日付インデックス
10月21日
小山薫堂氏を囲むGP懇談会
プラ包材の役割にも言及 機内誌の環境対応は分かれる

10月7日
UCDA 「食品表示特別セミナー」
より科学的な食品表示の実現へ 急がれる高齢化社会への対応

9月30日
日印産連、アフターコロナへ指針
研究調査の成果を冊子に 企業、団体の取組みを提言

9月16日
夢と感動をありがとう!
東京パラ二冠の佐藤友祈選手が所属先のモリサワに報告

9月9日
全印工連、女性経営者のネットワーク構築へ
先駆者を招きセミナー開く

8月26日
大阪・関西万博の出展募集が本格化
大印工組「万博に印刷力を!」

8月19日
大東化工(岐阜)、謄写技術資料館をリニューアル
企画展示やワークショップも

8月5日
全製本工連、初の合同専門委員会
アンケートで約3割が「コロナ禍はチャンス」

7月29日
PrintNext2022
印刷の力を社会に発信
―体験型イベントとカンファレンスで

7月15日
全印工連・成長戦略提言書を解説
―企業の変革は意識改革から

7月1日
水上印刷
「縁満入社制度」を開始
紹介者と採用者に50万円ずつ支給

6月24日
全印工連、新成長戦略提言書を発刊
変革の推進へ具体策を盛る

6月17日
日印産連・女性活躍推進セミナー
竹内佐和子氏が講演 「女性にビジネス経験の機会を」

6月3日
神奈川県印工組・江森理事長が語る
「今こそ新たな市場を獲得する側に」

5月27日
水なし印刷、全国自治体のグリーン調達に広がり
脱炭素化の動きが加速

5月20日
大手印刷会社 2021年3月期連結決算
コロナの影響で事業に明暗

5月6日
日印産連・パネルディスカッション
アフターコロナの印刷業界を展望
デジタルに精通した人材育成など重要に

4月22日
大喜利印刷店(展)
印刷産業の可能性に光
ユニークな15作品が魅了

4月8日
工業統計調査速報
印刷・同関連業の2019年出荷額は増減なし
事業所数は前年比2.5%減に

4月1日
大日本印刷、XRコミュニケーション事業を開始
地域共創型空間の構築へ

3月18日
東京製本工組、業界調査分析事業で報告会
成長分野を見極め専門性に磨きを

3月11日
〈page2021カンファレンス〉
コロナ後の対応に変革の視点を提供
フュージョン花井会長が講演

3月4日
日印産連、「じゃぱにうむ」をWeb開催
広島県のDX事例を山田副知事が紹介

2月25日
全印工連、DX運用システムが完成
生産協調に向け全国でモデル試行

2月18日
文伸、物産販売で東京諸島を応援
期間限定のアンテナショップを開設

2月4日
日本HP、コロナ禍での変化取り込む
デジタル印刷需要が表面化

1月28日
〈日印産連/全国グラビア/日印機工〉
廃プラ リユース・リサイクルソリューションを発表

1月14日
〈第14回MUDコンペティション〉
受賞22点、経済産業大臣賞はともに災害対応関連ツール

1月1日
【本紙アンケート】
2020年の気付きと2021年への挑戦 ―各社の課題を明確にしたコロナ危機―

12月17日
本紙が選んだ2020年十大ニュース
コロナ禍に翻弄された一年

12月10日
page2021、初のハイブリッド開催
セミナー含め2月末まで長期に

12月3日
第46回技能五輪国際大会 中国・上海大会
「印刷職種」代表候補に 甲斐田光さん(丸信)

11月26日
J-NOA 「折込論文広告大賞」決定
〈金賞論文〉折込は"地域商店街"と再定義

11月12日
東京製本二世連合会・勉強会
先輩経営者の体験談に学ぶ いかに危機を克服するか

11月5日
経産省、実践的なVOC対策セミナー開催
少しの工夫で労働衛生向上

10月29日
電通デジタル「デジタルネイティブ世代調査」
コロナ禍での転換に前向き “好きを極める消費”へシフト

10月15日
佐川印刷
FESPAで金賞ダブル受賞
UVインクジェットで立体感を表現

10月1日
青森県印刷工業組合 知的財産権の適正な取扱いを要望 県、「留意した発注の周知」に言及

9月24日
〈2020全印工連オンラインフォーラム〉
組合の重点事業を広く発信 10月9日13時より配信開始

9月10日
日印産連、「知的財産権」サイトを刷新
トラブル未然防止へ内容充実

9月3日
〈神奈川県印刷工業組合〉
コロナ影響アンケート第2弾を実施
行政機関等へ要望文書送る

8月27日
印刷産業の感染防止対策
変容する社会に商機あり

8月13日
〈令和元年度「技能検定」〉
「印刷」、「製本」で増加が顕著 今年度前期検定は中止に

8月6日
日印機工、新会長に森澤彰彦氏
印刷産業機械SDGsに対応

7月23日
全印工連・産業戦略デザイン室
新産業ビジョンの策定へ 新たな価値創出の事業領域を研究

7月16日
DXで勝ち残る印刷産業
―村松礼二氏が恒常的なDX推進を提唱
コロナ禍後の新局面に向け

7月2日
〈中小印刷産業振興議員連盟 総会〉
新型コロナ対策で意見交換
全印工連、地元優先発注など強く要望

6月25日
東京グラフィックス
在宅勤務における労務管理を学ぶ
ルール作りと適性判断が課題

6月11日
紙の物流ガイドライン策定
関係業者間の協力を促す

6月4日
〈全印工連・対外広報プロジェクト〉
「大喜利印刷」第2弾作品を公開 さらに独自性と完成度高め

5月28日
経団連、コロナ対策ガイドラインを公表
印刷業界も指針として活用

5月21日
東印工組、滝澤執行部が発足
連帯、共済、対外窓口機能を前面に

5月14日
〈コロナ関連アンケート情報〉
4月の売上高は2割減か 代替先との連携も課題

4月30日
〈真興社のテレワーク取組み事例〉
人材確保にテレワーク 顧客の業務改革支援にも









2021年10月21日付
小山薫堂氏を囲むGP懇談会
プラ包材の役割にも言及
機内誌の環境対応は分かれる


 日本印刷産業連合会が10月15日に日本印刷会館で開催した小山薫堂グリーンプリンティングPR大使を囲む懇談会では、GPマークを表示した印刷製品をより多く発行した企業・団体に贈られるGP環境大賞の受賞者から、地球環境保全やSDGsへの取組み、GPマークとの関わりが述べられた。大賞のジェイアール東日本企画、プレミアアンチエイジング、準大賞の竹下製菓、東京都三鷹市、そしてゲスト出席した日本航空の主な発言内容を紹介する。

出席各社から環境への取組みが語られた

 ジェイアール東日本企画(東京都渋谷区)の横塚隆之首都圏統括支社部長代理は「2006年にグリーンプリンティング認定制度が始まった翌年から、環境にやさしい印刷ということで、当社が企画する旅行やイベントのパンフレットにずっとGPマークを付けている。これからも環境にやさしい印刷を推進していきたい」と述べた。
 プレミアアンチエイジング(東京都渋谷区)は、昨年10月に東証マザーズに上場した化粧品の企画開発・販売会社。まだ創業して12年の若い企業だが、主力ブランド「DUO」の個別通販で成長している。河端孝治取締役COOは「当社は創業の時から環境配慮を重視している。今回は印刷に関連した受賞だが、それ以外にも、化粧品のさまざまな原料の選定、化粧品の容器サイズの見直しによる軽量化、年間数百万個の配送用箱の15%軽量化、物流におけるCO2の約40%軽減など、サステナブルなビジネスに取り組んでいる。社内では部門横断型の環境対策専門プロジェクトチームを設置し、すべてのバリューチェーンで環境課題の洗い出しを始めたところだ。社名にあるように、地球のアンチエイジングもテーマに掲げていきたい」と述べた。
 竹下製菓(佐賀県小城市)は、創業100年を超える菓子メーカーで、「ブラックモンブラン」などのアイスクリームで知られる。竹下真由社長は、アイスクリームに欠かせないプラスチック包材について製造・販売の立場から、「プラスチックはすべてが悪者ではない。食品メーカーにおいては、食品を適切な状態で賞味期限を長く保ち、お客様のもとに届ける貴重な役割がある。プラ包材がなくなると、今より何倍もフードロスが発生してしまうと考えられる。その中でも、できることから取り組んでいこうと、グリーンプリンティングに共感し、包材にGPマークを付け始めた。小さな会社だが、環境を考える一環としてこれからもGPに継続して取り組んでいきたい」と発言した。
 東京都三鷹市の茂木勝俊生活環境部環境政策課長は「三鷹市では東京オリンピック・パラリンピックに向けて情報誌『みたか2020ニュース』を発行し、GPマークを付けた。市では独自の環境マネジメントシステム『みたかE-Smart』を運用しており、環境負荷低減と、その先にSDGsの達成も視野に入れたシステムとなっている。市民の環境への意識も非常に高い。今後もグリーンプリンティングをはじめ、環境貢献、SDGs貢献を進めていきたい」と述べた。
 日本航空の新谷浩一商品・サービス開発部部長は、機内で使用する紙製品を中心に次のように取組みを話した。
 「当社は航空会社という性格上、CO2排出量の削減は企業命題であり、そこに取り組まなければ仕事ができない。また、プラスチックその他の資源の使用においても課題解決を目指して日々運行・運営している。機内誌に関しては、全座席、全便に備えると年間ではかなりの重量になり、燃料を消費し、CO2を排出する。そのため全日空さんは機内誌を止めた。私どもも実際に迷ったが、お客様にアンケートを取ったところ、8割の方が今までどおり読みたいと希望されたので続けている。今年に入り、国際線の機内食のメニューカードからGP対応を始めたが、FSC認証紙を使用している機内誌にも今後はGPマークを付けていきたい」















【印刷新報2021年10月21日付掲載】
その他掲載記事
・特集・印刷とSDGs
・障がい者アートの活用に動く 埼玉県印刷工業組合
・オービービ―、創業100周年 小川浩社長インタビュー
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年10月7日付
UCDA 「食品表示特別セミナー」
より科学的な食品表示の実現へ
急がれる高齢化社会への対応


 一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会(略称UCDA)は9月22日、「わかりやすい食品表示とは」をテーマに食品表示特別セミナーをオンライン開催した。「食品表示制度の現状と課題」と題して消費者庁食品表示企画課課長補佐の一条美和氏が基調講演を行い、宮城大学名誉教授の池戸重信氏(消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会」座長)が「わかりやすい食品表示に関する検討経緯と今後の方向」について解説した。また、UCD研究所副所長の森下洋平氏が、2020年に実施した食品表示調査事業の報告を踏まえてUCDAの取組みを紹介した。
◆情報量の多さに2つの異なる意見
 初めに消費者庁の一条氏が、食品表示の一元化を定めた「食品表示法」(2015年4月施行)が創設された背景を説明し、法改正のスケジュールを示した。リコール制度創設については2021年6月に施行。加工食品の原料原産地表示制度の改正は現在、経過措置期間として施行されており、2022年4月に完全施行される。遺伝子組換え表示制度の改正は2023年4月に施行される予定。
 消費者庁の消費者委員会食品表示部会は2019年8月、「食品表示の全体像に関する報告書」をまとめた。同報告書では、食品表示の課題として、義務表示の内容の増加に伴い、製品上に表示する文字等が多くなっており、内容が消費者に十分活用されていない点を挙げた。調査によると、デザイン、フォント、文字サイズや情報量に起因する見づらさへの不満(「より簡潔に情報を記載してほしい」等)を持つ人が35%〜75%の幅で存在する。その一方で、食品を選択するために食品表示のより一層の充実を求める声もある。
 これらの課題解決に向けて委員会では、
・表示事項間の優先順位を定める
・ウェブ上における情報提供と従来の容器包装上の表示を組み合わせる――などの方向を示した。
 しかし、「わかりやすさ」について科学的根拠に基づく客観的な定義が定まっておらず、消費者の意向に関しても把握が不十分であったため、定義の明確化および、表示面積の割合、デザイン、フォント、文字サイズ等の情報量に関する科学的アプローチの必要などが提言された。
 宮城大学の池戸名誉教授は、5年おきに見直しが行われる「消費者基本計画」の食品表示基準に沿って解説を行った。
 最新の基本計画(2020年3月〜)では、「わかりやすい表示」に関して、
・表示に用いる文字および枠の色は、背景の色と対照的な色とする。
・表示に用いる文字は、日本産業規格に規定する8ポイントの活字以上の大きさとする。ただし、表示可能面積がおおむね150平方センチメートル以下のもの、および印刷瓶に入れられた一般用加工食品であって、表示すべき事項を蓋(その面積が30平方センチメートル以下のものに限る)に表示するものにあっては5.5ポイントの活字以上の大きさとすることができる――等の記述がある。
 しかし、これらについても現在、省略規定を可能とする面積を30平方センチメートル以下から50平方センチメートル以下に変更し、文字の大きさも5.5ポイントから6.5ポイントに拡大する新基準案が出されている。
 池戸氏はその背景として、高齢化が進展する中で、高齢者がきちんと読み取れる文字サイズにすることの必要性を強調した。同時に、できる限り多くの情報を表示するよりも、より重要な情報が確実に消費者に伝わるようにすることを基本に検討を行うことが適切であると述べた。
 また、消費者への定点調査の結果から、「情報をできるだけ表示してほしい」という要望が減少傾向にあり、「ウェブでの情報提供でもいい」とする意見が増えるなど、時代(世代)の変化による影響が表れていることも紹介した。
 セミナー終了にあたりUCDAの三村一夫常務理事は「(だれにでも伝わりやすい情報提供に向けた)UCDAの取組みを、ぜひ各企業の活動に活かしていただきたい。最近は特に高齢者からの相談が増えている。誤購入や誤飲などを防ぐためにも、わかりやすい表示について引き続き研究していきたい」とあいさつした。















【印刷新報2021年10月7日付掲載】
その他掲載記事
・特集 パッケージ新時代へ
・PrintNext2022 緊急事態宣言下でも開催
・令和3年度東京都功労者表彰 印刷業界から4氏に
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年9月30日付
日印産連、アフターコロナへ指針
研究調査の成果を冊子に
企業、団体の取組みを提言


 日本印刷産業連合会(藤森康彰会長)は、新型コロナウイルスの影響で浮き彫りになった印刷産業の課題と、アフターコロナの時代が求める価値を生み出し社会から必要とされ続けるための取組みについて調査研究した冊子『Change Together(感動と夢を与える新しい産業へ、共に進化しよう)』を9月15日に発行した。今後の経営のロードマップとして活用できる。A4判、4色、128頁。会員・賛助会員は無料、一般は3,300円(税込、送料別)。申込みは日印産連ホームページから行える。

 同冊子は、日印産連が今年3月に立ち上げたアフターコロナプロジェクト(浅野健座長)の活動成果をまとめたもの。中・長期的な売上予測、日印産連10団体会長や若手経営者による座談会、コロナ禍の影響とその対応に関する会員企業アンケート(回答543社)、企業11社の事例研究、市場別(出版・教科書、広告イベント・流通、パッケージ、金融、自治体)の将来動向分析などを収録している。
 また、アフターコロナのニューノーマル社会において各企業が最優先で取り組むべき4つの経営課題、および日印産連として取り組むべき課題について提言した。「社会のデジタル化が急速に進む中で、印刷方式や工程ごとに分かれている各組合・団体が、互いに補完・連携していくことが、これまで以上に求められる」としている。
 事例研究で取り上げたのは次の11社。文星閣、大洞印刷、恵和ビジネス、向陽デジタルワークス、エスフィールド、エスケイワード、共栄メディア、日本ラベル、エイコー印刷、太美工芸、東京ポリエチレン印刷社。

アフターコロナプロジェクト提言
■私たちが今後取り組むべきこと
1.デジタル化への対応
・デジタル活用による「営業革新」(Webを活用した営業活動、商談・校正・立ち会いのオンライン化等)
・デジタルメディア領域( Web、EC、映像等)への事業拡大
・デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入による業態変革
2.SDGsへの対応
・環境保全活動の推進
(GP認定の取得・普及拡大、環境関連自主行動計画への参加・実行)
・ダイバーシティ経営の推進(女性や障がい者、外国人労働者の積極登用)
・下請法の順守による取引適正化の推進(自主行動計画への参加・実行)
2.地域コミュニティの形成によるワンストップ&高付加価値サービスの実現
・個社の強み(モノづくり、顧客基盤、プロデュース力、デジタル対応力等)を相互補完する地域コミュニティを形成し、地方創生・官公需用を取り込む
3.受け身体質からの脱却
・独自性の深耕および異業種との業務提携等による新商品・新サービスの開発
・自社の価値、経営ビジョンの再構築による社風および社員の意識改革

■日印産連として取り組むべきこと
1.クライアント業界団体や行政への働きかけ
・軟包装(フィルム)市場における脱プラ動向、技術情報の収集と対応
・取引適正化の要請(支払いサイト短縮、過剰品質問題等)
2.印刷産業のイメージアップ
・学生、女性、デジタル人材に向けた情報発信、社会へのPR活動の強化
・SDGsへの取り組み情報発信(「2050カーボンニュートラル宣言」の策定・発信等)
3.10団体横断型のナレッジ共有・活用プラットフォームの構築
・業界内外の新たな技術を持つ企業や事業提携・継承先など、技術・人材
・リソースのマッチング支援
・10団体横断的に展開可能な有益情報や課題の吸い上げと共有・発信
4.人材育成
・デジタル人材、経営者教育(決算書の読み方、市場分析のWeb研修等)
・10団体横断型プラットフォームを活用した人材交流、短期出向研修等の促進














【印刷新報2021年9月30日付掲載】
その他掲載記事
・第45回 全国光沢化工紙協同組合連合会 全国大会
・製本部門をスマートファクトリー化へ アイワード
・令和2年度 ジャグラ作品展 入賞29作が決定
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年9月16日付
夢と感動をありがとう!
東京パラ二冠の佐藤友祈選手が
所属先のモリサワに報告


 東京パラリンピック陸上男子400mと1,500m(車いすT52)で二冠を達成した佐藤友祈選手が9月10日、所属先であるモリサワの大阪本社を訪れ、森澤彰彦社長に金メダルを報告した。
 森澤社長は「佐藤選手のすごさを、テレビを通して見ることができた。たくさんの感動をいただいた。おめでとうございます」と偉業をねぎらい、佐藤選手は「ゴール直前まで競り合って最高のレース展開ができた。今回は勝ちにこだわった」と手に汗を握る展開となったレースを振り返り、金メダルを披露した。

佐藤選手と森澤社長


本社訪問時には、社員が拍手と横断幕で迎えた

 佐藤選手は静岡県藤枝市出身、岡山市在住の32歳。21歳の時に脊髄炎を発症し、車いす生活を余儀なくされた。2012年ロンドン大会を観て陸上競技を開始。初出場の2016年リオデジャネイロ大会は400mと1,500mで、ともに銀メダル。今大会は同じ2種目でパラリンピックレコードを更新して雪辱の金メダルを獲得した。
 オンライン報告会・パリでも「金」目指す
 翌11日には、モリサワとprierONE共催によるオンライン報告会が開かれ、報道関係ほか一般視聴も含め200人以上が参加した。
 報告会には、柔道家でオリンピック金メダリストの野村忠宏氏や佐藤選手の奥様である麻由子さんらが出演。佐藤選手は大会の感想やレースの裏話、今後の目標などを語った。
 佐藤選手は「自分が最強であると信じ、緊張を楽しさに変えてレースに臨んだ。皆さんに支えられて金メダルを獲ることができた」と感謝を述べ、「来年のパラ陸上世界選手権でしっかりと優勝し、3年後となる次のパリ大会では新しい競技にも挑戦し、世界記録で金メダルを獲りにいく」と決意を示した。
 また、佐藤選手はスポンサーのモリサワと一緒に「競技用車いす寄贈プロジェクト」を始動すると発表。「競技用の車いすは非常に高価であることから、夢や目標を持った障がいがある次代のアスリートを支援する活動を進めていく」と述べた。
 報告会では、視聴者からの質問に答えたほか、チャットには佐藤選手へ感謝の言葉や応援メッセージが数多く寄せられた。














【印刷新報2021年9月16日付掲載】
その他掲載記事
・東印工組 「業界活性化プロジェクト」受託
・東京青年会議所板橋区委員会がウェビナー
 「印刷照らす」開催
・事業再構築補助金第2回公募
 印刷・加工関連の採択案件掲載(抜粋)
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年9月9日付
全印工連、女性経営者のネットワーク構築へ
先駆者を招きセミナー開く


 全日本印刷工業組合連合会のダイバーシティ推進部会(河野里美部会長)では、女性経営者が気軽に情報などを共有し、話し合える場所となる「女性経営者ネットワーク」の構築に取り組んでいる。その一環として8月26日にオンラインセミナーを開催し、横田響子氏(コラボラボ代表)を講師にネットワーク構築のメリットや課題についてディスカッションした。
 全印工連には約200人の女性経営者が所属しているが、これまで交流の場がなかったため独自のネットワーク構築に向けて準備を進めている。現在は部会メンバーがフェイスブックでの情報交換を図りながら、週に1回スマホアプリを使用して交流している。
 セミナーにはパネリストとして、河野里美氏(セントラル印刷)、岩間奏子氏(北星印刷)、鈴木裕香氏(鈴木美術印刷)、田村仁美氏(綜合印刷出版)、東淑恵氏(文昌堂)が参加。あいさつの中で河野部会長は「住む場所や時間にとらわれず簡単に知り合える今、同じ印刷業を営む女性経営者で連絡を取り合えるデジタルの名簿作りを一つの目標としている。現在は5名の部会員で毎週15分ほどアプリを使って現状報告会を行っており、すでに26回開催した。そこで何を生み出すかは今後のテーマとなるが、ぜひネットワークに参加いただきたい」と呼びかけた。
 講師の横田氏は人材派遣会社を経て2006年にコラボラボを設立。事業継続支援サービスを軸に、3000名以上をサポートする国内最大級の女性起業家データベースサイトの構築や、女性経営者や個人事業主300名が集まるイベント「J300」を開くなど、女性経営者のコミュニティづくりを先導している。
 女性経営者のネットワーク構築が必要な理由として横田氏は「事業承継の相談ができるところは少なくないものの、女性ならではの困りごとも数多くある。それには同じ女性経営者から話を聞くのが一番いい。話を聞くだけで救われることもある」と、女性ならではの悩みなどを共有できるメリットを紹介。また、参加者を増やしていくためにも入口のハードルを下げるなどの工夫をアドバイスした。
















【印刷新報2021年9月9日付掲載】
その他掲載記事
・特集 「9月 印刷の月」
・第19回 2020年度 日印産連 印刷産業環境優良企業表彰
・JP2021・印刷DX展 DXで新たなビジネスモデルを
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年8月26日付
大阪・関西万博の出展募集が本格化
大印工組「万博に印刷力を!」


 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のパビリオン出展の募集を9月16日に開始する。また、テーマ事業協賛や未来社会ショーケース事業出展など、さまざまなメニューを用意して企業・団体の参加を募っており、8月19日から募集を開始した。万博には、オフィシャルパートナー・サポーターとしての印刷会社の支援ほか、大阪府印刷工業組合などが「印刷力」のアピールに積極的な姿勢を見せており、業界の存在感を示すチャンスと捉えている。

大阪・関西万博のロゴマーク

 大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年4月13日〜10月13日.の半年間にわたり大阪・夢洲(ゆめしま)で開催される。想定来場者数は約2,800万人。150の国と25の国際機関をはじめ、企業やNGO・NPO、市民団体等が、世界中から「いのち輝く未来社会」への取組みを持ち寄り、SDGsの達成とその先の未来を描き出す。
 具体的な取組みとして、パビリオン出展をはじめ、日本を代表する各界のトップランナー8人が企画するテーマ事業、さまざまなメンバーがチームとなって身の回りの社会課題の解決に貢献する参加型共創プログラム「TEAM EXPO 2025」などを行う。
 パビリオン出展は、9月16日から10月29日まで企業・団体の募集を行い、2021年12月以降、出展者を決定する。自由な発想と構想力で未来社会を感じさせる展示・演出が期待される。
 未来社会ショーケース事業は、万博会場を未来社会に見立て、カーボンニュートラルの実現、デジタル技術や次世代モビリティの活用など、次世代技術の実証と2025年にふさわしい先端技術の実装を、企業・団体の参加により目指す。
 8テーマから成るテーマ事業を企画・推進するプロデューサーの一人は、日本印刷産業連合会のグリーンプリンティングPR大使も務めている小山薫堂氏。「食」をテーマに「いただきます」の精神を発信する。
 万博のオフィシャルパートナーには大日本印刷、凸版印刷ほか、レンゴーや京セラドキュメントソリューションズなど196社・団体、オフィシャルサポーターには佐川印刷(京都府向日市)、大平印刷(京都市伏見区)、紙製品製造販売のヤマガタ(大阪市中央区)など91社・団体が名を連ねている。
 万博開催を印刷業界に対する理解促進、認知度向上につなげる好機と捉える動きもある。大阪府印刷工業組合(浦久保康裕理事長)では、万博の開催に関連するさまざまな社会課題解決のために、メディアユニバーサルデザインなど印刷業界の持つ知見を活かし、解決に向けた協働作業を博覧会協会や各種関係団体と行える環境づくり、および具体的な事業を検討している。また、組合員への「TEAM EXPO 2025」参加の呼びかけや、万博を通して印刷が果たす役割を考える企画「万博に印刷力を!」の組合報への連載などを行っている。
 組合報『PRI・O』の今年5月号では、浦久保理事長と小山薫堂氏の対談を載せた。万博で「食」に関するイベントを担当する小山氏は対談の中で、「食と印刷の関係というと、どうしてもパッケージなどにいきがちですが、『いのちをつむぐ』という(私の設定した)テーマでコラボレーションすることによって新たな価値を創造することはできますか?」と問い、これに対して浦久保理事長は、印刷による生産者の見える化、おいしさや機能の表現、抗菌ニスや香料インキの使用、食品へのダイレクトな印刷などを挙げたうえで、「印刷にはさまざまな可能性があり、あとはアイデア次第。『いのちをつむぐ』というテーマで印刷業に何ができるかを仲間と共に考えたい」と答えている。















