日付インデックス
4月11日
インキ工連
「バイオファーストインキマーク制度」の運用開始
グラビアインキ向け、環境配慮型インキを認定

4月4日
全印工連、用紙問題で対応協議
解決へ向け社会に周知を

3月28日
環境省が再生紙の取扱いで柔軟対応
調達困難な場合、代替品の使用認める

3月21日
東京都板橋区
印刷業が連携し区の産業ブランド化
大村製本でワークショップ開催

3月14日
全日本DM大賞
グランプリに自動化スキームDM
購入率・反応率に顕著な成果

3月7日
佐川印刷/コアレックス
包装資材改革に共同で着手 資材のリサイクルを推進

2月28日
page2019基調講演3
「企業価値を高める工場見学を考える」
リアルな体験に大きな強み

2月21日
官公需対策協議会
知的財産権の取扱い明確に
コンテンツ版バイ・ドール契約など情報共有

2月14日
中小企業庁 「長時間労働に繋がる商慣行調査」
繁忙期・短納期とも「印刷」で高い発生割合
下請へのしわ寄せ等、課題を整理

2月7日
〈全印工連 CMYKプロジェクト〉
世の中の要望をカタチに―
全プロダクトを初公開、SNS等で若者に訴求

1月31日
アイ・シー・ラボ
「個別原価・利益算定ツール」を開発
業務の実態を反映し高い精度
経営改善ツールとしての活用を提案

1月24日
廣済堂、外資MBOを受け入れ
株式非公開化で改革推進

1月17日
全印工連/日紙商
メーカー、代理店に初の共同要望書
用紙値上げ「社会への説明責任を」

1月3日
太陽堂印刷所 米アワードで最優秀賞
複雑な税務関係書類の封入作業を大幅に改善

12月20日
【本紙が選んだ2018年十大ニュース】
社会課題への対応迫られる
働き方改革、省人化技術など進展

12月13日
大日本印刷、「情報銀行」事業に本格参入
2019年度、観光と地域サービス分野で

12月6日
関東経済産業局「VOC排出抑制セミナー」
VOC警報器の活用事例など紹介

11月29日
海洋プラスチック対策が本格化
1月に企業アライアンス設立

11月22日
第45回技能五輪国際大会
「印刷職種」日本代表(候補)が決定
トッパンコミュニケーションプロダクツの湯地さん

11月8日
政府の海賊版サイト対策会議
法制化を巡る意見取りまとめ断念

11月1日
外国人技能実習制度の概要と留意点
法令遵守と個別配慮で受入れを

10月25日
全製工連
業界一丸で取引慣行改善へ
共存共栄へ意見書作成

10月18日
日印産連〈知財公開フォーラム2018〉
中小企業の知財論説く
技術活かしニッチトップ企業へ

10月11日
東印工組〈ダイバーシティ経営セミナー〉
働き方改革関連法を解説

10月4日
福島県印工組
「ふくしまのいろ」を色鉛筆に
次世代に地域の魅力を伝える

9月27日
日本製紙/四国化工機
紙容器無菌充填システムを新開発
固形物や長繊維を可能に

9月20日
日印産連、女性活躍推進で拡大企画
将来リーダーのネットワークづくりへ

9月13日
共同印刷/NISSHA
情報コミュニケーション事業で株式譲渡契約
両社の強みを活かし事業収益の改善へ

9月6日
東京都、発注基準にGP制度を採用
グリーン購入ガイドの「水準2」に

8月30日
〈東ト協 第40回出版物関係輸送懇談会〉
関連業界一丸での改革が急務に
約6割が出版物輸送撤退を検討

8月23日
〈第17回印刷産業環境優良工場表彰〉
経済産業大臣賞は池田印刷、トッパン・フォームズ関西
環境活動が高水準の仕組みに

8月9日
全国グラビア、石原議員に要望書託す
持続可能な業界への転換を

8月2日
〈FAPGA国際印刷フォーラム〉
アジア各国が情報交換 デジタル印刷の課題など討論

7月26日
〈真生印刷/デジタル総合印刷〉
MRで実物イメージを投影 設備導入を大幅に効率化

7月19日
政府が外国人材受入れ拡大で
「業種別受入れ方針」の策定へ

7月12日
日印産連、IGASに「JPEX」を出展
日本を代表する製品を紹介、印刷産業の拡がり示す

7月5日
〈中小企業庁「取引条件改善状況調査」より〉
印刷業、価格転嫁が重要課題 発注者への申入れも低い割合

6月28日
全印工連、『事業承継ガイドブック』を発行
タイプ別に解決策、多様な承継事例も紹介

6月28日
全印工連、『事業承継ガイドブック』を発行
タイプ別に解決策、多様な承継事例も紹介

6月21日
精英堂印刷、世界初のVOCフリー印刷実演
ローラー洗浄時も発生なし

6月14日
〈中小印刷産業振興議員連盟〉
知的財産権取引の活動支援 実効性確保へ実態把握

6月7日
紙器事業者、デジタル印刷機の導入は25%
サンプル・校正用途での稼働多く

5月31日
〈電子出版制作・流通協議会〉
「電流協アワード」を創設 海賊版サイト対策にも本腰

5月24日
〈全印工連・官公需活動アンケート調査〉
適正な予定価格に課題 知的財産権の活動も不足

5月17日
〈日印産連 第3回女性活躍推進セミナー〉
多様性が経営危機を救う 「成果」の捉え方から改革

5月10日
東京都・東政連
最低制限価格制度の試行結果など報告
設備投資支援でIoT・ロボット追加

4月26日
【IGAS2018 パネルディスカッション】
ブランドオーナー視点で多彩に
ビジネスに直結するテーマを提示

4月19日
総務省の未来ビジョン案まとまる
ICT導入で成長戦略 2030年代想定し政策に反映

4月12日
経済産業省
2018年「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を選定
特化分野で独自の強み目立つ

4月5日
〈国税庁・会社標本調査〉
欠損法人割合、「出版印刷業」は75.8%
28年度も業種別で最も高く

3月29日
〈4月1日からの新税制・法令改正等〉
中小企業の賃上げ支援強化
無期転換ルールの適用開始

3月20日付日本製本紙工新聞より
書店の売上に効果
書協・取協 年末年始キャンペーン実績発表

3月15日
〈第10回経営者「環境力」大賞〉
鳥原社長(マルワ)が受賞 全社一体の活発な行動で

3月8日
〈東印工組 ダイバーシティ推進セミナー〉
一般事業主行動計画を解説
目標達成で助成金の支給も











2019年4月11日付
インキ工連
「バイオファーストインキマーク制度」の運用開始
グラビアインキ向け、環境配慮型インキを認定


 環境省は、グリーン購入法基本方針における印刷用紙の取扱いについて、再生紙の調達が困難な場合、代替品の使用を認める措置を講ずることを決め、運用文書を3月22日付で各府省庁や独立行政法人等に発出した。また、この決定を地方公共団体にも参考送付するとともに、環境省のホームページに掲載した。

バイオファーストインキマーク

 冒頭、印刷インキ工業会技術委員会の西山広作委員長が「新しい環境調和インキ表示制度であるバイオファーストインキマークはグラビアインキを対象とし、インキのみならず印刷物にも表示できることがポイント。今回発表できることを大変喜ばしく感じている」とあいさつ。制度の内容については技術委員会環境専門委員会の山内雅文委員長が説明した。
 制定の背景は、近年のグラビアインキ市場は食品パッケージを中心に堅調に伸長しており、2014年以降は最多生産タイプとして国内インキ産業を牽引している一方、グラビアインキの組成は石化(枯渇資源)割合が高く、環境配慮型製品の普及促進が課題であったこと。インキ工連では、グラビアインキ向け環境配慮型インキ認定制度の制定を2018年度事業のひとつとして取り組み、バイオマスマークなどの既存環境マークよりも環境配慮度合を高めた制度を構築。インキ乾燥塗膜中のバイオマス成分量を指標とし、基準を満たしたインキおよび当該インキを用いた印刷物にバイオファーストインキマークが貼付できることで環境への配慮を広くアピールすることができる。
 運用対象と時期は、グラビアインキが本年4月1日から開始、グラビア印刷物は6月を目途としている。グラビアインキについては印刷インキ工業会会員が製造する製品で基準を満たし、かつ同工業会に登録したインキに限り、また印刷物への貼付は認定インキを使用したものに限られる。
 認定基準は、グラビアインキが『NL規制に準拠していること』、『トルエン、キシレンを使用しないこと』、『インキ乾燥塗膜中にバイオマスを10重量%以上含むこと』とし、グラビア印刷物においては、『当制度が認定したインキを使用すること』、『トルエンおよびキシレンをインキに添加して印刷に用いないこと』となっている。
 インキ工連では、5月中にホームページで定義や認定基準等を公開する準備を進めており、会員向け説明も予定。グラビアコンバーターはもちろん、ブランドオーナーを含めて、バイオファーストインキマーク制度の周知・普及を図っていく。
















【印刷新報2019年4月11日付掲載】
その他掲載記事
・フォーム工連・PODi・本紙 欧州印刷事情視察報告会
 展示会、企業訪問で収穫
・PrintNext2020 テーマは「人間力で世界価値を創造」
・図書印刷 オーダー・ブック・サービス「BON」開始
 無印良品銀座店内に常設コーナー など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年4月4日付
全印工連、用紙問題で対応協議
解決へ向け社会に周知を


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)は、平成30年度第4回(臨時)理事会を3月26日にモトヤ東京本社で開催した。印刷用紙の値上げ・品不足を巡る緊急事態を受けて今後の対応について認識を共有したほか、各委員会の事業進捗報告が行われた。
 製紙各社による1月1日からの印刷用紙の値上げ実施に関して、全印工連が1月下旬に組合員に実施したアンケート調査では、回答1447社のうち過半数が用紙の品薄感を訴えた。その後も状況は改善されず、事態はさらに深刻さを増している。年度末、年度初めの繁忙期を迎えながら、用紙の供給不足により需要に対応できないという前代未聞の事態に陥った。その影響で、すでに上場企業の中には、通期業績予想の下方修正を余儀なくされたところも出ている。
 また、製造中止や受注生産への切替えによって慢性的な供給不足が続く再生紙に関して、全印工連ではグリーン購入法基本方針における印刷用紙の取扱いについて全日本印刷産業政治連盟を通じて特別措置を要請。それを受け環境省では、再生紙の調達が困難な場合は代替品の使用を認めることを3月22日に発表した。
 全印工連では、アンケート調査を再度実施して実態把握に努めるほか、企業と官公庁に対して理解を求める文書を組合員向けに配信した。
 製紙業界に対しては引き続き用紙の安定供給と説明責任を訴えていく方針だが、資材対策委員会の池田幸寛委員長は「ただ反対を唱えるだけでは何も変わらない。社会に対しても訴えていく必要がある」と指摘した。
 全印工連をはじめ印刷業界全体で声を挙げた結果、大手新聞やテレビ、ラジオ、ネット配信ニュースなど、各種メディアによる用紙不足問題の報道が明らかに増えてきた。印刷業界だけでなく、紙を必要とする生活者や企業が困惑しているという内容も含まれている。
 臼田会長は「各方面のマスコミに対して、紙が不足していること、その背景には値上げがあることを今後も広報していきたい」と述べ、引き続き社会的な周知に尽力していくことを強調した。
 いまだ製紙業界側から、供給不足への対応で正式なコメントはない。4月1日からは新聞用紙の一律値上げも実施された。印刷用紙に関する報道が盛り上がることで、需要家の側から需給不均衡に対する不満の声が上がり、製紙業界への圧力が増すこともありえる。















【印刷新報2019年4月4日付掲載】
その他掲載記事
・特別企画 CTP2019
・日印産連「デジタル印刷」調査報告会
 デジタル連携で顧客が変貌
・ミヤコシ 世界初の軟包装用水なしオフ機開発 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年3月28日付
環境省が再生紙の取扱いで柔軟対応
調達困難な場合、代替品の使用認める


 環境省は、グリーン購入法基本方針における印刷用紙の取扱いについて、再生紙の調達が困難な場合、代替品の使用を認める措置を講ずることを決め、運用文書を3月22日付で各府省庁や独立行政法人等に発出した。また、この決定を地方公共団体にも参考送付するとともに、環境省のホームページに掲載した。
 製紙会社各社は昨年来、再生紙の製造中止や受注生産への切替えを実施してきた。そのため、グリーン購入法の判断基準を満たす古紙パルプ高配合の印刷用紙の入手が非常に困難な状況が起きている。有力印刷通販会社の中にも、再生紙の在庫がなく、注文受付を停止したところがある。
 グリーン購入法関係省庁等連絡会議で決定した今回の文書では、「印刷用紙の調達が困難となる場合には、国等の業務・事業の継続を確保するため、当分の間、調達予定物品等の納入が難しいことを確認した上で、特定調達物品以外からの調達等、柔軟に対応することを確認する」とし、印刷用紙の購入に関して次のような仕様例を示した。
 『「環境物品の調達の推進に関する基本方針」に定める印刷用紙の「判断の基準」を満たすこと。ただし、当該「判断の基準」を満たす製品を納入することが困難な場合には、担当官の了解を得た場合に限り、代替品の納入を認める。』
 印刷用紙、再生紙の供給不足については、2月12日に開催された自由民主党中小印刷産業振興議員連盟(中曽根弘文会長)の総会で、全日本印刷工業組合連合会および全日本印刷産業政治連盟から「用紙動向調査結果」をもとに現状説明を行った。今年1月に全印工連が組合員に実施した調査では、自治体からグリーン購入法に適応した用紙を使うよう求められても、用紙が入手できず対応できないという実態が判明した。
 総会では、出席した議員の意見を受けて、環境省の担当官が「過去の運用例として、東日本大震災の後、再生紙が不足する中で、関係省庁の申し合わせとして(再生紙の購入に)柔軟に対応した例がある。そうした例に照らして、再生紙の供給の状況などについて関係省庁とも相談したうえで、早急に検討、対応したい」と発言していた。
 今回、柔軟な対応が図られることになったわけだが、再生紙を巡る状況は一時的な特別措置だけでは解決しない構造的な問題を孕んでいる。
 再生紙の原材料として大きな割合を占める新聞古紙は、国際情勢の影響などを受け、日本からの輸出量が急速に増加した。それにより、新聞古紙が国内に不足する状況が発生。価格も5割ほど急騰した。新聞発行部数の減少傾向も古紙不足に拍車をかけている。
 製紙会社が再生紙の製造で採算が取れないというのであれば、グリーン購入法の調達基準そのものを見直す必要がある。  問題は再生紙だけではない。印刷用紙全般にわたり品薄状態が続いており、需給環境の悪化が需要家に不便をもたらす事態が顕在化してきた。関連業界内にとどまらず、一つの社会問題として印刷産業を挙げて訴えていく重要なタイミングを迎えている。
















【印刷新報2019年3月28日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連シンポジウム「じゃぱにうむ2019」
 地域のハブとして貢献を 地方創生・事例紹介1
・グリーン購入法改定 新たに「水なし印刷」を追加
・FFGSグラフィックサプライ
 ザイコン社との提携を発表 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年3月21日付
東京都板橋区
印刷業が連携し区の産業ブランド化
大村製本でワークショップ開催


 東京都板橋区は、"産業都市「板橋」"のブランドを確立し、区内産業の活性化を図ることに取り組んでいる。その一環として、区の地場産業と言える印刷・製本業関連のプロジェクトを推進しており、3月27日には大村製本株式会社(齋藤和明社長、従業員53名)において、親子向けの絵本づくりワークショップを開催する。
         ◇
◆「印刷WG」の5社を中心に3つの事業プロジェクトを推進
 板橋区は2013年4月、区の産業の活性化を目的に、区内企業と区とが連携し、産業ブランド確立に向けて取り組む「板橋産業ブランド戦略会議(ブランド・コア)」を発足させた。板橋区には、産業都市としての高いポテンシャルを持ちながらもブランドイメージを確立できていないという問題意識があった。
 ブランド・コアでは、産業都市ブランド構築の具現化に向けて、区の代表的企業の経営陣が集結し、産業の活性化やネットワークの強化等について検討してきた。現在、ブランド・コアの下にワーキンググループ(WG)を設置し、区が歴史的に強みを持つ地場産業の「光学系」(光学・精密機器産業)と「印刷系」(印刷・製本産業)の2つのWGが、それぞれ具体的な施策の検討を行っている。
 印刷WGでは、区内印刷関連企業5社(田中紙工、オフセット岩村、大村製本、太陽樹脂工業、凸版印刷)が中心となり、板橋の印刷業が直面する課題を確認し共有するとともに、印刷業が有する資源や価値を再認識し、新たな活用の可能性を提起すること、そこから印刷業の今後の発展の方向と地域産業・地域社会との新たな関係構築につなげていくことを目指している。
 区が「絵本のまち板橋」を推進していることから、「印刷」と密接な関連があり、幅広い年齢層に親しまれる「絵本」をキーワードに話し合いを開始。そして、これまでのWGで出たさまざまなアイデアを基に、@絵本工場プロジェクト(絵本作り支援・印刷業界支援・活性化)、A絵本創作支援プロジェクト(ソフト・コンテンツ分野、作家支援)、B板橋絵本活用プロジェクト(福祉・教育分野との協働)を3本柱として事業を推進していくことになった。
 3月27日のワークショップは、「絵本工場プロジェクト」を実現するために企画されたもので、WG参加企業の1社である大村製本において、普段見ることのできない製本の現場を間近に見学し、さらに自分の手で実際に絵本を作る内容となっている。
 参加者は小学生(3〜6年生)を対象に募集、親子10組の定員に対し26組の応募があった。当日は、2つの班に分かれて製本工場見学、本づくり体験を行う。
 また、大村製本では3月25日から29日まで「出張!いたばしボローニャ子ども絵本館」が同時開催される。これは、イタリア・ボローニャ市から寄贈された世界約100ヵ国、2万6000冊の海外絵本を所蔵する「いたばしボローニャ子ども絵本館」や、絵本そのものを身近に感じてもらうことを目的としている。今回は外国語絵本と日本語に翻訳された絵本(大村製本にて製本)を約100冊並べて展示。読み比べることで、出版された国による表現の違いを感じることができる。













【印刷新報2019年3月21日付掲載】
その他掲載記事
・凸版印刷 新社長に麿 秀晴氏が就任
・「世界で最も美しい本コンクール」
 日本の作品に栄誉賞
・水性フレキソ促進協議会(仮称)設立へ など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年3月14日付
全日本DM大賞
グランプリに自動化スキームDM
購入率・反応率に顕著な成果


 第33回全日本DM大賞(主催・日本郵便)の贈賞式が3月1日、東京・丸の内のJPタワーで開催された。グランプリは、カタログ通販大手ディノス・セシールの「最新テクノロジーで自動化へ! パーソナライズされた情報が欲しいタイミングで届くDM」が受賞した。  審査講評で恩藏直人審査委員長(早稲田大学商学学術院教授)は、戦略、テクノロジー、仕組みについて高く評価し、「まさしくデジタルとアナログを融合させた。もしDM年表があれば、2018年にはこの作品が刻まれる。そのくらい大きなターニングポイントとなる」と述べた。
■印刷用データ生成プラットフォームやAIにより
 DM制作を自動化
 グランプリ受賞DMは、通販会社の資産であるカタログやハガキなどの紙メディアを、最新デジタルテクノロジーと連携させて新たなDM施策として実現させたもの。@ECと紙をリアルタイムで連携させた「カート落ちDM」AAIを活用したコーディネート提案の「小冊子DM」─の2つの施策からなる。
 カート落ちDMでは、ECサイト「ディノスオンラインショップ」において、商品をカートに入れても購入に至らない離脱顧客に対し、顧客データや検討商品の情報を吸い上げたパーソナライズDMを最短24時間以内に印刷・発送する仕組みを実現。顧客アプローチのリードタイムを大幅に短縮できた。
 このシステムは、グーフのクラウド型全自動紙DM運用プラットフォーム「Print of Things」と連動し、日本HPのデジタル印刷機で自動出力する。ECと連携したデータを元に、パーソナライズされた印刷用データを自動生成し、すぐに出力できる形でデジタル印刷機へデータが送信される。
 一方の小冊子DMは、顧客が購入した商品に似たアイテムを着こなしている写真をインスタグラムからファッションAI「#CBKscnnr」が自動抽出し、パーソナライズした小冊子として発送。コーディネート提案のDM制作を自動化することに成功した。従来はメールで行っていたが、対象商品に限界があり、制作工程も複雑になる問題点があった。
 成果として、カート落ちDMでは、送らなかった顧客群と比べて購入率が約20%アップ。小冊子DMでは、ロイヤリティの上がりにくいWeb顧客層のレスポンスが約10%アップした。
 ディノス・セシールでは、「EC」とカタログやDM等の「紙」をリアルタイムで連携させたCRMを2018年4月から本格運用している。
 その背景には、たとえばカート離脱対策として一般的に、ユーザーごとのカートの中身に応じた内容のメール配信が行われているが、膨大なメールを受信する昨今、メール開封率が大きく下落している課題がある。
 今回の「カート落ちDM」の場合、メールと同等のスピード感で紙のDMにより顧客に対して商品レコメンド・購入促進を図ることで、新しい可能性を開拓した。
 2月28日に発表した「2018年 日本の広告費」の中で電通は、DMの最新の動向として「インターネットだけでは取り込めない顧客を、紙のDMで直接訴求することで取り込もうとするケースが顕著だった。『統合型ソリューション』が拡大している」と指摘。新しいトピックとして、特にカート離脱対策に触れた。












【印刷新報2019年3月14日付掲載】
その他掲載記事
・製本加工特集
・新学科で人財育成強化 JPA
・Hunkeler innovationdays2019・本紙レポート など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年3月7日付
佐川印刷/コアレックス
包装資材改革に共同で着手 資材のリサイクルを推進


 佐川印刷(木下宗昭会長、木下寧久社長、本社・京都府向日市)は、コアレックスグループ(黒ア暁代表)と共同で、同グループが製造・販売するトイレットペーパー製品の包装フィルムのリサイクルに着手する。同グループのSDGs(持続可能な開発目標)への取組みの一環として、パレットレス輸送ソリューションや、自然界に捨てられても微生物によって生分解される個包装フィルム、水性フレキソによるVOCレス印刷など一連の包装資材改革を2025年までに段階的に進め、海洋プラスチック汚染問題などに対応する。
■生分解性フィルムで海洋プラスチック汚染対策も
 コアレックスグループは、再生紙100%の家庭紙(トイレットペーパー、ティッシュペーパー等)を製造・販売する総合エンジニアリング企業体。包装フィルムのリサイクル計画は、同グループが2月27日に行った「SDGsレポート発表・報告会」の中で明らかにされた。
 報告会では、パートナー企業として参画した佐川印刷の宇山明彦専務取締役製造本部・品質保証部統括が、包装フィルムのリサイクルスキームや酸化分解型生分解性プラスチックについて説明した。
 佐川印刷は、2014年から軟包装事業に参入し、フィルム生成から水性フレキソ印刷、ラミネート加工まで一貫生産体制を敷いている。そうした中、コアレックスグループの包装資材改革に開発段階から深く関わり、@パレットレス輸送ソリューションの実用化A生分解包装フィルム生産の実用化B水性フレキソによるVOCレス印刷─などを共同で推進してきた。
 包装フィルムのリサイクルスキームでは、ノーパレット輸送に用いるフィルム、および家庭紙の外装フィルムを単一素材のポリエチレン(PE)にする。「単一素材にすることで、さまざまな形でリサイクルが可能になる」(宇山専務)という。
 工場から店舗等へのトラック輸送では、運搬量の増加・作業効率の向上を図るため、ノーパレット化を促進する。段ボールによる箱詰めの代わりに包装フィルム、ストレッチフィルムを使う。使用済みのフィルムは専門業者が回収し、洗浄・粉砕などの処理後、再ペレット化し、再フィルム化や再生材料による他製品としてリサイクルされる。
 個包装フィルムには、酸化分解型生分解性プラスチックを使う。天然原料(トウモロコシ等)に酸化分解を促す添加剤「P-Life(ピーライフ)」を加えて、化石原料に練り込んで製造する。熱(光)、空気のある自然環境に置くだけで酸化崩壊が進み、その後、土壌の微生物によって、水と二酸化炭素に分解される。そのため、ゴミ回収・焼却されずに捨てられても、自然に戻るため環境にやさしい。
 宇山専務は「テスト段階では、引っ張り強度、粘着性、溶着性など問題がないことを確認している」と述べ、早期実用化を目指していく考えを示した。
 黒ア代表は「本日、ようやく包装資材リサイクルのスタートラインに立った。まだ解決すべき課題はあるが、走りながら進めていき、SDGsの目標達成に少しでも貢献したい。志を同じくする仲間をできるだけ集めて、このリサイクルスキームを広げていきたい」と意欲を語った。
【2030年に向けたコアレックスのSDGs取組み目標】
・2025年までに段階的に達成
▽海洋プラ汚染問題解決に向けた包装資材改革
1. ノーパレット輸送のための包装機械の開発、包装資材の実現とリサイクルの促進を図る
2. 生分解包装フィルムの共同開発と導入により、廃棄物の大気・水・土壌への放出の削減に貢献する
3. 水性フレキソ印刷によるVOCレス包装フィルムの使用による揮発性化学物質の排出抑制と、CO2排出量の低減、作業環境の改善を行う











