日付インデックス
4月5日
日本製本紙工新聞
モリサワ、「甲子園フォント」を制作 阪神甲子園球場と100周年プロジェクト

3月28日
第38回全日本DM大賞
北海道産直センターがグランプリ 過去最高の受注率32%を記録

3月14日
武田薬品
組箱印刷を特色からCMYKインキに 26年までに全商品を切替え環境負荷低減

3月7日
奥村印刷
折り紙食器で被災地支援 石川県に1万シートを提供

2月29日
大和印刷紙工
絵本「原版」をNFTオークションへ 絵本作家らと協業し挑戦、16万円で落札

2月15日
ウォームアンドビューティフル
印刷業界へ派遣事業拡大 出版業界で実績重ねる

2月1日
政労使会議、中小の価格転嫁が焦点に
重点22業種に「印刷・同関連業」も

1月25日
木野瀬印刷・中島氏原作の映画が話題
『フィリピンパブ嬢の社会学』

1月18日
グリーン購入法、印刷用紙に新判断基準
適合品種が大幅に増加

1月1日
モリサワ
写植機発明から100周年 1924年7月に特許を申請

12月21日
【2023年の10大ニュース】
コロナ禍を経て新たな局面 適正取引へ動き強まる

12月14日
内閣官房・公正取引委員会
労務費の転嫁へ「行動指針」 発注者・受注者の採るべき行動を明示

12月7日
drupa2024は50ヵ国、1,300社超の規模で
日本からは41社が出展

11月23日
大日本印刷、「DNP生成AIラボ・東京」開設
パートナー企業と活用事例を創出

11月16日
東京都トラック協会
出版物輸送で荷主と具体策協議

11月9日
全印工連フォーラム
SFプロトタイピングで2050年の印刷業を展望

10月26日
日印産連・GP環境大賞等表彰式
「印刷と私」トークショーも併催

10月19日
日印産連、下請適正取引推進へ
「自主行動計画徹底プラン」策定

10月5日
TOPPANグループ
新経営体制へ移行 新商号で世界統一ブランドに

9月28日
セントラルプロフィックス
「印刷屋の職人」「高品質印刷アイテム」前面に オンラインショップ開設

9月14日
三郷コンピュータHD
二次元コードの偽造防止で特許 マイクロ文字で世界も視野に

9月7日
奥村印刷 折紙食器「beak」をアピール
首都圏防災フェアで

8月31日
新聞、出版関連など4団体
生成AIに関する共同声明 「著作権保護の検討不十分」

8月24日
情報通信メディアの利用動向調査
平均利用時間、休日も「ネット」が「テレビ」上回る

8月10日
東洋美術印刷、実写VRの最新情報を提供
有効な顧客接点に企業が注目

7月27日
ミヤコシ シリーズセミナー第2回
「軟包装の未来」を読み解く interpack2023報告

7月13日
高度な色補正技術の継承へ
墨田区と千葉大学がAI活用 印刷会社2社が共同研究に参画

7月6日
大日本印刷
自治体向けにメタバースのパッケージサービスを提供

6月22日
全印工連、2050ビジョンを今秋発表
未来へのビジネスプラン示す

6月8日
出版流通改革へ実験スタート
8月刊行のコミックスからRFIDタグ装着

6月1日
大日本印刷、「P&Iラボ・東京」開設
パートナーとの共創を促進

5月25日
〈議連総会で全印工連〉
用紙の特定調達品目からの除外要望 知的財産権でも強く主張

5月18日
総合商研/小松印刷グループ/アスコン
3社共創プロジェクトを推進

5月11日
富士フイルムBI
「圧着トナー」新発売 ワンパスで印字と糊付けが可能

4月27日
国内キャッシュレス決済比率が36%に
政府の最終目標はフルデジタル化

4月20日
全印工連/MUD協会
8月に初のMUDフェア開催 ユニバーサルデザインへの理解を促進

4月6日
改正PRTR法が施行 対象が649化学物質に
SDSで該当・非該当の確認を

3月30日
経産省、DX優良事例20社を選定
グランド印刷が準グランプリに

3月16日
凸版印刷、10月に持株会社体制へ
新商号は「TOPPANホールディングス」

3月9日
新市場広げるマーチング委員会
越境EC、ご当地ガチャなど活動進展

2月23日
〈全印工連・産業戦略デザイン室〉
DX-PLAT活用の可能性探る ストアフロントで新市場開拓

2月16日
全印工連 第16回MUDコンペ
経済産業大臣賞など表彰式 MUD先進県「静岡」が活躍

2月2日
改正安衛法、今年4月施行
ばく露防止対策が義務化

1月26日
製紙連 2023年紙・板紙内需見通し
印刷・情報用紙は前年比7.2%減 2019年比では26.4%減の水準

1月12日
加藤文明社
千葉商科大生が見学と実習 未来のデザイナーに「学びの場」

1月1日
信陽堂印刷所(長野)
聴覚障害者用グッズを商品化 生活課題を解決、災害時にも有効

12月22日
【2022年の10大ニュース】
世界の動向が業界にも直結 多くの課題を引き継ぎ越年

12月15日
JAGAT大会2022
“創注”目指すDXを考える page2023で深掘り提案

12月8日
モリサワ、写研書体の改刻で進捗報告
2024年に3書体をリリース予定

11月24日
日本WPA
「Ecoカルタ」をリニューアル 環境へのより深い理解を

日本製本紙工新聞 11月20日
早和製本(京都市)
御朱印帳で次々にコラボレーション 菓子のデザイン、大胆に採用

11月10日
太美工芸(名古屋市)
フリーランス活用で個人消費を開拓 アワードで審査員特別賞

10月27日
印刷工業会/日印産連
男性社員が育休体験語る 中小企業の取得には課題あり

10月20日
全印工連CSRサミット2022
SDGsを経営に活かす 社会課題を自社の競争力に

10月6日
令和3年経済センサス
「印刷・同関連業」の2020年出荷額は前年比5.6%減

9月29日
電子チラシ「shufoo!」利用者調査
物価上昇で買い物に変化 頻度、時間、非計画購買が増える

9月15日
職長への安全衛生教育が義務化
「製本業、印刷物加工業」など対象業種に

9月8日
フォーム工連
「心理的安全性」学ぶ 組織づくりの根幹に









2024年4月5日付
日本製本紙工新聞
モリサワ、「甲子園フォント」を制作
阪神甲子園球場と100周年プロジェクト


 モリサワ(森澤彰彦社長)は、阪神甲子園球場のスコアボードで使われてきた伝統の「甲子園文字」を受け継ぎ、「甲子園フォント」として制作、デジタルフォント化することを決定した。
 今年7月24日に、モリサワ創業者の森澤信夫氏らが「邦文写真植字機」を発明して100周年を迎える。同じく阪神電気鉄道(久須勇介社長)が運営する阪神甲子園球場も、8月1日に開場100周年を迎える。これを記念して、モリサワと阪神甲子園球場は100周年記念共同プロジェクトとして「甲子園フォント」の制作に取り組む。
 阪神甲子園球場のスコアボードでは、1983年まで、職人が黒い板に毛筆で手書きをした文字を使っていた。その独特な字形が「甲子園文字」として親しまれ、スコアボードを電光掲示に改修した1984年以降も、その伝統を受け継ぐべく、同球場の職員がオリジナルの文字データを制作し表示してきた。
 同プロジェクトは、文字のプロフェッショナルとして歴史を紡いできたモリサワが、阪神甲子園球場が大切に受け継いできた「甲子園文字」を、現代の実用に即した「甲子園フォント」として制作する。「甲子園文字」の伝統を次の時代につなぐコンセプトで、より多くの人の読みやすさに配慮したUD(ユニバーサルデザイン)フォントをベースとする。
 「甲子園フォント」の完成は今年12月頃を予定し、2025年シーズンから阪神甲子園球場のスコアボードで使われる予定。
 また、同プロジェクトを記念して、4月17日に阪神甲子園球場で行われる阪神タイガース公式戦で、モリサワによる初めての冠協賛試合を行う予定。

手書き時代のスコアボード(左)と選手名板
(提供:阪神電気鉄道)









【日本製本紙工新聞2024年4月5日付掲載】
その他掲載記事
・日販、ローソンの連携店舗増加
・第65回全国カタログ展 各賞決定
・AIで簡単に動画作成 電通

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2024年3月28日付
第38回全日本DM大賞
北海道産直センターがグランプリ
過去最高の受注率32%を記録


 日本郵便は、第38回全日本DM大賞の受賞者を3月14日に発表した。応募総数703点の中から金賞グランプリに、北海道産地直送センターの「購入履歴反映ビンゴDM/ほたて型DM」が選ばれた。制作者は富士フイルムビジネスイノベーションジャパン、プラナクリエイティブ。
 北海道産地直送センターは、年3回以上購入の顧客へ向けた「購入履歴反映ビンゴDM」と、購入単価の低い顧客に向けた「ほたて型DM」を制作。いずれもDMを入口にクロスセルを駆使し既存顧客のリピート率を上げる施策となっている。
 「ビンゴDM」では対象顧客専属のコールセンタースタッフらの、顔写真入りの自筆メッセージを載せた感謝状と、対象顧客の2年分の購入履歴から導き出した商品を縦・横・斜めに配置した「ビンゴカード」を同封。マス目に記載の商品を購入し1列揃うごとに同社商品がプレゼントされるルールで、最低でも年4回以上の購入促進を図った。紙面上でいかにビンゴのルールを分かりやすく伝えられるかが課題だったが、スタッフの顔写真を掲載したことの相乗効果もあり、投函後すぐにゲーム参加と商品購入に意欲的な声が多数寄せられた。結果的に同社の既存DMにおいて過去最高の受注率32.2%を記録。顧客との間にもより深いつながりができた。
 一方の「ほたて型DM」は、ECサイトで購入した顧客のリピート率が低いという課題に対し、人気のほたてとのセット商品を勧める案と、ほたて以外の別商品を単品で勧める案でABテストを行った。商品は過去の購買データに基づきランキング形式で紹介した。表紙の「ほたて」だけでなく、カニやイクラ、コロッケなどの"推し"商品をチラ見せさせることで興味を喚起。さらに、ECだけの割引特典を設け、Webに誘導した。個別の二次元バーコードを掲載することでDMからECサイト流入時の行動パターンを解析できるようにした。DM+アウトコール+ECの相乗効果で前年最高時のレスポンス率3.1%から5.6%へとアップし顧客単価が2倍以上に。中でもECサイトでの売上が顕著で、ほたてのリピート購入率は約66%となった。あらかじめ顧客のもとに印象に残るDMを届けることで、アウトバウンドのクロスセルが行いやすくなり、売上向上にも寄与した。
 恩藏直人審査委員長(早稲田大学商学学術院教授)は「ビンゴという誰でも知っているゲームを取り入れた。購入履歴がビンゴカードの獲得箇所として反映されるので、『ビンゴ』を目指すお客の購買意欲を引き上げる。受注率の高さが、このDMの効果を示している」と評価した。
※解説は、全日本DM大賞年鑑ダイジェスト版を参照した

購入履歴反映ビンゴDM

ほたて型のリピート促進DM









【印刷新報2024年3月28日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連 労務費の価格転嫁を強化
 自主行動計画フォローアップ調査結果
・日本WPA 総カーボンオフセット量が1万d超

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2024年3月14日付
武田薬品
組箱印刷を特色からCMYKインキに
26年までに全商品を切替え環境負荷低減


 武田薬品工業(クリストフ・ウェバー代表取締役社長CEO、本社・東京都中央区)は、国内で製造する製品の二次包装(組箱)の印刷における環境負荷低減を目的に、使用するインキを、特色インキからCMYKインキに切り替えていくことを決めた。今回の決定は、同社がグローバルで進めるアートワーク管理※による環境負荷低減を目指した取組みにおける第一段階となり、日本以外でも今後展開していく予定。
※医薬品の二次包装材料(組箱、取扱説明書、ラベル等を含む)の印刷や表示の設計・編集や管理

最近発売した新製品の組箱全体の印刷に初めてCMYKインキを採用した

■他の製薬企業とも共有し、業界を挙げての取組みへ
 武田薬品は、皮下注用人免疫グロブリン製剤として日本で2023年9月に製造販売承認を取得し、最近発売した「キュービトル20%皮下注」について、製薬企業として国内でいち早く、組箱全体の印刷にCMYKインキを採用。「これにより、サプライヤーの印刷工程におけるインキの使用量および廃棄量、さらに印刷機の洗浄に使用する溶剤の使用量および廃棄量の削減につながる。当社においても、この取組みにより将来的なコスト削減につながるものと期待している」とコメントしている。
 日本の医療用医薬品業界では、製品の二次包装は特色インキによる印刷がスタンダードとなっている。これをCMYKによる4色の組合せに切り替えることにより、特色インキを使う印刷に比べて使用するインキの種類・量を低減できるとともに、製品を切り替える際の印刷機洗浄が不要になる。
 武田薬品はグローバル全体で、環境負荷低減に関するデータを収集し、印刷工程の詳細なライフサイクルアセスメントに取り組んでいる。
 今後、2026年までに新製品・既存品を問わず、国内で製造する同社製品のすべての二次包装をCMYKインキに切り替える予定。日本以外でも同様の取組みを予定している。
 将来的には、刷版を使用せず、刷版製作時の水や溶剤の削減も可能なデジタル印刷の採用についても検討していく。
 同社のグローバル マニュファクチャリング & サプライ ジャパンヘッドであるグレッグ・ティモンズ氏は「企業理念の一つとして、地球環境の負荷を低減しながら、患者さんに高品質な医薬品を安定的にお届けし続けることを約束しており、この取組みは約束を果たすための一環だ。私たちはこれからも、医療用医薬品業界における環境サステナビリティへの取組みを積極的にリードしていく」と述べている。
 また、今回の取組みを主導した同社ジャパン リージョナル ローンチエクセレンス&プロダクトライフサイクル マネジメントの野々村浩二氏は「今後は、スケールメリットによって環境への影響をさらに低減するために、状況の進展や成果を他の製薬企業と共有し、本取組みへの参加を積極的に呼びかけていく」と話し、他社とも共有することで、業界を挙げての二次包装印刷における環境負荷低減を目指す。








【印刷新報2024年3月14日付掲載】
その他掲載記事
・視点 低収益性を疑う目を
・AIを活用した職人技の研究が日本印刷学会奨励賞
・大印工 印刷×SDGsフェス2024
 印刷とMUDの力を発信
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2024年3月7日付
奥村印刷
折り紙食器で被災地支援
石川県に1万シートを提供


 奥村印刷(奥村文泰社長、本社・東京都北区)は、元日に発生した能登半島地震に対する支援として、折り紙食器「beak(ビーク)」を被災地に提供した。石川県健康福祉部厚生政策課の要請を受け、1月11日に皿や丼など合わせて1万シートを発送した。山田秀生取締役常務執行役員プリプレスセンター長と藤枝鋼至郎コミュニケーションプロデュース本部執行役員本部長に話を聞いた。

奥村印刷本社入口の「beak」大型ディスプレイの前で、山田常務(右)と藤枝執行役員

■被災地の人々に温かい食事を
 beakは、A4サイズの紙から折り紙のように組み立てられ、スプーンとフォーク付きの皿、丼、カップの型を切り離して折るだけで簡単に作れる。耐水・耐熱・耐油ペーパーを採用しているため、豚汁、ラーメンなど温かい汁物やカレーなどあらゆる料理に使うことができる。
 同社は2022年12月にクリーンルームを設置。富士フイルムビジネスイノベーション製プロダクションカラープリンターRevoria Press PC1120Sと型抜き機(トムソン加工機 OT-SRP)などの最新機を導入し、衛生的な環境下で「beak」の製造を行っている。
 今回のbeakによる支援について山田常務は「元日に地震が発生して以降、現地の情報収集とともに、紙の手配などを行い、すぐに被災地への提供を決めた」と話す。
 藤枝執行役員は「被災地への電話連絡を試みたが、パンク状態でつながらなかった。その後、石川県が開設した義援物資受入れサイトを通じて1月5日夕方に申し入れを行った。申請フォームはテキストしか書き込めなかったため、『折り紙食器beak。糊もハサミも使わずに組み立てられます』とだけ記した。7日の日曜の夜には石川県の担当者から『ぜひご支援いただきたい。いつ納品できるか』との連絡が来た」と話す。
 車両の混雑や現地での対応の難しさから直接運ぶことはできず、指定場所に宅配便で届けた。石川県からの要望もあり、箱の各面に大きなシールを貼り、QRコードから組立て方法が分かる動画を視聴できるように工夫した。
 山田常務は「東日本大震災の被災者の方から、配布用の食器が足りずに、せっかくの炊き出しをお断わりしたという話を聞いたことがある。一部の人だけに温かい食事を出すとトラブルの原因になるため、やむなく冷たいおにぎりやパンしか配れない日々が続いたそうだ。beakは折り紙のように即座に食器が作れ、余って置いてあっても邪魔にならない。防災備蓄品として開発したのが今から約2年前だが、今回こうして被災地で実際に使われるとなると、とても感慨深い」と話す。
 「クリアファイルや子供のランドセルに入れられる」という理由から、サイズはA4にこだわった。開発のポイントは、紙のシートのままで「組み立てない」という斬新な発想にある。
 「平たいA4の紙のまま保管でき、コンパクトで置き場所に困らない。たとえば1000人分の食器もわずか45pの厚さで収納でき、大量備蓄、搬送性に優れているのが特長だ。市販の紙皿や紙コップなどは保管時に潰れると使えなくなってしまうが、beakはたとえ紙が折れ曲がっても組み立てれば遜色なく使用できる」と山田常務。
 beakは国内特許を取得済みで、一般社団法人防災安全協会の「防災製品等推奨品」にも指定されている。  現在、各方面でbeakの認知度は急速に高まっている。防災グッズとしてだけなく、アウトドア用や外国人旅行者・インバウンド用、お土産用など、今後の用途の拡大が期待される。
 山田常務は「beakの販売を通じて自社のブランディングにつながっており、印刷営業にも相乗効果が生まれている。地域社会に広く貢献し、印刷会社としての使命をしっかりと果たしていきたい」と話す。


折り紙食器「beak」はスプーン・フォーク付きの皿、丼、カップの3種類









【印刷新報2024年3月7日付掲載】
その他掲載記事
・製本特集2024
・2023年日本の広告費 前年の過去最高を更新
・印刷革新会 SCREEN GAが加入

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2024年2月29日付
大和印刷紙工
絵本「原版」をNFTオークションへ
絵本作家らと協業し挑戦、16万円で落札


 大和印刷紙工(小林汰功社長、京都府宇治市)は、印刷工程で製版された「原版」を販売するという絵本制作の事業モデル を考案し、Web3絵本作家の「えみ森の木こりさん家。」、オーダーメイドの木工雑貨を手がけるZUKOUSHITUとの協業で「原版」×NFTオークションを行い、約16万円で落札された。売上の一部は、新たな絵本の制作支援金として寄付され、「原版」からも制作費用を調達でき、クリエーターにとって絵本制作に挑戦しやすい仕組みが実現した。
 オフセット印刷の過程で製版された「原版」(アルミ版)は、印刷完了後、廃棄またはリサイクルされることが一般的である。大和印刷紙工では、この“「原版」=単なるオフセット印刷の用具”という常識を “「原版」=芸術作品の原点”という常識に変えたいと考えた。そこで、ZUKOUSHITUとタッグを組み、「原版」の魅力を最大限引き立てる木製フレームを組み合わせ、オークションに挑んだ。
 世界最大規模のNFTマーケットプレイスの OpenSea で、「えみ森の木こりさん家。」が初めて制作した絵本『やさしいきもち』のブックカバーの印刷で使われた「原版」とその画像NFTのオークションを、昨年12月22日・23日に行った。販売は大和印刷紙工「えみ森の木こりさん家。」、ZUKOUSHITUとの協業体制で臨んだ。
 オークション開始から予想を大きく上回る反響を呼び、最終的に仮想通貨0.5ETH( 約16万円)で落札された。

絵本『やさしいきもち』のブックカバー 印刷時に製版された「原版」。木製フレ ームはZUKOUSHITU製。RGBで色調が 変化させられるLEDライトが付いている








【印刷新報2024年2月29日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連の次期スローガン「さあ行こう、未来を創りに。」
・page2024 「連携」で新たな価値創出
・東印工組 京橋支部100周年

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2024年2月15日付
ウォームアンドビューティフル
印刷業界へ派遣事業拡大 出版業界で実績重ねる


 ウォームアンドビューティフル(津島憲豪社長、東京都千代田区、以下W&B)は、大手出版社をはじめ、広告・新聞業界など、さまざまなメディア企業の希望に沿った人材を派遣している。このほど印刷業界へも領域を広げ、印刷会社の利用実績も出始めた。同社が印刷会社への人材派遣を始めたのはなぜか。同社の阪本直樹氏に話を聞いた。

◆出版界に人材を派遣して30年
 W&Bは創業以来30年間、出版業界への人材派遣に特化している。派遣先は大手出版社をはじめ20社を超え、業界からの信頼は厚く、人材の評価も高い。社名はポール・マッカートニーの名曲に由来している。
 登録は現在、50名ほど。その7割が20代〜30代の若い世代で、女性が8割近くを占めている。この中から、企業側の希望に応じて最適な人材が手配される。
 同社を活用する最大のメリットは、いわゆる「3年の壁」がないことだ。
 一般的に派遣社員は、3年間同じ会社に勤務すると、その会社で雇用するか、または派遣を停止し、他の人材にするかを選択しなければならない。しかし同社の人材は原則、入社6ヵ月後に、契約社員からW&Bの正社員となるため、「3年の壁」は存在しない。ようやく社風や仕事に慣れてきたという人材を「3年の壁」のために継続雇用をあきらめる必要がなくなるのだ。
 W&Bは、その会社に最適と判断した人材を派遣するが、どうしても環境になじめない、仕事が合わない、という可能性もある。その際には相談の上、人材の変更も可能となっている。そのため、採用のミスマッチがなくなり、受け入れる企業のリスクも少なく、安心して採用できる。もちろん、派遣先の企業と派遣した人材が合意すればその派遣先の社員にできる。
 新卒採用でミスマッチによる離職が多いといわれている昨今、採用にかけた時間と費用がムダになることもない。これもメリットに数えられる。
 加えて、派遣先の企業と同じ業界の人材を派遣することはないという。これは、「前の会社ではこうだった」という先入観を避けるためで、派遣先の企業で仕事を一から覚え、その企業のやり方になじみやすくするためだ。  また、W&Bでは派遣先の企業に対し、必要な人材を「いつまで待てるか」「依頼を延長するか/しないか」などを、そのつど確認しているという。

◆印刷業界に人材面で貢献を
 印刷業界への人材派遣について、その経緯を阪本氏は次のように説明する。
 「出版業界と同じく、印刷業界も人手不足だと聞いている。印刷と出版は近い関係にあり、当社も印刷会社との付き合いがある。それならば印刷業界にも貢献したいと考えた。実際に人材派遣事業を開始したのは、お付き合いのある大手出版社から『取引先の印刷会社が人材で困っている』という相談を受けたからだ。そこで当社から内勤の営業補助・事務の人材を派遣することになった」  現状では、印刷業界への人材派遣はまだ内勤の事務系のみだが、今後、需要があれば、DTPオペレータなどにも人材の幅を広げることを考えている。  印刷業界として気になるのは、派遣される人材が業界独自の用語や慣習にどれだけ対応できるかということだろう。
 その点について阪本氏は「今後、印刷業界については当社も勉強し、人材も教育していく。当社グループの出版社が取引している印刷会社の見学や研修などで、業界向けの人材教育をすることも可能だ」と語る。
 そして、「当社には30年培ったノウハウがあり、人材については自信を持っている。前向きで精神的にもしっかりとした人材を揃えているので、採用や人材不足で課題を抱えている印刷会社には、ぜひ、相談してほしい」と呼びかける。




【印刷新報2024年2月15日付掲載】
その他掲載記事
・全青協、新議長に西岡天芳氏(新星印刷・大印工)
・自動化、省力化システムに注目
 ホリゾンスマートソリューションフェア
・東印工組荒川支部 70周年祝う 新支部へ決意新た

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2024年2月1日付
政労使会議、中小の価格転嫁が焦点に
重点22業種に「印刷・同関連業」も


 政府は1月22日、経団連、連合と政労使会議を総理大臣官邸で開いた。昨年11月に開催した政労使の意見交換を受けて、中小企業の労務費の転嫁対策の徹底状況などをフォローアップし、労務費や原材料費の上昇分などの価格転嫁が進んでいない22の重点業種を公表した。「印刷・同関連業」も含まれる。今後、所管官庁を通じて改善をさらに促していく。
 政労使会議は、24年春季労使交渉の開始に先立って行われたもので、岸田総理、十倉雅和経団連会長、芳野友子連合会長、森洋全国中小企業団体中央会会長ほか関係者が出席。中小企業の賃上げ促進が議題の柱となった。
 24年春闘における経営側の基本スタンスとして経団連は、「中小企業における構造的な賃金引上げが重要」との考えを示し、労務費の増加分を含めた適正な価格転嫁に向けた取組みとして、発注者と受注者双方の企業に価格交渉を進める行動を求めること、意見交換の場の設置など中小企業団体との連携を推進すること等を挙げた。
 全国中小企業団体中央会は「令和5年度中小企業労働事情実態調査」の結果を資料として提出。原材料費・人件費等の増加による販売・受注価格への転嫁が、規模の小さい事業所ほどできていない状況を説明した。
 また、同調査による「賃金改定の決定要素」(複数回答)では、「労働力の確保・定着」が約60%と最も割合が高く、次いで「企業の業績」(約49%)、「物価の動向」(約45%)が続く。
 政府は、昨年11月29日に「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を発表し、周知徹底のために全国8ブロックで説明会を開催した。12月には全省庁に対して所管業種のすべての業界団体等に周知・フォローアップを行うように要請。計1873団体に及んだ。
 その実効性を高めるため政府は、価格転嫁が進んでいない業種、事業コストに占める労務費の割合が高い業種など、価格転嫁を促進する22の重点業種を選出した。印刷・同関連業をはじめ、生産用機械器具製造業、情報サービス業、映像・音声・文字情報制作業、インターネット付随サービス業、広告業、道路貨物運送業等が入っている。
 政労使の意見交換の場で価格転嫁の重要性について認識が共有され、賃金上げに向けた価格交渉の機運が高まっていることは、中小企業性が極めて高い印刷関連業にとっては歓迎すべきだ。一方、業績の低迷によりそもそも賃上げに踏み込めない企業も多い。今後、労働力の確保において企業間格差が大きく開く状況が予想されるだけに、中小企業自身の生産性改善や付加価値向上への一層の取組みが欠かせない。







