を生む提案の数々


 野毛印刷社(森下治社長)は、横浜市南区の営業企画本部において9月15日・16日、オープンハウス「ひらめき工房」を開催し、2日間で約30社が訪れた。社員からの説明を受けながら回ったクライアントやデザイナーは、日頃は見る機会が少ない印刷会社の制作・製造現場に触れ、新しい発見を楽しんでいた。

立体印刷物による付加価値を提案

 ◆社内スタッフ含め総合力でサービス提案
 印刷会社と顧客との接点はほとんどの場合、営業が客先に出向いて商談、打合せするスタイルで行われている。しかし、それでは会社の全体像が見えにくく、どのようなサービスやバックアップ体制があるのか伝えることが難しい。そこで近年、社員総出で企画するイベントの開催、ショールーム化した工場の案内などを通じて、顧客との新しい接点を築く印刷会社が増えている。
 野毛印刷社の「ひらめき工房」も、商品が生み出される現場で、自社が手がけた各種ソリューションの実例を案内することで、広告宣伝、広報・販促活動における潜在的な課題の発見や、解決のためのヒント、新しい事業アイデアなど、参加者それぞれの「ひらめき」を持ち帰ってもらうことをコンセプトに企画された。
 見学を前にあいさつした森下社長は「当社をより知っていただき、みなさんとの関わりを深め、新たなひらめきを得ていただく目的で開催した。今日は有意義な時間を過ごし、忌憚のない意見を聞かせていただきたい」と述べた。
 社員から会社の紹介が行われ、事業の柱に据えているワンストップサービス、クロスメディアサービス、メディアユニバーサルデザイン、および企画・デザインから効果測定までのトータルサポートなどを特徴に挙げたうえで、「みなさんの発想力を私たちに授けていただくことが、私たちの次のサービスにつながる。ともに新しいアイデアを形にしていきたい」と、パートナーとしての姿勢を伝えた。
 見学は数人のグループごとに約2時間で行われ、立体工房、print工房、digital工房、design工房と名付けられたコーナーを巡った。
 立体工房では、名刺やカレンダーなどのPOPアップ製品、ペーパークラフト、特殊加工印刷物など、付加価値を追求した実際の紙製品を展示し、印刷物の新しい可能性を提案した。
 print工房は、2階のプリントセンターで実演も交えながら紹介。富士ゼロックスの「Color 1000i Press」2台ほか3台のモノクロ機、後加工設備があり、デジタル印刷ならではの表現、小ロット対応サービスについてプレゼンテーションした。銀とクリアトナーによる特殊効果、クリアトナーの重ね刷りによる立体効果、さまざまな素材への対応、バリアブル印刷などの多機能に、しきりに感心する様子が見られた。ある音楽関連企業の参加者は「これはきれい。ぜひ使ってみたい。次のキャンペーンで検討してみます。一緒にやりましょう」と、その場でスタッフに話しかけていた。
 横浜市福浦にある印刷工場のビデオ上映と製品見本によりオフセット印刷技術の紹介も行った。ストーンペーパーを使用した製品、0.03ミリの超薄紙印刷など、現在進めている最新の取組みを伝えた。
 digital工房では、撮影スタジオ、動画収録スタジオ「Cスクエア横浜」、デジタルサイネージ、ARアプリ、電子ブックなどを紹介し、効果的な映像・画像表現を生み出す野毛印刷社の技術力と販促提案力をアピール。
 design工房では、メディアユニバーサルデザインを活かした印刷物、自動組版、クロスメディア販促サービスなど、製品実例と実演により詳細に説明した。
 昨年も同様の趣旨で顧客を自社に招いたが、今年はさらに明確な形で「ひらめき工房」として打ち出した。同社CSR担当の北澤三郎顧問は「企画制作のスタッフ自身が説明にあたることで、直接の営業だけでなく、社内のいろいろなスタッフをお客様に知っていただける。個人でご指名を受けることもある。今後も定期的に開催していきたい」と話す。











【印刷新報2016年10月06日付掲載】
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