【印刷新報2019年3月7日付掲載】
その他掲載記事
・「ふくしまのいろ 色鉛筆」
 県のベストデザインコンペ受賞
・「タイアップファクトリー」(神奈川県川崎市)開設
 情報印刷/日本プロセス秀英堂
・第30回世界ラベルコンテスト
 日本から7社・8作品が入賞 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年2月28日付
page2019基調講演3
「企業価値を高める工場見学を考える」
リアルな体験に大きな強み


 page2019の最終日(2月8日)に行われた基調講演3「企業価値を高める工場見学を考える」では、オープンファクトリーで顧客との接点作りに取り組む企業の事例からそのリットや課題などが議論された。

三者三様のメリットと課題が語られた

 パネリストは、味の素グループ「うま味体験館」初代館長の山本恵裕氏、印刷業界から豊国印刷専務取締役の岡田秀樹氏と東洋美術印刷マーケティング部長の丸山博司氏の3名。モデレータは日本印刷技術協会研究調査部長の藤井建人氏が務めた。
 前段として印刷業界でオープンファクトリーが脚光を集めている背景について、藤井氏は「足で稼ぐ営業だけでは難しくなり、いかに工場を活用してマーケティングや営業を行っていくかを志向しているようだ」と述べ、従来の御用聞き営業から顧客に訪問いただく♂c業スタイルへとシフトしつつあることを指摘する。
 東洋美術印刷では2014年からオープンハウスを実施しており、毎年異なるテーマで自社のサービスやソリューションを披露している。昨年はデザイン制作部が中心となり「22人のデザインの現場展」を企画。クリエイターによる作品展や制作フローのパネル展示などを6日間にわたって行い、期間中には約150名が来場した。
 オープンハウスの目的を「サービスのデモンストレーションやリアルな仕事の現場を公開することで、理解を深めていただくこと」と説明する丸山氏は、活動を通じて得た気付きとして「お客様はわれわれが思っている以上に当社のことを知らない。ただ、知らないことが多ければ多いほどやる価値がある」と述べ、自社を深く知ってもらうことで既存顧客から新たな案件も生まれているという。
 B to B企業だけでなく、コンシューマ企業でも工場をメディアとして活用する事例は増えてきている。SNSの登場により、消費者は購買だけでなく情報拡散の担い手となっており、消費者に直接リーチしてファンに変える手段として見直されてきているからだ。
 味の素グループでは、うま味調味料「味の素」などの主力商品の歴史展示やオリジナルグッズの販売、大型スクリーンによる映像作品などを無料で体験できる「うま味体験館」を2015年にオープン。隣接した同社川崎工場での製造現場見学と併せて多くの親子連れに人気を博している。
 山本氏は、「SNSが普及しても、一番心を震わせるのはリアルな体験であり、その強さにバーチャルは勝てない。そして、リアルでの体験の場を提供するのが工場見学であり、非常に強いコンテンツになり得る」と強みを語る。
 その一方で、費用に対する効果測定の難しさは各社共通の課題のようだ。特にB to B企業のオープンファクトリーは母数が少なく、数値で効果を図ることが難しいため、丸山氏は「未だに効果的なKPIを決めきれていない」と課題を語る。  直接の顧客をターゲットとしている両社とは異なり、豊国印刷では印刷営業の舞台裏を描いた小説『本のエンドロール』(安藤祐介著)の取材協力等を行った縁から、版元である講談社との共同企画として読書ファン向けの見学ツアーを昨年10月に企画。初めての試みだったが、当日は約50名の読書ファンが詰めかけるなど盛況に終わった。
 岡田氏は、一般消費者と交流するメリットを「見学者は本作りの舞台裏に触れることで作り手(印刷・製本会社)への共感が生まれる一方、社員はファンとの交流を通じて仕事への誇りや自負が生まれた」と述べ、社員のモチベーションアップなどを挙げた。
 また、丸山氏からは課題を一つずつ解決しながら全社で一つの目標に取組むことから「チームビルディングに最適な題材だ」とも指摘されるなど、三者三様のメリットが語られた。
















【印刷新報2019年2月28日付掲載】
その他掲載記事
・キャッシュレス市場拡大に熱い視線
・全青協 第32回全国協議会
 「ハイ・サービス」実践の年に
・活版印刷、30年ぶりに復活
 櫻井印刷所(埼玉県川越市)で など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年2月21日付
官公需対策協議会
知的財産権の取扱い明確に
コンテンツ版バイ・ドール契約など情報共有


 全日本印刷工業組合連合会の官公需対策協議会(白子欽也議長)は、第5回全国協議会を2月6日に東京・東池袋のサンシャインシティ文化会館で開催した。各県工組の官公需対策委員など20名が出席し、3時間にわたり官公需における「知的財産権」の取扱いについて情報を共有し、今後の具体的な活動について意見交換を行った。
 コンテンツ版バイ・ドール契約を中心とした依田訓彦幹事のセミナーでは、全国の官公需における契約書・仕様書で、納入する印刷物やデータに係る著作権の無償譲渡を求める例、その取扱いの目的が不明確な例が当たり前に見られる実態を改めて指摘したうえで、著作権が印刷会社の大切な財産であることを国に認識させた全印工連の過去の活動成果を紹介した。
 2017年7月に閣議決定した「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」には、知的財産権の財産的価値について十分留意するよう追記された。2018年度の基本方針にも同様の内容が継続して盛り込まれ、経済産業省では地方公共団体に対する啓発パンフレットにも明記している。
 依田幹事は「基本方針」の解説文の要点として次の3点を挙げた。
◆受注者の知的財産権の財産的価値への配慮(権利の無償譲渡・利用の適正化)
◆発注者の知的財産権の権利範囲(利用目的・媒体・数量・期間など)の明確化
◆コンテンツ版バイ・ドール契約の推進
 このうち3点目は、一律の権利譲渡の見直しと事業活動でのコンテンツの二次活用促進を目的としており、米国のバイ・ドール法が下敷きとなっている。国が委託等によって制作するコンテンツについて、制作された知的財産に係る権利(知的財産権)を、一定の条件の下で受託者に残す契約形態を指す。それにより、受託者(印刷会社)が自社で創作した著作物(デザイン、イラスト、写真等)の権利が手元に残ることになり、良いものを創ろうとするインセンティブが働くうえ、他のビジネスへと展開を図る可能性が開ける。
 経済産業省では、印刷物契約用のコンテンツバイ・ドール条項入りの契約書フォーマットをWebで公開している。しかし、膨大な中身であり、通常の印刷物取引においては実用性に欠けることから、官公需対策協議会では具体的な仕様書の例として、次のような案を提示した。
 「本業務に伴う著作権は、コンテンツバイ・ドール制度を適用し受注者に帰属することとする。
 ただし、発注者は、ホームページへの掲載と内部資料として活用する場合に制限し、成果物のPDFの提出を求めることができる。それ以外の利用(例えば、著作権の譲渡及び二次利用)については、別途協議をすることとする。」
 ※全印工連発行『大きく変わる知的財産権の取り扱い〈コンテンツバイ・ドール契約〉』より
 この提案例では、実務において生じると考えられる発注者側の要望や、印刷物制作のための利用許諾を超える範囲の利用についても考慮した内容としている。
 セミナーのまとめとして依田幹事は、出席者に次のように呼びかけた。
 「国の契約の基本方針の内容を正しく地方公共団体に伝え、発注者と受注者が考え方と情報を共有しながら、具体的な契約の中で実現していくよう互いに理解しあうことが重要だ。本日紹介した仕様書の案を持ち帰って、それぞれの地元で行動してほしい。知的財産権を受注者に残すコンテンツバイ・ドール契約を活用して、二次利用などで地域や国の経済を活性化していく好事例を早く作っていきたい」
 白子議長からは「厳密に権利処理を運用すると相当なコストと手間がかかる。受注者に権利を残した方が調達コストを削減できる。著作権フリーの画像・イラストなどの扱いで、後から高額な著作権使用料を請求される自治体のケースも全国で報告されている。フリーとは著作権放棄を意味するのではなく、著作者が認めた利用条件の範囲内で著作権料を払わなくても利用できるということだ。コスト削減とトラブル回避の両面からコンテンツバイ・ドール契約を説明すると行政は納得しやすい」と補足した。
 全国協議会では、秋田県印刷工業組合と秋田県担当者との継続的な話し合いによる成果として、2017年4月から著作物を含む印刷物の納品について、「受注した印刷物に県以外の者が権利を有する写真、イラスト等の著作物を使用した場合は、成果品の納品時に、著作物の出典、利用にあたっての禁止事項等を明示した書面を提出」するよう求め、印刷物の中にある著作物の権利を明確化する取組みが行われていることが報告された。
 また、仕様書とは別に、「本当に著作権の譲渡が必要か」、「どんな目的でいつ使うのか」等、簡易チェックリストを渡し、契約内容を見直す機会を自治体に提供している富山県の印刷会社の発表もあった。











【印刷新報2019年2月21日付掲載】
その他掲載記事
・輪転ビジネス特集
・意欲を高め、真の働き方改革へ page2019基調講演より
・「働きがいのある会社」ランキング
 水上印刷がランクイン

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年2月14日付
中小企業庁 「長時間労働に繋がる商慣行調査」
繁忙期・短納期とも「印刷」で高い発生割合
下請へのしわ寄せ等、課題を整理


 中小企業庁は2月1日、「長時間労働に繋がる商慣行に関するWEB調査」の結果概要を公表した。同調査は、ワーキンググループにおける議論などから、長時間労働に繋がる商慣行として「繁忙期対応」と「短納期対応」が挙がったことを受け、その背景にある実態の把握を目的に緊急実施したもの。2018年12月に中小企業7642社に対してWebによるアンケートを行い、2537社が回答した(回答率33.2%)。うち、「印刷産業」は72社、「紙・紙加工品産業」は36社。全体の約42%を製造業が占めた。
 繁忙期が発生する企業の割合は、全体平均で71%。「建設業」では93%に達し、次いで「食料品製造業」89%、「印刷産業」88%、「トラック運送業・倉庫業」88%、「紙・紙加工品産業」83%と、ここまでが8割超。
 繁忙期の主要取引先は、「印刷産業」では小売業・行政、「紙・紙加工品産業」では食料品製造業・印刷産業・小売業となっている。
 発生要因としては、「問題のある受発注方法の常態化」や「年末・年度末集中」が挙がった。
 回答企業の声として、
・親事業者の働き方改革実施により年末年始に発注が集中したため、三が日も操業した。今春の10連休の対応が心配である(印刷産業)
・国は平準化を推進していると言うが、実際は自治体等の発注は年度後半に偏り、繁忙期となる。地域での発注の平準化が必要(技術サービス産業)
などが紹介されている。
 短納期受注が発生(直近1年間)する企業の割合は、全体平均で60%。「印刷産業」89%、「紙・紙加工品産業」88%と、21の業種細分類の中でこの2業種が最上位。いずれも短納期の主要取引先は繁忙期の場合と同じである。
 発生要因としては、「納期のしわ寄せ」、「多頻度配送・在庫負担・即日納入」といった課題が挙がった。
 回答企業の声として、
・顧客満足を優先で取引先の大企業が短納期を受けるため、こちらも短納期にならざるをえない。繁忙期であっても通常期より短い納期依頼が平気である(素形材産業)
・前注文なしに必要なものを必要な時にもってこいという商習慣が蔓延しており、取引先もやられているからと、当社に強要してくる(紙・紙加工品産業)
などが紹介されている。
 また、2019年1月から実施中の下請Gメンによる働き方改革に関するヒアリング調査からも、「親事業者の残業時間の制限により、親事業者内で処理できない仕事が増え、当社に回ってくる。今後、中小企業でも時間外規制が導入された場合、このような仕事をどこが対応するのだろうか」(自動車産業)といった具体的な声が出ている。
 親事業者の働き方改革に向けた取組み(残業時間の制限、業務量削減、勤務時間管理の厳格化、業務平準化など)により、下請事業者にしわ寄せが起きている実態が浮かび上がる。

■具体的な対応策を関係省庁に要請
 中小企業庁では、働き方改革関連法の施行に向けた今後の対応について、今回の緊急調査の結果を踏まえ、繁忙期や短納期の発生要因を3つの課題(納期のしわ寄せ/受発注方法/官公需発注の特定業界への影響)として整理。各業界を所管する省庁により、速やかに自主行動計画の改定要請や企業への周知徹底等の具体的な対応策を実施する方針を打ち出している。
 各課題に対する改善策として挙げられた内容は次のとおり。
【納期のしわ寄せ】
 前工程の遅れが下請企業へのしわ寄せとなっていることを踏まえ、
・発注計画の明確化
・納期の適正な見直し対応等を行う
【受発注方法】
 川下企業からの要望がサプライチェーン全体へ及ぶことを踏まえ、
・川下企業は取引先に対して過度な対応を求めていないか再確認
・取引先との協議を通じて適切な納入期日の設定等を行う
【官公需発注の特定業界への影響】
 年末・年度末の工期設定が繁忙期発生に繋がっている実態を踏まえ、
・地方自治体レベルでの調達実態を把握
・地方自治体等へのより一層の周知の徹底等を行う
 ※官公需発注に関しては、印刷、情報処理、建設等の各業種について、「現在所管省庁と連携してヒアリングを実施中」と注記あり。










【印刷新報2019年2月14日付掲載】
その他掲載記事
・page2019 業務の自動化に注目
・今家印刷(埼玉県)、仙台工場(宮城県名取市)を新設
・ICタグ活用で実証実験 食品ロスなど課題解決へ
 大日本印刷/経産省/NEDO など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年2月7日付
〈全印工連 CMYKプロジェクト〉
世の中の要望をカタチに―
全プロダクトを初公開、SNS等で若者に訴求


 (1月31日付)
 全日本印刷工業組合連合会の産業戦略デザイン室が昨年度から進めてきた新たな広報・ブランド構築活動が具体的な形を伴い、1月17日に本格的な対外広報プロジェクト「大喜利印刷」としてスタートした。"こんなものがあったらいい"という思いに応え、まだ世の中にない製品を現実にし、アピールしていく。印刷会社のクリエイティビティとホスピタリティを印象づけ、業界全体の活性化を図ることが狙いだ。
 特に、次世代の若者やビジネスパーソンたちに未来志向の印刷業の魅力を認知してもらうため、Web動画やSNS等による拡散で話題づくりを目指す。また、記事等のメディア掲載で印刷業界への注目度を高める。
 昨年、全印工連から選抜された実験的クリエイティブユニット「CMYK」が発足した。三共印刷所(福島市)、篠原紙工(東京都江東区)、nakabi(石川県金沢市)、平山印刷(沖縄県豊見城市)の4社を中心としたユニットでは、ツイッター上にある「あったらいいな」のつぶやきに着目。その声に応える形で企画立案を行い、斬新なプロダクトの制作に取り組んだ。その結果、大量に排出される印刷廃材を再利用し、ユニークなアイデアと技術を掛け合わせた計9点のプロダクトが誕生した。
 全印工連では、1月17日に全プロダクトをWeb上で公開するとともに、複数のWeb系メディアに対してリリース配信した。東京・渋谷のFabCafe MTRLでは2月5日まで作品を展示している。
 第一弾のプロダクト9作品は、早弁専用ゴーハン英和辞典/パラパラまんがマシン「P16号」/紙ナプキンメモ帳/押し鉄巻物/印刷屋さんの芳香剤/ガムテープ文字ジェネレーター/ワンプ de…/障子の星空/HALTONE。詳細は「大喜利印刷」Webサイト(https://oogiri-insatsu.com/)で公開中。また、各プロダクトともご縁≠ノかけてアイデアを5円で販売する。
 プロジェクトでは今後も、印刷業界が社会の課題解決を担う集団であることを周知していくため、ツイッター上で「お題」を募集し、新たなメンバーを含む全国の印刷会社が要望に応えて製品化していく。


斬新な9作品を世に出した
プロジェクト第一弾「大喜利印刷」

(2月7日付)
 全日本印刷工業組合連合会は、新たな対外広報戦略としてCMYKプロジェクトによる「大喜利印刷」の展開を開始した(1月31日付既報)。1月29日に日本印刷会館で記者発表を行った。
 全印工連では、感性価値創造事業の一環として、2008年12月にパリ・ルーブル宮で開かれた「感性展」に組合員6社がデザイナーと組み作品を出展した。臼田会長は「日本のクリエイティブ力、ものづくり力に大きな反響があった。一番驚いたのは、その反響を知った日本の印刷業界のメンバーだった」と振り返り、「10年経った今、われわれはブランド・スローガンとして『Happy Industry』を掲げた。印刷産業は人々のお悩みにしっかり対応し、サービスを提供する産業であり、人々の暮らしがある限り必要とされ続ける。いつの間にか、印刷はなくなるのでは、といった風潮が出ているが、誰がそうしてしまったのか? このたびのプロジェクトは、世の中の課題を解決するわれわれのノウハウを形に表したものであり、印刷業のポテンシャル、魅力を、業界の内だけでなく、外に向けて発信していく仕掛けの一つになる」と語った。
 産業戦略デザイン室の滝澤光正委員長(全印工連副会長)は「印刷業に対する世間のイメージと、われわれができることが乖離していて、ソリューション・プロバイダーに脱皮する上での足かせとなっている。CMYKのプロジェクトを通じて、印刷会社にこんな柔らかい発想があるのだと知ってもらい、業界のネガティブイメージをくつがえせたらいい」と期待を述べた。
 また、産業戦略デザイン室の瀬田章弘副委員長は「世界最古の印刷物を生み出した歴史ある日本の印刷は、戦後になって早く、安くを追い求め、自社の利益ばかりに目を奪われた。人々を幸せにし、社会に貢献するという原点回帰の取組みがCMYKだといえる。大事にしたのは、一つは話題性、もう一つは印刷廃材を利用した作品であるという社会性。特に20代、30代のビジネスパーソンに気づきを与え、印刷業への期待を持ってもらいたい」と解説した。
 プロジェクトの経緯と、ツイッター上でつぶやかれたニーズに応えた「大喜利印刷」プロダクト9作品の説明は、パートナーとして協力した潟Rネルの出村光世社長が行った。詳細はWebサイト(https://oogiri-insatsu.com/)で公開している。1月17日のリリース以降、すでに多くの反響があるという。
 全印工連では、4チームにより制作された今回の9作品を、3月8日から17日まで米国テキサス州オースティン市で開催される世界的なクリエイティブフェスティバル「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」に出品する。















【印刷新報2019年2月7日付掲載】
その他掲載記事
・2018年度出版市場 5.7%減の1兆2,921億円
・話題 地動説革命に印刷あり
・電子チラシサービス「Shufoo!」 月間4億PVを突破 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年1月31日付
アイ・シー・ラボ
「個別原価・利益算定ツール」を開発
業務の実態を反映し高い精度
経営改善ツールとしての活用を提案


 株式会社アイ・シー・ラボ(川口福太郎社長)は、開発を進めてきた「印刷個別原価・利益算定ツール」および印刷業統合管理システム「PRINOVA(プリノバ)」を完成したことから、1月18日に東京・渋谷の本社において記者発表を行った。製造固定費を「時間単価×作業時間」によって算出、原価を財務諸表の各費目単位で算定するなど、仕事の実態に合わせた個別案件ごとの正確な原価算定を特長としており、企業の経営力を強化する改善ツールとして活用できる。同製品は、2月6日から8日まで開催されるpage2019の日本フォーム印刷工業連合会ブース内に出展され、実際に体験できる。また、2月7日(15時45分〜17時45分)に行われるpageカンファレンス「見える化から始める収益改善〜見積り編」にアイ・シー・ラボが登壇する。

記者発表で開発コンセプトを語る川口社長(右)と
日本フォーム工連の山口専務理事

■印刷個別原価・利益算定ツール
 アイ・シー・ラボは、2008年に事業を開始し、印刷会社向けにコンサルティング業務を手がけている。
 現在、日本フォーム印刷工業連合会が取り組んでいる経営力向上活動(寺子屋プロジェクト)の一環として、関東フォーム印刷工業会では管理会計勉強会を3年前から継続的に実施しているが、これもアイ・シー・ラボが企画・運営してきた。「印刷個別原価・利益算定ツール」は、日本フォーム工連との取組みを通して開発された。
 案件ごとに、見積金額、主要費目の金額、作業時間の各情報を入力。加えて、会社の財務データ・労務データ・設備データなどを基に、費目別のコストを計算することができ、従来の見積ソフトに比べ原価および利益の精度が高まる。また、Excelファイルによる提供のため、導入費用を低く抑えられ、各社の実態に合わせたカスタマイズも容易に行える。
 主な特長として次の点が挙げられる。
▽製造固定費(工賃)を構成する労務費や設備費を、「枚数単価×通し枚数」の考え方ではなく、原価自体を積算する「時間単価×作業時間」によって算出している。
▽販管固定費の各費目について、実態に沿った配賦ルールを詳細に設定できる(案件按分、時間按分、売上按分)。
 同ツールを活用することで、個別案件の費目別コストインパクトを把握でき、各社が従来使用してきた見積りソフトで算出した原価・利益の実態とのギャップなども明らかとなる。
 また、信頼性の高い原価(利益)を基にした見積金額設定や、予定原価と実績原価の比較も可能になる。
 すでに、開発の過程で全国の複数の印刷会社において導入・運用されており、次のようなコメントが聞かれたという。
・根拠を持った値決めができる
・価格競争が厳しく、これまで(社内見積ソフト算出の)社内標準売価の8割の金額で薄利受注していると考えていた案件が、ツールで計算すると赤字案件であることが分かった
・現在取引している複数案件について、案件ごとの原価を分析してみた結果、利益が大きい(=コスト競争力が高い)案件ジャンルがあることに気づいた
 「印刷個別原価・利益算定ツール」は、フルパッケージの価格が100万円前後、ライトパッケージも用意している。

■印刷業統合管理システム「PRiNOVA」
 アイ・シー・ラボでは、基幹システムの設計・導入の支援も行っており、これまで蓄積したノウハウを基に印刷業統合管理システム「PRiNOVA」を開発した。一般に、業務管理を目的としたMISが多い中、「PRiNOVA」は、印刷会社の日々の業務改善と経営変革を目的とした全社的なインフラとしての機能を主眼としている。
 「時間チャージ×工程別標準作業時間」でコスト計算を自動で行い、工場での想定コスト積算と見積原価が同期しているため、製造固定費、販管固定費の算出を精緻に行うことができる。見積時点で信頼性の高い原価・利益指標が得られる点が最大の特長だ。原価を変動費(外注・仕入額)、製造固定費、販管固定費に完全に区分して積算するため、実態に合った付加価値額(限界利益)、想定営業利益を算出できる。
 また、「PRiNOVA」の運用は、「原価管理→見積・受注管理→工程管理→日報管理」のPDCAサイクルを回すことにつながり、実績値を加味した適正な標準原価の維持・管理を全面サポートする。
 印刷会社にとって、
・標準原価と実績値に乖離がある工程を抽出し、原価見直しのポイントが提示される
・機械別や工程別・個人別の能力評価により、生産性向上に向けて改善点を可視化できる
といったメリットもあり、経営力の強化に活かすことができる。
 案件進捗状況はリアルタイムで表示され、全社で最新の案件情報を共有できるため、スピード感をもって業務効率の改善を図れる。
 川口印刷における運用成果について川口福太郎社長は「採算ラインを正しく把握でき、受注判断で迷うことが減った。会社のリスクや営業のストレスの減少につながっている。失注案件データも蓄積できるため、それらを分析することで設備投資判断や生産計画判断に活かせる。利益をつくるシステムとしてご活用いただきたい」と話す。
 また、日本フォーム印刷工業連合会の山口実専務理事は「寺子屋プロジェクトでは、経営シミュレーションゲームなどを通じて社員一人ひとりが経営について学んでいる。適正価格で入札するために、個別案件の原価・利益管理が極めて重要であることが見えてきた。安売り合戦で、入札の競争には勝つが赤字であっては意味がない。なんとかしたいという思いから、このたびの製品が開発された。中小企業でも無理なく使いこなすことができる。価格決定のためのツールであると同時に、経営力強化のための改善ツールであることをご認識いただきたい」と話す。














