日付インデックス
12月13日
大日本印刷、「情報銀行」事業に本格参入
2019年度、観光と地域サービス分野で

12月6日
関東経済産業局「VOC排出抑制セミナー」
VOC警報器の活用事例など紹介

11月29日
海洋プラスチック対策が本格化
1月に企業アライアンス設立

11月22日
第45回技能五輪国際大会
「印刷職種」日本代表(候補)が決定
トッパンコミュニケーションプロダクツの湯地さん

11月8日
政府の海賊版サイト対策会議
法制化を巡る意見取りまとめ断念

11月1日
外国人技能実習制度の概要と留意点
法令遵守と個別配慮で受入れを

10月25日
全製工連
業界一丸で取引慣行改善へ
共存共栄へ意見書作成

10月18日
日印産連〈知財公開フォーラム2018〉
中小企業の知財論説く
技術活かしニッチトップ企業へ

10月11日
東印工組〈ダイバーシティ経営セミナー〉
働き方改革関連法を解説

10月4日
福島県印工組
「ふくしまのいろ」を色鉛筆に
次世代に地域の魅力を伝える

9月27日
日本製紙/四国化工機
紙容器無菌充填システムを新開発
固形物や長繊維を可能に

9月20日
日印産連、女性活躍推進で拡大企画
将来リーダーのネットワークづくりへ

9月13日
共同印刷/NISSHA
情報コミュニケーション事業で株式譲渡契約
両社の強みを活かし事業収益の改善へ

9月6日
東京都、発注基準にGP制度を採用
グリーン購入ガイドの「水準2」に

8月30日
〈東ト協 第40回出版物関係輸送懇談会〉
関連業界一丸での改革が急務に
約6割が出版物輸送撤退を検討

8月23日
〈第17回印刷産業環境優良工場表彰〉
経済産業大臣賞は池田印刷、トッパン・フォームズ関西
環境活動が高水準の仕組みに

8月9日
全国グラビア、石原議員に要望書託す
持続可能な業界への転換を

8月2日
〈FAPGA国際印刷フォーラム〉
アジア各国が情報交換 デジタル印刷の課題など討論

7月26日
〈真生印刷/デジタル総合印刷〉
MRで実物イメージを投影 設備導入を大幅に効率化

7月19日
政府が外国人材受入れ拡大で
「業種別受入れ方針」の策定へ

7月12日
日印産連、IGASに「JPEX」を出展
日本を代表する製品を紹介、印刷産業の拡がり示す

7月5日
〈中小企業庁「取引条件改善状況調査」より〉
印刷業、価格転嫁が重要課題 発注者への申入れも低い割合

6月28日
全印工連、『事業承継ガイドブック』を発行
タイプ別に解決策、多様な承継事例も紹介

6月28日
全印工連、『事業承継ガイドブック』を発行
タイプ別に解決策、多様な承継事例も紹介

6月21日
精英堂印刷、世界初のVOCフリー印刷実演
ローラー洗浄時も発生なし

6月14日
〈中小印刷産業振興議員連盟〉
知的財産権取引の活動支援 実効性確保へ実態把握

6月7日
紙器事業者、デジタル印刷機の導入は25%
サンプル・校正用途での稼働多く

5月31日
〈電子出版制作・流通協議会〉
「電流協アワード」を創設 海賊版サイト対策にも本腰

5月24日
〈全印工連・官公需活動アンケート調査〉
適正な予定価格に課題 知的財産権の活動も不足

5月17日
〈日印産連 第3回女性活躍推進セミナー〉
多様性が経営危機を救う 「成果」の捉え方から改革

5月10日
東京都・東政連
最低制限価格制度の試行結果など報告
設備投資支援でIoT・ロボット追加

4月26日
【IGAS2018 パネルディスカッション】
ブランドオーナー視点で多彩に
ビジネスに直結するテーマを提示

4月19日
総務省の未来ビジョン案まとまる
ICT導入で成長戦略 2030年代想定し政策に反映

4月12日
経済産業省
2018年「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を選定
特化分野で独自の強み目立つ

4月5日
〈国税庁・会社標本調査〉
欠損法人割合、「出版印刷業」は75.8%
28年度も業種別で最も高く

3月29日
〈4月1日からの新税制・法令改正等〉
中小企業の賃上げ支援強化
無期転換ルールの適用開始

3月20日付日本製本紙工新聞より
書店の売上に効果
書協・取協 年末年始キャンペーン実績発表

3月15日
〈第10回経営者「環境力」大賞〉
鳥原社長(マルワ)が受賞 全社一体の活発な行動で

3月8日
〈東印工組 ダイバーシティ推進セミナー〉
一般事業主行動計画を解説
目標達成で助成金の支給も

3月1日
経済産業省、「健康経営」を見える化
優良法人認定2年目に

2月22日
〈page2018基調講演(2月8日)〉
チャンスは転換期にこそ インターネットの次を見通せ

2月15日
〈page2018基調講演(2月9日)〉
他業界から見た印刷業界は? 変化なくして未来なし

2月8日
〈富士フイルムHDが米ゼロックスを買収
世界最大規模の事務機メーカーに

2月1日
〈日本HP 事業説明会〉
印刷向けクラウドOSが普及 大ロットパッケージを開拓

1月25日
製紙連「2018年紙・板紙内需試算」
印刷・情報用紙は2.9%減見通し
デジタルシフトや出版不振で

1月18日
日印産連 新年交歓会
社会との良好な関係構築に邁進
長年の経験・ノウハウ活かせ

1月11日
〈フォーム印刷研究会〉
426回目の最終セミナー開く 42年間にわたり情報発信

1月4日
FAPGA アジア印刷会議
7月にIGAS2018と同期開催
国際印刷フォーラムなど

12月21日
【本紙が選んだ2017年十大ニュース】
関係性再検証の年に 官公需取引改善で歴史的な一歩

12月14日
〈日本タウン誌・フリーペーパー大賞2017〉
大賞は大風印刷(山形)の『gatta!』
今年も印刷会社が多数受賞

12月7日
非正規雇用、長時間労働の一掃へ
日印産連がセミナーで周知

11月30日
〈JPA創立40周年記念講演会〉
米国の最新マーケティング動向学ぶ
市場変化に印刷業は多角化で対応

11月23日
〈日本フォーム工連 業界調査報告〉
BPOサービス市場に期待 全職種で人手不足感が増す











2018年12月13日付
大日本印刷、「情報銀行」事業に本格参入
2019年度、観光と地域サービス分野で


大日本印刷は11月29日、「情報銀行」の最新動向と同社の取組みに関するメディア向け説明会を東京都新宿区のDNP市谷左内町ビルで開催した。情報銀行の潮流と認定制度について総務省が報告した後、同省の「平成30年度予算 情報信託機能活用促進事業」における大日本印刷と中部電力およびJTBとの連携による2つの実証事業の概要を紹介した。
            ◇
■個人データ運用が市場拡大
 政府は、データの利活用が生活者を豊かにする社会モデルを世界に先駆けて構築すべく、「官民データ活用推進基本計画」に基づき、制度整備に着手している。個人の関与の下でのデータ流通・活用の仕組みの核となるのが情報銀行(情報利用信用銀行)だ。個人の指示、または、あらかじめ指定した条件に基づき、個人に代わり妥当性を判断した上で、第三者(他の事業者)に個人情報の提供を行う事業を指す。内閣官房IT総合戦略室では、事業者と政府等の連携により、情報銀行の社会実装に向けて積極的に取組みを推進する方向性を明らかにしている。
 ただし、個人情報保護法に基づく企業活動においても、消費者側には「同意した覚えがない」、「何に使われているか十分に理解していない」といった不安・不満が存在し、データの流通・活用の妨げとなっている。そこで、総務省と経済産業省は情報信託機能の認定制度に関する合同検討会を2017年11月に発足。一般社団法人日本IT団体連盟が情報銀行の認定団体となることが決定し、近く審査・認定事業を開始する。2019年春には認定事業者が生まれる予定だ。
 現在、情報銀行には多くの企業が関心を寄せている。ベンダー系、マーケティング系、金融系、旅行系、地域系(小売、地域インフラ、自治体等)に分類でき、その中に大日本印刷が含まれる。11月29日の説明会で同社の蟇田栄専務執行役員は次のように述べた。
 「ビッグデータ、AI、IoTを活用する社会となり、パーソナルデータは21世紀の石油とも言える。その一つが情報銀行であり、認知も拡大してきた。大きなビジネスチャンスだと考える。事業化に向けて多くの実験に取り組んできた。情報銀行の市場形成には官民一体で課題を乗り越えることが重要だ。さまざまな企業と協力し、より豊かな生活に寄与することで社会に貢献していきたい」
 大日本印刷は、2018年12月から2つの実証事業を開始し、課題の抽出と解決策の検討を通じてモデルケースの創出を目指す。
 一つは、中部電力と約3ヵ月間にわたり愛知県豊田市で行う「地域型情報銀行」実証事業。自治体、ショッピングビル、食品スーパー、システム会社との連携により、モニター(豊田市在住、中部電力契約者の441名)を対象に実施する。
 この実証事業では、「地域型情報銀行」がモニターから、個人の属性や生活に係るデータの預託を受け、あらかじめモニターが設定した条件の下、サービス事業者(小売店)にデータを提供する。サービス事業者が、データに基づき個人に合わせた適切なサービスをモニターに提供することで、モニターは日常の買物等で利便性向上につながるサービスを得ることができる。また、自宅の電力使用量や体組成計の測定情報など日常的な生活データを、モニターに負担をかけることなく「地域型情報銀行」に自動的に提供する仕組みも構築する。  モニターは、データ提供先のサービス事業者と提供するデータを簡単に選択できる。不要と指定すればデータが流通することはない。
 中部電力では、エネルギー事業に加え、社会課題に着目した新たな成長分野の確立を目指す。
 もう一つは、JTBとの連携による「次世代型トラベルエージェンシーサービス」実証事業。2019年2月まで、東京の上野エリアと京都の岡崎・蹴上および周辺エリアで実施する。旅行者のパーソナルデータを情報銀行で集約・活用し、旅行者がストレスなく最適なサービスを選択・利用するための支援と、地域の観光関連サービス事業者による効果的なデータ活用やサービス提供の両立を目指す。
 JTBが情報銀行サービスの運営主体として、モニターの募集やサービス事業者との調整などを実施。文化・芸術的価値のある地域資産が集積しながら、消費行動に結びつきにくい両エリアで、近隣の店舗・施設への回遊促進を図る。情報提供先事業者として、商店、文化施設など100社程度が参加する。
 JTBは、告知募集・旅行予約が中心の現状から、体験≠強化した旅行者への総合的なサービス提供ビジネスへの脱皮を目指している。
 大日本印刷の情報銀行事業の今後の展望について、VRMビジネス企画開発本部の勝島史恵部長は「生活者が感じる『安心・便利・嬉しい』がキーワード。これまでのモニター実験でも好ましい評価が多かった。情報銀行から提供されるパーソナルデータを自ら利用する能動的な生活者を増やし、質の高い事業を展開していきたい。まずは、今回実施する2つの実証分野『観光』『地域×IoT』で2019年度にサービスを開始する。また、ヘルスケアなど他の分野でも、さまざまな企業と連携して新たな実証を展開し、情報と取組みの姿勢を社会に開示していく」と述べた。











【印刷新報2018年12月13日付掲載】
その他掲載記事
・プラルト(長野県松本市)
 全台切り替えで工場を水なし化
・デザイングランプリTOUHOKU2018
 全国に認知広がり19回目
・全印工連 知的財産に関するアンケート調査
 各地での知財権の取り扱い前進 など

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2018年12月6日付
関東経済産業局「VOC排出抑制セミナー」
VOC警報器の活用事例など紹介


 経済産業省関東経済産業局は11月28日、「VOC(揮発性有機化合物)排出抑制セミナー」を日本印刷会館で開催した。日本印刷産業連合会との共催で行われ、約100名が聴講した。VOC排出抑制の自主的取組みの状況を報告した後、あさひ高速印刷(大阪市西区)、光写真印刷(東京都大田区)の2社から、工場におけるVOC警報器の活用事例と抑制対策が紹介された。
            ◇
 自主的取組みの状況については、関東経済産業局資源エネルギー環境部の窪木健二氏が説明した。VOCの排出抑制が必要な理由を、大気汚染防止と健康障害防止の2つの観点から取り上げ、取り組む企業にとってのメリットとして、原材料費や廃棄物処理費などのコスト削減、作業環境の改善による作業員の健康保持、VOCの保管量減少による作業環境の安全、環境対策に積極的な姿勢をアピールすることによる社会的評価の向上の4つを挙げた。
 自主的取組みが進んでいる印刷業については、「大手企業の取組みはほぼ目標を達成しているが、中小企業に関してはまだこれからのところが多い。東京都とも連携しながら、地場産業である中小の印刷会社に対する自主的な取組みの啓発に努めていきたい」と述べた。
 続いて、あさひ高速印刷の岡達也社長、光写真印刷の惟村唯博社長が自社の取組みを発表した。
 あさひ高速印刷は社員約100名。オフセット印刷工場はオフィス街にあり、近隣には新しいマンションが建つなど、安全への気遣いや地域への配慮がますます必要になっている。2009年にGP認定工場となり、自社なりに環境対応を図っているつもりだった。
 しかし、2012年に大阪の印刷会社で胆管がん問題が発生すると、社員には「有機則非該当のものしか使っていないのでたぶん大丈夫」としか言えなかった。そこで日印産連発行の冊子などで勉強し、特に高濃度のVOCが発生するローラー等の洗浄時に換気などの対策を取ればよいと理解した。
 裏付けがなく不安に感じていたところへ、VOC警報器の発売を知り、2016年3月に導入。9台の警報器を工場内に設置した。すると、洗浄時以外にもランダムに警報器が鳴り、予想外の展開に困惑した。ダクトを増設して吸排気を強化したところ、鳴る頻度は半減した。また、廃ウェスの入った缶に蓋をすることを徹底。缶の場所も遠くに移動したことでさらに頻度が減少した。一層の改善を進めるため、中央労働災害防止協会の指導を仰いだ。警報器が作動しても従業員の健康に影響がないレベルであれば問題ないというアドバイスを受け、健康被害のない状態を目標に据えた。溶剤のSDS(安全データシート)見直し、個人ばく露調査の実施、湿し水に添加する代替アルコールの使用量減少などに取り組み、警報器が鳴る時間は当初から8割減となった。
 岡社長は「問題の見える化により社員の意識が高まり、今では洗浄時に防毒マスクを着用するようになった。VOC警報器の使用で発生の場所やタイミングも把握でき、従業員へ正しい注意喚起を行うことができた」と成果について話す。
 光写真印刷は社員約70名。近隣にはマンションや学校があり、VOC抑制や騒音対策は必須だ。無処理版CTPによる現像液の撤廃、廃ウェスや溶剤の缶の蓋閉め徹底、GP認定資機材の採用、VOC警報器の設置(9台)、ブランケット洗浄の自動化、局所排気装置を付けたドクター洗浄専用スペースの確保、防毒マスクとゴーグルの着用、5S活動などの対策を実施してきた。従業員は入社して1年経つと全員が作業主任者の講習を受け、資格を取得している。また、東京都のVOC対策アドバイザーに依頼し、職場の環境評価を年1回行っている。
 惟村社長は「VOC警報器により危険の可視化ができたことが大きかった」と、岡社長と同様、実態を正確に把握することの大切さを強調する。「危険を認識することで従業員の意識と行動が変わった。溶剤に対する意識改革が起きた。防衛反応を取るようになり、行動の標準化につながった」、「使用する資材の見直しとともに、工場のレイアウトの変更、社員間の十分なコミュニケーションも重要だ」と指摘した。
 セミナー会場の後方では、VOC警報器を開発・販売する新コスモス電機が製品を紹介した。多くの参加者が関心を示し、具体的な質問や相談を行う姿が見られた。オフセット印刷工場用VOC警報器のほか、作業場所で簡単にVOC濃度を測定できるリアルタイムモニタ、化学物質の個人ばく露状態を確認できる濃度計などを案内した。















【印刷新報2018年12月6日付掲載】
その他掲載記事
・page2019 155社・555コマが出展予定
・東京都の最低制限価格制度
 小池知事が4団体の要望に回答
・フォーム工連 マーケター育成へキックオフ勉強会 など

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2018年11月29日付
海洋プラスチック対策が本格化
1月に企業アライアンス設立


 海洋プラスチック汚染の解決に向け、化学メーカーや食品・飲料メーカー、印刷会社、製紙会社などが連携・協力する企業連合が来年1月に設立される。プラスチック製品の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取組み強化や紙等の代替素材の開発・導入を推進し、官民が連携してイノベーションを加速させる。11月20日に東京都内でキックオフとなるフォーラムが開催された。
 海洋プラスチックごみによる環境汚染が、地球規模で問題になっている。紫外線や波で劣化して細かく砕けた粒「マイクロプラスチック」が生態系に及ぼす影響が指摘される。企業などがプラスチック製ストローの使用を中止する動きが広がるなど、使い捨てプラスチックの廃棄をいかに減らすかが課題として急浮上してきた。
 こうした海洋プラスチックごみ問題の解決に向け、企業連合による「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(仮称)」を年明けに設立することが発表された。アライアンスでは、海洋プラスチックごみ問題に積極的に取り組むサプライチェーンを構成する容器包装等の素材製造業者、加工事業者、利用事業者など関係事業者の連携強化を図る。
 アライアンス設立に賛同を表明した企業として、大日本印刷、凸版印刷をはじめ、化学メーカー、食品・飲料メーカー、製紙会社など国内の大手15社が名を連ねた。
 事務局は一般社団法人産業環境管理協会が担当し、同日から会員(企業・団体)の募集を開始した。来年1月に設立総会を開催する。
 アライアンスの取組みとしては、
・素材の提供側と利用側企業の技術・ビジネスマッチングや先行事例の情報発信等を通じた情報の共有
・研究機関との技術交流や技術セミナー等による最新技術動向の把握
・国際機関、海外研究機関等との連携や発展途上国等への情報発信などの国際連携
・プラスチック製品全般の有効利用に関わる多様な企業間連携の促進
などについて検討し、海洋プラスチック汚染の防止を目指す。
 フォーラムでは、主催者を代表して産業環境管理協会の冨澤龍一会長が「海洋プラスチックごみを削減するためには、廃棄物の適正管理に加え、プラスチック製品の3Rの取組みの一層の強化や、生分解性に優れたプラスチック、紙等の代替素材を開発・普及させていくことが重要となる。本アライアンスが海洋プラスチックごみを巡る問題解決に貢献するとともに、わが国が持つ優れた技術やイノベーション、そして環境インフラを世界に広げる一助になるよう努めていく」と述べ、参加を呼びかけた。
 経済産業省の石川昭政経済産業大臣政務官、農林水産省の渡邊厚夫大臣官房輸出促進審議官、環境省の上田康治大臣官房審議官ら各関係省庁の代表も出席し、行政によるアライアンスへの協力を示すとともに、今後の取組みに期待を示した。














【印刷新報2018年11月29日付掲載】
その他掲載記事
・フレキソ・ジャパン2018、活況
・ジャスダック上場
 プリントネット 小田原洋一社長に聞く
・フォーム工連 現状と課題に関するアンケート調査報告 など

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2018年11月22日付
第45回技能五輪国際大会
「印刷職種」日本代表(候補)が決定
トッパンコミュニケーションプロダクツの湯地さん


 2019年8月にロシア連邦・カザンで開催される第45回技能五輪国際大会の「印刷職種」(オフセット印刷)日本代表選手に株式会社トッパンコミュニケーションプロダクツの湯地龍也(ゆじ・りゅうや)さんが選出された。日本印刷産業連合会では代表選手候補として中央職業能力開発協会に推薦し、12月に正式決定となる見通し。


湯地選手

 10月下旬に実施された最終選考会で優勝し、代表の座を勝ち取った湯地さんは、15日に日本印刷会館で開かれた記者会見で「やるからには誰にも負けたくない・金メダルを目指す」と意気込みを語った。
 技能五輪国際大会は、満22歳以下の青年技能者が参加し匠の技を競う大会で、2年ごとに開催されている。印刷職種は、2007年の第39回静岡大会から正式競技種目となった。第40回カルガリー大会ではトッパンコミュニケーションプロダクツの菊池憲明さん、第41回ロンドン大会では亜細亜印刷の伊東真規子さんが連続して金メダルを獲得している。
 今回の選考会(筆記試験・実技試験等)には7社8名の応募者が挑み、優勝した湯地さんと他の選手の成績は謹差。まれにみるハイレベルだったという。2位には株式会社丸信(福岡県久留米市)の甲斐田光さん、3位には亜細亜印刷株式会社(長野市)の湯田鈴音さんが入った。
 湯地さんは1999年3月1日生まれの19歳。宮崎県国富町の出身。現在、トッパンコミュニケーションプロダクツ川口工場の第二製造部第一課に勤務している。印刷機オペレータとしての経験は正味1年ほど。工業高校ではデザインやものづくりを学び、就職活動の中で凸版印刷のことを知り、すぐに「やってみたい」と感じたという。
 湯地さんは記者会見で、代表候補に選ばれた今の気持ちと大会本番に向けた抱負を次のように話した。「代表に選ばれて驚きを隠せない。すごい技能を持った人たちの中から選んでいただいたので、自信を持って世界で戦っていきたい。入社してから技能五輪のことを知り、挑戦してみたいと思っていた。子供の頃から負けず嫌いで、人と競うのが好きだった。相手と競うことで仕事のやりがいも感じられ、自分の知らないことを学べる。世界で戦うにはまだ実力が足りない。もっと技術面を磨き、弱点を克服できるよう特訓していきたい。やるからには誰にも負けたくない。もちろん金メダルを目指す。日本の印刷が世界トップクラスであることを証明できるよう、他の応募者の分まで頑張りたい」
 湯地選手をサポートするエキスパート候補の凸版印刷製造統括本部・佐藤晴雄氏は「年齢からいえば普通はまだ助手だが、職場では機長を務め、4色機を回している。責任感を持ち、仕事の厳しさも知っている。メンタルを鍛えて、選考会でも落ち着いて実力を発揮できた。本番まで9ヵ月。必ず良い成績を残せるようサポートしていきたい」と語った。
 また、日本印刷産業連合会の杉村専務理事は「日本選手団の金メダルの数が減ってきている。湯地さんには印刷職種の代表としてはもちろん、日本チームの一員として日本の存在感を高めてほしい」と期待した。













【印刷新報2018年11月22日付掲載】
その他掲載記事
・フォーム工連 「寺子屋プロジェクト」始動
・「印刷と私」エッセイ・作文コンテスト
 印刷物が「幸せ」届ける 
・北海道印刷工業組合 岸昌洋理事長に聞く など

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2018年11月8日付
政府の海賊版サイト対策会議
法制化を巡る意見取りまとめ断念