【印刷新報2021年8月26日付掲載】
その他掲載記事
・特集 HOPE2021
・page2022 出展社募集中 10月15日まで
・新聞折り込み広告・2021年上半期
 巣ごもり消費関連、堅調
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年8月19日付
大東化工(岐阜)
謄写技術資料館をリニューアル
企画展示やワークショップも


 大東化工(神山公一社長、本社・岐阜市)は、本社内にある「謄写技術資料館」が開館20周年を迎えたことを記念してリニューアルを図り、今年7月27日に新しい展示内容でオープンした。
謄写印刷技術は、コピー機やパソコン、プリンターのない時代に、多くの人々に情報を伝える手段として活躍した。大東化工は、ユネスコ世界無形文化遺産にも登録された美濃和紙の産地で、1937年(昭和12年)に和紙原料の取扱い、およびタイプ原紙の製造業として創業。今日まで80年以上にわたって謄写版の版となる原紙を製造し、その歴史に携わってきた。現在は、培ったコア技術を応用して機能性フィルム等の市場に進出している。
 謄写技術資料館は、大東化工が社会の中で歩んできた道程を振り返ることで、未来に向けての指針をより明確なものとするシンボルとして2000年に開館した。歴代の謄写版やタイプライターなど、同社が関わってきた情報機器や道具、印刷物を展示するとともに、さまざまな分野の人々が集い、交流できるスペースとして活用している。

20周年を機にリニューアルした資料館

 このほどリニューアルオープンした「ダイトー謄写技術資料館」は、「謄写印刷のしくみ」、「謄写印刷から軽印刷の歴史」、「大東化工のあゆみ」の各コーナーに展示内容を再編集したうえ、謄写技術を象徴するシンボル展示を新たに設置した。展示されている「和文タイプライター」は、実際に機器を操作して打刻印字される様子を見ることができる。
 また、今回のリニューアルを機に、同社が平成時代まで使用していた食堂を改装し、昭和の小学校教室をイメージした新展示ブースを設けた。
 社内研修に使うほか、今後は、このブースを利用して謄写印刷や和紙加工に関連する企画展示やワークショップなどの開催も予定している。
 同社の川村晃子取締役は「開館してからの20年間、謄写版を懐かしんで訪れる方が多かったが、パソコン、プリンターの時代に変わり、"版"そのものが分からない世代が増えた。謄写版の奥深さを伝えていくため、資料館ではロウ原紙を使ったガリ版体験などを子どもたちに提供してきた」と話す。また、「美濃和紙の若い職人さんとコラボレーションした折り紙作品の展示会などの企画も考えている」という。
【施設概要】
▽名称 ダイトー謄写技術資料館
▽所在地 岐阜県岐阜市折立364-1
     (大東化工株式会社 本社内)
▽オープン日 2021年7月27日
▽開館時間 平日 10時〜16時 ※事前に要電話予約
▽入場料 無料
▽問合せ先 大東化工株式会社総務部
      電話058-239-1333














【印刷新報2021年8月19日付掲載】
その他掲載記事
・特集 JP2021・印刷DX展
・集英社と大日本印刷 「MDAM」導入促進で基本合意
・美濃の創生事業に出資 サンメッセ
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年8月5日付
全製本工連、初の合同専門委員会
アンケートで約3割が「コロナ禍はチャンス」


 全日本製本工業組合連合会の書籍・雑誌専門委員会(金子誉委員長)と商業印刷製本専門委員会(富岡誠治委員長)は7月10日、初の合同開催をZoomによるオンライン形式で試み、全国から40名が参加した。予定していた金沢市での開催をぎりぎりまで模索したが、新型コロナウイルス感染が収束しない状況の中でオンライン開催を選択した。当日は、2時間にわたり各工組からの現況報告と委員を対象に実施したアンケートの結果報告を行い、意見交換した。
 開会にあたり、書籍・雑誌の金子委員長は「両委員会に重複する方も多いので、以前から合同開催の案があり企画した。組合として初めての40人という大勢でのリモート参加になった」と説明。終了時には「全国の状況が手に取るようにわかった。皆さんのパワーもいただき、リモートの良さに思いを新たにした。しかし、来年こそは金沢で集まり、懇親を深めたい」とあいさつした。
 また、商印製本の富岡委員長は「私自身、書籍・雑誌の方の話を聞いてとても参考になった。合同開催は有意義だ」と評価した。
 各工組の報告では、商印系の厳しさが浮かび上がる一方、出版系で学参物とコミックの好調さが窺える。ワクチン接種関係の通知文書等の需要も活発。また、印刷会社が製本の内製化を強めており、以前のような発注が出てこない現状も複数の工組から報告された。運賃等を含む製本価格の問題、繁閑差の拡大も共通認識となっている。
■コロナ禍で新たな取組みを模索
 合同専門委員会のアンケートは有効回答数70社。以下、質問項目ごとの要点、記述意見の一部を紹介する。
【景況について】
 2021年上期の仕事量(前年比)は、増加14%、減少70%、変化なし16%。下期の予測は、増加14%、減少46%、変化なし14%、予測不可25%。
 上期の製本単価(前年比)は、上昇6%、下落16%、変化なし78%となっている。
【取引価格の決定方法】
 「見積り単価」が最も多く56%。次いで、「顧客指値」24%、「製本中か納品後相談」8%。「その他」は12%。
【品質および不当と思われるクレーム】
 「あり」17%、「なし」80%。
 「印刷会社のクライアントに対する立場が弱体化している傾向が窺える。単価アップのためには、見積書の段階でいかに注記事項を盛り込めるかが大事」(金子委員長)
・以前ならOKであったような製品も、もし何かクレームがついたら困るので造り直したいと、品質に対する価値観のズレが出てきている。
・品質要求度が高い品物と分かっていたので製本立ち合いをお願いした。ゴーサインが出たので製本したが、納品後にわずかな擦れ跡が発見され、全数造り直しとなった。被害額250万円。
・どの時点で付いたか特定できないキズへのクレームが多い。他社ではどう対応しているのか。
【人手について】
 自社の従業員数については、「減らしたい」19%、「人手不足」11%、「ちょうどよい」70%。
 「社内の制度改革と外に向けた新しい取組みの大きく2つに分かれる。技能実習生や派遣社員、パート・アルバイトで繁閑調整している会社が多い。暇を利用して勉強会を実施するところもあるが、余裕がないと難しい。取引価格の問題は大きい」(金子委員長)
【コロナ禍となり実施している取組み、工夫】
 「短縮営業」が54%で最も多く、次いで「新事業サービス展開」の28%。「時差出勤」と「既存技術の営業強化」がともに25%で並んだ。
【コロナ禍での新たな事業の取組み、収束後に向けた取組み】
・協力会社との品質価値観の共有化、外注加工の内製化(廃業した加工部分)。
・既存の印刷業の市場以外に新たな市場を作ること(本や文具以外の分野への製本技術、紙のノウハウを生かしたサービス)。
・現在が通常と考え、減った仕事を戻すより、適正価格を追求したい。
・新商品を企画し、ECサイトで販売できる仕組みをつくっている。
・オンラインプレゼンの練習と実践。
・B to Cビジネスを検討している。
【コロナ禍が事業継続意欲に与えた影響】
 「影響はない」、「ビジネスチャンス」がともに約3割の回答。「事業意欲が減退」が2割強。「事業承継のきっかけ」と「廃業や譲渡を検討」が1割弱。前向きな会社と後退する会社が交錯する結果となった。














【印刷新報2021年8月5日付掲載】
その他掲載記事
・高級生地を使った上製本ノート「HONcept」展開
 新里製本所 
・高速オフセット、「抗菌剤入り静電除去液」開発
・凸版印刷、アメリカの軟包装メーカーを買収
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年7月29日付
PrintNext2022
印刷の力を社会に発信
―体験型イベントとカンファレンスで


 印刷業界の3つの青年団体が主催する合同イベント「PrintNext2022」(青木允運営委員長、以下プリントネクスト)が2022年2月11日・12日の2日間にわたり東京で開催される。「印刷を再定義―時代を彩る印刷のチカラ―」をテーマとするイベントの詳細が7月8日に行われたオンライン記者会見で発表された。

PrintNext2022のロゴマーク

 プリントネクストは業界団体の垣根を超え、新しい価値を生み出すことを目的に隔年で開催しており、前身のPRINT4から数えて今回で10回目となる。
 従来は印刷業界人を対象としていたが、今回は1日目に「ココカラ市場」と銘打った一般入場者対象の入場無料イベントを、2日目には業界関係者向けのカンファレンスを開催。広く社会全体に高い価値の情報を発信し、コミュニケーション産業としての社会的地位を明確にする役割を担うイベントへと進化させる。
 ココカラ市場では、北海道から九州までの全国8ブロックのメンバーが日本各地のさまざまな課題( 地域活性、環境問題、食、文化など)に取り組むモノ・コト・ヒトと「日本をツナグ」をテーマにタッグを組み、生まれた当日限定のモノ・コト・ヒトが集合。来場者は、展示・物販・体験型イベント等を通して日本各地の取組みや課題に触れ、持続可能な「経済」、「環境」、「社会」(SDGs)について楽しく理解を深めることができる。
 2日目は、ココカラ市場に向けた取組みとその効果検証についてパネルディスカッション形式で全国の印刷青年人と共有し、未来に向けた発信を行う。また、プリントネクスト2022ロゴマークコンテストの表彰式も実施する。
 カンファレンスの目標参加者数は500名。登録費については近日中に発表される。なお、会場の収容人数は新型コロナウイルスの国内感染状況によって制限する場合があり、最少で定員の50%(250名)となる。
 記者会見で青木運営委員長は「今回のプリントネクスト2022を通じて、コミュニケーション産業としての印刷の力をわれわれ自身が再認識し、社会に発信していくことが産業の未来を拓くと信じている。全国の仲間とともにチャレンジしていきたい。コロナ禍での開催となるが、印刷産業が時代を彩る印刷の力で諸問題に立ち向かい、人と社会をつなぐ架け橋となって社会に寄与できる存在であることを示す場にしたい」と抱負を語った。
【プリントネクスト2022】
▽開催概要
・2月11日(金)
 イベント「ココカラ市場」
 3331Arts Chiyoda(東京都千代田区外神田6‐11‐14)
・2月12日(土)
 カンファレンス「PrintNext2022」
 イイノホール&カンファレンスセンター(東京都千代田区内幸町2‐1‐1)
▽開催テーマ
 印刷を再定義―時代を彩る印刷のチカラ―
▽主催団体
 全国青年印刷人協議会、全国印刷緑友会
 日本グラフィックサービス工業会青年部SPACE‐21
▽運営責任者
 運営委員長=青木允(青樹印刷)
▽実行委員会
 実行委員長=稲満信祐(イナミツ印刷)
 企画部会長=西谷毅(西谷印刷)
 広報戦略部会長=小倉誉(あーす)
 総務部会長=松村大輔(明和印刷)
 スペシャルコンテンツ班班長=竹内靖貴(菁文堂)
▽地域ブロックリーダー
 北海道=下國延彦(シモクニ)/東北=澤田健(不二印刷工業)/関東甲信越静=小林稔(信光社)/中部=畠山純綱(畠山印刷)/近畿=西岡天芳(新星印刷)/中国=山本康彦(山五青写真工業)/四国=西原孝太郎(第一印刷)/九州=佐藤愛子(クリエイツ) ※敬称略













【印刷新報2021年7月29日付掲載】
その他掲載記事
・生活者起点の出版流通改革へ 大日本印刷・トーハン提携
・ロン・ジェイコブズ氏が語るマーケティング潮流 
・個性豊かな紙製品集う ISOT2021
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年7月15日付
全印工連・成長戦略提言書を解説
―企業の変革は意識改革から


 全日本印刷工業組合連合会は、全国9ヵ所で開催した上期地区印刷協議会で、5月に発刊した『INSATSU未来トランスフォーメーション 産業成長戦略提言2021』について各地区で解説した。
 瀬田章弘産業戦略デザイン室委員長(全印工連副会長)は「大企業の多くが今年後半から経済が回復してくると見ている。コロナ禍では自ら経済を止めてしまったので、終息すれば一時的にある程度は戻ると私も思う。しかし、構造変革や行動様式の変化で本当に社会が変わるのはここから先だ。われわれはどこに向かおうとしているのか。印刷を再定義し、新しい価値の創出に挑戦するために、提言書をよく読み込んでいただきたい」と話す。
 提言書の第1章では、はじめに「全印工連2025計画」における印刷・同関連業の出荷額予測の検証を行っている。コロナショックの影響について、仮にリーマンショック前後の出荷額の減少率(マイナス12%)を2019〜2021年に当てはめ、それ以後2025年までを2%前後の減少として再計算すると、2025年の出荷額は4兆円近辺となる。これは、平時の成長率に緊急時の要素を加味して算出した2025計画の予測値とほぼ一致する。2019年の5兆円弱の出荷額に対して約2割の減少となる。
 これについて瀬田氏は「コロナ禍で印刷業界は売上げが2割ほど減っていると言われる。2025年に訪れるはずだった状態が早まっただけで、いずれこれが普通になる」と見方を示す。
 そして、「印刷業界の業態変革は進んでいない。変わるなら今が最後のチャンスだ。アメリカの優良企業ランク『フォーチュン500』でも、15年後に圏内に残れるのは半分以下だと言われる。富士フイルムは、写真フィルムがなくなるという最大の危機を乗り越えて今があるが、同じように、印刷業界も紙がなくなってしまうと考えるぐらいの危機感を持って臨む必要がある」と意識の改革を訴える。
 また、何を、どのように変えていくのかを決めるうえで、他社の真似や、現在の事業の延長線上で考えることに意味はないと瀬田氏は指摘し、「10年、20年後に自社がどんな企業になっていたいのか」、そこから逆算して発想することをポイントに挙げている。
 変革を遂げるために必要なリーダーシップと事業戦略に関しては、提言書の第3章「令和時代の超越(アップデート)経営」に北田浩之委員が詳しく執筆している。そこには次のようなキーワードが見られる。
・なぜトランスフォームが必要か? 平成の30年間に中小企業が成長できなかった3つの理由
 本業(家業)主義/有形資産主義/効率(生産性)重視主義→今の製造業型ビジネスのままでは今後の成長を創り出すことは難しい
・印刷業界の構造的な2つの問題
総需要と総供給の不均衡(量の問題)/顧客ニーズとのミスマッチ(質の問題)→「印刷+α」による価値創出/多事業化戦略による成長〜点から面へ
・企業永続のために会社を変えるには、まず経営者(アナタ)が変わること→アナタ・トランスフォーム(AX)が重要  昭和=創業経営者時代(勘・経験・度胸・運による経営)/平成=継承経営者時代(デフレ経済によるダウンサイジング経営)/令和=超越経営者時代(型を超えるアトツギベンチャー、ビジョナリー経営、中期経営計画から長期構想へ)















【印刷新報2021年7月15日付掲載】
その他掲載記事
2021年暑中特集号
・業態変革、ここにあり 水上印刷で経営者有志勉強会
・事業再編再構築補助金採択企業に聞く
 ―昇文堂/ミューズ・コーポレーション
・中小企業連携の新しいカタチ イナミツ印刷×小林断截 ほか
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年7月1日付
水上印刷
「縁満入社制度」を開始
紹介者と採用者に50万円ずつ支給


 水上印刷(河合克也社長、本社・東京都新宿区)は、紹介者と採用者にそれぞれ50万円を支給する「縁満入社制度」を開始した。会社の採用力強化、採用者にとって入社時の安心感、社員のモチベーション向上など、三方よしの制度となる。
 同社は、創業70年を超える企業でありながら、平均年齢29.8歳という若い力が組織を牽引している。2020年度は過去最高の売上高・利益を計上し、10期連続の増収となった。
 成長の原動力である「ひとづくり」をさらに加速するため、同社が今回開始した社員の紹介推薦によるリファラル採用、「縁満入社制度」は、自社の社員・契約社員が共に働きたいと思う友人・知人などに水上印刷の魅力を伝える「採用担当者」になってもらい、全社一丸となって採用活動を強化する。正社員として採用が決定した際には、紹介者・採用者に「縁満感謝金」としてそれぞれ50万円を支給する。
従来から紹介者に30万円を支給する制度はあったが、より制度を充実し、優れた人材の確保と互いの信頼関係の構築に結びつけた。すでに「縁満入社制度」を利用した採用実績がある。
 水上印刷は、ビジネス・プロセス・アウトソーシング、マーケティングオペレーション改善、販促プロモーション支援等の事業の成長により、年間を通した採用活動でも人材確保が十分でない状況が続いている。2021年5月現在の従業員数は、正社員263名、非正社員312名。














【印刷新報2021年7月1日付掲載】
その他掲載記事
・刷版サイズの国際規格 発行 ISO12635
・全枚葉機をAIで一括管理 ウエマツ
・イナミツ印刷と小林断截、業務提携 互いに進化を
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年6月24日付
全印工連、新成長戦略提言書を発刊
変革の推進へ具体策を盛る


 全日本印刷工業組合連合会(滝澤光正会長)は、新たな産業成長戦略提言書として『INSATSU未来トランスフォーメーション』(A4判、112頁)を発刊し、全組合員に配付した。同書は、全印工連の事業の主要テーマである「ソリューション・プロバイダーとしての価値の提供」の具体的な推進方法を探る目的で編集されたもので、コロナ禍がもたらした変化を踏まえつつ、DXの実践、IT人材の育成など今日的な課題に対応した内容となっている。また、経営者が今向き合うべきことについて直言し、令和時代のリーダーシップのあり方を示した。

 提言書は、全印工連・産業戦略デザイン室(瀬田章弘委員長)で長時間にわたり議論した内容を取りまとめ、委員が分担執筆した。
 瀬田委員長は、発刊に寄せた文章の中で次のように考えを述べている。
 「この不確実な時代に組合員各企業がそれぞれ特徴ある会社となり、また様々な社会や地域の課題に応える会社へと変化するためには、もはやケーススタディでは限界がある。各社や各地域の経営資源を基に多様性のある独自の経営を目指さない限り、同質化競争に捲き込まれ疲弊していくのは必然だ。では、どのようにすれば変革を起こせるのか。まずは自らの既成概念を打ち払うことが必要になる。狭義の『印刷』ではなく、印刷技術や知見を活用できる周辺、そして階層的事業領域を含めた広義の『INSATSU』への事業展開が必須だと考える」
 提言書は第1章〜6章および寄稿、活動報告(対外広報戦略「CMYKプロジェクト」等)で構成。1章では、全印工連2025計画における出荷額予測の検証を行ったうえで、なぜ業態変革が進まないのか、推進するために必要な取組みは何かを考察した。2章はポストコロナ社会に関する緊急アンケートの結果と分析。3章は「令和時代の超越(アップデート)経営」と題して、多事業化戦略と理念・ビジョン経営の必要を訴えた。4章では、新たなビジネス創出に欠かせないIT人材の育成について具体的な取組みを考察した。5章は「トランスフォーメーション事例研究」として産業戦略デザイン室の委員でもある3社(ユーメディア/第一印刷/ヒラヤマ)の事例を取り上げた。6章では、組合を変革の場へと変える新たな研修カリキュラムを具体的に提案した。
 寄稿は、富士フイルムビジネスイノベーションの杉田晴紀氏(産業戦略デザイン室オブザーバー)がDXの本質について解説し、DXの最新ビジネスモデル事例を紹介した。
 第1章では、「今日の印刷産業の低迷は、産業全体として業態変革が進んでいないことが大きな原因のひとつ」と指摘し、要因として@業態変革するためのモチベーションの不足A業態変革するための経営リソースの不足B環境づくりのための個別具体的なスキルの不足を挙げた。
 組合の対策としては、異業種との提携も含む「全印工連事業承継支援センター」の積極的な活用、経営者育成のための多くの機会の提供、全印工連としてのリクルートサイトの立ち上げ、合同会社説明会や就職フェアなどのイベント開催、組合の事業推進と補助金活用をセットにし業態変革を進めていけるメニュー開発、全印工連印刷DXシステム(自動化された組合員間の受発注業務ネットワーク)の環境整備等を示したほか、個別具体的なスキル不足への対応では、「個社からの問合せにワンストップ対応し、適切なセミナーや資格、補助金等の情報を提供できる窓口の設置」について、検討の余地があるとした。
 3章では、業界の構造的な問題として、「総需要と総供給の不均衡」と「顧客ニーズとのミスマッチ」を挙げ、成長戦略として「多事業化戦略(点から面へ)」を勧めた。













【印刷新報2021年6月24日付掲載】
その他掲載記事
・特集「シール・ラベルの新潮流」
・事業再構築補助金 第1回8016件を採択
・ホリゾン・ジャパン 東京ショールームをリニューアル
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年6月17日付
日印産連・女性活躍推進セミナー
竹内佐和子氏が講演
「女性にビジネス経験の機会を」


 日本印刷産業連合会は、第5回女性活躍推進セミナーを5月27日にオンラインで開催した。講師は国内外で豊富なキャリアを誇る竹内佐和子氏(堀場製作所社外取締役、東京音楽大学客員教授)。竹内氏は、「新時代ビジネスをリードする力とは―女性ものは『売り』にならず」をテーマに女性のキャリアデザインについて自らの経験を踏まえたアドバイスを行った。
 工学博士と経済学博士の2つの博士号を持つ竹内氏は、1975年に早稲田大学法学部を卒業したものの、当時は女性の社会進出が進んでおらず、自身の能力を発揮できる就職先がなかった。そこで単身フランスへの留学を決断し、構造主義を学んだ。パリ大学で教鞭をとった後、国際ビジネス大学院の副所長を務めるなど10年間にわたりパリでキャリアを積んだ。日本に戻ると銀行の主席エコノミストや東京大学の助教授、京都大学の客員教授などを歴任。2011年にはパリ日本文化会館館長に就任して文化外交の現場を取り仕切り、フランス国家から国家功労勲章および芸術文化勲章を授与されている。
 講演の中で竹内氏は、3月に世界経済フォーラムから発表されたジェンダーギャップ指数で、調査対象156ヵ国の中で120位という日本の現状について、「土俵の外にいるような状況だ」と厳しく指摘。その一方で、日本の女性の能力については「大学卒業レベルでは男性との差はない」としながら、女性活躍が進まない要因について、旧態依然の企業社会の構造的問題により女性がビジネスの場で経験を積むことができておらず、「日本社会と女性のミスマッチが教育と別のところで起きている」と指摘した。
 また、企業による投資がこの10年間停滞していることを挙げ、企業に対して人への積極的な投資を呼びかけた竹内氏。女性活躍に向けてキャリアデザインのモデルとなるようなリーダーの育成を求め、「女性だからセンスがあるわけではない。男性も同様だが、能力は作り上げるものだ」と訴えながら、現場での経験値の有無が女性活躍の成否を分けるとした。
 また、視聴者からリーダーに求められる能力について問われ、「新しいアイデアを自ら考えること。いくつものアイデアを持ち、そのアイデアから企画を生むことが大事だ。そして、企画を作り上げるにはチームが必要で、そのチームを作る能力がリーダーには不可欠になる。失敗を恐れず、最後まで部下を見捨てずに粘り強く、めげずにプロジェクトを楽しむこと」とアドバイスした。












【印刷新報2021年6月17日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2022、出展者の募集を開始
・創始130年を迎えた京都府印刷工業組合
 笹原あき彦理事長に聞く
・令和3年総会 各地で
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年6月3日付
神奈川県印工組・江森理事長が語る
「今こそ新たな市場を獲得する側に」


 神奈川県印刷工業組合(江森克治理事長、組合員166社)は5月21日、第64回通常総会を横浜市内で開催した。令和3年度事業のスローガンは「それでも、一歩前に。〜できる方法を創造しよう、次世代にHappy Industryを継承するために」とし、組合員の経営革新支援や次世代育成、異業種団体・政治・行政との交流・連携の強化などに取り組む。
 総会の冒頭に江森理事長は、印刷業界の業態変革の現状と組合の存在意義について、次のように持論を述べた。