【印刷新報2019年1月31日付掲載】
その他掲載記事
・特集 page2019
・「大喜利印刷」展開 SNSなどで次世代に訴求
 全印工連・広報プロジェクト
・2019年各地で新年会 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年1月24日付
廣済堂、外資MBOを受け入れ
株式非公開化で改革推進


 株式会社廣済堂(土井常由代表取締役社長、以下「廣済堂」)は1月17日、同日開催した取締役会において、マネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる株式会社BCJ−34(杉本勇次代表取締役)による廣済堂の東証第1部上場普通株式に対する公開買付けに関して、賛同する意見を表明すること、また、廣済堂の株主に対しては、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したと公表した。この取締役会決議は、BCJ−34が公開買付けおよびその後の一連の手続きにより廣済堂を完全子会社とすることを企図していること、ならびに廣済堂の株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたもの。公開買付け等の期間は2019年1月18日から3月1日まで。価格は普通株式1株につき金610円。
 株式会社BCJ−34は、国際的投資会社であるベインキャピタルグループが投資助言を行う投資ファンドが発行済み株式のすべてを間接的に所有する株式会社BCJ−33の完全子会社で、廣済堂株式のすべてを所有することを目的に2018年12月に設立された。
 廣済堂グループは、子会社14社、関連会社2社で構成され、印刷、IT、人材、出版、葬祭等の各事業を展開している。コア事業である印刷事業をはじめ、需要の減少や採算の悪化などが進み、早期の事業構造改革が必要な状況にあった。
 廣済堂の発表によると、2018年6月に就任した土井常由社長は、限られた経営資源のもとで多岐にわたる施策を実現することは困難であると判断。また、事業構造改革の推進にあたり、短期的に株価にマイナスの影響を及ぼす可能性は否定できないことから、上場を維持したままでの施策の実施は困難であるとの認識に至った。ベインキャピタルをスポンサーとし、資本を再構成し非公開化した上で、社外からの人材や経営ノウハウも活用し、新しい経営体制のもとで中長期的な成長を目指す。
 印刷事業においては、成長分野(フレキソ印刷、デジタルサービス)の拡大、上流工程(マーケティングソリューション等)への進出、内製化率の向上など、人材関連事業においては人材紹介・人材派遣分野へのシフト、葬祭事業においては終活ビジネスへの取組み強化などを成長戦略に挙げている。














【印刷新報2019年1月24日付掲載】
その他掲載記事
・デジタル広告がテレビ抜く
 電通・世界の広告費成長率予測
・政府支援施策に期待込め JPMA新年会
・印刷・情報用紙3.9%減
 製紙連「2019年紙・板紙内需試算」 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年1月17日付
全印工連/日紙商
メーカー、代理店に初の共同要望書
用紙値上げ「社会への説明責任を」


 全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)と日本洋紙板紙卸商業組合(柏原孫左衛門理事長)は、製紙メーカー各社の1月1日出荷分からの一斉値上げ表明を受け、初の連名による要望書を作成し、12月下旬に主要製紙メーカー7社、主要代理店9社に提出した。関連産業界が一致協力し、新しい経営環境の確立に向けて共通の思いと話し合いの場を持つこと、および、今回の値上げについて、印刷業界、紙流通業界、およびエンドユーザーなど社会全体に対して、十分な説明責任を果たすことを求めた。


臼田会長(右)と柏原理事長

 両団体は、昨年12月28日に日本印刷会館で共同記者発表を行った。全印工連から臼田会長、池田常務理事(資材対策委員長)、日紙商から柏原理事長、川地専務理事が出席した。
 臼田会長は、要望書の目的について次のように説明した。「売り手、買い手の関係を超えた二人三脚のパートナーとして、関係業界の安定基盤を築くために協調していくことが大事であり、日紙商と協業した。環境が整備されていない中での値上げ実施は現実的ではない。地方の印刷会社ほどダメージは大きく、地元の要望に応えられない事態も起こる。需要家、とくに官公庁、出版関係、一般消費者に、われわれの価格転嫁を認めていただく機運を醸成し、価格の適正化を図るために共同声明を出した。メーカー・代理店には環境づくりを実行に移していただき、今後は同じテーブルに着き、公明正大な話し合いを望みたい」
 また、柏原理事長は「印刷用紙の需要が減少している中での値上げは、われわれの業界のみならず、社会全体に与える影響が非常に大きい」「全印工連とは互いに良好な関係構築に努め、情報共有を図ってきた。そうしたベースがあって共同要望書が実現した」と述べた。
 続いて、全印工連の池田常務理事が要望書を読み上げ、「官公需の3分の1は毎年3月に集中する。年度契約も多く、今から紙の値上げ幅を上乗せすることは無理。印刷会社が吸収せざるをえず、エンドユーザーの理解を得られなければより厳しくなる。メーカー・代理店にはしっかり説明責任を果たしていただきたい」とコメントした。
 メーカー・代理店計16社に対しては、12月21日から27日にかけて日紙商の柏原理事長と役員が、11社に直接、5社に郵送で要望書を届けた。
 要望書では「紙の素晴らしさや不変的な価値と併せて、今回の価格修正ならびに改定幅について、印刷業界、紙流通業界、そして何よりも紙を必要としているエンドユーザーなど社会全体に対して、明確で分かりやすい説明責任を果たしてほしい」と求め、新しい時代に相応しい、新しい経営環境の確立に向けた道を切り開く『志』"について促した。
■共同要望書の提出先
【メーカー】王子製紙、北越コーポレーション、大王製紙、日本製紙、三菱製紙、中越パルプ工業、丸住製紙 【代理店】三菱製紙販売、日本紙パルプ商事、国際紙パルプ商事、新生紙パルプ商事、北越紙販売、日本紙通商、旭洋、シロキ、東京紙パルプ交易













【印刷新報2019年1月17日付掲載】
その他掲載記事
・印刷産業の変革に邁進 日印産連 新年交歓会
・「生産性革命事業」で設備投資後押し
 経産省19年度予算・18年二次補正
・日印産連 「じゃぱにうむ」事例発表会
 3月18日、大日本印刷・五反田ビルで など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2019年1月3日付
太陽堂印刷所 米アワードで最優秀賞
複雑な税務関係書類の封入作業を大幅に改善


 高機能、多機能を加えた帳票や印刷物の開発・製造で知られる株式会社太陽堂印刷所(日暮秀一社長、本社・千葉市中央区)は昨年10月、米国PSDA(本部シカゴ:Print Services & Distribution Association)が主催する「2018 PEAK(Print Excellence and Knowledge) AWARD」で"WINNER"に選ばれた。受賞案件は、複雑な封入封緘作業を同社独自の技術で正確かつ大幅に効率化し、自治体のコスト削減に貢献したもので、その革新性が高く評価された。システムは、平成28年度補正ものづくり補助金を活用して開発・導入した。ものづくり補助事業の顕著な成功事例として注目される。
            ◇
◆10人×4日の手作業が自動化で4時間に
 太陽堂印刷所が「PEAK AWARD」を受賞したのは今回で9回目。ほぼ毎年応募を続け、最優秀賞の受賞も4度目となった。PEAK AWARDは、優れた付加価値のある製品やサービスを提供することにより顧客の課題を解決した印刷会社の仕事を称える賞であり、太陽堂印刷所では、海外で客観的な評価を受けることが自社の経営や開発の方向性を測る指標になると考えている。
 2018年は14の案件が受賞した。太陽堂印刷所の受賞案件は、「市民税・県民税特別徴収」に関する決定通知書・納入書・領収証書・給与所得明細・説明書など関係書類のデータ印字から封入点数のマッチング、封入封緘に至るまでの一連の業務の大幅な効率化と誤封入対策である。給与支払者が個人住民税を給与から天引きし、従業員の代わりに市町村に納入する特別徴収で使われるもので、所得額等の重要な個人情報が記載されていることから誤封入が許されない上、封入点数が一定でないため非常に複雑な作業となる。自治体には、以前から作業の機械化を望む声があったが、当然ながらシステム設計は複雑であり、投資額も大きい。現状では全国のほぼすべての自治体が手作業で行っている。
 太陽堂印刷所では自治体の抱える悩みを解決すべく検討を始めた。機械メーカーに相談し、業務内容を分析しながらシステム構造上の課題などを洗い出す中で、誤封入の完全防止の可能性が見えてきた。そこで開発に乗り出すことを決め、平成28年度補正ものづくり補助金の申請を行い採択され、3000万円(うちIoT特別加算2000万円)の補助を受けた。
 導入したシステムの特長について、営業部の永尾計典部長代理は次のように話す。「角2の封筒で厚さ1センチまで対応する。15桁のOCR番号をセンサーで自動的に読み取り正確なマッチングを行う仕組みのほか、計算した用紙の重量と個別封筒の重量の照合検査による二重チェックで誤封入を完全に防止する。100分の1グラムまで検知できる。履歴情報はログとして保存され、IoTで追跡できる」。
 加えて、自動化は劇的な作業改善をもたらした。高田敏夫専務取締役は「平成30年度の受託業務では、9万人規模の地方都市で、10人のスタッフが4日間かけていた作業がわずか4時間で完了した。千葉市では従来、50人で4日間かかっていたが、大幅な作業負荷軽減、コスト削減、納期短縮により高い評価を受けている」と話す。
 30年度は、千葉市ほか複数の自治体の特別徴収案件に新開発システムで対応した。31年度はさらに上積みを見込む。
 特別徴収関係の封入物には糊ブッキング、はがき圧着など複数の技術が使われており、太陽堂印刷所が長年培ってきたベースがあればこそ受託につながっている。
 高田専務は「健診関係の書類などにも特別徴収と似たような課題があり、応用が利くのではないか」と期待する。
 太陽堂印刷所は29年度補正ものづくり補助金でも採択され、すでに新しい機械を導入済みだ。同社にとって5回目の活用事例であり、ものづくり補助金が経営革新に大いに役立っている。
 これまで印刷業界の動向を見続けてきた千葉県中小企業団体中央会の福永正昭工業連携支援部長は「申請書類の作成を難しいと感じる経営者の方も多いようだが、ものづくり補助金にぜひ挑戦していただきたい。採択率は40%前後あり、採択された場合のメリットは非常に大きい。導入の目的を明確にして、余分なスペックを盛り込みすぎないこともポイントになる。できれば経営者が自分で書類を書くと、頭の整理ができ、会社の方向性もはっきりする」とアドバイスする。












【印刷新報2019年1月3日付掲載】
その他掲載記事
・2019年新年特集号
 ・山本一力氏講演「刷ればこそ」
 ・「オープンファクトリーのススメ」
  望月印刷、篠原紙工の取組み
 ・行く平成、来る新時代 印刷業再スタート
・第55回光文堂新春機材展特集 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年12月20日付
【本紙が選んだ2018年十大ニュース】
社会課題への対応迫られる
働き方改革、省人化技術など進展


「印刷新報」が選んだ2018年十大ニュース

@IGAS2018で「スマートファクトリー」化の流れ
AAI、IoT、ロボットなど印刷業界でも導入進む
B働き方改革に関する啓発活動が活発に
C物流コスト上昇が経営を圧迫
D海洋プラスチック問題への対応求められる
E「SDGs」への意識、企業や団体に広がる
F大日本印刷で39年ぶりに社長交代
G印刷通販企業が相次いで上場
H日印産連が「知財公開フォーラム2018」を開催
I「フレキソ・ジャパン2018」開催、
 フレキソ印刷の機運高まる
            ◇
 2018年の印刷業界は、労働人口の減少が本格化してきた日本社会の大きなうねりを反映し、人手不足を克服するための働き方改革への対応を迫られた。AI、IoT、ロボットを活用した省人化・省力化の試みも活発だった。海洋汚染問題に端を発した世界規模での脱プラスチック運動の影響、SDGsへの意識の高まりなど、産業界にも社会課題が密接に関わってきている。
 そうした中、3年ぶりに開催されたIGAS2018(7月26日〜31日)が「国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展」と名称も新たに、6日間で5万5863人の来場者を集めた。工程全体をスムーズに連携し、自動化・省人化を極限まで追求する「スマートファクトリー」構想が多くの出展者から具体的な形で提示され、統合ワークフローの仕組みが注目を集めた。また、デジタル印刷機メーカーと後加工機メーカーの共同プレゼンテーションなど、企業間連携の動きがさらに広がった。
 日本印刷産業連合会は、国際印刷フォーラムをはじめとするFAPGA(アジア印刷会議)の一連のイベントをIGASに合わせて開催した。
 省人化・省力化を実現するAI、IoT、ロボットの活用が印刷業界にも拡大している。2019年は、業務への具体的な応用事例が数多く出てくるものと予想される。情報収集に努めたい。
 多くの企業・団体で「働き方改革」に関する啓発イベントや勉強会などが行われた。働き方改革法案の成立で2019年4月から「有給休暇の5日取得義務化」なども始まる。特に、人材が限られる中小印刷会社にとっては、業務の効率化、ダイバーシティ経営などが必須の取組みとなる。全日本印刷工業組合連合会では、「幸せな働き方改革プロジェクトチーム」を発足し、業績拡大を最終目標に置く2年間のプロジェクトを精力的に推進している。
 ガソリンの高騰やドライバー不足による物流コスト上昇が経営を圧迫し始めた。大手印刷会社や大手取次が共同物流を進めている。8月21日に開催された東京都トラック協会の出版・印刷・製本・取次専門部会は「現実味を帯びる出版物輸送からの撤退」という刺激的なテーマで開かれた。
 脱プラスチックの動きが社会に広がり、ペットボトル飲料やストロー、レジ袋等の削減に企業や自治体が動き出した。海洋プラスチック汚染の解決に向けて、2019年1月には大日本印刷、凸版印刷ほか化学メーカー、飲料メーカーなどから成る企業連合が設立され、3Rへの取組みや代替素材の開発・導入などを進めていく。日本印刷産業連合会は、「プラスチックごみ問題研究会」を発足させ、印刷業界への影響を見極めながら、取組みを推進していく。
 同連合会は、SDGs(持続可能な開発目標)を今年度事業の柱とし、持続可能な社会の形成に向けて印刷産業の社会的責任を果たしていく姿勢を打ち出した。
 大日本印刷では、6月28日開催の取締役会で、代表取締役社長に北島義斉氏が就任した。北島義俊氏から39年ぶりの社長交代となった。北島義斉社長は「主体的に変化を生みだし、変革への挑戦を続けることで、『第三の創業』を実現したい」と抱負を述べた。
 ラクスルが5月31日にマザーズ市場、プリントネットが10月18日にジャスダック市場に上場した。有力印刷通販企業が調達した資金により、次にどのような戦略を打ち出すかが注目される。
 日本印刷産業連合会は、10月5日に「知財公開フォーラム2018〜みんなで考えようデジタル時代の知的財産」を都内で開催し、業界内外から260人が参加した。中小企業の知財戦略等について活発な議論が行われた。
 国は、閣議決定した「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」において、昨年度に続き知的財産権の価値に十分留意する方針を明記した。
 「フレキソ・ジャパン2018」が11月13日・14日に東京・有明で開催された。フレキソ印刷は大幅な技術革新により品質が向上し、大手・中堅オフセット印刷会社による参入が続いた。












【印刷新報2018年12月20日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連 用紙値上げ要請に反対表明
・フォーム工連 RPAキックオフ勉強会 
・日本タウン誌・フリーペーパー大賞
 大賞は『福楽』(エクシート・福井)など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年12月13日付
大日本印刷、「情報銀行」事業に本格参入
2019年度、観光と地域サービス分野で


大日本印刷は11月29日、「情報銀行」の最新動向と同社の取組みに関するメディア向け説明会を東京都新宿区のDNP市谷左内町ビルで開催した。情報銀行の潮流と認定制度について総務省が報告した後、同省の「平成30年度予算 情報信託機能活用促進事業」における大日本印刷と中部電力およびJTBとの連携による2つの実証事業の概要を紹介した。
            ◇
■個人データ運用が市場拡大
 政府は、データの利活用が生活者を豊かにする社会モデルを世界に先駆けて構築すべく、「官民データ活用推進基本計画」に基づき、制度整備に着手している。個人の関与の下でのデータ流通・活用の仕組みの核となるのが情報銀行(情報利用信用銀行)だ。個人の指示、または、あらかじめ指定した条件に基づき、個人に代わり妥当性を判断した上で、第三者(他の事業者)に個人情報の提供を行う事業を指す。内閣官房IT総合戦略室では、事業者と政府等の連携により、情報銀行の社会実装に向けて積極的に取組みを推進する方向性を明らかにしている。
 ただし、個人情報保護法に基づく企業活動においても、消費者側には「同意した覚えがない」、「何に使われているか十分に理解していない」といった不安・不満が存在し、データの流通・活用の妨げとなっている。そこで、総務省と経済産業省は情報信託機能の認定制度に関する合同検討会を2017年11月に発足。一般社団法人日本IT団体連盟が情報銀行の認定団体となることが決定し、近く審査・認定事業を開始する。2019年春には認定事業者が生まれる予定だ。
 現在、情報銀行には多くの企業が関心を寄せている。ベンダー系、マーケティング系、金融系、旅行系、地域系(小売、地域インフラ、自治体等)に分類でき、その中に大日本印刷が含まれる。11月29日の説明会で同社の蟇田栄専務執行役員は次のように述べた。
 「ビッグデータ、AI、IoTを活用する社会となり、パーソナルデータは21世紀の石油とも言える。その一つが情報銀行であり、認知も拡大してきた。大きなビジネスチャンスだと考える。事業化に向けて多くの実験に取り組んできた。情報銀行の市場形成には官民一体で課題を乗り越えることが重要だ。さまざまな企業と協力し、より豊かな生活に寄与することで社会に貢献していきたい」
 大日本印刷は、2018年12月から2つの実証事業を開始し、課題の抽出と解決策の検討を通じてモデルケースの創出を目指す。
 一つは、中部電力と約3ヵ月間にわたり愛知県豊田市で行う「地域型情報銀行」実証事業。自治体、ショッピングビル、食品スーパー、システム会社との連携により、モニター(豊田市在住、中部電力契約者の441名)を対象に実施する。
 この実証事業では、「地域型情報銀行」がモニターから、個人の属性や生活に係るデータの預託を受け、あらかじめモニターが設定した条件の下、サービス事業者(小売店)にデータを提供する。サービス事業者が、データに基づき個人に合わせた適切なサービスをモニターに提供することで、モニターは日常の買物等で利便性向上につながるサービスを得ることができる。また、自宅の電力使用量や体組成計の測定情報など日常的な生活データを、モニターに負担をかけることなく「地域型情報銀行」に自動的に提供する仕組みも構築する。  モニターは、データ提供先のサービス事業者と提供するデータを簡単に選択できる。不要と指定すればデータが流通することはない。
 中部電力では、エネルギー事業に加え、社会課題に着目した新たな成長分野の確立を目指す。
 もう一つは、JTBとの連携による「次世代型トラベルエージェンシーサービス」実証事業。2019年2月まで、東京の上野エリアと京都の岡崎・蹴上および周辺エリアで実施する。旅行者のパーソナルデータを情報銀行で集約・活用し、旅行者がストレスなく最適なサービスを選択・利用するための支援と、地域の観光関連サービス事業者による効果的なデータ活用やサービス提供の両立を目指す。
 JTBが情報銀行サービスの運営主体として、モニターの募集やサービス事業者との調整などを実施。文化・芸術的価値のある地域資産が集積しながら、消費行動に結びつきにくい両エリアで、近隣の店舗・施設への回遊促進を図る。情報提供先事業者として、商店、文化施設など100社程度が参加する。
 JTBは、告知募集・旅行予約が中心の現状から、体験≠強化した旅行者への総合的なサービス提供ビジネスへの脱皮を目指している。
 大日本印刷の情報銀行事業の今後の展望について、VRMビジネス企画開発本部の勝島史恵部長は「生活者が感じる『安心・便利・嬉しい』がキーワード。これまでのモニター実験でも好ましい評価が多かった。情報銀行から提供されるパーソナルデータを自ら利用する能動的な生活者を増やし、質の高い事業を展開していきたい。まずは、今回実施する2つの実証分野『観光』『地域×IoT』で2019年度にサービスを開始する。また、ヘルスケアなど他の分野でも、さまざまな企業と連携して新たな実証を展開し、情報と取組みの姿勢を社会に開示していく」と述べた。











【印刷新報2018年12月13日付掲載】
その他掲載記事
・プラルト(長野県松本市)
 全台切り替えで工場を水なし化
・デザイングランプリTOUHOKU2018
 全国に認知広がり19回目
・全印工連 知的財産に関するアンケート調査
 各地での知財権の取り扱い前進 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年12月6日付
関東経済産業局「VOC排出抑制セミナー」
VOC警報器の活用事例など紹介


 経済産業省関東経済産業局は11月28日、「VOC(揮発性有機化合物)排出抑制セミナー」を日本印刷会館で開催した。日本印刷産業連合会との共催で行われ、約100名が聴講した。VOC排出抑制の自主的取組みの状況を報告した後、あさひ高速印刷(大阪市西区)、光写真印刷(東京都大田区)の2社から、工場におけるVOC警報器の活用事例と抑制対策が紹介された。
            ◇
 自主的取組みの状況については、関東経済産業局資源エネルギー環境部の窪木健二氏が説明した。VOCの排出抑制が必要な理由を、大気汚染防止と健康障害防止の2つの観点から取り上げ、取り組む企業にとってのメリットとして、原材料費や廃棄物処理費などのコスト削減、作業環境の改善による作業員の健康保持、VOCの保管量減少による作業環境の安全、環境対策に積極的な姿勢をアピールすることによる社会的評価の向上の4つを挙げた。
 自主的取組みが進んでいる印刷業については、「大手企業の取組みはほぼ目標を達成しているが、中小企業に関してはまだこれからのところが多い。東京都とも連携しながら、地場産業である中小の印刷会社に対する自主的な取組みの啓発に努めていきたい」と述べた。
 続いて、あさひ高速印刷の岡達也社長、光写真印刷の惟村唯博社長が自社の取組みを発表した。
 あさひ高速印刷は社員約100名。オフセット印刷工場はオフィス街にあり、近隣には新しいマンションが建つなど、安全への気遣いや地域への配慮がますます必要になっている。2009年にGP認定工場となり、自社なりに環境対応を図っているつもりだった。
 しかし、2012年に大阪の印刷会社で胆管がん問題が発生すると、社員には「有機則非該当のものしか使っていないのでたぶん大丈夫」としか言えなかった。そこで日印産連発行の冊子などで勉強し、特に高濃度のVOCが発生するローラー等の洗浄時に換気などの対策を取ればよいと理解した。
 裏付けがなく不安に感じていたところへ、VOC警報器の発売を知り、2016年3月に導入。9台の警報器を工場内に設置した。すると、洗浄時以外にもランダムに警報器が鳴り、予想外の展開に困惑した。ダクトを増設して吸排気を強化したところ、鳴る頻度は半減した。また、廃ウェスの入った缶に蓋をすることを徹底。缶の場所も遠くに移動したことでさらに頻度が減少した。一層の改善を進めるため、中央労働災害防止協会の指導を仰いだ。警報器が作動しても従業員の健康に影響がないレベルであれば問題ないというアドバイスを受け、健康被害のない状態を目標に据えた。溶剤のSDS(安全データシート)見直し、個人ばく露調査の実施、湿し水に添加する代替アルコールの使用量減少などに取り組み、警報器が鳴る時間は当初から8割減となった。
 岡社長は「問題の見える化により社員の意識が高まり、今では洗浄時に防毒マスクを着用するようになった。VOC警報器の使用で発生の場所やタイミングも把握でき、従業員へ正しい注意喚起を行うことができた」と成果について話す。
 光写真印刷は社員約70名。近隣にはマンションや学校があり、VOC抑制や騒音対策は必須だ。無処理版CTPによる現像液の撤廃、廃ウェスや溶剤の缶の蓋閉め徹底、GP認定資機材の採用、VOC警報器の設置(9台)、ブランケット洗浄の自動化、局所排気装置を付けたドクター洗浄専用スペースの確保、防毒マスクとゴーグルの着用、5S活動などの対策を実施してきた。従業員は入社して1年経つと全員が作業主任者の講習を受け、資格を取得している。また、東京都のVOC対策アドバイザーに依頼し、職場の環境評価を年1回行っている。
 惟村社長は「VOC警報器により危険の可視化ができたことが大きかった」と、岡社長と同様、実態を正確に把握することの大切さを強調する。「危険を認識することで従業員の意識と行動が変わった。溶剤に対する意識改革が起きた。防衛反応を取るようになり、行動の標準化につながった」、「使用する資材の見直しとともに、工場のレイアウトの変更、社員間の十分なコミュニケーションも重要だ」と指摘した。
 セミナー会場の後方では、VOC警報器を開発・販売する新コスモス電機が製品を紹介した。多くの参加者が関心を示し、具体的な質問や相談を行う姿が見られた。オフセット印刷工場用VOC警報器のほか、作業場所で簡単にVOC濃度を測定できるリアルタイムモニタ、化学物質の個人ばく露状態を確認できる濃度計などを案内した。