 インターネット上で漫画などを無料で読ませる海賊版サイト対策を話し合ってきた政府の有識者会議で共同座長を務めた慶應義塾大学教授の中村伊知哉氏と村井純氏は10月30日、検討会議の上部会合「知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会コンテンツ分野会合」に出席し、利用者に許可なく特定サイトへの接続を遮断するブロッキングの法制化を巡り委員間の意見がまとまらず、取りまとめを断念したことを報告した。著作権保護の観点からブロッキングの必要性を訴える賛成派と、憲法が定める「通信の秘密」を侵害することを懸念した反対派との溝は深く、ネット時代の知財保護の難しさが浮き彫りとなった。
 「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」(タスクフォース)は、今年4月の犯罪対策閣僚会議・知的財産戦略本部の緊急対策の決定を受け、知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会の下に設置され、海賊版サイト対策について、今年6月から10月にかけて計9回にわたって集中的な議論を行ってきた。しかし、ブロッキングの法制化で委員間の意見が対立。9名の委員から中間取りまとめをすること自体にも反対する意見書が提出されるなど、意見が集約できず中間取りまとめができない異例の事態となっている。
 会合では、今回の議論の結果について中村、村井の両氏連名による「座長メモ」の形で報告した。
 中村氏は「ブロッキングの法制化の議論は大きな話題を呼んだ。情報化社会の中で、知財とITが同調する領域をどう広げるかという問いだった。同時に漫画・アニメ大国の日本がITの落とし子の海賊版サイトにどう対抗するかを、世界にモデルが示せるかというものだった」と会議を振り返った。
 その上で、正規版流通の環境整備や、著作権を侵害する静止画(書籍)のダウンロード違法化など、ブロッキング以外の対策に関しては共通理解が得られたとしたうえで、今後、関係者が協力して対策に取り組んでいく必要性を訴えた。
 また会合では、委員から「最終手段として、ブロッキング法制化の検討を続けていくべき」など議論の継続を求める声があったほか、「報告書を出さないというのは、国の会議としてあり得ない」など検討した論点を明確にして国民に伝えるべきとの意見があった。国民への意見公募(パブリックコメント)の実施については「社会の中でブロッキングを巡る賛否の対立が固定化してしまい、混乱を長引かせてしまうだけ」など反対意見が示された。
 「座長メモ」のポイント5つは次のとおり。
・正規版流通の環境整備に加えて、海賊版サイトに対して緊急に対応することができるようにするため、著作権教育・意識啓発、海賊版対策に資する出版業界・通信業界における環境整備、海賊版サイトに対する広告出稿の自主的な抑制、フィルタリングの強化等について、関係者が民間主導で連携して直ちに取り掛かり、これを関係省庁が連携して支援する。
・さらに、関係省庁の連携も推進し、リーチサイト規制の法制化や、著作権を侵害する静止画(書籍)のダウンロードの違法化の検討を進め、加えて、さまざまな側面から必要な制度設計の検討を進める。
・わが国の重要な電子コンテンツである漫画とアニメーションの海賊版サイトの課題を迅速・適切に解決するため、本検討会議で議論された内容について、継続・発展的な議論ができる適切な環境を引き続き整備する。
・以上の措置を進め、その効果を検討すべきである。
・ブロッキングに関する法制度整備については、意見がまとまらなかった。
















【印刷新報2018年11月8日付掲載】
その他掲載記事
・所蔵資料を高精度アーカイブ
 国文学研究資料館/凸版印刷
・平成30年秋の叙勲・褒章
・TAIGAX18 プレスツアーレポB など

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2018年11月1日付
外国人技能実習制度の概要と留意点
法令遵守と個別配慮で受入れを


 全日本製本工業組合連合会の書籍・雑誌専門委員会は、平成30年度の委員会を10月27日に都内で開催した。各都府県工組の情報交換を行った後、講演会では「外国人技能実習制度の概要と受入れの留意点」と題して、公益財団法人国際研修協力機構の中村淳氏が事例を交えて制度活用のポイントについて解説した。その要旨を紹介する。
        ◇
 労働力不足は日本の産業界全体に共通する問題であり、印刷関連業でも今後の重要な課題となる。不足感が年々募る中、解決策の一つとして外国人労働者の採用が進んでいくと予想される。
 外国人労働者の受入れ拡大を目指す政府は、今年6月に閣議決定した方針で外国人労働者の新就労資格について明記し、最長5年の就労などを認めた。単純労働にも道を開く方向で2019年4月の新制度創設へ動いている。同時に、入国管理局を「入国在留管理庁」に格上げする。
 今回の中村講師は入国管理局の出身で、特に外国人技能実習制度に精通している。講演の初めに、まず制度の現状について紹介した。
 2017年末の在留外国人数は約256万人。在留資格別の内訳で、技能実習生は約27・4万人、10・7%を占める。技能実習生の新規入国者数は、2015年の約9・7万人に対して、2017年は約12・8万人と年々増加。従来は中国が入国者数の1位を占めていたが、2016年に初めてベトナムが上回り、現在はベトナム約46%、中国約27%の順。
 技能実習生の増加に伴い、不正行為件数も増加した。管理強化で直近2年はやや減少傾向だが、依然年間200件以上の不正行為が摘発されている。2017年における類型別割合では、賃金等の不払い(46%)、偽変造文章等の行使・提供(24%)で7割を占める。
 政府は2017年11月1日に「技能実習法」を施行した。技能実習の対象職種の拡大、実習期間の延長(3年から5年)、不正行為には罰則を適用など、従来の制度から変更された。対象職種は現在、77職種139作業で、印刷(オフセット印刷作業)、製本(製本作業)、紙器・段ボール箱製造(印刷箱打抜き作業等)が含まれる。実習生の受入れ方式には、団体監理型と企業単独型があるが、商工会・中小企業団体等が仲介し、実習実施者と実習生が雇用契約を結ぶ団体監理型が9割以上を占める。
 技能実習法では、技能実習計画の認定申請が必須となったほか、実習開始前(来日前)と入国後の一定期間の講習や、技能実習評価試験の実技試験等合格の義務付けなどが追加された。
 また、技能実習責任者の選任、労災保険の届出、日本人と同等以上の報酬、適切な宿泊施設の確保などが実習実施者に明確に求められている。人権侵害行為に対しては、5年間の許可・認定の取消しほか、最も厳しい場合、1年以上10年以下の懲役、または20万円以上300万円以下の罰金が科せられる。
 中村講師は技能実習生の受入れにおける留意点について紹介した。
 健康管理に関しては、「結核や肝炎などの持込病も見られるので、入国前の診断結果を確認するほか、定期健康診断の実施が必要だ。人間関係や生活習慣から来るストレスやカルチャーショック、母国でも抱えていた家族の心配や借金などの悩みへの配慮も欠かせない。地域の催しへの誘い、日本語習得の機会設定、母国での習慣をできるだけ取り込むなど、積極的に行ってほしい。日本の医療制度や保険制度もきちんと説明しないと、お金がないという理由で病院に行かない実習生がいる」と話した。
 処遇に関しては、賃金、労働時間、有給休暇、保険、年金、解雇など、原則として日本の法令に基づいて適用される。実際に相談があったトラブル報告事例として、「手取額が聞いていた金額と違う」「賃金が未払い」「賃金から強制貯金させられている」「休日労働を強いられている」「通帳や印鑑、パスポートなどを保管されている」等が挙げられた。
 中村講師は「金遣いがルーズだからと賃金の一部を実施者が貯金するのは違反。通帳やキャッシュカードを預かってほしいと実習生本人から頼まれても受けてはいけない。あくまでも原則に沿った受入れを心がけてほしい」と注意点を挙げた。















【印刷新報2018年11月1日付掲載】
その他掲載記事
・特集 フレキソ・ジャパン2018
・「デジフェス!2018」を初開催 日本創発グループ
・加藤製本 PUR保存装置を新開発 など

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2018年10月25日付
全製工連
業界一丸で取引慣行改善へ
共存共栄へ意見書作成


 全日本製本工業組合連合会(田中真文会長)は、製本業界の窮状と取引慣行改善を訴える緊急会見を10月16日に東京・板橋区の製本会館で開いた。経営環境の悪化や後継者不在などにより、全製工連の組合員数は最盛期の3割程度まで減少している。田中会長は「印刷会社や出版社に対して、まずはわれわれの業界が置かれた現状をご理解いただきたい」と述べるとともに、組合員に対しても取引慣行改善に向け意識啓発を働きかけていく考えを示した。
          ◇
 会見は田中会長と本間敏弘副会長兼専務理事が出席して行われた。冒頭、田中会長は製本業界を取り巻く現状ついて、「単価はこの30年間変わらず、むしろ下がっている状況にある」と指摘。一方、製本工程の原価において最も大きな割合を占める人件費については、東京都の最低賃金がこの30年間で525円(平成元年)から985円と9割近く上昇しており、「大変に厳しい経営環境に置かれている」と説明する。
 その上で、会見の主旨を「印刷会社や出版社に対して値上げを飲んでほしいということではない」としつつ、後継者不足や過剰な品質要求などにより、「価格面だけでなく製本業全般に係る経営環境が悪化している現状をご理解いただきたい」と訴えた。
 経営環境の悪化に伴い、全製工連の組合員数は最盛期の2,352社(昭和50年)から728社まで減少している。「印刷会社や出版社が仕事の発注先を探すのに苦慮されている現状が散見される」と指摘した田中会長は、「われわれ専業者をご活用いただいた方が印刷・出版社にとっても収益が上がると確信している。各社の存続のためにも製本専業者を生き残らせていただきたい」と切実な思いを語った。
 続いて本間副会長兼専務理事から、取引慣行改善に向けて全製工連が作成した会員11組合との連名による意見書が読み上げられた。
 「このままでは製本会社がなくなります!」と題した意見書では、旧態依然の取引慣行に起因する低価格や過剰品質、さらには短納期化、物流費の高騰、人手不足による賃金相場の上昇などにより、「個々の企業の努力だけでは到底追い付けない危機的な状況にある」と指摘。廃業などによる製本・加工会社の不足が顕在化する中で、「適正な取引関係を構築することは、私たち製本業とお客様の双方にメリットがある」と訴えている。
 続けて、「一つひとつの仕事がオーダーメイドの性格を持つ紙製品の製本・加工には、プロの専業者でなければ対応しきれない難しさがある。長年にわたりノウハウを積み上げてきた私たち専業者をご利用いただくことが、お客様の業務効率の向上と品質の担保にもつながるものと考えている。さらに、専業者の視点からのアドバイスをさせていただくことで、より正確、かつ付加価値の高い製品を生むことにもなる」と複数のメリットに言及したうえで、「窮状をどうかご理解いただき、事業の継続、製品の安定供給を可能にするため、取引慣行の改善と適正な取引条件について特段のご配慮をいただきますよう、切にお願い申し上げます」と結んでいる。
 意見書は近く複数の業界専門紙に掲載する。
 取引慣行改善に向けた取組みについて、田中会長は「製本業界だけが訴えても成果は出ない」との考えを示し、加工など周辺業界を巻き込んだ上で、「川上の業界に対して付加価値を提供することで取引慣行改善につなげたい」と話す。
 取引慣行改善は長年にわたる課題であり、全製工連では過去にもさまざまな活動を展開してきた。
 2013年4月には、「お客様とのWIN/WINの関係づくりへの挑戦」と題した『取引慣行改善ガイドブック』を刊行。さらに2016年9月には、取引慣行改善や経営改善に向けた事例等をまとめた製本経営・トラブル対策ハンドブック『製本虎の巻』を刊行した。
 いずれも組合員に実施した詳細なアンケート調査に基づいており、調査結果からは、契約書や発注書の不在、後指値(値引き)、支払の先延ばし、過剰な品質要求とやり直し費用負担、法外な損害賠償、直前での仕様変更、購入強制などが横行している実態が浮かび上がった。
 全製工連では、一連の冊子を関係団体等に配付するなど実態の周知に努めたが、田中会長は「あまり有効活用されてこなかったのではないか」と振り返る。
 今後は、取引慣行改善の意識啓発に資するセミナー等の開催を視野に入れるとともに、取引先に対して組合員各社が働きかけることができる要望書(「製本業界の窮状に対するご理解のお願い」)についても組合ホームページなどを通じて配付し、広く活用を呼びかけていく。














【印刷新報2018年10月25日付掲載】
その他掲載記事
・TIGAX18 プレスツアールポA
 ATMA社(東遠精技工業)
・話題 「ミウラ折り」汎用展開
・第48回JPM協会展 購買行動の変化が表出 など

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2018年10月18日付
日印産連〈知財公開フォーラム2018〉
中小企業の知財論説く
技術活かしニッチトップ企業へ


 日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)は、「知財公開フォーラム2018〜みんなで考えよう デジタル時代の知的財産」(後援・日本商工会議所、東京商工会議所)を10月5日に東京都の中央区立日本橋公会堂で開催し、印刷業界内外から約260名が参加した。専門家による講演や事例発表、パネルディスカッションが行われ、「ニッチトップ戦略」などデジタル時代における中小企業の知財戦略の一端が示された。
          ◇
 今回のフォーラムは、印刷産業に止まらず情報を媒介とするあらゆる産業を対象に、著作権や特許など知的財産の重要性を周知するとともに、中小企業の経営戦略にスポットを当てた知財戦略の構築を目的に開催された。
 開会に際して日印産連の浅野健副会長は「本日は情報産業で活躍している専門家を招き、デジタル時代をどう生き抜いていくのか、あるいは知的財産とは一体何なのか、知財戦略はどうあるべきかをみなさまにプレゼントさせていただく。本フ ォーラムが少しでも有益となることを願っている」と期待を述べた。
 フォーラムでは、はじめに東京2020大会のエンブレムのデザインを手がけたデザイナーの野老朝雄氏による特別講演が行われ、「個と群と律」をテーマに野老氏のデザイン感やエンブレムに込められた思いなどが語られた。続いて第1部は「中小企業の知財戦略」、第2部は「デジタル時代の知財戦略」を全体テーマに計6セッションが実施された。

◆技術の収益化で下請け脱却へ
 第1部では、人気小説「下町ロケット」に登場する弁護士のモデルとして知られる鮫島正洋氏(内田・鮫島法律事務所)が、「中小企業経営に知財を活かすための戦略論」について講演した。
 知財戦略の専門家である鮫島氏のもとには、自社技術の収益化によって下請け脱却を目指す全国の中小企業から多くの相談が寄せられる。しかし、鮫島氏は「自社の技術を活かして下請けから脱却するのは簡単なことではない」と指摘する。なぜならば、技術を収益化するには@マーケティング、A製品開発、B量産体制の整備、C販路開拓の4要件が必要だが、多くの下請け中小企業が行っているのは製品の量産工程のみであり、@ACは元受企業が行っているからだ。
 仮に4要件を揃えて収益化に成功しても、待っているのは後発模倣品による価格競争。そうした事態を防ぐためのツールが特許をはじめとした知財である。
 また鮫島氏は、技術の収益化においては、技術そのものよりもマーケティング、つまりどの市場で勝負するかを重視する。その上で「中小企業では身の丈に合った規模で、なおかつ先行特許が少ない市場がいい」と述べ、小さくてもライバルの少ない市場でニッチトップを目指すことを勧める。大きな市場は競争が激しく、後発では特許も取りにくい。一方、まだ目の付けられていない小さな市場は特許を取りやすく、独占できれば中小企業にとっては大きな収益源になる。
 そのためには、研究開発とともに、その成果を適切なタイミングで特許化することが必要だが、一方で、特許は一般に公開されるため、製造ノウハウや金型などは特許を取得すると他社に真似される恐れがある。こうした線引きには専門的な知識と経験が必須であり、鮫島氏のような専門家に相談することを勧める。
 また鮫島氏は、特許取得による副次的な効果として、「自分の発明が見える化されるのに加え、『あなたの発明は人類史上類がない』とお墨付きがでるようなもの。これでやる気のでない研究者はいない」とモチベーションの向上につながると指摘する。取得にはコストや労力もかかるが、これらの利点も踏まえた上で検討するよう求めた。
 第2部で行われたパネルディスカッションでは、日印産連知的財産部会の萩原恒昭部会長(凸版印刷)をモデレータに、野老氏と鮫島氏に加えて自民党の山田美樹衆議院議員、内閣府知的財産戦略推進事務局の中野岳史参事官の4氏が知財戦略を語った。
 その中で、官公需の印刷発注における知財保護の問題について話題がおよび、山田衆議院は「これは粘り強く伝えていくことが重要だと思っている。まずは国や財政力のある自治体が率先して行うべきだ」との見解を示した。一方、野老氏は、こうした知財に対する侵害行為は悪意なく行われているケースも多く、教育・啓発活動の重要性を指摘した。
 また、AIやIoTなどのIT技術を活用したビジネスモデル特許が増加傾向にあることについて、鮫島氏は「新しいものなのでかなり広く特許が取れる。仮に広く取れなくても、投資家や銀行の特許に対するリテラシーが高まっているので、取得するメリットはある」と勧める。
 一方、中野参事官はAIを活用したビジネスモデル特許の海外事例を紹介し、「一部は権利化して独占するが、残りはできるだけオープンにすることで参入者を増やし、劇的に市場が拡大したケースもある。どこまで権利を確保するのか、市場の獲得には戦略も重要だ」と主張した。
 そのほか、地方における課題や産官学連携の問題など、幅広い話題について議論が交わされた。













【印刷新報2018年10月18日付掲載】
その他掲載記事
・特集 環境優良工場に学ぶ
・MTJN COMEXI社との総代理店契約を発表
・ハイデルベルグ MBOグループを買収 など

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2018年10月11日付
東印工組〈ダイバーシティ経営セミナー〉
働き方改革関連法を解説


 東京都印刷工業組合のダイバーシティ推進委員会(小野綾子委員長)は9月26日、セミナー「今からはじめるダイバーシティマネジメント」を八丁堀のモトヤ東京本社で開催した。法改正の最新情報と働き方改革の進め方について、特定社会保険労務士の株式会社GIMS小倉絵里氏が講演した後、全印工連ダイバーシティ推進委員会から今井印刷(東京)、本田印刷(宮城)、近藤印刷(愛知)、文昌堂(宮崎)が、各社での実践や苦労話について伝えた。
 7月6日に働き方改革関連法が公布され、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の年5日取得義務、同一労働同一賃金(雇用形態に関わらない公正な待遇の確保)など、国の働き方改革の推進が本格化する。中小企業にも、より明確で計画的な取組みが求められるようになる。
 講演で小倉氏は、すぐにでも対応してほしいこととして、長時間労働の是正、年次有給休暇の取得、労働時間の状況の客観的な把握─の3つを挙げた。
 これまで法律上は残業時間の上限がなかったが(行政指導のみ)、改正後は「時間外労働の上限規制」が設けられる。上限は原則月45時間、年360時間。特別条項は年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度とする。中小企業は2020年4月から施行される(大企業は2019年4月から)。違反すると6ヵ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられる。
 小倉氏は「懲役まで踏み込んだところに国の本気度が窺える。2年後の4月からの施行は、今から取り組まないと間に合わない印象がある」と述べた。
 「年次有給休暇の年5日取得義務」は、大企業・中小企業とも2019年4月の施行。違反すると1人に付き30万円以下の罰金が科せられる。
 現在は労働者が自ら申し出なければ年休を取得できない上、申し出をしにくい状況があるが、改正後は、年10日以上の年休付与者については毎年、本人の希望を踏まえて時季を指定し、年5日は取得することが義務化される。たとえば、夏季休暇と合わせた取得や、仕事の閑散期にシフトを工夫して取得するといった計画的な付与が必要になってくる。
 「労働時間の状況把握の実効性確保」は、大企業・中小企業とも2019年4月の施行。
 現在、割増賃金を適正に支払うため、労働時間を客観的に把握することが通達で規定されているが、裁量労働制が適用される人などは対象外だった。改正後は、裁量労働制が適用される人や管理監督者も含め、すべての労働者の労働時間について、タイムカード管理など客観的な方法による把握が義務化される。
 小倉氏は「これは労働安全衛生法に基づいて決定したもの。健康管理のために、たとえば営業の社外における時間外労働なども客観的に把握することが義務付けられている」と述べた。

◆一般事業主行動計画をツールとして活用
 講演の中で小倉氏は、コンプライアンス対応だけでなく、「働き方改革は印刷業におけるダイバーシティ経営への入口であり、経営課題解決の糸口になる」と強調した。
 また、ダイバーシティ経営を推進する上での重要なツールとして、一般事業主行動計画(女性活躍推進法)の策定を推奨した。一般事業主行動計画は、事業主が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、計画期間や目標、達成するための対策内容、実施時期などを具体的に盛り込み策定するもの。各都道府県労働局に届け出をし、情報は全国に公表される。
 小倉氏は「一般事業主行動計画を策定することは、ダイバーシティ経営への対応の第一歩。自社を分析し、見える化のツールとして活用できる」と意義を示した。
 さらに、「今の若年層は、自分に合った働きやすい会社を選ぶ人が増えている。自社の取組みを公表することにより、雇用での優位性も高めることができる」と述べた。













【印刷新報2018年10月11日付掲載】
その他掲載記事
・2018全日本印刷文化典 高知大会
 幸せな働き方改革へ前進
・新たな付加価値提案目立つ SOPTEC とうほく 2018
・TIGAX18ツアールポ1 SBL社(財順機械工業)など

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2018年10月4日付
福島県印工組
「ふくしまのいろ」を色鉛筆に
次世代に地域の魅力を伝える


 福島県印刷工業組合(佐久間信幸理事長)は「ふくしまの伝統色事業」で選定した14色を使った色鉛筆を製作した。10月から販売を予定するほか、県内の小学校への寄贈など、次世代の子供たちに地域の魅力を伝えていく。
 同工組は、組合創立60周年記念事業として「ふくしまの伝統色事業〜ふくしまの伝統色彩調査と色彩文化の保存・発信」に2017年から取り組み、今年1月に「ふくしまのいろ」14色を発表した。このほど完成した色鉛筆は、「ふくしまのいろ」を使った具体的な製品化の第一弾である。


「ふくしまのいろ」色鉛筆

色に携わる印刷のプロとして企画した記念事業では、県民の暮らし・文化に根付いた福島県特有の伝統色の調査を実施。県内3地方(中通り・浜通り・会津地方)それぞれの特徴的な色について、組合員の目と感性で再発見した。その結果、500色にも及ぶ候補が集まり、検討を重ねた結果、最終的に「ふくしまのいろ」として14色を選定した。
 各色は「つるがじょう・たきざくら・もも・しらかわだるま・あんぽがき」など、由来となった建築物、食物、自然、民芸品から命名した。また、計測機器やカラーチップで対象素材の色を数値化し、DICカラーガイドで指定した。
 色彩調査と選定までが事業の前半。そこから、未来に伝える色彩文化として保存し、県内外に広く発信していく取組みが始まった。
 佐久間理事長は同事業について、「『ふくしまのいろ』を後世に残し、だれでも使えるようにしていく。色を通して子供たちに福島県の文化や歴史を知ってもらい、『これは僕の青』、『これは私の赤』と誇りを持って県外の人にも紹介できるようになればすばらしい。普及、浸透させるには時間がかかるが、文具や土産物への採用などを通じて広めていきたい」と話す。
 また、福島学院大学短期大学部の木村信綱准教授は「色に意味を付与し、地域をブランディングする取組みであり、伝統色という新たなツールを得た。小・中・高生の地域への関心を深めていく斬新な試みだ」と評価する。  組合では、ポスターやパンフレット、ホームページのほか、「ふくしまの自然や文化」の魅力を実感してもらうための具体的なツールとして、色鉛筆の製作を進めてきた。
 完成した色鉛筆は、ふくしまのいろ14色(本)セットになったもの。組合では「色を塗るたびに、素朴で温かなふくしまに触れることができ、子供たちに肌で感じてもらえる」と期待する。
 色鉛筆は、10月から福島県内の道の駅や書店などのほか、一部首都圏での販売も予定している。定価は1箱2500円(税別)。
 今後の可能性として、絵具など他の文具の製作や学校教育における活用、各種グッズ、キャラクター、商品パッケージ、イベント、公共施設などへの採用、新規商品の開発、有名人や学識経験者を招いた講演会や展示会、伝統色を使ったぬり絵コンテストなど、さまざまな展開が考えられる。
 これらの活動を通して、福島の彩りに触れる機会の創出を図ることは、郷土愛の醸成や地域活性化につながる。デジタル化が進む社会にあって、感性とコミュニケーションに携わる印刷業界ならではの意義のある事業と言えるだろう。