江森理事長

【江森理事長あいさつ(要旨)】
 今、皆さんも大変苦労されていることと思うが、国の対応の状況を見てみると、たとえば緊急事態宣言が延長された時に、百貨店を閉めるか閉めないか、野球場に観客を入れるか入れないか等について、どうも国の方では、それぞれの業界を代表するような方々と個別の交渉を行っているようだ。その個別交渉の集合体で方針が決められている。その中にあって飲食業は、業界を代表する意見をまとめて、国と交渉ができるような業界団体がなく、弱い立場にあるという話を聞いたことがある。
 われわれ全印工連が業界団体として、国や地方公共団体ときちんと交渉でき、業界を代表する意見を言える位置にいられるのは非常な大事なことであり、これからも大事にしていかなければいけない。まさに組合がある意義というのは、こうした非常事態になると際立ってくる。このことを改めて認識していただきたい。
 印刷業界は、1997年に出荷額がピークを迎えてからずっと右肩下がりで来た。先日、2019年の工業統計速報が発表されたが、やっと前年比の増減がゼロになった。97年以降初めてのことだ。しかし、情報伝達の手段が紙から通信へ移っているので紙の印刷はこれからも減っていく。それに加えて、リーマン・ショックや東日本大震災、新型コロナウイルス感染など、経済的に大きな打撃を受ける有事が発生すると何らかのイノベーションが起こり、社会が仕事のやり方を変える。そのたびに紙が別のものに置き換わり、印刷業の仕事が減ってきたという歴史がある。平時であれば毎年1.5〜2%減ほどだが、リーマン・ショックの時は2年間で12%も市場が縮小した。今回のコロナ禍はそれに匹敵するか、もっと大きいかもしれない。
 ここで考えたいのは、紙の需要が無くなった分がどうなったのかだ。たとえば、販売促進のためにそれまでチラシを使っていたお客がアプリケーションの使用など移行している。広告主にしてみると、広告を止めたわけではない。手段を別の媒体に変えただけで、案件そのものが無くなってしまったわけではない。われわれが仕事を奪われたということだ。もはやライバルは仲間内の印刷業ではなく、われわれの仕事を別に置き換えていく人たちだ。
 どこかでこの流れを止めて、仕事を取り込む側に回らないと、どんどん事業領域が小さくなってしまう。どこに新しい仕事があるのかをみんなで研究して実力を付け、そこへ向かって進んでいかなければいけない。それが全印工連の言い続けてきた業態変革ということなのだが、本当にソリューション・プロバイダーに変われたのか? そうではなかったことが、統計上からも見えている。今こそチャンスと捉えて、本当に業態変革し、本当のソリューション・プロバイダーとして仕事の内容を変えていく決意をしなければ、また有事が起きた時に、置き換えられる側にいるわれわれは必ず仕事を奪われることになる。業界が小さくなり、仲間も減り、いずれ国とも自治体とも交渉ができなくなってしまったら、何のためにこれまで頑張ってきたのかわからない。
 組合を大事にすると同時に、一社一社が、次の新しい社会において存在意義のある会社として頑張っていく明確な意志を固めるうえで絶好の時期でもあると思っている。そうした皆さんのチャレンジを組合は全面的にバックアップしていく。今年度から来年度にかけてのトピックとしては、印刷の受発注をWeb上で完結できるような印刷DXシステムを皆さんに格安で提供していくほか、いろいろなメニューを用意している。ぜひ活用していただき、新しい仕事を獲得できるように共に変わっていきたい。












【印刷新報2021年6月3日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連、教育動画サイト
 「印カレ〜全印工連の学んで得するTV」を開設
・インキ工業会、新会長に東洋インキの北川克己氏
・日印産連・全国グラビア/経産省
 プラ資源循環促進法で意見交換
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年5月27日付
水なし印刷、全国自治体のグリーン調達に広がり
脱炭素化の動きが加速


 2019年4月のグリーン購入法の改定で水なし印刷システムが環境配慮項目に設定されたことをきっかけとして、全国自治体の調達方針に「水なし印刷」の記載が広がるなど、近年、水なし印刷への注目が高まっている。脱炭素社会に向けた動きが活発化する中、グリーン購入における拡大が予想される。
 ■カーボンゼロシティ宣言の拡大とも連動
 2019年4月に改定された「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(略称:グリーン購入法)」に、VOC低減に向けた取組みを推進する主旨から、水なし印刷システムの導入が印刷工程における配慮項目として設定された。同時に、環境省大臣官房環境経済課が発行している「グリーン購入法の調達者の手引き」にも、「印刷」での参考となる環境ラベルの一つとしてバタフライロゴが紹介された。
 これを受けて、全国の自治体に追随する動きが広がってきた。
 現在、東京都、大阪府をはじめ30の都道府県で、グリーン購入において「水なし印刷」が配慮項目に設定されている。「印刷役務」におけるオフセット印刷のVOC発生抑制対策の一つとして、水なし印刷システムの導入がトップに記載されているケースが多い。
 長年にわたり独自のカーボンオフセット事業などを展開する一般社団法人日本WPA(田畠久義会長、日本水なし印刷協会)の小川勇造事務局長は「東京都は2021年4月よりグリーン購入ガイドに水なし印刷を設定した。大阪府のグリーン調達方針には、日本WPAの会員が使用できるバタフライロゴが判断基準となる環境ラベルの例として掲載されている。今後も、この流れが全国の自治体に拡大していくことは間違いなく、会員からの問合せも増えている」と話す。
 2020年10月、臨時国会の所信表明演説で菅義偉首相は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「脱炭素社会の実現」を宣言。2021年5月26日には、企業の脱炭素経営の促進等を図る「改正地球温暖化対策推進法」が成立した。
 環境省によると、2050年にCO2実質排出量ゼロに取り組むことを表明した地方自治体は、東京都・京都市・横浜市をはじめ381自治体に上り、総人口は1億1,000万人を超える(4月26日現在)。
 脱炭素社会に向けた動きはさらに加速していく。企業にとって、もはや社会貢献の枠を超え、社会的な責務となりつつある。自治体がSR調達への関心を高める中、今後は官民を問わず、発注条件に脱炭素への取組みが加わっていくことも予想される。
 日本WPAでは、SDGsの17のゴール(目標)に対する水なし印刷の貢献項目を明らかにし、「SDGs宣言」を掲げている。田畠会長は「一般企業からの日本WPAホームページの検索数が増えている。環境対応への関心の表れだと思う。世界的にも、欧州をはじめとするグリーンリカバリーへの期待の高まりや、ESG投資の拡大などが続いている。こうした時流を捉えて、日本WPAとしてもカーボンニュートラルの方向性をさらに強め、環境への取組みを進めていきたい」と話す。











【印刷新報2021年5月27日付掲載】
その他掲載記事
・特集「生産革命を捉える」
・環境配慮型パッケージ「ポリクラ」開発
 太成二葉産業
・地場産業としてさらなる飛躍期す 東印工組総代会
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年5月20日付
大手印刷会社 2021年3月期連結決算
コロナの影響で事業に明暗


 大日本印刷は5月13日、凸版印刷は同12日、共同印刷は同14日に2021年3月期決算を発表した。各社の連結業績および2022年3月期の連結業績予想は次のとおり。
【大日本印刷】
 2021年3月期の連結業績は、売上高1兆3354億円(前期比4.7%減)、営業利益495億円(同12.0%減)、当期純利益250億円(同63.9%減)。
 情報コミュニケーション部門は、マイナンバーカード等のIDカードやBPO関連事業が拡大したが、全国でのイベントやキャンペーンの中止・減少に伴い減収。
 生活・産業部門は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが電気自動車向けやテレワークの広がり等でタブレット端末やスマートフォン向けに増加したものの、土産品や飲食店向け等の業務用包材が減少、住宅建築やリフォームの延期・休止による加飾フィルムや内外装材の需要減もあり減収となった。
 2022年3月期の連結業績予想は、売上高1兆3500億円(前期比1.1%増)、営業利益570億円(同15.1%増)、当期純利益530億円(同111.3%増)。
 今後は、グリーンリカバリーやDXの潮流も捉え、デジタルマーケティングや電子書籍、教育ICT、ヘルスケア関連、モビリティ関連、環境配慮製品・サービス、抗菌製品などの新たな需要を取り込んでいく。
【凸版印刷】
 2021年3月期の連結業績は、売上高1兆4669億円(前期比1.3%減)、営業利益587億円(同11.5%減)、当期純利益819億円(同5.8%減)。
 情報コミュニケーション部門は、ICカード関連やBPO関連が好調、行政機関を中心とした通知物需要の取込み等もあったが、昨年度のプレミアム商品券や改元、税率引上げに関連した需要増の反動減、イベントの中止・延期などのマイナス要因により、全体としては減収。
 生活・産業部門では、軟包材が加工食品向けは堅調も外食向けを中心に減少。紙器もトイレタリー関連が減少した。建装材関連は、店舗・ホテル等の非住宅市場を中心に案件の延期・中止の影響を受け厳しい状況が続く。その一方で海外は、コロナ禍で外出自粛が続く中、家具等のインテリア需要の拡大により順調に推移。昨年度実施した欧州大手建装材メーカーの買収効果もあり増収となった。
 2022年3月期の連結業績予想は、売上高1兆4500億円(前期比1.2%減)、営業利益520億円(同11.5%減)、当期純利益310億円(同62.2%減)。
【共同印刷】
 2021年3月期の連結業績は、売上高910億3100万円(前期比9.7%減)、営業利益6億4800万円(同58.7%減)、当期純利益8億2500万円(同45.4%減)。
 好調な分野は、電子配信を含むコミックス、児童書や学参、デジタル教材、食品関係の紙器、即席?のフィルム包材や蓋材、医薬品向け資材、ブローボトルなど。
 減少した分野は、定期刊行物、ヘルスケア関係や各種試験関係のBPO、企業のDM類、交通系を中心としたICカード、ティシューカートン、液体向け包材など。
 新型コロナの影響がプラス、マイナス両方に強く作用している。
 2022年3月期の連結業績予想は、売上高930億円、営業利益9億円、当期純利益8億5000万円。※新会計基準の適用により対前期増減率の公表はなし。
 共同印刷は5月14日に発表した2021〜24年度の中期経営計画で、注力する新規事業領域として、金融、公共サービス、ヘルスケア、教育の4分野を挙げている。











【印刷新報2021年5月20日付掲載】
その他掲載記事
・第19回印刷産業環境優良工場表彰 受賞工場に学ぶ
 光陽社、大川印刷
・廃棄物処理法への対応を解説
 日印産連・GP工場交流会 環境法規セミナー
・出版3社と丸紅が協業 出版流通改革へ新会社
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年5月6日付
日印産連・パネルディスカッション
アフターコロナの印刷業界を展望
デジタルに精通した人材育成など重要に


 日本印刷産業連合会が3月30日にオンラインで開催した「デジタル印刷の現状と展望」に関する調査報告会では、印刷産業における生産機としてのデジタル印刷の活用状況を分析したアンケート調査の2020年度版の結果が報告された。その調査報告会の後半では「アフターコロナの印刷業界はどうなるか〜デジタル印刷は切り札となり得るか〜」をテーマにパネルディスカッションが行われた。
 登壇したのは、網野勝彦氏(研文社代表取締役社長)と佐々木徹郎氏(廣済堂ソリューション開発部営業企画課課長代理)、長年にわたり日本フォーム工業連合会で専務理事を務めた山口実氏(JAGAT客員研究員)、マーケティングのスペシャリストである本間充氏(マーケティングサイエンスラボ代表取締役)の4名。モデレータは郡司秀明氏(JAGAT専務理事)が務めた。
 各パネリストによる発表に続いて行われたディスカッションでは、顧客との関係性や人材育成、DX(デジタルトランスフォーメーション)など、デジタル時代における印刷業の姿について意見が交わされた。
 各氏の意見からは特に人材面の重要性について指摘が相次ぎ、佐々木氏は「お客様の会社に伺うと、販促物系を担当している方は紙もWebも担当されているので、印刷営業も紙しか分からないとスピード感に付いていけない」とデジタルに長けた人材の必要性を強調するともに、「最近では印刷から提案することを止めようとも考えている。デジタルプロモーションやBPO、物流代行などから入り、その中から印刷物の案件が生まれればいい。実際に動いている仕事では、最初に印刷物を提案して断られたが、Web広告を受注したことで後から印刷の仕事も付いてきた。入口を印刷に限定しないいことで受注にもバリエーションが生まれる」と述べた。
 また、郡司氏がデジタル印刷の特性を活かす活用法の一つとしてABテストを挙げると、網野氏は「ABテストについては、自社DMの付加価値をお客様に評価してもらおうと思い、バレンタインデーにデザインの異なるDMを制作した。ユニークQRコードを付けてお客様の評価を取ったところ、五分五分の反応が返ってきた」と事例を紹介し、すでに取り組んでいることを明かした。
 デジタル印刷機の活用に向けては、山口氏から「まずはデータの活用を考えるべきだ。今回のアンケート調査では、デジタル印刷機を保有しながら自動組版ソフトを導入していない企業が見られたが、私からすると考えられない。設備ありきで考えてはいけない」との意見もあった。  また、本間氏は発注側の視点として、「印刷技術の進化を発注側はとらえておらず、印刷会社の仕事の仕方が大幅に変わっていることは意外と知られていない。逆に言えば、印刷会社は発注側に積極的に伝えていくべきだ」と指摘し、社内でデジタル化を進めるだけでなく、その情報を顧客と共有する必要性を説いた。
 印刷業界でも実装が進むDXに関して質問が及ぶと、佐々木氏は「社内ではDX化が進んでいるが、一方でお客様のDXをいかにサポートするかが課題だと思っている。お客様もさまざまなデータを持っているが、それが結びついていないケースが多い。そこをケアする人材を育てていきたい」と述べ、顧客を巻き込んだDX化の重要性を強調。山口氏も「今いるお客さんを深く理解し、何に困っているのかを認識するべきだ」と指摘した。










【印刷新報2021年5月6日付掲載】
その他掲載記事
・2020全日本印刷文化典長野大会
 ハイブリッド形式で開催
・令和3年 春の叙勲・褒章
・渋谷文泉閣オンライン工場見学 オンラインでも臨場感
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年4月22日付
大喜利印刷店(展)
印刷産業の可能性に光
ユニークな15作品が魅了


 全日本印刷工業組合連合会(滝澤光正会長)は、対外広報プロジェクト「大喜利印刷」から生まれたプロダクトを展示・販売する「大喜利印刷店(展)」を4月8日から11日まで東京・渋谷のSHIBUYA QWS(渋谷キューズ)で開催し、200名以上が来場した。
 大喜利印刷は、ツイッター上でつぶやかれたお題≠ノ対して、全印工連組合員の印刷会社有志が印刷廃材を利用し、独自のアイデアと技術で実現したもの。開発したユニークなプロダクトをSNSや展示イベントなどで発信することで、印刷産業の魅力やポテンシャルを広く社会アピールすることを目的に活動している。
 今回の企画展では第1期・2期のプロジェクトで企画・制作された作品の中から15作品を展示。会場ではプロジェクターで各作品の特徴や使い方などを解説したほか、アイデア自体を5円(ご縁)で購入できる商談スペースも併設。さらに、「こんな印刷があったらいいな。どんな印刷?」をお題に、来場者から新たなプロダクトイメージも募った。
 出展されたエイエイピー(静岡市)の「名画に浸る入浴剤」は、入浴剤に世界の有名絵画を印刷した。湯船に浸けた途端に音を立てて溶け出し、香りと色で包まれ、五感で名画を鑑賞できる。入浴剤が溶けると無地のイラストが浮かび上がり、ぬり絵としても楽しめる。廃材としてパレットと残紙を使用した。商品化の可能性も高いと評価されている。
 また、アインズ(滋賀県蒲生郡)の「FLOWERINK」は、本来はインクを拭き取るために使われる洗浄布の高い保湿性に着目したバラの花の形の加湿器。水分を吸い上げ、花弁の中のインクと混ざり合い、花びらがゆっくりと色づく。「肌荒れで悩む妻に、なにかしてあげたい」という声をヒントに生まれた。

印刷廃材を利用し、有名絵画を模した
「名画に浸る入浴剤」

■大阪でも開催を予定
 会期初日の8日にはオープニングイベントが行われ、全印工連の滝澤会長、瀬田章弘副会長のほか、大喜利印刷の企画当初から協力するKonelの出村光世社長、企画展に協賛したリコージャパンの三浦プロダクションプリンティング事業部事業部長が出席した。
 滝澤会長は大喜利印刷について、「相対的に紙に対する印刷物の需要が少なくなる中で、印刷会社は従来の紙に印刷する機能以外のサービス・機能を提供し、課題解決をサポートしている。しかし、未だに『紙への印刷=印刷業』という概念が強く、私どもの事業転換の足かせにもなっている。そこで、印刷産業の持つ機能やポテンシャルを正しく社会にご理解いただくために対外広報の活動を始め、その一環として大喜利印刷を企画した」とプロジェクトについて説明。また、会場のSHIBUYA QWSは学生やスタートアップ企業、クリエイターなど、若い世代を中心とした幅広い層が訪れるコミュニティスペースということもあり、「印刷会社によるクリエイションの一例として、新たな印刷業のイメージを特に若い人たちにご理解いただきたい」と期待した。
 第1期・2期のプロジェクトで生まれた全作品は、大喜利印刷の公式サイト(https://oogiri-insatsu.com/)でも紹介している。また、同様の企画展を大阪でも開催する予定。

作品展示やアイデアの販売などを行った











【印刷新報2021年4月22日付掲載】
その他掲載記事
・特集 デジタル印刷の今
・埼玉県印工組 特別座談会
 戸田市長と印刷業を語る
・視点 素材革命に乗り遅れるな
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年4月8日付
工業統計調査速報
印刷・同関連業の2019年出荷額は増減なし
事業所数は前年比2.5%減に


 経済産業省は3月26日、工業統計調査速報を公表した。2019年の「印刷・同関連業」の製造品出荷額等は4兆8270億5300万円となり、前年比0.0%と横ばい。通常、確報値は速報値よりもやや上振れすることが多く、2019年は前年比プラスとなった可能性が高い。
          ◇
 速報値は、産業中分類別に従業者4人以上の事業所について集計・分析したもので、事業所数、従業者数は2020年(令和2年)6月1日現在、製造品出荷額等、付加価値額、現金給与総額、原材料使用額等は2019年(令和元年)1〜12月の実績により調査している。
 「印刷・同関連業」は、事業所数9636事業所(前年比2.5%減)、従業者数25万579人(同1.2%減)、製造品出荷額等4兆8270億5300万円(同0.0%)、付加価値額2兆1218億8500万円(同0.1%増)、現金給与総額1兆229億3700万円(同1.2%減)、原材料使用額等2兆4141億2300万円(同0.4%減)となった。
 製造業全体の動向は、事業所数18万1299事業所(前年比2.1%減)、従業者数769万7536人(同1.0%減)、製造品出荷額等322兆1259億円(同2.9%減)、付加価値額100兆650億円(同4.1%減)。
 事業所数は大阪府が最も多く、従業員数と製造品出荷額等は愛知県が1位となっている。
 製造業に占める「印刷・同関連業」の現在の構成比と過去との比較(カッコ内は2000年)では、事業所数5.3%(7.3%)、従業者数3.3%(5.5%)、製造品出荷額等1.5%(2.7%)、付加価値額2.1%(6.0%)となり、この20年で「印刷・同関連業」の比重はかなり低下している。
 都道府県別に見た「印刷・同関連業」の事業所数は、全国9862事業所のうち、東京1696(前年比0.2%減)、大阪1090(同0.6%増)、埼玉810(同5.9%減)、愛知623(同1.9%減)が上位。
 製造品出荷額等は、東京7399億2700万円(前年比0.3%減)、埼玉7007億8700万円(同3.3%減)、大阪4513億4600万円(同1.7%増)、愛知3084億7900万円(同1.4%増)、京都2064億4200万円(同0.5%減)、福岡1812億8900万円(同0.7%増)、神奈川1741億1500万円(同2.6%減)、静岡1498億1200万円(同0.4%増)など。
■東京都は事業所数、従業者数ともに1位
 東京都は3月30日、工業統計調査速報「東京の工業」を公表した。
 2020年6月1日現在の「印刷・同関連業」の事業所数は1696(構成比17.2%)、従業者数は4万1486人(構成比16.9%)で、ともに産業中分類別では最も多い。
 また、2019年の製造品出荷額等は7399億2700万円(構成比10.4%)で、輸送用機械、電気機械に次いで第3位。付加価値額は3582億600万円(構成比12.7%)で、輸送用機械に次いで第2位となっている。
 出荷額は減少傾向にあるとはいえ、東京の地場産業としての地位は変わっていない。














【印刷新報2021年4月8日付掲載】
その他掲載記事
・富士フイルムHD 次期社長・CEOに後藤禎一取締役
 古森会長・CEOは最高顧問に
・2021年度大手3社の「新入社員へのメッセージ」
・全日スクリーン 『作業マニュアル』発行
 30年ぶりの改訂版
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年4月1日付
大日本印刷、XRコミュニケーション事業を開始
地域共創型空間の構築へ


 大日本印刷は、現実(リアル)の街と並列(パラレル)で仮想(バーチャル)の街・施設を開発する、自治体や施設管理者公認のXR(eXtended Reality)コミュニケーション事業を開始する。リアルとバーチャルの融合によって現実の地域や施設が持つ価値や機能を拡張させ、生活者に新しい体験価値を提供し、地域創生につなげる「地域共創型XRまちづくり PARALLEL CITY(パラレルシティ)」を推進する。
 ニューノーマルの構築が進むなか、時間や距離による制限を受けない仮想空間を活用したサービスが拡大している。また、IoTなどを活用して現実の情報をリアルタイムに仮想空間に反映し、リアルとバーチャルの2つの空間を鏡像のように存在させる「ミラーワールド」のサービスも誕生している。このミラーワールドの構築を支えるXR関連の国内市場も毎年拡大傾向が続き、2025年度には1兆1952億円にまで伸びると予測されている(矢野経済研究所の推計)。
 大日本印刷は独自の強みである表現技術と安全・安心に大量の情報を処理する能力に、パートナーの強みを掛け合わせて新しい体験と経済圏を創出する「XRコミュニケーション事業」を展開していく。
 事業展開にあたり、誰もが簡単かつ安全・安心に楽しめる空間の構築に必要な機能を備えたXRロケーションシステム「PARALLEL SITE(パラレルサイト)」を提供する。パラレルサイトでは、実在する場所を精緻なCGデータでバーチャル化し、リアルとバーチャルをパラレルに展開する。誰もが自由に利用でき、同時に複数の体験が進行する。あらゆる地域やロケーションをXR化するパラレルサイトを用いることで地域のミラーワールド化による新たなまちづくりを実現し、地域や施設が持つ価値や機能を拡張させ、生活者に新しい体験価値を提供して地域創生につなげる「地域共創型XRまちづくりパラレルシティ」を推進する。
 また、大日本印刷ではアニメ・マンガ・ゲームなどのコンテンツホルダーと協業し、多様な表現手法でコンテンツの魅力を発信する事業を推進している。デジタル処理技術を活用した国内外の美術館・博物館の所蔵作品や有形・無形の文化遺産に関するアーカイブ事業と、それらのデータをメディアに展開する事業も推進しており、これらの良質なコンテンツとXRコミュニケーションを掛け合わせ、生活者が多様な文化に触れる新しい体験価値を創出していく。
 さらに、コロナ禍により非対面・非接触のコミュニケーションが求められるなか、「企業と生活者」「生活者同士」が安全・安心につながる新しいコミュニケーションサービスを提供する。リアルとバーチャルが連動して買い物が楽しめる「リテールテイメント」などをすでに展開しており、これらのサービスとパラレルサイトで構築した自治体や施設管理者に公認された空間と連動させることで、地域交流の場を拡張していく。
 3月23日に行われたオンライン記者会見で、大日本印刷の蟇田栄専務執行役員はXRコミュニケーション事業について、「近い未来の社会や生活者のコミュニケーションのあり方を変えていける事業だ」と評しながら、「新型コロナウイルスを機に新たなコミュニケーション手段として、バーチャル空間サービスをはじめとするXR技術の普及が急速に加速している。生活者のコミュニケーションは転換期にある」、「XR技術を活用することで提供できる体験や生活者のコミュニケーションが今まで以上に広がる。DNPは価値ある情報を時代に合ったコミュニケーション手段の活用によって人々の生活や社会に価値提供していく」と述べた。
 先行展開エリアとして、北海道札幌市北3条広場(4月末予定)と東京都渋谷区立宮下公園(5月末予定)においてXRコミュニケーション事業を展開する空間のオープンを予定している。
 今後、自治体や地域のパートナー企業などと共創しながら、日本各地の街や施設の公認空間を開発していき、2025年までに全国30拠点の構築を目指す。また、各地の公認空間を基軸にXRコミュニケーション事業を展開していき、2025年度までに関連事業も含めて100億円の売上を目指す。













【印刷新報2021年4月1日付掲載】
その他掲載記事
・第19回環境優良工場表彰 大臣賞は該当なし
 局長賞に光陽社、大川印刷
・全印工連 介護共済を開始 割安な掛け金で
・ハイデルベルグ サブスクリプションを導入
 ウィザップ(新潟)
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年3月18日付
東京製本工組、業界調査分析事業で報告会
成長分野を見極め専門性に磨きを


 東京都製本工業組合(鈴木博理事長)は3月11日、都中小企業団体中央会の「令和2年度団体向け小規模事業者持続化支援事業」の一環として実施した製本業界の実態調査分析の報告会を製本会館で開催した。組合員へのアンケート(昨年9月実施、78社回答)と組合幹部へのヒヤリング(同7月実施、12社)を担当した日本生産性本部から報告が行われた。製本業者の「機会と脅威」を分析したうえで、ターゲット市場を明確にする必要が強調された。
■事業領域の"区画整理"も提言
 アンケートにみる組合員企業の平均像は、設立が1970年以前、経営者は2〜3代目、従業員の平均年齢は46歳、平均年収は約350万円。売上高構成比は、「商業印刷」40.7%、「書籍・辞書・雑誌」27.5%、「紙製品」15.2%、「特殊製本」5.2%、「その他」11.5%となり、増益の17社では「商業印刷」の比率が低く、「紙製品」、「その他」が多い傾向にある。
 後継者については、「あり」33%、「未定・不明」21%、「不在」42%となっており、後継者不在と答えた33社のうち21社は廃業を予定している。
 今後の市場展望では、ペーパーレス化による市場規模縮小を予想する見方が大半だが、その中にあって、「お薬手帳・血圧手帳」、「絵本等児童書」、「御朱印帳」、「感染予防配布物」等については「中長期的に需要増加」と見る企業が多い。
 今後の経営方針・課題の上位に挙がったのは、「得意領域・専門性強化による利益確保」、「利益重視の受注選別・不採算取引の削減」、「 既存商材拡販による新規顧客開拓強化」、「都度の見積作成・値上げ交渉強化」、「組合内協業による取引改善」など。
 調査結果を分析した日本生産性本部では、事業ポートフォリオの見直しを中心に次のようなアドバイスを行った。
◆製本組合の各社は、営業よりは製造を、新規よりは既存品を重視・優先する傾向が見受けられる。価値観の変化に負けないよう、今まで以上に、独自の領域・技術を磨くことは重要であり、そのためにはターゲット市場(重点顧客)を明確にする必要がある。
◆ノート・手帳・封筒・アルバム等の「紙製品」の市場規模は1600億円前後で推移し、スマートフォンの普及期にあっても安定している。コロナ禍による巣ごもり需要の追い風もあり、紙製品を含めた文具市場は底堅い。首都圏はオフィスワーカー、特に働く女性が多く、文具市場は極めて重要な市場といえる。
◆47都道府県で今後の高齢化率の増加が顕著なエリアは1都3県(神奈川・千葉・埼玉)であり、余暇を楽しむ時間が豊富なアクティブシニア層は、読書やコレクション等、紙を用いる市場性が大きい。製本業にとっては大きなチャンスになる。
◆市場規模の縮小が早期化する可能性は大きい。業務連携・M&A・事業承継による差別化とコスト競争力の向上は避けられず、製本組合の統合的機能は重要さを増す。事業承継の一つの方策として、各社の事業領域(ドメイン)を"区画整理"することで、専門領域の明確化、収益性の向上を図ることも必要だと考えられる。
◆見積書・契約書・発注書など使用頻度の多いフォーマットの整備も重要になる。製本組合が共通フォーマットの使用を推奨することで、組合加入メリットを享受できる。