【印刷新報2024年2月1日付掲載】
その他掲載記事
・特集 page2024
・製紙連 2024年紙・板紙内需見通し
・光文堂 第60回新春機材展 Print Doors2024
 前回上回る規模で開催

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2024年1月25日付
木野瀬印刷・中島氏原作の映画が話題
『フィリピンパブ嬢の社会学』


 日本で働く外国人女性労働者の実態をリアルに描いたラブストーリー映画『フィリピンパブ嬢の社会学』が2月17日から新宿のK's cinemaで上映される。それに先立ち、1月11日と23日に試写会が東京で開かれた。
 同作は愛知県春日井市に本社がある木野瀬印刷のPOD課係長、中島弘象(なかしま・こうしょう)氏による同名の新潮新書が原作。続編として『フィリピンパブ嬢の経済学』も刊行されている。
 作品は、中島氏が大学院の修士論文に「フィリピンパブ」で働く女性をテーマに選んだことを発端に、論文のフィールドワークとして「フィリピンパブ」に通い続けるうちに、そこで働く女性と恋愛関係となり…という実話に基づくもの。現在、四刷まで版を重ねている。
 映画化は、原作を読んだ監督の白羽弥仁(しらは・みつひと)氏が中島氏に直接メッセージを送り、熱望したことから実現した。昨年、愛知県内の3館で先行上映されると、地元新聞、テレビなどで多文化共生の好例として取り上げられ、1館では現在も上映中。3ヵ月を超えるロングランとなっている。
 スクリーンでは、主人公・中島翔太(前田航基)とフィリピン人女性・ミカ(一宮レイゼル)との波乱の純愛ストーリーを主軸に、日本で働くフィリピン人女性の強さ、逞しさ、危うさを描く。若い二人の恋愛模様がまぶしい。
 外国人に優しいとは言えない日本社会を、前向きに、したたかに生き抜く彼女たちに感心し、勇気づけられるとともに、日本で「フィリピンパブ」がなぜ成り立っているのか、その一端が理解できる。見終わった後、ミカの「ダイジョウブ、なんとかなるって」というセリフに背中を押してもらえる、そんな作品だ。私生活や仕事に悩む若い世代に、ぜひ鑑賞してほしい。







【印刷新報2024年1月25日付掲載】
その他掲載記事
・drupa2024 日本からは46社が出展
 全体では世界50ヵ国から1,300社超
・大川印刷 スキャニング事業を開始
・2024年の印刷業界スタート
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2024年1月18日付
グリーン購入法、印刷用紙に新判断基準
適合品種が大幅に増加


 環境省よるグリーン購入法に基づく「印刷用紙に係る判断の基準等の見直し」が実施され、昨年12月22日に新しい「グリーン購入法印刷用紙に係る判断基準」が閣議決定された。古紙パルプ配合率の最低保証が撤廃されたほか、適合基準の見直しによって適合品が大幅に増加し、製品の供給量が拡大すると見られる。また、入手困難な場合は従来どおり代替品の使用が認められる。A2コート紙の流通など一部の印刷用紙に課題は残すものの、官公需の繁忙期を迎える中、長年の懸案であった判断基準を満たす用紙の調達状況は大きく改善する見通しとなった。

■経済産業省内に相談窓口も設置
 官公需において仕様書に記載されるグリーン購入法適合品の印刷用紙が市場に十分に供給されていないことから、印刷会社が受注機会を逸してしまう問題がかねてからあった。
 全国の組合員から改善要望が寄せられていた全日本印刷工業組合連合会(滝澤光正会長)では、ここ数年にわたり全日本印刷産業政治連盟と連携し、自由民主党中小印刷産業振興議員連盟の支援を得て、国に対して全国各地に適合品の十分な流通が図られるよう「グリーン購入法印刷用紙に係る判断基準の見直し」を求めてきた。
 この要望を受け環境省は、1年前倒しで2023年6月に特定調達品目検討会のもとに11名の委員からなる印刷用紙専門委員会を設置。滝澤会長も委員として召集され、課題の早期解決と改善策の検討を強く訴えてきた。その結果、2023年12月22日に新しい「グリーン購入法印刷用紙に係る判断基準」が閣議決定された。
 今回の基準見直しは、次の2つの柱からなる。
1)古紙の需給環境等を踏まえ、従前の古紙パルプ配合率(40%)の最低保証を撤廃。古紙パルプ、森林認証材パルプ、間伐材等パルプを同等に高く評価した。
2) 森林認証制度に基づき、その適格性が第三者認証機関により検証された木材を原料とするパルプとして「管理木材パルプ」を新たに位置づけた。
 これにより、適合品の品種が大幅に増加。供給量の増大が見込まれ、グリーン購入法印刷用紙の入手が容易になる。
 従来17品種だった適合印刷用紙は、メーカー7社から112品種となった(12月22日公表時点)。内訳は、王子製紙17、日本製紙9、大王製紙25、北越コーポレーション33、三菱製紙9、丸住製紙6、中越パルプ工業13。
 適合品リストは、各製紙メーカーのホームページほか、日印産連・全印工連のホームページには一覧表を掲載。環境省グリーン購入法ポータルサイトにもリンク先を掲載している。
 また、環境省は、調達者である各府省庁および地方公共団体等にあてた12月22日付の発出文書で、「判断の基準を満たす印刷用紙の調達が困難となる場合には、国等の業務・事業の継続を確保するため、代替品の納入を認める取扱いを今後も継続する」旨を明確に周知した。
 さらに、印刷用紙の供給に問題が発生した際の相談先として、政府相談窓口を経済産業省(コンテンツ産業課)に設置し、個別相談に応じる体制を構築する。日印産連・全印工連にも窓口を設置し、政府窓口との連携を図ることにより、官民で迅速な対応を行っていく。すでに、日印産連・全印工連のホームページには「相談窓口フォーム」が設けられている。
 日印産連および全印工連は今後、相談窓口などへの相談件数、内容を見ながら、その実効性を確実にしていく取組みを進めていく方針。

■議連総会でグリーン購入法の根本的なあり方にも言及
 グリーン購入法基本方針における印刷用紙の取扱いを議案とした昨年11月30日の中小印刷産業振興議員連盟の総会で、全印工連の滝澤会長は「A2コート紙については市場流通に若干懸念が残ると判断している。今回の基準ですべての課題が解決するわけではないと思っているが、その部分に関しては、環境省ならびに経済産業省でも引き続き方策を考えていただいているので、年度末の官公需印刷物の需要期に向けて、いったんはこの制度で私どもとしても様子を見たいと考えている」とあいさつした。
 また、議連の伊藤達也幹事長は総会のまとめにあたり、「今後の取組状況を見て、やはり実効性の上で問題があると明らかになった場合には、グリーン購入法のそもそもの判断基準のあり方を見直していくことを、環境省としてしっかり受け止めてほしい」と話し、環境省もこれを了承した。










【印刷新報2024年1月18日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連 新年交歓会に480名
・令和6年能登半島地震 被災企業の支援に全力
・2024年の印刷業界スタート
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2024年1月1日付
モリサワ
写植機発明から100周年
1924年7月に特許を申請


 モリサワ(森澤彰彦社長、本社・大阪市浪速区)は、2024年7月24日に、創業者・森澤信夫氏による邦文写真植字機(写植機)の発明から100周年を迎える。
 その歴史を振り返るプロジェクトとして昨年7月、今では数台のみしか現役で存在しない当時の写植機「MC-6型」を、一部機能をデジタル化し、現代の技術を融合させた形で再現した。

 写植機は、「光学写真の原理で文字を現して組む」画期的な方法で、従来の活版印刷に代わる新たな印刷技術を体現した機械。モリサワ創業者の森澤信夫氏が発明し、写研の創業者である石井茂吉氏とともに1924年に特許を申請した。「MC-6型」は、1967年発売の万能型手動写植機で、当時1万台の販売を記録したロングセラー機。再現した「MC-6型(2024)」は、「現像」の工程を踏むことなく、備え付けのモニター上で文字の版下を確認することができるため、写植機の仕組みを理解しながら、植字を模擬体験できる。

 1月23日に「MORISAWA FAIR」開催
 写植機体感イベントも

 モリサワは、1月23日に新春イベント「MORISAWA FAIR 2024」を会場(オフライン)、オンラインのハイブリッド形式で開催する。
 これからのビジネスに役立つセミナーが行われるほか、会場では限定イベントの「MC-6型(2024)」ガイドツアー、フォントやアドビ製品の相談コーナーが設けられる。
【セミナー内容】
 定員 会場(オフライン)各回50名、オンライン各回450名
@「DXと事業創造の印刷ビジネス」(13時30分〜14時35分)
 講師・藤井建人氏(日本印刷技術協会主幹研究員研究調査部長)
A「Adobe Firefly 生成AIの最新活用術」(14時55分〜16時)
 講師・横堀直和氏(アドビ・デジタルメディア事業統括本部ソリューションズコンサルタント)
B「Morisawa Fonts移行方法と新書体のご紹介」(16時20分〜17時)
 講師・山浦聡氏(モリサワユーザーサポート部サポートセンター)

【会場限定イベント】
@写植機「MC-6型(2024)」ガイドツアー(12時45分〜13時15分)定員・20名
 邦文写真植字機の発明100周年を記念して、手動写植機の一部機能をデジタルで再現した「MC-6型(2024)」を紹介。手軽に写植を疑似体験できる。
AMORISAWA SQUARE(ショールーム)見学(12時45分〜17時30分)
 モリサワの歴史を紹介する「ヒストリーゾーン」、文字と書物に関する展示の「コレクションゾーン」を自由に見学できる。
BMorisawa Fonts・アドビ製品相談コーナー(12時45分〜17時30分)
 仕事での悩みや課題解決などについて専門スタッフが対応。

【開催概要】
日時
1月23日
開催時間
会場(オフライン)12時45分〜17時30分(12時30分開場)
オンライン(Zoom)13時30分〜17時(13時20分開場)
会場
モリサワ本社(大阪市浪速区敷津東2-6-25)

一部の機能をデジタル化し、再現した写植機「MC-6 型(2024)」











【印刷新報2024年1月1日付掲載】
その他掲載記事
・新年特集号
 巡回・循環を社会に 地球環境と心の問題は同根
 団体・メーカートップ年頭所感
 光文堂新春機材展 特集
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2023年12月21日付
【2023年の10大ニュース】
コロナ禍を経て新たな局面
適正取引へ動き強まる


 本紙が選んだ【2023年 10大ニュース】
1.新型コロナが5類に移行、需要回復と倒産増の光と陰
2.原材料・エネルギー価格が高止まり、労務費の価格転嫁では国が行動指針を打ち出す
3.日印産連、下請取引適正化の自主行動計画「徹底プラン」を策定
4.生成AIの活用が印刷業界でも本格化
5. 凸版印刷がTOPPANホールディングスに社名変更、新体制発足
6.改正PRTR法が施行
7.大手出版社発行のコミックスにICタグ装着開始
8.全印工連、メディアユニバーサルデザインで初の周知・啓発イベントを開催
9.東印工組、支部再編に取り組み来年度実行へ
10.メーカーの工程間連携で組織的な動きが進む

 2023年は、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行し、経済活動の正常化が進んだ。印刷需要も、個人消費やイベント関連、インバウンド関連の増加によって回復が見られたが、コロナ禍で加速したデジタルシフト、ペーパーレスの影響から、市場構造そのものが変化し、コロナ禍前の水準には戻っていない。また、いわゆるゼロゼロ融資の返済を迫られ、この数年で事業変革ができなかった企業の破産が増加するなど、アフターコロナは光と陰が混在している。
 そこに、原材料・エネルギー価格の高止まり、さらに最低賃金の上昇、物価高対策など賃金引上げの流れが生じ、印刷会社の経営を大きく圧迫している。国は原材料・エネルギー価格に加え、労務費上昇分の価格転嫁を喫緊の課題と捉え、11月29日に内閣官房と公正取引委員会が「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を打ち出した。
 今年は適正取引、価格転嫁が昨年以上に重要なテーマとして浮上した。日本印刷産業連合会は10月、「下請適正取引の推進に向けた自主行動計画」の改訂版を公表するとともに、内容の一層の徹底、遵守を図るため、「自主行動計画の徹底プラン」を策定し、会員10団体への周知を進めている。
 生成AIが全世界、全産業に衝撃的な影響をもたらしている。印刷業界でも、印刷機やカラーマネジメント、動画制作、校正作業等でAI技術の導入が進んだ。大日本印刷は12月4日に「生成AIラボ・東京」を開設。社外パートナーとの生成AIを活用した新製品・新サービスの創出に向けて動き出した。
 凸版印刷は、10月1日付でTOPPANホールディングスに社名を変更し、持株会社体制に移行した。創業以来の「印刷」の文字を外し、グローバルブランド統一と事業変革への意識強化を図った。
 4月1日には改正PRTR法(化管法)が施行された。対象となる化学物質が見直され、第1種・第2種を合わせた指定化学物質が従来の562物質から649物質に増えた。改正により印刷インキやエッチ液等で使用されるブチルセルソルブ等の物質が追加され、メーカー、印刷会社ともに新たな対応が必要になった。
 8月には、講談社、小学館など大手出版社が新刊コミックスへのICタグ装着を開始した。タグラベルを貼付した台紙を挿入する方式。一冊ごとのトレーサビリティの追跡・集計・分析によるデータ活用で出版流通改革と販売増加を目指す。将来は単行本、文庫、新書等にも拡大を図る。
 8月18日から3日間、全日本印刷工業組合連合会とメディア・ユニバーサル・デザイン協会の共催で「伝えるためのユニバーサルデザインフェア」が東京で開かれた。1,250名が来場し、展示・体験コーナーやセミナーを通じてMUDへの理解を深めた。将来的にSR調達を拡大していく目的もある。
 東京都印刷工業組合は、長年の課題であった支部再編に取り組んだ。現行の22支部を9支部に統合する案がおおむね了承され、来年度から新体制に移る。賛否両論、さまざまな意見が出たが、執行部は説明を尽くしたうえで、持続可能な組合とするための改革を断行した。
 今年は、メーカーの工程間連携でも組織的な動きが目立った。小森コーポレーションは、同社のソフトウェア「KP-コネクト」のAPIを開発・公開し、接続するMIS、プリプレス、ポストプレス、ロジスティクス分野の各社との連携を強化した。リョービMHIグラフィックテクノロジーは、昨年9月に立ち上げたコンソーシアム「CSPI」の拡大を図り、参加企業は約50社となった。工程間連携、自動化・省力化など4つのカテゴリーで協業し、同業の垣根を超えたソリューションを提案している。










【印刷新報2023年12月21日付掲載】
その他掲載記事
・印刷工業会 年末懇親会
 高付加価値業態への転換を加速
・インキ工業会 カーボンニュートラルミッションを策定
・マンローランド ジャパン 100年企業が討論会
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2023年12月14日付
内閣官房・公正取引委員会
労務費の転嫁へ「行動指針」
発注者・受注者の採るべき行動を明示


 政府は、公正取引委員会が実施した業界ごとの実態調査を踏まえ、労務費の転嫁のあり方について年内に指針をまとめることを決め ていたが、11月29日に内閣官房と公正取引委員会の連名で「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表した。労務費の転嫁に係る価格交渉について、発注者・受注者に向けた12の「行動指針」を取りまとめたもので、これに沿わない行為を行い、公正な競争を阻害するおそれがある場合には、公正取引委員会において独占禁止法および下請代金法に基づき厳正に対処していくとしている。賃金の上昇分を価格に転嫁することが難しいという課題に踏み込み、明確な行動指針を策定した。

 政府は、デフレ脱却、経済好循環の実現のために必要な「賃上げ」について、賃上げ原資の確保を含め、労務費の適切な価格転嫁をサプライチェーン全体で進めることが不可欠との認識を示している。
 公正取引委員会が実施した「令和5年度独占禁止法上の『優越的地位の濫用』に係るコスト上昇分の価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」では、原材料価格やエネルギーコストに比べ、労務費の価格転嫁が進んでいないことが数字から明らかになった。
 この結果を踏まえて今回の指針では、「事業者は多くの場合、発注者の方が取引上の立場が強く、受注者からは、コストの中でも労務費は特に価格転嫁を言い出しにくい状況にある」と説明した上で、労務費の転嫁を進めるための基本的な考え方として次の点を挙げた。
・ 発注者として、経営トップが関与すること、発注者から協議の場を設けること、説明や根拠資料を求める場合は公表資料に基づくものとすること、受注者から労務費の上昇を理由とした価格転嫁を求められたら協議のテーブルにつくこと、労務費の転嫁を求められたことを理由に取引を停止するなど不利益な取扱いをしないこと、必要に応じ労務費上昇分の価格転嫁に係る考え方を提案すること、等
・ 受注者として、国・地方公共団体、中小企業の支援機関などに相談するなどして積極的に情報を収集して交渉に臨むこと、根拠資料としては公表資料を用いること、適切なタイミングで自ら発注者に価格転嫁を求めること
・ 発注者、受注者共通の取組みとして、定期的に双方がコミュニケーションをとる機会を設けること、価格交渉の記録を作成して双方が保管すること
 ※公表資料とは、最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率、等
 指針では、この基本的な考え方をさらに具体化し、発注者および受注者それぞれが採るべき行動/求められる行動を12の行動指針として取りまとめた。各行動指針に該当する取組事例も取り上げた。
 受注者が「労務費」についても価格交渉を申し込みやすいよう、「労務費、原材料費、エネルギー費」それぞれの費目を明示した価格交渉の様式例も添付されている。
 今後の対応として、内閣官房は各業種に対して指針の周知活動を実施するほか、公正取引委員会は「発注者が行動指針に沿わないような行為をすることにより、公正な競争を阻害するおそれがある場合には、独占禁止法および下請代金法に基づき厳正に対処していく」こと、また、「受注者が匿名で労務費という理由で価格転嫁の協議のテーブルにつかない事業者等に関する情報を提供できるフォームを設置し、第三者に情報提供者が特定されない形で、公正取引委員会が行う各種調査において活用していく」ことを、指針の中で明記した。










【印刷新報2023年12月14日付掲載】
その他掲載記事
・コニカミノルタが新加入 印刷革新会
・第一印刷所(新潟市)、社名を「DI Palette」へ変更
・国際プラスチック条約 企業連合(日本)が発足
 プラスチック汚染根絶へ国内10社が参画
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2023年12月7日付
drupa2024は50ヵ国、1,300社超の規模で
日本からは41社が出展


 来年5月28日から6月7日までドイツ・デュッセルドルフ市の見本市会場で開催される世界最大の印刷・メディア産業展「drupa2024」について、その見どころを発信するイベントが東京・市ヶ谷で行われた。drupa本部長兼印刷技術メッセ統括のS.ゲルダーマン氏がプレゼンテーションを行い、drupa2024の概要と今回の特徴が紹介された。
■次世代へのアピールも重要視
 drupa2024は14万uの展示面積に約50ヵ国から1,300社超が出展する。ドイツを中心とした欧州諸国に加え、日本、中国などアジアからの出展も目立つ。最大の出展者はホール17号館をすべて使用するHPで、展示スペースは6,000u。
 日本企業の出展は41社。キヤノン、エプソン、富士フイルム、ホリゾン、小森コーポレーション、コニカミノルタ、京セラ、ミマキ、武藤工業、リコー、理想科学工業、リョービMHI、SCREEN、東芝、ウシオ電機ほかが出展する。
 国別規模で実質的なトップ10は、@ドイツ(4万320u)A中国(2万2,380u)B日本(1万8,521u)Cイタリア(1万3,106u)Dオランダ(9,352u)、以下スイス、米国、インド、英国、スペインと続く。
 今回は、touchpointと銘打ち包装・パッケージング、サステナビリティ、テキスタイルなど5つの分野にフォーカスしたフォーラムと、関連した展示が行われるエリアも設置される。
【特別エリア】
 最新製品や技術が集まるだけでなく、情報交換の場という観点から5つの特別エリアを設けた。また、印刷・包装産業がどれだけ魅力的なものかを若者に訴えていくという観点で重要視されている。
・drupa cube
 各種講演が行われるエリアで、すでに48セッションが決定済み。特筆すべきはアジア地域について触れられる講演が多いことで、20ヵ国の国際色豊かなスピーカーが多様な側面で、さまざまな立場、話題について述べる。
・touchpoint sustainability
 クライアント側がより強く求めているテーマでもあり、循環型経済、製品・技術の持続可能性の検証、新たな素材などをフォーラム形式で紹介する。
・touchpoint packaging
 過去2回のdrupaでも開催しているが、さらに内容を拡充。段ボール、ラベルなど革新的でスマートな包装とは何かを議論の対象とする。
・DNA(drupa next age)
 スタートアップの企業と既存のグローバルプレーヤーとの接点となることを目指し、さまざまなテーマについて議論を重ねる場となる。
・touchpoint textile
 新たに設置されるエリア。インクジェットやデジタル印刷がテキスタイルにおいてどのような応用があるのか発表、情報交換する。また、ガイドツアーも企画している。
             ◇
 ゲルダーマン氏はdrupa2024のマーケティングについて、「全方向の媒体、イベントを通して1300社を超える出展者が参加することを伝えていく」と述べ、drupaワールドツアーを通じた来場を促すプロモーションを行っていく方針を語った。
※本紙(印刷出版研究所)では、drupa2024に合わせた欧州グラフィックアーツ視察ツアーを主催する。現在、3コースで参加者を募集中。パンフレットを用意しているほか、印刷出版研究所ホームページにも詳細を載せている。









【印刷新報2023年12月7日付掲載】
その他掲載記事
・業界内外の連携の場に page2024
・ともに新たなステージへ モリサワ会秋季研修会
・第20回 千修イラストレーションコンテスト 28作品を表彰
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2023年11月23日付
大日本印刷、「DNP生成AIラボ・東京」開設
パートナー企業と活用事例を創出


 大日本印刷(北島義斉社長、以下DNP)は、社外のパートナーが生成AIを活用した多様なユースケース(使用事例・用途例)に触れ、同社とともに生成AIの可能性を探れる施設「DNP生成AIラボ・東京」を12月4日に東京・市谷のDNP左内町ビル内に開設した。
 利用者は、生成AIの活用イメージを実際に体験して、さまざまなアイデアについて議論し、具体的なユースケースに発展させ、実際に動くプロトタイプ(試作品)を開発できる。DNPは、アイデア等の検討段階から社外の多様なパートナーと協働し、新製品・サービスを創出するアプローチを具現化する。
 ラボは、生成AIの利活用について議論し共創する「対話ゾーン」(2階)、アイデアから実際に動くプロトタイプをつくる「開発/工房ゾーン」(1階)、AIによる文章や画像等の生成を実際に体験し、アイデア創出に向けた情報を取得できる「デモ体験ゾーン」(地下1階)からなる。 「対話ゾーン」では、議論の内容をリアルタイムに記録し、生成AIが対話に応じた画像を自動的に画面に表示して、活発な議論を促す。「開発/工房ゾーン」では、対話から生まれたユースケースのプロトタイプを、コーディングを行わずプログラミングの専門知識が不要な「ノーコード・ローコード開発ツール」で開発する。また、3Dプリンターやレーザーカッター等のツールも準備している。
 DNPは、社外のパートナーとの共創を進め、2024年度には生成AIを活用した5つのサービスを市場投入する計画。この目標達成に向けて、1年間で1000件のユースケースを創出し、その中から20件の実証実験を行う。
 ユースケースの事例としては、情報端末に映る景色を生成AIが自動的に文章化し、視覚障がい者に音声で伝えるアプリや、チラシ掲載の画像から食材等を識別し、作れる料理のレシピをレコメンドするアプリなどがある。
 同社は2023年10月、関連するメンバーが相乗効果を発揮しやすいように専門組織「生成AIラボ」を立ち上げており、生成AIを活用した「新製品・新サービス創出」と「既存の製品・サービスへの新たな価値の付加」を加速している。


対話ゾーンのイメージ










【印刷新報2023年11月23日付掲載】
その他掲載記事
・「ジャグラコンパス」来年リリース
・次期会長候補者に瀬田副会長 全印工連
・西新宿に新ショールームを開設
 富士フイルムビジネスイノベーション
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2023年11月16日付
東京都トラック協会
出版物輸送で荷主と具体策協議