【印刷新報2018年12月6日付掲載】
その他掲載記事
・page2019 155社・555コマが出展予定
・東京都の最低制限価格制度
 小池知事が4団体の要望に回答
・フォーム工連 マーケター育成へキックオフ勉強会 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年11月29日付
海洋プラスチック対策が本格化
1月に企業アライアンス設立


 海洋プラスチック汚染の解決に向け、化学メーカーや食品・飲料メーカー、印刷会社、製紙会社などが連携・協力する企業連合が来年1月に設立される。プラスチック製品の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取組み強化や紙等の代替素材の開発・導入を推進し、官民が連携してイノベーションを加速させる。11月20日に東京都内でキックオフとなるフォーラムが開催された。
 海洋プラスチックごみによる環境汚染が、地球規模で問題になっている。紫外線や波で劣化して細かく砕けた粒「マイクロプラスチック」が生態系に及ぼす影響が指摘される。企業などがプラスチック製ストローの使用を中止する動きが広がるなど、使い捨てプラスチックの廃棄をいかに減らすかが課題として急浮上してきた。
 こうした海洋プラスチックごみ問題の解決に向け、企業連合による「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(仮称)」を年明けに設立することが発表された。アライアンスでは、海洋プラスチックごみ問題に積極的に取り組むサプライチェーンを構成する容器包装等の素材製造業者、加工事業者、利用事業者など関係事業者の連携強化を図る。
 アライアンス設立に賛同を表明した企業として、大日本印刷、凸版印刷をはじめ、化学メーカー、食品・飲料メーカー、製紙会社など国内の大手15社が名を連ねた。
 事務局は一般社団法人産業環境管理協会が担当し、同日から会員(企業・団体)の募集を開始した。来年1月に設立総会を開催する。
 アライアンスの取組みとしては、
・素材の提供側と利用側企業の技術・ビジネスマッチングや先行事例の情報発信等を通じた情報の共有
・研究機関との技術交流や技術セミナー等による最新技術動向の把握
・国際機関、海外研究機関等との連携や発展途上国等への情報発信などの国際連携
・プラスチック製品全般の有効利用に関わる多様な企業間連携の促進
などについて検討し、海洋プラスチック汚染の防止を目指す。
 フォーラムでは、主催者を代表して産業環境管理協会の冨澤龍一会長が「海洋プラスチックごみを削減するためには、廃棄物の適正管理に加え、プラスチック製品の3Rの取組みの一層の強化や、生分解性に優れたプラスチック、紙等の代替素材を開発・普及させていくことが重要となる。本アライアンスが海洋プラスチックごみを巡る問題解決に貢献するとともに、わが国が持つ優れた技術やイノベーション、そして環境インフラを世界に広げる一助になるよう努めていく」と述べ、参加を呼びかけた。
 経済産業省の石川昭政経済産業大臣政務官、農林水産省の渡邊厚夫大臣官房輸出促進審議官、環境省の上田康治大臣官房審議官ら各関係省庁の代表も出席し、行政によるアライアンスへの協力を示すとともに、今後の取組みに期待を示した。














【印刷新報2018年11月29日付掲載】
その他掲載記事
・フレキソ・ジャパン2018、活況
・ジャスダック上場
 プリントネット 小田原洋一社長に聞く
・フォーム工連 現状と課題に関するアンケート調査報告 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年11月22日付
第45回技能五輪国際大会
「印刷職種」日本代表(候補)が決定
トッパンコミュニケーションプロダクツの湯地さん


 2019年8月にロシア連邦・カザンで開催される第45回技能五輪国際大会の「印刷職種」(オフセット印刷)日本代表選手に株式会社トッパンコミュニケーションプロダクツの湯地龍也(ゆじ・りゅうや)さんが選出された。日本印刷産業連合会では代表選手候補として中央職業能力開発協会に推薦し、12月に正式決定となる見通し。


湯地選手

 10月下旬に実施された最終選考会で優勝し、代表の座を勝ち取った湯地さんは、15日に日本印刷会館で開かれた記者会見で「やるからには誰にも負けたくない・金メダルを目指す」と意気込みを語った。
 技能五輪国際大会は、満22歳以下の青年技能者が参加し匠の技を競う大会で、2年ごとに開催されている。印刷職種は、2007年の第39回静岡大会から正式競技種目となった。第40回カルガリー大会ではトッパンコミュニケーションプロダクツの菊池憲明さん、第41回ロンドン大会では亜細亜印刷の伊東真規子さんが連続して金メダルを獲得している。
 今回の選考会(筆記試験・実技試験等)には7社8名の応募者が挑み、優勝した湯地さんと他の選手の成績は謹差。まれにみるハイレベルだったという。2位には株式会社丸信(福岡県久留米市)の甲斐田光さん、3位には亜細亜印刷株式会社(長野市)の湯田鈴音さんが入った。
 湯地さんは1999年3月1日生まれの19歳。宮崎県国富町の出身。現在、トッパンコミュニケーションプロダクツ川口工場の第二製造部第一課に勤務している。印刷機オペレータとしての経験は正味1年ほど。工業高校ではデザインやものづくりを学び、就職活動の中で凸版印刷のことを知り、すぐに「やってみたい」と感じたという。
 湯地さんは記者会見で、代表候補に選ばれた今の気持ちと大会本番に向けた抱負を次のように話した。「代表に選ばれて驚きを隠せない。すごい技能を持った人たちの中から選んでいただいたので、自信を持って世界で戦っていきたい。入社してから技能五輪のことを知り、挑戦してみたいと思っていた。子供の頃から負けず嫌いで、人と競うのが好きだった。相手と競うことで仕事のやりがいも感じられ、自分の知らないことを学べる。世界で戦うにはまだ実力が足りない。もっと技術面を磨き、弱点を克服できるよう特訓していきたい。やるからには誰にも負けたくない。もちろん金メダルを目指す。日本の印刷が世界トップクラスであることを証明できるよう、他の応募者の分まで頑張りたい」
 湯地選手をサポートするエキスパート候補の凸版印刷製造統括本部・佐藤晴雄氏は「年齢からいえば普通はまだ助手だが、職場では機長を務め、4色機を回している。責任感を持ち、仕事の厳しさも知っている。メンタルを鍛えて、選考会でも落ち着いて実力を発揮できた。本番まで9ヵ月。必ず良い成績を残せるようサポートしていきたい」と語った。
 また、日本印刷産業連合会の杉村専務理事は「日本選手団の金メダルの数が減ってきている。湯地さんには印刷職種の代表としてはもちろん、日本チームの一員として日本の存在感を高めてほしい」と期待した。













【印刷新報2018年11月22日付掲載】
その他掲載記事
・フォーム工連 「寺子屋プロジェクト」始動
・「印刷と私」エッセイ・作文コンテスト
 印刷物が「幸せ」届ける 
・北海道印刷工業組合 岸昌洋理事長に聞く など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年11月8日付
政府の海賊版サイト対策会議
法制化を巡る意見取りまとめ断念


 インターネット上で漫画などを無料で読ませる海賊版サイト対策を話し合ってきた政府の有識者会議で共同座長を務めた慶應義塾大学教授の中村伊知哉氏と村井純氏は10月30日、検討会議の上部会合「知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会コンテンツ分野会合」に出席し、利用者に許可なく特定サイトへの接続を遮断するブロッキングの法制化を巡り委員間の意見がまとまらず、取りまとめを断念したことを報告した。著作権保護の観点からブロッキングの必要性を訴える賛成派と、憲法が定める「通信の秘密」を侵害することを懸念した反対派との溝は深く、ネット時代の知財保護の難しさが浮き彫りとなった。
 「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」(タスクフォース)は、今年4月の犯罪対策閣僚会議・知的財産戦略本部の緊急対策の決定を受け、知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会の下に設置され、海賊版サイト対策について、今年6月から10月にかけて計9回にわたって集中的な議論を行ってきた。しかし、ブロッキングの法制化で委員間の意見が対立。9名の委員から中間取りまとめをすること自体にも反対する意見書が提出されるなど、意見が集約できず中間取りまとめができない異例の事態となっている。
 会合では、今回の議論の結果について中村、村井の両氏連名による「座長メモ」の形で報告した。
 中村氏は「ブロッキングの法制化の議論は大きな話題を呼んだ。情報化社会の中で、知財とITが同調する領域をどう広げるかという問いだった。同時に漫画・アニメ大国の日本がITの落とし子の海賊版サイトにどう対抗するかを、世界にモデルが示せるかというものだった」と会議を振り返った。
 その上で、正規版流通の環境整備や、著作権を侵害する静止画(書籍)のダウンロード違法化など、ブロッキング以外の対策に関しては共通理解が得られたとしたうえで、今後、関係者が協力して対策に取り組んでいく必要性を訴えた。
 また会合では、委員から「最終手段として、ブロッキング法制化の検討を続けていくべき」など議論の継続を求める声があったほか、「報告書を出さないというのは、国の会議としてあり得ない」など検討した論点を明確にして国民に伝えるべきとの意見があった。国民への意見公募(パブリックコメント)の実施については「社会の中でブロッキングを巡る賛否の対立が固定化してしまい、混乱を長引かせてしまうだけ」など反対意見が示された。
 「座長メモ」のポイント5つは次のとおり。
・正規版流通の環境整備に加えて、海賊版サイトに対して緊急に対応することができるようにするため、著作権教育・意識啓発、海賊版対策に資する出版業界・通信業界における環境整備、海賊版サイトに対する広告出稿の自主的な抑制、フィルタリングの強化等について、関係者が民間主導で連携して直ちに取り掛かり、これを関係省庁が連携して支援する。
・さらに、関係省庁の連携も推進し、リーチサイト規制の法制化や、著作権を侵害する静止画(書籍)のダウンロードの違法化の検討を進め、加えて、さまざまな側面から必要な制度設計の検討を進める。
・わが国の重要な電子コンテンツである漫画とアニメーションの海賊版サイトの課題を迅速・適切に解決するため、本検討会議で議論された内容について、継続・発展的な議論ができる適切な環境を引き続き整備する。
・以上の措置を進め、その効果を検討すべきである。
・ブロッキングに関する法制度整備については、意見がまとまらなかった。
















【印刷新報2018年11月8日付掲載】
その他掲載記事
・所蔵資料を高精度アーカイブ
 国文学研究資料館/凸版印刷
・平成30年秋の叙勲・褒章
・TAIGAX18 プレスツアーレポB など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年11月1日付
外国人技能実習制度の概要と留意点
法令遵守と個別配慮で受入れを


 全日本製本工業組合連合会の書籍・雑誌専門委員会は、平成30年度の委員会を10月27日に都内で開催した。各都府県工組の情報交換を行った後、講演会では「外国人技能実習制度の概要と受入れの留意点」と題して、公益財団法人国際研修協力機構の中村淳氏が事例を交えて制度活用のポイントについて解説した。その要旨を紹介する。
        ◇
 労働力不足は日本の産業界全体に共通する問題であり、印刷関連業でも今後の重要な課題となる。不足感が年々募る中、解決策の一つとして外国人労働者の採用が進んでいくと予想される。
 外国人労働者の受入れ拡大を目指す政府は、今年6月に閣議決定した方針で外国人労働者の新就労資格について明記し、最長5年の就労などを認めた。単純労働にも道を開く方向で2019年4月の新制度創設へ動いている。同時に、入国管理局を「入国在留管理庁」に格上げする。
 今回の中村講師は入国管理局の出身で、特に外国人技能実習制度に精通している。講演の初めに、まず制度の現状について紹介した。
 2017年末の在留外国人数は約256万人。在留資格別の内訳で、技能実習生は約27・4万人、10・7%を占める。技能実習生の新規入国者数は、2015年の約9・7万人に対して、2017年は約12・8万人と年々増加。従来は中国が入国者数の1位を占めていたが、2016年に初めてベトナムが上回り、現在はベトナム約46%、中国約27%の順。
 技能実習生の増加に伴い、不正行為件数も増加した。管理強化で直近2年はやや減少傾向だが、依然年間200件以上の不正行為が摘発されている。2017年における類型別割合では、賃金等の不払い(46%)、偽変造文章等の行使・提供(24%)で7割を占める。
 政府は2017年11月1日に「技能実習法」を施行した。技能実習の対象職種の拡大、実習期間の延長(3年から5年)、不正行為には罰則を適用など、従来の制度から変更された。対象職種は現在、77職種139作業で、印刷(オフセット印刷作業)、製本(製本作業)、紙器・段ボール箱製造(印刷箱打抜き作業等)が含まれる。実習生の受入れ方式には、団体監理型と企業単独型があるが、商工会・中小企業団体等が仲介し、実習実施者と実習生が雇用契約を結ぶ団体監理型が9割以上を占める。
 技能実習法では、技能実習計画の認定申請が必須となったほか、実習開始前(来日前)と入国後の一定期間の講習や、技能実習評価試験の実技試験等合格の義務付けなどが追加された。
 また、技能実習責任者の選任、労災保険の届出、日本人と同等以上の報酬、適切な宿泊施設の確保などが実習実施者に明確に求められている。人権侵害行為に対しては、5年間の許可・認定の取消しほか、最も厳しい場合、1年以上10年以下の懲役、または20万円以上300万円以下の罰金が科せられる。
 中村講師は技能実習生の受入れにおける留意点について紹介した。
 健康管理に関しては、「結核や肝炎などの持込病も見られるので、入国前の診断結果を確認するほか、定期健康診断の実施が必要だ。人間関係や生活習慣から来るストレスやカルチャーショック、母国でも抱えていた家族の心配や借金などの悩みへの配慮も欠かせない。地域の催しへの誘い、日本語習得の機会設定、母国での習慣をできるだけ取り込むなど、積極的に行ってほしい。日本の医療制度や保険制度もきちんと説明しないと、お金がないという理由で病院に行かない実習生がいる」と話した。
 処遇に関しては、賃金、労働時間、有給休暇、保険、年金、解雇など、原則として日本の法令に基づいて適用される。実際に相談があったトラブル報告事例として、「手取額が聞いていた金額と違う」「賃金が未払い」「賃金から強制貯金させられている」「休日労働を強いられている」「通帳や印鑑、パスポートなどを保管されている」等が挙げられた。
 中村講師は「金遣いがルーズだからと賃金の一部を実施者が貯金するのは違反。通帳やキャッシュカードを預かってほしいと実習生本人から頼まれても受けてはいけない。あくまでも原則に沿った受入れを心がけてほしい」と注意点を挙げた。















【印刷新報2018年11月1日付掲載】
その他掲載記事
・特集 フレキソ・ジャパン2018
・「デジフェス!2018」を初開催 日本創発グループ
・加藤製本 PUR保存装置を新開発 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年10月25日付
全製工連
業界一丸で取引慣行改善へ
共存共栄へ意見書作成


 全日本製本工業組合連合会(田中真文会長)は、製本業界の窮状と取引慣行改善を訴える緊急会見を10月16日に東京・板橋区の製本会館で開いた。経営環境の悪化や後継者不在などにより、全製工連の組合員数は最盛期の3割程度まで減少している。田中会長は「印刷会社や出版社に対して、まずはわれわれの業界が置かれた現状をご理解いただきたい」と述べるとともに、組合員に対しても取引慣行改善に向け意識啓発を働きかけていく考えを示した。
          ◇
 会見は田中会長と本間敏弘副会長兼専務理事が出席して行われた。冒頭、田中会長は製本業界を取り巻く現状ついて、「単価はこの30年間変わらず、むしろ下がっている状況にある」と指摘。一方、製本工程の原価において最も大きな割合を占める人件費については、東京都の最低賃金がこの30年間で525円(平成元年)から985円と9割近く上昇しており、「大変に厳しい経営環境に置かれている」と説明する。
 その上で、会見の主旨を「印刷会社や出版社に対して値上げを飲んでほしいということではない」としつつ、後継者不足や過剰な品質要求などにより、「価格面だけでなく製本業全般に係る経営環境が悪化している現状をご理解いただきたい」と訴えた。
 経営環境の悪化に伴い、全製工連の組合員数は最盛期の2,352社(昭和50年)から728社まで減少している。「印刷会社や出版社が仕事の発注先を探すのに苦慮されている現状が散見される」と指摘した田中会長は、「われわれ専業者をご活用いただいた方が印刷・出版社にとっても収益が上がると確信している。各社の存続のためにも製本専業者を生き残らせていただきたい」と切実な思いを語った。
 続いて本間副会長兼専務理事から、取引慣行改善に向けて全製工連が作成した会員11組合との連名による意見書が読み上げられた。
 「このままでは製本会社がなくなります!」と題した意見書では、旧態依然の取引慣行に起因する低価格や過剰品質、さらには短納期化、物流費の高騰、人手不足による賃金相場の上昇などにより、「個々の企業の努力だけでは到底追い付けない危機的な状況にある」と指摘。廃業などによる製本・加工会社の不足が顕在化する中で、「適正な取引関係を構築することは、私たち製本業とお客様の双方にメリットがある」と訴えている。
 続けて、「一つひとつの仕事がオーダーメイドの性格を持つ紙製品の製本・加工には、プロの専業者でなければ対応しきれない難しさがある。長年にわたりノウハウを積み上げてきた私たち専業者をご利用いただくことが、お客様の業務効率の向上と品質の担保にもつながるものと考えている。さらに、専業者の視点からのアドバイスをさせていただくことで、より正確、かつ付加価値の高い製品を生むことにもなる」と複数のメリットに言及したうえで、「窮状をどうかご理解いただき、事業の継続、製品の安定供給を可能にするため、取引慣行の改善と適正な取引条件について特段のご配慮をいただきますよう、切にお願い申し上げます」と結んでいる。
 意見書は近く複数の業界専門紙に掲載する。
 取引慣行改善に向けた取組みについて、田中会長は「製本業界だけが訴えても成果は出ない」との考えを示し、加工など周辺業界を巻き込んだ上で、「川上の業界に対して付加価値を提供することで取引慣行改善につなげたい」と話す。
 取引慣行改善は長年にわたる課題であり、全製工連では過去にもさまざまな活動を展開してきた。
 2013年4月には、「お客様とのWIN/WINの関係づくりへの挑戦」と題した『取引慣行改善ガイドブック』を刊行。さらに2016年9月には、取引慣行改善や経営改善に向けた事例等をまとめた製本経営・トラブル対策ハンドブック『製本虎の巻』を刊行した。
 いずれも組合員に実施した詳細なアンケート調査に基づいており、調査結果からは、契約書や発注書の不在、後指値(値引き)、支払の先延ばし、過剰な品質要求とやり直し費用負担、法外な損害賠償、直前での仕様変更、購入強制などが横行している実態が浮かび上がった。
 全製工連では、一連の冊子を関係団体等に配付するなど実態の周知に努めたが、田中会長は「あまり有効活用されてこなかったのではないか」と振り返る。
 今後は、取引慣行改善の意識啓発に資するセミナー等の開催を視野に入れるとともに、取引先に対して組合員各社が働きかけることができる要望書(「製本業界の窮状に対するご理解のお願い」)についても組合ホームページなどを通じて配付し、広く活用を呼びかけていく。














【印刷新報2018年10月25日付掲載】
その他掲載記事
・TIGAX18 プレスツアールポA
 ATMA社(東遠精技工業)
・話題 「ミウラ折り」汎用展開
・第48回JPM協会展 購買行動の変化が表出 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年10月18日付
日印産連〈知財公開フォーラム2018〉
中小企業の知財論説く
技術活かしニッチトップ企業へ


 日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)は、「知財公開フォーラム2018〜みんなで考えよう デジタル時代の知的財産」(後援・日本商工会議所、東京商工会議所)を10月5日に東京都の中央区立日本橋公会堂で開催し、印刷業界内外から約260名が参加した。専門家による講演や事例発表、パネルディスカッションが行われ、「ニッチトップ戦略」などデジタル時代における中小企業の知財戦略の一端が示された。
          ◇
 今回のフォーラムは、印刷産業に止まらず情報を媒介とするあらゆる産業を対象に、著作権や特許など知的財産の重要性を周知するとともに、中小企業の経営戦略にスポットを当てた知財戦略の構築を目的に開催された。
 開会に際して日印産連の浅野健副会長は「本日は情報産業で活躍している専門家を招き、デジタル時代をどう生き抜いていくのか、あるいは知的財産とは一体何なのか、知財戦略はどうあるべきかをみなさまにプレゼントさせていただく。本フ ォーラムが少しでも有益となることを願っている」と期待を述べた。
 フォーラムでは、はじめに東京2020大会のエンブレムのデザインを手がけたデザイナーの野老朝雄氏による特別講演が行われ、「個と群と律」をテーマに野老氏のデザイン感やエンブレムに込められた思いなどが語られた。続いて第1部は「中小企業の知財戦略」、第2部は「デジタル時代の知財戦略」を全体テーマに計6セッションが実施された。

◆技術の収益化で下請け脱却へ
 第1部では、人気小説「下町ロケット」に登場する弁護士のモデルとして知られる鮫島正洋氏(内田・鮫島法律事務所)が、「中小企業経営に知財を活かすための戦略論」について講演した。
 知財戦略の専門家である鮫島氏のもとには、自社技術の収益化によって下請け脱却を目指す全国の中小企業から多くの相談が寄せられる。しかし、鮫島氏は「自社の技術を活かして下請けから脱却するのは簡単なことではない」と指摘する。なぜならば、技術を収益化するには@マーケティング、A製品開発、B量産体制の整備、C販路開拓の4要件が必要だが、多くの下請け中小企業が行っているのは製品の量産工程のみであり、@ACは元受企業が行っているからだ。
 仮に4要件を揃えて収益化に成功しても、待っているのは後発模倣品による価格競争。そうした事態を防ぐためのツールが特許をはじめとした知財である。
 また鮫島氏は、技術の収益化においては、技術そのものよりもマーケティング、つまりどの市場で勝負するかを重視する。その上で「中小企業では身の丈に合った規模で、なおかつ先行特許が少ない市場がいい」と述べ、小さくてもライバルの少ない市場でニッチトップを目指すことを勧める。大きな市場は競争が激しく、後発では特許も取りにくい。一方、まだ目の付けられていない小さな市場は特許を取りやすく、独占できれば中小企業にとっては大きな収益源になる。
 そのためには、研究開発とともに、その成果を適切なタイミングで特許化することが必要だが、一方で、特許は一般に公開されるため、製造ノウハウや金型などは特許を取得すると他社に真似される恐れがある。こうした線引きには専門的な知識と経験が必須であり、鮫島氏のような専門家に相談することを勧める。
 また鮫島氏は、特許取得による副次的な効果として、「自分の発明が見える化されるのに加え、『あなたの発明は人類史上類がない』とお墨付きがでるようなもの。これでやる気のでない研究者はいない」とモチベーションの向上につながると指摘する。取得にはコストや労力もかかるが、これらの利点も踏まえた上で検討するよう求めた。
 第2部で行われたパネルディスカッションでは、日印産連知的財産部会の萩原恒昭部会長(凸版印刷)をモデレータに、野老氏と鮫島氏に加えて自民党の山田美樹衆議院議員、内閣府知的財産戦略推進事務局の中野岳史参事官の4氏が知財戦略を語った。
 その中で、官公需の印刷発注における知財保護の問題について話題がおよび、山田衆議院は「これは粘り強く伝えていくことが重要だと思っている。まずは国や財政力のある自治体が率先して行うべきだ」との見解を示した。一方、野老氏は、こうした知財に対する侵害行為は悪意なく行われているケースも多く、教育・啓発活動の重要性を指摘した。
 また、AIやIoTなどのIT技術を活用したビジネスモデル特許が増加傾向にあることについて、鮫島氏は「新しいものなのでかなり広く特許が取れる。仮に広く取れなくても、投資家や銀行の特許に対するリテラシーが高まっているので、取得するメリットはある」と勧める。
 一方、中野参事官はAIを活用したビジネスモデル特許の海外事例を紹介し、「一部は権利化して独占するが、残りはできるだけオープンにすることで参入者を増やし、劇的に市場が拡大したケースもある。どこまで権利を確保するのか、市場の獲得には戦略も重要だ」と主張した。
 そのほか、地方における課題や産官学連携の問題など、幅広い話題について議論が交わされた。