【印刷新報2021年3月18日付掲載】
その他掲載記事
・製本・加工特集
・TOKYO PACK 2021 時勢に即した提案目立つ
・Print Doors2021 過去最大規模で開催、盛況に
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年3月11日付
〈page2021カンファレンス〉
コロナ後の対応に変革の視点を提供
フュージョン花井会長が講演


 日本印刷技術協会(JAGAT)が主催したpage2021のオンライン・カンファレンスでは、一連のセッションの締めくくりとして、2月26日に「コロナ後の印刷業界を占い〈未来をどのようにリセットするか?〉考える」と題し、フュージョン(札幌市)の花井秀勝会長が講演、JAGATの郡司秀明専務理事と対談した。花井氏は、コロナ禍での一年を振り返りながら、デジタル庁の新設、ネットワーク分散印刷、設備と人員の再配置、デジタルとマーケティング教育への投資などの話題を取り上げ、「地方からの視点がポイントになる」と語った。
 
 ■地方の視点で体制づくり/設備と人員の再配置を
 フュージョンは、印刷会社を母体に、顧客のダイレクトマーケティング支援を展開している。同社でもコロナ禍の影響により関係する多くのイベントやキャンペーンが中止になった。一方、EC関連の仕事は活発で、スマホアプリの開発依頼が増えたという。
 リモート営業については、営業の不慣れ、顧客とのコンタクトの難しさ等から不振だった。そのため、早い段階からWebセミナーの自社開催を始めた。また、より対面に近いテレビ会議システムに効果を感じ、今後活用に力を入れていく。
 市場の変化では、まず人口減少と高齢化への対応を挙げた。高齢者の増加で印刷物の作り方が大きく変わる。花井氏は「特にデザイナーは手に取る人のことをよく知る必要がある」と指摘。また、都市部に比べ、地方の市町村からの発注量が減少しており、「新しい市場を創っていかなければいけない」と述べた。
 メディアの多様化により、あらゆるツールを介して商品注文が送られてくる「タッチポイントのボーダーレス化」への対応も大きな課題に挙げた。その中で、「行動を喚起させる紙媒体の特長への理解と再定義が求められる」とし、「家庭や会社内で滞留時間の長い、捨てられない印刷物がポイントになる」と述べた。
 コロナ禍で加速する紙の減少とデジタル化に関しては、新聞折込チラシを例に、新たな情報発信とミクロマーケティングをポイントに挙げた。スーパーは特売・価格訴求から商品情報(レシピ等)の提供に移りつつある。そのほか、店舗エリアごとの時間差での催し、土日集客から平日集客(在宅勤務の増加により)、チラシからのネット宅配注文などの変化が見られる。ミクロマーケティングでは、エリア選定と戸別配布(ポスティング)が大事になる。
 政府や企業のデジタル化推進、銀行・信金の業務変革期に関連した変化もチャンスになる。自治体の印刷物(広報・統計書・イベント案内等)のネット配信への移行、企業での明細書・請求書等のデジタル化にいかに絡むか。また、家庭の金融資産残高が過去最高となる中、花井氏は「官公庁は消費喚起のためのセールスプロモーションへの要望を強めている。特に地方の印刷会社にとって、地域特性に合わせたSP企画・提案が重要だ。データの収集・分析、編集の仕事にも積極的に取り組みたい」と述べた。
 運転免許証・健康保険証との一体化が予定されるマイナンバーカードについては、「カードで何でもできる流れになり、BPOの概念が崩れるだろう。BPOの形が変わる」と考えを述べた。
 "印刷の地産地消"を実現するためのネットワーク化の必要にも触れた。全国の印刷会社同士の連携による分散印刷と各エリアでの出荷により、短納期対応とインフラ障害回避が可能になる。関連して、DM・カタログ等で全国版(共通内容)と地方版の内容の作り分けが進んでいく流れも予想した。
 さらに、印刷会社の設備と人員の再配置について提案。都市部には24時間体制・フルサービスの会社が適している一方、地方都市では、「地域色も活かし、デザイン・編集・撮影などクリエイティブな能力やWebスキルのある人材確保が望まれる。デジタル印刷も活用しやすい。東京からではなく地方からの視点がポイントになる」と棲み分けの形を描いた。
 結びに花井氏は、デジタルとマーケティングに関する教育と人材育成の重要性を強調し、特にリモート営業の拡大により、デジタル用語の理解、説得力、プレゼンテーション力が問われてくると指摘した。
 講演内容を受けてJAGATの郡司専務理事は「マーケティングに立脚した印刷会社でないと生き残れないが、各地域で印刷会社にはそれができると言い切りたい」とまとめた。












【印刷新報2021年3月11日付掲載】
その他掲載記事
・印刷工業企業年金基金、東日本基金と合併へ
・東洋美術印刷 アートギャラリーを飯田橋に開設
・マーチング委員会 第10回総会とセミナーを開催
 地域のキーパーソンづくりを推進
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年3月4日付
日印産連、「じゃぱにうむ」をWeb開催
広島県のDX事例を山田副知事が紹介


 日本印刷産業連合会は、「じゃぱにうむ2021―印刷産業の地方創生事業事例発表会」を2月15日から「じゃぱにうむ」専用サイトで公開している。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からオンライン開催となった今回は、広島県副知事で元経済産業省メディアコンテンツ課課長の山田仁氏による基調講演「地方創生に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」で広島県の取組み事例を紹介したほか、日印産連価値創出委員会の瀬田章弘委員長の開会あいさつ、印刷会社6社による事例発表など、8つの動画コンテンツが公開された。
■"適散・適集社会"を目指す
 「じゃぱにうむ2021」は、印刷会社が取り組む地方創生・地域活性化に関わる事業の事例を共有することで、印刷会社が地域のコーディネータ役として地方創生・地域活性化に関わる事業を推進し、その創出をさらに加速させていくことを目的としている。また、イベントを通じて印刷産業の持つ幅広いネットワークや課題解決に向けた柔軟な対応力などを、各地方自治体、地方金融機関等に訴求していくことも目的の一つ。
 動画による開会あいさつで、瀬田委員長は印刷会社による地方創生事業への期待を次のように述べている。
 「地方創生や経済、環境による好循環の創出は印刷産業にとって重要な課題である。特に地方創生は、印刷会社がそれぞれの地域で活躍できる場だと考えている。印刷会社は全国に存在し、ほぼすべての産業と接点を持っている。その私たちが地域のハブとなることで、地域の課題を解決することが地域の未来、そして印刷会社の明日につながると考えている。基調講演と地域の最新事例をご覧いただき、自社の強みを活かして地域の課題解決に取り組んでいただきたい」
 基調講演の講師の山田氏は、経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課の課長を務めていた経歴を持ち、現在は広島県副知事として県のDX推進本部長を兼務している。動画では地方創生の推進におけるDXの取組みや地方創生を進める上での印刷会社に求められる役割、期待等が語られた。
 広島県では、概ね30年後の「あるべき姿」を構想し、10年後の「目指すべき姿」とその実現に向けた取組みを描いたビジョン「安心・誇り・挑戦 ひろしまビジョン」を昨年10月に策定した。山田氏はその狙いについて、「将来にわたり広島に生まれ、育ち、住み、働いて良かったと心から思える広島県の実現だ」と説明する。さらに、新型コロナウイルスにより東京一極集中といった課題が顕在化したことで、「過度に進行した密集・密接・密閉を避け、人との距離を保つ"分散"がもたらす価値に気が付かせてくれた」と指摘する一方、「日本がこれからも発展していくには、さまざまなイノベーションを生み出す知の集積・集合も必要だ」との認識を示し、「われわれのビジョンでは、分散化・集中化の二者択一ではなく、適切な分散と集中を組み合わせた『適散・適集社会』を目指している」と紹介した。
 適散・適集社会のフロントランナーを目指す広島県は、「広島たちまちDX」という取組方針を掲げながらDXを推進している。「たちまち」は広島の方言で「とりあえず」を意味し、暮らしや地域社会、スポーツ、行政などの各分野で細かなトライ&エラーを繰り返しながら知見やデータの蓄積を図っている。
 これらのデータを有効活用すべく、官民連携のオープンな実証実験の場として「ひろしまサンドボックス」を構築。県内外の民間事業者がデータを活用した取組みを進めことで人材の集積や新しいソリューションの創出を目指している。
さらに、昨年11月には「広島DX推進コミュニティ」を創設し、県内企業や教育機関、行政等と協調・協働しながらDXの実践を進めていることなどが紹介された。
 最後に、印刷業界のDXにおける期待として、「先ほど紹介したプロジェクトをはじめ、全国でさまざまな取組みが行われている。印刷業界と直接的には関係がなさそうな取組みに対しても意欲的に参画されることを期待している。今回の講演が印刷業界として、あるいは個社として何ができるかを考え、取り組むきっかけになってほしい。印刷業界の課題は、日本の製造業や中小企業にとっても共通であることが非常に多い。進展するデジタル社会で自らの付加価値を高める取組みに期待している。それが日本の製造業全体を明るくすることにつながる。デジタル化を含めて地方の取組みに協力いただきたい」と講演を締めた。
 そのほか、印刷会社による事例発表ではアインズ(滋賀県蒲生郡)、ニシキプリント(広島市)、プロゴワス(鹿児島市)、大風印刷(山形市)、平野屋物産(福岡県大野城市)、ツジマキ(横浜市)の6社が取組みを発表している。











【印刷新報2021年3月11日付掲載】
その他掲載記事
・IGAS2022、開催決定
・電通「2020年日本の広告費 」 リーマンに次ぐ減少幅
・光文堂新春機材展 Print Doors 2021
 「変革を掴もう」テーマに
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年2月25日付
全印工連、DX運用システムが完成
生産協調に向け全国でモデル試行


 全日本印刷工業組合連合会の今年度下期の地区印刷協議会が、2月17日に東北、19日に中部と中国、22日に東京など、オンライン形式により順次開かれた。各協議会では、全印工連DX推進プロジェクトについて本部から進捗状況を説明し、このほど完成した運用システム「DX-Plat(ディーエックス・プラット)」の機能概要も明らかにした。
 説明ではまず、印刷産業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)について、「デジタル技術とデータの活用により、印刷産業が抱える諸問題を改善し、生産の効率化やビジネスモデルの変革を促進することで、印刷産業全体の構造改革をもたらすこと」と定義。単なるデジタル化とは異なる点に注意を向けている。
 全印工連が2019年度に実施した印刷産業の取引環境実態調査からは、印刷需要の減少、供給過剰による受注単価下落と営業利益率の低下、収益管理の不十分といった実態が明らかになり、課題として「個々の印刷企業の得意分野の把握、稼働情報データの連携、管理コストの引下げをDXでドライブすることによる、印刷産業全体としての生産性向上と付加価値創出の実現」が挙がった。そこで全印工連では、同質化競争からの脱却(競争から生産協調への転進)と高付加価値サービス提供産業への転換を目指し、DX推進プロジェクトを立ち上げた。
 構想したのは、印刷産業版の「DXジョブシェアリングネットワーク」。ネットワークを介して、生産を縮小、あるいはサービスに特化する会社は、顧客接点を最大化することに経営資源を投下し、高い付加価値を創出。生産に経営資源を投下する会社は、さらなる生産性向上によるスマートファクトリー化を図れる。
 2020年度は、経済産業省の補助金を活用し、システム開発に専念。このほど、全印工連DXシステム「DX-Plat」として完成した。2月2日にシステムの検収、2月10日に経済産業省によるシステム検査を終了している。
 DX-Platを構成する「組合員間受発注システム(JSP)」は全印工連が独自に開発。生産管理システム(JWS)」は富士ゼロックスより使用許諾権を取得し、メーカー横断型のオープンプラットフォームとなっている。「基幹業務システム(MIS)」はNECネクサソリューションズより推奨MISの一つとして使用許諾権を取得した。
 システムは、参加各社のITの実装を前提として、小規模企業でも運用可能となっている。クラウド上に置かれ、各社が個々にサーバー等を導入することなく使用できる。参加企業は、経営情報と生産情報の見える化により大きなメリットを得られる。需給による価格決定システムを採用した。
 全印工連では2021年度、全国10地区程度のモデル地区での試行を通じて、効果検証とシステム改修を実施。2022年度に全国での説明会開催と参加企業の募集を開始する予定。計画の前倒しも検討している。










【印刷新報2021年2月25日付掲載】
その他掲載記事
・特集・輪転システムのいま
・全印工連、年度末の官公需取引で経産省に要望書を提出
 再生紙の入手、難しく
・全青協 第34回全国協議会
 「四方よしのデザイン」へ討論
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年2月18日付
文伸、物産販売で東京諸島を応援
期間限定のアンテナショップを開設


 東京都商工会連合会は「島嶼(とうしょ)魅力発信事業」の一環として、「東京諸島アンテナショップ」を期間限定(2月10日〜3月7日)で小金井市のnonowa東小金井「商工会ギャラリー」にオープンした。コロナ禍で大きなダメージを受ける東京諸島の応援イベントであり、兜カ伸(川井信良社長、東京都三鷹市)が受託し、企画・運営・宣伝を担当した。文伸の川井社長は「この事業に参加して印刷業との親和性の高さを感じた。当社の新しい領域として広げていきたい」と、プロモーション事業の今後に可能性を見出している。

島の魅力紹介も兼ねたショップ内

◆好評の「吉祥寺」に続き「東小金井」で第二弾
 東京都には、伊豆諸島と小笠原諸島に計11の人々が暮らす島があり、合わせて「東京諸島」と呼ばれる。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け来島者が激減し、観光産業に多大な影響が及んでいる。また、不特定多数の来場がある物産展やイベントなど、島内外での販売促進や集客促進事業も中止となり、影響の広がりは大きい。
 そうした背景を踏まえ、東京都商工会連合会と東京諸島の6商工会は、特産品の販売と情報発信による支援を行うことで、島の小規模事業者等の販路確保と島への集客促進を目指した。
 アンテナショップ形式による島の応援事業としては、2020年12月12日から今年1月24日にかけて東京・吉祥寺の商店街の一角で実施したイベントが第一弾。期間中に6千人以上が来店し、売上は目標の3倍となる約300万円に達した。過去の物産展と比べても予想外の大きな成果に、島の人々も驚きをもって受けとめたという。
 島特産の塩や青唐辛子を使った調味料、明日葉などの珍しい品が主婦に受けたことや、島焼酎・塩辛などの売行きも良く、家飲み消費の高まりなどが影響したと考えられる。購入者にはリピーターが多く、口コミで売れた椿油配合のハンドクリームなどの商品もあった。
 事業委託に際して行われたコンペでは、地域活性化の手伝いで豊富な実績がある文伸が事業者に指名された。文伸では、商店街にある空き店舗を借り、販売商品を買取りで仕入れて販売。販売スタッフはイベント企画・運営会社の協力を得た。
 初回の評価は大変高く、東京都商工会連合会では、三宅村と友好都市関係にある小金井市で第二弾の期間限定アンテナショップを企画し、再び文伸が受託した。
 今回は、JR東小金井駅前の商工会ギャラリーを一時的に改装してショップを設営。島の特産品販売を中心に、東京諸島のガイドブックなども配布し、島の魅力や楽しみ方などの情報を発信している。
 集客にあたり、ポスターやチラシ、のぼり等、得意とする印刷関連はもちろん、さまざまな特別企画を用意した。アンケートに回答・応募した人の中から抽選で1名に「三宅島への往復ペア航空券」が当たる企画や、2月11日の祝日には計60本の景品が当たるガラポン抽選会を実施。公式フェイスブックでは商品の入荷状況などの最新情報を随時発信している。
 2月10日のオープン初日には約17万円、翌11日の祝日には約30万円の売上があり、幸先の良いスタートを切った。
 文伸の川井社長は「印刷業と親和性のある事業として面白さを感じた。社員たちも部署を超えて意見を出し合い、盛り上がっている。仕入や販売の難しさなどはあるが、吉祥寺での経験を踏まえて今回改善できた点は多い。仕入・発注のタイミングもつかめてきた。手がけるほどノウハウを蓄積できる。価格競争から抜け出し、新しい領域を開拓する上で良い経験になった。印刷物を納めるだけでなく、その先の効果を求めるお客様のニーズに応えられる事業として拡がりを感じている」と話す。













【印刷新報2021年2月18日付掲載】
その他掲載記事
・特集・パッケージの進化
・page2021オンラインが開幕 2月28日まで開催
・レンゴー、金羊社を子会社化
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年2月4日付
日本HP、コロナ禍での変化取り込む
デジタル印刷需要が表面化


 日本HP(岡隆史代表取締役社長執行役員)は1月20日、報道関係者向けの事業説明会をオンラインで開催した。岡社長が全体概況を説明した後、主要事業分野ごとに各事業責任者が2021年の市場戦略について紹介した。
 2020年のHPのグローバルビジネスは、売上高が約5.9兆円、利益が約4200億円。岡社長は「一時期、売上が対前年10%マイナスの時は会社全体がざわついたが、5〜7月頃から復調し、利益は最終的に前年並みとなった。グローバル経済が停滞した割には堅調と見ることができる。HPの製品ポートフォリオの幅広さがこの結果に表れた」と語った。
 ウイルス対策でテレワークが拡大し、個人向けのPC、プリンターが伸びたことで、オフィス向けの減少をカバーした。また、オフィス向けもデスクトップ型は厳しかったが、ノートPCは好調であるなど、補完できている。
 国内事業で最も力を入れたのはテレワークへの対応だった。セキュリティと環境配慮を重視した軽量ノートPCのラインアップを強化したほか、ハードウェアとサービスをパッケージ化した「テレワーク支援パック」など、中小企業が導入しやすいサービスを展開した。そのほか、プロフェッショナルから個人向けまでのクリエイターPCを13機種投入。オンデマンド印刷ニーズの高まりを受け、次世代デジタル印刷機10機種も一気に市場投入した。
 ビジネス環境の大きな変化としては、「ステイホーム」と「非接触」が挙げられた。岡社長は今後のトレンドについて次のように見ている。
 「ビジネスマンから子供まで、一人一台のPCが当たり前になりつつある。今まで使いこなしていなかった人も使う時代となり、ITリテラシーが向上している。PCの台数は今の倍近くまでいくだろう。A3複合機からA4プリンターへの需要の移行、AI/VRなどのツールの取込みも進んだ。今もSNSでの情報発信が活発だが、コンテンツがもっとリッチになっていく中で、スマートフォン中心からPCの世界に移るだろう。人々は、自分にとって一番良い環境やツールは何かを探し求めるようになる。個人でも大きなビジネスができる時代となり、それがすべての人に開かれている。デジタルプリントにもつながっていく。合わせて、安心の担保、すなわちセキュリティへのニーズも高まる。ビジネス上のキーワードは、社会要請としての『サステナビリティ』だ。コロナとも関連するが、環境破壊や地球温暖化など、自分が触れ得ないところの影響を人々がさらに意識するようになる」
 そうした認識に立ちながらも岡社長は「HPの基本戦略は変わらない」と話す。「なぜなら、もともと10年、20年先のメガトレンドを予測し、社会が求める製品やサービスを開発・提供してきたからであり、今回のコロナ禍では変化が早まったにすぎない。従来どおりの戦略を進めるが、ただし、さらにスピードアップしていく。サステナビリティとセキュリティをビジネスの共通軸とし、お客様のパートナーとしてさまざまなサービスを共に創り上げていく。それがHPのミッションだ」
 デジタル印刷事業に関しては、常務執行役員デジタルプレス事業本部本部長の岡戸伸樹氏が説明した。  2020年は、社会、個人、企業の急激な変化によりデジタル印刷需要が増加した。安心安全の確保のため、不織布マスクやフェイスシールドなどが求められ、HPのラベル&パッケージ印刷量は対前年比2桁成長(グローバル)だった。個人の自由時間が増加し、書籍の需要やフォトブック製作などが活発になり、高速インクジェットデジタル輪転機「HP PageWide Web Press」の印刷量は2020年8月に5000億ページを達成した(グローバル累計)。予定よりも早い達成であり、成長率は市場のほぼ2倍となる。また、企業の事業再開への工夫として、ニューノーマル対応の小ロット印刷物(ソーシャルディスタンス表示など)が増加した。HP PrintOSの導入も活発で、対前年比2倍の売上となった(グローバル)。岡戸氏は「全体にデジタルプレス事業は堅調に推移し、コロナ禍でデジタル印刷機の必要性が表面化した」と総括する。
 デジタルプレス事業のキーワードとしては、アナログ to デジタルの加速による「成長」と、印刷物の価値向上のソリューション提供よる「付加価値」(持続可能な社会への貢献、セキュリティ対応等による差別化)の2つを挙げた。
 具体的な事業戦略の一つは、「次世代新製品の導入加速」。2020年はHP史上最多の10製品を新たにリリースした。商業印刷・フォト・出版向けには、オフセット印刷機を凌駕する印刷品質の「HP Indigo 15K」(高解像度6色HDFM、1600dpi RIP搭載)、オフセット印刷機に匹敵する印刷速度の「HP Indigo 100K」(従来比1.3倍の毎時最大6000シートを出力)など。フォトブックや同人誌、ダイレクトメールなどのニーズが特に高い。さらに、ラベル&パッケージ向けには、2022年に出荷開始予定の「HP Indigo V12」が控えている。同機は、1600dpi RIP搭載×毎分最大120m(従来比4倍)と、高度な印刷品質とフレキソ同等の印刷速度を両立している。
 事業戦略の柱の二つめは、「デジタル印刷を活用したビジネス創造」。岡戸氏は事例として、2019年にKADOKAWAと実施したオンデマンド出版を紹介した。ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が、科学を志したきっかけとして『ロウソクの科学』を挙げたことから書店に注文が殺到。これに対し、日々売れる量だけを印刷・製本し、在庫ロスを防止しながら、注文から2営業日(従来の5分の1)で出荷した。結果として累計10.8万部の増版を達成した。











【印刷新報2021年2月4日付掲載】
その他掲載記事
・特集「page2021オンライン」
・印刷加工連 ホームページ刷新、直販も
・紙+電子で4.8%増 2020年の出版市場
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年1月28日付
〈日印産連/全国グラビア/日印機工〉
廃プラ リユース・リサイクルソリューションを発表


 日本印刷産業連合会(藤森康彰会長)、全国グラビア協同組合連合会(田口薫会長)、日本印刷産業機械工業会(森澤彰彦会長)は1月20日、東京都港区の機械振興会館において共同記者発表会を開催、グラビア印刷工場からヤレ紙として排出される廃プラスチックのリユースおよびリサイクルを可能とするソリューション開発プロジェクトを発表した。
■プロトタイプ機で運用テスト、非石油由来の洗浄液を使用
 発表会は小野隆弘日印産連専務理事、田口薫全国グラビア会長、森澤彰彦日印機工会長、里見和男同専務理事、協力メーカーとしてオリエント総業の原田秀典社長、富士機械工業の和田龍昌社長が出席して行われた。
 現在、全国の軟包装印刷工場からテスト印刷として排出されるヤレ紙は年間5000〜8000トンと推定されている。
 しかし、従来は一部が燃料として利用されるほかは産廃として回収されており、昨今のカーボンオフセット目標、および廃プラ問題解消のためにはリユース、リサイクルを進めなければならない状況にあった。
 今回のプロジェクトはこの問題のソリューション開発について日印産連、全国グラビアから日印機工に打診があったことがきっかけとなっている。
 その後、3団体共同で約1年半かけ検討し、日印機工会員企業であるオリエント総業、富士機械工業の2社がテストプラントの開発を行ってきた。このたび開発がほぼ終了し、ヤレ紙の運用テストに入る段階となった。
 これについて、小野専務理事は「田口会長から海外の動向について情報をいただき、印刷業界としてプラスチックの有効性を周知するだけでなく、自ら廃プラを少なくしていくべく、日印機工に相談したところ、2社をご紹介いただいた。今後、機械メーカーと印刷業者が情報交換をしながら、できるだけ早く性能が良く安価なものを提供できるよう努めたい」とこれまでの経緯を紹介。
 また、田口会長は「欧州に洗浄機があることを知っていたが、生産台数も少なく高価だったため、国内で生産すべきと考えた。グラビア業界ではシリンダーを洗浄する機械を各会社が持っており、超音波洗浄機が使われている。今回の機械にも組み込まれており、すばらしいものができれば、われわれがこれを導入し、プラごみを減らし、再利用する方法などを研究していきたい」と述べた。
 さらに、森澤会長は今回の取組みの背景について「グラビア印刷機械部会に諮り、グラビア印刷機を製造しているメーカーの責任として今回のご依頼に応えていこうという意見がまとまった。当工業会はSDGsを推進していくという立場にあり、今回の取組みは非常に意義のあるものと考えている」と説明。
 さらに、装置で使用する洗浄液の準備について次のように紹介した。
 「一般に石油由来インキの溶解・洗浄には石油由来の溶剤を使用するが、今回は非石油由来であり、かつ、さまざまな面で安全な洗浄液である必要があった。
 また、リユース、すなわちテスト用フィルムとして再利用するには、フィルムにキズや他のダメージを与えることを最小限にとどめるため、洗浄段階で極度のブラッシング等を行うことができず、洗浄液に高いインキ用対応力が求められる。
 工業会としては化学薬品メーカーにご協力をいただきながら、この条件にマッチする植物由来の洗浄液の評価・テストを繰り返し、基本性能を満たした洗浄液の準備を行うことができた。
 今後は正式製品の開発、市場への展開を行っていくこととなるので、ぜひご期待いただきたい」
 発表会ではこのほか、開発を行う2社からそれぞれの装置の特長と今後の計画が紹介された。
 オリエント総業の原田社長からは「3月頃に最終的なアセンブリングとデモができる環境を作り、4月にはコンバータ様に洗浄済みフィルムサンプルを提供し、夏頃には初号機を出荷したい」、富士機械工業の和田社長からは「現在、試運転を行っている。環境省の補助金を利用していることから、1月末から2月末までに基礎データ収集し報告を行ったのち、ロングランテスト、販売機の検討・設計を12月頃まで行っていく」との方針が述べられた。