【印刷新報2018年10月4日付掲載】
その他掲載記事
・GP大賞3賞を決定 日印産連
・「TIGAX18」(台北国際印刷機材展)盛大に 
・第29回世界ラベルコンテスト
 日本から3社が「Best of the Best」賞 など

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2018年9月27日付
日本製紙/四国化工機
紙容器無菌充填システムを新開発
固形物や長繊維を可能に


 日本製紙と四国化工機は9月19日、常温保存可能な紙容器無菌充填システム「NSATOM(えぬえすアトム)」の開発を発表した。従来、紙容器では難しかった食感の高い野菜果汁飲料、スムージー、おかゆ、スープ等の固形物・長繊維入り・高粘度の新飲料を実現。2019年度より市場に投入する。世界的な脱プラスチックの流れの中、樹脂製容器に代わる容器として国内外で拡販を目指す。
            ◇
 新製品の記者発表は9月19日に都内で開かれた。
 日本製紙の馬城文雄社長はあいさつの中で、「本年度からの中期経営計画の中で、液体紙容器を中心とするパッケージ事業を今後の中核事業の一つと位置づけている。紙でできることは紙で、というコンセプトを掲げる当社の強みを活かせる取組みの一つに、脱プラスチックへの対応もある。今後も『紙化ソリューション』を積極的に展開していく。今回の新しい紙容器無菌充填システム『NSATOM』が、従来の樹脂製容器に代わるものとして世の中に広がることを期待している」と述べた。  製品開発の背景にある社会環境の変化としては、環境問題(脱プラスチックや省資源など環境意識の高まり)、ライフスタイルの多様性(利便性のニーズ、嗜好の多様化、健康志向)などがある。
 健康志向に関してのデータでは、2008年対2017年の市場比較で、野菜飲料は26%増、豆乳飲料は108%増と伸びており、これらの飲料はパッケージの紙化率が高い。また、スムージー飲料の販売量は過去5年で154倍に急成長していると見られ、食感を持つ飲料のニーズが伸長している。しかし従来、固形物・長繊維入り・高粘度の中身を常温保存することは難しく、ほとんどがプラスチック容器だった。
 日本製紙では、健康志向や新しい食感とともに、持ち運びやすく好きな時に好きな場所で飲みたいという消費者ニーズの高まりを好機と捉え、過去3年間、集中的に経営資源を投入し、新飲料カテゴリー用の紙容器の開発を進めてきた。
 「NSATOM」は、固形物で6ミリ角以下、繊維長で8ミリ以下に対応する。同社の既存品(野菜飲料)では固形物はなく、繊維長は1.5ミリ以下にとどまっていた。
 また、口栓の採用で再封性があり、PETボトルと同様に持ち運びができる。口栓をコーナーに配置することで、中身の出しやすさを向上させた。業界最軽量の口栓はプラスチック使用量を大幅に削減している。
 従来のレンガ型紙容器ではなく、アイキャッチ性に優れた独自のデザインも採用し、店頭での差別化を図れる。
 また、1ラインで200ml、250ml、300mlの3種の容量バリエーションを製造できる。
 充填機の開発では四国化工機(植田滋社長、本社・徳島県板野郡)と提携した。NSATOMの充填機は、キルレート6(初期菌数100万分の1以下)という薬品製造レベルの高衛生性、充填部自動洗浄機能の採用による省力化、IoTを活用したメンテナンス支援(予防保全)などの特徴を持つ。
 日本製紙の大林保仁執行役員紙パック営業本部長は「1年以内に1、2台は実機を納入したい。東京五輪が行われる2020年には1億個のテクスチャー(食感)飲料を取りたい」と目標を示した。また、「海外市場にも積極的に打って出る。今までにない飲料が出てくるという期待もある」と述べた。
 国内の飲料向け紙容器市場を巡っては、凸版印刷がカートカンの売上げを伸ばし、大日本印刷は世界大手SIG社(本社スイス)との国内合弁会社設立で、無菌充填機による小型固形物も可能な口栓付き紙容器の提供に乗り出すなど、競争が激しくなっている。













【印刷新報2018年9月27日付掲載】
その他掲載記事
・特集・全印工連 高知大会
・兵庫県印刷工組 来年5月24日に設立60周年大会
・環境インターンに協力 ディグ など

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2018年9月20日付
日印産連、女性活躍推進で拡大企画
将来リーダーのネットワークづくりへ


 日本印刷産業連合会の企業行動委員会女性活躍推進部会は、活動方針の一つに、「印刷産業に働く女性の連携を強化する」を掲げている。2018年度はこのテーマに重点的に取り組むことから、女性活躍推進部会拡大版プログラム「WAIGAYA」を企画し、試行実施する。
 2018年11月上旬、2019年1月中旬、2月下旬(合宿形式を予定)の3回シリーズで開催。日印産連10団体の会員企業から20名前後の女性リーダー層(経営者を含む管理職相当以上)を派遣してもらう。全日程に参加できることを条件として、仕事に前向きに取り組み、同プログラムで学んだことを自社に持ち帰って活用したいと考える積極的なリーダーを募る。
 同じメンバー同士で3回にわたり意見交換する機会を最大限に活かしながら、実施にあたっては、「活躍」、「推進すべき」といった堅苦しい内容ではなく、まずは互いに知り合い、将来に向けてのネットワークとなるよう、時間をかけて女性リーダー間の交流を深められる場としてプログラムを検討している。
 自社(団体)においても、女性をはじめとして誰もが働きやすい環境を作る旗振り役として、リーダーシップを発揮してもらえるきっかけ作りを目指す。
 会場は、会員各社の会議室や展示スペース、研修所を活用し、他社の訪問から刺激を受けることで、改めて自社を理解する機会ともする。
【目的】
・印刷業界の女性リーダーのネットワークの基礎づくり
・女性リーダーの力(アイデア)で印刷業界を魅力ある業界にする
・印刷業界で女性が活躍し、女性リーダーを継続的に輩出するための環境づくり
【プログラム概要】
第1回 ロールモデル(女性役員)の講演と施設見学、ネットワーキング
第2回 ダイバーシティ推進事例、討議「女性活躍で印刷業界を輝かせよう(仮)」
第3回 ロールモデル(女性役員)の講演と討議のまとめ












【印刷新報2018年9月20日付掲載】
その他掲載記事
・特集・SOPTECとうほく
・SDGsを軸に業界全体の信頼向上へ
 日印産連「2018年9月 印刷の月」記念式典
・第52回造本装幀コンクール表彰式 など

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2018年9月13日付
共同印刷/NISSHA
情報コミュニケーション事業で株式譲渡契約
両社の強みを活かし事業収益の改善へ


 共同印刷(藤森康彰社長、本社・東京都文京区)とNISSHA(鈴木順也社長、本社・京都市中京区)およびその子会社である日本写真印刷コミュニケーションズ(村瀬俊司社長、本社・京都市中京区)の3社は9月4日、日本写真印刷コミュニケーションズが東京地区において展開する情報コミュニケーション事業を共同印刷に譲渡することについて合意し、同事業を譲渡対象とする株式譲渡契約を締結した。
 同日午前11時から共同印刷本社において、共同印刷・藤森社長ほか役員とNISSHA・鈴木社長の出席のもと、記者会見を行った。

藤森社長(左)と鈴木社長

 共同印刷と日本写真印刷コミュニケーションズは2016年3月、資本業務提携契約および生産受委託契約の締結により、共同印刷への生産委託を旨とする協業関係を構築し、生産体制の再編や品質管理体制の確立、物流業務の合理化・効率化などに取り組んできた。今回、両社は現在に至る協業の成果に基づき、東京地区における出版印刷・商業印刷等の情報コミュニケーション事業の譲渡を実行することで一致した。
 日本写真印刷コミュニケーションズは、新たに設立する子会社に同事業を吸収分割(略式分割)し、2019年1月7日付でその株式の90%を共同印刷に譲渡し、10%を継続保有する。譲渡対象となる商圏は、日本写真印刷コミュニケーションズの東京地区における現状の売上高の約80%にあたる70億円規模であり、残りの20%は同社が継続する。譲渡対象となる事業基盤は、日本写真印刷コミュニケーションズの営業を中心とした社員約30名と有形無形の資産などから構成される。新会社の業務開始は来年1月7日を予定。
 今回の株式譲渡契約締結により、共同印刷は情報コミュニケーション部門の収益基盤を強化し、中期経営計画の達成を目指す。日本写真印刷コミュニケーションズは、東京地区の事業を縮小し、高精細で高品位な色調再現を活かせる分野を中心として関西地区に事業基盤を集約するとともに、成長分野である産業資材事業やディバイス事業等に注力していく。
 両社はそれぞれの強みを活かせる市場・事業領域に経営資源を適切に配分することにより、事業収益の改善を目指す。
 記者会見でNISSHAの鈴木社長は「生産提携により増益効果も出せた。商圏とお客様を譲る形で共同印刷さんにお願いする。未来志向の案件であり、業界にとっても意義のあるもの」と述べた。一部自社生産は行っているが、東京地区の情報コミュニケーション事業はもともと外注比率が高かったという。
 NISSHAの連結売上高における情報コミュニケーション事業の割合は約7.4%で、そのうち東京地区の売上高の80%を譲渡することから、今回譲渡する事業は連結売上高全体の約3.6%にあたる。
 東京地区では両社の取引先の重複も少ない。共同印刷の藤森社長は「当社グループ全体のプラスになる。加えて、(デジタル技術を活かした)クロスメディアの推進によりパイを大きくしていける。新会社にどう付加価値を付けていくかが重要だ」と述べた。











【印刷新報2018年9月13日付掲載】
その他掲載記事
・安倍首相が富士特殊紙業を視察
・IGAS2018トレンドを追う
 検査装置&無人化機器
・製本新時代へ革新を志す
 第58回全製工連全国大会 愛知大会など

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2018年9月6日付
東京都、発注基準にGP制度を採用
グリーン購入ガイドの「水準2」に


 一般社団法人日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)が推進するグリーンプリンティング(GP)認定制度が、「東京都グリーン購入ガイド」の水準2に採用され、2018年4月から施行された。
 「東京都グリーン購入ガイド」は、東京都グリーン購入推進方針に基づき、東京都が環境に配慮した物品および役務を調達する際の基準。都の発注において推進することにより、環境配慮型製品の市場を拡大し、製造者の環境負荷低減に向けた取り組みを支援するとともに、都民・事業者や他自治体による環境配慮型製品の購入をさらに喚起する狙いがある。
 「東京都グリーン購入ガイド」には水準1と水準2があり、水準1は必ず考慮すべき事項、水準2は必須条件ではないが配慮することが望ましい水準となっている。対象には、印刷物(紙製の報告書類、ポスター、チラシ、パンフレット等)が含まれている。
 今年4月に改訂された「東京都グリーン購入ガイド」では、印刷物の環境配慮仕様(発注基準)のうち、水準2に新たに「(一社)日本印刷産業連合会によるグリーンプリンティング認定制度による認定を受けた工場で印刷されるものであること。」という基準が追加された。
 また、印刷会社は各工程における環境配慮の措置(グリーンプリンティング認定基準では必須項目)を求められているが、その措置の証明書として、「グリーンプリンティング工場認定証」の写しでもよいことが明記された。
 これらの改訂により、今後の東京都関連の印刷物の発注は、グリーンプリンティング認定工場であることを条件とする事例が大幅に増加するとともに、消費者へのコミュニケーションとして印刷物へのGPマーク表示が増えていくと予想される。さらに、都内の市・区役所、公的機関・施設や民間企業の印刷発注の条件として波及してものと考えられる。
 ◆東京都グリーン購入ガイドの【備考】の一部
 〔印刷の各工程〕については、仕様書に表1「オフセット印刷又はデジタル印刷に関連する印刷の各工程における環境配慮項目及び基準」を添付すること。また、納品時に表3「オフセット印刷又はデジタル印刷の工程における環境配慮チェックリスト兼証明書」を提出させること。なお、(一社)日本印刷産業連合会による「グリーンプリンティング認定工場」で印刷した場合には、認定証の写しの提出をもって表3の提出に代えることができる。










【印刷新報2018年9月6日付掲載】
その他掲載記事
・「9月 印刷の月」特集
・IGAS2018トレンドを追う
 デジタルラベル・3Dプリンタ
・ウエーブ、自動化システムを販売 など

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2018年8月30日付
〈東ト協 第40回出版物関係輸送懇談会〉
関連業界一丸での改革が急務に
約6割が出版物輸送撤退を検討


 一般社団法人東京都トラック協会(東ト協)の出版・印刷・製本・取次専門部会(瀧澤賢司部会長)が主催する第40回出版物関係輸送懇談会が8月21日に東京・四谷の東京都トラック総合会館で開催され、経営状況の悪化により出版物輸送からの撤退が現実味を帯びてきていることが訴えられた。版元・取次・書店・輸送が四位一体となった改革がもはや避けられない状況にある。
            ◇
 懇談会には東ト協の部会メンバーのほか、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本書籍出版協会、日本書店商業組合連合会、印刷業界からは東京都製本工業組合書籍・雑誌部会の金子誉部会長(共同製本)と大日本印刷の担当者らが出席した。
 通常は11月前後に開催されている同懇談会だが、出版物輸送を取り巻く環境が厳しさを増す中で、「とても11月まで待てない。一刻も早く実情を伝えるべきだ」との声が部会メンバーから挙がり、急遽8月に開催することになった。内容についても、従来は業量の平準化が話題の中心だったが、今回は「経営の岐路に立つ出版物輸送〜現実味を帯びる出版物輸送からの撤退」と刺激的なタイトルが掲げられ、経営の窮状が伝えられた。
 懇談会では、まず7月に実施した経営実態に関するアンケート調査の結果が報告された。
 調査は部会メンバー企業23社を対象に実施し、14社から回答を得たもの。業態としては「取次→店舗」9社、「版元→取次」4社、「両方とも」1社となっている。
 【出版物輸送で経営が成り立っているか】という問いでは、12社が「成り立っていない」と回答。【今後、労働時間等法令に基づく経営は可能か】についても12社が「不可能」としている。
 【ここ1〜2年で荷主から運賃の値上げがあったか】については、「取次→店舗」では過半数の5社が「あった」のに対し、「版元→取次」では4社すべてが「なかった」と回答している。
 【今後、出版物関係輸送を継続していくか】については「撤退する」が1社、「一部撤退する」が7社を占め、「継続する」は6社に止まった。
 経営が成り立たない理由としては、多くの企業が重量制運賃を理由として挙げた。出版不況によって業量が減少する中で、料金が業量に比例する従来の運賃体系は限界に達している。加えて、コンビニへの輸送についても負担の大きさを指摘する意見が多くあった。
 瀧澤部会長は、これまでマンパワーで対応していた現場の作業について、労働時間に関する規制が強まっていることから、「仕分けなどの作業部分についてはとても対応しきれなくなっている」と指摘。また国からも仕分け等については別途作業費を請求するように指導もされており、値上げについては避けられない状況にあることを訴えた。
 一方で、一時的な値上げでは業量の減少によって効果がすぐに相殺されてしまうため、各工程での効率化を図ることによって経費の削減も並行して行っていく必要性も説かれた。
 話を受けて雑協からは、運賃の値上げ等について理解を示す声もあったが、雑誌の価格にダイレクトに影響することへの懸念も指摘され、全体としては魅力ある本作りで業量の増加に努めていくという内容に止まった。
 取協からは「量に左右されない運賃体系について真剣に考え始める時期に入った」との指摘があったが、運賃の支払い原資は業量に比例するため実現のハードルは高い。また、作業効率化に関してはICタグの普及に期待する声もあった。
 東ト協の部会メンバーからは「物流業界では出版関係は納期が厳しい上に単価が安いため手を出してはいけないと思われている」との発言も飛んだ。一方で「創業から携わってきたので辞めたくはない。出版物輸送を定年までやりたいという従業員もいる」と苦しい胸のうちも明かされた。
 印刷業界としては、印刷工業会の出版印刷部会物流分科会で印刷・製本会社における輸送待機時間の問題について、取次会社と実務者レベルの会合の場を月一回のペースで設けている。
 この会合にオブザーバーとして参加している製本組合の金子部会長は「待機時間の問題について取次会社から各ヤードの待機時間の状況についてデータを出してもらい、その対策について膝を突き合わせて議論している。劇的に良くなることはないと思うが、議論の場があることは大変ありがたいことだ」と述べ、定期的に会合の場を持つ重要性を強調した。
 その話を受けて瀧澤部会長は「従来の土俵からステージを変えないとだめだ」と述べ、実務者を交えた話し合いの場を設けることで現場の意見を拾い上げ、出版物輸送の作業改善を一層図っていく必要を説いた。
 すでに限界に達している出版物輸送。関連業界が危機感を共有し、一丸となった取組みが急がれる。










【印刷新報2018年8月30日付掲載】
その他掲載記事
・フレキソ・ジャパン2018 開催
・IGAS2018トレンドを追う ポストプレス編
・インタビュー 全国青年印刷人協議会 青木允議長 など

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2018年8月23日付
〈第17回印刷産業環境優良工場表彰〉
経済産業大臣賞は池田印刷、トッパン・フォームズ関西
環境活動が高水準の仕組みに


 日本印刷産業連合会が主催する「第17回印刷産業環境優良工場表彰」の受賞工場が8月9日に公表された。経済産業大臣賞は、池田印刷株式会社京浜島工場(東京都大田区)とトッパン・フォームズ関西株式会社大阪桜井工場(大阪府三島郡)。今回、初めて経済産業大臣賞を2工場が受賞した。経済産業省商務情報政策局長賞はアインズ株式会社本社工場(滋賀県蒲生郡)。他に日印産連会長賞5工場、日印産連奨励賞8工場が受賞した。表彰式は、9月12日にホテルニューオータニ東京で開催される「2018年9月 印刷の月」記念式典の席上行われる。
 審査委員会の総評は次のとおり。
 「一般部門、小規模事業所部門を合わせ計57工場から応募があった今回は、ISOや自社独自の仕組みを環境マネジメントシステムとして運用し、PDCAを回しながら活動を継続的に進めている工場の評価が総じて高く、中でも大臣賞の2社は規模の違いはあるものの、それぞれ業界の模範となるレベルの高い活動を展開している。
 また、その他の会社も廃棄物の削減、省エネ、GP認定品の採用や地域の環境問題への積極的な参画など、自主的な取組みが機能して成果を上げているところが多く、今後も業界内で水平展開できるモデル事例としての活用が望まれる」
 小規模事業所部門からの応募では初の大臣賞受賞となった池田印刷の京浜島工場は、1983年に操業開始した工業専用地域にある正規従業員15名の事業所で、商業印刷物等の刷版から印刷、製本加工を行っている。第4回(平成17年度)から応募し、第6回奨励賞、第9回特別賞、第11回会長賞、第14回局長賞とランクアップしてきた。
 審査委員会からは「前回(29年度)よりさらに活動が進み、特にCO2削減や作業環境管理・改善に関しては高いレベルにある。また小規模事業所ではあるが、屋上の緑化や太陽光パネルの設置など環境投資も積極的に行っている。経営者の環境への強い意志が感じられ、従業員にもさまざまな活動が浸透しており、大企業と比べても遜色ない環境活動を行っている」と評価された。
 トッパン・フォームズ関西 大阪桜井工場は、2014年に全面改築した準工業地域にある正規従業員351名の工場で、ビジネスフォーム、データプリントサービス等の製版から印刷・印字、加工工程まで総合的に行っている。
 審査委員会では次のように高く評価した。「ISO14001を2004年12月に取得し、その後も継続して認証を更新する中で、環境マネジメントシステムが定着しており、環境側面の抽出から目標設定、月次の環境関連会議での目標達成状況の報告・評価と見直しが行われ、環境の取組みが仕組みとして回っている。また、廃棄物の約90%を占める重量損紙の削減活動では、巻取紙装着時の表面引き裂き極小化に積極的な活動を図り、グループの複数工場の中でトップの削減実績を上げている。工場の全面改築から短期間で成果を上げ、工場内の活動に留まらず周辺の環境対策にも積極的に取り組み、地域の環境改善にも貢献していることは業界の模範となる」


















【印刷新報2018年8月23日付掲載】
その他掲載記事
・HOPE2018特集
・人材力強化を支援 東印工組
・drupa2020、順調に準備進む など

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2018年8月9日付
全国グラビア、石原議員に要望書託す
持続可能な業界への転換を


 全国グラビア協同組合連合会の田口薫会長、安永研二副会長、村田英雄専務理事、東包印刷の顧問弁護士を務める柴田里香氏は7月10日、衆議院第一議員会館に自民党税制調査会副会長などを務める石原伸晃議員を訪ねた。親事業者および発注先から不当な取引を強いられ、このままでは企業存立が脅かされかねない実情を訴え、持続可能な軟包装グラビア印刷業界へと転換するために必要な5項目の要望を盛り込んだ要望書を手渡した。

全グラ田口会長(左)と石原衆議院議員

 田口会長は、中小企業の事業承継に配慮した税制措置が講じられていることに感謝の意を表しつつも、「勝者なき過剰品質に起因する儲からない企業体質では事業承継もおぼつかない、事業承継を確かなものとし、雇用を確保し、食品や飲料等のサプライチェーンの中で重要な役割を果たしている軟包装材の安定供給のためにも、全グラ組合員が置かれている窮状をご理解いただき、善処していただきたい」と述べた。
 続いて、安永副会長が「多品種・小ロット・短納期の儲からない三重苦に加え、脆弱な川中産業としての苦境、道理を逸した異常なまでの品質要求がもたらす不毛なクレームによるシワ寄せ、フィルムや樹脂等の石化資材や物流費の上昇を100%吸収しきれていない現状にあっては、食品を保護し、安全・安心な状態で消費者に届けるという社会的なインフラを担っているにもかかわらず、ハイリスク・ローリターンな業種となってしまっている」と説明。さらに、中小企業の脆弱さを理解していない取引事例が多く、それを糺すための制度が十分ではないと訴えた。
当日の要望事項は次の5点。
@時代に即した独禁法(優越的地位の濫用・下請法)の改善
A親事業者の禁止行為を含むガイドライン内容の充実
B相談、申告の負担軽減化およびサポート
C下請中小企業振興法(下請振興基準)の大手企業への配布・啓蒙
D外的要因による資材価格上昇の際には、消費税と同様の価格転嫁措置
 要望を受けて石原議員は「商業活動、経済活動の中で、大きい者が小さな者に牙をむいたり、優越的地位を誇るというのはいつの世もあるが、そんなことを許していては国民は幸せにならない。しっかりと受けとめたい」と述べた。

















【印刷新報2018年8月9日付掲載】
その他掲載記事
・全日シール第60回年次大会 「IGAS大会」に360名
・マーチングEXPO2018 温泉メディアと新たに連携
・新理事長に聞く
 山形県印刷工業組合 大風亨理事長
 富山県印刷工業組合 濱 尚 理事長 など

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2018年8月2日付
〈FAPGA国際印刷フォーラム〉
アジア各国が情報交換 デジタル印刷の課題など討論


 日本印刷産業連合会は、IGAS2018初日の7月26日午後、東京ビッグサイト会議棟で「FAPGA国際印刷フォーラム2018東京」を開催した。基調講演、アジア主要国の印刷業界の現状報告、デジタル印刷に関するパネルディスカッションなど充実した内容で行われ、情報の共有と意見交換を行った。