【印刷新報2018年10月18日付掲載】
その他掲載記事
・特集 環境優良工場に学ぶ
・MTJN COMEXI社との総代理店契約を発表
・ハイデルベルグ MBOグループを買収 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年10月11日付
東印工組〈ダイバーシティ経営セミナー〉
働き方改革関連法を解説


 東京都印刷工業組合のダイバーシティ推進委員会(小野綾子委員長)は9月26日、セミナー「今からはじめるダイバーシティマネジメント」を八丁堀のモトヤ東京本社で開催した。法改正の最新情報と働き方改革の進め方について、特定社会保険労務士の株式会社GIMS小倉絵里氏が講演した後、全印工連ダイバーシティ推進委員会から今井印刷(東京)、本田印刷(宮城)、近藤印刷(愛知)、文昌堂(宮崎)が、各社での実践や苦労話について伝えた。
 7月6日に働き方改革関連法が公布され、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の年5日取得義務、同一労働同一賃金(雇用形態に関わらない公正な待遇の確保)など、国の働き方改革の推進が本格化する。中小企業にも、より明確で計画的な取組みが求められるようになる。
 講演で小倉氏は、すぐにでも対応してほしいこととして、長時間労働の是正、年次有給休暇の取得、労働時間の状況の客観的な把握─の3つを挙げた。
 これまで法律上は残業時間の上限がなかったが(行政指導のみ)、改正後は「時間外労働の上限規制」が設けられる。上限は原則月45時間、年360時間。特別条項は年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度とする。中小企業は2020年4月から施行される(大企業は2019年4月から)。違反すると6ヵ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられる。
 小倉氏は「懲役まで踏み込んだところに国の本気度が窺える。2年後の4月からの施行は、今から取り組まないと間に合わない印象がある」と述べた。
 「年次有給休暇の年5日取得義務」は、大企業・中小企業とも2019年4月の施行。違反すると1人に付き30万円以下の罰金が科せられる。
 現在は労働者が自ら申し出なければ年休を取得できない上、申し出をしにくい状況があるが、改正後は、年10日以上の年休付与者については毎年、本人の希望を踏まえて時季を指定し、年5日は取得することが義務化される。たとえば、夏季休暇と合わせた取得や、仕事の閑散期にシフトを工夫して取得するといった計画的な付与が必要になってくる。
 「労働時間の状況把握の実効性確保」は、大企業・中小企業とも2019年4月の施行。
 現在、割増賃金を適正に支払うため、労働時間を客観的に把握することが通達で規定されているが、裁量労働制が適用される人などは対象外だった。改正後は、裁量労働制が適用される人や管理監督者も含め、すべての労働者の労働時間について、タイムカード管理など客観的な方法による把握が義務化される。
 小倉氏は「これは労働安全衛生法に基づいて決定したもの。健康管理のために、たとえば営業の社外における時間外労働なども客観的に把握することが義務付けられている」と述べた。

◆一般事業主行動計画をツールとして活用
 講演の中で小倉氏は、コンプライアンス対応だけでなく、「働き方改革は印刷業におけるダイバーシティ経営への入口であり、経営課題解決の糸口になる」と強調した。
 また、ダイバーシティ経営を推進する上での重要なツールとして、一般事業主行動計画(女性活躍推進法)の策定を推奨した。一般事業主行動計画は、事業主が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、計画期間や目標、達成するための対策内容、実施時期などを具体的に盛り込み策定するもの。各都道府県労働局に届け出をし、情報は全国に公表される。
 小倉氏は「一般事業主行動計画を策定することは、ダイバーシティ経営への対応の第一歩。自社を分析し、見える化のツールとして活用できる」と意義を示した。
 さらに、「今の若年層は、自分に合った働きやすい会社を選ぶ人が増えている。自社の取組みを公表することにより、雇用での優位性も高めることができる」と述べた。













【印刷新報2018年10月11日付掲載】
その他掲載記事
・2018全日本印刷文化典 高知大会
 幸せな働き方改革へ前進
・新たな付加価値提案目立つ SOPTEC とうほく 2018
・TIGAX18ツアールポ1 SBL社(財順機械工業)など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年10月4日付
福島県印工組
「ふくしまのいろ」を色鉛筆に
次世代に地域の魅力を伝える


 福島県印刷工業組合(佐久間信幸理事長)は「ふくしまの伝統色事業」で選定した14色を使った色鉛筆を製作した。10月から販売を予定するほか、県内の小学校への寄贈など、次世代の子供たちに地域の魅力を伝えていく。
 同工組は、組合創立60周年記念事業として「ふくしまの伝統色事業〜ふくしまの伝統色彩調査と色彩文化の保存・発信」に2017年から取り組み、今年1月に「ふくしまのいろ」14色を発表した。このほど完成した色鉛筆は、「ふくしまのいろ」を使った具体的な製品化の第一弾である。


「ふくしまのいろ」色鉛筆

色に携わる印刷のプロとして企画した記念事業では、県民の暮らし・文化に根付いた福島県特有の伝統色の調査を実施。県内3地方(中通り・浜通り・会津地方)それぞれの特徴的な色について、組合員の目と感性で再発見した。その結果、500色にも及ぶ候補が集まり、検討を重ねた結果、最終的に「ふくしまのいろ」として14色を選定した。
 各色は「つるがじょう・たきざくら・もも・しらかわだるま・あんぽがき」など、由来となった建築物、食物、自然、民芸品から命名した。また、計測機器やカラーチップで対象素材の色を数値化し、DICカラーガイドで指定した。
 色彩調査と選定までが事業の前半。そこから、未来に伝える色彩文化として保存し、県内外に広く発信していく取組みが始まった。
 佐久間理事長は同事業について、「『ふくしまのいろ』を後世に残し、だれでも使えるようにしていく。色を通して子供たちに福島県の文化や歴史を知ってもらい、『これは僕の青』、『これは私の赤』と誇りを持って県外の人にも紹介できるようになればすばらしい。普及、浸透させるには時間がかかるが、文具や土産物への採用などを通じて広めていきたい」と話す。
 また、福島学院大学短期大学部の木村信綱准教授は「色に意味を付与し、地域をブランディングする取組みであり、伝統色という新たなツールを得た。小・中・高生の地域への関心を深めていく斬新な試みだ」と評価する。  組合では、ポスターやパンフレット、ホームページのほか、「ふくしまの自然や文化」の魅力を実感してもらうための具体的なツールとして、色鉛筆の製作を進めてきた。
 完成した色鉛筆は、ふくしまのいろ14色(本)セットになったもの。組合では「色を塗るたびに、素朴で温かなふくしまに触れることができ、子供たちに肌で感じてもらえる」と期待する。
 色鉛筆は、10月から福島県内の道の駅や書店などのほか、一部首都圏での販売も予定している。定価は1箱2500円(税別)。
 今後の可能性として、絵具など他の文具の製作や学校教育における活用、各種グッズ、キャラクター、商品パッケージ、イベント、公共施設などへの採用、新規商品の開発、有名人や学識経験者を招いた講演会や展示会、伝統色を使ったぬり絵コンテストなど、さまざまな展開が考えられる。
 これらの活動を通して、福島の彩りに触れる機会の創出を図ることは、郷土愛の醸成や地域活性化につながる。デジタル化が進む社会にあって、感性とコミュニケーションに携わる印刷業界ならではの意義のある事業と言えるだろう。












【印刷新報2018年10月4日付掲載】
その他掲載記事
・GP大賞3賞を決定 日印産連
・「TIGAX18」(台北国際印刷機材展)盛大に 
・第29回世界ラベルコンテスト
 日本から3社が「Best of the Best」賞 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年9月27日付
日本製紙/四国化工機
紙容器無菌充填システムを新開発
固形物や長繊維を可能に


 日本製紙と四国化工機は9月19日、常温保存可能な紙容器無菌充填システム「NSATOM(えぬえすアトム)」の開発を発表した。従来、紙容器では難しかった食感の高い野菜果汁飲料、スムージー、おかゆ、スープ等の固形物・長繊維入り・高粘度の新飲料を実現。2019年度より市場に投入する。世界的な脱プラスチックの流れの中、樹脂製容器に代わる容器として国内外で拡販を目指す。
            ◇
 新製品の記者発表は9月19日に都内で開かれた。
 日本製紙の馬城文雄社長はあいさつの中で、「本年度からの中期経営計画の中で、液体紙容器を中心とするパッケージ事業を今後の中核事業の一つと位置づけている。紙でできることは紙で、というコンセプトを掲げる当社の強みを活かせる取組みの一つに、脱プラスチックへの対応もある。今後も『紙化ソリューション』を積極的に展開していく。今回の新しい紙容器無菌充填システム『NSATOM』が、従来の樹脂製容器に代わるものとして世の中に広がることを期待している」と述べた。  製品開発の背景にある社会環境の変化としては、環境問題(脱プラスチックや省資源など環境意識の高まり)、ライフスタイルの多様性(利便性のニーズ、嗜好の多様化、健康志向)などがある。
 健康志向に関してのデータでは、2008年対2017年の市場比較で、野菜飲料は26%増、豆乳飲料は108%増と伸びており、これらの飲料はパッケージの紙化率が高い。また、スムージー飲料の販売量は過去5年で154倍に急成長していると見られ、食感を持つ飲料のニーズが伸長している。しかし従来、固形物・長繊維入り・高粘度の中身を常温保存することは難しく、ほとんどがプラスチック容器だった。
 日本製紙では、健康志向や新しい食感とともに、持ち運びやすく好きな時に好きな場所で飲みたいという消費者ニーズの高まりを好機と捉え、過去3年間、集中的に経営資源を投入し、新飲料カテゴリー用の紙容器の開発を進めてきた。
 「NSATOM」は、固形物で6ミリ角以下、繊維長で8ミリ以下に対応する。同社の既存品(野菜飲料)では固形物はなく、繊維長は1.5ミリ以下にとどまっていた。
 また、口栓の採用で再封性があり、PETボトルと同様に持ち運びができる。口栓をコーナーに配置することで、中身の出しやすさを向上させた。業界最軽量の口栓はプラスチック使用量を大幅に削減している。
 従来のレンガ型紙容器ではなく、アイキャッチ性に優れた独自のデザインも採用し、店頭での差別化を図れる。
 また、1ラインで200ml、250ml、300mlの3種の容量バリエーションを製造できる。
 充填機の開発では四国化工機(植田滋社長、本社・徳島県板野郡)と提携した。NSATOMの充填機は、キルレート6(初期菌数100万分の1以下)という薬品製造レベルの高衛生性、充填部自動洗浄機能の採用による省力化、IoTを活用したメンテナンス支援(予防保全)などの特徴を持つ。
 日本製紙の大林保仁執行役員紙パック営業本部長は「1年以内に1、2台は実機を納入したい。東京五輪が行われる2020年には1億個のテクスチャー(食感)飲料を取りたい」と目標を示した。また、「海外市場にも積極的に打って出る。今までにない飲料が出てくるという期待もある」と述べた。
 国内の飲料向け紙容器市場を巡っては、凸版印刷がカートカンの売上げを伸ばし、大日本印刷は世界大手SIG社(本社スイス)との国内合弁会社設立で、無菌充填機による小型固形物も可能な口栓付き紙容器の提供に乗り出すなど、競争が激しくなっている。













【印刷新報2018年9月27日付掲載】
その他掲載記事
・特集・全印工連 高知大会
・兵庫県印刷工組 来年5月24日に設立60周年大会
・環境インターンに協力 ディグ など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年9月20日付
日印産連、女性活躍推進で拡大企画
将来リーダーのネットワークづくりへ


 日本印刷産業連合会の企業行動委員会女性活躍推進部会は、活動方針の一つに、「印刷産業に働く女性の連携を強化する」を掲げている。2018年度はこのテーマに重点的に取り組むことから、女性活躍推進部会拡大版プログラム「WAIGAYA」を企画し、試行実施する。
 2018年11月上旬、2019年1月中旬、2月下旬(合宿形式を予定)の3回シリーズで開催。日印産連10団体の会員企業から20名前後の女性リーダー層(経営者を含む管理職相当以上)を派遣してもらう。全日程に参加できることを条件として、仕事に前向きに取り組み、同プログラムで学んだことを自社に持ち帰って活用したいと考える積極的なリーダーを募る。
 同じメンバー同士で3回にわたり意見交換する機会を最大限に活かしながら、実施にあたっては、「活躍」、「推進すべき」といった堅苦しい内容ではなく、まずは互いに知り合い、将来に向けてのネットワークとなるよう、時間をかけて女性リーダー間の交流を深められる場としてプログラムを検討している。
 自社(団体)においても、女性をはじめとして誰もが働きやすい環境を作る旗振り役として、リーダーシップを発揮してもらえるきっかけ作りを目指す。
 会場は、会員各社の会議室や展示スペース、研修所を活用し、他社の訪問から刺激を受けることで、改めて自社を理解する機会ともする。
【目的】
・印刷業界の女性リーダーのネットワークの基礎づくり
・女性リーダーの力(アイデア)で印刷業界を魅力ある業界にする
・印刷業界で女性が活躍し、女性リーダーを継続的に輩出するための環境づくり
【プログラム概要】
第1回 ロールモデル(女性役員)の講演と施設見学、ネットワーキング
第2回 ダイバーシティ推進事例、討議「女性活躍で印刷業界を輝かせよう(仮)」
第3回 ロールモデル(女性役員)の講演と討議のまとめ












【印刷新報2018年9月20日付掲載】
その他掲載記事
・特集・SOPTECとうほく
・SDGsを軸に業界全体の信頼向上へ
 日印産連「2018年9月 印刷の月」記念式典
・第52回造本装幀コンクール表彰式 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年9月13日付
共同印刷/NISSHA
情報コミュニケーション事業で株式譲渡契約
両社の強みを活かし事業収益の改善へ


 共同印刷(藤森康彰社長、本社・東京都文京区)とNISSHA(鈴木順也社長、本社・京都市中京区)およびその子会社である日本写真印刷コミュニケーションズ(村瀬俊司社長、本社・京都市中京区)の3社は9月4日、日本写真印刷コミュニケーションズが東京地区において展開する情報コミュニケーション事業を共同印刷に譲渡することについて合意し、同事業を譲渡対象とする株式譲渡契約を締結した。
 同日午前11時から共同印刷本社において、共同印刷・藤森社長ほか役員とNISSHA・鈴木社長の出席のもと、記者会見を行った。

藤森社長(左)と鈴木社長

 共同印刷と日本写真印刷コミュニケーションズは2016年3月、資本業務提携契約および生産受委託契約の締結により、共同印刷への生産委託を旨とする協業関係を構築し、生産体制の再編や品質管理体制の確立、物流業務の合理化・効率化などに取り組んできた。今回、両社は現在に至る協業の成果に基づき、東京地区における出版印刷・商業印刷等の情報コミュニケーション事業の譲渡を実行することで一致した。
 日本写真印刷コミュニケーションズは、新たに設立する子会社に同事業を吸収分割(略式分割)し、2019年1月7日付でその株式の90%を共同印刷に譲渡し、10%を継続保有する。譲渡対象となる商圏は、日本写真印刷コミュニケーションズの東京地区における現状の売上高の約80%にあたる70億円規模であり、残りの20%は同社が継続する。譲渡対象となる事業基盤は、日本写真印刷コミュニケーションズの営業を中心とした社員約30名と有形無形の資産などから構成される。新会社の業務開始は来年1月7日を予定。
 今回の株式譲渡契約締結により、共同印刷は情報コミュニケーション部門の収益基盤を強化し、中期経営計画の達成を目指す。日本写真印刷コミュニケーションズは、東京地区の事業を縮小し、高精細で高品位な色調再現を活かせる分野を中心として関西地区に事業基盤を集約するとともに、成長分野である産業資材事業やディバイス事業等に注力していく。
 両社はそれぞれの強みを活かせる市場・事業領域に経営資源を適切に配分することにより、事業収益の改善を目指す。
 記者会見でNISSHAの鈴木社長は「生産提携により増益効果も出せた。商圏とお客様を譲る形で共同印刷さんにお願いする。未来志向の案件であり、業界にとっても意義のあるもの」と述べた。一部自社生産は行っているが、東京地区の情報コミュニケーション事業はもともと外注比率が高かったという。
 NISSHAの連結売上高における情報コミュニケーション事業の割合は約7.4%で、そのうち東京地区の売上高の80%を譲渡することから、今回譲渡する事業は連結売上高全体の約3.6%にあたる。
 東京地区では両社の取引先の重複も少ない。共同印刷の藤森社長は「当社グループ全体のプラスになる。加えて、(デジタル技術を活かした)クロスメディアの推進によりパイを大きくしていける。新会社にどう付加価値を付けていくかが重要だ」と述べた。











【印刷新報2018年9月13日付掲載】
その他掲載記事
・安倍首相が富士特殊紙業を視察
・IGAS2018トレンドを追う
 検査装置&無人化機器
・製本新時代へ革新を志す
 第58回全製工連全国大会 愛知大会など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年9月6日付
東京都、発注基準にGP制度を採用
グリーン購入ガイドの「水準2」に


 一般社団法人日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)が推進するグリーンプリンティング(GP)認定制度が、「東京都グリーン購入ガイド」の水準2に採用され、2018年4月から施行された。
 「東京都グリーン購入ガイド」は、東京都グリーン購入推進方針に基づき、東京都が環境に配慮した物品および役務を調達する際の基準。都の発注において推進することにより、環境配慮型製品の市場を拡大し、製造者の環境負荷低減に向けた取り組みを支援するとともに、都民・事業者や他自治体による環境配慮型製品の購入をさらに喚起する狙いがある。
 「東京都グリーン購入ガイド」には水準1と水準2があり、水準1は必ず考慮すべき事項、水準2は必須条件ではないが配慮することが望ましい水準となっている。対象には、印刷物(紙製の報告書類、ポスター、チラシ、パンフレット等)が含まれている。
 今年4月に改訂された「東京都グリーン購入ガイド」では、印刷物の環境配慮仕様(発注基準)のうち、水準2に新たに「(一社)日本印刷産業連合会によるグリーンプリンティング認定制度による認定を受けた工場で印刷されるものであること。」という基準が追加された。
 また、印刷会社は各工程における環境配慮の措置(グリーンプリンティング認定基準では必須項目)を求められているが、その措置の証明書として、「グリーンプリンティング工場認定証」の写しでもよいことが明記された。
 これらの改訂により、今後の東京都関連の印刷物の発注は、グリーンプリンティング認定工場であることを条件とする事例が大幅に増加するとともに、消費者へのコミュニケーションとして印刷物へのGPマーク表示が増えていくと予想される。さらに、都内の市・区役所、公的機関・施設や民間企業の印刷発注の条件として波及してものと考えられる。
 ◆東京都グリーン購入ガイドの【備考】の一部
 〔印刷の各工程〕については、仕様書に表1「オフセット印刷又はデジタル印刷に関連する印刷の各工程における環境配慮項目及び基準」を添付すること。また、納品時に表3「オフセット印刷又はデジタル印刷の工程における環境配慮チェックリスト兼証明書」を提出させること。なお、(一社)日本印刷産業連合会による「グリーンプリンティング認定工場」で印刷した場合には、認定証の写しの提出をもって表3の提出に代えることができる。










【印刷新報2018年9月6日付掲載】
その他掲載記事
・「9月 印刷の月」特集
・IGAS2018トレンドを追う
 デジタルラベル・3Dプリンタ
・ウエーブ、自動化システムを販売 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年8月30日付
〈東ト協 第40回出版物関係輸送懇談会〉
関連業界一丸での改革が急務に
約6割が出版物輸送撤退を検討


 一般社団法人東京都トラック協会(東ト協)の出版・印刷・製本・取次専門部会(瀧澤賢司部会長)が主催する第40回出版物関係輸送懇談会が8月21日に東京・四谷の東京都トラック総合会館で開催され、経営状況の悪化により出版物輸送からの撤退が現実味を帯びてきていることが訴えられた。版元・取次・書店・輸送が四位一体となった改革がもはや避けられない状況にある。
            ◇
 懇談会には東ト協の部会メンバーのほか、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本書籍出版協会、日本書店商業組合連合会、印刷業界からは東京都製本工業組合書籍・雑誌部会の金子誉部会長(共同製本)と大日本印刷の担当者らが出席した。
 通常は11月前後に開催されている同懇談会だが、出版物輸送を取り巻く環境が厳しさを増す中で、「とても11月まで待てない。一刻も早く実情を伝えるべきだ」との声が部会メンバーから挙がり、急遽8月に開催することになった。内容についても、従来は業量の平準化が話題の中心だったが、今回は「経営の岐路に立つ出版物輸送〜現実味を帯びる出版物輸送からの撤退」と刺激的なタイトルが掲げられ、経営の窮状が伝えられた。
 懇談会では、まず7月に実施した経営実態に関するアンケート調査の結果が報告された。
 調査は部会メンバー企業23社を対象に実施し、14社から回答を得たもの。業態としては「取次→店舗」9社、「版元→取次」4社、「両方とも」1社となっている。
 【出版物輸送で経営が成り立っているか】という問いでは、12社が「成り立っていない」と回答。【今後、労働時間等法令に基づく経営は可能か】についても12社が「不可能」としている。
 【ここ1〜2年で荷主から運賃の値上げがあったか】については、「取次→店舗」では過半数の5社が「あった」のに対し、「版元→取次」では4社すべてが「なかった」と回答している。
 【今後、出版物関係輸送を継続していくか】については「撤退する」が1社、「一部撤退する」が7社を占め、「継続する」は6社に止まった。
 経営が成り立たない理由としては、多くの企業が重量制運賃を理由として挙げた。出版不況によって業量が減少する中で、料金が業量に比例する従来の運賃体系は限界に達している。加えて、コンビニへの輸送についても負担の大きさを指摘する意見が多くあった。
 瀧澤部会長は、これまでマンパワーで対応していた現場の作業について、労働時間に関する規制が強まっていることから、「仕分けなどの作業部分についてはとても対応しきれなくなっている」と指摘。また国からも仕分け等については別途作業費を請求するように指導もされており、値上げについては避けられない状況にあることを訴えた。
 一方で、一時的な値上げでは業量の減少によって効果がすぐに相殺されてしまうため、各工程での効率化を図ることによって経費の削減も並行して行っていく必要性も説かれた。
 話を受けて雑協からは、運賃の値上げ等について理解を示す声もあったが、雑誌の価格にダイレクトに影響することへの懸念も指摘され、全体としては魅力ある本作りで業量の増加に努めていくという内容に止まった。
 取協からは「量に左右されない運賃体系について真剣に考え始める時期に入った」との指摘があったが、運賃の支払い原資は業量に比例するため実現のハードルは高い。また、作業効率化に関してはICタグの普及に期待する声もあった。
 東ト協の部会メンバーからは「物流業界では出版関係は納期が厳しい上に単価が安いため手を出してはいけないと思われている」との発言も飛んだ。一方で「創業から携わってきたので辞めたくはない。出版物輸送を定年までやりたいという従業員もいる」と苦しい胸のうちも明かされた。
 印刷業界としては、印刷工業会の出版印刷部会物流分科会で印刷・製本会社における輸送待機時間の問題について、取次会社と実務者レベルの会合の場を月一回のペースで設けている。
 この会合にオブザーバーとして参加している製本組合の金子部会長は「待機時間の問題について取次会社から各ヤードの待機時間の状況についてデータを出してもらい、その対策について膝を突き合わせて議論している。劇的に良くなることはないと思うが、議論の場があることは大変ありがたいことだ」と述べ、定期的に会合の場を持つ重要性を強調した。
 その話を受けて瀧澤部会長は「従来の土俵からステージを変えないとだめだ」と述べ、実務者を交えた話し合いの場を設けることで現場の意見を拾い上げ、出版物輸送の作業改善を一層図っていく必要を説いた。
 すでに限界に達している出版物輸送。関連業界が危機感を共有し、一丸となった取組みが急がれる。










【印刷新報2018年8月30日付掲載】
その他掲載記事
・フレキソ・ジャパン2018 開催
・IGAS2018トレンドを追う ポストプレス編
・インタビュー 全国青年印刷人協議会 青木允議長 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年8月23日付
〈第17回印刷産業環境優良工場表彰〉
経済産業大臣賞は池田印刷、トッパン・フォームズ関西
環境活動が高水準の仕組みに