【印刷新報2021年1月28日付掲載】
その他掲載記事
・日印産連『じゃぱにうむ2021』
 印刷業の地方創生事例を紹介
・東京ビジネスデザインアワード テーマ賞7件が決定
・モリサワと写研
 オープンタイプフォントの共同開発で合意
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年1月14日付
〈第14回MUDコンペティション〉
受賞22点、経済産業大臣賞は
ともに災害対応関連ツール


 全日本印刷工業組合連合会が主催する「第14回メディア・ユニバーサルデザインコンペティション」では、経済産業大臣賞はじめ全22点の受賞作品が決定した。
 今回は、応募総数227点(一般64点、学生163点)、部門の内訳は「グラフィックテクニック」94点、「商品企画」127点、「製本、加工技術」6点だった。
 経済産業大臣賞の受賞者は次のとおり(敬称略)。
・一般の部
 松本印刷梶i静岡県)、「災害時情報共有ツール」(出品者=高山七海、奥山ひとみ)
・学生の部
 専門学校浜松デザインカレッジ(静岡県)、「I.SCALE〜災害の見える化計」(出品者=土川彩音)
◆切って貼って、情報を共有
 経済産業大臣賞の2作品は、いずれも災害対応に関連したもの。
 「災害時情報共有ツール」は2つのツールから成る。
「キリトリミニブック」は、衛生・体の健康・心の健康の3つをテーマに、災害時でも健康的に過ごすためのアドバイスをまとめたガイドブック。すべてのページを切り離せ、小さなポスターとして必要な場所に掲示することで情報を共有できる。
 「パーソナルデータ記載抗菌マルチケース」は、抗菌加工が施された収納ケースで、3つのポケットには衛生グッズのほか、カードやお金が入れられる。中面には基本情報を書き込めるほか、日本語と英語の2ヵ国語で項目を載せている。情報を伝えにくい子どもや高齢者、障がい者なども、必要な情報を他者に伝えられる。
 各ツールともに、文字はUDフォントを使用。判別しやすい色と柄で、誰にでも見やすいデザインにしている。
 役所などで住民に配布、学校で生徒に配布、災害時に避難所で配布など、いろいろな使い方が考えられる。
 また、「I.SCALE〜災害の見える化計」は、日常的に防災を意識・実感できる計測アイテム。自分の身長を基準に、数字や映像では分からないリアルな高さをマークし、可視化できる。高さに合わせてカットしやすく、貼って剥がせるステッカータイプとなっている。
 想定される使用場面としては、公共施設において、過去の記録から「(洪水や氾濫が)ここまで来る」という高さを住民が共通認識にしたり、緊急時に避難誘導などを任される職員の防災意識と責任感の向上が期待できる。家庭では、子どもの身長を測るというコミュニケーションを取りつつ、防災意識を保つことができる。















【印刷新報2021年1月14日付掲載】
その他掲載記事
・特集 第57回光文堂新春機材展
 「変革を掴もう」をテーマに
・政府、デジタル教科書の普及促進に
・大手3社の社員向け年頭あいさつ
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2021年1月1日付
【本紙アンケート】
2020年の気付きと2021年への挑戦
―各社の課題を明確にしたコロナ危機―


 新型コロナウイルスによりビジネス環境が一変してしまった2020年。否応なく業界を襲ったコロナ危機は、それぞれの印刷会社が抱える弱点や課題を浮かび上がらせるリトマス試験紙でもあった。変革を先延ばしにしてきた会社にとっては、寝耳に水のような出来事であっただろう。
 各社は非常事態にどのように向き合い、新たな気付きを得たのか。そして、試練を2021年にいかに活かしていくのか。取引先に起こった変化も含めて、本紙では100社余りに記入式アンケートを依頼し、関東圏を中心に14社(印刷会社13社、製本会社1社)から回答を得た。会社規模や業務内容、回答者の役職はさまざま異なるが、回答からは共通する課題や今後の取組みに関する一定の方向性が浮かび上がった(個々の回答は省略。詳細は本紙)。

【質問1】
 2020年を振り返り、コロナ禍による非常事態、環境激変の中で見えた自社の課題や新たな気付きはどのようなものでしたか?
【質問2】
 2021年は、新たに見えた課題に対してどのように取り組んでいかれますか? あるいは、すでに取り組まれている場合、それをどのように発展させていかれますか?
【質問3】
 貴社の主要な顧客における2020年のビジネス上の特徴的な変化と新たな要望、および2021年の見通しについて聞かせてください。

◇◇◇ アンケートから見えたこと ◇◇◇
非対面での営業手法を模索
顧客のデジタルシフトさらに

◆複雑さを増した働き方改革
 対内的、対外的な課題のいずれにも影響したのが、コロナ対策でまず求められた「非接触」。テレワークでの在宅勤務や非対面営業の運用と成果に心を砕いた様子が窺える。
 在宅テレワークに関しては、すでに導入していた会社もあり、おおむねハード面での制約は少なかったようだ。挙げられた課題は、テレワークができない製造スタッフと在宅勤務者の間の意識の差やコミュニケーション、評価の公平性など、ソフト面に多かった。2021年も引き続き、全社員が納得できる形での勤務形態、勤務評定などが模索されている。
 在宅テレワークへの業務適性が比較的高いDTP・デザイン部門に比べ、やはり営業部門には戸惑いがある。経験の少ないテレワークの中で、顧客接点づくり、新規顧客開拓をどのように行っていくか、対面営業を軸としてきた印刷会社にとって2021年以降の大きなテーマとなっている。
 また、デジタルマーケティングを営業戦略に取り入れていく方針が複数の会社から示された。ソリューション営業を展開したくても、顧客の抱える課題を把握することが非対面では難しい。"顧客の顧客"から入り込み、その分析を通じて印刷会社が主導権を握る戦略が今後さらに志向されていくだろう。

◆コロナ禍のプラスの面も
 デジタル化の加速については多くの会社が強く意識し、対応を課題に挙げた。
 「お客様はあらゆる面でデジタルにシフトチェンジされている」、「"デジタルオリエンテッド"な考え方にシフトしていく必要がある」、「SNSや動画も含めて、業界を超えた多メディアで認知を促す必要性が増している」など、印刷会社のデジタル武装は待ったなしの状況にある。
 自社のデジタルメディアへの対応力不足、ITインフラ整備の不十分さを改めて気付かされた会社も多い。
 また、デジタルメディアとの融合だけでなく、デジタルメディアのアンチテーゼとして「紙媒体の意義とは何か」を問い掛ける声もあった。情報伝達以外の現物としての物理的な価値、印刷物ならではの高品質による付加価値に意義を見出している。
 経営者にとって、2020年に消え去った仕事の穴をどう埋めるか、そして今後も一定程度戻らないであろう仕事に代わる「新しい事業」をいかに確立するか、新たな挑戦が始まっている。「付加価値製品の開発による新販路の拡大」、「B2C向けの商品開発と販売チャネル開拓」、「上流工程への取組みを通じた業務範囲の拡大」といった取組みが挙がった。
 コロナ禍はマイナス面ばかりではない。非常時だからこそ社内に向ける意識も高まり、改善を進めるきっかけとなる。  アンケートでは、社員の健康管理や人事制度、人材の採用、社員教育、社内勉強会、BCPの見直し、作業標準化、多能工化などへの取組みが見られた。
 「このコロナ禍で、一歩踏み出す機会と、変わらなければいけない危機感を得られたことが何よりの収穫と考える」(秋田県・S社、専務)、「大変革期と言われるニュー・ノーマル(新常態)を楽しみながら、前に向かってより良い未来造りに少しでも貢献できるような企業運営を心がけていきたい」(東京都・I社、部長)。
 いずれも若い世代が見せたこうした前向きな姿勢は、今後の印刷業界にとって大変心強く、希望を感じさせる。














【印刷新報2021年1月1日付掲載】
その他掲載記事
 2021年新年号
・新しい風を感じて
・ジャグラ緊急座談会 我々はどのように生き残るか!
・ビジネス展の新潮流
 リードエグジビション ジャパン 田中 岳志社長に聞く
・業界トップの年頭所感「新時代を拓く」
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年12月17日付
本紙が選んだ2020年十大ニュース
コロナ禍に翻弄された一年


本紙が選んだ2020年十大ニュース
@コロナ禍が経営を直撃
Aテレワーク、時差出勤など働き方改革が一気に加速
B業界イベントの中止・延期が相次ぐ
Cセミナー・会合などのオンライン化が普及
D巣ごもり需要、感染防止対策商品など特需も
Edrupa2020、延期から中止に
F全印工連、「令和版構造改善」を提言、DX推進へ
G全製工連、製本産業ビジョン2025で"再・創業"掲げる
HSDGs経営の意識強まる
I政府がデジタル教科書の普及に向け本腰

■価値感と行動様式が変容
 2020年は、なんと言っても"コロナ禍"に尽きる。経済・社会が麻痺する中で、印刷業界も大打撃を受けた。各種調査からは、売上高で平均2〜3割減という数字が出ている。仮に2割減として印刷産業全体に当てはめると、2020年の出荷額は4兆円を切ることも予想され、5年先の変化が一気に起こったということができる。
 印刷業界に限った話ではないが、コロナ禍への対応は、働き方や顧客対応の面でも変化を急加速させた。3密回避、非接触営業を余儀なくされた結果、まだ先だと思われていたテレワークや時差出勤等の導入が各社で当たり前のこととなった。新入社員研修を在宅オンラインで実施した企業も多かった。
 3密の回避は、業界のあらゆるイベントや会合の開催にも影響し、主催者は苦渋の決断で中止・延期に追い込まれた。全印工連、ジャグラ、全製本工連、全日スクリーン・デジタルの全国大会が中止・延期となったほか、地方展やメーカーのユーザー全国大会・ブロック会が中止、または一部オンラインでの開催となった。
 すでに2021年も、業界関連団体の多くの新年会ほか、ジャグラ大阪大会が中止されている。
 世界最大の印刷・メディア産業展であるdrupa2020も、今年6月の開催を2021年4月に延期、さらに中止が決定し、次回は2024年の開催となった。
 リアルのセミナー・会合等のオンライン化も広がった。多くの視聴や参加が得られる、時間や場所の制約を受けないといったプラス面が評価され、活用する流れは続いていくだろう。
 JAGATは、page2021を展示会・セミナーともオンラインを併用したハイブリッド開催とした。
 コロナ禍は、印刷会社からイベントやインバウンド関連需要、販促関連需要などを奪う一方で、『鬼滅の刃』に代表されるコミックス、絵本、休校の長期化による学参物などの出版物需要を伸ばしたほか、抗菌マスクやフェイスシールド、パーテーション等の感染防止対策関連の特需も生み、商品化に参入する印刷加工会社が相次いだ。
 社会の価値観を変容させたコロナ禍は、その終息後も印刷産業に大きな変革を迫る。社会全体にSDGsへの意識がさらに高まる中、社会課題に寄り添うソリューション経営が必須となる。
 「令和版構造改善」を提言した全印工連は、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進プロジェクトにより、生産集約と高付加価値ソリューションの提供を目指す。
 全製本工連は、「製本産業ビジョン2025」を発表。"再・創業"の旗印を掲げ、出版・印刷の二大市場に次ぐ第三の市場開拓に挑む。













【印刷新報2020年12月17日付掲載】
その他掲載記事
・drupa2021は中止、次回は2024
・印刷博物館 現代日本のパッケージ展
 社会・時代に合わせ進化
・太陽光発電と蓄電池の稼働開始
 紅屋オフセット川島工場
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年12月10日付
page2021、初のハイブリッド開催
セミナー含め2月末まで長期に


 日本印刷技術協会(塚田司郎会長、JAGAT)は、来年2月に開催する「page2021」の記者発表を12月7日に東京・杉並区のJAGAT本社で行った。今回は展示会、カンファレンスともに、リアルとオンラインの両方で実施するpage初のハイブリッド開催となり、ほぼ2月を通して継続的かつ豊富な情報発信を行う。

page2021のポスター

◆30本を超える無料セミナーも配信
 新型コロナウイルス感染対策を余儀なくされたpage2021は、JAGATとしてできる最大限の安心・安全確保を行う。2月3〜5日に東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催するリアルの展示会およびカンファレンスでは、入場者数をカウントしながら密になる状況を避け、慎重に運営する。
 さらに、オンラインでの展示会・セミナー配信(目標登録数50万PV、ユニークID数1万)を2月8日から28日まで、ライブストリーミング配信で行う「ハイブリッドカンファレンス」を8日から26日まで行う。配信される講演・セミナーは計40以上になる。
 記者発表で塚田会長は次のように述べた。
 「今年は業界の多くのイベントが中止、あるいはオンライン開催となっている。JAGATの地方大会や会員大会もオンラインとなり、page2021をどうしようかと悩んだが、page展をやってほしいという出展者の声が多かったと聞く。すべてリアルというわけにはいかないが、JAGATスタッフもよく勉強したオンライン配信とのハイブリッド開催とした。意味のある展示会になると思う」
 また、JAGATの郡司秀明専務理事は、緊急事態が起きた場合のことも想定し、早くからハイブリッド型を決めた経緯を説明。今回のテーマである「リセット・ザ・フューチャー」については、「ここまでコロナで状況が変わると、未来自体が変わってくる」とし、従来のテーマの延長線上ではなく、印刷産業の未来を一から捉え直す方向性を示した。
 12月7日現在、リアル展示会の出展企業数・小間数は95社・350小間(前回は166社・562小間)。およそ6割の規模となっている。展示ホールは文化会館2〜4階を使用し、3階にスポンサーズセミナー(13本)、2階にJAGAT企画のフレッシュミニセミナー(13本)の特設コーナーを設ける。
 2月3日の開会式に続く「基調講演」は「リセット・ザ・フューチャー」をテーマにJAGATの塚田会長、森澤副会長、網野副会長、郡司専務理事が語り合う。
 これらの講演、セミナー等は聴講無料で、年初から申込み受付を行う予定(先着順)。会場の収容人数は約100名。また、2月8日〜28日にも順次無料配信される。
 有料の「ハイブリッドカンファレンス」は計9本、参加費は各1万円(税込)で、期間中の月・水・金曜に配信される。2月8日のオープニングセッションは「コロナで変化した世の中の常識について語り、対策を考える」、2月26日のクロージングセッションは「コロナ後の印刷業界をうらない、具体的にどうするか」を予定。
 リアルとの相乗効果、および遠隔地からの来場が期待できるオンライン展示会の出展社数は30社(12月7日現在)。内容は、動画や製品紹介などビジネス展に最適なシンプル設計とし、チャット機能、名刺交換機能、アンケート機能を使い、来場者と直接コミュニケーションを取れる。
【開催概要】
■会期
・リアル展示会 2月3日(水)〜5日(金)
・オンライン展示会・セミナー 2月8日(月)〜28日(日)
・ハイブリッドカンファレンス 2月8日(月)〜26日(金)の月・水・金
■会場 サンシャインシティ文化会館(2〜4階) 展示ホールB・C・D
■入場料 1000円(税込)※Webによる事前登録で無料












【印刷新報2020年12月10日付掲載】
その他掲載記事
・大日本印刷 市谷の杜 本と活字館
 来年2月に正式オープン
・TOKYO PACK 2021 315社・1525コマで開催へ
・SDGs実践には「サーキュラーエコノミー」
 印刷同友会 11月研修会 から
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年12月3日付
第46回技能五輪国際大会 中国・上海大会
「印刷職種」代表候補に
甲斐田光さん(丸信)


 第46回技能五輪国際大会( 中国・上海大会)「印刷職種」日本代表選考会の結果が発表され、丸信(平木洋二社長、福岡県久留米市)の甲斐田光さん( かいだ・ひかる、21歳、オフセット印刷課)が代表候補者に選出された。今後、中央職業能力開発協会に推薦される。

表彰状を手に笑顔の甲斐田さん

 11月26日に日本印刷会館で行われた発表記者会見には甲斐田さんのほか、日印産連の小野隆弘専務理事、田中剛審査委員長(ハイデルベルグ・ジャパン)、丸信の手島忠治工場長代理が出席し、選考過程などが報告された。
 技能五輪では、印刷職種が2007年の第39回静岡大会から正式競技種目となり、日本も同大会から代表選手を毎回派遣している。
 第46回大会の選考会は東京都の後援と関係企業・団体の協賛を得て8月から10月にかけて行われ、全国から3社・6名が参加。その結果、甲斐田さんが優勝し、日本代表候補者に選出された。
 甲斐田さんは高校を卒業後、先に入社していた高校時代の先輩の勧めもあって2017年に丸信に入社。その後、わずか3ヵ月で機長を務め、その実力について上司の手島工場長代理は「今までにないほどの技術力」と評する。同社の平木社長からの勧めもあって初挑戦した前回の第45回大会の選考会では惜しくも銀賞だったものの、2度目の挑戦で代表の座を射止めた。
 会見で甲斐田さんは、「誰でも経験できることではなく、これからの社会を歩む上で役立つと思う。参加するからには1位を目指したい」と意気込みを見せた。
 田中審査委員長は、選考会講評の中で甲斐田さんについて、「印刷の絵柄が難しいなかでもスピード、品質ともに優れていた。これから上海大会に向けてトレーニングをしていくが、十分に上位を狙えると期待している」と高く評価した。  また、第46回大会は新型コロナウイルス感染症の影響により開催が1年延期となり、2022年に行われる。その影響については、「1年延期されたことで少し余裕をもって臨める。大会では油性の印刷機を使用するが、丸信さんの機械はすべてUVで、インキの違いやパウダーの扱いには慣れていない。そうしたトレーニングも必要になる」と言及。2年後の本番に向けて甲斐田さんも「普段は厚紙の印刷がほとんどなので、薄紙にも慣れていきたい」と前向きに語った。  日印産連の小野専務理事は、「近年は新興国が伸びてきており、苦戦を強いられているが、過去の実績としては金メダルを獲得しており、ぜひ頑張ってほしい」と期待を寄せた。
 過去には第40回カナダ・カルガリー大会の菊池憲明さん(凸版印刷)と41回イギリス・ロンドン大会の伊東真規子さん(亜細亜印刷)が日本代表として金メダルを獲得。前回の第45回ロシア連邦・カザン大会では湯地龍也さん(凸版印刷)が敢闘賞(6位)の成績を収めており、甲斐田さんの活躍にも期待が集まる。
 中国・上海大会は2022年、第47回フランス・リヨン大会は2024年に開催される。











【印刷新報2020年12月3日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連、47工組に一律10万円を支給
・JP2020・ICTと印刷展 「印刷業界に元気取り戻す」
・第24回 日本自費出版文化賞 作品募集を開始
 来年3月31日まで
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年11月26日付
J-NOA 「折込論文広告大賞」決定
〈金賞論文〉折込は"地域商店街"と再定義


 一般社団法人日本新聞折込広告業協会(長屋和男理事長、略称J-NOA)が主催する「折込広告論文大賞2020」の入賞作品が決まった。「折込広告の未来〜折込広告の新価値創造と、新しい領域への挑戦」をテーマに論文を募集していたもので、最優秀の金賞に輝いた論文では、折込広告の価値を「新聞に折り込まれた商店街」と再定義し、地域密着や集客力といった折込広告の力を発揮した新たなサービス提案による変革を提言した。
 同論文大賞は、広告メディアのデジタルシフトが急速に進行していることを背景に、J-NOAが初めて実施したもの。新聞折込広告業界が取り組むべき課題は何か、課題解決や新しい領域への挑戦により業界の発展にどうつなげるかという視点で、新聞折込広告および業界のあるべき方向性について共通認識を持つことを目的とした。
 今年4月から7月まで論文を募集。J-NOA会員社はじめ、広告業界、異業種、学生などから計32編の応募があった。授賞式は11月12日に東京都内で開かれた「2020折込広告全国大会」の中で行われ、金賞1、銀賞1、銅賞2の計4作品が表彰された。
■より地域、生活者に密着を―デジタルとの融合や買い物代行など提案
 金賞を受賞した論文は、読売IS社長室経営政策部の戸部浩氏による「折込広告が"地元"を魅力的な街にする〜折込広告価値の再定義と新サービス提案」。
 新聞折込広告市場は2006年をピークに市場規模は年々減少し、現在、ピーク時の半分にまで落ち込んでいる。論文では、折込広告市場は「衰退期」に差しかかっているとした上で、衰退期の戦略として、「折込広告価値の再定義(リポジショニング)」と「折込広告の新サービス提案(イノベーション)」を論じている。
 折込広告価値の再定義について、「折込広告を見るということは、地元の商店街をブラブラ歩きながら各店の売り場や商品を見て回っているのと同じ機能がある」と指摘し、「折込広告=新聞に折り込まれた商店街」と再定義した。
 たとえば、小売業広告主ならば実店舗の売場、メーカー広告主ならばショールーム、教育系広告主ならば塾や学校のような役割として活用され、さらに地域の催事や学校の行事など、あらゆる地元情報を発信できる仕組みを整えれば、折込広告に新たな価値が生まれると訴える。
 折込広告の新サービス提案については、広告主それぞれの店舗情報が表示されたデジタルマップの作成を挙げる。
 折込広告が商店街とすると、店舗一覧やフロアマップのような情報が必要となる。そこで、折込広告を出稿しているすべての広告主の店舗位置情報がインターネット上のマップに表示されるようなサービスを構築し、生活者の利便性向上を図ることを提案。また、折込チラシを写真に撮るとクーポンが自動でダウンロードできる仕組みなど、デジタル技術を用いたサービス情報取得の簡略化も必要とした。
 さらに、高齢化社会に伴う「買い物弱者」の救済策として、折込広告会社と新聞販売店が連携した「買い物代行事業」を提案する。
 広告主はチラシ紙面に「買い物代行あり」と分かる表記をつけ、折込広告会社に配布と買い物代行業務を依頼する。読者は折込広告を見て買い物代行事業者に連絡し、商品を家まで届けてもらう仕組み。買い物だけでなく、修理サービスや買取サービスなどのサービス業務も対象とし、買い物代行事業者が各広告主に連絡して読者との橋渡しを行うというものだ。
 最後に「折込広告は商店街であり、売場であり、喜びを与えられるメディア。『買い物をする』という体験は何ものにも代えがたく、人が生活していく上では決して消えることがない行動である。折込広告はこれら生活者の願望を実現できる稀有なメディアである」と、折込広告が持つ潜在価値を強調している。
 金賞以外の入賞作品は次のとおり。
・銀賞=「潜在ニーズの具現化による次世代ビジネス」(熊倉和哉氏・新潟日報サービスネット広告部営業課)
・銅賞=「折込広告の未来〜折込と効果検証」(長瀬孝興氏・オリコミサービス営業本部第5営業部)、「折込広告の突破を考える」(笠原滋人氏・電通アウト・オブ・ホーム・メディア局)











【印刷新報2020年11月26日付掲載】
その他掲載記事
・北印工組、創立80周年を祝う
・ジャグラ、「DTPオペレーション技能テスト」スタート
・東京4団体、都の来年度予算に要望
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年11月12日付
東京製本二世連合会・勉強会
先輩経営者の体験談に学ぶ
いかに危機を克服するか


 東京製本二世連合会(竹内靖貴会長)は10月23日、オンライン勉強会を開催し、35名が聴講した。コロナ禍で多くの製本会社が業績の悪化を免れない中にあって、これまで多くの苦難を乗り越えてきた先輩経営者の体験談を聴くことにより、必要な心構えと具体的な行動について学んだ。講師は、田中紙工・田中真文社長(全日本製本工業組合連合会会長)、島村製本工場・島村幸夫社長(東京都製本工業組合文京支部長)、和光堂・井上正社長(同副理事長)が務めた。