 一般社団法人東京都トラック協会の出版・印刷・製本・取次専門部会は、第45回出版物関係輸送懇談会を10月30日に四谷の東京都トラック総合会館で開催した。同部会では、出版物輸送に関わる各荷主を招いて毎年度懇談会を開いており、今回は「出版物輸送を存続していくための具体的な改善策」をテーマに、物流の2024年問題を控えて例年になく踏み込んだ意見交換が行われた。

■「ルール解体」へ土曜全休配、業量平準化など
 懇談会の出席者は、東京都トラック協会15名、日本雑誌協会24名、日本出版取次協会5名、日本書籍出版協会2名、印刷工業会1名、東京都製本工業組合2名、日本書店商業組合連合会2名。
 意見交換に先立ちあいさつしたトラック協会の瀧澤賢司部会長(ライオン運輸社長)は「何とか出版物輸送を止めないでやっていこうと頑張っているが、小規模零細企業が多いうえに、私たちの方から皆様に話を切り出して今の基盤を変えることは難しい。まず現状についてご理解いただき、皆様から幅広い意見をお聞きして、何ができるかを考えたい」と述べた。
 また、荷主を代表して雑誌協会販売委員会の相賀昌宏委員長(小学館会長)が「互いに言いたいことを言える関係であることが大事。今日は具体的な課題について話し合うが、ただ議論するだけではなく、その成果を業界全体に広く浸透させていくことをお誓いする」と述べた。
 初めにトラック協会側から業界の状況について説明が行われた。
 瀧澤部会長は、ドライバー不足と燃料の高騰が常態化する一方、出版不況下での運賃収入の減少で事業者の負担増大、収益悪化が続いており、事業の縮小・撤退を余儀なくされている現状を訴えた。配達店舗別仕分けのために、屋根のある施設と人員が必須となる出版物輸送の特徴が固定費負担の増加につながっている点も指摘した。
 また、手嶋章博氏(出版輸送社長)は「業量が減り続けている。対前年1割減では危機的な状況だ。当社もトラックの台数をかなり減らしたが、それにも限界がある。出版物の発行(納品)については、今日でなくてもいいのでは? 明日の分と一緒ではいけないのか? という思いがあり、少しでも柔軟な対応をお願いしたい。ここ数年、土曜休配日の増加で何とか高齢ドライバーを確保できている点については、出版界の努力に感謝している」と述べた。
 トラック協会の齋藤康常務理事からは「(法改正で2024年4月からドライバーの時間外労働の上限が年960時間となるが)対策を進めても、2025年2〜3月頃にぎりぎり960時間以内で調整できているかどうか」と厳しい見通しが示された。
 これに対し、雑誌協会物流委員会の隅野叙雄委員長(集英社専務)は「休配日は来年度さらに増やし、土曜は全休配を目指していく。さらに根本的な対策として、取次協会とは業量の平準化を検討している。読者を大事にし、書店の理解も得ながらになるが、発売日をもっと柔軟にしていきたい。昔からのルールの解体が必要だ」と理解を示した。
 取次協会の田仲幹弘氏(トーハン副社長)は「中長期的に業量は減っていくので、作業集約と協業・協働が必須になる。配送エリア配分の見直しや、ドライバーの共同募集と不足している会社への優先配分など、やれることはいろいろありそうだ。印刷・製本会社とは、納品時の荷姿の工夫によって作業の効率化を図れないかと話している」と述べた。
 大日本印刷 情報コミュニケーション製造統括本部の林雄一部長は、印刷工業会物流分科会で話し合われた内容を基に、(業量の減少に合わせた)納品先数の削減、午前集中型配送の見直し、搬入票の早期発行による配車効率の向上などを提案した。
 隅野氏はその点について、「課題はあるが、雑誌協会と取次協会の内部での改善で変えられる余地は十分ある」とコメントした。
 製本組合からは金子誉氏(共同製本社長)が「全体最適化の中での効率化をどう考えていくかが課題だ。まず生産性の向上を図り、その余力で輸送の効率化につなげていきたい。製本会社にも分野により得意、不得意があり、仲間の会社との仕事のシェアを認めていただきたい」と意見を述べた。
 まとめにトラック協会の瀧澤部会長が「今日は思っていた以上に内容が深かった。この会合を無にすることなく、皆様のご協力をいただいて形にしていきたい」と述べて閉会し、懇親パーティーでさらに交流を図った。

懇談会には総勢50名以上が出席した










【印刷新報2023年11月16日付掲載】
その他掲載記事
・研文社 尼崎工場の取組み 第55回GP工場交流会
・東印工組・墨田支部 70周年を祝う
・新特練インキ事業を発表
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2023年11月9日付
全印工連フォーラム
SFプロトタイピングで2050年の印刷業を展望


 全日本印刷工業組合連合会などが主催する「2023全日本印刷文化典広島大会」が10月13日・14日、広島市のリーガロイヤルホテル広島で開催された(10月26日付既報)。その2日目に行われた全印工連フォーラムでは、「未来はバックキャスティングで切り拓け〜事業家魂に火をつけるSFプロトタイピング経営戦略」と題し、2050年の未来から逆算して現在の経営戦略を立てる新たな手法の一端を紹介した。
 開会にあたり、全印工連・産業戦略デザイン室の瀬田章弘委員長は、「本日は皆さんを30年後の未来にお連れする。30年後も人の知りたい、感動したい、伝えたいという思いは変わらないが、情報コミュニケーションやテクノロジーは大きく様変わりしている。一方、足下を見れば閉塞感が漂っているが、一番の課題は想像力をなくしていることだ。未来はわれわれが創るものであり、描いたことが次の未来になる。つまり想像しない未来はない。こういう会社にしたいと考えて、そこへ向かってわくわくした気持ちで経営することが大事になる。本日は『バックキャスティング』、『SFプロトタイピング』という手法でイマジネーションを働かせる時間にしたい」と主旨を述べた。
 今回、産業戦略デザイン室ではSF映画のように自由で奇抜な発想で未来を創造することで現在に活かす「SFプロトタイピング」という手法を活用し、2050年の印刷業の姿を描いた小説『体験のインテグラル』を制作し、参加者に配付した。
 その狙いについて、江森克治副委員長は「当初は新しい印刷産業のビジョンを作ろうとスタートした。しかし、現在は印刷物を商品として扱うことがわれわれに共通していることかもしれないが、数年後にはそれすらも共通項でなくなるかもしれない。そうした状況下で統一のビジョンを出すことに意味があるのかという議論になった。われわれに共通しているのは未来を見ることだ。ビジョンとはある未来に自社がどうなっているのか、何を成し遂げるかという宣言であり、そのビジョンのために未来を考えることは共通している。皆さん自身が未来を考え、自社のビジョンを作る助けになればと企画した」と説明した。
 フォーラムでは、『体験のインテグラル』をプロの俳優が朗読。その内容は、かつて印刷・製本の町工場だった「星ら美」の後継者である主人公が、人体の動きや感覚をデータ化し他社へ伝達する技術を活用して書道の先生や宮大工の技法を誰でも体験共有(シェアリング)できるサービスの提供や、鉛筆内に保存された描写データから描かれた絵を復元するなど、新たな価値提供に奮闘する物語。その内容を基に、小説を執筆した吾奏伸氏、SFプロトタイピングの第一人者である藤本弘道氏(SHINJIGEN)のほか、産業戦略デザイン室の関野里美氏(セントラル印刷)、岩間奏子氏(北星印刷)、モデレータの今井孝治氏(今井印刷)が意見を交わし、未来から逆算して現在のかじ取りの方向性を定める「バックキャスティング」のメリットなどを語った。
 エンジニア出身で、その経験を活かしたCM、アニメ制作、SF作家と幅広く活躍する吾奏氏は、SFプロトタイピングの利点として誰もに伝わりやすいことを挙げながら、「今の時点からアベイラブルな技術だけで将来について考えようとしてしまうのがエンジニアだが、それでは思い切った未来にはならない。パラダイムシフトを起こせることも大きい」と述べ、常識にとらわれない大胆な発想が可能になるメリットを紹介した。
 また、吾奏氏と同じく大手家電メーカーのエンジニア出身の藤本氏は、「コロナ禍をきっかけに近未来が見えなくなってきているので、あえて遠い未来を見る。そこにイノベーションがある。SFプロトタイピングで未来を創造し、バックキャスティングで戻る。戻ってきたら今やるべき活動を再開し、未来に向かって進んでいく。重要なことは、目指している未来をブランディングすることだ」と述べるなど、先行きが不透明な時代だからこそ「ありたい未来の姿」を創造する重要性が語られた。

左から今井氏、吾奏氏、藤本氏、関野氏、岩間氏










【印刷新報2023年11月9日付掲載】
その他掲載記事
・特集 軟包装・パッケージの今
・次期理事長候補者に瀬田章弘氏を推薦 東印工組
・ベトナム視察に成果 日本印刷産業機械工業会

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2023年10月26日付
日印産連・GP環境大賞等表彰式
「印刷と私」トークショーも併催


 日本印刷産業連合会は10月18日、2023GP環境大賞等表彰式と「印刷と私」トークショーを東京・市谷のDNP左内町ビル・ホールで開催した。グリーンプリンティング(GP)認定制度の2023年度GP環境大賞、GPマーク普及大賞、GP資機材環境大賞の受賞者を表彰するとともに、トークショーでは小山薫堂グリーンプリンティングPR大使と編集者の津田淳子氏(グラフィック社)が"印刷愛"について楽しい話題を繰り広げた。
■グリーンプリンティングが高める印刷の価値
 表彰式では、初めに日印産連の堆誠一郎副会長が「GP認定制度はSDGsと連動しており、その達成に寄与する。地球環境を守るために、受賞された皆様には一層のご協力をお願いしたい」と開会あいさつを行い、表彰状の授与に移った。
 GP認定制度を深く理解し積極的に活用している企業や団体に贈られるGP環境大賞は、大賞4者(あいおいニッセイ同和損害保険、東武鉄道、日本航空、あわしま堂)と準大賞8者、特別賞1者に贈られ、日本航空商品・サービス開発部の岩本正治部長が受賞者を代表して謝辞を述べた。
 GPマーク普及大賞は、今年度から新設されたゴールドプライズ(※過去3回以上GPマーク普及大賞を受賞した印刷会社で継続的な実績が認められた企業に贈呈)がNTT印刷と六三印刷に、大賞が5者、準大賞が6者に贈られた。GP資機材環境大賞は、ウエノ(資材部門)と富士フイルム(機材部門)に贈られ、それぞれ六三印刷の島村信彦社長と富士フイルムグラフィックソリューションズの山田周一郎社長が代表謝辞を述べた。
 日本航空の岩本部長は「飛行機を飛ばすためにたくさんの航空燃料を消費しているが、最近は家庭や飲食店から出る天ぷら油からサステナブルな燃料を作るなど、環境に配慮した取組みを行っている。紙に関しては、機内食メニューの一部を、GP認定を取得している印刷会社に頼んでいる。機内誌はほとんどFSC森林認証紙を使っているが、まだGPマークは付いていない。今回の受賞は、もっとしっかりやれということかと思う。宿題をいただいた気持ちだ」と述べた。
 六三印刷の島村信彦社長は「GP認定制度ができた当初は、会社の差別化の武器になると、手段として捉えていたが、制度を知るにつれて考え方が変わった。ペーパーレスの信奉者のようなクライアントがGPマークを付けたことがきっかけで印刷物の価値を見直してくれたり、社員にも明らかに一体感が生まれた。今は純粋に、商売抜きでこの誇らしい制度を広げていきたいと考えている。皆さん、頑張っていきましょう」と呼びかけた。
 また、富士フイルムグラフィックソリューションズの山田社長は、2018年に新設されたGP資機材環境大賞の第1回でも富士フイルムが資材部門で受賞したことに触れながら、「今回の機材部門では、当社が販売しているJetPressをフラッグシップとしたデジタル印刷機で資源ロスの削減などに貢献している。受賞を機に、富士フイルムグループはこれまで以上に、お客様とともに環境保全に取り組んでいく。ご期待いただきたい」と述べた。
 終わりにあいさつしたグリーンプリンティングPR大使の小山薫堂氏は「今年は私のラジオ番組でGP認定制度について紹介したところ、大きな反響があった。一般の人たちも『印刷』を大事に思ってくれている。このGP環境大賞は、発注者と印刷会社、資機材を提供する会社の3つの立場を同時に表彰し、印刷を軸に環境のことを考える他にないすばらしい賞だ。大阪・関西万博で私が担当しているパビリオンのブランドブックにもぜひGPマークを付けたい」と話し、式を終了した。

GP環境大賞と準大賞の受賞者。前列中央が小山薫堂氏、右隣が日印産連の堆副会長

■小山氏「期待以上の印刷に挑戦を」
 表彰式の後に行われた「印刷と私」トークショーには、小山薫堂氏がパーソナリティを務めるラジオ番組のリスナーと津田淳子氏が編集長を務める『デザインのひきだし』の読者が抽選で招待され、受賞者とともにトークを楽しんだ。
 初めに小山氏が、第50号の発行に至った『デザインのひきだし』を祝福し、大きな花束を贈呈。感激した津田氏から、同誌編集の舞台裏など、とっておきの話を引き出した。100社・176種類の印刷物の実物サンプルを収録した第50号「特集・現代日本の印刷加工大全」は厚さ10センチ、3,200円という値段にも関わらず、1万3,000部がわずか2日で完売したという。購買層はグラフィックデザイナーやブックデザイナーが中心だが、印刷好き・紙好きの個人や外国人にも人気がある。
 「印刷オタクは日本に、世界にいっぱいいる。印刷を解っているデザイナーが増えることでも印刷物が豊かになる。印刷会社は、多く受注するだけでなく、期待以上のものに挑戦することが大事ですね」と小山氏。
 「津田さんにとって、印刷とは?」と尋ねられ、「いまだに知らないことばかりで、新しい出合いがある。一番興味が尽きないテーマです」と答えた津田氏は、「印刷会社の皆さんは『うちは普通の会社です』、『他といっしょです』とよく言われるが、独自の強みが絶対にあるはず。それをもっと表に出してもらいたい」と要望した。

一般来場者も迎えたトークショー










【印刷新報2023年10月26日付掲載】
その他掲載記事
・5年ぶりの文化典に580名が集う
 2023全日本印刷文化典 広島大会
・港北メディアサービス府中工場で見学会
・JAPAN PACK 2023に3万6,000人
 社会のニーズ満たす製品に注目

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2023年10月19日付
日印産連、下請適正取引推進へ
「自主行動計画徹底プラン」策定


 日本印刷産業連合会は、昨年3月に策定、公表した印刷業界の「下請適正取引の推進に向けた自主行動計画」の改訂版を10月4日にホームページで公表した。併せて、自主行動計画に記載した事項の一層の徹底、遵守の強化を図るため「自主行動計画の徹底プラン」を策定し、会員10団体それぞれに所属企業各社への周知を依頼した。

■実施状況の定期的な調査も実施
 日印産連が2022年3月に策定した「下請適正取引の推進に向けた自主行動計画」は、経済産業省に提出され、同年3月20日には中小企業庁ホームページに他18業種の自主行動計画とともに公表された。
 日印産連は、同年11月にフォローアップ調査を行い、この結果を中小企業政策審議会の「取引問題小委員会」で報告した。中小企業庁下請Gメンによる中小下請会社へのヒアリング調査も行われ、業種ごとの取引上の課題と改善指摘があった。
 こうした経緯を踏まえ、経済産業省・中小企業庁は各業界団体に対して、これまでの調査で指摘され、記載がない事項を「自主行動計画」に追加することを要請した。また、「自主行動計画」に記載されているが、その取組みが不十分、遵守が徹底されていない事項が確認されたため、自主行動計画での記載事項のさらなる徹底、遵守の強化を図るため「自主行動計画の徹底プラン」の策定を求めた。印刷業界においては、「取引対価」や「支払条件」などが、記載があるものの、不十分な事項として指摘された。
 日印産連は昨年度、取引改善検討委員会を設置。諸資材価格の高騰、下請法の運用強化などを踏まえ、取引上の検討課題を「印刷業における下請適正取引等の推進のためのガイドライン」に反映するための協議を行ってきた。
 そして、10月4日に同連合会ホームページで「自主行動計画」の改訂版と「自主行動計画の徹底プラン」を公表するとともに、会員10団体に対し、各団体に所属する企業各社において、代表者以下、調達部門を中心に社内一丸となり、自主行動計画の徹底に取り組むよう依頼した。
 また、徹底プランではその遂行に向け、各社とも調達部門のみならず社内隅々と、取引先に対しても周知を行うこととしている。
 さらに、日印産連内に「取引改善推進プロジェクト」を設置し、各事項の実施状況について定期的な調査を実施。結果を踏まえて、自主行動計画および徹底プランの見直しにも取り組んでいく。
 「自主行動計画の徹底プラン」では、取引対価・価格交渉、短納期発注、支払条件、検査基準、型取引の各項目について、中小企業庁からの指摘事項および対応方針・改善方針(各社において絶対に実施しない事項/各社において可能な限り実施する事項)を記載している。








【印刷新報2023年10月19日付掲載】
その他掲載記事
・全製工連・第60回記念全国大会 大阪に200名が集う
・東京平版印刷資材同業会60周年記念座談会
・短期集中連載 最終回 中小企業のためのM&A講座
 (株)M&A総合研究所


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2023年10月5日付
TOPPANグループ
新経営体制へ移行
新商号で世界統一ブランドに


 TOPPANグループは、グループのシナジー最大化とガバナンス強化の実現に向け、2023年10月1日付で持株会社体制に移行した。
 これに伴い、旧凸版印刷株式会社は商号を「TOPPANホールディングス株式会社」に変更した。また、分割準備会社として今年3月1日に設立した完全子会社のTOPPAN株式会社およびTOPPANデジタル株式会社に対する吸収分割が10月1日を効力発生日として行われた。
 6月29日に開催した第177回定時株主総会において定款の一部変更(商号・事業目的の変更)に係る議案が承認可決されていた。
 新商号は、凸版(トッパン)の名称は継承しつつ、グローバル企業として全世界で統一したブランドとして使用していくことを意図し、英字で「TOPPAN」と表記した。また、今後さらなる事業ポートフォリオ変革を推進していく意思を込めて、既存の事業領域を規定する「印刷」を含めない商号とした。
 新経営体制では、グループ経営管理事業を行う持株会社のTOPPANホールディングス株式会社(麿秀晴代表取締役社長)の下に、TOPPAN株式会社(齊藤昌典代表取締役社長)、TOPPANエッジ株式会社(添田秀樹代表取締役社長、※2023年4月1日発足)、TOPPANデジタル株式会社(坂井和則代表取締役社長)の3社が事業会社となる。
 TOPPANホールディングスは、グループ全体最適の視点から事業会社を一体的に運営する。
 TOPPANは、旧凸版印刷の主要部門(情報系/生活系/エレクトロニクス系事業)を承継。
 TOPPANエッジは、セキュア/BPO事業等を核に情報系の事業ポートフォリオ変革を牽引。
 TOPPANデジタルは、DX事業開発/IT基盤構築などグループ全体のDX事業戦略を推進する。
 今年5月に発表したグループの中期経営計画(2023年4月〜2026年3月)では、「DX(Digital Transformation)」と「SX(Sustainable Transformation)」によって、ワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーとして、経済的価値と社会的価値の両方の価値創出を行い、企業価値最大化に向けた取組みを加速させていくことを基本方針とした。
 経営数値目標としては、2023年3月期(実績)の売上高1兆6,388億3,300万円、営業利益766億3,600万円、ROE4.5%に対して、2026年3月期に売上高1兆8,100億円、営業利益1,100億円、ROE5.0%を達成する計画を掲げた。







【印刷新報2023年10月5日付掲載】
その他掲載記事
・特集 全日本印刷文化典 広島大会
・第56回 造本装幀コンクール 出版の可能性に期待
・光沢化工紙全国大会 ポストコロナに向けて結束

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2023年9月28日付
セントラルプロフィックス
「印刷屋の職人」「高品質印刷アイテム」前面に
オンラインショップ開設


 セントラルプロフィックス(田畠義之社長、本社・東京都中央区)は、オンラインショップ「ARTIEE(アーティー)」(https://artiee.shop/)をオープンした。印刷・特殊加工技術を活かした雑貨やオーダーメイド製作の印刷サービスなど、「印刷屋の職人たちが作る高品質印刷アイテム」を提供する。
 商品・サービスを見ると、「アートなしおり」は、文庫本に収まるサイズで、ベーコンレタストマトをリアルにかたどったしおりは、本を食パンに見立ててページにはさむ。チョコバナナ、フルーツサンドなどもある。
 「アートなコースター」は、少しマニアックで珍しいフルーツや花などをかたどったコースター。高精細のレーザーカットとプロッターカットを駆使してフリーカットする。上質な紙製で吸水性に優れる。
 「リアルな撮影背景パネル」は、本物と見紛うリアルな印刷の撮影台紙。マットな質感のパネルで反射しにくいので、落ち着いた高級感のある写真が撮れる。A2サイズのスチレンボード製。
 「デジタル油絵」は、手持ちの写真画像を送信すると油絵調になって届く、オーダーメイド製作の印刷サービス。画像を油絵調にデジタル処理し、油絵の筆のタッチに再現させてキャンバスに直接印刷する。「うちCafeパネル」も、手持ちの画像を送信すると木製パネルになって届く、オーダーメイド製作の印刷サービス。画像を淡いテイストで木製パネルに直接印刷する。
 オンラインショップ名の「ARTIEE」には、「ART=印刷技術を芸術の域まで高めたいプロ意識や職人魂」と、そうやって作られたアイテムを、暮らしを彩る日常品として「IEE=買いやすい価格で気楽に取り入れて楽しんでもらいたい」という作り手側の想いを込めた。
 同社は、自動車メーカー、テーマパーク、化粧品メーカー、有名ブランドなどの交通媒体・店頭ポスター・商品カタログ関連など、非常に難易度の高い色再現の印刷・製版業務を手がけている。「一般のお客様にも、素敵な紙や、職人たちによる丁寧な印刷や、珍しい特殊加工が織りなす印刷の世界の魅力を存分に楽しんでもらいたい」とコメントしている。

ベーコンレタスバーガーのしおり

フルーツのコースター








【印刷新報2023年9月28日付掲載】
その他掲載記事
・2023年印刷の月・印刷文化典に390名
 未来見据えて印刷を再定義
・特別企画 JAPAN PACK 2023
・第26回日本自費出版文化賞
 大賞に『墨に五彩あり―墨の不思議な魅力』
 (京阪奈情報教育出版/共同プリント)

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2023年9月14日付
三郷コンピュータHD
二次元コードの偽造防止で特許
マイクロ文字で世界も視野に


 三郷コンピュータホールディングス(福田學会長、中野雄大社長、本社・東京都台東区)は、マイクロ文字を使った二次元コード等の偽造を防ぐ印刷技術を開発し、このほど特許を取得した。コードリーダーでは読み取れない微細なマイクロ文字と罫線を二次元コード周囲の余白に印刷することで真贋を容易に判別できるもので、新たな偽造防止印刷として注目される。バーコードもバーの中にマイクロ文字を仕組んで判別できるようにした。福田会長は「消費者を脅かす偽造品や不正品が増加している中、日本国内だけでなく、世界にマイクロ文字によるセキュリティ技術を普及させたい」と話す。
 近年、商品パッケージや広告などでよく目にするQRコードなどの二次元コードはその便利さから幅広く利用が進んでいる反面、コードの改ざんや偽造が問題となっている。
 偽造されたコードでは本来正しい情報が入っているURLなどを書き換え、利用者をフィッシングサイトなどの不正サイトに誘導。利用者の中には不正サイトと気付かずに個人情報を入力したり、送金を行ったりと詐欺の被害に遭う危険がある。
 今回、同社が取得した特許の名称は「リーダーで読み取り可能な識別子が印刷されたコード」(特許第7320309号、登録日7月26日)。
 正方形の内部に白黒で表示された二次元コードなどは、コード自体を見ただけでは、本物か偽物かを判別できない。
 特許技術では、二次元コードのクワイエットゾーン(コード周囲の余白)にコードリーダーでは認識しないマイクロ文字と罫線を配置することで、コードの真贋を確認できる。漢字、平仮名、数字、アルファベットなどのマイクロ文字は0.7ポイント(0.25o)から0.6ポイント(0.21o)、または0.5ポイント(0.18o)と極めて小さいためコードリーダーは認識せず、リーダーが問題なくコードを読み取ることができるというものだ。
 さらに近年、国内外で商標や著作権を侵害する偽造品や模造品も増えており、不正な商品が後を絶たない。今回の特許では、コードの真贋に加えて、商品自体の偽造防止にもなる。  同社では、以前からマイクロ文字の特性を活かした商品などの偽造防止を提案してきた。
 たとえば、商品のラベルに、6ポイントから0.6、0.5ポイントのマイクロ文字までポイント数を段々と落として表示する方法や、マイクロサイズの網点による平網をかけ、そこに8ポイント以上の肉眼でも見える大きな白抜き文字で会社名や商品名などを表示する方法などがある。
 マイクロ文字は肉眼では文字を判読できないが、この平網と白抜き文字ならば文字を視認できる。加えてコードリーダーで認識されないことから、「この印刷と二次元コードを組み合わせることで、利用者自身が文字を読めて真贋を容易に見分けられ、より高度なセキュリティ印刷が実現できる。特許の実施についてはいろいろな方向から十分に精査した上で、マイクロ文字、罫線+平網の白抜き文字の偽造防止印刷を広めたい」と福田会長は話す。
 三郷コンピュータグループでは、45年以上にわたって凸版印刷を追求し、マイクロ文字や1,810インチ(約46m)の印刷実績を持つ超長尺印刷など、他社が決してまねができないレベルの技術やノウハウを磨いてきた。今回の識別子コードの印刷は、メーカーとともに独自開発したロータリープレス式印刷機械で行われる。従来の凸版印刷機や、インクジェットプリンター等のデジタル印刷機では文字などが潰れてしまい、印刷できない。
 福田会長は「他でまねができないマイクロ文字印刷は、それだけで完全な偽造防止になる。国内市場に限らず、世界に目を向ければ80億人以上が存在する。その中のごく一部、仮に1000分の1でも800万人の市場がある。マイクロ文字による偽造防止印刷のニーズは必ずあると信じており、世界を視野に挑戦していきたい」と話し、現在、優先権を確保して海外での特許取得の準備を進めている。
 今回のマイクロ文字を活用した新たな偽造防止印刷技術は、多くの産業をクライアントに持つ印刷産業として、商品価値やブランドを守ることが印刷物で可能になるという提案ができるものだ。世界中で偽造防止のニーズは高まる一方であり、そのニーズに対して一石を投じ、偽造防止の新たな標準を確立する可能性を秘めている。今後の展開が注目される。
 問合せ先 三郷コンピュータホールディングス
 電話 03-5688-8181、FAX03-3839-8410
 担当・太田圭司氏