 日本印刷産業連合会が主催する「第17回印刷産業環境優良工場表彰」の受賞工場が8月9日に公表された。経済産業大臣賞は、池田印刷株式会社京浜島工場(東京都大田区)とトッパン・フォームズ関西株式会社大阪桜井工場(大阪府三島郡)。今回、初めて経済産業大臣賞を2工場が受賞した。経済産業省商務情報政策局長賞はアインズ株式会社本社工場(滋賀県蒲生郡)。他に日印産連会長賞5工場、日印産連奨励賞8工場が受賞した。表彰式は、9月12日にホテルニューオータニ東京で開催される「2018年9月 印刷の月」記念式典の席上行われる。
 審査委員会の総評は次のとおり。
 「一般部門、小規模事業所部門を合わせ計57工場から応募があった今回は、ISOや自社独自の仕組みを環境マネジメントシステムとして運用し、PDCAを回しながら活動を継続的に進めている工場の評価が総じて高く、中でも大臣賞の2社は規模の違いはあるものの、それぞれ業界の模範となるレベルの高い活動を展開している。
 また、その他の会社も廃棄物の削減、省エネ、GP認定品の採用や地域の環境問題への積極的な参画など、自主的な取組みが機能して成果を上げているところが多く、今後も業界内で水平展開できるモデル事例としての活用が望まれる」
 小規模事業所部門からの応募では初の大臣賞受賞となった池田印刷の京浜島工場は、1983年に操業開始した工業専用地域にある正規従業員15名の事業所で、商業印刷物等の刷版から印刷、製本加工を行っている。第4回(平成17年度)から応募し、第6回奨励賞、第9回特別賞、第11回会長賞、第14回局長賞とランクアップしてきた。
 審査委員会からは「前回(29年度)よりさらに活動が進み、特にCO2削減や作業環境管理・改善に関しては高いレベルにある。また小規模事業所ではあるが、屋上の緑化や太陽光パネルの設置など環境投資も積極的に行っている。経営者の環境への強い意志が感じられ、従業員にもさまざまな活動が浸透しており、大企業と比べても遜色ない環境活動を行っている」と評価された。
 トッパン・フォームズ関西 大阪桜井工場は、2014年に全面改築した準工業地域にある正規従業員351名の工場で、ビジネスフォーム、データプリントサービス等の製版から印刷・印字、加工工程まで総合的に行っている。
 審査委員会では次のように高く評価した。「ISO14001を2004年12月に取得し、その後も継続して認証を更新する中で、環境マネジメントシステムが定着しており、環境側面の抽出から目標設定、月次の環境関連会議での目標達成状況の報告・評価と見直しが行われ、環境の取組みが仕組みとして回っている。また、廃棄物の約90%を占める重量損紙の削減活動では、巻取紙装着時の表面引き裂き極小化に積極的な活動を図り、グループの複数工場の中でトップの削減実績を上げている。工場の全面改築から短期間で成果を上げ、工場内の活動に留まらず周辺の環境対策にも積極的に取り組み、地域の環境改善にも貢献していることは業界の模範となる」


















【印刷新報2018年8月23日付掲載】
その他掲載記事
・HOPE2018特集
・人材力強化を支援 東印工組
・drupa2020、順調に準備進む など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年8月9日付
全国グラビア、石原議員に要望書託す
持続可能な業界への転換を


 全国グラビア協同組合連合会の田口薫会長、安永研二副会長、村田英雄専務理事、東包印刷の顧問弁護士を務める柴田里香氏は7月10日、衆議院第一議員会館に自民党税制調査会副会長などを務める石原伸晃議員を訪ねた。親事業者および発注先から不当な取引を強いられ、このままでは企業存立が脅かされかねない実情を訴え、持続可能な軟包装グラビア印刷業界へと転換するために必要な5項目の要望を盛り込んだ要望書を手渡した。

全グラ田口会長(左)と石原衆議院議員

 田口会長は、中小企業の事業承継に配慮した税制措置が講じられていることに感謝の意を表しつつも、「勝者なき過剰品質に起因する儲からない企業体質では事業承継もおぼつかない、事業承継を確かなものとし、雇用を確保し、食品や飲料等のサプライチェーンの中で重要な役割を果たしている軟包装材の安定供給のためにも、全グラ組合員が置かれている窮状をご理解いただき、善処していただきたい」と述べた。
 続いて、安永副会長が「多品種・小ロット・短納期の儲からない三重苦に加え、脆弱な川中産業としての苦境、道理を逸した異常なまでの品質要求がもたらす不毛なクレームによるシワ寄せ、フィルムや樹脂等の石化資材や物流費の上昇を100%吸収しきれていない現状にあっては、食品を保護し、安全・安心な状態で消費者に届けるという社会的なインフラを担っているにもかかわらず、ハイリスク・ローリターンな業種となってしまっている」と説明。さらに、中小企業の脆弱さを理解していない取引事例が多く、それを糺すための制度が十分ではないと訴えた。
当日の要望事項は次の5点。
@時代に即した独禁法(優越的地位の濫用・下請法)の改善
A親事業者の禁止行為を含むガイドライン内容の充実
B相談、申告の負担軽減化およびサポート
C下請中小企業振興法(下請振興基準)の大手企業への配布・啓蒙
D外的要因による資材価格上昇の際には、消費税と同様の価格転嫁措置
 要望を受けて石原議員は「商業活動、経済活動の中で、大きい者が小さな者に牙をむいたり、優越的地位を誇るというのはいつの世もあるが、そんなことを許していては国民は幸せにならない。しっかりと受けとめたい」と述べた。

















【印刷新報2018年8月9日付掲載】
その他掲載記事
・全日シール第60回年次大会 「IGAS大会」に360名
・マーチングEXPO2018 温泉メディアと新たに連携
・新理事長に聞く
 山形県印刷工業組合 大風亨理事長
 富山県印刷工業組合 濱 尚 理事長 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年8月2日付
〈FAPGA国際印刷フォーラム〉
アジア各国が情報交換 デジタル印刷の課題など討論


 日本印刷産業連合会は、IGAS2018初日の7月26日午後、東京ビッグサイト会議棟で「FAPGA国際印刷フォーラム2018東京」を開催した。基調講演、アジア主要国の印刷業界の現状報告、デジタル印刷に関するパネルディスカッションなど充実した内容で行われ、情報の共有と意見交換を行った。

「デジタル印刷」をテーマにパネルディスカッション

■パッケージ分野の成長性に注目
 今回、FAPGAアジア印刷会議(7月26〜28日)がIGAS2018に合わせて開催されたことから、国際印刷フォーラムが企画された。
 FAPGA(Forum of Asia Pacific Graphic Arts)は、アジア地域における印刷産業の発展と協力関係の構築のために設立されたFAGATを母体とし、2013年からFAPGAに名称変更。2009年の第11回(東京開催)から日印産連が日本の代表機関として参加している。現在の加盟国は12ヵ国。
 FAPGA国際印刷フォーラムでは、米国印刷技術協会のセイヤー・ロング会長が「印刷産業におけるイノベーションと世界の動向─出版/商売/パッケージ分野」と題して基調講演を行った。
 米国では全世代でソーシャルメディアの利用率が年々高まっているが、一方で、ソーシャルメディア疲れも増大しており、印刷とオンラインが相互に高めあう動きが出ているという。また、今後の成長分野としてパッケージ分野を上げた。均質な世界になるほど、パッケージが差別化を生み、収益をもたらすと見る。
 ロング氏は「消費者のポジティブな体験に貢献できれば、印刷には多くの機会と市場がある。量(頁数)を追うのではなく、高い価値を創り出し、提供するために、いま行動することが必要だ」と講演を結んだ。
 各国の現状報告を行ったのは、オーストラリア、中国、インドの3ヵ国。
 オーストラリア印刷連合会のウォルター・カーン会長は、同国でもパッケージ産業への投資が活発であり、2018年から2023年の年平均成長率1.5%の見通しを示した。
 中国印刷技術協会の朱敏副理事は、従来型の印刷事業の成長が鈍化する一方、デジタル印刷が急速に発展していること、国の指針に基づき環境配慮型印刷の収益が増大していることを報告した。
 インドのドートオフセットテクノクラフツ社、テュシャー ドート社長は、印刷産業がインドで最も成長率の高い産業の一つであり、2015年から2020年までの年平均成長率は7.8%の見通しであると報告した。
 パネルディスカッションには、オーストラリア、中国、インド、マレーシア、ネパール、フィリッピンの6ヵ国の代表が参加し、FAPGAのピーター・レーン会長(オーストラリア)も加わった。モデレーターは日印産連の石橋邦夫部長が務めた。  デジタル印刷の状況を報告した後、導入の課題、有望な市場について話し合った。オーストラリアを除けば、まだ各国とも普及度が低く、知識も不足しているのが現状で、コスト面での課題もある。一方で、デジタル印刷への期待は大きい。
 インドの代表は「フォトアルバムや教材などで活用が進んでいる。いずれ、すべての印刷物はデジタルで可能になるだろう」、マレーシアの代表は「ネット受注とセットで考えることが必要だ。運用コストが下がれば、多くの会社が乗り出し、オフセットを侵食していくのではないか」と述べた。
















【印刷新報2018年8月2日付掲載】
その他掲載記事
・IGASに5万5863人が来場 新たな印刷の価値を提示
・国際リニアコライダーを東北へ
・藤井治夫氏の旭日双光章を祝う など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年7月26日付
〈真生印刷/デジタル総合印刷〉
MRで実物イメージを投影 設備導入を大幅に効率化


 真生印刷(河内克之社長、本社・大阪府堺市)とデジタル総合印刷(河内克之社長、本社・大阪市東住吉区)は7月20日、日本マイクロソフトのMR(複合現実)デバイス「HoloLens(ホロレンズ)」の技術を活用し、大型機械・設備の導入を大幅に効率化するアプリおよびサービス「MR設備導入シミュレーション」を独自開発し、サービス提供を行うと発表した。両社ともすでに設備導入シミュレーションの実績を持つ。

現実の工場内に大型印刷機の3Dイメージを実物大で投影

■機械設置後の課題を事前に検証
 真生印刷は、印刷事業を中心に企画・物流・システム開発までソリューションビジネスを展開、デジタル総合印刷も印刷事業に加えて、AR/VR/MR/3Dコンテンツ企画・制作、インターネット関連ビジネス、各種データ処理、ソフト開発などを手がける。
 このたび両社が共同開発した「MR設備導入シミュレーション」は、仮想空間と現実とを融合し体験できるヘッドマウントディスプレイ方式の拡張現実ウェアラブルコンピュータデバイス「Microsoft HoloLens」を活用する。現実の工場内に3Dデータを重ねて表示することにより、大型機械・設備などの導入に際して、レイアウトや作業効率を事前に検証でき、リスクの回避につながる。
 真生印刷では、小森コーポレーションの菊全判オフセット枚葉印刷機「LITHRONE GX40」の導入にあたり、同社から提供された設計データに基づいて「MR設備導入シミュレーション」のアプリを活用し、現実の工場内に3Dで印刷機の導入イメージを投影。実際に機械導入に役立つシミュレーションを行った。
 また、デジタル総合印刷では、パートナー企業のラティス・テクノロジー(鳥谷浩志社長、本社・東京都文京区)が開発したウェブシステム「XVL」を活用し、約30メートルの巨大な印刷機の3Dデータを、品質を劣化させることなく100分の1以上に軽量化。「Microsoft HoloLens」で実物大に表示させる成功事例を実現している。
 「MR設備導入シミュレーション」では、印刷会社の工場内などに、大型印刷機の3Dイメージを実物大で自由に設置できる。すでに導入済みの設備と導入予定の設備との干渉、実際の作業にあたって課題となりそうな箇所を、導入前にさまざまな位置から確認できる。作業現場などへ設備を導入する際の業務を大幅に削減するとともに、導入後のスムーズな作業環境の整備を実現する。
【超軽量3Dフォーマット「XVL」について】
 XVL(eXtensible Virtual world description Language)」は、XML(eXtensible Markup Language)」をベースにした超軽量3Dフォーマット。XVLを用いることで、3D CADなどで生成された3Dデータを数百分の1にまで軽量化することが可能。また、メモリ容量が少ない環境でも、大容量の3Dデータなどを高速表示する技術を実装することで、ネットワーク環境を活用した3Dデータの共有を実現できる。
 さらに、「形状」と結びついた製品構成や属性データなど、製造で必要とされる各種情報を含めることができる。















【印刷新報2018年7月26日付掲載】
その他掲載記事
・「胆管がん問題」で啓発書 中災防
・東洋美術印刷・オープンハウス
 社内デザイナーが作品発表
・印刷博物館 「活版印刷三日月堂」とコラボ企画 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年7月19日付
政府が外国人材受入れ拡大で
「業種別受入れ方針」の策定へ


 政府の「骨太の方針2018」(経済財政運営と改革の基本方針)に「新たな外国人材の受入れ」が明記されたことを踏まえ、経済産業省は12日、製造業関係者への説明会を同省本館で開催した。
 外国人材の受入れに関しては6月15日の閣議決定において、中小・小規模事業者をはじめとした深刻な人手不足に対応するため、専門的・技術的分野に限らず、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する必要があるとされ、新たな在留資格の創設などが方針として示された。
 今回の説明会では、IT投資・働き方改革等を通じた生産性向上や国内人材の確保などの取組みを推進してもなお、業種の存続・発展のために外国人材の受入れが必要と認められる業種であれば、業種別の受入れ方針等を策定した上で新制度の対象となり得ることなどが説明された。
 政府は今後、在留期間の延長や技能実習対象職種の追加などを検討していく。在留期間の上限を通算5年とし、家族の帯同は基本的に認めない方針だが、滞在中に一定の試験に合格するなどより高い専門性を有すると認められた者については、上限を付さず、家族帯同も認めるなどの資格上の措置も検討する。
 想定されるスケジュールは、入管法改正により就労を目的とした「新たな在留資格」を創設。政府基本方針(閣議決定)で、受入れに関する「業種横断的な方針」、および業種の特性を考慮した「業種別受入れ方針」を決定する。早ければ来年度以降、「業種別受入れ方針」に基づき、外国人材の受入れを開始する。
 現行の技能実習対象職種は77職種139作業があり、印刷職種(オフセット印刷作業)、製本職種(製本作業)、紙器・段ボール箱製造職種(印刷箱打抜き作業など4作業)も含まれる。














【印刷新報2018年7月19日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018特集3
・災害対策窓口を設置 全印工連
・新理事長に聞く
 群馬県印刷工業組合 石川靖理事長
 山梨県印刷工業組合 山内幸雄理事長 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年7月12日付
日印産連、IGASに「JPEX」を出展
日本を代表する製品を紹介、印刷産業の拡がり示す


 日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)は、加盟10団体と協力し、7月26日から31日まで東京ビッグサイトで開催される国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展「IGAS2018」にJPEX(Japan Printing Exhibition)ブースを出展し、日本の印刷産業を国内外にアピールする。
 JPEXは、ガレリア会場と東2-11会場の2箇所に設営される。
 ガレリア会場では、日印産連主催の4大コンクール(全国カレンダー展、全国カタログ展、造本装幀コンクール、ジャパンパッケージングコンペティション)、全日本シール印刷協同組合連合会のシールラベルコンテスト、全日本印刷工業組合連合会のメディア・ユニバーサルデザインコンペティションなど、各分野におけるコンクールの優秀作品を中心に展示を行う。幅広い分野の、日本を代表する優れた印刷製品を一堂に見ることができる。
 東2-11会場では4つのコーナーを設け、印刷産業の「広がり」、「取り組み」、「情報発信」、「コンテスト」を紹介する。
 また今日、国連の推進するSGDs(持続可能な開発目標)が注目を集めているが、印刷業界は早い時期から環境への取り組みやCSR、女性活躍など幅広い分野に力を入れてきている。そうした業界の活動を「印刷産業の取り組み」として紹介する。
 さらに、日印産連の加盟10団体の中では、印刷業界のさまざまな情報発信を行っており、ホームページの中でそれぞれの団体の特徴的な技術の紹介を行っているところもある。
 今回は、日本グラフィックサービス工業会の「ジャグラBB」、日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会の「GCのトビラ」、全日本製本工業組合連合会の「製本の引き出し」、全日本光沢化工紙協同組合連合会の「光沢加工とは」といった業界関係者にとっても参考になるコンテンツの紹介を行う。
 このコーナーでは、全国グラビア協同組合連合会が作成した「品質判定ガイドライン〜軟包装(インキ抜け)」も紹介する。軟包装におけるインキ抜けの品質判定の基準に活用でき、本当にあるべき品質基準とはどのようなものなのかを問いかける。
 また、印刷産業で開催されているコンテストは非常に多岐にわたるため、ガレリアだけでは展示しきれない。そのため、作品を東2-11会場のブースでも展示する。
 日印産連では「JPEXブースをご覧いただくことで、印刷業界の多様性と、その多様性によってもたらされる数多くの可能性を少しでも感じていただきたい。印刷業界の中にいても知らない分野はあり、新しい発見が期待できる」とコメントしている。













【印刷新報2018年7月12日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018特集2・暑中特集
・新理事長に聞く
 長野県印刷工業組合 藤森英夫理事長
・創立70周年を迎え感謝の集い 文星閣 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年7月5日付
〈中小企業庁「取引条件改善状況調査」より〉
印刷業、価格転嫁が重要課題 発注者への申入れも低い割合


 中小企業庁は、下請など中小企業における「取引条件改善状況調査」の結果をとりまとめ、このほど発表した。直近1年以内の改善率(改善された事業者の割合)について、「不合理的な原価低減要請の改善」に関しては印刷業が54%と業種別の1位だった。一方、「製品等の価格への転嫁」では、印刷業が労務費、原材料価格、エネルギー価格とも「転嫁できなかった」で業種全体の平均を大きく上回っている。
           ◇
 世耕プランで重点3課題とされた「不合理な原価低減要請の改善」、「型の廃棄・返却の適正化」、「下請代金の支払条件の改善」に関する直近1年以内の改善率で、「不合理な原価低減要請の改善」(※直近5年以内に合理的な説明のない原価低減要請を受けた受注側事業所のうち、直近1年以内に改善された事業者の割合)では「印刷」が54%と業種別の1位。全体平均の38%を大きく上回った。「紙・加工品」も50%と高かった。一方、「下請代金の支払条件の改善」(※下請代金を手形等で受け取っている受注側事業所のうち、直近1年以内に下請代金の支払条件改善提案のあった事業者の割合)に関して、印刷業は8%と全体平均の11%を下回る。
 取引上の課題を受注側事業者に聞いたところ、製造業全般の傾向と同じく、印刷業(回答数50社、複数回答)は「コストを取引価格に転嫁できない」が66%と最も高く、次いで「業界独自の商慣行」36%、「合理的な理由のない価格引き下げ」20%、「価格交渉に応じてくれない」20%と続く。
 製品等の価格への転嫁(受注側事業者)に関して、印刷業における「転嫁できなかった」事業者の割合は、労務費で69%(全体平均48%)、原材料価格で47%(同35%)、エネルギー価格で58%(同45%)。労務費とエネルギー価格で業種別の1位、原材料価格で2位となった。
 労務費上昇分を価格転嫁できなかった理由(複数回答)としては、製造業の66%が「発注側事業者に協議を申し入れることができなかった」と回答している。「協議したが転嫁が認められなかった」は15%、「協議を申し入れたが応じてもらえなかった」は7%と低い割合。
 その一方で、労務費上昇に伴う取引価格の見直しについて、発注側事業者(回答505社)の99%が受注側事業者から要請があった場合は「協議に応じている」と回答。さらに、そのうち98%の事業者が「取引価格に概ね、または一部反映した」と回答している。
 中小企業における、従業員1人あたりの残業時間のうち、最も長い1ヵ月の残業時間数については、「45時間以下」68%、「45時間超〜60時間」18%、「60時間超〜80時間」10%など。45時間超と回答した割合が高い業種で、印刷業は「運送・倉庫」「自動車」「産業機械」に次いで4番目(「情報・サービス」と同率)となっており、回答428社のうち146社(34%)が45時間を超える。
 長時間労働につながる商慣行等(自由記述式)で、印刷業は「短納期」37件、「年度末に集中」4件、「季節性」1件となっているが、中小企業庁では、他業種に比べて「印刷業では公共工事や官公需発注の『年度末集中』が課題という回答が多い」と分析している。
 運送業においては「待機時間」という回答が圧倒的に多い。  時間外労働の上限規制が導入された場合の受注側中小企業の取引上の影響(複数回答)では、「納期遅れなどのトラブル」50%、「売上機会の逸失」44%、「外注の増加による利益の圧迫」39%、「その他」18%となった。  中小企業が人手不足への対応として検討している事項(複数回答)は、「従業員が複数業務を兼務」が47%と最も多く、「残業を増やす」36%、「外注量を増やす」34%、「同業他社と連携」28%、「高齢者を採用」27%、「受注量を減らす」26%、「設備投資やIT投資で効率化」17%、「外国人を採用」11%、「その他」9%の順。
 このうち、「設備投資やIT投資で効率化」と回答した事業者の比率は、大企業(48%)に比べて中小企業(17%)は大幅に低い。

【調査概要】
 2016年9月に策定された「未来志向型の取引慣行に向けて」(世耕プラン)に基づく関係法令の基準改正の浸透状況等を調査する目的で実施。中小企業が現在直面している人手不足や働き方改革の状況なども併せて調査した。
 6万6600社(受注側6万450社、発注側6150社)に調査票を発送し、1万6484社から回答を得た(うち大企業は約6%)。対象業種は製造業、サービス業、建設業、卸・小売業の全19業種。調査期間は2018年1月〜3月。
 印刷業では2074社に調査票を発送、受注側441社、発注側52社の計493社が回答した。












【印刷新報2018年7月5日付掲載】
その他掲載記事
・第52回造本装幀コンクール 入賞22点が決定
・新理事長に聞く
 青森県印刷工業組合 澤田義治理事長
 熊本県印刷工業組合 徳永昌二理事長
・障がい者、高齢者向け保険事業を開始 野毛印刷社 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年6月28日付
全印工連、『事業承継ガイドブック』を発行
タイプ別に解決策、多様な承継事例も紹介


 全日本印刷工業組合連合会 経営革新マーケティング委員会(福田浩志委員長)は、中小印刷会社にとって重要な経営課題である事業承継の課題解決を目的とした『印刷業界のための事業承継ガイドブック』を刊行した。マンガやイラスト、フローチャートを使い、事業承継の必要性と各社の現状に合わせた対策についてわかりやすく解説している。6社の実例紹介もある。今後、ガイドブックを基にしたセミナーも開催していく。各社の事業承継はもちろん、中小印刷会社の貴重な経営資源を業界内で有効に引き継いでいくことが期待される。

印刷業の特徴に配慮した

 帝国データバンクの調べによると、全国の企業を対象にした2017年の「休廃業・解散」件数は2万4400件、「倒産」(8376件)の実に約2.9倍に上っている。また、「休廃業・解散」した企業の代表者の年齢は、「70代」(44.8%)が最多となり、前年まで最多だった「60代」と入れ替わった。
 これは中小印刷業界でも同様の傾向であり、事業承継問題は印刷産業における最優先課題の一つとなっている。後継者難から廃業を選択する企業が増えることは、各社の顧客、従業員、設備、財産、信用、技能、ノウハウなど大切な経営資源が流出することを意味し、印刷産業全体の活力の低下にもつながる。
 事態の重要性を重く受けとめた全印工連では、かねてから事業承継問題の解決に向けた研究を進めてきた。2017年3月には提携先の山田コンサルティンググループ内に「事業承継支援センター」を設置し、他業界に先駆けた取組みが注目を集めた。同センターにはこれまで40件以上の相談が組合員から持ち込まれている。
 さらに経営革新マーケティング委員会 経営イノベーション部会では、事業承継の悩みを抱えているが誰にも相談できない企業、どう対処していいかわからない企業等の悩みを解決すべく、ハッピーリタイアやM&Aも含めた多様な選択肢を示したうえで、最適な手段を知り、実行に移すためのツールとして、『印刷業界のために事業承継ガイドブック』(A4判、128頁、山田コンサルティンググループほか監修)を編集・発行した。
 現状では事業承継の必要性を感じていない企業にも、早めの承継準備が重要であることを認識してもらい、取組みを促す啓発書ともなっている。
 ガイドブックの副題に「あなたの会社はどのタイプ?」と付いているとおり、診断フローチャートを使って、自社に合った課題解決のケースを選び、該当ケースの解説を集中的に読むことができるのが大きな特徴だ。ケースは「事前の株価対策で悩みを解決」「株式分散は時限爆弾?」「第三者承継でハッピーリタイア」「事業戦略としてのM&A」など8つ。イラスト、図解を多用していて理解しやすい。
 導入部分では、事業承継の必要性、印刷業界における事業承継の特徴などを解説している。  事業承継を行った経営者への「実例インタビュー」では、システム印刷、nakabi、伸和、城南村田、プライズコミュニケーション、菊地秀美堂の6社を取り上げた。
 同書の頒布価格は組合員3000円、一般5000円(ともに税込、送料別)。申込みは各都道府県印工組事務局まで。全印工連ホームページからも申し込める。
 経営革新マーケティング委員会では、ガイドブックを活用したセミナー開催も実施する。すでに東京では7月9日、11月8日(日本印刷会館)に決定しているほか、全国各地での積極的なセミナー開催を促していく。