「デジタル印刷」をテーマにパネルディスカッション

■パッケージ分野の成長性に注目
 今回、FAPGAアジア印刷会議(7月26〜28日)がIGAS2018に合わせて開催されたことから、国際印刷フォーラムが企画された。
 FAPGA(Forum of Asia Pacific Graphic Arts)は、アジア地域における印刷産業の発展と協力関係の構築のために設立されたFAGATを母体とし、2013年からFAPGAに名称変更。2009年の第11回(東京開催)から日印産連が日本の代表機関として参加している。現在の加盟国は12ヵ国。
 FAPGA国際印刷フォーラムでは、米国印刷技術協会のセイヤー・ロング会長が「印刷産業におけるイノベーションと世界の動向─出版/商売/パッケージ分野」と題して基調講演を行った。
 米国では全世代でソーシャルメディアの利用率が年々高まっているが、一方で、ソーシャルメディア疲れも増大しており、印刷とオンラインが相互に高めあう動きが出ているという。また、今後の成長分野としてパッケージ分野を上げた。均質な世界になるほど、パッケージが差別化を生み、収益をもたらすと見る。
 ロング氏は「消費者のポジティブな体験に貢献できれば、印刷には多くの機会と市場がある。量(頁数)を追うのではなく、高い価値を創り出し、提供するために、いま行動することが必要だ」と講演を結んだ。
 各国の現状報告を行ったのは、オーストラリア、中国、インドの3ヵ国。
 オーストラリア印刷連合会のウォルター・カーン会長は、同国でもパッケージ産業への投資が活発であり、2018年から2023年の年平均成長率1.5%の見通しを示した。
 中国印刷技術協会の朱敏副理事は、従来型の印刷事業の成長が鈍化する一方、デジタル印刷が急速に発展していること、国の指針に基づき環境配慮型印刷の収益が増大していることを報告した。
 インドのドートオフセットテクノクラフツ社、テュシャー ドート社長は、印刷産業がインドで最も成長率の高い産業の一つであり、2015年から2020年までの年平均成長率は7.8%の見通しであると報告した。
 パネルディスカッションには、オーストラリア、中国、インド、マレーシア、ネパール、フィリッピンの6ヵ国の代表が参加し、FAPGAのピーター・レーン会長(オーストラリア)も加わった。モデレーターは日印産連の石橋邦夫部長が務めた。  デジタル印刷の状況を報告した後、導入の課題、有望な市場について話し合った。オーストラリアを除けば、まだ各国とも普及度が低く、知識も不足しているのが現状で、コスト面での課題もある。一方で、デジタル印刷への期待は大きい。
 インドの代表は「フォトアルバムや教材などで活用が進んでいる。いずれ、すべての印刷物はデジタルで可能になるだろう」、マレーシアの代表は「ネット受注とセットで考えることが必要だ。運用コストが下がれば、多くの会社が乗り出し、オフセットを侵食していくのではないか」と述べた。
















【印刷新報2018年8月2日付掲載】
その他掲載記事
・IGASに5万5863人が来場 新たな印刷の価値を提示
・国際リニアコライダーを東北へ
・藤井治夫氏の旭日双光章を祝う など

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2018年7月26日付
〈真生印刷/デジタル総合印刷〉
MRで実物イメージを投影 設備導入を大幅に効率化


 真生印刷(河内克之社長、本社・大阪府堺市)とデジタル総合印刷(河内克之社長、本社・大阪市東住吉区)は7月20日、日本マイクロソフトのMR(複合現実)デバイス「HoloLens(ホロレンズ)」の技術を活用し、大型機械・設備の導入を大幅に効率化するアプリおよびサービス「MR設備導入シミュレーション」を独自開発し、サービス提供を行うと発表した。両社ともすでに設備導入シミュレーションの実績を持つ。

現実の工場内に大型印刷機の3Dイメージを実物大で投影

■機械設置後の課題を事前に検証
 真生印刷は、印刷事業を中心に企画・物流・システム開発までソリューションビジネスを展開、デジタル総合印刷も印刷事業に加えて、AR/VR/MR/3Dコンテンツ企画・制作、インターネット関連ビジネス、各種データ処理、ソフト開発などを手がける。
 このたび両社が共同開発した「MR設備導入シミュレーション」は、仮想空間と現実とを融合し体験できるヘッドマウントディスプレイ方式の拡張現実ウェアラブルコンピュータデバイス「Microsoft HoloLens」を活用する。現実の工場内に3Dデータを重ねて表示することにより、大型機械・設備などの導入に際して、レイアウトや作業効率を事前に検証でき、リスクの回避につながる。
 真生印刷では、小森コーポレーションの菊全判オフセット枚葉印刷機「LITHRONE GX40」の導入にあたり、同社から提供された設計データに基づいて「MR設備導入シミュレーション」のアプリを活用し、現実の工場内に3Dで印刷機の導入イメージを投影。実際に機械導入に役立つシミュレーションを行った。
 また、デジタル総合印刷では、パートナー企業のラティス・テクノロジー(鳥谷浩志社長、本社・東京都文京区)が開発したウェブシステム「XVL」を活用し、約30メートルの巨大な印刷機の3Dデータを、品質を劣化させることなく100分の1以上に軽量化。「Microsoft HoloLens」で実物大に表示させる成功事例を実現している。
 「MR設備導入シミュレーション」では、印刷会社の工場内などに、大型印刷機の3Dイメージを実物大で自由に設置できる。すでに導入済みの設備と導入予定の設備との干渉、実際の作業にあたって課題となりそうな箇所を、導入前にさまざまな位置から確認できる。作業現場などへ設備を導入する際の業務を大幅に削減するとともに、導入後のスムーズな作業環境の整備を実現する。
【超軽量3Dフォーマット「XVL」について】
 XVL(eXtensible Virtual world description Language)」は、XML(eXtensible Markup Language)」をベースにした超軽量3Dフォーマット。XVLを用いることで、3D CADなどで生成された3Dデータを数百分の1にまで軽量化することが可能。また、メモリ容量が少ない環境でも、大容量の3Dデータなどを高速表示する技術を実装することで、ネットワーク環境を活用した3Dデータの共有を実現できる。
 さらに、「形状」と結びついた製品構成や属性データなど、製造で必要とされる各種情報を含めることができる。















【印刷新報2018年7月26日付掲載】
その他掲載記事
・「胆管がん問題」で啓発書 中災防
・東洋美術印刷・オープンハウス
 社内デザイナーが作品発表
・印刷博物館 「活版印刷三日月堂」とコラボ企画 など

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2018年7月19日付
政府が外国人材受入れ拡大で
「業種別受入れ方針」の策定へ


 政府の「骨太の方針2018」(経済財政運営と改革の基本方針)に「新たな外国人材の受入れ」が明記されたことを踏まえ、経済産業省は12日、製造業関係者への説明会を同省本館で開催した。
 外国人材の受入れに関しては6月15日の閣議決定において、中小・小規模事業者をはじめとした深刻な人手不足に対応するため、専門的・技術的分野に限らず、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する必要があるとされ、新たな在留資格の創設などが方針として示された。
 今回の説明会では、IT投資・働き方改革等を通じた生産性向上や国内人材の確保などの取組みを推進してもなお、業種の存続・発展のために外国人材の受入れが必要と認められる業種であれば、業種別の受入れ方針等を策定した上で新制度の対象となり得ることなどが説明された。
 政府は今後、在留期間の延長や技能実習対象職種の追加などを検討していく。在留期間の上限を通算5年とし、家族の帯同は基本的に認めない方針だが、滞在中に一定の試験に合格するなどより高い専門性を有すると認められた者については、上限を付さず、家族帯同も認めるなどの資格上の措置も検討する。
 想定されるスケジュールは、入管法改正により就労を目的とした「新たな在留資格」を創設。政府基本方針(閣議決定)で、受入れに関する「業種横断的な方針」、および業種の特性を考慮した「業種別受入れ方針」を決定する。早ければ来年度以降、「業種別受入れ方針」に基づき、外国人材の受入れを開始する。
 現行の技能実習対象職種は77職種139作業があり、印刷職種(オフセット印刷作業)、製本職種(製本作業)、紙器・段ボール箱製造職種(印刷箱打抜き作業など4作業)も含まれる。














【印刷新報2018年7月19日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018特集3
・災害対策窓口を設置 全印工連
・新理事長に聞く
 群馬県印刷工業組合 石川靖理事長
 山梨県印刷工業組合 山内幸雄理事長 など

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2018年7月12日付
日印産連、IGASに「JPEX」を出展
日本を代表する製品を紹介、印刷産業の拡がり示す


 日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)は、加盟10団体と協力し、7月26日から31日まで東京ビッグサイトで開催される国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展「IGAS2018」にJPEX(Japan Printing Exhibition)ブースを出展し、日本の印刷産業を国内外にアピールする。
 JPEXは、ガレリア会場と東2-11会場の2箇所に設営される。
 ガレリア会場では、日印産連主催の4大コンクール(全国カレンダー展、全国カタログ展、造本装幀コンクール、ジャパンパッケージングコンペティション)、全日本シール印刷協同組合連合会のシールラベルコンテスト、全日本印刷工業組合連合会のメディア・ユニバーサルデザインコンペティションなど、各分野におけるコンクールの優秀作品を中心に展示を行う。幅広い分野の、日本を代表する優れた印刷製品を一堂に見ることができる。
 東2-11会場では4つのコーナーを設け、印刷産業の「広がり」、「取り組み」、「情報発信」、「コンテスト」を紹介する。
 また今日、国連の推進するSGDs(持続可能な開発目標)が注目を集めているが、印刷業界は早い時期から環境への取り組みやCSR、女性活躍など幅広い分野に力を入れてきている。そうした業界の活動を「印刷産業の取り組み」として紹介する。
 さらに、日印産連の加盟10団体の中では、印刷業界のさまざまな情報発信を行っており、ホームページの中でそれぞれの団体の特徴的な技術の紹介を行っているところもある。
 今回は、日本グラフィックサービス工業会の「ジャグラBB」、日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会の「GCのトビラ」、全日本製本工業組合連合会の「製本の引き出し」、全日本光沢化工紙協同組合連合会の「光沢加工とは」といった業界関係者にとっても参考になるコンテンツの紹介を行う。
 このコーナーでは、全国グラビア協同組合連合会が作成した「品質判定ガイドライン〜軟包装(インキ抜け)」も紹介する。軟包装におけるインキ抜けの品質判定の基準に活用でき、本当にあるべき品質基準とはどのようなものなのかを問いかける。
 また、印刷産業で開催されているコンテストは非常に多岐にわたるため、ガレリアだけでは展示しきれない。そのため、作品を東2-11会場のブースでも展示する。
 日印産連では「JPEXブースをご覧いただくことで、印刷業界の多様性と、その多様性によってもたらされる数多くの可能性を少しでも感じていただきたい。印刷業界の中にいても知らない分野はあり、新しい発見が期待できる」とコメントしている。













【印刷新報2018年7月12日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018特集2・暑中特集
・新理事長に聞く
 長野県印刷工業組合 藤森英夫理事長
・創立70周年を迎え感謝の集い 文星閣 など

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2018年7月5日付
〈中小企業庁「取引条件改善状況調査」より〉
印刷業、価格転嫁が重要課題 発注者への申入れも低い割合


 中小企業庁は、下請など中小企業における「取引条件改善状況調査」の結果をとりまとめ、このほど発表した。直近1年以内の改善率(改善された事業者の割合)について、「不合理的な原価低減要請の改善」に関しては印刷業が54%と業種別の1位だった。一方、「製品等の価格への転嫁」では、印刷業が労務費、原材料価格、エネルギー価格とも「転嫁できなかった」で業種全体の平均を大きく上回っている。
           ◇
 世耕プランで重点3課題とされた「不合理な原価低減要請の改善」、「型の廃棄・返却の適正化」、「下請代金の支払条件の改善」に関する直近1年以内の改善率で、「不合理な原価低減要請の改善」(※直近5年以内に合理的な説明のない原価低減要請を受けた受注側事業所のうち、直近1年以内に改善された事業者の割合)では「印刷」が54%と業種別の1位。全体平均の38%を大きく上回った。「紙・加工品」も50%と高かった。一方、「下請代金の支払条件の改善」(※下請代金を手形等で受け取っている受注側事業所のうち、直近1年以内に下請代金の支払条件改善提案のあった事業者の割合)に関して、印刷業は8%と全体平均の11%を下回る。
 取引上の課題を受注側事業者に聞いたところ、製造業全般の傾向と同じく、印刷業(回答数50社、複数回答)は「コストを取引価格に転嫁できない」が66%と最も高く、次いで「業界独自の商慣行」36%、「合理的な理由のない価格引き下げ」20%、「価格交渉に応じてくれない」20%と続く。
 製品等の価格への転嫁(受注側事業者)に関して、印刷業における「転嫁できなかった」事業者の割合は、労務費で69%(全体平均48%)、原材料価格で47%(同35%)、エネルギー価格で58%(同45%)。労務費とエネルギー価格で業種別の1位、原材料価格で2位となった。
 労務費上昇分を価格転嫁できなかった理由(複数回答)としては、製造業の66%が「発注側事業者に協議を申し入れることができなかった」と回答している。「協議したが転嫁が認められなかった」は15%、「協議を申し入れたが応じてもらえなかった」は7%と低い割合。
 その一方で、労務費上昇に伴う取引価格の見直しについて、発注側事業者(回答505社)の99%が受注側事業者から要請があった場合は「協議に応じている」と回答。さらに、そのうち98%の事業者が「取引価格に概ね、または一部反映した」と回答している。
 中小企業における、従業員1人あたりの残業時間のうち、最も長い1ヵ月の残業時間数については、「45時間以下」68%、「45時間超〜60時間」18%、「60時間超〜80時間」10%など。45時間超と回答した割合が高い業種で、印刷業は「運送・倉庫」「自動車」「産業機械」に次いで4番目(「情報・サービス」と同率)となっており、回答428社のうち146社(34%)が45時間を超える。
 長時間労働につながる商慣行等(自由記述式)で、印刷業は「短納期」37件、「年度末に集中」4件、「季節性」1件となっているが、中小企業庁では、他業種に比べて「印刷業では公共工事や官公需発注の『年度末集中』が課題という回答が多い」と分析している。
 運送業においては「待機時間」という回答が圧倒的に多い。  時間外労働の上限規制が導入された場合の受注側中小企業の取引上の影響(複数回答)では、「納期遅れなどのトラブル」50%、「売上機会の逸失」44%、「外注の増加による利益の圧迫」39%、「その他」18%となった。  中小企業が人手不足への対応として検討している事項(複数回答)は、「従業員が複数業務を兼務」が47%と最も多く、「残業を増やす」36%、「外注量を増やす」34%、「同業他社と連携」28%、「高齢者を採用」27%、「受注量を減らす」26%、「設備投資やIT投資で効率化」17%、「外国人を採用」11%、「その他」9%の順。
 このうち、「設備投資やIT投資で効率化」と回答した事業者の比率は、大企業(48%)に比べて中小企業(17%)は大幅に低い。

【調査概要】
 2016年9月に策定された「未来志向型の取引慣行に向けて」(世耕プラン)に基づく関係法令の基準改正の浸透状況等を調査する目的で実施。中小企業が現在直面している人手不足や働き方改革の状況なども併せて調査した。
 6万6600社(受注側6万450社、発注側6150社)に調査票を発送し、1万6484社から回答を得た(うち大企業は約6%)。対象業種は製造業、サービス業、建設業、卸・小売業の全19業種。調査期間は2018年1月〜3月。
 印刷業では2074社に調査票を発送、受注側441社、発注側52社の計493社が回答した。












【印刷新報2018年7月5日付掲載】
その他掲載記事
・第52回造本装幀コンクール 入賞22点が決定
・新理事長に聞く
 青森県印刷工業組合 澤田義治理事長
 熊本県印刷工業組合 徳永昌二理事長
・障がい者、高齢者向け保険事業を開始 野毛印刷社 など

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2018年6月28日付
全印工連、『事業承継ガイドブック』を発行
タイプ別に解決策、多様な承継事例も紹介


 全日本印刷工業組合連合会 経営革新マーケティング委員会(福田浩志委員長)は、中小印刷会社にとって重要な経営課題である事業承継の課題解決を目的とした『印刷業界のための事業承継ガイドブック』を刊行した。マンガやイラスト、フローチャートを使い、事業承継の必要性と各社の現状に合わせた対策についてわかりやすく解説している。6社の実例紹介もある。今後、ガイドブックを基にしたセミナーも開催していく。各社の事業承継はもちろん、中小印刷会社の貴重な経営資源を業界内で有効に引き継いでいくことが期待される。

印刷業の特徴に配慮した

 帝国データバンクの調べによると、全国の企業を対象にした2017年の「休廃業・解散」件数は2万4400件、「倒産」(8376件)の実に約2.9倍に上っている。また、「休廃業・解散」した企業の代表者の年齢は、「70代」(44.8%)が最多となり、前年まで最多だった「60代」と入れ替わった。
 これは中小印刷業界でも同様の傾向であり、事業承継問題は印刷産業における最優先課題の一つとなっている。後継者難から廃業を選択する企業が増えることは、各社の顧客、従業員、設備、財産、信用、技能、ノウハウなど大切な経営資源が流出することを意味し、印刷産業全体の活力の低下にもつながる。
 事態の重要性を重く受けとめた全印工連では、かねてから事業承継問題の解決に向けた研究を進めてきた。2017年3月には提携先の山田コンサルティンググループ内に「事業承継支援センター」を設置し、他業界に先駆けた取組みが注目を集めた。同センターにはこれまで40件以上の相談が組合員から持ち込まれている。
 さらに経営革新マーケティング委員会 経営イノベーション部会では、事業承継の悩みを抱えているが誰にも相談できない企業、どう対処していいかわからない企業等の悩みを解決すべく、ハッピーリタイアやM&Aも含めた多様な選択肢を示したうえで、最適な手段を知り、実行に移すためのツールとして、『印刷業界のために事業承継ガイドブック』(A4判、128頁、山田コンサルティンググループほか監修)を編集・発行した。
 現状では事業承継の必要性を感じていない企業にも、早めの承継準備が重要であることを認識してもらい、取組みを促す啓発書ともなっている。
 ガイドブックの副題に「あなたの会社はどのタイプ?」と付いているとおり、診断フローチャートを使って、自社に合った課題解決のケースを選び、該当ケースの解説を集中的に読むことができるのが大きな特徴だ。ケースは「事前の株価対策で悩みを解決」「株式分散は時限爆弾?」「第三者承継でハッピーリタイア」「事業戦略としてのM&A」など8つ。イラスト、図解を多用していて理解しやすい。
 導入部分では、事業承継の必要性、印刷業界における事業承継の特徴などを解説している。  事業承継を行った経営者への「実例インタビュー」では、システム印刷、nakabi、伸和、城南村田、プライズコミュニケーション、菊地秀美堂の6社を取り上げた。
 同書の頒布価格は組合員3000円、一般5000円(ともに税込、送料別)。申込みは各都道府県印工組事務局まで。全印工連ホームページからも申し込める。
 経営革新マーケティング委員会では、ガイドブックを活用したセミナー開催も実施する。すでに東京では7月9日、11月8日(日本印刷会館)に決定しているほか、全国各地での積極的なセミナー開催を促していく。











【印刷新報2018年6月28日付掲載】
その他掲載記事
・「モデル就業規則」を改訂 東印工組
・塚田会長を再選 JAGAT
・販促ツールを一堂に
 共栄メディア プライベートショー など

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2018年6月21日付
精英堂印刷、世界初のVOCフリー印刷実演
ローラー洗浄時も発生なし


 一般社団法人日本WPA(田畠久義会長)は、第8期定期総会を6月8日に福島市のキング印刷本社で開催し、併せて会員企業2社の工場見学会を実施した。総会の議事を終えた後、5台の印刷機すべてをLED-UV印刷で運用するキング印刷の工場を見学。さらに、バスで山形県米沢市の精英堂印刷に移動し、世界初のVОCフリー印刷の実演を見学した。

参加者から驚きの声が上がった工場見学会

 精英堂印刷では、水系洗浄剤で洗浄可能な水なしUV印刷の実演・見学会を行った。水溶性UVインキ(3Wインキ)を使用した世界初のVОCフリー印刷の公開となり、究極の環境対応の効果をVОC濃度測定で実証した。
 同社の井上吉昭社長は「同業の方々には、ぜひこのインキを使っていただき、普及することになればうれしい」と話した。
 使用する3Wインキは、T&K TOKA製の「UV171TR」(今夏発売に向け準備中)で、東レが開発した親水性ポリマーを主原料としている。フレキソ印刷やグラビア印刷における水性インキは、原料にアルコール系のVОC発生原因となる化学物質が含まれるのに対し、水溶性インキは、インキ中にもVОC発生成分は含まれない。また、VОCフリーの水系洗浄剤を使用できることから、ローラー洗浄時にもVОCを発生しない究極の環境対応印刷と言える。
 実演は、ハイデルベルグの「スピードマスターXL105-6+LX+UV」で行い、通常のUVインキと同等の性能と作業性が確認できた。
 印刷後のローラー洗浄時のVОC濃度測定で、VОCフリーの水系洗浄液では、洗浄時も洗浄前と同じ45ppm程度であったのに対し、通常の洗浄液を使用した洗浄では、1000ppm以上まで上昇し、見学者から驚きの声が漏れた。
 精英堂印刷では、軟包装印刷での採用を目標にVОCフリー印刷の技術開発を進めている。










【印刷新報2018年6月21日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018特集 第1集
・新理事長に聞く
 宮城県印刷工業組合 針生英一氏
・紙の新たな可能性追求 TAKEO PAPER SHOW2018 など

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2018年6月14日付
〈中小印刷産業振興議員連盟〉
知的財産権取引の活動支援 実効性確保へ実態把握


 中小印刷産業振興議員連盟(中曽根弘文会長)の総会が6月6日、東京・永田町の自由民主党本部で開催された。全日本印刷工業組合連合会および全日本印刷産業政治連盟から官公需活動の取組み状況が報告され、意見交換が行われた。知的財産権の財産的価値に対する理解促進や、最低制限価格制度を中心とする入札制度の改善等について、自民党議員の理解と今後の活動に対する協力・支援の後楯を得るとともに、出席した省庁の幹部からも、全国自治体への周知徹底に向けた方策を進めていく旨、発言があった。