【印刷新報2023年9月14日付掲載】
その他掲載記事
・特集 全日本光沢化工紙協同組合連合会 全国大会
・こども未来教育協議会 設立 凸版印刷など6社
・短期集中連載 第4回 中小企業のためのM&A講座
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2023年9月7日付
奥村印刷
折紙食器「beak」をアピール
首都圏防災フェアで


 関東大震災から今年9月1日で100年になるのを前に、首都圏防災フェア2023が8月23日・24日に東京・丸の内南口のJPタワー・KITTE内にある東京シティアイ パフォーマンスゾーンで開かれた。フェアには奥村印刷(奥村文泰社長、本社・東京都北区)が出展し、同社が開発・製造する防災備蓄用の折り紙食器「beak(ビーク)」を紹介した。
 フェアでは、防災に取り組む企業・団体などが出展したほか、出展者を交えた基調講演・トークセッションが行われ、首都直下地震が都内を襲った時のリスクや備えについて理解を深めた。
 初日のトークセッション「首都圏で防災・減災対策 『モノ』『コト』 防災アイテムの紹介」には、パネリストとして奥村印刷の山田秀生常務執行役員が登壇し、「beak」の開発の経緯やメリットなどを紹介した。
 「beak」は、A4サイズの紙からカップ、皿、丼の型を切り離し、折り紙のように簡単に組み立てられる食器。山田常務は「従来の紙食器は立体的でかさばり、保管の際は場所を取っていた。しかし、beakは平たいA4用紙のまま保管できるため、たとえば1,000枚分でも積み上げた高さは約45pと省スペース。被災地に大量輸送する際にも便利だ」と話した。
 また、災害時に危険な場所や避難所を示す「ハザードマップ」について、「beakはA4サイズの紙のため、そこにハザードマップを印刷することもでき、デジタル印刷で自治体やエリアごとなどに可変印刷した詳細な情報発信もできる」と説明した。
 最後に、「当社は社会貢献や地域貢献を考え、折り紙食器を考案した。王子本社内にクリーンルームを設け、新たにデジタル印刷機と打抜を導入し、1日で最大8,000枚を製造できるラインを設けた。都内だけでなく全国に広げ、一人でも多くの人に役立つようなものづくりを続けていきたい」と抱負を語った。  奥村印刷のブースでは、beakの組立てを多くの来場者が体感した。

出展ブースでは多くの来場者が「beak」の組立てを体感








【印刷新報2023年9月7日付掲載】
その他掲載記事
・特集 「9月印刷の月」
・9月印刷の月・印刷文化典 協賛特別講演
 生成AI需要をビジネスに
・短期集中連載 第3回 中小企業のためのM&A講座
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2023年8月31日付
新聞、出版関連など4団体
生成AIに関する共同声明
「著作権保護の検討不十分」


 日本新聞協会、日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本写真著作権協会の4団体は8月17日、生成AIに関する共同声明を出した。声明では「生成AIと著作権の保護に関する検討が不十分な現状を大いに危惧している」とし、権利者団体と関係当局の意見交換を求めている。今後、生成AIと著作権に関する議論が高まりそうだ。
 生成AIは、学習のためにインターネット上の大量データを、著作権者の同意を得ずに収集し、著作権料を支払わず利用されるケースが多い。
 声明では、日本の著作権法第30条の4に触れて、「諸外国に比べ、AI学習に極めて有利に作られていることが大きな課題」と指摘。同条のただし書きでは、著作権者の利益を不当に害する場合は学習利用できないとされているものの、その解釈は明確ではなく、海賊版の学習利用も禁止されていない点を示し、「権利を侵害するコンテンツが大量に流通する恐れがあるにもかかわらず著作権者に対する実効的な救済策は何ら示されていない」と訴えた。
 そのうえで、文化の発展を阻害するリスクとして、「学習利用の価値が著作権者に還元されないまま大量のコンテンツが生成されることで、創作機会が失われ、経済的にも著作活動が困難になる」「海賊版をはじめとする違法コンテンツを利用した、非倫理的なAIの開発・生成が行われる」「元の作品への依拠性・類似性が高い著作権侵害コンテンツが生成・拡散される。AI利用者自身が意図せず権利侵害という違法行為を行う可能性がある」を挙げた。
 さらに、2018年の著作権法の改正で追加された同法第30条の4は、「生成AIのような高度なAIの負の影響は十分に想定されていたわけではない」としたうえで、解釈を明確にし、法改正の是非を見極める必要性を指摘。「生成AIが文化の発展を阻害しないよう、技術の進化に合わせた著作権保護策があらためて検討されるべき」と訴えた。
 日本新聞協会では5月17日に見解を発表し、著作権、個人情報等に関する懸念を表明した。これに続き、関係団体による共同声明発出の是非に関して、同協会から著作権団体、出版関係団体に呼びかけを行い、6月19日に意見交換会を実施。議論を基にして各団体で共同声明を検討してきた。











【印刷新報2023年8月31日付掲載】
その他掲載記事
・HOPE2023 攻めのDXで「印刷創注」
・BCPに対する企業の意識調査 想定リスクは「自然災害」最多
・短期集中連載 第2回 中小企業のためのM&A講座
 (株)M&A総合研究所

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2023年8月24日付
情報通信メディアの利用動向調査
平均利用時間、休日も「ネット」が「テレビ」上回る


 総務省情報通信政策研究所は今年6月、「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」報告書を公表した。調査からは、全年代の平均で「インターネット」の利用時間が「テレビ」を上回るとともに、10代と20代では日常的にニュースを得ているメディアとして「ソーシャルメディア」が最も多いことなどが明らかになった。

■情報源の重要度、10代で「テレビ」がトップ
 「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」は、2012年から毎年実施しており、11回目の今回は2022年11月に実施した。対象者は全国125地点で住民基本台帳から抽出した、13歳〜69歳の男女1500人。
 メディアの平均利用時間は、全年代では、平日・休日ともに「テレビ(リアルタイム)視聴」および「インターネット利用」が長い傾向が継続。休日の「インターネット利用」の平均利用時間が「テレビ(リアルタイム)視聴」を全年代で初めて超過した(平日は3年連続で超過)。
 「インターネット利用」の平均利用時間は、各年代では平日は30代を除き減少または横ばい。「テレビ(リアルタイム)視聴」は、年代が上がるとともに平均利用時間が長く、60代は平日・休日ともに200分を大きく超過した。
 目的別の利用メディアの動向は次のとおり。
・いち早く世の中のできごとや動きを知る
 10代〜50代では「インターネット」、60代では「テレビ」を最も利用。
・世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る
 20代を除き各年代で「テレビ」を最も利用。「新聞」は、年代が上がるとともに利用する割合が高くなる傾向にあり、60代では「インターネット」を上回る水準。
・趣味や娯楽に関する情報を得る
 各年代で「インターネット」を最も利用しており、10代〜30代では90%前後。
 メディアの重要度、信頼度については次の結果となった。
・情報源としての重要度
 20代〜40代は「インターネット」が最も高く、10代、50代および60代は「テレビ」が最も高い。
・メディアとしての信頼度
 40代〜60代では「新聞」が最も高く、10代〜30代は「テレビ」が最も高い。
・娯楽としての重要度
 10代〜40代は「インターネット」が最も高く、50代および60代は「テレビ」が最も高い。
 インターネットの利用項目別の動向は、全年代で、「動画投稿・共有サービスを見る」が、平日は51.0分、休日は74.1分と最も長い。
 年代別にみると、休日の10代および20代の「動画投稿・共有サービスを見る」、「ソーシャルメディアを見る・書く」の平均利用時間が長く、いずれも100分を超過している。
 コミュニケーション系メディアの比較では、全年代における平均利用時間は、平日・休日ともに「ソーシャルメディア利用」および「メール利用」が長い傾向にある。
 特に、10代、20代の「ソーシャルメディア利用」の率が高くなっている。40代〜60代では、行為者率、平均利用時間ともに、「メール利用」が 「ソーシャルメディア利用」を上回るがその差は縮小。
 「スマートフォン」の利用率は、全年代では、95.3%から97.1%に増加し、ほぼ100%となっている。スマートフォンの利用率は、各年代で90%を超過した。
 主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率では、全年代で「LINE」の利用率が一貫して増加し、90%を超過。年代別でも、10代〜50代で90%を超過。
 「Twitter」は全年代では横ばいだが、20代では78.8%と高い利用率。「Facebook」の利用率は、全年代で減少。「Instagram」の利用率は、全年代で一貫して増加しており、「LINE」に次ぐ利用率。
 動画共有系では「YouTube」の利用率が高く、10代〜30代で90%を超過。「TikTok」は10代で60%を超過している。














【印刷新報2023年8月24日付掲載】
その他掲載記事
・伝えるためのユニバーサルデザインフェア
 1,250名が来場、MUDの意義を周知
・上製本をインテリアに 池袋のデパートで販売 新里製本
・短期集中連載 第1回 中小企業のためのM&A講座
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2023年8月10日付
東洋美術印刷、実写VRの最新情報を提供
有効な顧客接点に企業が注目


 東洋美術印刷(山本久喜社長、本社・東京都千代田区)は、7月21日に無料オンラインセミナー「WEBショールームで365日集客を実現する実写VR」を開催した。デジタルマーケティング推進部の石井陽太プロダクションマネージャーが講師を務め、コストを抑えたVR(仮想現実)を実現する「実写VR」の概要と活用メリットを説明、事例の紹介も行った。
 同社は印刷技術をベースとしたコミュニケーションサポート事業に取り組んでおり、2012年より3DCG制作も開始した。その背景には、販促物に使用する商品撮影を行う中で、撮影コストの問題等で悩む顧客からの相談があった。
 3DCGでの表現力を追求してきた結果、現在では、カメラマンや画像調整のプロが3DCGを作製することにより、フォトリアルな3DCGを提供し、高い評価を得ている。
 また、2022年には実写で撮影した空間をVR化する「VR360」を提供するハートコア(東京都品川区)との協業を開始。撮影した空間をオンライン上で自由に歩き回ることができる「VR360」と3DCGを連携させた。リアルな空間の中にオブジェクト配置を実現したことで、より視覚的・直感的な顧客体験の創出が可能になるとともに、コスト面でも顧客の要望に応えやすくなった。
 セミナーの初めに石井氏は、メタバースとXR(クロスリアリティ:VR・AR・MR)が混同されるケースが多いことを指摘し、「メタバースは仮想空間上で自身がアバターを用いて参加し、他者とコミュニケーションするものだが、その体験を実現する技術としてXRがある。VRを制作することが必ずしもメタバースとなるわけではない」と説明した。
 また、新型コロナウイルスの感染対策でオンラインでの会議や外部との打合せ等が定着したことで、エンターテインメント分野だけでなく、企業のオンライン活用のハードルが低くなり、併せてVR市場も今後の伸びが見込まれるという。
 「コロナ禍においてはリアルの代替手段としてオンライン化が進んだが、アフターコロナでは状況に応じたリアルとオンラインの使い分けが必要となる。バーチャルと組み合わせたハイブリッドな顧客体験の提供に企業も着目し、力を入れている。その有効な施策の一つにVRがある」(石井氏)
 その上で、「VR360」の主な特長として、4Kでの高画質表現/スマートフォンやPCで簡単に3D空間を表示/予約リンクや施設案内動画など各種カスタマイズ機能を設置可能―の3つを挙げた。
 事例紹介では、自社の埼玉県の印刷工場の設備・工程案内のほか、博物館でのリアル体験、企業における商談用のショールーム案内やリクルート向けオフィス案内など、実際の実写VRを見せながら説明した。
 石井氏は実写VRの活用メリットについて、「リアルとオンラインをつなぐ施策として実写VRはとても有効。潜在顧客に対して365日、昼夜を問わず施設やイベントの体験・集客ができる。営業ツールとして、また視聴のログも取れるためデジタルマーケティングにも活用できる」とまとめた。
 東洋美術印刷では、実写VRシステムの販売パートナーの募集も行っている。













【印刷新報2023年8月10日付掲載】
その他掲載記事
・第21回印刷産業環境優良工場表彰
 経産大臣賞に研文社・尼崎工場
・日印産連表彰 36氏・団体が受賞
・IGAS2022のメインエントランスのデザインが
 国際デザインコンペでゴールド賞獲得

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2023年7月27日付
ミヤコシ シリーズセミナー第2回
「軟包装の未来」を読み解く
interpack2023報告


 ミヤコシ(宮腰亨社長、千葉県習志野市)は6月21日、講師に住本充弘氏(技術士、住本技術士事務所所長)を迎え、「軟包装の未来」をテーマに、シリーズセミナー「MIYAKOSHI DAY」の第2回をオンラインで開催した。
 セミナーの開催にあたり、司会を務めたミヤコシの亀井雅彦取締役は「パッケージの目的は、『守る』『運ぶ』『売る』ことだった。しかし、今回のinterpack2023では、新しい目的が追加されたと感じている。新たな第4の目的、『巡る』だ。『巡る』では『3R』、つまり『リデュース』『リユース』『リサイクル』が目的となっている。パッケージは設計から『巡る』ことを前提として作らなければならない。『巡る』はすでに先の3つと同列だと感じる」と述べた。
 講演では住本氏が、interpack2023の展示から今後の軟包装のポイントについて次のように解説した。  「欧州では、循環型パッケージの促進のため、特にフィルム関係では、現在の回収ストリームが利用できるモノマテリアル仕様の延伸PEフィルム、二軸延伸HDPE・OPPにバリア性を付与するために、 SiOx蒸着、 AlOx蒸着より進んだアルミ蒸着、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)利用のCO‐Exフィルム、バリア性コーティング技術が組み合わされている。また、一次包装での紙の活用も、バリア性、耐油脂性、HS(ヒートシール)性、現在の回収ストリームが利用できる古紙再生がポイントとなり、一部採用が始まっている。デジタル印刷は、世界的な小ロット包装対応におけるモノマテリアル化の動きなどと連動して、徐々に普及している」
 「リサイクル性については今回初めて、 第三者認証機関が出展した。欧州市場でのリサイクルプラスチック配合の義務化および、第三者認証の義務化実施への対応が現実のものとなってきている。包装製品のサプライチェーン全体を通して追跡できるシステム構築が検討されており、ブロックチェーンやその他の方法で包材面のQRコード読み取りを利用するなど対応が進んでいる」
 そして、「このような動きを受けて、日本の包装はどのように動くべきか、十分な検討が必要だ。もはや1社だけでの対応には限界があり、業界あるいは国、消費者との連携も必要になる」と指摘した。
 住本氏の講演の後は、ミヤコシ企画開発本部企画部の中村正道課長が、interpack2023の報告を行った。
 中村課長は「海外の大手コンバータが出展せず、トルコのコンバータの出展が目立った」「素材メーカー・機械装置メーカーが連携してサンプルやデータで訴求し、QRコードを活用していた」「『SDGs』より、『サーキュラーエコノミー』という表現が目を引いた」と報告。
 そして、「マテリアルが変化していく中で、印刷機やコンバーティングも順応していかなければならない。乾燥方式、接着剤の変化への対応、ブランドオーナーへの柔軟な対応も求められる。ミヤコシでは、今後、油性グラビアが置き換わるとすると徐々に水性フレキソを中心に移行していくと考えている。また、極小ロットは、当社のMJP30AXFのような水性インクジェットに移行し、インクジェットは徐々に幅を広げていくのではないか。注目しているのはEBオフセット印刷で、EB乾燥システムについては、当社も今後、調査・検討していく。JAPANPACK、drupaでの情報発信に期待していただきたい」と述べた。












【印刷新報2023年7月27日付掲載】
その他掲載記事
・原宿で「大喜利印刷店(展)」開催 全印工連
・レンゴー、水性フレキソ事業を再編
 子会社の朋和産業に一元化
・SOPTECとうほく2023 6,250人が来場、活気戻る

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2023年7月13日付
高度な色補正技術の継承へ
墨田区と千葉大学がAI活用
印刷会社2社が共同研究に参画


 東京都墨田区(山本亨区長)、国立大学法人千葉大学(中山俊憲学長、本部・千葉市稲毛区)、サンコー(有薗悦克社長、東京都墨田区)、日光プロセス(原田一徳社長、東京都墨田区)は、印刷職人による色補正技術をAIに学習させる研究開発を通じて、中小製造業におけるAI活用に向けた課題・対策についての研究を進めている。
 7月10日には日本印刷学会において、これまで4者が共同で行ってきたAI活用に関する調査・研究の成果について千葉大学が発表した。

■区内中小製造業の支援を目的に
 墨田区には高度な職人技術を有した印刷業や金属加工業などの中小製造業が集積しているが、高齢化や人員不足、市場環境の変化などの課題を抱えている。そのため、AIをはじめとする先端技術を活用した課題解決が求められているが、事業者にそのノウハウやリソース(経営資源)が不足しており、十分に進んでいない状況にある。
 墨田区では、印刷物の色補正に対して高度な技術を持つ印刷・製版会社2社と千葉大学との橋渡しを行い、共同研究を実施することで、区内の事業者がAI技術を活用した新たな製品・サービスの開発や、生産性の向上、技術承継等を進めるための課題を洗い出し、必要な支援のあり方などを明らかにすることを目指している。
 また、サンコーでは、画像処理のノウハウ継承に関して次のようなコメントを発表している。
 「この研究が始まったきっかけは、印刷会社共通の課題である画像処理の技術伝承だ。デジタル画像のRGBから印刷用のCMYKへ画像を変換すると、色域が狭まり、色が濁ってしまう。それを職人の技術によってデータを補正し美しい印刷物を作ってきた。
 画像処理ソフトを使ったデジタルな職人技とも言えるこの技術は、印刷業界がフィルムからデジタルへ移行した時期を経験した50代の職人が突出した技術を持っており、デジタルネイティブの次世代への技術承継の難しさは業界全体での課題となっている。
 今回の研究を通じて、これまで長い時間をかけて培ってきた職人の画像処理のノウハウを次世代に引き継いでいくことを目指す」
                ◇
 墨田区と千葉大学は、2017年3月22日に包括的連携協定を締結した。さらに、2021年4月1日には、千葉大学墨田サテライトキャンパスが墨田区文花1丁目に開設された。
 同キャンパスは、技術開発支援やものづくり研究など、地元企業の経営・技術支援の拠点であった「すみだ中小企業センター」を改修し、その施設を千葉大学が賃借する形を採っている。
 墨田区と千葉大学は、区内をフィールドとして、産業・教育・環境など、さまざまな地域課題解決に向けた共同研究に取り組んでいる。
 このたびの印刷・製版会社2社との共同研究には、中小製造業の集積地域における産業振興や、大学と中小企業による研究体制のあり方など、産学官連携の今後のモデルケースに向けた試行テーマを含んでいる。












【印刷新報2023年7月13日付掲載】
その他掲載記事
 暑中特集号
・若手印刷人インタビュー
 緑友会 澤田健会長/印青連 吉田智博会長
・印刷ビジネスのあり方を問う
 ジャグラ文化典討論会より
・SDGs時代の高付加価値な紙製品開発
 日本封筒フォーラム2023より
・成長を続けるためのマネジメント術
 ヒノキヤグループ・近藤昭社長に聞く

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2023年7月6日付
大日本印刷
自治体向けにメタバースの
パッケージサービスを提供


 大日本印刷(北島義斉社長)は、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用して、全国の自治体が課題として抱える「地域の魅力発信」「産業振興の促進」「相談業務の支援」「地域コミュニティの活性化」に寄与するパッケージサービスの提供を開始する。
 同社はこれまで、自治体と連携して「渋谷区立宮下公園Powered by PARALLEL SITE」や「札幌市公認PARALLEL SAPPORO KITA3JO」、「バーチャル秋葉原」、「デジタルモール嬉野」など多様なメタバースを構築してきた実績があり、自治体等がメタバースを本格導入する前の実証実験の企画設計から空間の構築、本格的な運用まで、ワンストップで支援する。
 パッケージサービスの価格(税抜)は、初期費用200万円〜、月額利用料30万円〜。
 サービスの内容は、地域の観光資源をより深く知ることができる謎解きイベントや地域の歴史・文化をテーマとした生涯学習など多様な企画の支援、地域の商品・サービスの販売や催事・イベントの開催支援、小中学生を対象にした地元企業の職場体験機会の提供、暮らしや子育てなどの相談業務の支援、地域の住民や関係者を集めた交流促進など。メタバースならではのインタラクティブ性やセキュリティ性、場所や時間等の制約の少なさなどを活かしたサービスとなっている。
 なお、同サービスは6月28日〜30日に東京ビッグサイトで開催された第3回スマートシティ推進EXPOの大日本印刷ブースで紹介した。

■ブルボン×柏崎市の魅力を発信
 大日本印刷が開発を支援しているブルボンの「ブルボンメタバース」が6月29日にリニューアルオープンした。「お菓子が持つ楽しさ」と、ブルボン本社がある「新潟県柏崎市の魅力」を一体化した新たなコミュニティとなっている。仮想の本社ビル屋上で、柏崎市の高精細360度パノラマの風景に、地元の店舗や施設を体験できる機能を追加した。











【印刷新報2023年7月6日付掲載】
その他掲載記事
・シール・ラベル特集
・SOPTECとうほく2023 開催
・旅する製本展が盛況 渋谷文泉閣

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2023年6月22日付
全印工連、2050ビジョンを今秋発表
未来へのビジネスプラン示す


 全日本印刷工業組合連合会の産業戦略デザイン室(瀬田章弘委員長)は、令和5年度第1回委員会を6月6日に日本印刷会館で開催した。
 スーパーバイザーの滝澤光正全印工連会長は開会あいさつで、「コロナ前に戻ることは現実的にあり得ず、従来型の印刷需要は減少する一方だ。自ら価値を生み出していかなければ残れない。私の任期も残り1年、集大成の年度となる。5年ぶりに開かれる広島での印刷文化典の2日目のフォーラムでは2050年のビジョンの発表を行う。総力を上げてすばらしい発表にしてほしい。また、8月18日から20日まで東京でMUDフェアを開催する。全印工連は20年以上にわたりMUD(メディア・ユニバーサルデザイン)の普及に取り組んできたが、初めての対外的な発信となる。ぜひ委員の皆さんも参加してほしい」と述べた。
 今年度の産業戦略デザイン室では、超長期の産業戦略として2050ビジョンを策定し、発信するほか、DXによる価値創出の戦略を推進する。また、業界外に対する組合の魅力の発信と組合員相互の活性化を目指し、対外・対内広報戦略の立案と推進を行う。各県工組活性化のための施策提言も行う。
 2050ビジョン策定事業では、今年2月から3月にかけてSFプロトタイピングワークショップを5回開催。4月にはファシリテーターの吾奏伸氏(あそう・しん、映像作家・プロデューサー)と部会メンバーでミーティングを行った。
今後の計画は、ワークショップでの結果を踏まえ、吾奏氏に印刷業の未来の姿を盛り込んだ小説の執筆を依頼する。部会メンバーによる確認作業を経て9月頃に完成の予定。広島での10月14日の全印工連フォーラムにおいて、小説をベースにした印刷の未来についてのトークセッションと、小説の発表を行う。
 ワークショップで取り入れたSFプロトタイピングは、サイエンス・フィクションのように、まだ実現していない未来を発想し、仮説に基づいて実現の可能性を探りながらプロトタイプを作っていく手法。今回は部会メンバーが2050年の印刷業界の姿を予測しながら、ビジネスプランを大胆に描いた。
 瀬田委員長から「これまでの印刷文化典とはかなり違ったテーマを発信することになる。どう伝えていけばいいか」と問いかけがあり、委員の一人は「単に未来予想図を紹介するだけでなく、だれが、どうやれば、われわれのビジネスモデルとなっていくのか、具体的に示すことが大事だ」と提案した。
 対外広報では、CMYKプロジェクト大喜利印刷第3期(組合員企業3社参加)が作品の完成に至っており、7月14日〜16日に東京・原宿デザインフェスタギャラリーで作品を公開する。ネットメディア等を使い告知を行う。
 対内広報については、広報誌「日本の印刷」のリニューアル、全印工連オフィシャルWebサイトの再構築に向けて広報改革プロジェクトチーム(青木允リーダー)が準備を行い、2024年度に三役直轄の広報専門委員会を発足させる予定。
 3月4日に大阪で第1回を立ち上げた経営者のためのケースメソッド研修は、今年度も東京もしくは大阪で2日制により開催する。架空の印刷会社のプロファイリングから数字に基づく事業計画づくりを行い、参加者同士で評価しあう実践的な研修となる。