製本会館の会議室を簡易スタジオ化しリモート配信した

 勉強会は板橋区の製本会館を拠点に午後6時半から2時間近く行われた。会議室を簡易スタジオに仕立て、島村氏は会議室から、田中氏と井上氏はリモート参加で二連のメンバーに語りかけた。二連の青木孝憲氏(松岳社)が司会進行を務め、竹内会長(菁文堂)が開会にあたり次のように企画の趣旨を説明した。
 「コロナ禍で大変な状況となり、立ち止まる方、これから走られる方、また、今までも走ってきたがさらに倍速で走られる方など、いろいろな選択を採られていることと思う。その中で、行動は皆さんそれぞれ違っても、行動を止めないこと、走る意志を持ち続けることが大事だと考えている。私たちはまだ経験が浅いが、これまでいろいろな経験をされてきた3人の先輩方が、どのようなマインドで危機を乗り切ってこられたかを学び、そこから元気をもらいたいと考えて今回の勉強会を企画した」
 続いて、三氏が順に講演し、終わりに聴講者からの質問に答えた。
 田中氏は、2007年に父親が他界し、すでに自身が社長に就任してはいたものの、相続の問題に頭を悩ませた。その後、海外出張中に本社工場が近隣のボヤにより類焼、3階・4階部分が焼けてしまい、多額の損失が出た。不安でいっぱいの社員に対して田中社長は、必ず立ち直れるので安心してほしいと言い切り、受注製品の作り直し、保険金の手続き、新工場の確保などの具体的な行動に移った。
 その後、印刷会社の買収による印刷からのワンストップ受注、エンドユーザーからの直請への転換などを果たした。
 田中社長は「必ず克服できると信じ、覚悟を決めて行動することが大事だ。思考は現実化する。今のコロナ禍も、戦争時を思えばまだ恵まれている状況だと考え、胆を据えて乗り越えてほしい」とメッセージを送った。
 島村氏も、工場の全焼、相続問題、リーマンショック後の手形事故など、さまざまな危機に遭ってきたが、大きな時代の流れとして、自社のメインであるマンガ雑誌が少子化により減少することへの危機感が強かった。そのため、30代の後半から、雑誌以外の他の製品の研究、機械の測定とデータ化などに取り組み、それが現在の仕事につながっている。
 島村氏は「製本技術は確立されているが、材料は常に変化する。また、メーカーは機械を造ることはできても改造まではしてくれない」と話し、自分で研究し、挑戦することの大切さを語った。また、二連時代の仲間の助けが非常に大きかったことにも触れた。
 井上氏は、先代である父との葛藤を越え、会社の強すぎる職人気質、非効率な工場設備をいかに変えていったか、苦労話を披露。売上げの4割を占める得意先の破綻や父の死を経験しながら、決算書の読み方から勉強し、がむしゃらに働いて借金を返済した30代、50歳を過ぎてから大学院で学んだ2年間の経験など、多彩なエピソードから学び続ける経営者の姿勢について伝えた。










【印刷新報2020年11月12日付掲載】
その他掲載記事
・デジタル・ガバメント加速へ
 トッパン・フォームズと4市が「広域研究会」を発足
・大日本印刷 「バーチャル図書館」開発
・Horizon Innvation Park グランドオープン
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年11月5日付
経産省、実践的なVOC対策セミナー開催
少しの工夫で労働衛生向上


 経済産業省関東経済産業局の主催、日本印刷産業連合会の共催による「VOC(揮発性有機化合物)排出抑制セミナー」が10月30日に日本印刷会館2階会議室で開催され、オンラインでも同時配信された。中小印刷会社が取り組みやすい低コストで簡単なVOC排出抑制対策などについて4氏が講演し、労働安全衛生の側面を含めて具体的な事例を紹介した。

■ばく露可視化システムも紹介
 環境省による2018年度のVOC排出データによると、業種別VOC排出量は40業種中、「印刷・同関連業」が上位6番目で、全体の5.0%を占める。発生源品目別(全31品目)VOC排出量は、1位の「塗料」が37.8%、2位の「燃料(蒸発ガス)」が20.6%。「工業用洗浄剤」は5.8%で5位、「印刷インキ」は5.5%で6位、「湿し水」は0.04%で25位となっている。
 セミナーの中で全国グラビア分析センター代表取締役の石塚千吾氏は、数多くのグラビア印刷会社の現場を見てきた経験を基に、VOC排出抑制と職場環境改善の事例を紹介した。
 グラビア印刷工場内では、主にインキパン中でインキを分散させる溶剤および塗布・乾燥後のフィルムが開放系の状態にある。また、溶剤管理備品からの溶剤の蒸発・拡散・滞留などにより、工場内の環境が悪化しやすい。そこで、局所排気や全体換気を行うことが重要だが、その効果の確認は容易ではない。そこで石塚氏は、少しの工夫で作業環境改善に結びつける取組みを勧める。
 改善例としてまず、VOCの発生源である印刷ユニットを難燃性カバーで覆う方法を挙げた。各印刷ユニットに拡散防止用フィルムを吊り下げている工場もあり、改善に役立てている。
 インキパンの上部・側部にインキ飛散防止カバーを取り付けることも有効だ。ただし、注意点として石塚氏は、カバーで覆いすぎて排気口を塞がないことを挙げる。
 十分な排気を確認するためには、スモークテスター(白煙)を使用して工場内の気流の状態を可視化する方法が簡単。任意ポイントの風速測定、作業環境測定の実施(作業環境管理区分の確認)も行っておきたい。
 印刷ユニット上に外付けの給気・排気設備を設置することで気流を確保する方法もある。
 局所排気の効率化(インキパン下)では、ブロワー(乾燥用熱風吹付け)に近い排気口の開口部面積の縮小、遠い側からの引込み能力アップによる流量の均等化が有効な対策となる。局所排気口の目詰まり防止も大事だ。
 ドライラミネート機の塗布部へのカバー設置、デリケートな校正機設置室内の換気改善も大事なポイントとなる。
 校正機設置室にプッシュ─プル方式の気流を確立した事例としては、
・校正機真上(可能な限り近く)に換気扇を設置
・水平方向の換気扇流を仕切り板により下降気流に変更
・校正機周辺設置の局所排気装置で溶剤を室外に排出
といった工夫がある。
 その他、溶剤缶やインキ容器に蓋をすることは基本であり、希釈溶剤用ジョウロにひも付き(紛失防止)の蓋を付けている工場もある。
 石塚氏は「経営者、監督者、作業者が全員で環境安全を推進することが大切だ。有機溶剤発生源の管理・点検は日々、定期的に実施していただきたい」と述べた。
 中央労働災害防止協会(中災防)の宮内祐介氏は「VOCばく露状況の見える化」について話した。作業環境測定や個人ばく露測定では、測定時間中の平均値しか得られず、ばく露の瞬間を特定することができないため、適切なVOC低減対策を行うことが難しい。
 そこで中災防では、日本版VEM(ビデオばく露モニタリング)システムを企業と共同開発した。ウェアラブルカメラやセンサーを使って撮影・測定し、データを可視化できる。
 中災防がオフセット印刷会社の協力を得て実施したローラー洗浄作業、ブランケット払拭作業のVEM調査では、モニタリング結果の折れ線グラフと、グラフに連動した作業映像から、印刷ユニットに近接した時、ウエス缶を開けた時、払拭作業時などに明らかにばく露濃度が高くなることが確認された。作業者のスキルによっても大きな差が出る。また、ウエス缶のサイズを小さくする、換気扇の近くに置くなどの工夫による、ばく露低減効果も確認できた。
 宮内氏は「作業管理にVEMを活用することで、原因の特定ができ、効果的な改善対策ができる。教育用としても有効で、映像を見た作業者がマスクを常に着用するようになった会社もある。ぜひ活用いただきたい」とシステムを推奨した。
















【印刷新報2020年11月5日付掲載】
その他掲載記事
・特集 パッケージ最前線
・令和2年 秋の叙勲・褒章
・DTPオペレーション技能テスト新設 ジャグラ
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年10月29日付
電通デジタル「デジタルネイティブ世代調査」
コロナ禍での転換に前向き
"好きを極める消費"へシフト


 電通デジタル(東京都港区)は、「コロナ禍におけるデジタルネイティブ世代の消費・価値観調査」を今年7月中旬に1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)在住の15〜34歳の男女を対象に実施し、このほど調査結果を発表した。
 新型コロナウイルス感染症の影響による新生活様式への移行に伴い、生活者の消費行動のデジタル化は加速し、同時に多くの企業がデジタル変革を迫られている。
 電通デジタルでは、Z世代/ミレニアル世代(1980年代〜2000年代生まれ)に代表されるデジタルネイティブ世代が、コロナ禍を通じて起こした行動・消費動向の変化に着目し、インターネット調査を実施した。
 デジタルネイティブ世代で700サンプルを算出したほか、比較するうえで大人世代の35〜59歳の男女200サンプルを回収した。
 主な調査結果は次のとおり。
■「コロナ=社会・生活の転換点」と前向きな意識─新生活様式への移行を期待
 デジタルネイティブはコロナ禍の生活について、「コロナ禍がきっかけでより効率化が進み暮らしやすくなる」(45.1%)、「暮らしはデジタルで完結するようになる」(58.9%)、「(収束したら)生活がより自由になっていく」(48.3%)などと回答。いずれも大人世代に比べ10ポイント以上の差が見られ、コロナ禍で変わった生活をポジティブに捉えていることが分かった。
■サブスク化・キャッシュレス化が加速―3分の2が利用
 コロナ禍をきっかけに、デジタルサービスの利用も増加。デジタルネイティブの回答が特に多かったのは「サブスクリプションサービス」(63.7%)、「オンライン対話サービス」(53.7%)となった。また、「キャッシュレス決済」(63.7%)は世代を問わず使われ、デジタルサービスの利用移行が加速していることが窺える。
■反面、ライブや飲み会など「体感・場の共有」はアナログの価値が高まる―デジタルとの使い分けが二極化
 コロナ禍で利用したデジタルサービスの継続意向について聞いたところ、「決済」や「動画配信サービス」などの継続意向が強く見られる一方、「オンラインライブ」や「オンラインでの食事」といったリアルでの体験を置き換えたサービスは継続意向が弱い傾向が見られた。
 今後はデジタルで効率化していきたい分野とリアルでの価値を大事にしたい分野の2つで、サービスが使い分けられていく兆しが窺える。
■節約意識は高まるが、「熱中対象」は別腹─趣味・好きなものへの消費はコロナ前より増加傾向
 コロナ禍で「貯金をしたいと思い始めた」(51.0%)など貯蓄意向が高まった一方、好きなことや趣味に費やすお金は「増加・または変わらない」という回答が63.7%、時間はさらに多く77.9%に上った。理由としては「交際費が減った」、「余暇時間が増えた」といった声が多く、デジタルで効率化した生活を土台に好きなことには積極的に投資する姿勢が窺える。















【印刷新報2020年10月29日付掲載】
その他掲載記事
・特集 北海道情報・印刷文化典札幌大会
    北印工組創立80周年記念事業
・経産省 「地域未来牽引企業」追加選定 印刷関連も多数
・最高賞に精英堂印刷 第30回シールラベルコンテスト
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年10月15日付
佐川印刷
FESPAで金賞ダブル受賞
UVインクジェットで立体感を表現


 世界的なデジタル印刷の「FESPAアワード2020」において、佐川印刷(佐川正純社長、愛媛県松山市)の「Japanese Fishes Calender」(日本の魚カレンダー2020年スペシャル版)が、Creative Special Effects(創造的特殊効果印刷部門)とPeople's Choice Award(一般人気投票部門)で金賞を受賞した。
 FESPAはスクリーン印刷、デジタル印刷、およびテキスタイル印刷コミュニティの連合会であり、同アワードはその展示会において世界各国のプリント作品を展示し、投票によって選ばれた作品に各部門賞が授与される。

日本の魚カレンダー2020

2.5D厚盛プリント部分

 日本の魚カレンダーは、愛媛の水産業を応援するフリーマガジン「Eのさかな」の掲載写真などを活用し、同社の70周年を記念して3年前から企画・販売している。
 今回受賞した「日本の魚カレンダー2020年スペシャル版」は、UVインクジェット技術で立体感のあるレリーフのような2.5D厚盛プリントに仕上げることで、実物に近い質感や色味、テカリなどを表現した。FESPAアワード以外にも、第71回全国カレンダー展で入選しているほか、アグフアSublima印刷コンテスト2019‐2020ではカレンダー・ポスター部門の審査員特別賞を受賞しており、その印刷技術は国内外で高く評価されている。
 「受賞したことは社員にも自信になった」と喜ぶ佐川社長は、「印刷を取り巻く環境は大変難しい状況にあり、特徴のある製品や技術がないと生き残っていけない。デジタル印刷はイージーだと思われがちだが、デジタル印刷だからこそ極められる技術がある。UVインクジェットプリンターは多様な素材に印刷ができ、可能性は大きい」と考えており、同カレンダーは技術研究の題材として、さらに同社の見本帳として大きな役割を果たしている。
 現在、2021年カレンダーの制作を進めており、12月に販売を予定している。佐川社長は、「デジタル印刷の分野で日本より進んでいる海外で評価されたことは大きい。一つの号を完成させるために試作を繰り返す中で、技術力も高まってきている」と話し、カレンダー制作を通じて技術力だけでなく、企画力やクリエイティブ力の向上にも努めていく姿勢を強調した。














【印刷新報2020年10月15日付掲載】
その他掲載記事
・全印工連オンラインフォーラム2020
 印刷業の構造改革を宣言
・印刷博物館、20周年を機にリニューアルオープン
・災害時の施設利用で川島町と協定 紅屋ホールディングス
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年10月1日付
青森県印刷工業組合
知的財産権の適正な取扱いを要望
県、「留意した発注の周知」に言及


 青森県印刷工業組合(澤田義治理事長)は9月9日、青森県知事に対し、「知的財産権の適正な取り扱い」を求める要望書を提出した。県はこれを受け、「知的財産権に留意した発注を庁内や市町村に周知していく」と発言した。
 当日は、青森県印工組の澤田義治理事長、秋元清仁副理事長、田中日露史常務理事、三上伸理事相談役が県庁を訪れ、柏木司副知事に、県が印刷物を発注する際、知的財産の具体的な利用範囲の明確化や、財産的価値に配慮した契約内容に改めるよう要望書を提出した。
 官公需取引においては、国の方針(中小企業者に関する国等の契約の基本方針)でも「知的財産権の財産的価値について十分に留意した契約内容とするように努めるものとする」とされているが、青森県の印刷物発注時の仕様書には「一切の権利は県に帰属する」などの記述があり、著作権の濫用や侵害に当たる可能性がある。
 組合では、「知的財産を明確化することで、トラブルの未然防止や二次活用の推進が期待できる」と説明し、柏木副知事からは知財について、「県知的財産支援センターで相談に応じている」旨の県の取組みについて紹介があり、「案件ごとに判断することになるが、知的財産権に留意した発注を庁内や市町村に周知していく」との発言があった。
 また、当日の要望書提出に対して県内の新聞3紙(東奥日報・青森市、デーリー東北・八戸市、陸奥新報・弘前市)の取材があり、翌日の朝刊に写真入りで記事が掲載された。

右から柏木副知事、青森工組の澤田理事長、秋元副理事長、田中常務理事、三上理事相談役、伊吹信一県議会議員

 青森県三村申吾知事あてに提出された要望書では、「青森県は、印刷物等の発注に当たり、発注内容に著作権等の知的財産権が含まれる場合には、当該知的財産権の取り扱いについて書面をもって明確にするとともに、当該知的財産権の財産的価値について十分に留意した契約内容とすることを要望致します」と冒頭に主旨を記したうえで、
1.譲渡・利用範囲の検討
2.権利範囲の明確化
3.財産的価値への配慮
の3項目について要望事項を具体的に示した。
 これらを踏まえた契約内容とすることにより、「受注者が譲渡する知的財産権の財産的価値の算定が可能となり、また、譲渡した権利の処理に関するトラブルを未然に防止することにも繋がる。更に受注者の著作物制作に係るインセンティブの向上が図られ、コンテンツの二次的活用推進が期待される」としている。














【印刷新報2020年10月1日付掲載】
その他掲載記事
・特集・紙上全国交流大会
・森澤彰彦 日印機工 新会長インタビュー
・令和2年度 東京都功労者表彰 工藤久志氏、中村輝雄氏に
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年9月24日付
〈2020全印工連オンラインフォーラム〉
組合の重点事業を広く発信
10月9日13時より配信開始


 全日本印刷工業組合連合会(滝澤光正会長)は、新型コロナウイルス感染症による国内情勢に鑑みて来年に延期した全日本印刷文化典長野大会に代わる情報発信の場として、10月9日の13時より「2020全印工連オンラインフォーラム」を配信する。テーマは「Make the Future!〜未来を見つめ、ともに未来を創る」。滝澤会長によるトップメッセージに加え、全印工連の各事業について解説した動画コンテンツを配信し、全国の組合員が組合事業への理解を深める機会とする。

記者会見で、左から浦久保副会長、瀬田副会長
滝澤会長、鳥原副会長

 9月16日の記者会見には、滝澤会長、瀬田章弘副会長、鳥原久資副会長、浦久保康裕副会長、池尻淳一専務理事が出席し、概要を発表した。  会見の冒頭、滝澤会長はオンライン配信とした経緯について、「従来の全日本印刷文化典には、毎回多くの組合員のみなさんに参加いただき、その場で情報を発信していたが、全印工連の4,300社のうち、文化典に足を運んでいる組合員は数が限られていた。コロナ禍において、残念ながら長野大会は1年延期となったが、この状況を逆手に取り、ウェブというニューノーマルの時代にふさわしい情報発信のツールを使い、今まで文化典に足を運んでいただけなかった組合員にも全印工連の取組みを直接伝える場を設けた。組合員企業の社長のみならず、従業員のみなさんもご覧いただくことが可能だ」と述べ、今後もリアルとオンラインを併用した情報発信を行っていく意向を示した。
 開催概要について説明した瀬田副会長は、テーマについて、「コロナ禍でほぼすべての会社が大変な苦労をされている。こうした状況だからこそ足元をしっかり見つめ、組合として互いに手を携えて未来を創っていこう」と思いを語った。
 長野大会の開催予定日であった10月9日の13時にスタートするオンラインフォーラムでは、始めに滝澤会長のトップメッセージがライブ配信される。続けてスペシャルコンテンツとして、全印工連が今期の中心事業に据えるDX(デジタルトランスフォーメーション)について、DX推進PTの福田浩志委員長が印刷業界における必要性などを解説する。
 加えて、幸せな働き方改革や営業戦略、社員教育など、1本30分程度の動画コンテンツが6つ用意されており、これらの配信コンテンツは10月9日13時以降、いつでも視聴することができる。
 オンラインフォーラムについて、会見で鳥原副会長は、「アイデアを出すための一助として、未来を創るための一つのポイントとして、オンラインフォームにご参加いただきたい」と参加を呼びかけた。浦久保副会長は「現況の厳しさの中で、希望や自らが変わろうとする大きなモチベーションになるフォーラムにしたい」と期待を語った。
 配信は当日に開設予定のオンラインフォーラム専用サイト(https://www.aj-pia.or.jp/of2020/)から事前登録不要で誰でも視聴することができる。
【2020全印工連オンラインフォーラム】
▽日時 ライブ配信 10月9日13時〜/スペシャル・動画コンテンツ 10月9日13時より配信開始
▽配信コンテンツ
・トップメッセージ
「YouTubeによるTOPメッセージLIVE配信」全日本印刷工業組合連合会・滝澤光正会長
・スペシャルコンテンツ
「なぜDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要なのか? 印刷産業の未来を拓くデジタルトランスフォーメーションとは」DX推進PT・福田浩志委員長
▽動画コンテンツ
 「幸せな働き方改革〜業績向上につながるHappiness Companyを目指して」環境労務委員会・惟村唯博委員長/「ニューノーマル時代の営業戦略」経営革新マーケティング委員会・田畠義之委員長/「コロナ下における支援策〜国と組合ができること」組織共済委員会・小島武也委員長/「調達が変われば、企業が変わる、社会が変わる!」CSR推進委員会・浦久保康裕委員長/「利益を上げるなら、社員を育てろ!」教育研修委員会・富澤隆久委員長/「皆様の声を国政に反映させます─それが全印政連のミッションです」全日本印刷産業政治連盟・橋本唱一会長













【印刷新報2020年9月24日付掲載】
その他掲載記事
・特別企画「新時代の環境対応」
・大規模展示会、徐々に開催 コロナ対策徹底して実施
・テレワーク導入率は58% 都内企業実態調査
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年9月10日付
日印産連、「知的財産権」サイトを刷新
トラブル未然防止へ内容充実


 一般社団法人日本印刷産業連合会は2020年度より、日印産連Webサイトの「知的財産権」のページのリニューアルを行った。知的財産権の基本的事項をとりまとめた「印刷業務に関わる知的財産の全体像」と、印刷会社の実務上で起こり得る知的財産に関するトラブルのケースに合わせ防止施策をQ&A形式で紹介する「こんなときどうする?! 知的財産アドバイス」を新たに配信する取組みを始めている。
 デジタル化とネットワーク化の進展により、印刷会社の業務も、Webサイトの構築やデータベースの開発から、AI、IoTを駆使した新しい分野に拡がりを見せる中、知的財産権の重要度は増し、これまでとは違った視点で知的財産権について注意する必要が出てきている。
 日印産連では、価値創出委員会の下部組織として知的財産部会を設置し、文化庁、特許庁、経済産業省、知的財産戦略本部等、関連する省庁・団体の知財動向情報の集約と共有、知財に関わるパブリックコメントに対する意見表明を行っている。また、2010年以来、印刷業務および周辺業務に携わる人のための知的財産権に関する啓発を目的として、印刷業務で日常起こりうるトラブルを想定した課題研究を行っている。その研究結果は、日印産連の機関誌『JFPI REPORT』(年4回発行)に設けられた「こんなときどうする?! 知的財産アドバイス」のコーナーにおいて、さまざまな事例をテーマにQ&A形式で取り上げ、詳しい解説とアドバイスとともに記事を連載している。これらをまとめたガイドブックはこれまで2冊発行した。
 今回、Webサイトの「知的財産権」ページのリニューアルにおいては、印刷関係者が広く閲覧でき、理解を深めてもらうため、トップページに、ガイドブック『こんなときどうする?! 知的財産アドバイス Vol・2』に掲載されている知的財産権に関わる基本的事項を体系的に表した「印刷業務に関わる知的財産の全体像」をほぼ丸ごと掲載した。著作権のほか、特許権・実用新案権、意匠権、商標権、肖像権と、不正競争防止法に関わる基本的な知識が簡潔にまとめられている。
 また、ガイドブックおよび直近の『JFPI REPORT』に掲載された「こんなときどうする?! 知的財産アドバイス」計38事例のQ&A部分をテーマごとに一覧化するとともに、各事例を閲覧できるページを用意し、Q&Aをイラストによってわかりやすく掲載した。さらに、最新の『JFPI REPORT』に掲載されている「こんなときどうする ?!知的財産アドバイス」の記事をPDF形式で閲覧できる仕組みも用意した。
 これにより、知的財産権に対する意識の向上と、知的財産権に関わるトラブルの未然防止や問題解決の一助となることを期待している。













【印刷新報2020年9月10日付掲載】
その他掲載記事
・特集「9月 印刷の月」
・文化典と80周年事業を11月6日に 北印工組
・太陽堂印刷所 「千葉市健康づくり優良事業所」認定
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年9月3日付
〈神奈川県印刷工業組合〉
コロナ影響アンケート第2弾を実施
行政機関等へ要望文書送る


 神奈川県印刷工業組合(江森克治理事長)は、新型コロナウイルス禍の影響についての緊急アンケート(第2弾)を8月に組合員を対象に実施した。5月に実施した第1弾に続くもので、5月時点の見込みよりもさらに厳しい現状が浮き彫りとなっている。
 同工組ではアンケートの結果に基づき、8月18日に「第2弾アンケート結果のご報告とお願い」と題した文書を黒岩祐治神奈川県知事はじめ関係官庁、公共機関、政治家などに届けた。文書の概要は次のとおり。
 「所属組合員166社に対し、Googleフォームを利用したWebでのアンケートを8月3日から12日までの期間に実施し、約19%にあたる31社から回答を得ました。
 5〜7月の業績については、昨年比15%以上の売上減となっている企業が全体の9割超と、前回調査での3、4月実績の7割超を上回っています。また、前回調査で5〜7月の売上見込「30%以上の減収」と予測した企業が41.7%だったのに対し、今回の調査で明らかになった実績は58.2%と、予想を上回る減収となったことが窺えます。同様に今後3ヶ月間の減収幅についても、30%超が54.9%、50%超が19.4%と大変厳しい見通しであり、先行きに大きな不安を抱えています。
 公的な中小企業支援策に対する要望では、「持続化給付金の追加給付」「地方自治体独自の支援策の充実」「地方自治体が発注する印刷物の地元優先発注」が多く、「雇用調整助成金の特例措置の期間延長」が続きます。地方自治体への期待の大きさが窺える結果となっていますが、地方自治体の印刷発注については、地元企業に優先的に発注していただくのはもちろんのこと、小規模企業の受注機会の確保という観点からも、大量での一括発注ではなく、地域ごとなどに分割し、少量でも多くの企業の受注機会が確保できるよう、発注の際の工夫をしていただきたくお願い申し上げます。
 また、その他の意見として、民間金融機関の融資態度が厳しく、それが公共調達の落札価格の下落につながっているとの指摘もあり、低入札に対する規制や監視の必要性も感じられます。
 印刷業界は欠かすことのできない市民の情報インフラを担っており、市民生活の質の向上、地域文化の発展に大きく寄与している業界と自負しております。貴職におかれましては、この未曾有の危機に際して印刷業界のおかれている厳しい状況をご理解いただき、現実に即した適時適切なご支援を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。」
■低価格落札に対する憤りも
 神奈川工組は今回のアンケートの中で、国や県に対する要望事項などの回答欄も設けた。組合員から次のような声が挙がっている。
・家賃支援給付金の支給対象の項目で、自らの事業のために占有する建物の賃料ですが、賃貸人と賃借人が親子であるため申請ができません。法人と個人で双方とも申告はしております。どうしてでしょうか? 不公平で理不尽だと思います。国の方で検討していただけるとありがたいです。
・セーフティネットの保証枠があっても、実際の信用保証協会の審査で減額になってしまい、希望金額の融資は行われませんでした。今後の長引く不況で不安ばかりです。
・休業要請をするのなら、補償を伴う強制力でお願いします。 ・ものづくり他、補助金の枠を広げてほしい。
・銀行に運転資金を借りることができたのですが、借入れができなかった企業が利益に関係なく低価格で落札することが5月頃から目立つようになりました。法人・個人業の経営は雪だるま式に悪くなり、このまま進むと日本国が倒産する感じがします。今は、与党も野党も関係なく団結して国民を守らないと収拾のつかない日本国になってしまいます。決断は待ったなしです。