官公需取引の実態を説明し各種要望を行った

■全印工連、自治体への周知徹底を求める
 開会にあたり議連の中曽根会長は「知的財産権の適切な取扱いは重要な問題。徹底されるように取り組んでいく」とあいさつ。伊藤達也幹事長も「実効性を確保し、実を上げていくために本日はしっかり議論したい」と述べた。
 また、全印工連の臼田真人会長は「われわれの調査からは全国の自治体への周知・啓発の不足が浮き彫りになった。また、最低制限価格制度や地元優先発注の問題とセットでないと実効性がない。ぜひご助言ご支援をお願いしたい」と業界を代表してあいさつした。
 続いて、全印政連の生井義三幹事長から、官公需活動の取組み状況が報告された。
 知的財産権の取扱いについては、平成29年度の中小企業者に関する国等の契約の基本方針に「知的財産権の財産的価値」が明記された。基本方針の発表を受けて全印工連では、知的財産権の適切な取扱いに関する啓発冊子を作成し、各都道府県印工組に対して地元自治体への働きかけを要請し、情報の共有にも努めてきた。
 全印工連が47都道府県印工組に実施したアンケートによると、地元自治体に「啓発活動を実施」した工組は59.6%、「今後実施予定」が8.5%、「検討中」が19.1%、「活動していない」が12.8%となった。
 具体的な活動方法については、「工組独自に活動」18工組、「関係機関の支援を受けて活動」10工組、「今後活動する」5工組、「検討中」8工組。
 啓発活動を受けて検討に入る自治体も見られる一方、「どの部署もほとんど関心がない」自治体もあるなど、温度差が大きいのが実情。
 生井幹事長は「好事例は散見されるが、まだまだ周知・啓発が不足している。特に市区町村へはまったくできていない。他県で対応していないため、当面、現行の発注方法を踏襲するなど、国の基本方針の遵守に消極的な自治体も多い。横並び意識が阻害している」と指摘した。
 課題解決に向けては、全印工連の自助努力はもちろん、自治体への周知・啓発の強化、定期調査で収集した好事例の県等への情報提供、契約書や仕様書に利用できるコンテンツ版バイ・ドール契約の自治体向けの雛型作成などを国にも求めた。
 さらに、適正価格の実現について、最低制限価格制度が導入されていない府県が22あること、導入済みの都道府県でも運用上の多くの問題があることを報告し、適用金額の30〜50万円あたりまでの引下げ、予定価格に対する設定率の80%以上への引上げ、根拠のある予定価格の算出方法の採用などを強く求めた。
 意見交換では、知的財産権の適切な取扱いについて中企庁課長から「全国で実施している(国の契約の基本方針の)説明会で周知はしている。強制力はないが、閣議決定文書なので、遵守を求めていく」、総務省課長からも「地方公共団体にとっての努力義務であり、財産的価値への留意は第一項目だ」と発言があった。
 最低制限価格制度や地元優先発注について、中曽根会長から実施していない県の名前を求める場面もあった。中企庁課長は「説明会で最低制限価格制度など未導入の県名を特に挙げることは可能だ。今後も好事例をシェアしながら周知に努めていきたい」とコメントした。
 臼田会長は「特に地方の印刷会社は官公需で成り立っている。地元優先発注かつ適正な予定価格の算出がなければ地方経済は回らず、雇用も守れない。デフレを官公需が引っ張っている現状もある」と発言。
 宮下一郎事務局長は「行政がデフレのスイッチを押すことがあってはならない。ダンピングはデフレの元凶だとぜひ広めてほしい。適正な予定価格の算出や最低制限価格の問題は、産業横断的に取り組むべき課題だ」と言及した。
 伊藤幹事長から「(全印工連が実施したような自治体の取組みに関する)調査を政府が一緒になってやることはできないか。実施できるなら、自治体への影響力は大きい」という質問に対しては、経産省課長が「いろいろな方法を検討していきたい」と回答した。



















【印刷新報2018年6月14日付掲載】
その他掲載記事
・「CMYK」プロジェクト発進
 全印工連、対外広報戦略を本格化
・富士ゼロックス、神奈川県海老名に「Future Edge」開設
・NTT印刷、「可変潜像印刷技術」で特許 など

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2018年6月7日付
紙器事業者、デジタル印刷機の導入は25%
サンプル・校正用途での稼働多く


 矢野経済研究所は5月28日、紙器分野におけるデジタル印刷の導入実態に関する調査結果概要を発表した。
 デジタル印刷機を導入している紙器事業者の割合は25.9%。また、未導入事業者43社に対して、今後の導入意向を聞いたところ、「必要性は感じるので、いずれは導入を検討」18.6%、「必要性は感じるが、導入は考えていない」41.9%、「必要性を感じないため、導入は考えていない」39.5%という結果となり、必要性を感じている事業者が約6割を占めた。デジタル印刷機導入に対する潜在的なニーズは高い。
 導入事業者の割合が4分の1を占めたことに対し、矢野経済研究所では次のように分析している。
 「実際の市場におけるデジタル印刷機の活用状況に比べ、高い比率となった印象だが、これは、アンケート集計結果の中に、サンプル・校正用途で使用していると推測される大判インクジェット機のみ保有している事業者や、紙器以外の印刷物のみで活用していると回答した事業者が含まれているためと考えられる。
 この考察を裏付けるように、導入しているデジタル印刷機のタイプについては『大判インクジェット機』が半数近い割合でトップ、用途については『生産機、サンプル・校正用途の両方で使用』が6割、品目については『紙器』のみでデジタル印刷機を稼働させている事業者は2割しかいないという結果となった」
【調査要綱】全国の紙器事業者およびその他関連企業を対象に、2018年3月から4月にかけて直接面接取材および郵送によるアンケート調査を行った。有効回答企業数は58社。
 紙器分野におけるデジタル印刷市場とは、紙器(主に外装用途で使われる紙製の箱)を対象とし、商業用デジタル印刷機で印刷された市場を指し、有版の印刷機で印刷された紙器は含まない。


















【印刷新報2018年6月7日付掲載】
その他掲載記事
・特集 第60回ジャグラ文化典
・インタビュー 全製工連・新会長 田中眞文氏
・印刷インキ工業会 70年目の節目祝う など

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2018年5月31日付
〈電子出版制作・流通協議会〉
「電流協アワード」を創設 海賊版サイト対策にも本腰


 一般社団法人電子出版制作・流通協議会(杉本尚彦会長、略称・電流協)は5月22日、平成30年度定時社員総会を東京・文京区のトッパン小石川ビルで開催した。任期満了に伴い新理事を選任、理事会で鎌仲宏治氏(凸版印刷執行役員情報コミュニケーション事業本部出版営業統括)が新会長に就任した。
 新たに創設した「電流協アワード」の第1回表彰式も行い、大賞の「Magaport記事サービス(電通/富士山マガジンサービス)ほかが表彰された。
 第8期(29年度)は、電子出版の制作や流通に関わるビジネスにおける課題の整理と研究を継続。28年度まで3ヵ年にわたり総務省から受託した「電子書籍のアクセシビリティを確保するための調査研究」の普及活動も展開した。また、電子書籍市場の活性化を目的として「電流協アワード」を創設した。
 第9期は、「海賊版サイト対策研究ワーキンググループ」(仮称)を新設し、電子出版流通の立場から、各ステークホルダーと連携を取りながら海賊版サイト対策を検討する。
 委員会の再編も行い、新たな名称で「デジタル印刷・オンデマンド制作流通部会」、「電子図書館・コンテンツ教育利用部会」、「次世代出版コンテンツ流通研究会」等の活動を展開していく。
 電流協アワードは今年度も実施の方向。
 この日の懇親会であいさつした鎌仲宏治新会長は、電流協の活動の拡がりに触れた後、「海賊版の問題が起こり、電子だけでなく紙の市場にも多大な影響を及ぼしている。政府も対策を打ち出したが、予断を許さない。政府や出版関係者とともに取組みに力を入れていきたい」と述べた。

 ■電流協アワード表彰式
 電流協アワードは、電子出版分野の制作と流通に関して企業・団体等の優れた製品・サービス・業績・研究等について表彰し、電子出版市場の活性化と発展に寄与することを目的として創設された。3月26日に電子出版関連の学識者やメディア関係者で構成された選考委員会(委員長=植村八潮専修大学教授)を実施し、電流協大賞1件、電流協特別賞4件を決定した。受賞者は次のとおり。
【電流協大賞】
・Magaport記事サービス/電通、富士山マガジンサービス
【電流協特別賞】
・「ハートフルブック」サービス/欧文印刷
・NovelJam/日本独立作家同盟
・NetGalley/出版デジタル機構
・hontoブックツリー/トゥ・ディファクト
 表彰式で審査講評を行った選考副委員長の矢口博之氏(東京電機大学准教授)は次のように述べた。
 「書籍市場は縮小しているが、電子出版は伸びている。特にコミックは紙を上回るなど勢いがある。非常に期待ができる。知的所有権、インターフェース、ビジネスモデルなどに関連したいろいろな問題があるが、電子と紙は対抗するものではない。両方の良いところを合わせた製品、サービスが望まれる。まだまだ多彩な表現、わかりやすい表現がある。今回は、そこに意欲的に挑戦した各社を選ばせていただき、電子出版の可能性を見た。私自身もとても勉強になった」
 大賞を受賞した「Magaport記事サービス」は、電通と富士山マガジンサービスによる出版社向けの電子雑誌業務支援サービスで、雑誌の記事や画像などあらゆるデジタルコンテンツをネット書店等に広く提供でき、記事アーカイブとしての発展にも期待できる。

















【印刷新報2018年5月31日付掲載】
その他掲載記事
・枚葉特集2018
・新会長に金子眞吾氏(凸版印刷社長) 印刷工業会
・全製工連、新会長に田中眞文氏(田中紙工社長) など

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2018年5月24日付
〈全印工連・官公需活動アンケート調査〉
適正な予定価格に課題 知的財産権の活動も不足


 全日本印刷工業組合連合会は、各都道府県工組に対して「官公需活動に関するアンケート調査」を4月に実施し、このほど38工組からの回答結果がまとまった。調査は、知的財産権、最低制限価格制度、地元優先発注、入札要件、行政・議会との関係等の設問に分けて実施した。
 知的財産権について、都道府県庁に対する活動の有無では、「活動を行っている」22工組、「行っていない」15工組。  宮城県工組では、「みやぎの印刷産業振興を考える議員連盟」を通して県出納局との会合を4月11日に実現、官公需における知的財産権の取扱いについて申し入れた。
 組合から、全印工連のパンフレット『大きく変わる知的財産権の取り扱い』を中心に、財産的価値に留意するよう求めた国の契約の基本方針について説明。これに対し、県出納局からは「国の方針に基づき、知的財産権について、現場における仕様書や契約書にどう盛り込んでいけばいいのかを検討中。印刷業界の意見や知恵なども借りながら具現化していきたい」という談話があった。
 組合としても、具体的な反映のさせ方を検討するとともに、全国的な事例等を収集し提案していきたい旨を述べた。  最低制限価格制度の導入については、導入済と未導入が19工組ずつ。未導入工組の今後の予定は、13工組が導入に向けた活動を予定、6工組は活動予定なしだった。
 活動予定なしの工組の中には、「最低制限価格制度の導入の前に、まず適正な予定価格を設定する仕組みづくりが先である」(富山県)、「発注窓口で正確な原価計算業務がされない現状では、最低制限価格の根拠がないため」(石川県)という理由を挙げるところもある。
 また、沖縄県工組では「一般競争入札に相当するオープンカウンター方式で印刷物が業種、参加企業数を問わない形式で行われているため、極端に低い価格で落札されている」ことから、同方式での入札の廃止と指名競争入札方式への変更を求めている。
 都道府県庁の予定価格の積算方法についての設問(複数回答)では、「積算資料や物価資料で積算」15工組、「見積ソフトを利用して積算」4工組、「前年度実績を参考に決めている」15工組、「業者からの参考見積により決めている」16工組、「予定価格の積算は行っていない」3工組、「わからない」8工組となっている。
 都道府県庁における地元優先発注の有無については、「実施されている」26工組、「実施されていない」12工組。  入札における独自の要件の有無については、「ある」20工組、「ない」17工組。「県内に本社・工場設備を有する」等のほか、「CSR認定業者」(静岡県)、「GP認定は加点要素」(東京都)などの回答も見られた。
 都道府県議員を中心とした議員連盟の有無では、「あり」6工組、「なし」32工組。議員連盟がない県でも、和歌山工組のように、「議員顧問が1名。積極的に意見・要望を聞いてくれ、県にも働きかけていただいている」という組合もある。
            ◇
 全印工連官公需対策協議会の白子欽也議長は、4月27日の全印工連理事会でアンケート結果について次のようにコメントした。
 「知的財産権について都道府県庁に対する働きかけをしている工組は22と少ない。もっとアピールをしていただきたい。また、予定価格の積算方法では、前年度実績や業者からの参考見積で決めている都道府県庁がかなりあり、課題が浮き彫りになった。
 今回、38工組から回答を得たが、未回答の工組も早く提出していただきたい。この結果を基礎資料として、国への働きかけを行っていく。
 世耕経済産業大臣が私の地元の和歌山県に来られた際に話をしたが、『経済産業省としては(調達目的に不要な著作権等の知的財産権を受注者に残す)コンテンツ版バイ・ドール契約を推進していきたい』ということだった。この辺も研究をしていく」
















【印刷新報2018年5月24日付掲載】
その他掲載記事
・臼田体制2期目が始動 東印工組総代会
・課題解決型に注目集まる シタラフェア2018
・最新LED‐UV機を披露 弘報社 など

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2018年5月17日付
〈日印産連 第3回女性活躍推進セミナー〉
多様性が経営危機を救う 「成果」の捉え方から改革


 日本印刷産業連合会は、第3回女性活躍推進セミナー「ダイバーシティ経営の可能性〜女性の登用は業績向上の特効薬!」を5月9日に日本印刷会館で開催し、約80名が参加した。立教大学経営学部の尾崎俊哉教授は、企業の持続的な成長のためにイノベーションが必要とされている現状に対し、日本企業の危機感が薄い点を指摘し、ダイバーシティ・マネジメントの取り込みによる競争力の再構築を訴えた。

女性の参加者が半数近くを占めた

 ■企業経営にダイバーシティを活かす
 一昨年、昨年に続き3回目となった今回のセミナーは、日印産連女性活躍推進部会の金田由美部会長の司会で進行。企業行動委員会の堆誠一郎委員長が開催趣旨を述べた後、全日本印刷工業組合連合会におけるダイバーシティ推進への取組みについて、全印工連ダイバーシティ推進委員会の小野綾子委員長が説明した。
 小野氏は、現在約8000万人の労働人口が、2060年には5,000万人にまで減少する日本社会が抱える課題に触れ、ダイバーシティの必要性について解説した。
 全印工連では、2014年に女性活躍推進委員会を発足させた。さらに、若者・高齢者・女性・男性・外国人・障がい者など多様な個性を持った人々が活躍できる社会を目指す必要から、2016年にダイバーシティ推進委員会へと進化させ、事業を推進してきた。
 2018年度は、ダイバーシティ・マネジメントの取組み事例の紹介を通じた啓発活動のほか、アンケート調査の実施・分析、モデル就業規則の活用などを推進する。
 小野氏は「社員の多様性を尊重して受け入れ、能力をフルに発揮させると口で言うことは簡単だが、実践はとても難しい。制度や施策だけでなく、意識改革と『働き方改革』によりダイバーシティを大きく前進させることができる」と考えを述べた。
 続いて、立教大学の尾崎俊哉教授が、女性の登用と企業の業績向上を主題に講演した。
 尾崎氏は、2018年3月現在、女性活躍推進法が求める行動計画の策定について、対象企業(従業員301人以上)1万6100社の99.6%が届け出済みである日本企業の、ある種の真面目さを指摘した上で、「一部の企業を除き、取り組む理由のほとんどは『他社がやっているから』というもの。腑に落ちないまま取り組むことで多くの混乱が起き、結果としてマイナスが生じている企業も多い」と述べた。
 その大きな理由は、能力×動機=成果であるという単純な図式に基づく思い違いであると指摘する。女性社員への動機付けを行えば成果が上がると考えるか、個人の能力や価値観を測ることが難しいために性別を代理変数として機械的に扱っているのが日本企業の実態であるという。
 尾崎氏は、グローバル競争が激化する中、企業の生き残りをかけた競争戦略としてダイバーシティ・マネジメントが求められているとし、創造的破壊によるイノベーションの重要性について次のように述べた。
 「異なる考えや価値観をもつ人材からなるグループは、新しいものが見え、考えつく。それが企業の成長を持続的に支える組織と組織文化につながる。ただし、多様性のあるグループをうまくまとめられる人がいなければ組織は拡散し崩壊する。能力と動機だけでなく、そこに人的資本投資や時間軸を加えた関数モデルで考える必要がある。今はまさに、日本的経営の良さを活かしながら、ダイバーシティ・マネジメントを通じた競争力の再構築を実行するタイミングだ」
















【印刷新報2018年5月17日付掲載】
その他掲載記事
・代表取締役社長に北島義斉氏が内定
・インキワニス工業会 創立70周年を祝う
・第57回全出版人大会 海賊版問題には厳しく対応 など

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2018年5月10日付
東京都・東政連
最低制限価格制度の試行結果など報告
設備投資支援でIoT・ロボット追加


 東京都印刷産業政治連盟(森永伸博会長)は4月23日、都関係局からの施策説明会と都議会自民党との意見交換会を都議会議事堂内において開催、都発注の印刷物における最低制限価格制度の試行実施や、中小企業支援についての意見交換が行われた。

活発な意見交換の場となった

 冒頭、都議会自民党・印刷産業振興議員連盟会長の三宅茂樹都議が「最低制限価格制度の本格導入に向けた試行・検証のほか、設備投資、事業承継などの各種支援にも取り組んでいる。今後、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックなど大きなイベントが続くが、印刷業界の振興発展に向けた絶好の機会であり、みなさまと連携しながら業界発展のお手伝いをしていきたい」とあいさつ。
一方、森永会長は「2020年に向けてわれわれ中小印刷業にとって大きなチャンスであり、どう参画しお手伝いできるかをお聞きし、ぜひ成功裏に行っていただきたい」と、今後の取組みへの期待を述べた。
 続いて、都財務局経理部から「印刷請負に係る最低制限価格制度の試行」についての報告が行われた。
 28年度3件、29年度3件の計6回の試行結果について、「落札率で一定の効果があった」としたほか、1件目で辞退・不参4者合わせ16者が参加(応札12者)したうち8者が予定価格を超過するなどした1年目に対し、2年目は超過が減少したことを報告。
 また、参加者に対する電話取材から「積算内訳書は通常案件では作成していないため時間的に厳しいが、作成自体は難しくない」、「法定福利費の計上は、小規模事業者にとって難しい」、「過度の低価格競争が防げるので良い。各区レベルでは導入しているところがすでにあるので、都でも早々に導入してもらいたい」などの意見が紹介された。  一方、課題として「積算妥当性の確保」が挙げられ、この点について経理部では「引き続き努力を重ねていく」との方針が述べられた。
 都産業労働局商工部/同金融部からは「設備投資・受注拡大・事業承継等に係る施策」について説明が行われた。  まず、革新的事業展開設備投資支援事業(設備投資助成金最大1億円)について、30年度で新たに「IoT、ロボット活用」(限度額1億円、助成率3分の2)が追加されたことを紹介。
 また、「受注型中小企業競争力強化支援事業助成金」では一般区分で2千万円、小規模企業区分で1千万円までの助成金額(助成率3分の2)で助成対象期間が1年3ヵ月以内に設定されたことも説明された。
 このほか、「ビジネスチャンス・ナビ」における販路開拓の仕組みや、事業承継支援、ビジネスサポートデスク、BCP策定支援事業、BCP実践促進助成金などの各種施策を紹介。
 説明終了後、東政連側から「最低制限価格制度の試行案件をもっと増やすべき」、「もともと厚生年金の加入は義務となっており法定福利費の計上は不要」などの意見・要望が述べられ、活発な意見交換が行われた。















【印刷新報2018年5月10日付掲載】
その他掲載記事
・次期事業推進のキーワードは「Happy Industry」
・平成30年 春の叙勲
・新代表幹事に本村豪経氏 ジャグラ SPACE-21 など

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2018年4月26日付
【IGAS2018 パネルディスカッション】
ブランドオーナー視点で多彩に
ビジネスに直結するテーマを提示


 日本印刷産業機械工業会(宮腰巖会長)とプリプレス&デジタルプリンティング機材協議会(辻重紀会長)が主催するIGAS2018(7月26日〜31日、東京ビッグサイト)では、さまざまなテーマのもと、ブランドオーナー視点でのパネルディスカッションを開催する。最新印刷技術の動向や印刷およびクロスメディア等に関わるマーケティング、業態変革、新規事業等のビジネスに直結するテーマを取り上げる。会場は東京ビッグサイト会議棟、各定員200名、参加無料、事前登録制。5月からIGAS2018のWebサイトで参加申込受付を開始。
【IGAS2018パネルディスカッション概要】
※モデレータの他、パネリスト各3名を予定
■顧客目線で見る印刷媒体の持つ力とその有効性・可用性
 〜クロスメディアを含めた新たなメディアアプローチ〜
 7月27日(金) 11時〜13時
 モデレータ=石川森生氏/潟fィノス・セシールCECO EC本部EC企画部ゼネラルマネージャー
■ラベルパッケージ分野で拡大するデジタル印刷商材
 〜こんなところまで!身近な商品にも普及する背景と将来〜
 7月28日(土) 11時〜13時
 モデレータ=蓮見裕威氏/花王轄成部門クリエーティブプロデュース部プロデューサー
■オフセットとデジタルのハイブリッド利用が生み出す印刷物の新たな形
 〜印刷物は商品としてこんなに変わる! その有効性・効果を知る〜
 7月29日(日) 11時〜13時
 モデレータ=佐川正純氏/佐川印刷椛纒\取締役
■商業印刷での高速輪転インクジェットデジタル印刷機の可能性
 〜ここまでできる輪転インクジェットを利用した印刷ビジネス〜
 7月29日(日) 14時30分〜16時30分
 モデレータ=若林圭太郎氏/潟Eイル・コーポレーション代表取締役社長兼事業統括本部長
■激変する出版分野におけるデジタル印刷普及の現状
 〜デジタル印刷技術は現状の何を変え、何を実現するか〜
 7月30日(月) 11時〜13時
 モデレータ=高畑千恵氏/鰍oHP研究所ライツ局電子事業部開発課マネージャー
■インバウンド需要を取り込むためのテクノロジーとソリューション
 7月31日(火) 11時〜13時
 モデレータ=中村好明氏/一般社団法人日本インバウンド連合会理事長、一般社団法人国際22世紀みらい会議議長、潟Wャパンインバウンドソリューションズ代表取締役社長
■軟包装・ラベル分野における水性フレキソ印刷の現状と課題
 〜ブランドオーナーの要求にどう応えるか〜
 7月28日(土) 14時30分〜16時30分
 モデレータ=塚田昌氏/概SIプランニング上席執行役員シニアフレキソアドバイザー
■フレキソ印刷による拡張ガマットと付け合わせによる市場開拓と付加価値向上
 7月30日(月) 14時30分〜16時30分
 モデレータ=田嶋信介氏/コダック合同会社上席執行役員フレキソグラフィック・パッケージング事業部パッケージング営業本部本部長
■Japan Color認証制度「デジタル印刷認証」一般社団法人日本印刷産業機械工業会
 7月27日(金) 14時30分〜16時30分
 モデレータ=波多野孝司氏/鰹ャ森コーポレーション情報システム本部本部長兼ICT推進部部長

















【印刷新報2018年4月26日付掲載】
その他掲載記事
・CTP特集
・シタラフェア2018開催
・共同印刷 守谷第一工場 6月から本生産 など

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2018年4月19日付
総務省の未来ビジョン案まとまる
ICT導入で成長戦略 2030年代想定し政策に反映