【印刷新報2023年6月22日付掲載】
その他掲載記事
・ジャグラ文化典高知大会 385名が集う
・新たなグランドデザイン策定へ 日印産連
・第56回造本装幀コンクール 入賞作品発表

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2023年6月8日付
出版流通改革へ実験スタート
8月刊行のコミックスからRFIDタグ装着


 5月16日の東京都製本工業組合書籍・雑誌部会の定期総会に合わせて行われた講演会では、小学館の速水健司制作局ゼネラルマネージャー(現・制作局担当取締役)が「出版流通改革への取り組み―RFIDタグ活用への期待と課題」と題して語った。
 速水氏は、丸紅、丸紅フォレストリンクス、講談社、小学館、集英社の5社が出資して2022年3月に設立したPubtex(以下、パブテックス)の事業に参画している。
 出版物にRFIDタグ(ICタグ)を装着し、記録されたデータを活用して日本の出版流通の課題解決を目指すパブテックスのIoTソリューション事業は、今年8月刊行のコミックス新刊および当該重版から実装実験が本格的にスタートする。出版、取次、書店など各業界への影響の大きさはもちろん、出版物へのタグの装着作業を担うことになる製本会社は、従来なかった機器と作業、品質管理への対応が必要となる。製本会社で実施されている先行テストでは、実務における問題点の把握やノウハウの蓄積が進んでいる。
 ここでは講演内容をもとに、プロジェクトの概要と製本会社に求められる対応についてまとめた。速水氏は講演の席上、「実際に走り出してみなければ見えてこない問題点も多くあるはずで、製本会社の皆さんには生の意見をできるだけ私たちに伝えてほしい」と要望した。

■コミックスから運用しタグ装着のジャンル拡大
 RFID(Radio Frequency Identification)とは、無線通信によりICタグの情報を非接触で読み取る自動認識技術。出版物に関して言えば、梱包された複数の書籍の個別情報を外側から一括して読み取ることや、一冊ずつの書籍の流通履歴についてバーコードリーダーを使わずに瞬時に読み取ることなどが可能になる。
 すでに小売業界をはじめとしてRFIDの導入は進んでいるが、個別企業・グループ内での運用がほとんど。対して、パブテックスを中心に推進しようとしている出版流通全体にまたがる業界横断型の仕組みは、関係する業界・企業の事情がそれぞれ異なるだけに導入のハードルは高い。それでもあえて挑戦する背景には、日本の出版流通の非効率は出版関連業界全体の課題であるという認識があるからだ。
 小学館の速水氏は「本は一度市場に出ると、どこに出回っているのか把握が難しい。市場在庫数を特定することができないため、どれだけ作ればいいかが分からず、出版社はずっと苦慮してきた」と話す。
 それが、RFIDタグの装着により、一冊ごとのトレーサビリティの追跡と集計管理、情報の分析・活用が可能になる。どの書店で、いつ売れたか、マーケティング情報の収集もできるため、販売促進にも有効に活かせる。
 書店にとっても、RFIDタグの装着で大きなメリットが見込まれる。ひとつは万引きの防止。そしてもうひとつが、在庫管理のために書店が行う棚卸作業の効率化だ。一冊ごとに行う在庫の情報確認は大きな作業および費用負担となっているが、RFIDタグを専用リーダーで読み取ることで、即時に情報の把握が可能になる。
 このように出版流通改革への寄与が期待されるRFIDタグだが、当然ながら市場の仕組みを一度に変えることは困難だ。また、実際の運用でどのような弊害が現れるかについても現時点で予測することは難しい。
 そこでパブテックスでは、まずコミックスに絞って運用を始め、仕組みの早期の確立につなげていく。2023年8月刊のコミックス新刊および重版をかわきりに講談社、小学館、集英社がRFIDタグ付きの本を市場に流通させることが決定している。同時に、3社と取引する製本会社からRFIDタグの装着を手がけていくことになる。
 速水氏は「コミックスからテスト運用を始め、時期未定ではあるが、ゆくゆくは文庫や新書、書籍、ムックにも拡げていきたい。市場在庫期間の長いものほどタグが効果的に機能すると考えている」と話す。
 トレーサビリティの記録を残すためには、書店等でのタグの読み込みなどの協力も欠かせない。

■タグ付き台紙をトライオート機で挿入
 パブテックス内では当初、タグの装着を本への「綴じ込み」で行う案も検討されたが、さまざまな意見を勘案した結果、タグラベルが貼付された上質紙台紙(125ミリ×65ミリ)を出来本にトライオート機(西岡製作所製)で挿入する「投げ込み」式が採用された。
 運用方法は次のようになる。
・刊行当該月の想定総発行部数に基づき、4ヵ月程度前にパブテックスへ情報開示。パブテックスはタグ製造会社に発注し、製造を開始
・各社の運用基準に基づき正式発行部数を決定。製本各社への発注数および予備を確定
・パブテックス手配により製本各社へRFIDタグを納入
・製本会社では、納品されたタグをトライオート機により投げ込み。規定部数にて結束する
・専用機器によりRFIDタグにアクティベート作業を結束単位で行う
・従来同様パレット積みのうえ、取次会社や倉庫へ搬入
 製本会社で行う「アクティベート作業」とは、タグが投げ込まれた本に、ライセンス認証を与える作業のこと。タグの生産時に書き込まれたランダムEPCデータ(個別認証)に対して、書誌情報としての【ISBNコード】データを上書きする。これによりタグに住所、氏名、生年月日とも言えるユニーク情報を確立させる。
 アクティベート作業を行う専用機器としては、手動型、半自動型など3種類が用意されている。
 製本会社にとって気になるのは、新たに発生する費用負担だが、アクティベート機器導入イニシャルコストについては製本会社側がいったん立て替える形となる。これに対し、出版社側からアクティベート作業費、導入費用相当額、投げ込み代などを合算して1部単価として適用し、出版社から製本代として支払われる。
 出版社としては、パブテックスへのRFIDタグ材料費の支払と、製本会社への支払が生じることになるが、それ以上にトレーサビリティ情報の収集と分析、活用によるメリットを重要視している。そこを一番の目標としながら、コミックス以外のジャンルへの拡充を図っていく。
 一方、課題として、倉庫会社・取次会社など流通分野各社の参加時期と規模の見通し、小売書店や出版社側の参画促進のほか、タグ仕入コストの低減、「投げ込み方式」の検証(脱落、改装作業への対応)などがある。
 できるだけ多くのトレーサビリティ情報を収集し、それを活用することで生まれる有益性を出版関連業界に還元させるためには、できるだけ多くの出版社、書店、流通各社の参画が必要であり、出版サプライチェーン全体での取組みが望まれる。
 速水氏は「課題は山積しているが、やり始めないことには改革はできない。始めたらやり続けるしかない。持続可能な事業とするために、製本会社の皆さんには、実運用の現場で起こる具体的なケースを教えてもらえるなどご協力をお願いしたい」と話す。










【印刷新報2023年6月8日付掲載】
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・プリントネット 第三の創業で新たな成長企業へ
・大日本印刷 グループ社員に生成AI利用環境を提供
・印刷業が「産業構造転換枠」に指定 事業再構築補助金
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2023年6月1日付
大日本印刷、「P&Iラボ・東京」開設
パートナーとの共創を促進


 大日本印刷は、本社がある東京・市谷地区の再開発を進めており、今年2月にDNP市谷加賀町第3ビルを竣工した。5月8日には、パートナー企業との「対話と協働」を実践する共創施設「P&Iラボ・東京」を同ビル内にオープン。5月25日にメディア向けの内覧会を実施した。

■展示・体験を通じて未来を語る
 大日本印刷は、「第三の創業」の実現に向けて、都内に分散していた営業・企画部門を市谷地区に集結させた。これにより社内の連携および、社外パートナーとのコラボレーションを促進し、「オールDNP」による価値創造を加速している。
 再開発の一環として竣工したDNP市谷加賀町第3ビルは、地上5階、地下3階、延床面積は約4万u。地下1〜3階をP&Iラボ・東京が占める。メディア向け内覧会では、同ラボの推進室長である間々田修一氏からラボ開設の目的と構成が説明された。
 P&Tラボ・東京は、パートナー企業との「対話と協働」を促進するための施設で、同社のP&T(Printing&Information)の強みを製品・技術の展示や体験、未来イメージの提示などを通じて感じてもらい、「対話」により業界・社会の課題を引き出し、「協働」につなげることを狙いとしている。同ラボでは約250の製品・サービスを体験することができ、次のような構成となる。

《地下1階:ウェルカムゾーン/ホール》
 DNPの強みのプレゼンテーションを通じて、DNP=パートナーという意識づけを促す。ホールは、プライベート展・セミナーによる情報発信と外部パートナーとのコラボレーション活動の場となる。
《地下2階:技術ゾーン》
○暮らしを変えたDNPの技術
○技術を掛け合わせる
DNPが保有するP&Tの技術
○技術は豊かな社会のために  豊かな社会を実現するDNPの提供価値
○コラボレーションに向けて
《地下3階:体験ゾーン》
○ブループリントスタジオ
 DXが実現する2030年の未来の暮らしを、複数のLEDディスプレイを活用した没入感のある映像とソリューション展示の組合せで体験
○みらいの暮らし
 DNPが提案するウェルビーイングをテーマとした未来の居住空間。顧客と共にデザイン検証を行う空間シミュレーション機能も併設
○コ・ラーニング
 書籍に囲まれた空間で、未来の暮らしに関する議論を行う

 内覧会であいさつした杉田一彦常務執行役員は「当社は、お客様の要望に応えるだけでなく、自ら社会や生活者に価値を提供する『第三の創業』に取り組んでいる。技術・ノウハウ・製品・サービス・市場を掛け合わせ、パートナーのいろいろな強みも加えて、価値の提供を加速させていく。フェイス・トゥ・フェイスで創発を行い、多様な価値を生み出す場がP&Tラボ・東京だ。分散していた事業拠点の集結・再編についてもひと区切りつき、オールDNPの体制が整った」と述べた。
 P&Tラボ・東京は、大日本印刷のすべての部門で共有・活用し、社員がパートナーを招待する形で案内する。5月8日のオープン後、毎日3〜5件の訪問があり、新たな価値の創出が期待されている。
 ラボは、生活の隅々に同社の製品・サービスが使われていることが伝わり、それが未来社会に向けてどう枝葉を伸ばしていくかがイメージしやすいように工夫が凝らされている。



未来の居住空間をシミュレーション。
2030年のキッチン(地下3階、体験ゾーン)











【印刷新報2023年6月1日付掲載】
その他掲載記事
・特集 ジャグラ文化典高知大会
・小森コーポレーション グループパーパスを発表
・全印工連 2023全日本印刷文化典広島大会
 「夢メッセ」と同時開催で学びの機会提供
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2023年5月25日付
〈議連総会で全印工連〉
用紙の特定調達品目からの除外要望
知的財産権でも強く主張


 中小印刷産業振興議員連盟(中曽根弘文会長、以下「議連」)の総会が、5月24日午前8時から東京・永田町の自由民主党本部で開かれた。全日本印刷工業組合連合会(滝澤光正会長)は、@印刷用紙をグリーン購入法における特定調達品目から外すことA自治体の仕様書・契約書から「印刷データを無償で譲渡・利用する」といった記載を削除すること、の主に2点を要望し、議連も環境省、総務省など所管省庁に強く踏み込んだ実効性ある取組みを求めた。
 中曽根会長、全印工連・滝澤会長のあいさつに続き、環境省が「グリーン購入法における特定調達品目」の見直し状況(5月11日付で一部既報)、総務省が「官公需印刷物の入札・契約の実態調査」結果(5月18日付既報)を報告、全印工連から要望を伝えた後、意見交換が行われた。
■特定調達品目の見直し
 昨年11月の議連総会を踏まえ、環境省は12月に、特定調達品目(古紙パルプの最低保証などグリーン購入法の判断基準を満たす印刷用紙)の調達が困難な場合には代替品の納入を認める旨を地方公共団体等に通達した。同時に、古紙パルプの配合率についても改定した。一定の成果ではあるが、その実効性は乏しく、根本的な問題解決とはなっていない。
 全印工連は今回、「今秋の臨時国会までに、印刷用紙を特定調達品目から外すこと」を強く要望。理由として、@白色度が要求される印刷用紙への古紙の使用は、脱墨のための薬品やエネルギーコストにより、かえって環境に悪影響を及ぼすA再生紙の供給量が絶対的に不足しており、中小印刷会社は購入できないB判断基準を満たす印刷用紙を供給可能な製紙会社は1社だけであり、競争原理が働かない―の3点を挙げた。
 環境省の担当課長は、令和5年度特定調達品目検討会の下に「印刷用紙専門委員会」を設置し、判断基準等の今年度中の見直しを検討していることを説明した。6月に第1回の委員会を開催し、10月頃に方針をとりまとめる予定。委員会は、学識経験者6名、業界関係者5名(全印工連・滝澤会長、日印産連・倉持常務理事、製紙連・河崎常務理事、古紙再生促進センター・川上専務理事ほか)で構成される。オブザーバーとして、主要製紙メーカー、印刷業界、洋紙代理店・卸商、古紙回収業も参加予定。
 委員会では、@市場における古紙需給状況の変化を踏まえた指標項目のあり方A森林認証材・間伐材以外の持続可能性を目指すパルプについて製紙メーカー個社の取組みの評価のあり方―などを論点に、実状に即した印刷用紙の判断基準の見直しを行う。
■知的財産権の取扱い
 総務省が実施した官公需印刷物の入札・契約調査では、発注仕様書で、印刷データ(中間生成物)を「納入する」、知的財産権は「発注者に帰属する」と記載している自治体が圧倒的に多く、コンテンツ版バイ・ドール契約を採用している自治体もわずかであることが明らかになった。
 全印工連の滝澤会長は、過去の裁判の判例を紹介しながら、「印刷データは受注者(印刷会社)の所有物」であり、自治体の仕様書・契約書から「印刷データを無償で譲渡・利用する」といった記載を削除してほしい旨を要望した。また、受発注者間だけでなく、地域の発展につながる契約方法として、コンテンツ版バイ・ドール契約の積極的な採用を求めた。
                 ◇
 出席した議員からは、「(印刷用紙の判断基準見直しを)10月頃をめどとしているが、一日でも早くスピード感を持ってやってほしい。(来春の官公需の繁忙期に対応するのに)印刷会社はまず紙を確保しないことには動けない。代替品の納入にしても、本当に認められているのか? 国が率先して取り組まなければ変わらない」、「時代は大きく変わり、安いだけの調達は通用しない。公の契約は民間取引の模範であるべきだ」など次々と意見が述べられ、省庁の担当官が今後の対応方針について説明した。
 閉会あいさつで議連の伊藤達也幹事長は「全印工連からの要望を基本として重ねて省庁に求めていきたい。制度がそもそも今の時代に合っているのか、さらに見直しが必要だ。単に通達を出すだけではダメで、意識改革のためにやれることは何でもやってほしい。今年度も複数回の総会を開いていく」と述べた。












【印刷新報2023年5月25日付掲載】
その他掲載記事
・特集 生産改革2023
・各地で令和5年度の総会が開催
・来年5月に技能五輪開催 仏・リヨンで

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2023年5月18日付
総合商研/小松印刷グループ/アスコン
3社共創プロジェクトを推進


 印刷業界では、環境の激変期を乗り越えるための企業間アライアンスが活発化している。その波は、中堅印刷会社においても明確な戦略となって現れてきた。
 それを象徴するのが、総合商研(片岡廣幸会長、札幌市東区)、小松印刷グループ(小松秀敏社長、香川県高松市)、アスコン(中原貴裕社長、広島県福山市)の3社による共創プロジェクトの発足だ。各社の強みと経営資源を活用し、生産設備の共同仕入れ、技術・人材連携、営業ノウハウの共有などを通じて新たな事業領域拡大と強固な経営基盤の構築を目指す。
 また、全国に張り巡らされた、グループ会社を含む3社の営業所・製造拠点をフルに活用し、最適地生産で顧客へのサービス向上と受注拡大を図っていく。
 東証スタンダード上場の総合商研は、小松印刷グループと2004年10月、アスコンとは2017年9月に業務提携に関する契約を締結している。
 このたびのプロジェクトにおいては、それぞれ経営幹部レベルのプロジェクトスタッフを任命し、会社間の壁を超えた「営業戦略分科会」「製造部門分科会」「クリエイティブ分科会」の役割ごとに意見交換を重ね、今年2月21日に協定に至った。
 印刷会社という枠を 超え、各社の強みを活かす「首都圏受注・地方製造」の3社共同事業組織として、業容の拡大、顧客基盤の拡大を図っていく。
 また、発表によると、今回の枠組みは限定的・排他的なものではなく、同業・異業を問わず理念に賛同する企業との新たな協業の可能性も同時に模索していく。
 3社の売上高規模は、総合商研が153億1100万円(2022年7月期)、小松印刷グループが144億円(2022年3月期)、アスコンが121億5900万円(2022年3月期)。
共創プロジェクトの内容と目指す将来像は次のとおり。
■生産・製造管理連携
3社の製造拠点を俯瞰、物流の効率化から高品質・高効率・低コストを追求し、市場競争力の強化を図る。
■営業連携
マーケティング連携による市場提案力強化及びノウハウの共有(成功事例の水平展開)から新商品・サービスの開発を推進する。
■大型設備投資
1社単独では難しい設備投資や技術開発及び商品開発を共同運用しリスク分散を図るとともに、各コンテンツの制作、製造に関する効率化連携で新たな市場開発を行う。
■その他、前項に付帯関連する業務における相互の協力・支援










【印刷新報2023年5月18日付掲載】
その他掲載記事
・「官公需印刷物の入札制度実態調査」結果概要発表
・大手印刷会社決算短信
・NISSHA 滋賀大学とDXで連携

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2023年5月11日付
富士フイルムBI
「圧着トナー」新発売
ワンパスで印字と糊付けが可能


 富士フイルムビジネスイノベーション(浜直樹社長・CEO、東京都港区、富士フイルムBI)は、ハイエンドプロ市場向けプロダクションカラープリンター「Revoria Press PC1120」用の特殊トナーとして、世界初となる接着機能を持った「圧着トナー」を、国内で5月16日から発売する。デジタル印刷の小ロット生産や可変(バリアブル)印刷といった特性を活かしながら、圧着はがきなどの制作工程を効率化することができる。
 圧着トナーは、同社独自のトナー製法技術であるEA(Emulsion Aggregation・乳化凝集)製法により、内部に自社開発の圧力応答性樹脂を微細に分散させた無色透明のトナーで、高い圧力を加えた時にのみ樹脂が軟化し、用紙と用紙を接着する機能を発揮する。
 「Revoria Press PC1120」はCMYKトナーのほか、最大2種類の特殊トナーを搭載できる。圧着トナーを搭載すれば、プリントした用紙の印字面どうしを重ねて、圧着機(後加工機メーカーが提供する汎用の圧着機)で高い圧力と熱を加えることで、圧力応答性樹脂が反応してトナーが糊のような機能を発揮し、用紙どうしを接着することができる。
 CMYKトナーによる画像や文字の印刷と、圧着トナーによる接着材塗布がワンパスで完結し、従来は印刷後に別工程で行っていた糊付け工程の削減が可能となる。印刷データ上で接着箇所を自在に指定できるほか、用紙どうしの接着力の強弱をトナーの量や圧力の強さにより調整することもできる。
 圧着トナーは、圧着はがきのような用紙を接着する印刷物を小ロット生産・可変印刷する用途に適している。デジタル印刷の特性と圧着トナーの機能を組み合わせて用いることで、受け取る人の嗜好や興味に合わせた内容の圧着はがきやA4サイズの圧着DMなどを、短納期で必要な分だけ効率的に制作できるようになる。
 また、富士フイルムBIでは、後加工機メーカーと協業し、印刷から圧着までに必要な後加工の機器をインラインで接続する自動化ラインのシステム開発をユーザーとともに進める。印刷後の断裁や折り、圧着にいたるまでの多岐にわたる工程を、人手を介さず自動化することで、印刷生産プロセス全体の効率化を目指す。

Z折り圧着ハガキDMイメージ


V折り圧着ハガキDMイメージ











【印刷新報2023年5月11日付掲載】
その他掲載記事
・令和5年3月「用紙価格動向調査」 価格の地域差、顕著に
・グリーン購入法基本方針の変更点など解説
 第53回GP工場交流会
・JP2023・印刷DX展

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2023年4月27日付
国内キャッシュレス決済比率が36%に
政府の最終目標はフルデジタル化


 経済産業省は4月6日、2022年のキャッシュレス決済額とキャッシュレス決済比率の算出結果を公表した。決済額は、民間最終消費支出308.5兆円に対して111兆円と、初の100兆円超えとなり、決済比率は36.0%に上昇した。
 また、3月20日には「キャッシュレスの将来像に関する検討会」の取りまとめについても公表。キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度にするという現行の政府目標は引き続き堅持したうえで、将来的に世界最高水準の80%を目指す方向が示された。
 キャッシュレス社会の拡大に伴い、印刷会社の行政・企業・消費者に向けたサービス提供やマーケティング提案でも新たな対応が必要になっていくと予想される。
 また、企業間取引においてもキャッシュレス化は必然の流れだ。小規模企業が多くを占める印刷業界だが、受発注・決済など取引関連業務のデジタル化を起点として、業務効率向上や企業間のデータ連携によるDX化の推進を図っていくことが求められる。
                ◇
 2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%(111兆円)。内訳は、クレジットカードが30.4%(93.8兆円)、デビットカードが1.0%(3.2兆円)、電子マネーが2.0%(6.1兆円)、コード決済が2.6%(7.9兆円)。
 決済比率は、2010年に13.2%だったが、2016年に20.0%、近年は2020年に29.7%、2021年に32.5%と推移している。
 経済産業省の2021年の実態調査では、日常生活において「7〜8割程度以上キャッシュレスを利用する」と回答した人が全体の54%を占めるなど、消費者の中でキャッシュレスが広く浸透してきている。
 今の水準が続けば、政府の成長戦略フォローアップ(令和元年6月21日閣議決定)で示された「2025年6月までにキャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とする」という目標は達成される見通しだ。
 キャッシュレス決済比率は、主要各国では40%〜60%台、韓国や中国では80%〜90%台となっている。2022年9月に発足した、有識者や大手決済関連企業など10人の委員からなる「キャッシュレスの将来像に関する検討会」の取りまとめでは、将来的に世界最高水準の80%を目指し、最終的には、誰もが現金を持ち歩かずに生活が完結する「決済のフルデジタル化」が目標に掲げられている。
 キャッシュレス化の推進により、事業所間取引では、デジタル化による業務効率化や、取引と関連した付加データの利活用によるイノベーションの実現などを期待している。












【印刷新報2023年4月27日付掲載】
その他掲載記事
・特集 シタラフェア2023
・東印工組 支部再編に理解求める
・卒園アルバムに補償プラン 石田製本

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2023年4月20日付
全印工連/MUD協会
8月に初のMUDフェア開催
ユニバーサルデザインへの理解を促進


 全日本印刷工業組合連合会(滝澤光正会長)とNPO法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会(伊藤裕道会長、浦久保康裕理事長)は、メディアユニバーサルデザイン(以下、MUD)をテーマにした新企画イベントを今年8月18日(金)〜20日(日)の3日間、東京・港区の都立産業貿易センター 浜松町館で開催する。ユニバーサルデザインの必要性や、だれもが不自由なく情報を受け取ることができる社会の実現を目指すMUD活動について広く理解してもらうことを目的に、展示、セミナー、体験コーナーの実施を予定している。

■子供たちから行政・企業まで広く対象に
 8月18日・19日・20日に開催するイベントの名称は「伝えるためのユニバーサルデザインフェア〜色・文字・かたちでみんなに分かりやすく」(仮称、以下MUDフェア)。全印工連とMUD協会が共催し、会期中に約5000名の来場を予想している。
 実施プログラムの柱は、「MUDを見る(展示コーナー)」「MUD製品に触れる(展示コーナー)」、「MUDを深める(セミナー)」「MUDを感じる(体験コーナー)」から成る。
 展示コーナーでは、MUDの基本から最新技術、ソリューションを紹介する企業や団体のブースを設ける。MUD事例やMUD認証各社のさまざまな取組み、行政や自治体の取組み、学術研究などの紹介ほか、MUDコンペティション受賞作品、MUD認証製品の展示を行う。
 セミナーは、1日3講座、3日間で計9講座を予定。専門家による講演やパネルディスカッションにより、参加者は情報アクセシビリティやMUDの知識を深めることができる。
 体験コーナーでは、参加者が実際にMUDの技術や製品を試せるようにする。小学生の夏休みの課題作成コーナーも用意し、楽しく学んでもらう。プロ向けには実践的なワークショップを通じて、情報アクセシビリティやMUDスキルを身につけてもらう。
 フェアは、子供から大人まで幅広く対象とし、来場しやすいよう、夏休み期間中の週末に会期を設定した。
一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会など関連団体や教育機関の協力も得ていく予定。