【印刷新報2020年9月3日付掲載】
その他掲載記事
・通期業績予想、厳しく 大手印刷会社、2021年3月期
・オフ輪用ローラ再生装置、本格稼働 紅屋オフセット
・日印産連GP認定、新規に2工場
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年8月27日付
印刷産業の感染防止対策
変容する社会に商機あり


 新型コロナウイルスの国内初の感染者が発生してから約7ヵ月が経過した現在、日本を含めた世界各国は感染症予防対策と経済活動を並行して行う「ウィズコロナ」の社会へと変容した。ソーシャルディスタンスや三密を避けるといった新たな社会マナーも定着してきている。
 日本経済に目を向ければ、経済活動の自粛や制限の影響を受け、第2四半期のGDPは過去最大の下げ幅を記録した。印刷業界においても、新型コロナウイルスの影響が強くなった4月以降、印刷・情報用紙の国内出荷量は対前年同月比で2割から3割の減少が続いており、多くの企業が厳しい経営状況に直面している。
 しかし、変容する社会には新たに生まれた課題を解決するビジネスチャンスも潜む。従来の仕事が減少している今、社内リソースを有効活用して新たな事業領域に挑戦する印刷関連企業が増えている。
 安心・安全が以前にも増して求められるウィズコロナの社会において、印刷業界で最も注目を集めているのが抗菌印刷だ。抗菌成分を配合したインキやニスで印刷物の表面をコーティングすることにより、細菌の増殖を抑える効果を付与することができる。
 抗菌SIAAマークを運用する抗菌製品技術協議会(SIAA)には、今年の4月以降だけで90社を超える印刷関連企業が加盟するなど、新たなムーブメントとなっている。
 現在、SIAAに正式に登録されている抗菌インキ・ニス製品を扱っているのはサカタインクス と都インキの2社だが、他のインキメーカーからも抗菌成分を配合した製品の発表が相次いでいる。メーカーによる後押しを受けて抗菌印刷への流れは一層加速していくことが予想される。
 抗菌印刷に限らず、ソーシャルディスタンスを促すグラフィックシールや飛沫感染防止用のパーテーション、今や生活必需品となったマスクを収納するマスクケースなど、社会ニーズを捉えたさまざまな製品が印刷関連企業から続々と発表されている。
 こうした感染防止対策に資する商材を開発し、世の中に提供することは、ビジネスの側面だけでなく、社会貢献としても大きな意味を持つ。また、注目度の高い話題であるため、地元紙などの各メディアに取り上げられるケースも目立ち、さまざまな相乗効果も期待できる。












【印刷新報2020年8月27日付掲載】
その他掲載記事
・特集 感染防止対策
・宝島社のマーケティング戦略 出版と物販は好相性
・東京製本工組コロナ影響アンケート
 変革の好機とする姿勢も
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年8月13日付
〈令和元年度「技能検定」〉
「印刷」、「製本」で増加が顕著
今年度前期検定は中止に


 厚生労働省は、令和元年度「技能検定」の実施状況をまとめ、7月31日に公表した。受検申請者数の合計は87万1451人で、前年度比6万4145人(7.9%)増加し、合格者数は36万3733人となった。合格率は41.7%で前年度(40.1%)とほぼ同水準。
 技能検定制度は、働く上で身につけるべき、または必要とされる技能の程度を国が証明するもので、この検定に合格した人だけが「技能士」を名乗ることができる。現在、130職種で実施されており、印刷関連では「プリプレス」、「印刷」、「製本」の3職種が含まれる。
 令和元年度の印刷関連職種の実施状況は次のとおり(受検申請者数、合格者数、合格率の順)。
・プリプレス 147人、54人、36.7%
・印刷 1445人、861人、59.6%
・製本 1337人、895人、66.9%
 「プリプレス」の受検申請者数は2年続けて減少したが、「印刷」、「製本」は毎年増え続けており、令和元年度は「印刷」で前年度比292人増加、「製本」で同256人増加となっている。
 なお、厚生労働省は、令和2年度前期(6月〜11月)の技能検定(57職種・95作業)については中止しており、「印刷(オフセット印刷作業)」も含まれる。
 新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえたもので、「状況を見ながら可能な限り令和2年度内に実施できるよう、関係機関と調整を進めていく」としている。

■安定しない「プリプレス」の受検者数
 プリプレス技能検定は、平成30年(2018年)にそれまでの製版技能検定から改称された。実務経験により1級・2級の資格があり、プリプレス技能士は、DTP作業のスペシャリストとして認定される国家資格。
 同検定は受検者数の減少から厚生労働省の制度見直しの対象となったことがある。平成26年度には58人となり、平成21年度の123人から5年間で半減した。受検者数が一定基準(年平均100名)に満たないことから、平成27年度の検定実施は休止された。
 全日本印刷工業組合連合会の運動などもあり、翌28年度に復活し、200人近い受検者数にまで戻したが、再び減少に転じている。令和元年度の受検者数147人は、検定実施のなかった職種を除く全125職種の中で多い順から数えて108番目だった。
 今後の受検者数の推移によっては、再び存廃が検討される事態も考えられ、検定についての周知や、印刷業界を支える人材の育成に向けた有効活用策などが重要になってくる。
印刷工業組合の中には、県職業能力開発協会からの業務委託により「印刷」「製本」「プリプレス」の3職種の検定業務を一括して実施し、技能検定を通じた人材育成を図った例もある。












【印刷新報2020年8月13日付掲載】
その他掲載記事
・2020年度日印産連表彰 功労賞・振興賞に31名
・出版ビジネスの将来を研究する委員会を発足 書協
・全印工連 経営戦略アンケートを公開
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年8月6日付
日印機工、新会長に森澤彰彦氏
印刷産業機械SDGsに対応


 一般社団法人日本印刷産業機械工業会は、2020年度定時総会を7月21日に東京プリンスホテルで開催した。任期満了に伴う役員改選では、新会長に森澤彰彦副会長(モリサワ)が昇任、新副会長に小森善信常任理事(小森コーポレーション)が昇任した。副会長に飯島肇氏と堀英二郎氏が留任、専務理事には里見和男氏が留任した。2020年度の基本方針は、『印刷産業機械のSDGs(持続可能な開発目標)への対応に関する調査研究』を実施し、SDGsが示した17の持続可能な開発目標が求める内容に関する調査とともに、印刷産業機械業界としての対応指針の策定に取り組む。

森澤新会長

 ■IGAS2022の開催準備も
 総会の冒頭にあいさつした宮腰会長は、2019年度の市場動向について、「パッケージ、段ボール関連および軟包装関連機械分野では生産と輸出がともに堅調に増加しているが、市場全体では全世界的なペーパーレス化の進展および不透明な経済情勢の影響を受けて生産および輸出ともにマイナス成長になる見込み。また、昨年は度重なる自然災害に見舞われた一年でもあった」と概括した。
 また、2019年度の工業会の事業活動について、「調査研究事業では『Iotを活用した印刷産業機械の次世代技術に関する調査研究』の実施をはじめ、Japan Color認証事業で標準印刷認証が210工場を超えるとともに認証取得会社から高い評価をいただいた。また、展示会事業ではIGAS2022の開催準備をIGAS2022実行委員会を中心に推進した。さらに、IGAS2022の広報活動の一環として、日本以外のアジア13ヵ国の印刷関連団体が加盟する会議体であるアジアプリント連盟に加盟した」と述べた。
 2019年度収支決算では、当期収支差額がマイナス4585万円で、前期収支差額3億5181万円との相殺で次期繰越収支差額は3億596万円余となった。
 2020年度の基本方針は、『印刷産業機械のSDGsへの対応に関する調査研究』を実施し、SDGsが示した17の持続可能な開発目標が求める内容に関する調査とともに、印刷産業機械業界としての対応指針の策定に取り組む。
 また、IGAS2022に向けて、実行委員会の活動を中心に基本方針、運営方法、スケジュール等を含むグランドデザインの策定およびビジネスプランの作成を行っていく。
 2020年度収支予算は、損益計算方式の正味財産期末残高が5億4133万円、資金収支方式で、当期収支差額マイナス6464万円。前期収支差額の3億596万円と相殺し、次期繰越収支差額は2億4131万円。
 任期満了に伴う役員改選では、次期理事を選任し、別室で特別理事会を開催。正副会長と専務理事、常任理事を選出した。
 新会長には副会長の森澤彰彦氏が昇任、新副会長に常任理事の小森善信氏が昇任した。
 新任役員を代表して森澤会長が次のようにあいさつした。
 「当工業会の会長という大任を仰せつかり、身の引き締まる思いだ。宮腰前会長におかれては、4期8年間の長きにわたり、強力なリーダーシップでさまざまな難局を乗り越えてこられたことに改めて敬意を表したい。
 われわれ製造業がいかにして健全な事業活動を維持し、社会に貢献し続けるかが大きな課題であり、難題でもある。当工業会においても、今年度から調査研究事業として『印刷産業機械のSDGsへの対応に関する調査研究』に取り組んでいく。また、会議・展示会のあり方も、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い大きく変容しようとしている。このような環境の中で、宮腰前会長の取組みを引き継ぎ、みなさまと共に製造業が直面しているさまざまな難題の解決に全力を尽くす所存だ。ご指導とご協力を賜るようお願いしたい」












【印刷新報2020年8月6日付掲載】
その他掲載記事
・B to C取引は約8%成長
 経産省・電子商取引の実態調査
・佐川印刷(京都)、京都府亀岡市に新工場
・全国グラビア、「技能実習評価試験 認定通知書」授受
 外国人技能労働者受け入れへ前進
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年7月23日付
全印工連・産業戦略デザイン室
新産業ビジョンの策定へ
新たな価値創出の事業領域を研究


 全日本印刷工業組合連合会の産業戦略デザイン室(瀬田章弘委員長)は7月15日、第1回委員会を日本印刷会館で開催し、新たな産業ビジョンの策定など今期の事業計画について情報共有した。産業ビジョンでは、コロナ後の社会において印刷会社が創出できる価値と提供できる事業領域に関して戦略提言を行う。また、第1回はビジョン策定の土台となるテーマ(地域イノベーション)について、新規の委員を迎えて活発に議論した。

遠方の委員のZoom参加も交えて開かれた

 委員会では初めに、前期まで委員長を務めた全印工連の滝澤光正会長があいさつし、委員会発足の経緯を改めて説明した後、「過去にさまざまな戦略提言を行ってきた。2013年には『印刷道─ソリューション・プロバイダーへの深化』を発表したが、そろそろ組合員が進むべき道を示すべき時期だと考え、瀬田委員長にはミッションとして新たな産業ビジョンの策定をお願いした。今まで産業戦略デザイン室からの発信が全印工連の中心事業につながっている。全国の組合員の期待は大きいものと思う。新しい委員も加わり心機一転、取り組んでいきたい」と述べた。
 令和版構造改善事業については、「ITを活用した印刷産業全体の生産性向上を目指して三役直轄のプロジェクトチームを立ち上げた。組合員同士の生産協調を行うべく事業がスタートしている。これまでのファックスでの受発注や手書きの伝票でのやり取りなどもオンライン化を進め、余った経営資源を別のことに使っていく」と説明した。
 また、今期から就任した瀬田委員長は、事業計画の発表にあたり次のようにあいさつした。
 「すでにDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入による生産集約と生産性向上に向けて取り組んでいるが、同時に、市場は縮小傾向にあり、新しい価値を創造していくことも重要だ。
 日本の産業の7割はローカルに存在し、特にサービス産業で占められている。ポテンシャルはまだまだ大きく、新しいビジネスを生み出せる。地域で長くやってきた印刷会社が旗振り役となり、重要なプレーヤーになれると考える。
 リーマンショックの後、イノベーションの必要が言われてきたが、コロナに直面して、日本は何も変わっていないことが分かってしまった。インバウンド需要が失われて経済が落ち込むのは、既存のものを新しいお客に売っていたにすぎないということだ。根本的なイノベーションはなかった。
 私は、コロナによって一気に変わらざるをえなくなった今がチャンスだと思う。これを引っ張ることができるのは地域のハブとなる印刷会社だ。コトづくりの視点をしっかりとらえながら、われわれが提供できる新しい価値について委員会で議論し、ポストコロナの未来のシナリオを描いていきたい」
 今期の事業テーマには次の4つを掲げた。
@産業ビジョン(仮称)の策定
 組合員の新たな価値創出の事業領域研究と戦略提言
A対外広報活動
 大喜利印刷の個展開催とPR活動(2020年秋に渋谷で大喜利印刷プロジェクトの作品個展、トークショーなどを予定)
B海外業界トレンド調査
 ポストDXの印刷市場(ヨーロッパ企業の視察を予定)
C仕様書策定と積算フォーマットの普及・啓発
 企画・制作、新事業領域の積算価格について調査と啓発(経済調査会の実勢価格調査を通じた受注価格の適正化)
 このうち、産業ビジョンの策定に関わる事業計画書の中には次の表現がある。
 「これまで地方はインバウンド需要に頼り過ぎてきた。そのためイノベーションは行われず、観光需要を取り込み、既存の製品やサービスを量的に拡大してきた。各地の強みを活かし産業として発展させた例は稀である。今後グローバリゼーションが進む中でローカリゼーションを興し、国内と海外双方で売上を上げていく必要がある。各地の産業や企業・団体では何が求められ、何をわれわれは提供できるのか。委員会で議論し、価値創出の新領域を模索し提言する」
 2013年11月に全印工連が発表した『印刷道』では、目指すべきソリューション・プロバイダーの姿として、地域活性プロモーター、特定機能プロバイダーなど6類型を示したが、今回は、新型コロナウイルス拡大の影響を含むその後の社会環境の変化を加味しながら、印刷会社の進むべき方向を提示する。
 第1回委員会では、産業ビジョンにつながるテーマとして、地域イノベーションのための問題点について議論した。
 はじめに、江森克治副委員長が「売上を構成する〈数量〉×〈単価〉のどちらも下がっている印刷業界には、デジタル技術の導入などでビジネスの新しい方程式を作る必要がある」と切り口の一端を示し、Zoomでの参加者(愛知・広島・愛媛)を含む各委員が意見を述べた。
 その中には、「昔は儲かるので印刷業をやった。数量と単価が元に戻ることはない。時代の潮流がICTとなった今はそこに取り組む」、「印刷業はハード志向。しかし今、トヨタ自動車もサービス業への転換を急いでいるように、製造業全体がサービス業化に向かっている。印刷業も変わるべきだ」、「経営者自身のマインドセットが今こそ大事。情報は腐るほどある。要は、やるか、やらないか。DXの前にまずCX(コーポレートトランスフォーメーション)。会社とビジネスを変えることが先だ」等の発言があった。

















【印刷新報2020年7月23日付掲載】
その他掲載記事
・塚田会長が再任 JAGAT
・組合員専用賠償責任保険 『プリント・リバースα』
 8月3日から提供開始
・今後の製本業界と経営はどう変わるのか
 全製工連 田中真文会長が読む
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年7月16日付
DXで勝ち残る印刷産業
―村松礼二氏が恒常的なDX推進を提唱
コロナ禍後の新局面に向け


 本紙姉妹誌の月刊『印刷情報』7月号に、生産技術コンサルタントの村松礼二氏(MSE事務所)が「新型コロナウイルス後の印刷産業─防疫で不景気、勝ち残るにはDXだ」と題して寄稿し、「印刷業務にDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入と運用は避けられない」と提唱している。その趣旨と村松氏の近未来予測を紹介する。
           ◇
 村松氏は、テレワークで露呈した印刷会社の弱点として、ある電子機器メーカーの印刷物発注担当者の次のような声を紹介している。
 「印刷会社やグラフィックデザイン、編集専門の会社は、マッキントッシュやウインドウズ10などの高機能PCやサーバーシステム、クラウドを使いこなして仕事をしているので先進的だと思っていたが、顧客や他社とのコミュニケーションが電子メールだけというケースが多いのに驚いた。仕事上の詳細なやり取りは、関係者が一堂に会して話し合うことがほとんどで、DXについてはとても遅れている」
 村松氏は、DXの具体的な目的は、業務のデジタル化を推進して潜在する幾多のムダを削減し、生産性を向上させ、企業の収益力を高めることだと言う。そして、コロナ禍後の新たな印刷マーケットに向けて進展できる唯一の条件は、「恒常的にDXを推進していく企業」だと断言する。
 DXの推進で期待できる効果には、営業の移動時間や、プリプレス作業者を含めた社内連絡や待ち時間の短縮、伝票処理の重複作業の回避、取引の標準化(企業間EC)による経理・購買・外注処理での事務生産性の向上などがある。
 村松氏は、聞き取り調査で驚いた内容として、「プリプレスや印刷工場のスタッフはWtP(Web to Print)などのオンラインツールの存在を知っていても、営業や経営者が知らないケースが多い」ことを挙げ、「これでは顧客にテレコミュニケーションやテレワークに関する問題解決の提案などできるわけがない」と指摘。「DXを理解できない人、理解しようとしない人、DXの必要性を認識できない人、DXへの投資を拒む人は、まことに失礼ではあるが、経営者、管理者としての実務から降りるべきであろう」と厳しく迫る。
 さらに、村松氏は新型コロナウイルスと共生する近未来として、2020年7月以降の印刷業界について次のような予測を示した。
@情報伝達目的の印刷物の発注は減る
 コロナ禍以前よりも情報のデジタルメディア利用が強まり、印刷物利用が減る(自粛した業務形態に慣れ、印刷物発注のプロセスを煩わしいと感じる人が増加する)
A受注しても平均ロットは昨年を下回る
 オンライン印刷の利用が増えることにより、作り溜めの習慣が薄れ、必要な時に必要な量をリアルタイムに調達するようになり、オーダー単位のロットは減る。
B小ロット物件の増加により印刷会社の印刷通販への外注が増える
 印刷通販会社は一回の発注で印刷から製本仕上げ加工、納品配送までやってくれるので、小ロット物件に限らず、工程ごとに外注する手間と人的接触を避けるために印刷通販を利用する印刷会社が増える。
C小規模印刷会社の生産設備の老朽化が進み、内製をあきらめ、印刷通販や協力工場への外注が増える(小規模会社の廃業がコロナ禍を契機に増加)
D中堅、準大手印刷企業の吸収合併や資本参入など、企業統合、提携などが増える
 ただし、コロナ禍で資金調達が停滞し、短期的にこの動きは鈍るかもしれない。
E顧客サポートの印刷営業マン不足を補うためにWtPを運用する企業が増える
 関係者との打合せなどで「3密」を避けるために、オンライン会議システムやWtPを導入する会社が増える。また、5Gの活用によりDXに取り組む企業が増える。
Fグラフィックデザイナーや書籍編集者、校正校閲者などの(特に大都市部での)専門職不足を補うためのWtPを活用したテレ・ワーキングが増える
G小規模出版社が、少部数の個人出版や専門図書の印刷製本を印刷通販で行うようになる
 他人との接触回避で利用者が増える。
Hスマートフォンユーザー(潜在ユーザーは数千万人)向けの写真保管の代行とフォトプリントやフォトブックサービスが伸びる
 ステイホームの楽しみの一つにフォトブック作りが加わる。他人との接触回避で利用者が増える。
















【印刷新報2020年7月16日付掲載】
その他掲載記事
 2020年暑中特集号
・全印工連DX推進プロジェクト いざ始動
・広がる「抗菌」印刷 新たなスタンダードになるか
・団体トップインタビュー
 全日本光沢化工紙協同組合連合会 堀 知文会長
 東京グラフィックサービス工業会 清水隆司会長
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年7月2日付
〈中小印刷産業振興議員連盟 総会〉
新型コロナ対策で意見交換
全印工連、地元優先発注など強く要望


 自由民主党「中小印刷産業振興議員連盟」の総会が6月18日午前9時から東京・永田町の衆議院第二議員会館で開催された。印刷業界側から全日本印刷工業組合連合会の滝澤光正会長、全日本印刷産業政治連盟の橋本唱一会長ほか10名が出席、新型コロナウイルス感染症で苦境に立つ中小印刷業界の現状について説明し、地元優先発注、持続化給付金の適用要件の緩和など、新たに6項目を要望した。これに対し政府の取組みについて各省庁担当者が説明、議員と意見交換を行った。

議員連盟の総会のようす

■新たに6項目を追加要望
 開会にあたり、議連の中曽根弘文会長、伊藤達也幹事長があいさつ。伊藤幹事長は「議連が発足して6年半、会員は126名となり、これまでさまざまな課題を解決してきた。本日はコロナの影響の実情と要望についてお話を聞き、何としてもこの厳しい状況を先生方と力を合わせて乗り越え、印刷産業の応援団として精一杯活動してまいりたい」と述べた。
 全印工連の滝澤会長は、コロナ危機で大きな売上減少に直面する業界の現状に触れ、政府の緊急対策に感謝を述べつつ、「国民への10万円の特別定額給付金に関連した印刷物では、多くの市町村で随意契約が結ばれていた大手印刷会社に発注されたという情報がある。今後は、どうか地元に根差した印刷会社に優先発注をいただきたい。われわれも地域社会への貢献を果たしたいと強く願っている。今後行われる『Go To キャンペーン』などにおいても地域経済の再活性化に役割を果たしてまいりたい」とあいさつ。続いて、全印工連の池尻専務理事が詳しい現状説明を行った。
 全印工連が組合員に行った調査では、4月・5月の対前年比売上高予測は全国平均で20%減。6月以降、売上の減少幅はさらに拡大し、重大な影響が生じる見通しとなっている。
 直近でも各地の組合員から、「官公需印刷物の発注が約70%減少、仕事の奪い合いで過度の値下げ競争が発生している」、「各種支援金は申請受理後に入金日を早急に連絡してほしい。いつまで待てばいいのか分からず、入金までの期間の手立てを講じられない」等の声が届いている。
 アンケート結果を受けて全印工連は4月22日、議連の会員にあてて、新たな補助金・助成金等の創設、審査の迅速化、各種制度の緩和措置など感染症対策に関する要望書を提出した。そして今回、新たな要望として次の6項目を示し、「強くお願いしたい」と訴えた。
 @今こそ、自治体の印刷物は地元の中小企業に優先発注を(さしたる理由もなく随意契約で県外大手業者に発注が行われている)
 A持続化給付金の適用要件の緩和(売上減50%以上から30%以上へ緩和)
 B特定求職者雇用開発助成金の対象の拡大や新たな助成制度の創設(新たに雇用〈解雇した従業員の再雇用を含む〉した場合も含めるよう拡大すること、あるいは雇い入れに係る新たな助成制度の創設)
 C最低賃金の凍結
 D売上増加局面における運転資金等の確保(増加局面において運転資金の確保に支障をきたす恐れがあり、融資を受ける際に「売上減少」要件が妨げになる。コロナ終息までの一定期間、要件の緩和あるいは撤廃を)
 E観光ビジネスに特化した施策の実施
 これら全印工連からの要望を受け、経済産業省、中小企業庁、厚生労働省、財務省ほか各省庁が政府の取組みについて説明した。厚労省からは、臨時特例法として成立した雇用調整助成金の個人給付制度(休業支援金)などの措置が示され、施行に向けて準備中であることが述べられた。
 続いて議連の議員から、全印工連が4月に提出した要望書の内容を含め、各省庁に対して取組みの進捗確認や質問などが行われた。
 「(雇用調整助成金に関して)社会保険労務士の連帯保証責任はまだ続いているのか」の質問には、「不正対策が目的だったが、故意に違反した場合のみ適用すると通知した。(社労士は)より依頼を引き受けやすくなった」と厚労省から回答があった。
 地元優先発注では、「随意契約は地元業者のためにあるという認識でいたので大きな違和感がある。地元の区議会議員などを通じて各自治体に指示を出すべきだ」といった意見が出され、別の東京の議員も「区民まつりなども相次いで中止となっている。需要を創出することが大事だ。防犯関係の印刷物や広報紙など、地元優先発注をしやすい分野から、区議会を通じて取り組んでいきたい」と述べた。
 また、「オリンピック・パラリンピックの延期でどれだけ需要がなくなったのか。1年延期されたのであれば、中小企業にいかに仕事を回すか、この辺を議論すべきだ」という発言があった。
 閉会あいさつでは中曽根会長が「本日は全印工連から新たな要望をいただき、議員の皆さんからも多くの意見をいただいた。これを宿題とし、よく整理したうえで取り組んでまいりたい。以前からの大きな問題である地元優先発注については、議員の皆さんにもご協力いただき、各自治体に対して働きかけをやっていかなければいけない」と述べた。















【印刷新報2020年7月2日付掲載】
その他掲載記事
・新理事長に佐野栄二氏 全印健保
・ITP 印刷通販「いろぷり」提供開始
・新理事長に聞く 静岡県印刷工業組合 松下 誠二氏
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年6月25日付
東京グラフィックス
在宅勤務における労務管理を学ぶ
ルール作りと適性判断が課題