 総務省は、2030年代に実現したい社会から逆算した未来ビジョン「未来をつかむTECH戦略」をまとめた。人口減少や高齢化など課題が山積する日本が、積極的なICT導入による改革で中長期的に成長するプランを描いている。6月に最終決定し政策パッケージを発表する。
          ◇
 総務省は昨年12月、省内の若手官僚からなる「IoT新時代の未来づくり検討委員会」を情報通信審議会の中に立ち上げた。IoT、AI、ロボット等のテクノロジーが進展した2030年〜2040年頃の未来社会を展望しつつ、人口減少社会を乗り切るための戦略を策定し、政策に反映させることが目的だ。
 今回、中間とりまとめが行われたビジョン、「未来をつかむTECH戦略」(仮称)には、副題として「『静かなる有事』をチャンスと捉え、アグレッシブなICT導入により『変革の実行』へ」が付いている。
 委員会では、人口減少・高齢化などの「静かなる有事」に対し、2030年代に実現したい未来の姿から逆算して議論を進めた。ICT導入による「変革の実行」につなぐためのプランとして策定されたのが今回のビジョンであり、その実行を通じて日本が中長期的に成長戦略として掲げる「Society5.0」の実現などを目指す。
 実現したい未来の姿は、人づくり=「I:インクルーシブ(包容)」の社会、地域づくり=「C:コネクテッド(連結)」の社会、産業づくり=「T:トランスフォーム(変容)」の社会の3つの柱で構成した。
 それぞれが目指すところは、I:インクルーシブが、年齢・性別・障害の有無・国籍・所得等に関わりなく、だれもが多様な価値観やライフスタイルを持ちつつ、豊かな人生を享受できる社会。C:コネクテッドが、地域資源を集約・活用したコンパクト化と遠隔利用が可能なネットワーク化により、人口減でもつながったコミュニティを維持し、新たな絆を創る社会。T:トランスフォームが、設計の変更を前提とした柔軟・即応のアプローチにより、技術革新や市場環境の変化に順応して発展する社会。
 その具体化に向けて、2040年までに実現したい目標としては、「世界最高水準の」女性・高齢者・障害者も含めた労働参加率、AI・ロボットによる自動化・無人化、子どもから高齢者まで各世代のICTリテラシー、紙の要らないデジタルガバメント、デジタルネットワーク環境の実現のほか、「時間当たり労働生産性を現行の1.5倍」、「国際競争力のあるスマートシティを各都道府県に実現」などを挙げている。
 また、未来をイメージした生活シーンとして、次の15を挙げた。
 「職場スイッチ」「健康100年ボディ」「パノラマ教室」「お節介ロボット」「あらゆる翻訳」「いつでも窓口」「どこでもドクター」「あちこち電力」「クルマヒコーキ」「バーチャル探検」「らくらくマネー」「全自動農村」「手元にマイ工場」「三つ星マシン」「えらべる配達」。
 未来ビジョン案は、6月の最終決定に向けて具体化を進め、政策パッケージを打ち出す。  すでに示されているメニューには、たとえば産業政策として「データ流通時代の競争力強化方策の検討」があり、「協調領域における事業者間のデータ共有促進など官民データのオープン化やパーソナルデータの利活用推進などデータ流通・活用環境の整備」を掲げた。
 「高齢者をターゲットとした市場・サービスの創出」では、「シニアベンチャー、クラウドファンディングなど、ICTを活用して高齢者の投資や消費を促すインセンティブ創出のためのモデル事業の推進」を示した。
 今回の未来ビジョンでは、日本が直面するあらゆる課題が検討されたと言っていい。社会課題を解決する「ソリューション・プロバイダー」を目指す印刷産業にとっても、今後の方向性や戦略を定める上で重要なヒントが含まれている。
















【印刷新報2018年4月19日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018に向け高まる期待 東西で出展者説明会
・印刷インキワニス工業会 創立70周年 三役座談会
・日宝綜合製本・長船工場に「アレグロ」導入
 多品種小ロット生産の強化へ など

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2018年4月12日付
経済産業省
2018年「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を選定
特化分野で独自の強み目立つ


 経済産業省中小企業庁は3月26日、2018年「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を選定した。ITサービス導入や経営資源の有効活用による生産性向上、積極的な海外展開、多様な人材活用など、さまざまな分野で活躍する企業の事例を公表している。印刷業関連の選定企業の取組みの概略を紹介する。
          ◇
 【株式会社佐々木印刷】
 佐々木信雄社長、岩手県北上市、従業員数20人

◆地球にやさしい製品づくりを経営理念に、
 台紙不要のラベル・シールを開発、主力商品に成長

 ラベル・シール印刷を主力とする同社は、海外の格安製品に対抗するため、1991年から台紙不要シールの開発に着手。1998年に特許出願するとともに商品化し、全国自治体のごみ処理に使用される。原料の60%を削減する画期的なもので、供給先の廃棄物削減にも大きく貢献している。
 2015年にはデジタル印刷機を導入し、可変情報機能を付加することで多品種・少量受注に対応し、大手企業等からの新規受注につながった。独自市場の開拓にも積極的で、ラグビーワールドカップ2019釜石開催に向けた「フェイスシール」の開発は、すでにサンプルによる実証試験まで終了。これらのデザインとパッケージは地元の福祉作業所が担当し、販売は沿岸地域の被災企業が行うなど、地域企業の連携による新事業に取り組んでいる。
 【丸金印刷株式会社】
 川合榮子社長、千葉市、従業員数180人

◆医薬品パッケージに特化し、
 最新鋭の設備と熟練した技術で高品質の製品を提供

 創業104年の同社は、一貫して医薬品・化粧品分野を中心に印刷、紙器加工、シール・ラベル製造の実績を積み、全国に取引先がある。
 顧客の声をもとに、「ワンプッシュで開封できるカートン」、「すばやく廃棄できるカートン」など、独自の製品を企画・開発し、医薬品メーカー等に提案できる強み持つ。印刷、打抜き、製函などの工程ごとに最新鋭の検査装置によるデジタル検査と熟練した検査員による目視検査で、ハイレベルな品質管理を行う。
 早くから社員の仕事と家庭の両立や地域社会の子育て支援にも取り組んできた。社長自ら社員全員と面接し、仕事上の悩みや子育てに対してのアドバイスも行う。
 【株式会社エスケイワード】
 加藤啓介社長、名古屋市、従業員数46人

◆トヨタカイゼン方式の導入により、
 オフィスの生産性向上と人材確保を実現

 世界35ヵ国以上の言語に対応した翻訳サービスからWebサイトの企画・デザイン・構築、システム開発までワンストップで提供。インバウンド戦略や訪日外国人の誘致等、海外からの需要獲得のため各地の多言語コミュニケーション事業を支援している。
 トヨタカイゼン方式を活用した職場環境の改善を実施。オフィス環境の整備、長時間労働の削減、時短勤務等の多様な働き方を可能にしたことで、女性の育児休暇復帰率および社員の定着率の向上、外国人材の確保にもつなげた。オフィスの生産性向上により売上増の効果も出ている。
 【久保井インキ株式会社】
 久保井伸輔社長、大阪市、従業員数31人

◆UVインキ・特殊インキで高度な技術を有し、
 新たな価値を創造

 国内シール・ラベル印刷用UVインキでは、第2位のシェアを持つ。また、国内の住民票用紙・印鑑証明書等に使用される偽造防止インキでは、100%のシェアを獲得している。
 本格的に海外展開を進める中で、2015年に中小企業基盤整備機構の支援を受け、現地ローカル市場への輸出を開始した。数社への輸出が軌道に乗り、タイをハブとしてASEAN地域への販路拡大を進めている。英語版ウェブサイトも海外営業ツールとして活用しでいる。
 「世界一キレイなインキ工場」を目指し、5Sの徹底で職場環境の改善も図った。















【印刷新報2018年4月12日付掲載】
その他掲載記事
・JP2018特集
・DMがVRゴーグルに
・新社会人に贈る 大手印刷会社入社式あいさつ など

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2018年4月5日付
〈国税庁・会社標本調査〉
欠損法人割合、「出版印刷業」は75.8%
28年度も業種別で最も高く


 国税庁が毎年実施している「会社標本調査」の平成28年度分調査結果がこのほどまとまった。業種別の欠損法人割合では「出版印刷業」が75.8%で最も高く、27年度分調査に続いてトップとなっており、業種としての厳しさが目立っている。
 28年度分調査は、平成28年4月1日から29年3月31日までの間に終了した各事業年度を対象として、29年7月31日現在で取りまとめたもの。資本金階級別や業種別に約167万社を抽出し、確定申告書等から得た標本値を基に国内の法人企業全体(約267万社)を推計している。
 連結子会社約1万2000社を除いた法人企業の28年度の状況は、利益計上法人数が97万698社(前年度比3.3%増)で6年連続の増加。欠損法人数が168万9427社(同0.1%減)で7年連続の減少。全法人に占める欠損法人の割合は63.5%(同0.8ポイント減)となった。7年連続で減少している。
(※欠損法人=所得金額がマイナス〈損失〉またはゼロである法人)
 業種別の欠損法人割合では、「出版印刷業」が75.8%で最も高く、次いで「繊維工業」(74.5%)、「料理飲食旅館業」(73.8%)の順だった。
 一方、割合が低い順は、「運輸通信公益事業」(57.5%)、「建設業」(57.6%)、「不動産業」(60.1%)。
 利益計上法人について、業種別の所得率(営業収入金額に占める所得金額の割合)を見ると、「出版印刷業」は3.6%で下位から3番目。「鉱業」(11.1%)が最も高く、「不動産業」(10.4%)、「金融保険業」(9.3%)が続く。
 全法人に占める欠損法人の割合は、平成22年度(72.8%)から7年連続で減少している。「出版印刷業」も22年度の80.9%から下がり続けてはいるが、業種別の順位では最も高い位置に浮上してしまった。
 22年度からワースト3は「料理飲食旅館業」、「繊維工業」、「出版印刷業」の順で続いたが、「出版印刷業」は26年度に2番目となり、27年度からは最も欠損法人割合が高い業種となっている。
 全法人の4分の3が利益を出せていない実態は限りなく重い。小手先の改善ではなく、業界として構造的な改革を断行する以外に抜け出す道はないだろう。














【印刷新報2018年4月5日付掲載】
その他掲載記事
・IT力強化や即納対応など成功のカギに
 日印産連・デジタル印刷に関するアンケート
・SOPTECとうほく2018
 9月28・29日仙台で開催 出展社募集中
・IoTで中小企業に商機 共同受注の仕組みづくりを など

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2018年3月29日付
〈4月1日からの新税制・法令改正等〉
中小企業の賃上げ支援強化 無期転換ルールの適用開始


 中小企業経営に深く関わる平成30年度の各種税制・法令等が4月1日から施行される。
 事業承継税制は抜本的な拡充が図られる。今後5年以内に承継計画を提出し、10年以内に実際に承継を行う者を対象に、対象株式数の上限撤廃、納税猶予割合の80%から100%への拡大、雇用平均8割を満たせなかった場合でも猶予継続可能、M&Aを通じた事業承継を支援対象に追加、等の措置を行う。
 書徳拡大促進税制の拡充では、賃上げした中小企業の法人税を減税する。給与等支給総額が前年度以上(基準年度との比較要件は撤廃)、平均給与等支給額が前年度比1.5%以上増加を適用要件に、給与等支給総額の対前年度増加額の15%の税額控除(従来は控除率10%)、さらに2.5%以上の賃上げに加えて人財投資や生産性向上に取り組む企業には25%の税額控除(従来は控除率は22%)を適用する。
 勤続5年を超える有期労働契約社員のうち、希望者は無期労働契約への転換が可能になる(無期転換ルール)。平成25年4月に施行された改正労働契約法で導入されたルールであり、この4月で5年が経過したため、有期労働契約を更新した社員に初めて適用対象となる者が現われる。4月1日からの1年間に無期転換の申込みがあった場合、平成31年4月1日から無期労働契約社員に移行する。ただし、労働条件は別段の定めがない限り、直前の有期労働契約と同一となる。労働条件を変える場合は、別途、就業規則などの改定が必要となる。
 障害者の法定雇用率も引き上げられる。民間企業は、これまでの2.0%から2.2%に変更される。また、障害者を雇用する義務がある民間企業の事業主の範囲も、従業員50人以上から45.5人以上に変わる。
 国は、障害者雇用率の引き上げを積極的に進めており、民間企業については2021年4月までに2.3%とする計画。2.3%となった際には、対象となる事業主の範囲は従業員43.5人以上に広がる。













【印刷新報2018年3月29日付掲載】
その他掲載記事
・プレIGAS特集
・印刷関連の出展に存在感 としまMONOづくりメッセ
・保永堂版「東海道五十三次」を原寸大で復刻
 トッパン・フォームズ など

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2018年3月20日付日本製本紙工新聞より
書店の売上に効果
書協・取協 年末年始キャンペーン実績発表


 日本雑誌協会と日本出版取次協会は、2017〜2018年年末年始「本屋さんに行こうキャンペーン」の実績をまとめた。
 それによると、12月29日と1月4日の特別発売日の書店売上は前年を上回ったものの、12月29日〜1月8日のキャンペーン期間の売上は94.8%(キャンペーン実施店95.2%)と前年を下回った。ただし、最近の市況に照らすとキャンペーン効果によって、売上数値はレベルの底上げにつながっている。
 年末年始キャンペーンは前年に引き続き2回目。今回は12月29日と1月4日の2日間を特別発売日と設定し、定期雑誌と特別商品を発行。12月29日〜1月8日のキャンペーン期間で、書店売上が前年を上回ることを目標に掲げて実施した。
 具体的に、取次4社のPOSデータ(調査店数4,666店)の定期誌の売上では12月29日、30日、1月4日、6日および1月1日〜4日合計で前年比を上回った。一方、前年は特別発売日だった12月31日や、正月3が日などの売上は振るわなかった。
 キャンペーン期間に発売された雑誌のうち、売上上位誌の中でも年末発売誌では女性向け、児童向け雑誌(nicola、てれびくん、たのしい幼稚園、おともだち等)に前年を上回る銘柄が多く、年始発売では週刊誌、コミック誌、月2回刊誌(ヤングジャンプ、週刊ポスト、花とゆめ、Tarzan等)などで前年を大きく上回った。
 書店活性化策では、参加書店数の増加を実行、コミック出版社の会(15社で構成)の協力で、全国約2,500店(前年約2,200店)で配布したキャラクターしおりやキャラクター画像によるスタンプ風画像の効果により、前年比約3倍の応募者数の増大につながった。
 前回好評だったレトルトカレーの配布は、参加書店は全国200店(前年130店)、配布数1店当たり420個(前年240個)の総数8万4000個に増えた。
 さらに、雑協公式ツイッターによる「#年末年始は本屋さんに行こう」を読者・消費者向けに実施。雑誌協会加盟各社、各編集部の協力もあってフォロワー数はキャンペーン終了時点で約1万6000とスタート時に比べ約2.4倍に拡大、ツイート数もこの種のキャンペーンでは想定以上の効果があり、読者・消費者へのリーチは広がった。












【日本製本紙工新聞2018年3月20日付掲載】
その他掲載記事
・印刷・製本技術が新たなジャンルを作る
 集英社 高野秀明制作部長インタビュー
・折り機でも活躍 画期的な混入防止カメラ
 サイコー(埼玉県戸田市)
・4年ぶりにペーパーショウ開催 竹尾 など

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2018年3月15日付
〈第10回経営者「環境力」大賞〉
鳥原社長(マルワ)が受賞 全社一体の活発な行動で


 第10回(2017年度)経営者「環境力」大賞の顕彰式と発表会が、2月23日に東京・渋谷の青学会館アイビーホールで開催された。今回の受賞者は7名で、マルワ(名古屋市天白区)の鳥原久資社長も受賞した。

賞状を手に鳥原社長

 経営者「環境力」大賞は、認定NPO法人環境文明21と日刊工業新聞社が共同主催する賞で、2008年に創設された。厳しい経営環境下においても、環境問題に真摯に取り組み、社会的責任を果たしている企業経営者(主に中小企業)を発掘し、広く社会に情報発信している。
 主催者では、「21世紀の社会をリードする経営者の資質」を評価する12項目を作成して公表。経営者から自己評価結果に関連資料を添えて応募してもらい、現地ヒヤリングなどを経て大賞として毎年顕彰している。自己評価12項目には、「100年先を見通した企業価値を設定し、その価値を浸透させる情熱と達成する戦略性」、「地域社会との交流を大切にし、その伝統や文化を尊重する意思」、「経済と環境を一体化しようとする意志」などがある。
 今回を含めて受賞者は延べ62名。第5回(2012年度)には、大川印刷(横浜市)の大川哲郎社長が受賞している。
 顕彰式では、藤村コノヱ環境文明21共同代表から受賞理由が紹介され、賞状が両共同代表と日刊工業新聞社の井水治博社長から手渡された。
 食品リサイクル事業、廃棄物処理事業、各種製造業など全国7名の受賞経営者から、「私の環境力」をテーマに発表が行われ、その後、関係者を交えて志を同じくする者同士の懇親会が行われた。
 発表会ではマルワの鳥原社長から、社員29名の「小さな会社の身の丈に合った環境活動」の数々が紹介された。地域に根差した活動を地道に続け、印刷会社ならではの情報発信を行ってきた結果、地域や顧客との関係性の中で思わぬ価値が発見でき、価格競争になりにくい独自のブランディングができたという。同社は、品質向上・環境・情報・広報・交流などの各社内委員会活動を通じて、社員自らが考え行動する仕組みづくりを行っている。
 鳥原社長は「やらされるのではなく、みんなが楽しみながら仕事をすることが大事だ。それには経営者が率先垂範で動き、楽しむこと。今日の表彰の様子もすぐに写真をSNSにアップし、発信した」と、日頃の実践の一端を早速伝えた。

【鳥原社長(マルワ)の主な受賞理由】
 ISO9001、14001、27001、日本印刷産業連合会のグリーンプリンティング認証、FSC森林認証などを取得しているほか、全日本印刷工業組合連合会のCSRツースター認定という数少ない企業に認定されている。
 ISOを単なる看板にするのではなく、各認証項目の目標達成に役立つように、作業工程をマニュアル化し、それを常に更新して現場で活かしている。
 また、積極的に情報公開を行い、そこから得られる反響の中に、印刷業の将来に対するヒントを見つけていこうとする非常に前向きな姿勢を持っている。
 愛知万博をきっかけに環境を強く意識するようになった。環境を経営の指針に据え、それを社員に徹底することで、環境力のある商品づくりに成功している。価格競争ではかなわない大手にも環境力で対抗する努力も続けている。
 企業としての独自性を維持するためには少数精鋭が望ましく、常に自分たちの声を発信し、互いの声に耳を傾けることで全体最適を目指しており、中小企業の目指すべき姿を実現している。
 社内に各種委員会をつくり、その活動を通じて社員のモチベーションを高め、社員同士のベクトルを合わせる努力をしている。そして、業界にありがちな経験と勘だけに頼らず、技術面を理論で理解できるように、自らが科学技術を理解することが必要だとして、たとえば印刷用インキに含まれる揮発性有機化合物削減対策に積極的に取り組み、他業界に対しても指導を行っている。












【印刷新報2018年3月15日付掲載】
その他掲載記事
・製本・後加工特集
・東印工組・足立支部 創立60周年で記念式典
・三松堂 埼玉・狭山に保育園を開園 など

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2018年3月8日付
〈東印工組 ダイバーシティ推進セミナー〉
一般事業主行動計画を開設
目標達成で助成金の支給も


 東京都印刷工業組合のダイバーシティ推進委員会(小野綾子委員長)主催セミナーが2月15日に日本印刷会館で開催され、特定社会保険労務士の小倉絵里氏(GIMS)が、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定および両立支援等助成金の申請ポイントなどを解説した。
 政府の掲げる「一億総活躍社会」の実現に向けて、働き方改革に関する法整備や各種取組みが進む中、同員会では働き方改革に対するアプローチの一つとして、小倉氏の協力を得ながら一般事業主行動計画の策定にメンバー各社が取り組んでいる。
 この行動計画は、事業主が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たり「計画期間」、「目標」、「目標達成のための対策およびその実施時期」を定めるもの。
 策定および取組みの流れは、@自社の女性活躍に関する状況把握、課題分析、A行動計画の策定と社内周知、公表、B行動計画を策定した旨の届出(都道府県労働局)、C取組みの実施と効果の測定の4ステップ。特に行動計画の策定では、目標を1つ以上数値で定めることが求められる。
 300人以下の事業所では策定は努力義務に止まるが、女性の活躍推進に関する状況等が優良であると認められた届出企業は、認定マーク「えるぼし」を名刺や求人票などに使用することができるといったメリットもある。  また、自社の女性活躍に関する「数値目標」の達成に向けた「取組目標」等を盛り込んだ行動計画を策定し、その計画に沿って目標を達成した事業主に対して支給される助成金として、「両立支援等助成金『女性活躍加速化コース』」が設けられている。
 同助成金では、計画期間内の取組目標達成で支給される「Aコース」、取組目標達成時から3年以内に数値目標を達成すると支給される「Nコース」があり、Nコースでは最大で60万円が支給される。ただし、申請は目標達成から2ヵ月以内に行う必要がある。
 小倉氏は、今後人材確保が困難になっていくことが予想される中、同委員会の挑戦を「変革に向けたスタート」と位置付け、「行動計画の策定でスタートダッシュを切ってもらい、チャンスにつなげてほしい」と述べた。
 また、メンバー各社が策定した行動計画などは事例集としてまとめており、小野委員長は「事例集を参考にしていただき、優秀な社員を育てていく一助にしていただきたい」と活用を呼びかけた。













【印刷新報2018年3月8日付掲載】
その他掲載記事
・大日本印刷 スイス紙容器大手と合弁会社設立
・JPA感謝祭 40期生が卒業課題を発表
・経済調査会 『印刷料金 18年版』発行
 「クリエイティブ」の概要初掲載 など

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2018年3月1日付
経済産業省、「健康経営」を見える化
優良法人認定2年目に


 経済産業省は2月20日、「健康経営優良法人2018」として、大規模法人部門に541法人、中小規模法人部門に775法人を認定した。
 大規模法人部門では、大日本印刷、凸版印刷、図書印刷、トッパン・フォームズなど。中小規模法人部門では、全国で約20社の印刷会社が認定された。
 秋田活版印刷(畠山紀夫社長、秋田市)など、中小部門のうち9社は2017年に続いての認定となっている。
 経済産業省では、健康経営に取り組む優良な法人を顕彰する「健康経営優良法人制度」を昨年から開始した。企業からの申請に基づいて審査する。認定基準には、健康経営の宣言、経営者自身の健康診断の受診、従業員の健康を改善する担当者の設置、法令違反がないこと、ストレスチェックの実施、受動喫煙対策の実施、長時間労働抑制への取組みなどがある。
 昨年2月に第1回の認定を行った後、8月には中小規模法人部門で223社の追加認定を行うなど、中小企業の取組み促進にも力を入れている。
 同制度は、地域の健康課題に即した取組みや健康増進などを積極的に進める法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業、金融機関などから「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践している法人」として社会的に評価を受けられる環境づくりを目的としている。健康への投資が、従業員の活力向上や生産性の向上など、組織の活性化をもたらし、ひいては業績や株価の向上につながるという期待がある。
 人材確保がますます困難になり、企業が人を選ぶのではなく"選ばれる"時代に向かう中、「健康経営」の視点は大きな広がりを見せると予想される。












【印刷新報2018年3月1日付掲載】
その他掲載記事
・オフ輪特集
・前年比1.6%増の6兆3907億円
 電通「2017年(平成29年)日本の広告費」
・マーチング委員会 第7回全国大会
 地域の活性化へ情報共有 など

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2018年2月22日付
〈page2018基調講演(2月8日)〉
チャンスは転換期にこそ インターネットの次を見通せ


 インターネットの次に来る世界は、どんな未来が広がっているのだろうか―。page2018の2日目(2月8日)基調講演では、『〈インターネット〉の次に来るもの〜未来を決める12の法則』(ケヴィン・ケリー著、NHK出版)の訳者で、元朝日新聞記者の服部桂氏が講演し、情報化の発展の歴史を振り返りながら、混沌とするネットの次の時代を見通すために必要な視点について持論を展開した。