■社会の情報伝達の課題はさらに増す
 ユニバーサルデザインは、すべての人が利用しやすい製品、環境、サービスを設計するための考え方で、高齢者、障がい者、外国人、子供などさまざまな人々が、同じように利用できることを目的としている。
 また、MUDは、ユニバーサルデザインを情報伝達分野(メディア)に適用したもので、色・文字・かたち等の情報をできるだけ多くの人が理解しやすいように配慮する考え方となる。
 全印工連では、情報伝達の担い手として約20年前からMUDに取り組んできた。業界内はもちろん、行政・企業の関連部署や一般市民も対象にしたセミナー開催をはじめ、MUDに配慮したデザイン手法を用いた作品を募るコンペティションをこれまで16回開催し、MUD活動の啓発につなげている。
 MUD協会は2008年1月に設立し、今年15周年を迎えた。MUD製品の第三者認証制度や教育検定の実施、普及セミナーの開催、MUD対応製品を作製する際に使用できるシミュレーションツールの紹介など、各種事業を展開している。
 社会に流通する情報量は増える一方だが、日本は超高齢化社会となっている。しかし、デザイン、文字の大きさや書体、色使いなどに配慮されていない情報伝達手段が多く、情報を読み取れずに不便を感じている人たちが多数存在する。
 MUD協会によると、日本国内には弱視等の障がいがある人は潜在的に100万人以上、色覚障がい者は300万人以上、白内障などにより色覚の低下した高齢者を加えると、一般の人と色の感じ方が違う人は500万人以上いると考えられる。色に関する問題のほか、増える来日外国人や在留外国人に対するデザインの工夫も急がれる。











【印刷新報2023年4月20日付掲載】
その他掲載記事
 特集 印刷出版研究所 創業90周年特集
 ・群馬大学・柴田博仁教授インタビュー
  「紙と電子の使い分けで人は賢く」
 ・一心社・浦久保康裕社長インタビュー
  「万博、MUD、ペーパーサミット」
 ・日本サステナブル印刷協会
  「脱炭素の取組み推進」
 ・真興社・福田真太郎社長インタビュー
  「真興社変革の歴史」

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2023年4月6日付
改正PRTR法が施行
対象が649化学物質に
SDSで該当・非該当の確認を


 化学物質排出把握管理促進法、いわゆるPRTR法(化管法)が改正され、2023年4月1日から施行された。対象となる化学物質が見直され、第1種指定化学物質が462物質から515物質、第2種指定化学物質が100物質から134物質に増加している。追加された化学物質には印刷業でもよく使われる物質が複数含まれている。使用している製品について、最新のSDS(安全データシート)で確認し、PRTR法への該当・非該当を把握したうえで、2023年度以降の集計および届出を正確に行う必要がある。
                 ◇
 1999年7月に公布されたPRTR法に基づき、「化学物質排出移動量届出制度(PRTR制度)」が導入された。PRTR制度では、人体や動植物に有害なおそれのある化学物質(第1種指定化学物質)について、事業者は環境中へ排出した量(排出量)や廃棄物等として処理するために事業所の外へ移動させた量(移動量)の届出を年度ごとに行うこととされている。第1種指定化学物質は、1%以上含有すると該当製品として扱われる。
 また、SDS制度では、PRTR法で指定された化学物質を含む製品について、他の事業者に譲渡または提供する際に、その特性や取扱いに関する情報をSDSにより提供することが義務付けられている。SDS制度のみ対象となるのが第2種指定化学物質と区分されている。
 排出量・移動量の届出対象には「出版・印刷・同関連産業」など24業種が定められており、常時使用する従業員数が21人以上、該当する第1種指定化学物質の年間取扱量が1トン以上(特定第1種指定化学物質は0.5トン以上)の事業者が対象となる。
 今回の改正で追加された代表的な化学物質には、トリクロロエチレン(特定第1種)、ブチルセロソルブ、ETB、ブチルカルビトール、シクロヘキサン(第1種)、ノナン、オクタン(第2種)などがあり、このうち、ブチルセロソルブ、ETB、ノナンは、印刷インキ洗浄剤やエッチ液で使用されることが多い。
 これに伴い、印刷関連資材メーカー各社は、新たに追加された指定化学物質が含まれる製品の配合変更を行うなど対応を進めており、PRTR非該当となる代替品を順次リリースしている。
 また、日本印刷産業連合会のGP認定事務局でも、改正PRTR法へのGP資機材認定の対応を図っている。
 GP資機材認定のエッチ液は、指定化学物質を含まないことが必須条件となる。ただし経過措置として、認定済み製品は改正後の指定化学物質の含有を1年間猶予する。新規では認めない。洗浄剤等は、改正後の指定化学物質で達成点数を再評価する。

■印刷・同関連は届出排出量で業種別7番目
 経済産業省および環境省は、PRTR法に基づき、事業者から届出のあった化学物質の2021年度の排出量・移動量等のデータの集計を行い、結果を3月3日に公表した。排出量は12万5000トン(前年度比0.5%増)、移動量は25万9000トン(同12.3%増)となり、排出量と移動量の合計は38万4000トン(同8.2%増)となった。
 2021年度の排出量・移動量については全国3万2729事業所から届出があった。このうち、「出版・印刷・同関連産業」は284事業所、届出物質の種類は41。排出量は大気中が100%に近く、移動量は廃棄物移動がほとんど。
 製造業・非製造業を合わせた全46業種のうち、製造業(23業種)における届出排出量・移動量は全体の97%を占める。
 業種別の届出排出量で「出版・印刷・同関連産業」は7番目(5300トン、総届出排出量の4.3%)、届出排出量・移動量では10番目(7500トン、総届出排出量・移動量の1.9%)となる。
 全国の届出排出量の多い上位10物質の合計は10万7000トンで、総届出排出量12万5000トンの86%に当たる。上位5物質はトルエン(構成比34%)、キシレン(同16%)、エチルベンゼン(同11%)、ノルマルーヘキサン(同7%)、塩化メチレン(同6.7%)。

















【印刷新報2023年4月6日付掲載】
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・特集 デジタルプレス
・大手3社社長 新入社員へのメッセージ
・篠原紙工 ボール紙見本帳発売

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2023年3月30日付
経産省、DX優良事例20社を選定
グランド印刷が準グランプリに


 経済産業省は、中堅・中小企業等のDXのモデルケースとなるような優良事例を「DXセレクション2023」として選定し、3月16日に20社を公表した。準グランプリにはグランド印刷(小泊勇志社長、北九州市門司区、従業員55名)が選ばれた。
DXセレクションは、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取組みの優良事例の選定・公表を通じて、地域内や業種内での横展開を図り、中堅・中小企業等におけるDXの推進と各地域での取組みの活性化につなげていくことを目的に昨年度初めて実施された。
 募集にあたっては、地域経済の発展を推進する「地方版IoT推進ラボ」の取組みに参画している企業を対象とし、経済産業省が定めたデジタルガバナンス・コードの評価項目に基づき有識者委員が審査した。
 グランプリに選ばれたフジワラテクノアート(藤原恵子社長、岡山市)は、醤油・味噌・日本酒等の醸造食品の製造機械メーカー。「微生物のチカラを高度に利用するものづくり」により循環型社会への貢献を目指しており、3年間で21のシステム・ツールを導入して全工程の進化を成し遂げた。また、主要協力会社との取引をオンライン化し、各社のDXを推進した。
 準グランプリのグランド印刷(推薦:北九州市IoT推進ラボ)は、スクリーン印刷、デジタルプリントを主体とした印刷会社。金属、プラスチック、ビニール、布など素材を選ばず印刷できるのが特徴で、屋外看板や垂れ幕、POPなど販促物の製作を主力商品とする。ターポリン幕専門の印刷通販「まくする」ほか、看板、壁紙など複数の印刷通販サイトを運営している。
 「新たな価値の創造で、世の中を楽しく、豊かにする。」を企業理念に掲げる同社は、シナジー効果の見込める各事業をデジタルによって1つに統合。それぞれの事業が互いに連携し、理念や価値観でつながった「連邦多角化経営」を目指す。また、従業員の自己実現に向けて、楽しく働ける職場環境と物心両面での豊かさを追求している。
 「DXセレクション2023」選定企業レポートには、取組みと成果が次のように紹介されている。

【デジタル人材の確保/デジタル技術活用の取組み】
・社内業務の効率化・省力化や顧客視点でのサービス改善に
 おいて、自ら問題を見つけ改善案の指示を出せる人材を
 「DXプロデューサー」と定義し、社内で育成している。
 また、各従業員に合った「学び」を計画的に行っていく
 プロジェクトを立ち上げる。
・自社開発の基幹システムとWebサイト、各種Webサービスを
 連携させた社内ITシステムで情報共有している。

【成果】
・年に2〜3個の新規事業が立ち上がり、それらを育てながら
 デジタル技術によって既存業務の効率化・省力化を行う
 企業風土となった。また、子育てしながら働きやすい
 会社となり女性従業員が全体の75%になった。
・コロナ禍でも年間7000社の顧客を獲得。既存事業の落込み
 を新事業でカバーし、過去最高売上を3年連続更新した。

【DXを進める上での苦労】
・現社長がまだ支店長の立場だったときに基幹システムの
 開発に着手したが、リーマンショック後ということも
 あり、資金的な余裕もなく銀行からも融資は厳しいと伝え
 られていた。リース会社に話を持ちかけ、リース契約に
 してもらうことで費用を捻出した。
・システム会社への月額12万円の保守料と開発費のリース料
 月額12万円、合計24万円の支出が必要であったが、1人分
 の人件費だと思い投資を決断した。

【DXを進めるために行った工夫】
・システムの管理を外注1社のみ、また社内担当者を1人のみ
 という状態は非常にリスクがある事を身に染みて経験した
 ため、現在は外部エンジニアと社内エンジニアの2人体制で
 開発を行っている。また、サーバー情報も自社で管理し、
 日次でバックアップを取るようにしている。
【DXを進めたことによる具体的な変化】
・日々蓄積されるデータから新事業が次々と創り出せる
 ようになった。
・社内ITシステムにより、ほとんどの情報が共有され、個人
 への依存度が減り、有休や途中抜けなどもしやすくなり、  子育て中の女性でも活躍できる場が広がった。
・従業員のITリテラシーも向上し、自ら問題を見つけてシス
 テム改修を発案し、エンジニアに依頼できるようになった。
















【印刷新報2023年3月30日付掲載】
その他掲載記事
・日本WPA 水なし印刷の認知向上へ 
 新キャッチフレーズ決まる
・富士フイルムグラフィックソリューションズ
 山田周一郎社長インタビュー
・欧州企業視察記 MailTech社(スペイン)

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2023年3月16日付
凸版印刷、10月に持株会社体制へ
新商号は「TOPPANホールディングス」


 凸版印刷(麿秀晴社長、本社・東京都文京区)は、2023年10月に予定している持株会社体制への移行にあたり、持株会社の商号を「TOPPANホールディングス株式会社」とし、凸版印刷の事業を継承する事業会社の商号を「TOPPAN株式会社」「TOPPANデジタル株式会社」にそれぞれ決定した。
 新商号は、凸版(トッパン)の名称は継承しつつ、グローバル企業として全世界で統一したブランドとして使用していくことを意図し、英字で「TOPPAN」と表記した。
 また、“Digital & Sustainable Transformation”をキーコンセプトに、社会や顧客、トッパングループのビジネスを、デジタルを起点として変革させる「DX(Digital Transformation)」と、事業を通じた社会的課題の解決とともに持続可能性を重視した経営を目指す「SX(Sustainable Transformation)」によって、ワールドワイドで社会課題を解決し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しており、今後さらなる事業ポートフォリオ変革を推進していく意思を込めて、既存の事業領域を規定する「印刷」を含めない商号とした。
 なお、凸版印刷の商号変更は、2023年6月開催予定の同社の第177回定時株主総会において定款の一部変更(商号・事業目的の変更)が承認可決されること、および持株会社体制への移行に向けたTOPPAN株式会社への吸収分割の効力が発生すること、ならびに必要に応じて所管官公庁の許認可等が得られることを条件としている。
【グループ再編のステップ】
■2021年11月
2023年10月頃を目途に持株会社体制へ移行することを基本方針とし、グループ組織再編に向けて検討を進めることを発表。
■2023年4月(予定)
全体再編に先駆け、同社のセキュア事業とトッパン・フォームズ株式会社の事業を統合した「TOPPANエッジ株式会社」を設立。
■2023年10月(予定)
持株会社体制へと移行し、持株会社「TOPPANホールディングス株式会社」として、グループ全体最適の視点から事業会社を一体的に運営、持株会社の傘下には、「TOPPANエッジ株式会社」、ならびに、凸版印刷の主要部門を母体とする「TOPPAN」およびトッパングループ全体でのDX事業推進を牽引する「TOPPANデジタル」を設立。















【印刷新報2023年3月16日付掲載】
その他掲載記事
・製本・後加工特集 2023
・Hunkeler innovationdays2023 レポート
・コニカミノルタジャパン 一條啓介氏が社長に

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2023年3月9日付
新市場広げるマーチング委員会
越境EC、ご当地ガチャなど活動進展


 一般社団法人マーチング委員会(井上雅博理事長)は、第12回定時総会および各事業活動報告、特別セミナーを2月24日に東京・湯島の東京ガーデンパレス会場とオンラインのハイブリッド形式で開催した。
 マーチング委員会は、全国の印刷会社が核となり、地元のまちなみをイラストで発信し共感と連帯を生むことで、地域の住民・商店・企業・行政の活性化を支援している。各地で特色ある活動事例がますます増えており、相互の交流で触発され、気づきやノウハウを得ることも活発になってきた。2023年度は、相互交流を「大人の遠足」と称して事業化していくほか、新たに海外市場への商品販売展開、広報誌『in Japan next』(全国版/地方版)の発行を行う。引き続き、地域のキーマンづくりリーダー養成講座「マーチングアカデミー塾」も年5〜6回予定する。
 活動報告では、かねて準備を進めてきた「越境ECサイト」を新年度から展開することが、さぬきマーチング委員会の濱田和信氏(ミヤプロ)から発表された。越境ECショッピングモール「ゼンプラス」を利用して出品者の商品を海外に向けて販売していく。
 商品の標準イメージとしては、イラスト絵はがき10枚セット+額縁入りレプリカ等で1万6500円(税込)。イラストをあしらったTシャツやトートバッグ、日本酒の販売なども想定している。各地マーチング委員会の商品の横断的な販売が有効とみられる。
 商品はマーチング委員会で仕入れ、写真や商品説明等を付けてゼンプラスに登録を行い、翻訳後に公開。注文が入ればゼンプラスに商品を発送。月末に販売管理の締めを行う。出品者には約6割の手数料が入る計算になる。SNSや多言語版の広報誌による販促支援なども検討していく。
 津軽ひろさきマーチング委員会の齊藤元副代表(アサヒ印刷)は、イトーヨーカドー店舗で拡大しているイラスト入り年賀状とご当地ガチャの販売について報告した。
 イトーヨーカドーと連携した年賀状パック販売は、来店者に非常に好評で、お客の声をもとに店舗と一緒に商品や売り方の改善を図ることで毎 年売上額が伸びている。
 齊藤氏は「すばらしいコーナーになったとイトーヨーカドーさんから高く評価していただき、来年もぜひやってほしいと頼まれた。また、他に意欲のあるマーチング委員会があれば混ぜてあげてくださいとも言われた。この事業は、販売する側だけでなく、お客、地域、マスコミみんなにとっていい。イトーヨーカドーでは全国の店舗に広げていく計画がある。地元愛と熱意のある方はぜひ参加していただきたい」と話した。
 年賀状にとどまらず、1月15日以降もカレンダーやポチ袋が売れるようになってきた。また、玩具にも展開できないかという相談を受け、地元の名産品やマスコットをキーホルダーにしたガチャガチャ(「ごとっちゃ」商標登録申請中)を製作し、イトーヨーカドーの売場限定で販売したところ売行きが大変好評で、弘前市のほか八戸市の店舗販売にも広がった。
 いよマーチング委員会でも、まちなみイラストを入れた絵馬型のキーホルダーを松山城近くのガチャガチャで販売を始めたところ、コンスタントに売れているという。観光客向けの需要として大きい。
 いわゆる、「ご当地ガチャ」の人気が高まっているが、印刷会社が仕掛人となっているケースも多い。拡がりのある新市場として注目される。
 そのほか、湯島本郷マーチング委員会の利根川英二代表(TONEGAWA)がメタバースでの湯島本郷百景の展開、甲斐の国マーチング委員会の井上雅博代表(アドヴォネクスト)が山梨県中央市とのSDGs連携について報告した。
 特別セミナーでは、マーチングアカデミー塾の講師も務める経営コンサルタントの並木将央氏が、マーチング委員会の原点をテーマに、日本の活性化の鍵を握っている「地域」の重要性について語った。並木氏は「地域の"共助"をつくれるプラットフォームがマーチング委員会。行動できる人をどんどん巻き込んでいきましょう」と後押しした。














【印刷新報2023年3月9日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連・官公需実態調査アンケート
 知的財産の帰属で改善要望多数
・2022年日本の広告費 ネット広告が3兆円規模に
・グッドクロス バナナペーパーに商機

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2023年2月23日付
〈全印工連・産業戦略デザイン室〉
DX-PLAT活用の可能性探る
ストアフロントで新市場開拓


 全日本印刷工業組合連合会・産業戦略デザイン室(瀬田章弘委員長)は、令和4年度第5回委員会を2月7日に日本印刷会館で開催した。その中で、全印工連が組合員に提供するDXプラットフォームシステム「DX-PLAT」の具体的な活用に向けたビジネスモデルの検証を行った。
 DX-PLATを活用したビジネスモデルについては、これまで各委員から多くのアイデアが出されたが、今回はその内容を踏まえて、瀬田委員長が「DX-PLATによる新たな展開」と題してプレゼンテーションを行い、その上で改めて委員が意見を述べ、活用の実際について討議した。
 同委員会でまとめた内容は、2月15日の東北地区印刷協議会から始まった今年度下期の各地区印刷協議会でも参加者にプレゼンテーションが行われ、DX-PLATが持つ価値と将来的な可能性について理解を促した。

■顧客接点と製造バックヤードをDXで結ぶ
 DX-PLATは、基幹業務システム(MIS)、受発注システム(JSP)、生産管理システム(JWS)の3つから構成される。従来、電話・ファックス・メール等で人為的に行っていた見積りや受発注の作業をデジタル化・見える化し、需給・稼働状況に応じた価格決定システムと連動させることで業務を効率化する。同時に、生産データはJDFフォーマットで一元管理し、最適な生産機に振り分ける。MISとの接続により生産データはリアルタイムでの把握や自動集計・分析が可能なため、経営改善に役立てることができる。
 全印工連ではDX-PLATを、共通の目的(売上拡大、合理化、設備の相互補完、等)を持つ企業グループ間で運用することで、設備過剰による過当競争と営業利益の低下という印刷業界が構造的に抱える長年の課題の解決を目指す。その基本コンセプトは、高付加価値の印刷関連サービスに特化したソリューションプロバイダー、そして製造設備と高効率生産に特化したファクトリーをDXで結びつけ、それぞれの強みを最大限に発揮しながら、最適な棲み分けを図ることにある。
 重要なのは、単なる生産調整や生産合理化にとどまらず、DXにより新たな仕事を獲得することだ。既存の印刷物は今後も確実に受注数量が減少していくと予想される。仕事が減った分をカバーしなければ業界は衰退し、また、カバーするだけでなく新しい市場を開拓しなければ成長はない。
 瀬田委員長のプレゼンテーションにおけるポイントは、「新たな顧客接点づくり」であり、接点をつくるための「ストアフロント」の開設だ。DX-PLATと商品販売・サービス窓口にあたるストアフロントを直結させることで、一般ユーザーやクライアント、ブランドオーナーからの受注の流れをネット上に築くことができる。1社では受注対応が難しくても、複数の企業が強みを持ち寄ることで対応が可能になる。
 しかも、顧客の要望に応じられるファクトリーは全国に存在すると考えられるため、DX-PLATを通じて連携し、ネットワークを拡大していけば、小規模の印刷会社でもストアフロントからの受注を大規模に展開できる可能性がある。
 瀬田委員長はビジネスモデルの例として、生活やビジネスの具体的なシーンに必要な専門グッズのショップ開設、ネット通販にはない特殊製品に絞ったプロユースショップの開設、全国各地の事情に合わせたブランドオーナー向けの販促ツール製作ストアフロントなどを挙げ、中小印刷会社の共創ネットワークによる市場開拓の可能性を示した。そこには、ファクトリー同士の協業によるコスト競争力や製品バリエーションを売りにした専門ストアフロントも含まれる。
 アマゾンや楽天などの大型ショッピングモールとは異なり、専門特化したショップならではの強みを発揮することにDX-PLATは向いている。
 また、顧客データの蓄積によりビッグデータを手にすることになり、それを活用したマーケティング展開、システムの柔軟な改良が可能になる。
 受注産業と位置づけられてきた印刷産業が、自ら前線に進出し、新たな収益源の獲得に乗り出す時代がやってきた。多くの独創的なアイデアの活用で、DXによる業界全体の変革が期待できる。

2月7日に開かれた産業戦略デザイン室















【印刷新報2023年2月23日付掲載】
その他掲載記事
・特集 輪転システム
・改正PRTR法、4月施行
・リコー 新社長に大山晃氏

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2023年2月16日付
全印工連 第16回MUDコンペ
経済産業大臣賞など表彰式
MUD先進県「静岡」が活躍


 全日本印刷工業組合連合会が主催する第16回メディア・ユニバーサルデザインコンペティションの表彰式が2月1日に東京・池袋のサンシャインシティワールドインポートマート会議室で行われ、経済産業大臣賞と優秀賞の受賞者が出席した。
 初めに全印工連の滝澤光正会長が「われわれには誰にでも等しく情報を伝える役割があると、長くメディア・ユニバーサルデザイン(MUD)の活動を続けてきた。かなり業界内外に知られてきたが、まだまだと感じている。こうしたコンペティションがなくてもMUDが普及することが理想だ。これからもMUDの考えを心に置いていただき、一緒に広めていきたい」とあいさつした。
 続いて表彰式に移り、経済産業大臣賞を受賞した松本印刷(静岡県榛原郡)の池野絵美さん・岡野良哉さん、専門学校浜松デザインカレッジ(静岡県浜松市)の山ア朱梨さんに対して、経済産業省コンテンツ産業課の目黒浩課長補佐から表彰状と記念品が渡された。優秀賞の受賞者には滝澤会長から授与された。
 協賛企業のリコージャパンから三浦克久PP事業部事業部長があいさつし、「当社は情報を正しく早く効率的に届ける製品をずっと提供してきた。まさにMUDの考え方であり、このコンペティションに賛同している。今後も受賞されたみなさんの作品を通じてMUDを社会に広げていきたい」と述べた。
 おわりに、コンペティションを主管している全印工連CSR推進委員会の浦久保康裕委員長が「デザインで世の中を良くし、人を救うことを実践するために、これからも活躍してください」と受賞者たちを励ました。
 今回は255点の応募作品の中から、経済産業大臣賞2点、優秀賞5点、佳作10点を選出。静岡県は、優秀賞における学生の部(3点)も独占した。MUD先進県としての意識とレベルの高さが窺われる。

■商品化も期待される「色覚多様見本帳」
 一般の部で経済産業大臣賞を受賞した松本印刷の『伝える おくすり手帳のしおり』は、薬局で薬剤師に知ってほしい情報をサポートする。大きな文字とピクトグラムでわかりやすく色分けしたステッカー等をセットにし、必要な情報の伝達が難しい人たちに便利なものとなっている。「妊娠中」「アレルギーがあります」「副作用歴あります」などの言葉を日本語と英語で表記した。
 審査委員からは「高齢者が増えている社会的背景を踏まえ、くすりの飲み合わせ以外の補足情報をステッカーで対応できるのがすばらしい。この手帳を持参することで、いろいろな障がいのバリアを意識せずにコミュニケーションがとれる可能性がある」と評価された。
 学生の部で経済産業大臣賞を受賞した山アさんの作品『色覚多様見本帳』は、デザイン制作の際に、一般的な色彩だけでなく、色覚多様性の人にも伝わるように意識し、デザインできる色見本帳。一般の見本帳と同じく扇子のように開ける。
 誰でもひと目で色覚多様の色がわかる"ありそうでなかった"ツールを形にした行動力が高く評価された。審査委員からは、デジタルでなく、見本帳にすることですぐに比較できる点や、情報を共有できること、教育ツールとしての可能性が感じられることなど多くの意見や感想が出た。今後の商品化も期待された。

学生の部で大臣賞に輝いた「色覚多様見本帳」















【印刷新報2023年2月16日付掲載】
その他掲載記事
・特集 印青連20周年
・日蒙印刷業界がシンポジウム
・page2023 「創注」支援の提案で活気

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2023年2月2日付
改正安衛法、今年4月施行
ばく露防止対策が義務化


 日本印刷産業連合会・グリーンプリンティング認定事務局は、労働安全衛生セミナー「新たな化学物質管理規制の導入による法改正とその対応」を1月30日にオンラインで開催した。
 自律的化学物質管理を主題に、圓藤吟史氏(中央労働災害防止協会 大阪労働衛生総合センター所長、大阪市立大学名誉教授)が講演し、具体的な法改正の内容と印刷事業者の対応について説明した。