【印刷新報2018年6月28日付掲載】
その他掲載記事
・「モデル就業規則」を改訂 東印工組
・塚田会長を再選 JAGAT
・販促ツールを一堂に
 共栄メディア プライベートショー など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年6月21日付
精英堂印刷、世界初のVOCフリー印刷実演
ローラー洗浄時も発生なし


 一般社団法人日本WPA(田畠久義会長)は、第8期定期総会を6月8日に福島市のキング印刷本社で開催し、併せて会員企業2社の工場見学会を実施した。総会の議事を終えた後、5台の印刷機すべてをLED-UV印刷で運用するキング印刷の工場を見学。さらに、バスで山形県米沢市の精英堂印刷に移動し、世界初のVОCフリー印刷の実演を見学した。

参加者から驚きの声が上がった工場見学会

 精英堂印刷では、水系洗浄剤で洗浄可能な水なしUV印刷の実演・見学会を行った。水溶性UVインキ(3Wインキ)を使用した世界初のVОCフリー印刷の公開となり、究極の環境対応の効果をVОC濃度測定で実証した。
 同社の井上吉昭社長は「同業の方々には、ぜひこのインキを使っていただき、普及することになればうれしい」と話した。
 使用する3Wインキは、T&K TOKA製の「UV171TR」(今夏発売に向け準備中)で、東レが開発した親水性ポリマーを主原料としている。フレキソ印刷やグラビア印刷における水性インキは、原料にアルコール系のVОC発生原因となる化学物質が含まれるのに対し、水溶性インキは、インキ中にもVОC発生成分は含まれない。また、VОCフリーの水系洗浄剤を使用できることから、ローラー洗浄時にもVОCを発生しない究極の環境対応印刷と言える。
 実演は、ハイデルベルグの「スピードマスターXL105-6+LX+UV」で行い、通常のUVインキと同等の性能と作業性が確認できた。
 印刷後のローラー洗浄時のVОC濃度測定で、VОCフリーの水系洗浄液では、洗浄時も洗浄前と同じ45ppm程度であったのに対し、通常の洗浄液を使用した洗浄では、1000ppm以上まで上昇し、見学者から驚きの声が漏れた。
 精英堂印刷では、軟包装印刷での採用を目標にVОCフリー印刷の技術開発を進めている。










【印刷新報2018年6月21日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018特集 第1集
・新理事長に聞く
 宮城県印刷工業組合 針生英一氏
・紙の新たな可能性追求 TAKEO PAPER SHOW2018 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年6月14日付
〈中小印刷産業振興議員連盟〉
知的財産権取引の活動支援 実効性確保へ実態把握


 中小印刷産業振興議員連盟(中曽根弘文会長)の総会が6月6日、東京・永田町の自由民主党本部で開催された。全日本印刷工業組合連合会および全日本印刷産業政治連盟から官公需活動の取組み状況が報告され、意見交換が行われた。知的財産権の財産的価値に対する理解促進や、最低制限価格制度を中心とする入札制度の改善等について、自民党議員の理解と今後の活動に対する協力・支援の後楯を得るとともに、出席した省庁の幹部からも、全国自治体への周知徹底に向けた方策を進めていく旨、発言があった。

官公需取引の実態を説明し各種要望を行った

■全印工連、自治体への周知徹底を求める
 開会にあたり議連の中曽根会長は「知的財産権の適切な取扱いは重要な問題。徹底されるように取り組んでいく」とあいさつ。伊藤達也幹事長も「実効性を確保し、実を上げていくために本日はしっかり議論したい」と述べた。
 また、全印工連の臼田真人会長は「われわれの調査からは全国の自治体への周知・啓発の不足が浮き彫りになった。また、最低制限価格制度や地元優先発注の問題とセットでないと実効性がない。ぜひご助言ご支援をお願いしたい」と業界を代表してあいさつした。
 続いて、全印政連の生井義三幹事長から、官公需活動の取組み状況が報告された。
 知的財産権の取扱いについては、平成29年度の中小企業者に関する国等の契約の基本方針に「知的財産権の財産的価値」が明記された。基本方針の発表を受けて全印工連では、知的財産権の適切な取扱いに関する啓発冊子を作成し、各都道府県印工組に対して地元自治体への働きかけを要請し、情報の共有にも努めてきた。
 全印工連が47都道府県印工組に実施したアンケートによると、地元自治体に「啓発活動を実施」した工組は59.6%、「今後実施予定」が8.5%、「検討中」が19.1%、「活動していない」が12.8%となった。
 具体的な活動方法については、「工組独自に活動」18工組、「関係機関の支援を受けて活動」10工組、「今後活動する」5工組、「検討中」8工組。
 啓発活動を受けて検討に入る自治体も見られる一方、「どの部署もほとんど関心がない」自治体もあるなど、温度差が大きいのが実情。
 生井幹事長は「好事例は散見されるが、まだまだ周知・啓発が不足している。特に市区町村へはまったくできていない。他県で対応していないため、当面、現行の発注方法を踏襲するなど、国の基本方針の遵守に消極的な自治体も多い。横並び意識が阻害している」と指摘した。
 課題解決に向けては、全印工連の自助努力はもちろん、自治体への周知・啓発の強化、定期調査で収集した好事例の県等への情報提供、契約書や仕様書に利用できるコンテンツ版バイ・ドール契約の自治体向けの雛型作成などを国にも求めた。
 さらに、適正価格の実現について、最低制限価格制度が導入されていない府県が22あること、導入済みの都道府県でも運用上の多くの問題があることを報告し、適用金額の30〜50万円あたりまでの引下げ、予定価格に対する設定率の80%以上への引上げ、根拠のある予定価格の算出方法の採用などを強く求めた。
 意見交換では、知的財産権の適切な取扱いについて中企庁課長から「全国で実施している(国の契約の基本方針の)説明会で周知はしている。強制力はないが、閣議決定文書なので、遵守を求めていく」、総務省課長からも「地方公共団体にとっての努力義務であり、財産的価値への留意は第一項目だ」と発言があった。
 最低制限価格制度や地元優先発注について、中曽根会長から実施していない県の名前を求める場面もあった。中企庁課長は「説明会で最低制限価格制度など未導入の県名を特に挙げることは可能だ。今後も好事例をシェアしながら周知に努めていきたい」とコメントした。
 臼田会長は「特に地方の印刷会社は官公需で成り立っている。地元優先発注かつ適正な予定価格の算出がなければ地方経済は回らず、雇用も守れない。デフレを官公需が引っ張っている現状もある」と発言。
 宮下一郎事務局長は「行政がデフレのスイッチを押すことがあってはならない。ダンピングはデフレの元凶だとぜひ広めてほしい。適正な予定価格の算出や最低制限価格の問題は、産業横断的に取り組むべき課題だ」と言及した。
 伊藤幹事長から「(全印工連が実施したような自治体の取組みに関する)調査を政府が一緒になってやることはできないか。実施できるなら、自治体への影響力は大きい」という質問に対しては、経産省課長が「いろいろな方法を検討していきたい」と回答した。



















【印刷新報2018年6月14日付掲載】
その他掲載記事
・「CMYK」プロジェクト発進
 全印工連、対外広報戦略を本格化
・富士ゼロックス、神奈川県海老名に「Future Edge」開設
・NTT印刷、「可変潜像印刷技術」で特許 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年6月7日付
紙器事業者、デジタル印刷機の導入は25%
サンプル・校正用途での稼働多く


 矢野経済研究所は5月28日、紙器分野におけるデジタル印刷の導入実態に関する調査結果概要を発表した。
 デジタル印刷機を導入している紙器事業者の割合は25.9%。また、未導入事業者43社に対して、今後の導入意向を聞いたところ、「必要性は感じるので、いずれは導入を検討」18.6%、「必要性は感じるが、導入は考えていない」41.9%、「必要性を感じないため、導入は考えていない」39.5%という結果となり、必要性を感じている事業者が約6割を占めた。デジタル印刷機導入に対する潜在的なニーズは高い。
 導入事業者の割合が4分の1を占めたことに対し、矢野経済研究所では次のように分析している。
 「実際の市場におけるデジタル印刷機の活用状況に比べ、高い比率となった印象だが、これは、アンケート集計結果の中に、サンプル・校正用途で使用していると推測される大判インクジェット機のみ保有している事業者や、紙器以外の印刷物のみで活用していると回答した事業者が含まれているためと考えられる。
 この考察を裏付けるように、導入しているデジタル印刷機のタイプについては『大判インクジェット機』が半数近い割合でトップ、用途については『生産機、サンプル・校正用途の両方で使用』が6割、品目については『紙器』のみでデジタル印刷機を稼働させている事業者は2割しかいないという結果となった」
【調査要綱】全国の紙器事業者およびその他関連企業を対象に、2018年3月から4月にかけて直接面接取材および郵送によるアンケート調査を行った。有効回答企業数は58社。
 紙器分野におけるデジタル印刷市場とは、紙器(主に外装用途で使われる紙製の箱)を対象とし、商業用デジタル印刷機で印刷された市場を指し、有版の印刷機で印刷された紙器は含まない。


















【印刷新報2018年6月7日付掲載】
その他掲載記事
・特集 第60回ジャグラ文化典
・インタビュー 全製工連・新会長 田中眞文氏
・印刷インキ工業会 70年目の節目祝う など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年5月31日付
〈電子出版制作・流通協議会〉
「電流協アワード」を創設 海賊版サイト対策にも本腰


 一般社団法人電子出版制作・流通協議会(杉本尚彦会長、略称・電流協)は5月22日、平成30年度定時社員総会を東京・文京区のトッパン小石川ビルで開催した。任期満了に伴い新理事を選任、理事会で鎌仲宏治氏(凸版印刷執行役員情報コミュニケーション事業本部出版営業統括)が新会長に就任した。
 新たに創設した「電流協アワード」の第1回表彰式も行い、大賞の「Magaport記事サービス(電通/富士山マガジンサービス)ほかが表彰された。
 第8期(29年度)は、電子出版の制作や流通に関わるビジネスにおける課題の整理と研究を継続。28年度まで3ヵ年にわたり総務省から受託した「電子書籍のアクセシビリティを確保するための調査研究」の普及活動も展開した。また、電子書籍市場の活性化を目的として「電流協アワード」を創設した。
 第9期は、「海賊版サイト対策研究ワーキンググループ」(仮称)を新設し、電子出版流通の立場から、各ステークホルダーと連携を取りながら海賊版サイト対策を検討する。
 委員会の再編も行い、新たな名称で「デジタル印刷・オンデマンド制作流通部会」、「電子図書館・コンテンツ教育利用部会」、「次世代出版コンテンツ流通研究会」等の活動を展開していく。
 電流協アワードは今年度も実施の方向。
 この日の懇親会であいさつした鎌仲宏治新会長は、電流協の活動の拡がりに触れた後、「海賊版の問題が起こり、電子だけでなく紙の市場にも多大な影響を及ぼしている。政府も対策を打ち出したが、予断を許さない。政府や出版関係者とともに取組みに力を入れていきたい」と述べた。

 ■電流協アワード表彰式
 電流協アワードは、電子出版分野の制作と流通に関して企業・団体等の優れた製品・サービス・業績・研究等について表彰し、電子出版市場の活性化と発展に寄与することを目的として創設された。3月26日に電子出版関連の学識者やメディア関係者で構成された選考委員会(委員長=植村八潮専修大学教授)を実施し、電流協大賞1件、電流協特別賞4件を決定した。受賞者は次のとおり。
【電流協大賞】
・Magaport記事サービス/電通、富士山マガジンサービス
【電流協特別賞】
・「ハートフルブック」サービス/欧文印刷
・NovelJam/日本独立作家同盟
・NetGalley/出版デジタル機構
・hontoブックツリー/トゥ・ディファクト
 表彰式で審査講評を行った選考副委員長の矢口博之氏(東京電機大学准教授)は次のように述べた。
 「書籍市場は縮小しているが、電子出版は伸びている。特にコミックは紙を上回るなど勢いがある。非常に期待ができる。知的所有権、インターフェース、ビジネスモデルなどに関連したいろいろな問題があるが、電子と紙は対抗するものではない。両方の良いところを合わせた製品、サービスが望まれる。まだまだ多彩な表現、わかりやすい表現がある。今回は、そこに意欲的に挑戦した各社を選ばせていただき、電子出版の可能性を見た。私自身もとても勉強になった」
 大賞を受賞した「Magaport記事サービス」は、電通と富士山マガジンサービスによる出版社向けの電子雑誌業務支援サービスで、雑誌の記事や画像などあらゆるデジタルコンテンツをネット書店等に広く提供でき、記事アーカイブとしての発展にも期待できる。

















【印刷新報2018年5月31日付掲載】
その他掲載記事
・枚葉特集2018
・新会長に金子眞吾氏(凸版印刷社長) 印刷工業会
・全製工連、新会長に田中眞文氏(田中紙工社長) など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年5月24日付
〈全印工連・官公需活動アンケート調査〉
適正な予定価格に課題 知的財産権の活動も不足


 全日本印刷工業組合連合会は、各都道府県工組に対して「官公需活動に関するアンケート調査」を4月に実施し、このほど38工組からの回答結果がまとまった。調査は、知的財産権、最低制限価格制度、地元優先発注、入札要件、行政・議会との関係等の設問に分けて実施した。
 知的財産権について、都道府県庁に対する活動の有無では、「活動を行っている」22工組、「行っていない」15工組。  宮城県工組では、「みやぎの印刷産業振興を考える議員連盟」を通して県出納局との会合を4月11日に実現、官公需における知的財産権の取扱いについて申し入れた。
 組合から、全印工連のパンフレット『大きく変わる知的財産権の取り扱い』を中心に、財産的価値に留意するよう求めた国の契約の基本方針について説明。これに対し、県出納局からは「国の方針に基づき、知的財産権について、現場における仕様書や契約書にどう盛り込んでいけばいいのかを検討中。印刷業界の意見や知恵なども借りながら具現化していきたい」という談話があった。
 組合としても、具体的な反映のさせ方を検討するとともに、全国的な事例等を収集し提案していきたい旨を述べた。  最低制限価格制度の導入については、導入済と未導入が19工組ずつ。未導入工組の今後の予定は、13工組が導入に向けた活動を予定、6工組は活動予定なしだった。
 活動予定なしの工組の中には、「最低制限価格制度の導入の前に、まず適正な予定価格を設定する仕組みづくりが先である」(富山県)、「発注窓口で正確な原価計算業務がされない現状では、最低制限価格の根拠がないため」(石川県)という理由を挙げるところもある。
 また、沖縄県工組では「一般競争入札に相当するオープンカウンター方式で印刷物が業種、参加企業数を問わない形式で行われているため、極端に低い価格で落札されている」ことから、同方式での入札の廃止と指名競争入札方式への変更を求めている。
 都道府県庁の予定価格の積算方法についての設問(複数回答)では、「積算資料や物価資料で積算」15工組、「見積ソフトを利用して積算」4工組、「前年度実績を参考に決めている」15工組、「業者からの参考見積により決めている」16工組、「予定価格の積算は行っていない」3工組、「わからない」8工組となっている。
 都道府県庁における地元優先発注の有無については、「実施されている」26工組、「実施されていない」12工組。  入札における独自の要件の有無については、「ある」20工組、「ない」17工組。「県内に本社・工場設備を有する」等のほか、「CSR認定業者」(静岡県)、「GP認定は加点要素」(東京都)などの回答も見られた。
 都道府県議員を中心とした議員連盟の有無では、「あり」6工組、「なし」32工組。議員連盟がない県でも、和歌山工組のように、「議員顧問が1名。積極的に意見・要望を聞いてくれ、県にも働きかけていただいている」という組合もある。
            ◇
 全印工連官公需対策協議会の白子欽也議長は、4月27日の全印工連理事会でアンケート結果について次のようにコメントした。
 「知的財産権について都道府県庁に対する働きかけをしている工組は22と少ない。もっとアピールをしていただきたい。また、予定価格の積算方法では、前年度実績や業者からの参考見積で決めている都道府県庁がかなりあり、課題が浮き彫りになった。
 今回、38工組から回答を得たが、未回答の工組も早く提出していただきたい。この結果を基礎資料として、国への働きかけを行っていく。
 世耕経済産業大臣が私の地元の和歌山県に来られた際に話をしたが、『経済産業省としては(調達目的に不要な著作権等の知的財産権を受注者に残す)コンテンツ版バイ・ドール契約を推進していきたい』ということだった。この辺も研究をしていく」
















【印刷新報2018年5月24日付掲載】
その他掲載記事
・臼田体制2期目が始動 東印工組総代会
・課題解決型に注目集まる シタラフェア2018
・最新LED‐UV機を披露 弘報社 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年5月17日付
〈日印産連 第3回女性活躍推進セミナー〉
多様性が経営危機を救う 「成果」の捉え方から改革


 日本印刷産業連合会は、第3回女性活躍推進セミナー「ダイバーシティ経営の可能性〜女性の登用は業績向上の特効薬!」を5月9日に日本印刷会館で開催し、約80名が参加した。立教大学経営学部の尾崎俊哉教授は、企業の持続的な成長のためにイノベーションが必要とされている現状に対し、日本企業の危機感が薄い点を指摘し、ダイバーシティ・マネジメントの取り込みによる競争力の再構築を訴えた。

女性の参加者が半数近くを占めた

 ■企業経営にダイバーシティを活かす
 一昨年、昨年に続き3回目となった今回のセミナーは、日印産連女性活躍推進部会の金田由美部会長の司会で進行。企業行動委員会の堆誠一郎委員長が開催趣旨を述べた後、全日本印刷工業組合連合会におけるダイバーシティ推進への取組みについて、全印工連ダイバーシティ推進委員会の小野綾子委員長が説明した。
 小野氏は、現在約8000万人の労働人口が、2060年には5,000万人にまで減少する日本社会が抱える課題に触れ、ダイバーシティの必要性について解説した。
 全印工連では、2014年に女性活躍推進委員会を発足させた。さらに、若者・高齢者・女性・男性・外国人・障がい者など多様な個性を持った人々が活躍できる社会を目指す必要から、2016年にダイバーシティ推進委員会へと進化させ、事業を推進してきた。
 2018年度は、ダイバーシティ・マネジメントの取組み事例の紹介を通じた啓発活動のほか、アンケート調査の実施・分析、モデル就業規則の活用などを推進する。
 小野氏は「社員の多様性を尊重して受け入れ、能力をフルに発揮させると口で言うことは簡単だが、実践はとても難しい。制度や施策だけでなく、意識改革と『働き方改革』によりダイバーシティを大きく前進させることができる」と考えを述べた。
 続いて、立教大学の尾崎俊哉教授が、女性の登用と企業の業績向上を主題に講演した。
 尾崎氏は、2018年3月現在、女性活躍推進法が求める行動計画の策定について、対象企業(従業員301人以上)1万6100社の99.6%が届け出済みである日本企業の、ある種の真面目さを指摘した上で、「一部の企業を除き、取り組む理由のほとんどは『他社がやっているから』というもの。腑に落ちないまま取り組むことで多くの混乱が起き、結果としてマイナスが生じている企業も多い」と述べた。
 その大きな理由は、能力×動機=成果であるという単純な図式に基づく思い違いであると指摘する。女性社員への動機付けを行えば成果が上がると考えるか、個人の能力や価値観を測ることが難しいために性別を代理変数として機械的に扱っているのが日本企業の実態であるという。
 尾崎氏は、グローバル競争が激化する中、企業の生き残りをかけた競争戦略としてダイバーシティ・マネジメントが求められているとし、創造的破壊によるイノベーションの重要性について次のように述べた。
 「異なる考えや価値観をもつ人材からなるグループは、新しいものが見え、考えつく。それが企業の成長を持続的に支える組織と組織文化につながる。ただし、多様性のあるグループをうまくまとめられる人がいなければ組織は拡散し崩壊する。能力と動機だけでなく、そこに人的資本投資や時間軸を加えた関数モデルで考える必要がある。今はまさに、日本的経営の良さを活かしながら、ダイバーシティ・マネジメントを通じた競争力の再構築を実行するタイミングだ」
















【印刷新報2018年5月17日付掲載】
その他掲載記事
・代表取締役社長に北島義斉氏が内定
・インキワニス工業会 創立70周年を祝う
・第57回全出版人大会 海賊版問題には厳しく対応 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年5月10日付
東京都・東政連
最低制限価格制度の試行結果など報告
設備投資支援でIoT・ロボット追加


 東京都印刷産業政治連盟(森永伸博会長)は4月23日、都関係局からの施策説明会と都議会自民党との意見交換会を都議会議事堂内において開催、都発注の印刷物における最低制限価格制度の試行実施や、中小企業支援についての意見交換が行われた。

活発な意見交換の場となった

 冒頭、都議会自民党・印刷産業振興議員連盟会長の三宅茂樹都議が「最低制限価格制度の本格導入に向けた試行・検証のほか、設備投資、事業承継などの各種支援にも取り組んでいる。今後、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックなど大きなイベントが続くが、印刷業界の振興発展に向けた絶好の機会であり、みなさまと連携しながら業界発展のお手伝いをしていきたい」とあいさつ。
一方、森永会長は「2020年に向けてわれわれ中小印刷業にとって大きなチャンスであり、どう参画しお手伝いできるかをお聞きし、ぜひ成功裏に行っていただきたい」と、今後の取組みへの期待を述べた。
 続いて、都財務局経理部から「印刷請負に係る最低制限価格制度の試行」についての報告が行われた。
 28年度3件、29年度3件の計6回の試行結果について、「落札率で一定の効果があった」としたほか、1件目で辞退・不参4者合わせ16者が参加(応札12者)したうち8者が予定価格を超過するなどした1年目に対し、2年目は超過が減少したことを報告。
 また、参加者に対する電話取材から「積算内訳書は通常案件では作成していないため時間的に厳しいが、作成自体は難しくない」、「法定福利費の計上は、小規模事業者にとって難しい」、「過度の低価格競争が防げるので良い。各区レベルでは導入しているところがすでにあるので、都でも早々に導入してもらいたい」などの意見が紹介された。  一方、課題として「積算妥当性の確保」が挙げられ、この点について経理部では「引き続き努力を重ねていく」との方針が述べられた。
 都産業労働局商工部/同金融部からは「設備投資・受注拡大・事業承継等に係る施策」について説明が行われた。  まず、革新的事業展開設備投資支援事業(設備投資助成金最大1億円)について、30年度で新たに「IoT、ロボット活用」(限度額1億円、助成率3分の2)が追加されたことを紹介。
 また、「受注型中小企業競争力強化支援事業助成金」では一般区分で2千万円、小規模企業区分で1千万円までの助成金額(助成率3分の2)で助成対象期間が1年3ヵ月以内に設定されたことも説明された。
 このほか、「ビジネスチャンス・ナビ」における販路開拓の仕組みや、事業承継支援、ビジネスサポートデスク、BCP策定支援事業、BCP実践促進助成金などの各種施策を紹介。
 説明終了後、東政連側から「最低制限価格制度の試行案件をもっと増やすべき」、「もともと厚生年金の加入は義務となっており法定福利費の計上は不要」などの意見・要望が述べられ、活発な意見交換が行われた。















【印刷新報2018年5月10日付掲載】
その他掲載記事
・次期事業推進のキーワードは「Happy Industry」
・平成30年 春の叙勲
・新代表幹事に本村豪経氏 ジャグラ SPACE-21 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年4月26日付
【IGAS2018 パネルディスカッション】
ブランドオーナー視点で多彩に
ビジネスに直結するテーマを提示