講演する服部氏

 全世界のインターネットユーザーは34億人に達し、ネットをベースとしたAIやIoT、VRなどの新たなテクノロジーが加速度的に進化を続けている。2045年にはコンピュータの知的能力が人間を上回る「シンギュラリティ」が起きるとも言われている。
 服部氏は、記者時代に、インターネットを紙面で初めて紹介するなどネットの発展を見続けてきた経験を踏まえつつ、未来を見通すことの難しさについて指摘する。
 「インターネットの世界は今や当たり前だが、当初はパソコン好きの趣味の延長線上で、アマチュア無線のようなものだった。ネットが一般化されてから、まだ25年しか経ってない。今のネット社会を誰が予想できただろうか」  また、「かつてIBMのトーマス・ワトソンは、コンピュータは全世界で5台ぐらいしか売れないと言っていた。少し前まではインターネットのコンテンツは、新聞社とテレビ局が作ると言っていた」とし、未来予測は勘違いであふれていると主張する。
 WIRED創刊編集長でデジタル界を牽引してきた、ケヴィン・ケリーでさえ、インターネットのことを見誤っていたという反省から同書を著した。未来論の本というよりも、一歩引いて全体を見渡すことで、不可避な潮流からデジタル革命の本質を読み解こうと試みているものだという。

 ◆12の不可避なキーワード
 同書では、インターネットが辿ったこの四半世紀の歴史を踏まえつつ、今後30年の間にネット化が何をもたらすのかを、12のキーワードから考察している。
▽Becoming(なっていく)=ネット化したデジタル世界は名詞(結果)ではなく動詞(プロセス)として生成し、
▽Cognifying(認知化していく)=世界中が利用して人工知能(AI)を強化することでそれが電気のようなサービスとしての新たな価値を生じ、
▽Flowing(流れていく)=自由にコピーを繰り返して流れ、
▽Screening(画面で見ていく)=本などに固定されることなく流動化して画面で読まれるようになり、
▽Accessing(接続していく)=すべての、製品がサービス化してリアルタイムにアクセスされ、
▽Sharing(共有していく)=その結果シェアされることで所有という概念が時代遅れになり、
▽Filtering(選別していく)=さらにコンテンツが増えすぎてフィルターしないと見つからなくなり、
▽Remixing(リミックスしていく)=サービス化した従来の産業やコンテンツが互いに自由にリミックスして新しい形となり、
▽Interacting(相互作用していく)=VRのような機能によって高いプレゼンスとインタラクションを実現して効果的に扱えるようになり、
▽Tracking(追跡していく)=そうしたすべてを追跡する機能がサービスを向上させライフログ化を促し、
▽Questioning(質問していく)=問題を解決する以上に新たな良い疑問を生み出し、
▽Beginning(始まっていく)=そしてついにはすべてが統合したホロスと呼ぶ次のデジタル環境(未来の〈インターネット〉)へと進化していく。
 これらのキーワードは、いずれも現在進行形からなるが、「変化は不可避で、すべてはプロセスの途中である。完成品というものはないし、完了することもない」と説明する。

 ◆未来は創りだすもの
 服部氏は「現在のスマートフォンのような端末がこれから存在しているかどうかは保証の限りではない。これからはウェアラブルで常に人間があらゆるモノとつながり、インタラクションできるようになるかもしれない。もしかしたら何も持たないことが、一番おしゃれだという世の中になるのかもしれない。モノは常に新しいものをレンタルすればよくなり、所有という概念も変わるかもしれない」などと話す一方、現在のインターネットの姿や今あるプロダクト、サービスを延長して未来を予測しようとしても想定外の事象は必ず起こると指摘する。
 そのうえで、未来と接していくポイントとして、そもそも人間の想像力には限界があり、エジソンやノーベルのような偉人たちでさえ未来を正しく予測することはできなかったとし、「近視眼的にならずに一歩離れて全体を眺める視点を持つとともに、判断停止せず(考えたくないことも考え)、どういう可能性があるかを十分に考えることが大事になってくる」とアドバイスする。
 服部氏は「グーテンベルクによる印刷革命は近代を作った。それは今、インターネットが起こしているデジタル革命と同じだ。現在は近代の成熟したターニングポイントに来ている」と指摘し、パーソナルコンピュータの父と呼ばれるアラン・ケイが言った「未来は予測するものではなく創りだすもの」という言葉をわれわれに投げかける。
今まさに未来のインターネット社会へ向けて現在進行形で進んでおり、印刷産業も含め、これからまったく予想もしなかったイノベーションが起こるかもしれない。先行きが不透明で不安な一方、逆にチャンスの時とも言える。 ケヴィン・ケリーは本書の中で次のように述べている。
人間の歴史の中で、何かを始めるのに今ほど最高の時はない。今こそが、未来の人々が振り返って、「あの頃に生きて戻れれば!」と言う時なのだ。 まだ遅くはない。











【印刷新報2018年2月22日付掲載】
その他掲載記事
・攻めの姿勢で「強い会社」へ PrintNext2018
・ミニ特集 LED-UVで現場力アップ、体感中
・青木新議長体制が始動 全青協 第31回全国協議会 など

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2018年2月15日付
〈page2018基調講演(2月9日)〉
他業界から見た印刷業界は? 変化なくして未来なし


 2月9日午前10時から行われたpage2018(日本印刷技術協会主催、東京・池袋)の3日目の基調講演(経営シンポジウム)は、「他業界からみた印刷業界」と題し、印刷業界以外を経験してから印刷・製本会社の経営者となった3人が、印刷業界が遅れている点、また反対に、印刷業だからこそ有利なビジネスの可能性について率直に語った。
 スピーカーは、第一生命経済研究所でアナリストとして活躍していた今野印刷(仙台市)の橋浦隆一社長、東京電力で電気の効率的な利用促進や新規事業を担当していたディグ(東京都中央区)の杉井康之社長、産経新聞社社会部記者としてオウム真理教事件や阪神・淡路大震災などを担当した加藤製本(東京都新宿区)の加藤隆之社長。橋浦氏と杉井氏は義父が印刷会社の経営者であったことから請われて入社、加藤氏は家業ではあったが一から製本業を学ぶ形で入社した。
 各社の取組みとして、今野印刷は「tegami」ブランドの活版印刷自社商品の海外販売、M&Aを活用した業容拡大、MISによる経営合理化など。ディグは売上の7割は出版印刷だが、電力削減ソリューションの提供やコンサルティングを行う別会社の設立、学生インターンシップの受入れによる人財ネットワークの拡大など。加藤製本は世界初のPUR無線上製に成功、生活者の感性に訴える印刷物の開発などを推進している。
 このように3社とも、今でこそ既存の印刷・製本会社の枠に囚われない事業を軌道に乗せ、新しい分野を切り開いているが、入社当時はたいへんな思いをしたという。
 橋浦氏は「体質が古く、社員に夢や誇りがなかった。周囲も後ろ向きの発言ばかり。予定調和から抜け出し、ビジョンを描けるように、とにかくダメモトで新しい事にどんどん取り組んだ」と話す。  また、橋浦氏と同じ感想を抱いたという杉井氏は「社員個人の頭の中にすべての工程があり、競争力がなかった。請求用のパソコン1台しかなかったところから、プリントマネジメントシステムによる自動化を志した。これをやらなければ会社の未来はないという思いだった」と振り返る。
 加藤氏も、入社した1998年当時、製本会社にファックスさえあまり導入されていない業界構造に驚いた。「グーテンベルクの発明以来550年間、印刷技術は変わっていない。続いていること自体が奇跡で、そのうち恐ろしいことが起こると予感した」という。
 2時間に及ぶシンポジウムでは、このあと各氏から、印刷・製本業はどう変わるべきなのかが存分に語られたわけだが、ここではポイントのみを紹介する。
 終わりにあたり、モデレーターを務めたJAGATの郡司秀明専務理事は「今日の話を聞いて、方法は各社各様だが、常に変わり続けたいと願い、勉強する会社は、どんな環境変化の中でも何とかなる」と感想を述べた。
■今野印刷・橋浦社長
 今も成功しているのかどうか分からないが、挑戦してみないと見えない世界がある。むしろ、印刷業界の人にとっては当たり前の事も、外から来てニュートラルだった私には新しかったので、いろいろな事に取り組めた。どんな形であれ、いつの時代もコンテンツは必要で、クライアントの要求がなくなることはない。印刷会社の関わり方はたくさんある。お客に寄り添いながら、新しい技術を取り入れていけば、印刷業はまだまだやれる。
■ディグ・杉井社長
 (中小企業が多い)印刷業界こそ大企業病に侵されている。8.9兆円の出荷高が脳にプログラミングされてしまって、変われない。このままでは20年後も同じだろう。お客が多種多様で無制限にある印刷会社のポテンシャルは本来大きい。本などの3次元の印刷物は人の知識・知恵の体系化に非常にマッチする。印刷物の量は増やすことができる。また、各社の独自のソリューションを合わせれば、(モノづくりから)コトづくり・コト売りの分野で他業界が追い付けないビジネスモデルを築いていける。ぜひ、みなさんと一緒に考えたい。
■加藤製本・加藤社長
 大手と中小が同じ仕事を取り合う不思議な業界であり、これでは利潤がゼロになって当たり前だ。また、売る側(製造業)はどうしても技術ベースで考えてしまうが、買う側は感性で決める。印刷・製本業は紙の出力・加工だけではダメで、消費者に「いい」と思ってもらえる感性経営で市場を創造していかなければ将来はない。今は感性ファーストで理性を検証する時代だ。業界の常識を捨て、焼け野原から立ち上がるべきだ。私は"平原の宇宙人たれ"といつも言っている。これからは、M&Aを活用した徹底した合理化やR&Dも大事になる。それ以上に社員教育。ビジネスの成功は『運』がもたらす。どんどん人に会って勉強し、運を引き寄せることだ。ポストプレス・イズ・コミュニケーションの考えで、私も日々さまざまな人との出会いを自ら求めている。











【印刷新報2018年2月15日付掲載】
その他掲載記事
・page2018 デジタル活用に多彩な切り口
・アライアンスは「人との縁」 page2018基調講演より
・全印工連 CSRマガジン『Shin』リニューアル など

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2018年2月8日付
富士フイルムHDが米ゼロックスを買収
世界最大規模の事務機メーカーに


 富士フイルムホールディングス(助野健児社長、以下「富士フイルムHD」)は1月31日、ゼロックスコーポレーション(ジェフ・ジェイコブソンCEO、以下「ゼロックス」)との間で、富士フイルムHDがゼロックス株式の50.1%を取得し、富士フイルムHD子会社である富士ゼロックス(栗原博社長)とゼロックスが経営統合することに合意、富士フイルムHDは同日、ゼロックスは米国時間1月30日に行われた各取締役会において全会一致で承認された。

古森富士フイルムHD会長・CEO(左)とジェイコブソン ゼロックスCEO

 今回、富士ゼロックスがゼロックスの完全子会社となることで両社は経営統合し、その後、ゼロックスは社名を「富士ゼロックス(以下「新富士ゼロックス」)」に変更する。
 富士フイルムHDは、新富士ゼロックス株式の50.1%を保有し、同社はNYSEの上場を維持。また、富士ゼロックスおよびゼロックスのブランドについては引き続き両方を使用する予定だ。
 これに伴い、新富士ゼロックスは売上で世界最大規模のドキュメントソリューションカンパニーとなり、ワールドワイドで一貫した経営戦略に基づくオペレーションの展開により、事業成長のさらなる加速と顧客への新たな価値提供を実現していく。
 新富士ゼロックスのブランド、最先端技術と人材、グローバルなマーケティング力、顧客基盤などの経営リソースと、富士フイルムHDの幅広い技術、新規事業創出の経験・ノウハウなどを活用することで、オフィスドキュメント事業や、インクジェットを中心とした商業印刷、さまざまなインダストリアルプリンティング、業務プロセス・生産性を向上するソリューション・サービス分野で幅広くビジネスを展開し、企業変革を加速させていく。
 今回の統合によるコスト改善効果は、2022年度までに約1700百万米ドル/年を見込み、そのうち、約1200百万米ドルを2020年度までに実現。コスト改善の一環として、富士ゼロックスは収益・生産性改善のため抜本的な構造改革を実施し、強靭な企業体質への変革を実現する。
 なお、新富士ゼロックスの取締役会12名のうち7名を富士フイルムHD、残る5名を現ゼロックス取締役から指名。新富士ゼロックス会長には古森重髟x士フイルムHD会長兼CEO/富士ゼロックス会長が兼務を予定している。
 また、新富士ゼロックスCEOにはジェフ・ジェイコブソン現ゼロックスCEOが就任予定。










【印刷新報2018年2月8日付掲載】
その他掲載記事
・業量標準化へ発売日移動を提案 7社14誌で実証実験
・ミューラー・マルティニ、コルブスの製本事業を継承
・第一印刷所グループ レーザー加工機を導入 など

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2018年2月1日付
〈日本HP 事業説明会〉
印刷向けクラウドOSが普及 大ロットパッケージを開拓


 日本HP(岡隆史代表取締役社長執行役員)は1月24日、報道関係者向けの事業説明会を都内で開催した。岡社長が全体概況を説明した後、主要事業分野ごとの2018年の市場戦略が紹介された。

日本HPの岡社長

 岡社長は初めに、日本HPを含め、2017年のHPの世界ビジネスが好調であったことを報告した。世界170ヵ国を対象に、売上高は約5.8兆円(前年比9%増)、利益約4300億円。約8700万台のPCとプリンターを出荷した。日本HPの業績は、10期連続で市場の平均成長率を上回っているという。
 HPは「世界初のイノベーションの追求」を合言葉に、人口増加、急速な都市化、ハイパーグローバリゼーション、イノベーションの加速といった将来にわたるトレンドを分析し、必要なデバイスの開発を進めている。岡社長は「専門開発部門のHPラボでは4、5年先から50年先まで見た研究開発を行っている」と話す。
 各事業分野については、コア事業であるPCとプリンターの製造で、より使いやすさ、セキュリティを追求するとともに、成長分野の一つにデジタル印刷を挙げた。将来の事業の柱に育つ可能性がある分野としては、VR/ARを活用した次世代コンピューティング、3Dプリンターなどを強く意識している。
 大判プリントを含むデジタル印刷については、「日本の印刷はまだまだアナログが主流であり、世界的に遅れている。現在は10%未満だが、市場の40%はデジタルに移行してもおかしくない。マーケットの余地は大きく、この分野を強化していく。より速く、よりエコな製品を提供したい」と展望した。
 デジタル印刷事業については小池亮介執行役員デジタルプレスビジネス事業本部本部長が説明した。
 小池本部長は、キーテクノロジーの一つとして「HP Print OS」を紹介した。
 「IoT時代の印刷工場向けのオペレーティングシステムであり、すでに世界約3000社のユーザーが使用している。クラウドベースで、モジュラー化されたオープンプラットフォームで、オンライン上にあるプロファイルを使って世界中どこでも同じ色を出力できる。モバイルにより、出先にいても仕事の進捗を常に把握できる」
 HP Indigoデジタル印刷機シリーズは、2017年にワールドワイドで年間350億枚を印刷した(A4換算)。2007年の年間50億枚から10年間で7倍の伸びである。
 2018年は、HP Indigo 12000HDにおいて、世界最高の1600dpi高解像度ヘッドモデルの出荷を開始する。
 また、インクジェット輪転機は、2017年にワールドワイドで年間約600億枚(A4換算)を印刷し、2010年の出荷開始からの累計では2500億枚になる。
 2018年は、HP PageWide Web Press T1100Sの国内出荷を開始する。小池本部長は、パッケージイノベーションの加速についても言及した。「今までは(シート機による)小ロット用の市場を開拓してきたが、2018年は(ロール機による)段ボールなどのハイボリューム需要でデジタル化を推進したい」と、パッケージ市場における戦略テーマを明らかにした。











【印刷新報2018年2月1日付掲載】
その他掲載記事
・page2018特集
・PrintNext2018特集
・「ふくしまの伝統色事業」を展開 福島県印工組 など

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2018年1月25日付
製紙連「2018年紙・板紙内需試算」
印刷・情報用紙は2.9%減見通し
デジタルシフトや出版不振で


日本製紙連合会は1月22日、2018年の紙・板紙内需試算を発表した。紙が前年比2.3%減、板紙が同0.8%増(段ボール原紙1.2%増、紙器用板紙0.6%減)、紙・板紙合計で同0.9%減の見通し。
 紙のうち、「印刷・情報用紙」は電子化の進行や出版向けの不振等により減少の継続を見込む。出荷量については、前年対比2.9%減の約821万トンと予測。塗工紙3.0%減、非塗工紙3.5%減、情報用紙2.0%減を見込む。品種別の予測は次のとおり。
▽塗工紙(3.0%減)
 好調な企業業績を背景に広告増が予想されるが、紙媒体の需要は減少傾向。需要各社の継続的なコスト削減に加えて、ネット広告へのシフトが続く。カタログ、チラシ等の販促用商業印刷は、部数減やサイズダウン、低米坪化等により引き続き低調に推移する。
▽非塗工紙(3.5%減)
 上級印刷紙は、汎用性が高く、チラシや目論見書・取扱説明書、学習参考書関連など底堅い需要があるが、引き続き企業の経費削減、電子化の進行に伴う帳票類等の減少、小口印刷の内製化などの動きにより、前年を若干下回ると予想。中・下級印刷紙は、主な需要先である出版業界が依然厳しく、発行部数の減少が続く。特に雑誌向けは、スマートフォンやタブレット端末向けのアプリケーション・ソフトの拡大等による情報源や娯楽の多様化の影響が大きく、引き続き不振を予想。
▽情報用紙(2.0%減)
 PPC用紙の内需は、ユーザーの節約対策が一段と強まる中、オフィス関連を中心に使用量削減が進むものと見られ、前年を下回る。フォーム用紙は、デザインフォームのDM向け等は底堅い需要が期待できるものの、電子化やカット紙化の進展により全体として減少が継続。情報記録紙は、物流分野での感熱紙ラベルなど堅調な分野もあるが、電子化の影響等もあり、全体として前年並みとなる見通し。










【印刷新報2018年1月25日付掲載】
その他掲載記事
・世界の広告費 3.6%の成長を予測
・寄稿 Japan Color認証制度
    デジタル印刷認証の概要(上)
・平成30年新年会各地で開催 など

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2018年1月18日付
日印産連 新年交歓会
社会との良好な関係構築に邁進
長年の経験・ノウハウ活かせ


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)の新年交歓会が1月10日、東京・港区のホテルオークラ東京で開かれ、各界からの来賓を含め650名が出席した。山田会長は、環境が著しく変化する中で社会との良好な関係を構築することの重要性を指摘し、引き続き印刷産業の社会的責任を追求していくことを強調した。また、経済産業省商務情報政策局の寺澤達也局長からは、IoT化による生産性の向上や新ビジネスの開拓などに期待が示された。

新年の集いに650名が集まった

 新年のあいさつで山田会長は、はじめに経済情勢について「雇用や個人消費が改善し、全体としては緩やかな景気回復基調が継続している。一方、印刷産業に目を転じると、印刷需要が停滞する中で厳しい経営環境が続いている」と述べ、続いて世界情勢については「国際関係は不安定で不透明な状況が続くことが予想される。一方、これからの地球環境問題に向けて、より厳しい目標を目指すパリ条約が発効された。また、貧困や差別などのグローバル課題に対応するSDGsが国連総会で新たな国際合意として位置づけられた。日本政府も本格的な取組みに着手しており、今後の企業経営にも影響が出てくると思う」と紹介した。
 こうした環境変化を受けて山田会長は「今後どのように経営のかじ取りをしていくかは難しい状況にあるが、社会との良好な関係構築あるいは社会の期待にどう応えていくかが今後ますます重要になってくる。3年前にスタートした『グランドデザイン』に基づき、印刷産業の社会的責任をさらに高め、社会の要請にしっかりと応えて信頼される産業を目指していきたい」と抱負を語った。
 結びに、今年7月26日から31日に開催されるIGAS2018に関して、会場内に印刷産業をアピールするブースを設けるほか、期間中にFAPGA(アジア印刷会議)を開催することを紹介し、「本年も印刷産業の活性化につながる活動に積極的に取り組んでいく。引き続きご支援ご協力をいただきたく心からお願いしたい」と述べた。
 来賓祝辞は経済産業省商務情報政策局の寺澤局長が述べた。寺澤局長は「印刷産業には大きなポテンシャルがあると考えている」と話し、具体的には紙ベースの印刷、紙以外への印刷、知的財産権、データの利活用を挙げた。
 特にデータの利活用に関しては、経済産業省が提唱する第4次産業革命のコンセプトである「コネクテッド・インダストリーズ」を取り上げながら、次のように期待が示された。
 「コネクテッド・インダストリーズは、さまざまな主体がデータを通じてつながることにより、データの利活用を通じて生産性を高め、新たなビジネスを生み出す構想である。まさにデータが主役の時代だ。そして、長年データを取り扱い、利活用してきたのが印刷業界だと思う。みなさまの長年にわたる経験やノウハウ、技術をデータの利活用に活かしていただき、印刷プロセスの一層の効率化や、顧客マーケティングサービスといった新しいビジネスを生み出してほしい。
 政府としても来年度からIoT投資促進税制として、生産性の向上が見込めるIoT投資については最大で5%の税額控除を用意する。これは3年間の措置であるため、この3年間の間にみなさまのIoT投資を進めていただきたい。また、中小企業のIoT投資を応援するため、今般取りまとめた補正予算で中小企業のIT投資に対して500億円の補助金を用意している。さらに、新しいビジネスのチャレンジのために、ものづくりサービス補助金として1,000億円を補正予算で手当てしている。生産性を高め、新しいビジネスを生み出すチャンスであると積極的に取り組んでいただきたい。政府としても全力でみなさまの新たな発展を応援したい」
 続いて壇上で印刷関連団体のトップなどによる鏡開きが行われ、日本製紙連合会の馬城文雄会長が「製紙業界としてはよりよい紙を安定して納め、みなさまとともに歩んでまいりたい」と乾杯発声を行った。


























【印刷新報2018年1月18日付掲載】
その他掲載記事
・GCJ クラウドサービスの提供を開始
・夢のある印刷産業へ 東印工組 新春の集い
・ミニ特集 UV印刷で競争力アップ など

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2018年1月11日付
〈フォーム印刷研究会〉
426回目の最終セミナー開く 42年間にわたり情報発信


 フォーム印刷研究会は、最終回となる第426回セミナーを12月22日に東京・麹町の海事センタービルで開催し、42年間の歴史を閉じた。

代表を務めてきた戸矢氏

 同研究会は、1975年8月に第1回「OCR・OMRセミナー」を開催して以来、ビジネスフォーム(BF)に関連する市場や企業・製品の動向、新技術について勉強会や見学会を毎月続けてきた。また、会報誌『BF NEWS』も欠かさず発行し、最新情報の提供に努めてきた。
 代表取締役を務める戸矢雅道氏はセミナーの初めに、「フォーム印刷が進化し、業界の中身が大きく変化している。なかなか勉強が追いつかない距離感のようなものを感じ、区切りを付けることにした」と述べ、永年にわたる会員の支援に対して感謝の思いを伝えた。
 最終回には40名が参加し、戸矢氏の3時間にわたる講義に耳を傾けた。「今月の話題」として取り上げたのは、マイナンバーカードの普及が進まない問題、競争激化で苦戦するBF業界のBPO、コンビニエンスストア5大チェーンが2025年までに全5万店にICタグを導入することに関連したICタグの単価を巡る駆引き、ペーパーレスの将来など。
 戸矢氏は「印刷だけでは稼げない時代になり、周辺事業にある付加価値で収益を上げようとする流れが出てきた。もともとBF業界がやってきたことであり、境界を超えた参入により競争が激しくなっている」と指摘する一方、業務や作業、設備に自在性があるBFの強みを挙げ、将来に向けた可能性を示した。
 後半では、フォーム印刷研究会の永年の歩みを振り返りながら、BF業界の変遷をたどり、その時々の話題について解説した。

