 ■来年4月施行と2段階で管理規制強化
 化学物質による災害状況をみると、法規制の対象外の物質に起因するものが約8割を占めている。こうした状況を踏まえ、従来規制対象となっていない物質への管理規制強化を図るとの方針が厚生労働省から出された。2023年4月から施行される労働安全衛生法の改正では、これまで以上に事業者の主体的な取組みを求める制度が導入される。化学物質を取り扱う印刷事業者は早急な対応が必要になる。
 労働安全衛生法は、2005年改正で「化学物質の危険有害性情報などの伝達」が義務化、2014年改正で「事業場での化学物質リスクアセスメントの実施」が義務化された。
 今回、2023年4月1日施行の改正では、次のような規制強化が行われ、措置義務対象が大幅に拡大する。
・「人体に及ぼす作用」の定期確認及び更新
・事業場内別容器保管時の措置の強化
・リスクアセスメント結果等に係る記録の作成保存
・ばく露を最小限度にすること
・ばく露低減措置等の意見聴取、記録作成・保存
・がん原性物質の作業記録の保存
・化学物質への直接接触の防止
・衛生委員会付議事項の追加
・化学物質によるがんの把握強化
 さらに、2024年4月1日には次の内容が施行される。
・化学物質管理者、保護具着用責任者の選任義務化
・雇入れ時等教育の拡充
・通知事項の追加及び含有率表示の適正化
・化学物質労災発生事業場等への監督署長による指示
・ばく露をばく露管理値以下にすること
・リスクアセスメント等に基づく健康診断の実施・記録作成等
・化学物質への直接接触の防止(健康障害を起こすおそれのある物質関係)
・第三管理区分事業場の措置強化
 措置義務は増えるが、国が定めた管理基準を達成する手段は、有害性情報に基づくリスクアセスメントにより事業者が自ら選択可能な、自律的な管理を基軸とする規制の仕組みに変わる。
 また、化学物質の譲渡提供時の表示(ラベル表示)・文書(SDS)交付等による通知の義務対象物質も毎年追加され、近い将来約2900物質となる見込み。有害性に関する情報量は大幅に増える。
 化学物質を扱う事業者には、「皮膚への刺激性・腐食性・皮膚吸収による健康影響のおそれがないことが明らかな物質以外の全ての物質について、保護眼鏡、保護手袋、保護衣等の使用義務」が生じることになる。
 労働者がリスクアセスメント対象物にばく露される濃度の低減措置については、労働安全衛生規則で次のことが定められている。
・代替物等を使用する(毒性の低い化学物質への切替え)
・発散源を密閉する設備、局所排気装置または全体換気装置を設置し、稼働する
・作業の方法を改善する
・有効な呼吸用保護具を使用する
 このうち、代替物の使用について講師の圓藤氏は「法令で規制されていない物質だから毒性が低いとは言えない。安易な切替えは危険で、必ず専門家に相談してほしい」とアドバイスする。
 また、保護具の着用も簡単にはいかないことを指摘し、例として髭を生やした人やマスク着用時の使用などを挙げ、適切な保護具を選ぶように注意を促した。
 労働者の意見聴取、記録作成・保存では、措置の内容と労働者のばく露の状況について、労働者の意見を聴く機会を設け、記録を作成し、3年間保存しなければならない。ただし、がん原性(発がん性)のある物質として厚生労働大臣が定めるものは30年間の記録保存が義務となる。
 2024年4月から義務化される化学物質管理者の選任は、印刷会社等では選任者を決めるにあたって資格要件はないが、専門的講習(12時間)の修了者と同等の知識を有することが求められ、受講が推奨される。中災防でも2023年度から専門的講習の実施を本格化させる予定。














【印刷新報2023年2月2日付掲載】
その他掲載記事
・アングル 「進化思考」でイノベーションを生む 
・ぶんぱく(文京博覧会) 印刷関連中心に
・2022年の出版市場(紙+電子)は2.6%減

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2023年1月26日付
製紙連 2023年紙・板紙内需見通し
印刷・情報用紙は前年比7.2%減
2019年比では26.4%減の水準


 日本製紙連合会は1月20日、「2023年 紙・板紙内需見通し報告」を発表した。紙が前年比5.0%減、板紙が同0.7%増、紙・板紙合計では同2.1%減(2019年比では11.0%減)。
印刷・情報用紙は前年比7.2%減だが、2019年比では26.4%減となる。ウィズコロナの浸透による経済活動の正常化で持ち直しはあるものの、デジタル化や人口減少といった構造的な要因に加えて、需要家のコスト削減姿勢が依然強いことなどから厳しい見通しとなった。
※内需量=国内出荷量+輸入量+流通在庫量の前年比増減量
                 ◇
 製紙連では、2023年の内需のプラス要因として、景気の緩やかな回復基調、インバウンド需要の回復、ネット通販などECの拡大、脱プラ・減プラによる紙化の動きなどを挙げる一方、人口減少と少子高齢化、デジタル化の加速、包装様式の変化(省包装/簡易包装化等)、景気下振れリスクなどのマイナス要因を想定した。
 紙・板紙の内需は、コロナ禍の影響を受けた2020年に前年比9.5%減と、リーマン・ショック直後の2009年(9.2%減)を上回るマイナス幅を記録、2021年は1.6%増と11年ぶりのプラスとなったものの、コロナ禍前を大きく下回る水準にとどまった。
 2022年は、パッケージング用紙や衛生用紙は前年を上回ったものの、グラフィック用紙の不振が響き、紙・板紙計では1.0%減となった。
 2023年の紙・板紙の内需見通しは前年比2.1%減。板紙は、ライナー、中芯原紙、段ボール原紙、白板紙、紙器用板紙いずれも0.6〜0.7%増の見通しだが、紙に関しては、包装用紙(0.3%増)、衛生用紙(1.0%増)を除くと、新聞用紙、塗工印刷用紙、非塗工印刷用紙とも前年比8.0%減と極めて厳しい見通し。情報用紙は5.0%減を見込む。
 印刷・情報用紙の品種別の2023年の見通しは次のとおり。
■塗工印刷用紙
 景気は経済活動の正常化で持ち直しつつあり、広告市場全体としては若干の増加が期待されるものの、紙媒体にとっては厳しい状況が続く。デジタル化や人口減少といった構造的な要因に加えて、企業のコスト削減姿勢が強いことから販促費は抑制され、カタログ、チラシ、パンフレット等の発行回数や部数の減少、判型縮小などが加速すると見られる。ワールド・ベースボール・クラシック開催等のイベントによる内需の押し上げ効果は、ごくわずかと予想。
 前年比8.0%減が見込まれ、2019年比では30.7%減。過去のピークだった2006年に対しては4割の水準。
■非塗工印刷用紙
 上級印刷紙は、チラシや目論見書・取扱説明書、学習参考書など、用途は広範囲に及び、汎用性は高いものの、構造的な要因に加えて物価高の影響を受け、需要家のコストダウン強化による使用量削減が加速すると見られる。中・下級印刷紙は、主たる需要先である出版業界を取り巻く環境が依然厳しく、部数の減少が続く。コミックスではアプリやWebからのヒットも期待されるが、全体としては、電子化の加速による情報源や娯楽の多様化などにより、雑誌を中心に引き続き不振が予想される。
前年比8.0%減が見込まれ、2019年比では24.6%減。過去のピークだった1991年に対しては3割強の水準。
■情報用紙
 PPC用紙は在宅勤務やWeb会議の定着に加えて、企業や個人のコストダウン強化により、使用量削減が加速すると見られる。フォーム用紙は、DM向けは需要の広がりが期待できるものの、全体としては、デジタル化の進展により減少。複写原紙は、ペーパーレス化などにより減少。一方、感熱紙原紙は、人流回復・インバウンド増により、レシート用途等で回復が期待されるほか、通販向け配送ラベル用途の増加などにより、需要は引き続き底堅く推移すると予想。
 前年比5.0%減が見込まれ、2019年比では18.4%減。過去のピークだった2008年に対しては7割強の水準。













【印刷新報2023年1月26日付掲載】
その他掲載記事
・特集 page2023
・東印工組 新春の集いに400名超
・「10年後の紙とくらし」展
 5社が未来のパッケージの日常を提案

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2023年1月12日付
加藤文明社
千葉商科大生が見学と実習
未来のデザイナーに「学びの場」


 クリエイターとともにアイデアやプロダクトを形にしていく加藤文明社(加藤文男社長、東京都千代田区)のコラボレーションスペース「atelier gray(アトリエグレー)」では、学生たちを受け入れ、ものづくりの学びの場を提供している。
 12月9日には、千葉商科大学政策情報学部のエディトリアルデザインを専攻する学生20名を対象に工場見学会と紙製ファイルをつくるワークショップを行った。当日は同大で映像制作を学ぶ学生も参加し、その模様を自ら撮影しオンライン番組の同時配信も行った。
 工場(新宿生産センター)見学会では、普段はなかなか見る機会がないオフセット印刷機や折りや抜きの製本設備などを見て回り、印刷の基礎知識や本ができるまでの一連の流れを学んだ。
 また、「紙を通して企業の社会活動を学ぶ」をテーマに、「お〜 いお茶」などの飲料製造時に排出される茶殻を利活用した「茶殻混抄紙」の企画・開発に携わった伊藤園の特販営業本部特販部専任部長の魚谷昭彦氏と北越コーポレーションの洋紙・白板紙事業本部卸商部卸商担当課長の細見忠史氏を講師に招いてセミナーを行った。
 茶殻混抄紙は、不要になった茶殻を、パルプに混ぜ合わせてアップサイクルした環境紙。お茶に含まれるカテキンによる抗菌・消臭効果もある。
 伊藤園では、年間で東京ドーム約1杯分の茶殻が廃棄されるという。同社では茶殻を使った紙のほか、建材や樹脂によるさまざまな茶殻リサイクル製品を提案している。
 茶殻混抄紙は、同社の名刺をはじめとする紙製品関係や企業レポートなどに使っており、外販で利用を広げる取組みにも力を入れている。
 茶殻混抄紙について、伊藤園の魚谷氏は「企業による環境へのPR、SDGsやCSR活動として、実際に商品化することで、お客様に伝わりやすい」とアピールした。
 ワークショップでは、この茶殻混抄紙に、学生たちがそれぞれ事前に描いてきたデザインを枚葉インクジェット機で印刷し、オリジナルの紙ファイルを製作した。
 加藤文明社営業統括本部営業部PD課課長代理・atelier grayプリンティングディレクターの平井彰氏は「今回の千葉商科大学さんによるデザインと映像・配信の2つの実地研修ができるハイブリッド授業は好評で、今回が3回目になる。未来のデザイナーの方々に印刷への興味や関心を持ってもらう機会になればうれしい。今後も継続していきたい」と話している。

ワークショップでは紙ファイルを作成した













【印刷新報2023年1月12日付掲載】
その他掲載記事
・特集 光文堂新春機材展 PRINT DOORS 2023
・日印産連 新年交歓会に450名
・大日本、凸版、共同社員向け年頭あいさつ

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2023年1月1日付
信陽堂印刷所(長野)
聴覚障害者用グッズを商品化
生活課題を解決、災害時にも有効


 信陽堂印刷所(有賀雅和社長、長野県塩尻市)は、聴覚障害者が生活で身に付ける自動車用ステッカー、バッグ用チャーム、缶バッジの3種類を商品化し、2022年12月に一般向け販売を開始した。

3商品4種類のグッズを販売

 日本国内では、新型コロナウイルス感染拡大防止のためマスクの着用が常態化しているが、聴覚障害を持つ人にとっては、相手にマスクを着用されることで口の動きが読めなくなり、コミュニケーションの取りづらい環境となった。
 また、自動車を運転している際にクラクションを鳴らされても聞こえが悪いため、あおり運転につながってしまうケースや、平衡感覚の弱さから、ふらつきにより周囲と体が当たってしまい怪訝な顔をされるなど、トラブルになるケースもある。
 信陽堂印刷所では、このような生活課題を解決したいという聴覚障害を持つ男性からの相談をきっかけに、共同で商品開発を行った。日常、課題に感じている場面で利用できるように、自動車に貼るステッカー、バッグにつけるチャーム、衣服や帽子につける缶バッジの3種類を製作した。
 さらに、これらを社会に広げていくため、商品の販売を開始した。現在は発注を受けてからの製造となるが、今後、長期的な取組みとして販売方法を考えていく。

■有賀社長の話
 聴覚障害を持つ方は、2008年より自動車に「聴覚障害者標識」の表示が義務化されたが、この自動車用ステッカーに描かれている黄色い蝶のマークの認知度が低く、ステッカーを貼っていても周囲の運転手に自分の聴覚が弱いことに気づいてもらえないと聞いていた。そんな折、当社のある塩尻市が2022年4月に長野県で3番目に手話言語条例を制定したこともあり、聴覚障害者の方の役に立ちたいと考え、商品開発に至った。見て気づいてもらいやすいようにイラストや色を意識し、文章表現もいろいろ検討した。
 本商品は、聴覚障害を持つ方の生活課題を改善するだけでなく、災害時においても大きな効果を発揮すると考えている。聴覚障害を持つ方は見た目では判断することが難しいので、音声による情報が伝わらないことを周囲が認識しにくい。その結果、指示が聞こえないことで集団行動が上手くできず、場合によっては逃げ遅れてしまうことも考えられる。本商品を身に付けていれば障害について知らせることができ、災害時でも周囲が理解ある行動や対応をしやすくなる。
 コロナ禍で生活が一層不便になった聴覚障害者の方の課題を少しでも解消できればと考えている。

【商品概要】
◇自動車用ステッカー(強粘剥離タイプ)
サイズ125o×125o、定価720円(税別)
◇バッグ用チャーム
 サイズ85×70o、定価1,200円(税別)
◇缶バッジ
 サイズ45o、定価320円(税別)
※いずれの商品も聴覚障害の種類により、「補聴(緑)」、「左耳が聞こえにくいです(青)」、「右耳が聞こえにくいです(赤)」、「声が聞こえにくいです(黄)」の4種(4色)を展開。

■(有)信陽堂印刷所
 昭和42年設立。長野県塩尻市で50年以上にわたり一般商業印刷や特殊印刷等の印刷加工事業を行っている。従業員数は5名。法人から個人客までのさまざまなニーズに応え、アイデアや想いを形にし、広く社会に貢献している。2020年には、第4期長野県SDGs推進企業登録制度に登録し、塩尻市内の高等学校との商品企画の実施や、エシカル名刺の作成等も行っている。電話0263-52-0136。












【印刷新報2023年1月1日付掲載】
その他掲載記事
 新年特集号
・体験の価値を再発見
・IGAS2022レポート
 印刷の現在と未来をキーワードから読み解く
・各団体、企業年頭所感「DXを捉える」

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2022年12月22日付
【2022年の10大ニュース】
世界の動向が業界にも直結
多くの課題を引き継ぎ越年


 本紙が選んだ 【2022年の10大ニュース】
1. 止まらない資材・エネルギー価格高騰、価格転嫁が課題に
2. 日印産連、「2050年カーボンニュートラル宣言」公表
3. IGAS2022開催、メーカー間連携がさらに進捗
4. 全印工連、ジャグラなどDX事業を本格スタート
5. SDGsに着目する印刷会社が急増、ビジネスとのつながりが具体化
6. メタバースビジネス、大手印刷会社を中心に加速
7. コロナ禍が3年目、関連倒産が増える
8. 出版流通改革へ丸紅と出版大手3社が新会社設立、書籍へのICタグ装着を予定
9. SR調達の推進に向け全印工連がイベント開催、自治体等に訴求
10.カラー標準化のG7認証、JPAが国内初の認証機関に

 中国のゼロコロナ政策やウクライナ侵攻の長期化により、世界経済の停滞が長引き、資源エネルギー価格の高騰が続いている。日本の産業、そして印刷業界にまで、部材・部品、資源、エネルギーの供給難として影響し、かつてない価格上昇を引き起こしている。
 グローバル経済はヒト・モノ・カネ・情報の流動性を高め、成長発展をもたらしたが、一方で、疫病の蔓延やサプライチェーンの分断、気候変動など負の側面を増大させた。リスクは世界全体で共有されるものとなった。日本の印刷業界も世界の動きに連なり、影響が直結する状況に変わってきている。新たなリスクへの備えが必要だ。
 また、課題解決も世界共通の性質を帯び、そのためにSDGsが生まれた。SDGsを達成するアイデア、ノウハウ、製品や技術、人材を提供することは、日本のみにとどまらず、世界中の社会や市場に貢献できるチャンスにもなる。正負いずれにおいても、グローバルな思考で捉えるべき時代となった。
               ◇
 2022年、印刷業界が最も意識せざるを得なかった問題は、3年目に入ったコロナ禍もさることながら、やはり資材・エネルギー価格の高騰だろう。省資源・省エネによるコスト削減、代替製品の検討、そして、コストアップ分をいかに価格転嫁できるか、多くの企業が模索し続けた。
 日本印刷産業連合会は、9月14日の日本経済新聞・朝刊に関連10団体と連名で意見広告を掲載した。印刷業界として価格転嫁への理解を求めるとともに、価格を超える価値を提供する「高付加価値コミュニケーションサービス産業」を目指し取り組んでいることを伝えた。
 「9月 印刷の月」記念式典では、日印産連の北島義斉会長が「会員企業の皆様には取引先との交渉を粘り強く進め、品質やサービスの向上に努めて印刷産業への理解につなげていただきたい」と述べた。
 また、日印産連は「下請適正取引の推進に向けた自主行動計画」を3月に公表。8月以降、印刷業における下請ガイドライン改訂に向けたワーキンググループ作業も開始した。
 脱プラスチック・脱炭素に向けた動きもさらに高まった。日印産連は、「2050年カーボンニュートラル宣言」を3月31日に公表し、印刷産業の具体的な取組みを示すと同時に、2030年度のCO2排出量と削減率の目標を設定した。
 6月には、SDGsへの理解促進と導入を支援するポータルサイトを開設。9月から10団体会員企業に向けたSDGs講習会を開始した。
 SDGsへの取組みは、企業規模の大小にかかわらず広がっている。社会的責任を果たすだけでなく、差別化戦略の一環とする積極的な動きが見られる。価格競争から脱却するためにも重要な視点となる。
 全日本印刷工業組合連合会は、2月にCSRシンポジウムを和歌山市で、9月にCSRサミットを名古屋市で、行政関係者や一般来場者も交えて開催。「SR調達」の重要性とその導入を行政に訴えた。また、東京都は4月から最低制限価格制度を入札に導入した。
 政府の緊急融資が一段落し、借入金の返済も始まり出したことから、印刷関連会社のコロナ関連倒産が増えている。資金繰りだけでは限界があり、やはり業態変革、新市場開拓などが不可欠となる。
 全印工連、ジャグラは相次いでDX事業を本格スタートした。全印工連が10月から組合員に提供を始めたDXプラットフォームシステム「DX-PLAT」の運用では、より付加価値の高い営業に特化する会社、製造に特化する会社の連携により、過当競争に歯止めをかけ、新たな価値創造に向けた反転攻勢に挑む。
 11月に開催されたIGAS2022では、各工程にわたるメーカー間連携が際立ち、工程統合管理による印刷業の新時代の幕が開けた。デジタルワークフローの運用が差別化の鍵を握る。
 将来的な有望市場としてメタバース関連も今年は注目された。凸版印刷は4月から、ビジネス向けのサービス基盤「ミラバース」の展開を開始。2025年度に、関連受注を含めて100億円の売上を目指す。中堅印刷会社でも新ビジネスの模索が始まっていくと予想される。












【印刷新報2022年12月22日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連 産業戦略デザイン室 DXの収益モデル検討
・印刷関連8社 「日本サステナブル印刷協会」設立
・育英グラフィックの会 G7認証の理解深める

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2022年12月15日付
JAGAT大会2022
“創注”目指すDXを考える
page2023で深掘り提案


 日本印刷技術協会(JAGAT)は11月30日、JAGAT大会2022を東京の本部スタジオからの配信によりオンライン形式で開催した。「創注」につなげるためのDX(デジタルトランスフォーメーション)への取組み、デジタルとフィジカル(現場力)の融合などを取り上げ、明日からの経営にヒントを提供した。

講師の亀卦川氏

 JAGATでは、今回議論した内容をさらに深掘りし、2月1日〜3日に開催する「page2023」で提案する。Page2023の全体テーマも「創注」となる。
 JAGAT大会では、基調講演として亀卦川(きけがわ)篤氏が印刷ビジネスとDXについて語った。亀卦川氏は凸版印刷で31年間にわたり、日本初のインターネット企業サイトや電子チラシサービスの立上げなど、販促プロモーションや新事業開発に携わり、今年4月からHabitat株式会社取締役、クロス・アンブレラ代表としてベンチャー企業支援などを行っている。
 講演では、日本企業が抱えるDXにまつわる課題を指摘したうえで、「DXとはBT(ビジネストランスフォーメーション:ビジネス変革)のための手段・道具にすぎない。デジタル化が最優先なのではなく、社員が失敗を恐れず安心して変革に挑戦できる環境づくりや、全員で変革の目的を共有できる体制づくりが重要だ」と述べた。
 また、印刷会社の現場力は確かに強いと評価したうえで、「印刷業界は『受注』という言葉に強く縛られて、得意先第一という名目があるために変わることができない。発想を転換し、『創注(自社の価値を創り出し得意先に利用を促す)』を目指す"攻めのDX"が必要だ」と強調した。
 亀卦川氏は、印刷業界が変革するための具体的な切り口(チャンス)として次の8つを挙げた。
・プロダクトアウト→マーケットイン
・マス→ニッチ
・単発→継続
・同業種連携→異業種共創
・カスタマイズ→オリジナル
・フロー→ストック
・無償→有償
・表現→オンライン接続
 社会課題の解決からニーズを捉えていく発想を持つ/印刷物を納めて終わりではなくノウハウを蓄積して「仕組み」でお客と付き合う/同質化ではなく差別化志向を強める/正しく美しく作るだけでなく「つながる」効果を考える、など印刷会社が今後採るべき戦略を問いかけた。
 また、亀卦川氏とのやり取りの中でJAGATの郡司専務理事は「いくらデジタル化、見える化、スマートファクトリーだと言っても、注文がなければ何もできない。中小印刷会社も、仕事のサービス化やマーケティングとの連動、適材適所の人材採用で創注に向かっていきたい」と考えを述べた。
 このほか、JAGATの各エキスパートからも経営戦略、DXワークフロー、人材教育などをテーマに発表が行われた。












【印刷新報2022年12月15日付掲載】
その他掲載記事
・全日シール IGAS大会に270名 「協創」テーマに
・新潟県印工組 新理事長に遠山亮氏
・製本用JDFエディターを共同開発
 あけぼの/ミューラー・マルティニジャパン

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2022年12月08日付
モリサワ、写研書体の改刻で進捗報告
2024年に3書体をリリース予定


 モリサワ(森澤彰彦社長、本社・大阪市浪速区)は、写研書体の開発プロジェクトにおいて、写研(笠原義隆社長、本社・東京都豊島区)の代表的な書体である「石井明朝 ニュースタイル大がな(NKL)」「石井明朝 オールドスタイル大がな(OKL)」「石井ゴシック」をOpenTypeフォントとして改刻し、2024年にリリースすると発表した。クラウド型のフォントサービス「Morisawa Fonts」のスタンダードプランとして提供する予定。その他の写研書体に関する開発についても決定次第発表される。
 11月24日にはIGAS2022の同社ブース内で、プロジェクトに関わるタイプデザイナーによる特別セミナーが行われ、開発にかける思いと進捗状況について語った。

開発プロジェクトに携わる(左から)伊藤氏、鳥海氏、原野氏

■2024年は写植機発明100周年
 開発プロジェクトは、石井書体を保有する写研と、モリサワおよびそのグループ会社である字游工房のタイプデザイナーが参加する3社共同の取組み。全体監修は、写研出身で現在は字游工房の書体設計士である鳥海修氏が務めている。
 石井書体は、写研の創業者である石井茂吉氏が開発し、写研の写真植字機および専用のシステムを通じて、印刷書体として広く親しまれてきた。特に石井明朝は、筆書きのニュアンスを残した伸びやかで柔らかく上品なイメージが特徴で、当時全盛だった多色刷りのカラー雑誌の本文などに積極的に採用された。DTPが主流になった現在においても、デジタルフォント化を希望する声が絶えない。
 改刻が予定されているOpenTypeフォントの石井明朝ファミリー、石井ゴシックファミリーは、かつての上品で精微な美しさはそのままに、現代のDTPやオンスクリーン環境に最適化したリデザインにより、さらに洗練された印象の書体に生まれ変わる。
 写研では「当社の書体が、写植機発明100周年である2024年にリニューアルされる運びとなり、大変感慨深い。当社のシステムでの利用に限定されていた石井書体だが、このリリースを機により多くの皆様に幅広くご利用いただきたい」とコメントしている。
■独自の魅力を残しつつ洗練された書体に
 IGASモリサワブースにおけるセミナーには、字游工房から鳥海修氏とタイプデザイナーの伊藤親雄氏、モリサワからタイプデザイナーの原野佳純氏が登壇した。
 1979年に写研に入社し、書体開発に携わった鳥海氏は「このまま使われなくなるおそれもあった写研書体が、モリサワとの提携で利用できるようになり素直に嬉しい。活字文化の点でも歴史的な意味を持つ。写研書体改刻の私のスタンスは"継承"。良いところは残しながら、調整が必要な部分は変えていく。写研書体を知らない若い世代にも愛される書体となるように、今の時代に合わせて良さを残せたら幸いだ」と話した。
 伊藤氏は「現在のデジタルフォントにはない手書きベースならではの魅力が写研書体にはある。写植ブーム再来で盛り上がってほしい」と話す。
 また、原野氏も「プロジェクトに携わることで、温かみのある石井書体の良さを改めて見直した」と思いを述べた。












【印刷新報2022年12月8日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2022 5日間で3万3,000人が来場
・フォーム工連 業界の現状と課題 調査報告会開催
・全日スクリーン・デジタル印刷協組 創立50周年を祝う