 日本印刷産業機械工業会(宮腰巖会長)とプリプレス&デジタルプリンティング機材協議会(辻重紀会長)が主催するIGAS2018(7月26日〜31日、東京ビッグサイト)では、さまざまなテーマのもと、ブランドオーナー視点でのパネルディスカッションを開催する。最新印刷技術の動向や印刷およびクロスメディア等に関わるマーケティング、業態変革、新規事業等のビジネスに直結するテーマを取り上げる。会場は東京ビッグサイト会議棟、各定員200名、参加無料、事前登録制。5月からIGAS2018のWebサイトで参加申込受付を開始。
【IGAS2018パネルディスカッション概要】
※モデレータの他、パネリスト各3名を予定
■顧客目線で見る印刷媒体の持つ力とその有効性・可用性
 〜クロスメディアを含めた新たなメディアアプローチ〜
 7月27日(金) 11時〜13時
 モデレータ=石川森生氏/潟fィノス・セシールCECO EC本部EC企画部ゼネラルマネージャー
■ラベルパッケージ分野で拡大するデジタル印刷商材
 〜こんなところまで!身近な商品にも普及する背景と将来〜
 7月28日(土) 11時〜13時
 モデレータ=蓮見裕威氏/花王轄成部門クリエーティブプロデュース部プロデューサー
■オフセットとデジタルのハイブリッド利用が生み出す印刷物の新たな形
 〜印刷物は商品としてこんなに変わる! その有効性・効果を知る〜
 7月29日(日) 11時〜13時
 モデレータ=佐川正純氏/佐川印刷椛纒\取締役
■商業印刷での高速輪転インクジェットデジタル印刷機の可能性
 〜ここまでできる輪転インクジェットを利用した印刷ビジネス〜
 7月29日(日) 14時30分〜16時30分
 モデレータ=若林圭太郎氏/潟Eイル・コーポレーション代表取締役社長兼事業統括本部長
■激変する出版分野におけるデジタル印刷普及の現状
 〜デジタル印刷技術は現状の何を変え、何を実現するか〜
 7月30日(月) 11時〜13時
 モデレータ=高畑千恵氏/鰍oHP研究所ライツ局電子事業部開発課マネージャー
■インバウンド需要を取り込むためのテクノロジーとソリューション
 7月31日(火) 11時〜13時
 モデレータ=中村好明氏/一般社団法人日本インバウンド連合会理事長、一般社団法人国際22世紀みらい会議議長、潟Wャパンインバウンドソリューションズ代表取締役社長
■軟包装・ラベル分野における水性フレキソ印刷の現状と課題
 〜ブランドオーナーの要求にどう応えるか〜
 7月28日(土) 14時30分〜16時30分
 モデレータ=塚田昌氏/概SIプランニング上席執行役員シニアフレキソアドバイザー
■フレキソ印刷による拡張ガマットと付け合わせによる市場開拓と付加価値向上
 7月30日(月) 14時30分〜16時30分
 モデレータ=田嶋信介氏/コダック合同会社上席執行役員フレキソグラフィック・パッケージング事業部パッケージング営業本部本部長
■Japan Color認証制度「デジタル印刷認証」一般社団法人日本印刷産業機械工業会
 7月27日(金) 14時30分〜16時30分
 モデレータ=波多野孝司氏/鰹ャ森コーポレーション情報システム本部本部長兼ICT推進部部長

















【印刷新報2018年4月26日付掲載】
その他掲載記事
・CTP特集
・シタラフェア2018開催
・共同印刷 守谷第一工場 6月から本生産 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年4月19日付
総務省の未来ビジョン案まとまる
ICT導入で成長戦略 2030年代想定し政策に反映


 総務省は、2030年代に実現したい社会から逆算した未来ビジョン「未来をつかむTECH戦略」をまとめた。人口減少や高齢化など課題が山積する日本が、積極的なICT導入による改革で中長期的に成長するプランを描いている。6月に最終決定し政策パッケージを発表する。
          ◇
 総務省は昨年12月、省内の若手官僚からなる「IoT新時代の未来づくり検討委員会」を情報通信審議会の中に立ち上げた。IoT、AI、ロボット等のテクノロジーが進展した2030年〜2040年頃の未来社会を展望しつつ、人口減少社会を乗り切るための戦略を策定し、政策に反映させることが目的だ。
 今回、中間とりまとめが行われたビジョン、「未来をつかむTECH戦略」(仮称)には、副題として「『静かなる有事』をチャンスと捉え、アグレッシブなICT導入により『変革の実行』へ」が付いている。
 委員会では、人口減少・高齢化などの「静かなる有事」に対し、2030年代に実現したい未来の姿から逆算して議論を進めた。ICT導入による「変革の実行」につなぐためのプランとして策定されたのが今回のビジョンであり、その実行を通じて日本が中長期的に成長戦略として掲げる「Society5.0」の実現などを目指す。
 実現したい未来の姿は、人づくり=「I:インクルーシブ(包容)」の社会、地域づくり=「C:コネクテッド(連結)」の社会、産業づくり=「T:トランスフォーム(変容)」の社会の3つの柱で構成した。
 それぞれが目指すところは、I:インクルーシブが、年齢・性別・障害の有無・国籍・所得等に関わりなく、だれもが多様な価値観やライフスタイルを持ちつつ、豊かな人生を享受できる社会。C:コネクテッドが、地域資源を集約・活用したコンパクト化と遠隔利用が可能なネットワーク化により、人口減でもつながったコミュニティを維持し、新たな絆を創る社会。T:トランスフォームが、設計の変更を前提とした柔軟・即応のアプローチにより、技術革新や市場環境の変化に順応して発展する社会。
 その具体化に向けて、2040年までに実現したい目標としては、「世界最高水準の」女性・高齢者・障害者も含めた労働参加率、AI・ロボットによる自動化・無人化、子どもから高齢者まで各世代のICTリテラシー、紙の要らないデジタルガバメント、デジタルネットワーク環境の実現のほか、「時間当たり労働生産性を現行の1.5倍」、「国際競争力のあるスマートシティを各都道府県に実現」などを挙げている。
 また、未来をイメージした生活シーンとして、次の15を挙げた。
 「職場スイッチ」「健康100年ボディ」「パノラマ教室」「お節介ロボット」「あらゆる翻訳」「いつでも窓口」「どこでもドクター」「あちこち電力」「クルマヒコーキ」「バーチャル探検」「らくらくマネー」「全自動農村」「手元にマイ工場」「三つ星マシン」「えらべる配達」。
 未来ビジョン案は、6月の最終決定に向けて具体化を進め、政策パッケージを打ち出す。  すでに示されているメニューには、たとえば産業政策として「データ流通時代の競争力強化方策の検討」があり、「協調領域における事業者間のデータ共有促進など官民データのオープン化やパーソナルデータの利活用推進などデータ流通・活用環境の整備」を掲げた。
 「高齢者をターゲットとした市場・サービスの創出」では、「シニアベンチャー、クラウドファンディングなど、ICTを活用して高齢者の投資や消費を促すインセンティブ創出のためのモデル事業の推進」を示した。
 今回の未来ビジョンでは、日本が直面するあらゆる課題が検討されたと言っていい。社会課題を解決する「ソリューション・プロバイダー」を目指す印刷産業にとっても、今後の方向性や戦略を定める上で重要なヒントが含まれている。
















【印刷新報2018年4月19日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2018に向け高まる期待 東西で出展者説明会
・印刷インキワニス工業会 創立70周年 三役座談会
・日宝綜合製本・長船工場に「アレグロ」導入
 多品種小ロット生産の強化へ など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年4月12日付
経済産業省
2018年「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を選定
特化分野で独自の強み目立つ


 経済産業省中小企業庁は3月26日、2018年「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を選定した。ITサービス導入や経営資源の有効活用による生産性向上、積極的な海外展開、多様な人材活用など、さまざまな分野で活躍する企業の事例を公表している。印刷業関連の選定企業の取組みの概略を紹介する。
          ◇
 【株式会社佐々木印刷】
 佐々木信雄社長、岩手県北上市、従業員数20人

◆地球にやさしい製品づくりを経営理念に、
 台紙不要のラベル・シールを開発、主力商品に成長

 ラベル・シール印刷を主力とする同社は、海外の格安製品に対抗するため、1991年から台紙不要シールの開発に着手。1998年に特許出願するとともに商品化し、全国自治体のごみ処理に使用される。原料の60%を削減する画期的なもので、供給先の廃棄物削減にも大きく貢献している。
 2015年にはデジタル印刷機を導入し、可変情報機能を付加することで多品種・少量受注に対応し、大手企業等からの新規受注につながった。独自市場の開拓にも積極的で、ラグビーワールドカップ2019釜石開催に向けた「フェイスシール」の開発は、すでにサンプルによる実証試験まで終了。これらのデザインとパッケージは地元の福祉作業所が担当し、販売は沿岸地域の被災企業が行うなど、地域企業の連携による新事業に取り組んでいる。
 【丸金印刷株式会社】
 川合榮子社長、千葉市、従業員数180人

◆医薬品パッケージに特化し、
 最新鋭の設備と熟練した技術で高品質の製品を提供

 創業104年の同社は、一貫して医薬品・化粧品分野を中心に印刷、紙器加工、シール・ラベル製造の実績を積み、全国に取引先がある。
 顧客の声をもとに、「ワンプッシュで開封できるカートン」、「すばやく廃棄できるカートン」など、独自の製品を企画・開発し、医薬品メーカー等に提案できる強み持つ。印刷、打抜き、製函などの工程ごとに最新鋭の検査装置によるデジタル検査と熟練した検査員による目視検査で、ハイレベルな品質管理を行う。
 早くから社員の仕事と家庭の両立や地域社会の子育て支援にも取り組んできた。社長自ら社員全員と面接し、仕事上の悩みや子育てに対してのアドバイスも行う。
 【株式会社エスケイワード】
 加藤啓介社長、名古屋市、従業員数46人

◆トヨタカイゼン方式の導入により、
 オフィスの生産性向上と人材確保を実現

 世界35ヵ国以上の言語に対応した翻訳サービスからWebサイトの企画・デザイン・構築、システム開発までワンストップで提供。インバウンド戦略や訪日外国人の誘致等、海外からの需要獲得のため各地の多言語コミュニケーション事業を支援している。
 トヨタカイゼン方式を活用した職場環境の改善を実施。オフィス環境の整備、長時間労働の削減、時短勤務等の多様な働き方を可能にしたことで、女性の育児休暇復帰率および社員の定着率の向上、外国人材の確保にもつなげた。オフィスの生産性向上により売上増の効果も出ている。
 【久保井インキ株式会社】
 久保井伸輔社長、大阪市、従業員数31人

◆UVインキ・特殊インキで高度な技術を有し、
 新たな価値を創造

 国内シール・ラベル印刷用UVインキでは、第2位のシェアを持つ。また、国内の住民票用紙・印鑑証明書等に使用される偽造防止インキでは、100%のシェアを獲得している。
 本格的に海外展開を進める中で、2015年に中小企業基盤整備機構の支援を受け、現地ローカル市場への輸出を開始した。数社への輸出が軌道に乗り、タイをハブとしてASEAN地域への販路拡大を進めている。英語版ウェブサイトも海外営業ツールとして活用しでいる。
 「世界一キレイなインキ工場」を目指し、5Sの徹底で職場環境の改善も図った。















【印刷新報2018年4月12日付掲載】
その他掲載記事
・JP2018特集
・DMがVRゴーグルに
・新社会人に贈る 大手印刷会社入社式あいさつ など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年4月5日付
〈国税庁・会社標本調査〉
欠損法人割合、「出版印刷業」は75.8%
28年度も業種別で最も高く


 国税庁が毎年実施している「会社標本調査」の平成28年度分調査結果がこのほどまとまった。業種別の欠損法人割合では「出版印刷業」が75.8%で最も高く、27年度分調査に続いてトップとなっており、業種としての厳しさが目立っている。
 28年度分調査は、平成28年4月1日から29年3月31日までの間に終了した各事業年度を対象として、29年7月31日現在で取りまとめたもの。資本金階級別や業種別に約167万社を抽出し、確定申告書等から得た標本値を基に国内の法人企業全体(約267万社)を推計している。
 連結子会社約1万2000社を除いた法人企業の28年度の状況は、利益計上法人数が97万698社(前年度比3.3%増)で6年連続の増加。欠損法人数が168万9427社(同0.1%減)で7年連続の減少。全法人に占める欠損法人の割合は63.5%(同0.8ポイント減)となった。7年連続で減少している。
(※欠損法人=所得金額がマイナス〈損失〉またはゼロである法人)
 業種別の欠損法人割合では、「出版印刷業」が75.8%で最も高く、次いで「繊維工業」(74.5%)、「料理飲食旅館業」(73.8%)の順だった。
 一方、割合が低い順は、「運輸通信公益事業」(57.5%)、「建設業」(57.6%)、「不動産業」(60.1%)。
 利益計上法人について、業種別の所得率(営業収入金額に占める所得金額の割合)を見ると、「出版印刷業」は3.6%で下位から3番目。「鉱業」(11.1%)が最も高く、「不動産業」(10.4%)、「金融保険業」(9.3%)が続く。
 全法人に占める欠損法人の割合は、平成22年度(72.8%)から7年連続で減少している。「出版印刷業」も22年度の80.9%から下がり続けてはいるが、業種別の順位では最も高い位置に浮上してしまった。
 22年度からワースト3は「料理飲食旅館業」、「繊維工業」、「出版印刷業」の順で続いたが、「出版印刷業」は26年度に2番目となり、27年度からは最も欠損法人割合が高い業種となっている。
 全法人の4分の3が利益を出せていない実態は限りなく重い。小手先の改善ではなく、業界として構造的な改革を断行する以外に抜け出す道はないだろう。














【印刷新報2018年4月5日付掲載】
その他掲載記事
・IT力強化や即納対応など成功のカギに
 日印産連・デジタル印刷に関するアンケート
・SOPTECとうほく2018
 9月28・29日仙台で開催 出展社募集中
・IoTで中小企業に商機 共同受注の仕組みづくりを など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年3月29日付
〈4月1日からの新税制・法令改正等〉
中小企業の賃上げ支援強化 無期転換ルールの適用開始


 中小企業経営に深く関わる平成30年度の各種税制・法令等が4月1日から施行される。
 事業承継税制は抜本的な拡充が図られる。今後5年以内に承継計画を提出し、10年以内に実際に承継を行う者を対象に、対象株式数の上限撤廃、納税猶予割合の80%から100%への拡大、雇用平均8割を満たせなかった場合でも猶予継続可能、M&Aを通じた事業承継を支援対象に追加、等の措置を行う。
 書徳拡大促進税制の拡充では、賃上げした中小企業の法人税を減税する。給与等支給総額が前年度以上(基準年度との比較要件は撤廃)、平均給与等支給額が前年度比1.5%以上増加を適用要件に、給与等支給総額の対前年度増加額の15%の税額控除(従来は控除率10%)、さらに2.5%以上の賃上げに加えて人財投資や生産性向上に取り組む企業には25%の税額控除(従来は控除率は22%)を適用する。
 勤続5年を超える有期労働契約社員のうち、希望者は無期労働契約への転換が可能になる(無期転換ルール)。平成25年4月に施行された改正労働契約法で導入されたルールであり、この4月で5年が経過したため、有期労働契約を更新した社員に初めて適用対象となる者が現われる。4月1日からの1年間に無期転換の申込みがあった場合、平成31年4月1日から無期労働契約社員に移行する。ただし、労働条件は別段の定めがない限り、直前の有期労働契約と同一となる。労働条件を変える場合は、別途、就業規則などの改定が必要となる。
 障害者の法定雇用率も引き上げられる。民間企業は、これまでの2.0%から2.2%に変更される。また、障害者を雇用する義務がある民間企業の事業主の範囲も、従業員50人以上から45.5人以上に変わる。
 国は、障害者雇用率の引き上げを積極的に進めており、民間企業については2021年4月までに2.3%とする計画。2.3%となった際には、対象となる事業主の範囲は従業員43.5人以上に広がる。













【印刷新報2018年3月29日付掲載】
その他掲載記事
・プレIGAS特集
・印刷関連の出展に存在感 としまMONOづくりメッセ
・保永堂版「東海道五十三次」を原寸大で復刻
 トッパン・フォームズ など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年3月20日付日本製本紙工新聞より
書店の売上に効果
書協・取協 年末年始キャンペーン実績発表


 日本雑誌協会と日本出版取次協会は、2017〜2018年年末年始「本屋さんに行こうキャンペーン」の実績をまとめた。
 それによると、12月29日と1月4日の特別発売日の書店売上は前年を上回ったものの、12月29日〜1月8日のキャンペーン期間の売上は94.8%(キャンペーン実施店95.2%)と前年を下回った。ただし、最近の市況に照らすとキャンペーン効果によって、売上数値はレベルの底上げにつながっている。
 年末年始キャンペーンは前年に引き続き2回目。今回は12月29日と1月4日の2日間を特別発売日と設定し、定期雑誌と特別商品を発行。12月29日〜1月8日のキャンペーン期間で、書店売上が前年を上回ることを目標に掲げて実施した。
 具体的に、取次4社のPOSデータ(調査店数4,666店)の定期誌の売上では12月29日、30日、1月4日、6日および1月1日〜4日合計で前年比を上回った。一方、前年は特別発売日だった12月31日や、正月3が日などの売上は振るわなかった。
 キャンペーン期間に発売された雑誌のうち、売上上位誌の中でも年末発売誌では女性向け、児童向け雑誌(nicola、てれびくん、たのしい幼稚園、おともだち等)に前年を上回る銘柄が多く、年始発売では週刊誌、コミック誌、月2回刊誌(ヤングジャンプ、週刊ポスト、花とゆめ、Tarzan等)などで前年を大きく上回った。
 書店活性化策では、参加書店数の増加を実行、コミック出版社の会(15社で構成)の協力で、全国約2,500店(前年約2,200店)で配布したキャラクターしおりやキャラクター画像によるスタンプ風画像の効果により、前年比約3倍の応募者数の増大につながった。
 前回好評だったレトルトカレーの配布は、参加書店は全国200店(前年130店)、配布数1店当たり420個(前年240個)の総数8万4000個に増えた。
 さらに、雑協公式ツイッターによる「#年末年始は本屋さんに行こう」を読者・消費者向けに実施。雑誌協会加盟各社、各編集部の協力もあってフォロワー数はキャンペーン終了時点で約1万6000とスタート時に比べ約2.4倍に拡大、ツイート数もこの種のキャンペーンでは想定以上の効果があり、読者・消費者へのリーチは広がった。












【日本製本紙工新聞2018年3月20日付掲載】
その他掲載記事
・印刷・製本技術が新たなジャンルを作る
 集英社 高野秀明制作部長インタビュー
・折り機でも活躍 画期的な混入防止カメラ
 サイコー(埼玉県戸田市)
・4年ぶりにペーパーショウ開催 竹尾 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年3月15日付
〈第10回経営者「環境力」大賞〉
鳥原社長(マルワ)が受賞 全社一体の活発な行動で


 第10回(2017年度)経営者「環境力」大賞の顕彰式と発表会が、2月23日に東京・渋谷の青学会館アイビーホールで開催された。今回の受賞者は7名で、マルワ(名古屋市天白区)の鳥原久資社長も受賞した。

賞状を手に鳥原社長

 経営者「環境力」大賞は、認定NPO法人環境文明21と日刊工業新聞社が共同主催する賞で、2008年に創設された。厳しい経営環境下においても、環境問題に真摯に取り組み、社会的責任を果たしている企業経営者(主に中小企業)を発掘し、広く社会に情報発信している。
 主催者では、「21世紀の社会をリードする経営者の資質」を評価する12項目を作成して公表。経営者から自己評価結果に関連資料を添えて応募してもらい、現地ヒヤリングなどを経て大賞として毎年顕彰している。自己評価12項目には、「100年先を見通した企業価値を設定し、その価値を浸透させる情熱と達成する戦略性」、「地域社会との交流を大切にし、その伝統や文化を尊重する意思」、「経済と環境を一体化しようとする意志」などがある。
 今回を含めて受賞者は延べ62名。第5回(2012年度)には、大川印刷(横浜市)の大川哲郎社長が受賞している。
 顕彰式では、藤村コノヱ環境文明21共同代表から受賞理由が紹介され、賞状が両共同代表と日刊工業新聞社の井水治博社長から手渡された。
 食品リサイクル事業、廃棄物処理事業、各種製造業など全国7名の受賞経営者から、「私の環境力」をテーマに発表が行われ、その後、関係者を交えて志を同じくする者同士の懇親会が行われた。
 発表会ではマルワの鳥原社長から、社員29名の「小さな会社の身の丈に合った環境活動」の数々が紹介された。地域に根差した活動を地道に続け、印刷会社ならではの情報発信を行ってきた結果、地域や顧客との関係性の中で思わぬ価値が発見でき、価格競争になりにくい独自のブランディングができたという。同社は、品質向上・環境・情報・広報・交流などの各社内委員会活動を通じて、社員自らが考え行動する仕組みづくりを行っている。
 鳥原社長は「やらされるのではなく、みんなが楽しみながら仕事をすることが大事だ。それには経営者が率先垂範で動き、楽しむこと。今日の表彰の様子もすぐに写真をSNSにアップし、発信した」と、日頃の実践の一端を早速伝えた。

【鳥原社長(マルワ)の主な受賞理由】
 ISO9001、14001、27001、日本印刷産業連合会のグリーンプリンティング認証、FSC森林認証などを取得しているほか、全日本印刷工業組合連合会のCSRツースター認定という数少ない企業に認定されている。
 ISOを単なる看板にするのではなく、各認証項目の目標達成に役立つように、作業工程をマニュアル化し、それを常に更新して現場で活かしている。
 また、積極的に情報公開を行い、そこから得られる反響の中に、印刷業の将来に対するヒントを見つけていこうとする非常に前向きな姿勢を持っている。
 愛知万博をきっかけに環境を強く意識するようになった。環境を経営の指針に据え、それを社員に徹底することで、環境力のある商品づくりに成功している。価格競争ではかなわない大手にも環境力で対抗する努力も続けている。
 企業としての独自性を維持するためには少数精鋭が望ましく、常に自分たちの声を発信し、互いの声に耳を傾けることで全体最適を目指しており、中小企業の目指すべき姿を実現している。
 社内に各種委員会をつくり、その活動を通じて社員のモチベーションを高め、社員同士のベクトルを合わせる努力をしている。そして、業界にありがちな経験と勘だけに頼らず、技術面を理論で理解できるように、自らが科学技術を理解することが必要だとして、たとえば印刷用インキに含まれる揮発性有機化合物削減対策に積極的に取り組み、他業界に対しても指導を行っている。












【印刷新報2018年3月15日付掲載】
その他掲載記事
・製本・後加工特集
・東印工組・足立支部 創立60周年で記念式典
・三松堂 埼玉・狭山に保育園を開園 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2018年3月8日付
〈東印工組 ダイバーシティ推進セミナー〉
一般事業主行動計画を開設
目標達成で助成金の支給も


 東京都印刷工業組合のダイバーシティ推進委員会(小野綾子委員長)主催セミナーが2月15日に日本印刷会館で開催され、特定社会保険労務士の小倉絵里氏(GIMS)が、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定および両立支援等助成金の申請ポイントなどを解説した。
 政府の掲げる「一億総活躍社会」の実現に向けて、働き方改革に関する法整備や各種取組みが進む中、同員会では働き方改革に対するアプローチの一つとして、小倉氏の協力を得ながら一般事業主行動計画の策定にメンバー各社が取り組んでいる。
 この行動計画は、事業主が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たり「計画期間」、「目標」、「目標達成のための対策およびその実施時期」を定めるもの。
 策定および取組みの流れは、@自社の女性活躍に関する状況把握、課題分析、A行動計画の策定と社内周知、公表、B行動計画を策定した旨の届出(都道府県労働局)、C取組みの実施と効果の測定の4ステップ。特に行動計画の策定では、目標を1つ以上数値で定めることが求められる。
 300人以下の事業所では策定は努力義務に止まるが、女性の活躍推進に関する状況等が優良であると認められた届出企業は、認定マーク「えるぼし」を名刺や求人票などに使用することができるといったメリットもある。  また、自社の女性活躍に関する「数値目標」の達成に向けた「取組目標」等を盛り込んだ行動計画を策定し、その計画に沿って目標を達成した事業主に対して支給される助成金として、「両立支援等助成金『女性活躍加速化コース』」が設けられている。
 同助成金では、計画期間内の取組目標達成で支給される「Aコース」、取組目標達成時から3年以内に数値目標を達成すると支給される「Nコース」があり、Nコースでは最大で60万円が支給される。ただし、申請は目標達成から2ヵ月以内に行う必要がある。
 小倉氏は、今後人材確保が困難になっていくことが予想される中、同委員会の挑戦を「変革に向けたスタート」と位置付け、「行動計画の策定でスタートダッシュを切ってもらい、チャンスにつなげてほしい」と述べた。
 また、メンバー各社が策定した行動計画などは事例集としてまとめており、小野委員長は「事例集を参考にしていただき、優秀な社員を育てていく一助にしていただきたい」と活用を呼びかけた。













【印刷新報2018年3月8日付掲載】
その他掲載記事
・大日本印刷 スイス紙容器大手と合弁会社設立
・JPA感謝祭 40期生が卒業課題を発表
・経済調査会 『印刷料金 18年版』発行
 「クリエイティブ」の概要初掲載 など

見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html