 東京グラフィックサービス工業会(清水隆司会長)は、東京しごと財団から受託した「団体別採用力スパイラルアップ事業」のオンラインセミナー「テレワークの困りごと解決?管理者の役割」を開催し、特定社会保険労務士の假谷美香氏(潟Gジオ代表)が在宅勤務における労務管理などについて解説した。
 テレワークには、労働者が自由に働く場所を選択できる「モバイル勤務」、自宅近くや通勤途中の場所等で働く「サテライトオフィス勤務」、自宅で業務を行う「在宅勤務」の3つがあるが、不要不急の移動自粛が求められる現況下では、在宅勤務を導入する企業が圧倒的に多い。そのためセミナーは、在宅勤務における留意点、特に労務管理での注意すべきポイントを中心に進められた。
 在宅勤務における労務管理の課題として、假谷氏が挙げたのは、「勤怠管理」、「労働のパフォーマンスと評価/ルール作り(規定)」、「心理的なケア」の3点。そのうち、勤怠管理については、自身も導入しているというクラウド管理システムを紹介し、無料のトライアルを試験的に導入することを勧める。
 また、厚生労働省が公開しているテレワーク向けの就業規則モデルを活用するなどして、自社に適した規程整備の必要性を唱えた。
 さらに、「厚生労働省のモデルでは通信費や電気代は在宅者の負担としているが、これはマストではない。夏場にクーラーをつければ当然ながら光熱費は上がる。従業員が負担に感じる働き方が長期間続けばモチベーションにも関わる。最初にきちんと決めずになし崩し的に始めていることが問題だ」とルール作りの重要性を強調した。
 在宅勤務者のメンタルケアの問題については、テレビ会議などでこまめなコミュニケーションを取ることに加え、「新型コロナウイルスの影響で一斉に在宅勤務が強制されたが、本来はワークスタイルとして在宅勤務に合う人を選別する必要がある。自宅で仕事をしているのか不安に感じている上司もいるだろう。しかし、そもそも不安感を抱かせる人を在宅勤務させていることが問題だ。在宅勤務に適している社員を上司が判断しなければならない」と根本的な問題点を指摘。向き不向きを見分ける必要性を説いた。














【印刷新報2020年6月25日付掲載】
その他掲載記事
・特集・パッケージ新市場
・第11代会長に藤森康彰氏が就任 日印産連
・新理事長に聞く 愛知県印刷工業組合 鳥原 久資氏
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年6月11日付
紙の物流ガイドライン策定
関係業者間の協力を促す


 経済産業省、国土交通省、厚生労働省は5月29日、「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン 紙・パルプ(洋紙・板紙分野)物流編」を公表した。リードタイムの確保、発注量の平準化、共同輸送の実施、納品場所・回数等の集約、附帯作業の見直しなどの対応策を具体的に示している。今後、洋紙・板紙分野の物流に関わるサプライチェーン関係者(製紙会社、出版社、印刷会社、物流会社等)が課題解決を前進させるため、各省庁が連携して関係業界団体や個別企業にガイドラインの周知を図り、活用を強く促していく考えだ。
 今回のガイドラインは、2018年に設置した「紙・パルプ(洋紙・板紙分野)の物流における生産性向上及びトラックドライバーの時間労働改善に関する懇談会」(全5回)において検討された結果を踏まえて策定したもの。トラック運送業においては、ドライバー不足が大きな課題になっており、調査の結果、荷待ち時間が特に多かった輸送分野(紙・パルプ、加工食品、建設資材)について、それぞれ懇談会を設置し、検討を重ねてきた。
 洋紙・板紙分野では、印刷媒体の電子化等に伴い物量の減少が予想される中、運送事業者やドライバーの負荷が大きい不十分なリードタイムでの発注や少量多頻度納品など旧来の商習慣を見直すことが急務とされた。
 ガイドラインでは、課題解決策として次の項目を挙げ、それぞれ取組みのポイントと改善事例を示している。
▽車両集中の分散化(荷卸し時間の事前指定、混雑時を避けた配送など)
▽手荷役の解消(荷主とのパレットの共用化の促進、専用パレットの活用)
▽円滑な出荷・荷受け態勢の整備(発荷主からの配送情報の提供、出荷効率を優先した生産体制の構築)
▽輸送効率改善に向けた荷姿の変更(荷主側施設の仕様変更に伴う荷姿の見直し)
▽附帯作業の見直し(軒先荷卸し後の附帯作業を分離)
▽リードタイムの見直し、厳格な運用(受注締切時間の厳格な運用、受発注締切時間の早期化、納品リードタイムの緩和)
▽運行方法の効率化(往復ともに全線高速道路を利用)
▽発注量の平準化(着荷主の生産計画に即した納品数量の平準化、パレット単位受注への移行、週単位・日単位における発注量の平準化)
▽納品場所、納品回数等の集約(納品場所、納品回数、納品日・時間・曜日の集約)
▽事業者連携による保管・輸送の共同化(共同保管・共同輸送)
■共同輸送の実現へ協力関係の構築を
 ガイドラインでは、洋紙・板紙分野の物流における今後の取組みの方向性について解説を加えている。
 共同輸送の実施には十分なリードタイムの確保が必要となることから、発注期限の前倒しを提唱。可能な限り発注から納品までの期限を中1日以上とすることが望ましいとした。また、「印刷工場等の紙の発注元、印刷工場に印刷を依頼する出版社・広告代理店等の関係者と、下版日の早期化を検討することも含め、速やかに協力関係を構築する必要がある」と取組みを促した。
 物量の平準化については、「出版物の発売日や出版社の印刷会社への発注の納期の設定が洋紙・板紙のサプライチェーン全体の物量に大きな影響を与える」との認識に立ち、特に物量の多い雑誌の発売日の速やかな分散化を望んだ。
 コンビニエンスストア等の小売店舗への配送も、書籍・雑誌の少量多頻度輸送となり、運送事業者の収益確保の困難につながっている。これについても、ストアチェーンにまたがった共同輸送や、納品方法の簡素化など、輸送効率化に向けた取組みの必要を強調した。













【印刷新報2020年6月11日付掲載】
その他掲載記事
・2019年インキ需給実績 出荷量・額ともに減少
・東京製本 各支部の現況を報告
・コロナ後はIT化加速 矢野経済研究所調査
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年6月4日付
〈全印工連・対外広報プロジェクト〉
「大喜利印刷」第2弾作品を公開
さらに独自性と完成度高め


 全日本印刷工業組合連合会が展開する対外広報プロジェクトの「大喜利印刷」第2弾が5月20日に一般公開された。昨年大きな反響を呼んだ第1弾に続き、参加した組合員企業11社が独創的なアイデアと工夫で生み出した作品が楽しめる。前回同様、主要なマスメディア、Web系メディアへのリリースなどを通じて、印刷産業に対するプラスイメージが拡散することが期待される。作品は「大喜利印刷」Webサイト(https://oogiri-insatsu.com)ユーチューブ動画で見ることができる。

大喜利印刷第2弾に参加した11社の作品

■業界のイメージ戦略が拡大
 全印工連の対外広報プロジェクト(CMYKプロジェクト)として企画された「大喜利印刷」は、ツイッター上でつぶやかれた「こんなものが欲しい」という声を拾い上げ、印刷会社が持つ技術とノウハウを駆使して作品化する実験的な試み。作品の材料には工場などから廃棄される印刷廃材を利用する。これまでにない斬新な手法によって生活者に「印刷会社はここまで考え、形にできる力がある」というインパクトを与え、印刷業界のポジティブな姿と魅力を社会に広めていく広報戦略の一環だ。
 第1弾では、ネット上での反響のほか、個別の参加企業に対して、上場企業からタイアップ企画の相談、共感した人の入社希望(※実際に入社)などの実績を生んだ。参加企業では、社内および社外(デザイナー、素材メーカー等)のネットワーク活性化、製造ノウハウの開発といったメリットも確認されている。
 昨年7月に活動をキックオフした第2弾では前回以上に多彩な作品が揃った。
 エイエイピーの「名画入浴剤」は、入浴剤に有名絵画を印刷することで、風呂でリラックスしながら芸術鑑賞ができる。ありそうでなかったアイデアを印刷技術によって形にした。入浴剤が溶けると無地のイラストが浮かび上がり、塗り絵としても使える、廃材にはパレットと損紙を使用した。審査員からは「ぜひ商品化してほしい」と高く評価された。
 アインズの「FLOWERINK」は、本来はインクを拭き取るために使われる洗浄布の高い保湿性に着目したバラの花の形の加湿器。水分を吸い上げ、花弁の中のインクと混ざり合い、花びらがゆっくりと色づく。「肌荒れする妻になにかしてあげたい」という声をヒントに生まれた。
 栄光プリントの「カレーう道」は、「汁の飛びハネを気にせずにカレーうどんを思いっきりすすりたい」の声に応えた。専用胴着、特注の岡持ち、すすり方の四十八手などを残紙や製版梱包材で作製。遊び心あふれる作品となっている。  全印工連では、実際に作品を見られる展示機会の設定を検討するとともに、全国各地で自主的にプロジェクトを立ち上げる印刷・加工会社の登場を期待している。

【大喜利印刷第2弾参加企業と作品】(五十音順)
・アインズ(滋賀県蒲生郡)  花の加湿器「FLOWERINK」、音をかき消す食べれるメモ帳「紙姫」
・エイエイピー(静岡県田方郡)  名画入浴剤
・栄光プリント(石川県金沢市)  カレーう道
・鹿島印刷(佐賀県鹿島市)  手形を残すあぶらとり紙
・カシヨ(長野県長野市)  感情解放空間
・篠原紙工(東京都江東区)  はがせるテーブル
・三共印刷所(福島県福島市)  ひまつぶしカレンダー
・三和印刷(島根県出雲市)  その場で名刺印刷『凹』
・トータルプルーフ(福岡県福岡市)  印刷を再現した途方もない塗り絵
・ヒラヤマ(沖縄県豊見城市)  顔ハメ名刺
・UMO(山梨県甲斐市)  RE:TTER












【印刷新報2020年6月4日付掲載】
その他掲載記事
・全日本光沢・新会長に堀 知文氏
 東京グラは清水隆司氏
・令和2年度総会シーズン 各工組で真理上長
・全印工連実態調査 新型コロナウイルスの影響拡大
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年5月28日付
経団連、コロナ対策ガイドラインを公表
印刷業界も指針として活用


 日本経済団体連合会(中西宏明会長)は5月14日、「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を公表した。政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」や専門家会議の分析・提言などを踏まえ、個々の業界や事業場の実態に応じた予防対策を行う際の参考として整理したもの。オフィス向け、製造事業場向けの2つのガイドラインを作成した。日本印刷産業連合会では、印刷業界が守るべきガイドラインとしても今回の経団連のガイドラインの内容が適合すると確認しており、これを活用していく方針だ。
■オフィス向け、製造事業場向けにガイドライン
 経団連では、同ガイドラインで示した「感染防止のための基本的な考え方」と「講じるべき具体的な対策」、および各企業が所属する業界団体などで示される指針等を踏まえたうえで、「創意工夫を図りながら、新型コロナウイルスの感染予防に取り組むとともに、社会基盤としての役割を引き続き果たしていただきたい」と企業に呼びかけている。
 政府は5月25日、緊急事態宣言の全面解除を表明したが、経団連ではガイドラインについて、緊急事態宣言が終了した段階においても、「新型コロナウイルス感染症の感染リスクが低減し、早期診断から重症化予防までの治療法の確立、ワクチンの開発などにより企業の関係者の健康と安全・安心を十分に確保できる段階に至るまでの間の事業活動に用いられるべきもの」としている。
 ガイドラインの内容について経団連では、今後の感染症の動向や専門家の知見、対処方針の改定等を踏まえたうえで、適宜、必要な見直しを行っていく。
 また、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室は5月19日、81業種の感染拡大予防ガイドラインをまとめた資料をホームページで公開した。業種・団体名・担当官庁・ガイドライン掲載URLが一覧となっている。このうち、印刷業界は「製造業全般」および「オフィス事務全般」(ともに、団体は一般社団法人日本経済団体連合会、担当官庁は経済産業省)を活用していく。日本印刷産業連合会では、経団連のガイドライン策定段階から経済産業省と刷り合わせをしながら、経団連ガイドラインの「製造業全般」、「オフィス事務全般」の内容について、印刷事業所が活用するうえで問題ないと確認している。このため、印刷業界独自のガイドラインは策定せず、経団連のガイドラインを活用し、啓発に努めていく。
 「製造業全般」および「オフィス事務全般」のガイドラインの詳細はホームページに公開されている。両ガイドラインの内容はかなり重複しているが、「勤務」に関しては、製造事業所とオフィスの特徴に配慮した独自の項目がそれぞれ盛り込まれている。
 たとえば、「窓が開く場合、1時間に2回以上、窓を開け換気する。建物全体や個別の作業スペースの換気に努める。なお、機械換気の場合は窓開放との併用は不要である。」は両方に共通するが、製造事業場には「シフト勤務者のロッカールームをグループごとに別々の時間帯で使用することなどにより、混雑や接触を可能な限り抑制する。」、オフィスには「人と人が頻繁に対面する場所は、アクリル板・透明ビニールカーテンなどで遮蔽する」「会議やイベントはオンラインで行うことも検討する。」「採用説明会や面接などについては、オンラインでの実施も検討する。」等の指針が入っている。
 両ガイドラインの中から、「感染防止のための基本的な考え方」と「講じるべき具体的な対策 (1)感染予防対策の体制」について掲載しておく。
■感染防止のための基本的な考え方
 事業者は、職場における感染防止対策の取り組みが、社会全体の感染症拡大防止に繋がることを認識した上で、対策に係る体制を整備し、個々の職場の特性に応じた感染リスクの評価を行い、それに応じた対策を講ずる。
 特に、従業員への感染拡大を防止するよう、通勤形態などへの配慮、個々人の感染予防策の徹底、職場環境の対策の充実などに努めるものとする。
■講じるべき具体的な対策
(1)感染予防対策の体制
・経営トップが率先し、新型コロナウイルス感染防止のための対策の策定・変更について検討する体制を整える。
・感染症法、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の関連法令上の義務を遵守するとともに、労働安全衛生関係法令を踏まえ、衛生委員会や産業医等の産業保健スタッフの活用を図る。
・国、地方自治体、業界団体などを通じ、新型コロナウイルス感染症に関する正確な情報を常時収集する。











【印刷新報2020年5月28日付掲載】
その他掲載記事
・特集「リモートワークで変わる印刷業」
・新会長に藤森康彰氏 印刷工業会
・令和版 印刷産業構造改善を提言 全印工連
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年5月21日付
東印工組、滝澤執行部が発足
連帯、共済、対外窓口機能を前面に


 東京都印刷工業組合(臼田真人理事長)は5月11日、書面決議を活用した総代会を開催、滝澤光正副理事長の理事長への昇格と、IoT技術を活用した収益の見える化、各組合員企業の生産システムの連携と高効率化を目指したDX(デジタルトランスフォーメーション)の調査研究・推進などを盛り込んだ令和2年度事業計画が承認された。総代会終了後には日本印刷会館で記者発表会が開催され、総代会の報告が行われた。
■収益見える化促進、DX事例研究など取り組み

滝澤新理事長

 発表会には滝澤・臼田新旧理事長のほか、副理事長、専務理事、常務理事ら新執行部のメンバーが出席した。
 冒頭に池尻淳一専務理事が、総代会が本人出席3名、書面による議決権行使125名により成立し、6議案が可決・承認されたことを報告。また、その後の今年度第3回理事会で新執行部が選任されたことが併せて報告された。
 続いて、就任あいさつに立った滝澤理事長は「新型コロナウイルスまん延により、印刷産業も需要減、売上減に見舞われていることは組合で行っているアンケート調査でも明らかだ。こうした状況で組合の使命を考えると、かつて水上理事長が示された、連帯、共済、対外窓口という機能に尽きる。まずは経営に有用な情報の収集といち早い発信に努めるとともに、行政や議会にしっかり要望し、それぞれの経営改善に資する施策の実現に努力していく」と迅速な対応を表明した。
 そして、人口減少に伴う市場縮小と急速なデジタル化への対応について、「印刷会社にはお客様の課題を解決するソリューション・プロバイダーの役割が求められており、新しい印刷産業への模索が現在も続いている。また、コロナ後の社会を考えるとその重要性は加速度的に増していくだろう。今年度も印刷産業本来の魅力を広く社会に発信し、印刷に関わるすべての人々を幸せにする産業の確立を目指し、すべての組合員にメリットを感じていただける事業運営に努めていく」と方針を述べた。
 続いて、退任あいさつを述べた臼田前理事長は「滝澤新理事長の強いリーダーシップのもと東印工組がますます発展し、コロナを乗り越えることを期待している」と新執行部への期待を表明。また、滝澤理事長から臼田前理事長に感謝状が贈呈された。
 令和2年度事業計画では、印刷産業の構造改革、組合員企業の力強い経営と持続的な成長、発展を目指すべく、IoT技術を活用した各社の収益の見える化の促進と、各組合員企業の生産システムの連携と高効率化を目指したDXの調査研究と推進を図っていく。
 同時に、各社がソリューション・プロバイダーとしてさらに特色を磨くことによる収益性の向上と、「幸せな働き方改革」の推進による人材確保と育成などによる印刷産業全体の構造改革に着手する。
 具体的な各委員会の取組みでは、経営革新マーケティング委員会でDX実装の事例研究・情報発信、事業承継センターの活用推進と啓発、デザイン経営の事例研究・情報発信など。環境労務委員会ではGP認定制度の普及推進、「幸せな働き方改革プロジェクト」の推進など。組織共済委員会では組合員増強・加入促進、各種共済事業の運営・加入促進など。教育研修委員会では社員教育プログラムの実施、経営者教育に向けた取組み、遠隔教育システムのコンテンツの普及と協力などに取り組んでいく。
 なお、これら事業に伴う予算規模は1億5983万円となった。

【令和2・3年度常任理事・常任監事】 ※敬称略
 理事長 滝澤光正
 副理事長(所管委員会) 瀬田章弘(東京青年印刷人協議会)、福田浩志(経営革新マーケティング)、土屋勝則(教育研修)、白橋明夫(環境労務、組織共済)
 専務理事 池尻淳一(東印工組)
 常務理事(委員長委員会) 惟村唯博(環境労務)、小島武也(組織共済)、田畠義之(経営革新マーケティング)、富澤隆久(教育研修)
 常任監事 名取顕一、五十嵐直也











【印刷新報2020年5月21日付掲載】
その他掲載記事
・印刷DX推進プロジェクトを始動 全印工連
・他業種の事例から考える―感染症BCP 中小企業白書より
・新会長に橋本唱一氏 全印政連
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年5月14日付
〈コロナ関連アンケート情報〉
4月の売上高は2割減か
代替先との連携も課題


 印刷業界の各団体から新型コロナウイルスに関する緊急アンケートの結果が発表されている。
 全日本印刷工業組合連合会は、4月1〜10日の期間で組合員に調査を実施(回答571社)。全国平均で2月の売上が対前年比96.8%、3月が同91.3%、4月予測が同80.2%、5月予測が同81.4%となっており、緊急事態宣言の延長等により実態はさらに悪化しているものと見られる。
 業態別の5月予測では、出版印刷の90.3%を除くと、事務用・商業・包装・特殊印刷とも20%前後の減少。ソフト・サービスは4月予測61.4%、5月予測55.1%と特に厳しい状況にある。
 宮城県印刷工業組合は、4月27日現在で組合員・賛助会員119社を対象に実施したアンケート調査結果(回答55社)を集計・分析し、課題を明らかにした。
 社員への検温や体調ヒアリングを「これから実施」が40%。早急な対応の必要を指摘した。在宅勤務の実施については「考えていない」が36%と高いが、実験的にでも進めた方が良いとしている。パンデミック時の対応方針、行動指針については「作成予定なし」と「どのように作ればいいか分からない」を合わせて36%となった。生産停止・休業時の代替先との連携では、「これから検討」35%、「その時になったら考える」20%。資材の安定的な調達に関する仕入れ先との交渉については、「これから検討」が38%となり、いずれも検討課題とされている。
 日本印刷技術協会の調査(4月6〜15日に全国の会員印刷会社77社を対象に実施)では、3月実績が売上高8%減、4月見通しは19%減。地域別では大都市圏を中心に影響が大きい。イベントの延期・中止のほか、取引先の減産、顧客のテレワークへの移行による営業難などの影響が挙げられている。










【印刷新報2020年5月14日付掲載】
その他掲載記事
・可変印刷の訴求強まる
 日印産連「デジタル印刷アンケート調査」
・廣済堂、佐川印刷と業務提携
・東京都、印刷物制作費などに助成
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html



2020年4月30日付
〈真興社のテレワーク取組み事例〉
人材確保にテレワーク
顧客の業務改革支援にも


 新型コロナウイルス発生の前と後では、世界が大きく様変わりすることになる。それが最も顕著に現れると考えられるのが、人と人の関係性であり、働き方、職場のあり方だ。感染症対策は、企業に否応なくテレワークや時差出勤、テレビ会議システム、オンライン研修の導入など、働き方改革への取組みを迫る。経済産業省は政府の緊急事態宣言を受け、4月13日に日本商工会議所など所管の中小企業関連948団体に対して、在宅勤務等の推進について要請した。もはや旧来の働き方に戻ることはあり得ない。もちろん課題は多いが、職場に縛られない働き方のメリットを、すでに企業も従業員も感じ始めている。
 ここでは、10年ほど前から業界に先駆けてテレワーク実現に向けて取り組んできた真興社(福田真太郎社長、東京都渋谷区)の事例を紹介する。同社は、テレワークの活用で自社の経営基盤の強化を図るとともに、主要顧客である専門書出版社に対してオンライン業務システムを提案し、働き方改革の支援にまで踏み込んでいる。
◆コロナ禍を機に強まる企業の変革意識
 真興社の売上のほとんどは医学書・工学書など専門書籍によるもので、高度な編集ノウハウと組版・印刷技術、社内一貫生産が強みだ。社員は約70名。2017年にはテレワークシステムをハブサーバー化するなど、21世紀型の新しい印刷業のあり方に挑戦している。
 今、新型コロナウイルス対策により医療現場は混乱を極めている。とても医学関連書籍の原稿執筆を行えるような状況にはなく、同社の仕事にも影響が及んでいる。福田社長は、この機会を利用して変則勤務シフトや制作部門で一層の在宅勤務などを試み、社員にアンケートを実施して今後の新しい働き方の可能性を探るつもりだ。
 同社のリモートワークフローやテレワークへの取組みは約10年前からで、オンライン校正システムの運用がきっかけだった。競争優位性を確立するため顧客の業務支援に乗り出すにあたり、まず出版社の業務分析から始めた。そして、編集者がいかに執筆者や監修者、外部スタッフとの煩雑なやり取りに苦労しているかを理解した。負担を少しでも軽くしたいとの思いからデジタルシステムの構築を目指した。
 現在、出版社と制作・製版現場をつなぐリモートデスクトップシステム「Web Factory」を運用し、オンラインでの打合せ、原稿整理、入稿、編集、文字校正、色校正を行い、CIP4/JDFにより製版、印刷、製本まで自動生産システムで完結するワークフローを実現している。編集者にとって時間とコストの大幅な軽減につながる。
 業界の体質として、現状の仕事のやり方を変えたくないという出版社もまだまだ多い。だが、今回の新型コロナウイルスによる未曾有の危機は、多くの出版社の意識を変えたようだ。2020年に入り、同社の提案に耳を傾ける出版社が明らかに増えたという。
◆在宅勤務は仕組みと環境整備で可能に
 福田社長はテレワークのメリットとして、人材確保、見える化、経費削減などを挙げる。中でもテレワーク導入の必要を感じた一番の理由は、社内の人材確保だった。せっかく教育しても、DTPオペレータとして「さあ、これから」という時に退職する社員は多い。特に制作部門は女性が多く、結婚や出産・育児、夫の転勤、親の介護などが勤続を妨げる。培ったスキルを社内に残し、継続して働いてもらうため、福田社長はテレワークに着目した。
 「印刷会社の業務はデジタルデータですべて流れるのでテレワークに向いている。特にDTP作業は導入しやすい。家庭の事情で出社できなくなった場合でも、自宅に作業環境を整えてあげることで、スキルが維持され、豊富な経験を活かせる。本人にとっても会社にとっても喜ばしい。今後は、通勤時間の長さやワークライフバランスを理由にテレワークを希望する社員も増えるだろう」と福田社長は見る。
 真興社ではすでに、DTPオペレータ30名のうち5名がテレワークで働いている。給与体系は通常勤務の社員と変わらず、制作したDTPパーツ点数に応じた成果給が支給される。これに、時間管理システムによる業務評価が加わる。
 真興社ではVPN接続のコニカミノルタ Neostream Proを使った監視システムを導入することで、本社側で在宅勤務者の作業状況を把握できる。また、「DTPパーツごとの仕上げは成果が目に見えてわかりやすく、彼女たちは意欲的に仕事をしてくれる。在宅の自分にまで仕事を回してほしいという気持ちも根底にあるため、手を抜くことはない」と福田社長は話す。
 同社の制作部門では、4人の職長がそれぞれ6、7人の社員からなるチームを受け持っている。また、印刷原稿に必要な文字/罫表/図版/写真データを「DTPパーツ」として、各データを格納する4つの"キャビネット"を作り、作業を分業化するライン生産方式を作り上げたことも業務をわかりやすくした。
 テレワーカーを含めた社内の円滑なコミュニケーションのため、スケジュールボード、伝言メモ、テレビ会議システム、メッセンジャー、IP電話なども活用している。
 テレワークに必要な会社側の経費として、自宅で使うMacやフォント等の支給(場合によりスキャナやプリンタ)、管理サーバーの導入などがあるが、通勤費やオフィス維持費などは節減される。なにより、優秀な人材をつなぎ留めておけるメリットは大きい。資料の電子化、業務改善、情報共有、コミュニケーションのリアルタイム化などの効果もある。
 福田社長は「これからの印刷会社は、編集制作も営業も人海戦術に頼ることはできない。ネットワークを通じた仕事の遂行でお客様から評価される時代に変わりつつあるのではないか」と話す。
















【印刷新報2020年4月30日付掲載】
その他掲載記事
・特別企画 枚葉印刷最前線
・令和2年春の叙勲・褒章
・新規に11工場を認定 日印産連GP認定
見本紙請求、定期購読は下記URLからお求めください。
・見本紙請求
http://www.print-info.co.jp/sisou.html
・定期購読申込み
http://www.print-info.co.jp/formmail.html