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2022年11月24日付
日本WPA
「Ecoカルタ」をリニューアル
環境へのより深い理解を


 一般社団法人日本WPA(奥継雄会長)はこのほど、子ども向けの環境カルタ「Eco(エコ)カルタ」のリニューアル版を制作した。読み札の内容への理解を深めるために、丁寧な注釈をつけた説明書を同梱し、保護者や年長者が、年少者への説明の材料や資料として活用できる。また、それぞれの読み札に関連するSDGsのゴールのアイコンを掲載して一目でわかるよう工夫を凝らしている。今まで以上に幅広い層で活用されることが期待される。

リニューアルした「Ecoカルタ」

 日本WPAでは、2016年に「未来の環境を担う子ども」向けの環境カルタとして「Ecoカルタ」を独自に制作した。
 その後、日本WPAの会員を通じて地域の教育委員会、自治会、学童保育(児童クラブ)などでの環境活動のために幅広く寄付を行い、合計4,000部近く重版してきた。
 また、エコプロ展や脱炭素チャレンジカップ等のイベントでの活用も進め、「カルタ」を通じて環境意識の向上に寄与してきた。
 このたびの改訂版は、昨今のSDGsへの関心の高まりを受け、環境問題や気候変動問題に対してより深い理解が深まるようリニューアルしたもの。
 制作にあたり、公益財団法人日本環境協会の協力を得たほか、新しい試みとして、リニューアルした読み札の一部を、日本環境協会が運営する「こどもエコクラブ(http://www.j-ecoclub.jp/)」からの応募で決定した。
 環境活動に活用を希望する場合は、日本WPA事務局(https://www.waterless.jp/inquiry/)まで連絡を。
 なお、読み札・取り札およびパッケージの印刷は、水も空気も汚さない「水なしLEDUV印刷」で製作されている。











【印刷新報2022年11月24日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2022、開幕 フレキソ・ジャパン2022も同時に
・ジャグラ全国協議会 DXの進捗状況を共有
・第25回 自費出版文化賞 表彰式 入賞74名を称える

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日本製本紙工新聞 2022年11月20日付
早和製本(京都市)
御朱印帳で次々にコラボレーション
菓子のデザイン、大胆に採用


 早和製本(津岡正男社長、京都市南区、従業員15名)は、蛇腹和紙で持つ強みを活かしたオリジナル御朱印帳の製作・販売で独自の展開を図っている。企業や公共施設とのコラボレーションによる商品開発をさらに活発化させ、「SOWALABO(登録商標)」のブランド力を高めることに成功した。

10月に発売したカルビーとのコラボ商品

■京都市のふるさと納税返礼品にも採用
 早和製本は、3年前に「御朱印帳 蛇腹和紙」が2019年度超モノづくり部品大賞〈生活関連部門〉を受賞した。日本モノづくり会議と日刊工業新聞社が主催するもので、審査委員からは「日本古来の伝統工芸品を工業製品に仕上げた。一挙に用途が広がる可能性がある。日本的なモノづくりの原点として評価できる」と評された。工業系の製品が主な受賞対象だったが、製本会社として初の受賞となった。
 同社はもともと、ケース入りの蛇腹和紙連続用紙を販売していたが、特殊加工の和紙を使用し、「墨が浸透しすぎず裏面に染み出ない」工夫を施したことで、御朱印帳への応用が広がった。
 2021年12月には、京都市のふるさと納税返礼品に同社の京都西陣織御朱印帳(8種)が選ばれ、楽天市場、ふるなびでも取り扱われている。  販売展開で特徴的なのは、菓子メーカーを中心とした企業とのコラボレーションだ。カルビーとは「じゃがりこ」「ポテトチップス」の商品パッケージをそのままデザインに使った御朱印帳(各3種類)を開発。今年10月20日からネットショップ(https://sowalabo.shopselect.net/)などで販売し、全国から反響がある。価格は1冊990円(税込)。各種セット販売も行っている。本文は蛇腹仕様で、通常48頁を16頁に減らしてコンパクトな造りとした。
 そのほか、セイカ食品の「ボンタンアメ」、オリオンの「ココア シガレット」など、ロングセラー菓子のパッケージを御朱印帳にするなど、展開を広げている。伝統的な菓子と製本様式の相性の良さが感じられる。
 11月15日、坂本龍馬の生誕記念日に発売したばかりの製品は「坂本龍馬御朱印帳 SOWALABO」。高知県立坂本龍馬記念館から肖像写真(立位像)と、田中良助宛の借用証文(書簡)の画像を借り、直筆署名の「坂本龍馬」の文字をそのまま忠実に復刻した。
 蛇腹加工製本で48面タイプ。表紙は京都西陣織(税込3300円)、鉄紺色(同1650円)、柿渋色(同1650円)の3種があり、京都西陣織(膨らし加工)は唐織龍織+金糸刺繍の龍馬、鉄紺色、柿渋色はコート紙+カラー印刷+艶消PP貼+金箔の龍馬となっている。京都西陣織のみ立位像のシール1枚が付録する。
 同社では「全国に点在する龍馬ゆかりの神社仏閣、龍馬が駆け抜けた史跡巡礼へ龍馬と共に日本中を巡っていただきたい」と販促している。
 早和製本は1953年に昭栄堂製本として創業。1989年に野崎印刷紙業の完全子会社となった。人に役立つ面白い製品づくりを目指してSOWALABOブランドを立ち上げ、香り付き名入れ御朱印帳、ミシン目入りオリジナル折り鶴なども開発している。











【日本製本紙工新聞 2022年11月20日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2022 11月24日から開幕
・日宝綜合製本・岩坪社長が地元テレビに出演
・勝田製作所 60周年を機に新・中浜工場を竣工

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2022年11月10日付
太美工芸(名古屋市)
フリーランス活用で個人消費を開拓
アワードで審査員特別賞


 スクリーン印刷会社の太美工芸(野田哲也社長、名古屋市西区、従業員14名)は、11月1日に行われた「フリーランスパートナーシップアワード2022」で審査員特別賞を受賞した。
 同アワードは、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(平田麻莉代表理事、東京都中央区)が運営。「自律的なキャリアを築ける世の中」に向けて大きな役割を果たすフリーランスおよびフリーランス活用企業の成長・活躍を目的に、未来につながる好事例をフリーランスが選び、表彰するもので、今回が4回目。活用企業部門とエージェント部門で大賞と審査員特別賞各1社、計4社が選出された。
 活用企業部門で審査員特別賞を受賞した太美工芸は、1977年の創業以来、スクリーン印刷を核とした特殊印刷加工を強みに、ステッカー等の製造請負を手がけている。屋外で使用される耐候性に優れた業務用ステッカーの製作を得意とする。
 長年地場に根付いて仕事をしてきたが、コロナ禍で地場の市場が縮小し、従来の構造のままでは会社が立ち行かなくなるという危機感から、全国に販路を広げる試みの一環として一般消費者向けの商品の企画販売に取り組んだ。『人を助ける印刷屋さん』というネットショップを立ち上げ、世の中の役に立てる商品の製造・販売を行うショップ運営に挑戦した。B to Bの下請業務を主体としてきたため、それ以外のノウハウがなく、ゼロから手探り状態での取組みであった。
 そこで目を付けたのが外部人材の活用。スキルのある兼業・プロボノなどの外部人材にスポットで参画してもらい、自社の課題解決に協力を得ている。フルタイムで雇うほど仕事量はないが、自社だけでは難しい企画・広報の領域を、兼業人材がチームとなり担っている。
 自社の採用のあり方にも変化が生まれた。フルタイムの長期雇用を前提とした正社員採用しかしてこなかったが、リモート・業務委託という形を経験して以降、足りない領域にスポットで関わってもらう人材が増えた。現在では、企画・広報を担う兼業人材4名と、組織の教育に関わる1名と業務委託契約を結んでいる。
 こうした外部人材との協働は社員の刺激にもなり、モチベーションが向上し、仕事にスピード感が出ている。












【印刷新報2022年11月10日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2022特集 part2
・フレキソ・ジャパン2022特集
・全日スクリーン・デジタル印刷組合 50周年

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2022年10月27日付
印刷工業会/日印産連
男性社員が育休体験語る
中小企業の取得には課題あり


 印刷工業会女性活躍推進部会と日印産連ダイバーシティ推進部会は、男性社員の育児休業取得推進を目的とした無料オンラインセミナーを10月7日に開催し、100名以上が参加した。男性育休のコンサルタントとして活躍する広中秀俊氏(育Qドットコム(株)社長)の講演に続き、広中氏をファシリテーターとして、実際に育児休業を取得した経験のある印刷業界の男性社員4人が体験談などを語った。

育休経験者がアドバイス。男性の左端が広中氏

 今年4月から育児・介護休業法が改正され、特に10月から「産後パパ育休制度」が始まるなど、男性の子育て参加の広がりが期待される。女性活躍を推進する側面からも重要と考えられているが、実際には「職場に言い出しにくい」、「仕事を代われる人がいない」等の理由から低い取得率にとどまっている。
 広中氏は講演の中で、全国の男性社員の育児休業取得率は14%、期間は1ヵ月未満が7割、大部分は1週間程度という現状を紹介しながら、「取得していない社員で8割は取りたいと考えている。就活生の9割は男性の育児休業取得に賛成だが、経営者・役員になると賛成は74%、4人に1人は後ろ向きだ。特に中小企業では7割が反対している」と、会社の規模により余裕度に差がある点を課題として指摘した。
 広中氏は、最近の法改正や政策の具体的な内容に触れ、対応が必要であることを説明する一方、企業・社員・社会の三方よしの関係を築くことで、企業の価値向上を図れるメリットがあることへの理解を求めた。
 第2部では、育休を取得したことのある男性社員に広中氏がヒアリングする形で、体験談や感じた課題、これから取得する人へのアドバイスを語った。参加したのは、共同印刷、大日本印刷、電通プロモーションプラス、トッパン・フォームズから各1名。それぞれ2人の子供がいる。
 4氏とも、上司や部下の協力はほぼ得られ、育休が夫婦の相互理解や子供とのスキンシップを深めた点では共通していた。職場において取得を円滑にするポイントとしては次のような点が挙げられた。
・周囲の理解を得るため、早くから社内外に周知しておく
・仕事の引継ぎマニュアル作成、自宅での最低限のメール対応など、周囲の不安を解消することで支援を得やすくなる
・育休取得を良い機会として、属人化した業務の解消、部下に任せることによる業務範囲の広がりなど、仕事に前向きに活かすことを意識する
 また、「子供用品を買ったり、街でバリアフリーについて考えさせられるなど、今までにない経験が仕事にも活きた」という発言もあった。











【印刷新報2022年10月27日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連・GP環境大賞等表彰式
 小池都知事が業界の評価に感謝
・TOKYO PACK 2022 5万人を超える来場者
・全国印刷緑友会 埼玉大会 開催

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2022年10月20日付
全印工連CSRサミット2022
SDGsを経営に活かす
社会課題を自社の競争力に


 全日本印刷工業組合連合会(滝澤光正会長)は、「全印工連CSRサミット2022」を9月29日に名古屋市のウインクあいちで開催した。「SDGsを企業経営にいかに活かすか〜地域のありたい未来にしていくために」をテーマに基調講演、パネルディスカッション、分科会が開かれた。

一般来場者を交え145名が参加した

 全国の組合員のほか学生や一般参加者など145名が参加したCSRサミットでは、はじめに全印工連・CSR推進委員会の浦久保康裕委員長が一般参加者に向けて印刷業界におけるCSR活動について説明。「全印工連では環境に配慮したGP認定制度や環境推進工場の推進、メディア・ユニバーサルデザイン、個人情報保護のJPPSのほか、2013年より日本初の業界CSR認定制度を推進してきた。また、CSR認定制度にSDGsの17のターゲットを紐付けし、昨年より本格的に運用している」と紹介しながら、今回の開催趣旨について、「今後はこの活動を企業経営にどのように活かし、そして行政・企業の調達活動、いわゆるSR調達にどのように採用いただくかをテーマに委員会で取り組んでいる。われわれの取組みを企業と行政の調達に活かしていただき、三方よしの考えでわれわれ自身も進化していきたい」と述べた。
 続いて滝澤会長が登壇し、「印刷産業は行政機関はもとより地域の金融・教育・医療機関や商店などあらゆる産業の顧客に支えられてきた経緯がある。地域の皆様の理解なくして私たちの企業経営、事業継続はないと考えている。全印工連では10年前にCSR認定制度を立ち上げ、4,000社の組合員のうち138社が認定を取得。今後も認定社数は伸びていくと思われる。2015年には国連でSDGsが採択されたが、われわれのCSR認定項目はSDGsの目標にマッチする部分が多い。今後も地域の理解を得るために自社の活動を認定制度という『見える化』を通じて理解いただき、今後とも印刷産業を地域の皆様と発展させていきたい」と期待を語った。
 基調講演では、全印工連・CSR認定委員会の委員長を務める亀井善太郎氏(PHP総研主席研究員)が講師となり、SDGsを活かした企業経営のあり方やSR調達の現状などを紹介した。
 講演で亀井氏は、これからの企業戦略について「SDGsを上手く活かし、単なる価格競争でない差別化戦略が必要だ」と指摘しながら、従来のコスト戦略に起因する価格競争から脱却するために、差別化戦略に則った付加価値経営にシフトする必要性を説いた。
 その付加価値を創出するカギとして“社会課題”を挙げ、そこに専門的な技術やデザイン、データを組み合わせながら、地域や他社と連携して付加価値創出を図る「掛け算の経営」が必要であることを指摘した。
 また、社会課題を自社の競争力につなげるために、企画から調達、生産、販売などに係る自社のバリューチェーン全体に社会の視点を取り入れて見直すことを勧め、「社会にとってプラスの価値がどこにあり、逆に社会にとってのマイナスを小さくする活動について考えることで、自社の強みを再発見できる」と述べた。
 続いてSR調達に話を移し、グローバル企業を中心にSR調達が浸透しはじめていることや、政府調達においても人権の視点を取り入れる動きが出ていることを紹介。地域の持続可能性を高めるためにも行政がSR調達を推進する重要性を説き、「調達というインセンティブを用いて地域の企業が地域の持続性にどう貢献できるかが大事になる。地域の方向性について広く話し合い、女性活躍や障がい者雇用など、各地域が何を選択するかを決めるべきだ」と述べた上で、活動に積極的な企業を後押しする行政調達の仕組みの構築を求めた。
 そのほか、パネルディスカッションでは開催地である愛知県の地元行政、企業、教育機関の担当者を招き、SDGsに則った活動の紹介や質疑応答が行われた。分科会ではCSR推進委員会の影山摩子弥特別委員(横浜市立大学国際教養学部教授)と白子欽也委員(和歌山県印刷工業組合専務理事)がそれぞれ発表を行い、印刷産業におけるSR調達の現状などが報告された。











【印刷新報2022年10月20日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2022特集 さあ、IGASがやってくる
 富士フイルム・RMGT・SCREEN GA・デュプロ…出展紹介
・SPACE-21・全国協議会 30周年行事を挙行
・東京グラフィックス60周年

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2022年10月6日付
令和3年経済センサス
「印刷・同関連業」の2020年出荷額は前年比5.6%減


 経済産業省および総務省は9月30日、「令和3年経済センサス-活動調査」の製造業に関する結果(確報)を公表した。2020年の「印刷・同関連業」(従業者4人以上事業所)の製造品出荷額等は4兆5,755億8,800万円、前年比5.6%減となった。
              ◇
 経済センサスは、工業統計が製造業だけを対象に調査するのに対して、すべての産業・事業所を対象に行われる。今回は5年ぶりの経済センサス調査となり、2021年6月1日に実施された。全産業に関する速報値は今年5月31日に公表済み。
 集計結果は、事業所数、従業者数は2021年6月1日現在、製造品出荷額等、付加価値額などは2020年の1年間(1〜12月)の数字となっている。
 「印刷・同関連業」は、事業所数9,306事業所(前年比3.7%減)、従業者数23万5,105人(同6.6%減)。2020年6月1日現在(工業統計)ではそれぞれ9,661事業所(前年比2.3%減)、25万1,733人(0.8%減)だったので、特に従業者数の減少が目立つ。
 製造品出荷額等は4兆5,755億8,800万円。2019年(工業統計)の4兆8,453億2,700万円と比べて5.6%減。2019年は前年比0.4%増と2007年以来のプラスだっただけに、一転して大幅な減少となった。
 2020年は年初から新型コロナウイルス禍が経済・社会に深刻な停滞をもたらしたことが数字に表れた。
 ただ、製造品出荷額の上では、リーマン・ショック後の2009年の8.4%減、東日本大震災が起きた2011年の7.6%減ほどの落込みにはならなかった。巣ごもり需要で売上が伸びた分野もそれなりにあったと見られる。
 付加価値額は2兆999億800万円(前年比1.4%減)。
 製造業に占める「印刷・同関連業」の構成比は、事業所数5.3%、従業者数3.1%、製造品出荷額等1.5%、付加価値額2.2%。従業者数が前年比0.2%減、付加価値額が同0.1%増、事業所数と製造品出荷額等は変わらず。
 製造品出荷額等の各都道府県での業種別順位では、東京都で第3位に「印刷・同関連業」が入り、都の製造品出荷額等の中で9.8%を占めている。

 ※経済センサスと工業統計は調査方法が異なるため、厳密には数値が整合しない部分がある。
 ※製造業の業種別(細分類546業種)、品目別(約1,800品目)等の詳細な集計結果は2022年12月に公表される予定











【印刷新報2022年10月6日付掲載】
その他掲載記事
・2022全印工連フォーラム 開催 DXで多様性を
・フレキソ・ジャパン2022 IGAS2022と同時開催 
 テーマは「イノベーション for サステナビリティ」
・JPA G7認証講座開く 受講7名が合格

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2022年9月29日付
電子チラシ「shufoo!」利用者調査
物価上昇で買い物に変化
頻度、時間、非計画購買が増える


 凸版印刷(麿秀晴社長)とグループ会社のONE COMPATH(早川礼社長)は、ONE COMPATHが運営する国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を利用する全国の会員(全年齢層の男女)を対象に2020年6月から買い物に関する意識調査を不定期で行っている。20回目となる最新調査は2022年7月5日〜14日に実施し、2万2112名から回答を得た。
 コロナ禍に入って以降、スーパーでの買い物頻度・時間は減少し、「計画購買派」が増加する傾向にあったが、今回は変化が見られた。買い物頻度と買い物時間が増加傾向、また事前に計画せず店頭で買うものを決める「非計画購買派」も増加傾向が見て取れた。
 調査期間中は新型コロナウイルス第7波の急拡大が懸念され始めた時期でありながら緊急事態宣言などの行動制限がなかったことに加え、物価上昇の影響も大きい。
 スーパーに行く頻度では、「ほぼ毎日」が13.3%で、前回の2022年3月調査から0.9ポイント上昇した。13%超えは1年ぶりで、13.3%は調査開始以降最高タイ記録。
 スーパーでの買い物時間はやや長くなる傾向にある。「10分未満」が前回から0.8ポイント、「10分〜20分未満」が0.6ポイントの減少。一方、比較的長い「20分〜30分未満」は前回から0.4ポイント、「30分以上」は0.8ポイントの上昇だった。
購入するものは店頭で決める「非計画購買」も増加した。「予定を立てずに購入」が0.8ポイント上昇。コロナ禍で増えた「予定していたものだけを購入」する計画購買派が1.2ポイント減少した。
 買い物頻度・時間と非計画購買派の増加からは、緊急事態宣言等の行動制限がなかったことに加え、「物価上昇」が買い物スタイルに影響していることがわかる。
 自由回答の中には、「安いものを探すので時間がかかる」「コロナよりも値上げのため、チラシ日にまとめ買いするようになった」等のコメントが目立つ。











【印刷新報2022年9月29日付掲載】
その他掲載記事
・価格転嫁推進へ発信力を強化 日印産連
・2022印刷産業夢メッセ 広島で10月21・22日に開催
・HOPE2022 2,500名が来場

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2022年9月15日付
職長への安全衛生教育が義務化
「製本業、印刷物加工業」など対象業種に


 労働安全衛生法施行令の一部改正により、令和5年4月1日から「新聞業、出版業、製本業及び印刷物加工業」で職長等に対する安全衛生教育が義務化される。対象業種の拡大に伴うもので、計12時間以上の安全衛生教育(講習受講)を行う必要がある。まず自社が対象業種に該当するかどうかを確認し、次年度からの対応を準備する必要がある。
■職長には12時間以上の受講が必要
 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令は、今年2月24日に公布された。改正により、職長等に対する安全衛生教育の対象となる業種に、これまで除外されていた「食料品製造業」と「新聞業、出版業、製本業及び印刷物加工業」の2業種が追加された。施行は令和5年4月1日から。
 追加の理由について厚生労働省は、都道府県労働局長にあてた通達の中で、「化学物質を取り扱う業種を追加するため」と説明している。
 なお、中央労働災害防止協会(中災防)の資料によると、「印刷・製本」業では、年間500件前後の労働災害が発生している。
 労働安全衛生法第60条では、「事業者は(中略)新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行わなければならない。」としている。
 ここでいう職長とは総称に過ぎず、事業場によっては監督、班長、リーダー、作業長などさまざまな名称で呼ばれており、要するに、仕事を行う上で現場において指揮、命令する人と言うことができる。
 事業場の規模や役職で定義されているわけではなく、たとえば経営者と従業員2名の製本会社など、経営者本人が教育を受ける必要が生じるケースもある。
 労働安全衛生規則第40条では、「職長等の教育」について、作業方法の決定、労働者の配置、指導・監督の方法、危険性・有害性等の調査、異常時における措置などに関して最低12時間の教育を定めている。事業場ごとに最低1名は受講し、教育修了証の発行を受けなければならない。
 中災防その他の団体が2日間にわたる講習を行っている。団体によって異なるが、受講費用はおよそ1万5000円〜2万5000円。受講者人数がまとまれば出張講習などのサポートもある。
 仮に、安全衛生教育を実施せず、労災事故が発生したり、労働基準監督署の監査が入った場合、行政処分を受ける可能性がある。
 自社が対象業種に該当するか不明確な場合は、各地区にある中災防の安全衛生サービスセンター等に問い合わせる方法がある。
■製本組合も対応を協議
 9月6日に開かれた東京都製本工業組合の理事会では、職長への安全衛生教育の義務化について、一般社団法人東京技能者協会の専門家が説明し、組合の対応について協議が行われた。多くの組合員が対象となることから、法令対応の周知・啓発セミナーの実施などが検討された。セミナーの内容や実施方法、組合での受講の取りまとめ等についてはこれから検討する。










【印刷新報2022年9月15日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連 GP関連3賞が決定
・ウィザップ ハイデルのサブスクで生産性が2倍に
・第55回造本装幀コンクール授賞式

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2022年9月8日付
フォーム工連
「心理的安全性」学ぶ
組織づくりの根幹に


 日本フォーム印刷工業連合会(小谷敬二会長)は8月25日、2022年夏季講演会「健全な組織づくりを実現する心理的安全性―個人の成長と組織の成長のために」をZoomで開催した。講師は、東京大学大学院医学系研究科客員研究員で心理学博士・臨床心理士の関屋裕希氏。
 関屋氏は、働く人のメンタルヘルスを専門に研究。科学的根拠に基づいたポジティブ心理学や認知行動アプローチを提案しており、TV出演や著作など多方面で活躍している。
 講演では、急速な変化を続ける社会環境で今、注目を集めている「心理的安全性」についての正しい理解を深めながら、個人の成長と組織の成長を促す組織づくりとは何かを学んだ。

講演する関屋氏

 「心理的安全性」とは、組織内で率直に自分の意見を伝えても、「対人関係のリスクを心配することがない」、「安全である」ことが組織に共有されている状態のことを指す。「心理的安全性」が高いと問題指摘や提言のための行動を起こしやすく、リスク防止につながる。また、新しいアイデアや新規性の高い提案も出やすくなり、成果にもつながる。
 リーダーは、メンバーからのネガティブな相談や報告に対して、否定するのではなく、まず、耳を傾けることが重要。そのうえで、「メンバーの相互理解を深める」「発言しやすい環境や雰囲気を醸成する」「未来志向かつ、協働的な表現を浸透させる」といったことに取り組まねばならない。
 また、職場で心理的安全性を高めるためには、管理職も含めたメンバー全員で、「あいさつの励行」「反対意見があっても不機嫌な態度をとらない」「侮蔑的な表現を使わない」といった職場の「Civility(礼節)」を高める必要がある。
 関屋氏は、言いにくいことを少しでも伝えやすくする「DESC法」の実践を推奨。DESC法は「Describe(描写する=誰もが納得しやすい客観性)」、「Explain(説明する=『私は』を主語にするメッセージ)」、「Suggest(提案する=具体的で実現可能なもの)」、「Choose(選択してもらう=相手の意見を尊重し、『No』に備えた代案も準備する)」の4つの段階を踏む話法。
 そのうえで、個人面談などで、組織での役割、期待、仕事の目的など伝え、「責任感」を持ってもらう必要がある。
 最後に、関屋氏は「『心理的安全性』とは、上司、部下がともに作っていくもの。まずは、互いの困りごとを『助け合う』ように意識していくことから始めてみるのがいい」とアドバイスした。









【印刷新報2022年9月8日付掲載】
その他掲載記事
・特集 9月 印刷の月
・東印工組 MIS「BRAIN」の概要発表
・IGAS2022 SMART FACTORY ZONEを設置

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