【印刷新報2018年1月11日付掲載】
その他掲載記事
・特集「光文堂新春機材展」
・中小企業の生産性を向上 2018年度税制改革
・大手3社社長 2018年年頭あいさつ など

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2018年1月4日付
FAPGA アジア印刷会議
7月にIGAS2018と同期開催
国際印刷フォーラムなど


 今年7月に開催されるFAPGA2018(アジア印刷会議)の概要が固まった。IGAS2018に合わせて7月26日から3日間、東京ビッグサイトを会場に国際印刷フォーラムなどを予定している。
 FAPGA(Forum of Asia Pacific Graphic Arts)は、1996年にアジア地域における印刷産業発展と協力関係構築のために、日本印刷技術協会が中心となり設立したFAGATが母体で、2013年からFAPGAに名称変更した。2009年の第11回(東京開催)から日本印刷産業連合会が日本の代表機関となり参加している。
 現在の加盟国は、オーストラリア、中国、インド、日本、韓国、マレーシア、ネパール、ニュージーランド、フィリピン、タイ、シンガポール、スリランカの12ヵ国。毎年、持ち回りで各国がホストとなり、会議を開いている。
 FAPGA2018では、7月26日午前にIGAS開会式に出席、午後に日印産連主催の「国際印刷フォーラム」をビッグサイト会議棟で開催する。サプライヤーの国際組織であるGlobal Printメンバーによる基調講演と、FAPGAメンバーによる発表が行われる。夜は晩餐会。
 翌27日は、午前がボードミーティング、午後がIGAS見学。Japan Print Exhibitionブース見学、日本印刷産業機械工業会によるIGAS見どころツアー、自由見学など。夜はGlobal printとFAPGAの合同レセプション。  28日は、視察(印刷博物館、丸善などの大型書店、ほか)を行う。
 IGAS会場(東展示棟コンコース)に設けられるJapan Print Exhibition(仮称)は、日本の印刷産業を紹介する展示コーナー。日印産連10団体およびジャパンパッケージングコンペティションや造本装幀コンクールなど日印産連主催の各種コンテスト受賞作品をはじめ、印刷産業の広がりを示す各朱製品展示、さらに、環境・CSR・地域おこしなど印刷産業が行っている各種の取組みを紹介する。
 日印産連では、すでに広報委員会の中にFAPGAアジア印刷会議推進部会を設置し、準備を進めている。リーダーは岩岡正哲広報委員長。展示会WG、セミナーWG、接遇WGの3つのワーキンググループを設ける。


















【印刷新報2018年1月4日付掲載】
その他掲載記事
・2018年新年特集号 さあ、今年はIGAS
・2018年話題選 マーケティングに回帰の動き 他
・2018年 リーダー年頭所感 など

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2017年12月21日付
【本紙が選んだ2017年十大ニュース】
関係性再検証の年に 官公需取引改善で歴史的な一歩


【本紙が選んだ2017年 十大ニュース】

@国の「契約の基本方針」に知的財産権へ留意すべき旨が盛り込まれる
A働き方改革、印刷業界でも啓発や取組みが進む
B日印産連が作文コンテスト、地域イベントなど新規に実施
CAI活用型など、自動化システムが進展
D大型企業統合が話題に。M&Aなど業界の関心高まる
EJMPA、「デジタル印刷認証」を運用開始
F経済調査会、「積算資料」に印刷関連サービスを掲載
G関東特殊加工協同組合が発足
H東印工組、「VOC排出削減対策推進事業」を受託
I日本印刷技術協会、創立50周年で各種記念イベント

 2017年の印刷業界は、ビッグイベントや突発的な事件などが少なく、総じて派手さは少なかった。反面、大きな時代のうねりの中で、既存の仕組みが見直しを迫られ、新しい価値軸に立った関係性の検証が進んだ。それは、印刷会社のステークホルダーである顧客、従業員、取引業者、地域社会など、あらゆる対象に及ぶ。
 印刷業界の最大の発注者ともいえる官公庁との取引においては、7月に閣議決定した「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に、知的財産権の価値に十分留意するよう明記され、印刷用データの取扱いに関しても解説が加えられた。全印工連と全印政連の長年の業界運動が国を動かした歴史的な一歩と言える。
 また、国の中心施策である「働き方改革」に沿って、多くの企業・団体で啓発のための勉強会、イベント、調査報告などが行われた。長時間労働抑制やダイバーシティ経営への意識が向上し、就業規則改訂や女性活躍推進などの取組みが進んだ。
 人口減少が加速する中、働き方のムダをなくしつつ最大の効果を上げるため、AI、IoTなどの導入による自動化生産システムが盛んに研究され、関連製品やサービスの発表が相次いだ。ビッグデータと連動したデジタルマーケティングの動向も注目された。
 日印産連は、グランドデザインへの取組みをさらに深め、新しい試みとして「印刷と私」エッセイ・作文コンテストや「地域おこしめっせ2017」を実施。一般社会、地域社会に向けた積極的な情報発信を行った。
 4月には大王製紙が三浦印刷へのTOBを実施し、子会社化。他の既存子会社と合わせ、印刷事業売上を約300億円とした。8月には日経印刷が日本創発グループの子会社となることが発表され、大きな話題を呼んだ。
 全印工連は、事業継続の有効な選択肢の一つとしてM&Aも視野に入れ、他業界に先駆けて「事業承継支援センター」を山田ビジネスコンサルティングとの提携により設置し、事業をスタートさせた。
 日本印刷産業機械工業会(JPMA)は、ジャパンカラー認証制度に「デジタル印刷認証」を新設し、5月から運用を開始した。顧客が安心して発注できる範囲をオフセット印刷からデジタル印刷にまで広げた。
 経済調査会は、毎年2月に発行する『積算資料 印刷料金』の2017年版に、初めて「フルフィルメントサービス」を掲載した。「クリエイティブワーク」に関する調査・研究も進めている。
 東京都光沢化工紙協同組合は、7月から「関東特殊加工協同組合」に名称変更した。箔押業界から新たに約20社が加入し、後加工全般を網羅する業界団体に生まれ変わった。複合化・複雑化する加工ニーズに応える。

























【印刷新報2017年12月21日付掲載】
その他掲載記事
・第7回カーボン・オフセット大賞 優秀賞に日本WPA
・育英グラフィックの会 無処理版と自動運転を体感
・千修イラストレーションコンテスト
 720作品から15点を表彰 など

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2017年12月14日付
〈日本タウン誌・フリーペーパー大賞2017〉
大賞は大風印刷(山形)の『gatta!』
今年も印刷会社が多数受賞


 全国各地の優れたタウン誌やフリーペーパーを決める「日本タウン誌・フリーペーパー大賞2017」の授賞式が12月2日に東京・上野の国立科学博物館で開かれ、大風印刷(大風亨社長、山形市)の『gatta!』が大賞に輝いた。また、新たに創設された内閣府地方創生推進事務局長賞(地方創生部門)にハラプレックス(原竜也社長、愛媛県今治市)の『ココロエ愛媛』が選ばれるなど、今年も多くの印刷会社が受賞に名を連ねた。

大賞を受賞した『gatta!』

 同賞は全国各地に約3000誌あるとされるタウン誌、フリーペーパーの実績や活動、地域経済の活性化に貢献している存在価値を広く知らせることなどを目的に、日本地域情報振興協会(NiCoA、近藤環代表理事)が開催しているもので、今回で7回目。後援は内閣府、経済産業省、農林水産省、観光庁、日本観光振興協会、協賛は日経印刷、モリサワ、沖データなど。
 今回は全国(海外含む)から283誌が参加(審査対象外として自治体や観光協会による公的機関の媒体118誌含む)。「地方創生部門」「インバウンド部門」「観光部門」「グルメ部門」「ライフスタイル部門」など計12部門で審査し、ノミネート媒体を選出。その中から部門別に最優秀賞、大賞2誌(無料誌、有料誌)が選ばれた。
 大賞に輝いた大風印刷の『gatta!』は、「生まれた街を、素直に好きと言える。とても素敵なことだと思いませんか?」という編集コンセプトで13年前に創刊されたフリーペーパー。そのメッセージどおり、地域のさまざまな魅力を、企画、写真、文章、デザインなど、高いクオリティで編集している点が高く評価された。
 総評では「この街に住んでいる読者にとっては、『わが街再発見』のきっかけとなり、観光客にとっては、ディープな観光情報満載の雑誌」と高い評価を得た。一方で、「誌面からWebに動線はあるがPDFになっており、コンテンツが大変すばらしい分、知りたい情報が検索できないのが非常に残念」とし、「13年分の『gatta!』を再編集すれば、山形の新しい魅力再発見のコンテンツになるだろう」と期待が寄せられた。
 大風社長は「13年前に創刊以来、山形のことをもっと知ってもらおうと、山形の人でも知らないような情報を深く掘り下げて発信してきた。現在4名のスタッフで制作しており、その頑張りがこのような栄誉となった。今回の受賞がピークではなく、来年も再来年も、さらに良い媒体をつくっていきたい」と述べた。
 内閣府地方創生推進事務局長賞(地方創生部門)を受賞したハラプレックスの『ココロエ愛媛』は、愛媛県内の中高生に向けて、企業でやりがいを持って働いている人たちを紹介するなど、キャリア教育の情報提供を行っている無料の職育誌。総評では「地域の未来を担う中高生に向けて、地元企業の魅力や地元で働く人に焦点を当て、地元で働くことが憧れとなるようにカッコよく魅力的に伝えるものとなっている。地方創生の柱である『しごと』が『ひと』を呼び、『ひと』が『しごと』を呼び込む好循環に結び付く取組みである」と評価された。
 原社長は「地方創生は愛媛だけの課題でなく、各地方共通の課題だと思っているので、今回の受賞をきっかけにさらにココロエの同志を拡げられるよう頑張っていきたい」と述べた。
 受賞者・媒体名は次のとおり(印刷会社のみ)。
【大賞(無料誌)】大風印刷『gatta!』(山形県)
【内閣府地方創生推進事務局長賞】ハラプレックス『ココロエ愛媛』(愛媛県)
【地方創生部門特別賞】総合商研『JP01』(北海道)
【最優秀賞】▽観光部門賞=仙北印刷所『D-PRESS』(秋田県)▽グルメ部門=岩見印刷『よりみち.』(兵庫県)
【優秀賞】▽地方創生部門=櫻井印刷所『kawagoe premium』、石川印刷『Fのさかな』(石川県)▽ライフスタイル部門=大風印刷『gatta!』(山形県)▽企業誌部門=電算印刷『ディーセント』(長野県)
























【印刷新報2017年12月14日付掲載】
その他掲載記事
・第18回デザイングランプリTOHOKU2017
 応募は過去最高の617点
・印刷博物館 「世界のブックデザイン2016−17」
 優秀図書200点を展示
・東印工組足立支部 今年も足立区に寄付 など

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2017年12月7日付
非正規雇用、長時間労働の一掃へ
日印産連がセミナーで周知


 日本印刷産業連合会(山田雅義会長)は、安倍政権が進める「働き方改革」に焦点を当てた「職場新時代の労務管理セミナー」を11月24日に日本印刷会館で開いた。働き方改革は時間外労働の上限規制や正規・非正規の格差を是正する「同一労働・同一賃金」の導入などを柱とし、年明けの通常国会に関連法案が提出される見通しだ。講師を務めた小島経営労務事務所(特定社会保険労務士)の小島信一氏は「従来の考え方から大きく変わるので、心構えをする必要がある」と訴えた。

◆長時間労働の限度時間を超えた企業には罰則
 日本国内で少子高齢化に伴う働き手不足が深刻化している中、「働き方改革」は安倍政権による一億総活躍社会実現に向けた経済対策の一つ。2016年9月に「働き方改革実現会議」が設置され、安倍総理を議長とする各閣僚と有識者メンバーで検討してきた。今年3月に実行計画がまとめられ、9つの分野で方向性が示された。
 講師の小島氏は、働き方改革の中身や工程スケジュール、今後、どのような改正が進められるかについて解説した。
 その中でも、特にポイントとなるのが「同一労働・同一賃金」と「長時間労働の是正」である。
 「同一労働・同一賃金」では、正規と非正規労働者との間に、賃金などの待遇格差が生じていた場合に、労働者が均等待遇を求める法律上の規定を整備するとともに、会社側に格差の説明義務などが課される。
 現在の日本の非正規労働者は全体の4割を占めており、特に女性の場合、結婚や子育てもあって30代半ば以降自ら非正規を選択している場合も多い。小島氏は「非正規雇用の処遇を改善し、女性や若者などの多様な働き方の選択肢を広げていくことは、働き方改革において重要なポイントになる」と指摘したうえで、同一労働・同一賃金の導入について、「仕事ぶりや能力が適正に評価されることで、非正規労働者が意欲を持って働けるようにすることを目指しており、『非正規』という言葉を一掃することが目的」と説明した。
 昨年末に政府が発表した「同一労働・同一賃金ガイドライン案」に則って、今後、パートタイム労働法、労働契約法および労働者派遣法など各関連法案を改正する運びだ。
 「長時間労働の是正」では、労働基準法を70年ぶりに大改正し、いわゆる「三六協定」でも超えることができない時間外労働の上限規制を法律内に定める。原則として、限度時間を「月45時間、年360時間」とする。
 小島氏は「仕事と子育て、介護などを両立させるためには、長時間労働を是正する必要があり、1人当たりの労働生産性を向上させることがポイントになってくる」と指摘し、これまでの日本は、残業している方が頑張っているといった長時間労働の文化が根強く、非正規労働者を安く利用することができたが、今後は認められなくなると強調した。
 長時間労働の限度時間を超えた企業には罰則が科せられる。違法による是正勧告を受けている場合や、違法な長時間労働を繰り返している企業として公表された場合には、ハローワークでの求人活動ができなくなる。
 また、応募者、ハローワーク等からの求めがあった場合には、「過去3年間の新卒採用者数・離職者数」「前年度の月平均所定時間外労働時間の実績」「前年度の有給休暇の平均取得数」など雇用情報を提供しなければならないとしたほか、正規と非正規の条件の説明に納得できない非正規労働者が、相談や苦情を行政窓口や紛争処理機関等に持ち込むケースが今後増えることが予想されるとし、「労働環境が整っていない企業は、人材採用がますます困難な時代になる」と説明した。




















【印刷新報2017年12月7日付掲載】
その他掲載記事
・特集 Japan Color認証
・page2018 テーマは「アライアンスNEXT」
・東ト協 第39回出版物関係輸送懇談会
 土日休配日の是非を協議 など

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2017年11月30日付
〈JPA創立40周年記念講演会〉
米国の最新マーケティング動向学ぶ
市場変化に印刷業は多角化で対応


  日本プリンティングアカデミー(JPA)は11月20日、創立40周年記念講演会を日本印刷会館で開催し、約90名が聴講した。アメリカの著名なコンサルタントであるルスP・スティーブンス氏を招き、『21世紀のダイレクトマーケティング〜顧客にリーチする新たな方法』と題して講演を聴いた。  講演に先立ち、JPAの花井理事長があいさつし、「JPAは学校法人としてちょうど40年経つが、時代は石油経済からデジタル経済へと大きく流れが変わり、経済の基本はデジタルマーケティングに移行しつつある。その中で、学校の教育方針も来期から大きく変貌させていく予定だ。本日はスティーブンスさんに、アメリカのデジタルマーケティングの動向について話していただく。最新情報を持ち帰り、明日からの各社の仕事に役立てていただきたい」と述べた。

講演するスティーブンス氏

 スティーブンス氏は、20年近く顧客獲得と維持に関する専門家として、スタートアップ企業から大企業にいたるまで、実践的なマーケティング教育と実務面におけるコンサルティングを行ってきたB2Bにおける代表的なコンサルタント。講演では、初めにアメリカで成功しているダイレクトマーケティングの事例について紹介。続けて、Eコマースの成長が小売業界に急速な変化をもたらしていることを取り上げ、小売業界がいかに対応しているか、市場の変化に合わせ印刷会社がどう進化しているかを解説した。
 スティーブンス氏は初めに、「今日のデジタルマーケターは、自覚の有無に関係なくダイレクトマーケターになっている。そして、デジタルマーケティングは行動、クリック数、訪問数、ダウンロード数など、すべて具体的なアクションで測定される」と述べた。
 デジタルマーケティングで結果を出すための5つのポイントとして挙げたのは、的確なターゲットの選定/動機付けとなるオファー/明確な行動喚起/専用のランディングページ/フォローアップ(フルフィルメント、継続的なコミュニケーション、関係構築)である。
 そして、ダイレクトマーケティングの大事な軸であるターゲット、オファー、クリエイティブの3要素について、最適なレスポンスを得るために3つの重要度(配分)をどう捉えたらいいかを、参加者に具体的に挙げさせた。スティーブンス氏が示した答えは、それぞれ50%、30%、20%。「数年にわたる調査の結果であり、これが最適な組合せだ」と、マーケティングが科学であることを強調した。
 次に、デジタルマーケティングの優良事例の紹介に移った。
 高級デパートがベッドシーツの販売にサーチエンジンを活用した事例では、対象となる買い物客を的確にランディングに誘導した後、そこでも送料無料、返品無料、20%オフなど、複数の追加オファーを表示している。高級デパートであっても複数のオファーを出すことを恐れていない点が評価できる。
 ダイエットプランのキャンペーンを実施した企業では、徐々に効果が下がってきたところ、企業の人事担当者と紐づけることで売上を向上させた。消費者とB2Bのプロファイルを重ね合わせて成功した事例だ。
 そのほか、顧客の購買行動をマッピング化し、それに応じて関連性のある効果的なメッセージを届ける手法、見込み客データベースにソーシャルメディアフォロワーを追加していく手法などを紹介した。
 米国における調査結果では、企業がマーケティング戦略の拠り所とするチャネルは、Eメール90.6%、オンラインディスプレイ(モバイルとSNS含む)83.0%、オウンドウェブコンテンツ(ウェブサイト、ソーシャルサイト)79.2%、ダイレクトメール79.2%と続く。リーチ可能な顧客を特定するために、チャネルの相互利用や既存マーケティングテクノロジーとの統合が重視されており、ダイレクトメールも重要という結果が出ているという。
 アメリカのマーケットで起きている象徴的な動きでは、アマゾンに代表されるEコマースの急成長に小売業がどう対応しているかを取り上げた。一方でアマゾンも、実店舗の所有、食料雑貨への進出、航空デリバリーの採用、クラウドマネジメントビジネスの拡大など、ビジネスモデルを進化させている。最近では、配達先が不在の場合に鍵を開けて室内に配達を許可するサービスも開始した。
 スティーブンス氏は「小売店は大きな恐怖心を抱いている。顧客サービスの改善に取り組むことはもちろんだが、アマゾンを競合と見ているグーグルと提携し、グーグルホームのボイスショッピングと組む小売店が増えている」と述べた。  ケロッグ社は、50種類の原料から選べる究極のカスタマイズグラノーラでEコマースを成功させた。ブランドはダイレクトに向かっている。
 こうした状況の中、印刷会社はどのように市場に向き合っているのか。「デジタルコミュニケーションが増えると印刷会社の業績は下がると思われているが、アメリカの印刷業界はとにかくマーケターに提供するソリューションを多角化させている。顧客は手助けがあれば利用する。ワンストップショッピングを展開する企業は、より少ないベンダーで済ませたいと考えている。作業時間ではなく価値に対する価格設定も望んでいる」
 スティーブンス氏は、サービスの多角化で印刷会社にチャンスが生まれることを指摘した。























【印刷新報2017年11月30日付掲載】
その他掲載記事
・特集 JPA創立40周年
・東グラ 「ビジコン!2017」
 ファイナルプレゼン大会開催
・「印刷と私」エッセイ・作文コンテスト表彰式 など

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2017年11月23日付
〈日本フォーム工連 業界調査報告〉
BPOサービス市場に期待 全職種で人手不足感が増す


 日本フォーム印刷工業連合会(小谷達雄会長)は11月13日、「フォーム印刷業界の現状と課題に関する調査報告」および、セミナー「サスティナビリティ経営とソーシャルマーケティング」(講師=株式会社朝日エル・岡山慶子会長)を日本印刷会館で開催した。
 調査報告では、同連合会市場調査委員会の石井啓太委員長(共同印刷)が報告し、このほど完成した報告書を基に説明を行った。
 調査は、毎年会員企業にアンケートを実施し、前年度実績との比較で回答を求めている。今年度は62社(回答率54.4%)が回答。うち、約半数の27社が従業員30〜100人未満の企業となっている。
 2016年度の売上高の前年度比は、「ほとんど変わらない(±10%未満)」が86.9%と大多数で、「10%以上20%未満の増加」が8.2%、「10%以上20%未満の減少」が4.9%となった。経常利益については、「ほとんど変わらない(±10%未満)」が6割強を占める一方、「20%以上増加」14.5%、「20%以上減少」8.1%などバラツキが大きい。全体としては過去3年間で回復傾向にある。DPS(データプリントサービス)、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)、その他の分野で利益を得ている企業が多い。
 売上高に与えた影響(複数回答可)について、プラス要因で多いのは、「新規開拓が好調」(42.9%)と「得意先の業績が上向いた」(36.7%)。マイナス要因では、例年どおり「価格競争」(70.2%)が最も多く、次いで、「IT導入、法制度改革によるペーパーレス化」(52.6%)、「得意先の業績不振、事業縮小、倒産など」(38.6%)。来年度以降も継続する流れと予想される。
 利益に与えた影響のプラス要因上位は「経費の削減」(46.0%)、「高利益製品の受注比率増加」(30.0%)。マイナス要因上位は「売上高の減少」(47.3%)、「得意先からのコスト削減要請増加」(41.8%)。
 今回の調査から新たに加わった各社の強みに関する設問(複数回答可)では、「納期対応力」(73.3%)が最も多く、次の「製品・サービスの機能・品質」(61.7%)と合わせて半数以上を占める。
 現在の課題(複数回答可)の回答上位は、「生産効率の向上」(62.9%)、「営業力・スキルアップ」(58.1%)、「新規事業の立上げ・新分野参入」(50.0%)、「人手不足」(43.5%)、「品質保証」(40.3%)など。
 昨年度に比べ、「営業力・スキルアップ」が約1割減少、一方で「新規事業の立上げ・新分野参入」と「人手不足」が約1割増加した。前々回から項目を設けた「人手不足」は、課題とする企業が毎年増えている。2014年度の11社(19.3%)から2016年度は27社(43.5%)と2倍以上になった。職種では、工場作業、営業、技術など、全体に大きな差はなかった。全職種で不足感が募っている。
 生産効率向上のための新たな設備投資(複数回答可)に関しては、「特に検討していない」の回答が42・6%と最も多かったが、検討している企業では、「生産管理システム(MISの導入等)」(27.9%)、「IoT」(18.0%)、「産業用ロボット」(11.5%)など。
 BPOサービスへの取組みに関しては、「全く検討していない」(45.8%)、「すでに展開している」(39.0%)、「現在検討中」(15.3%)。今回初めて従業員30人未満で展開している企業が見られた。
 サービスの内容(複数回答可)は、「データ入力」(54.8%)、「物流」(51.6%)、「データベース構築・システム開発などのシステムソリューション」(32.3%)、「バックオフィス」(32.3%)など。
 今後のBPOサービス市場については、「今後ますます拡大する」(50.9%)、「拡大はするが伸びは鈍化する」(34.0%)と分かれるが、総じて市場拡大に期待している結果となった。























【印刷新報2017年11月23日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連理事会 知財権の解説資料を作成
・技光堂が優秀賞 板橋製品技術大賞 
・ハイデルベルグ 独・ウィスロッホで
 パッケージングデイ開催 など

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